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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-202411(P2016-202411A)
(43)【公開日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】蛍光観察装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20161111BHJP
   A61B 1/04 20060101ALI20161111BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20161111BHJP
   G02B 21/06 20060101ALI20161111BHJP
【FI】
   A61B1/00 300D
   A61B1/04 372
   A61B1/00 300Y
   G02B23/24 B
   G02B21/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-85355(P2015-85355)
(22)【出願日】2015年4月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(72)【発明者】
【氏名】上原 靖弘
【テーマコード(参考)】
2H040
2H052
4C161
【Fターム(参考)】
2H040GA02
2H040GA11
2H052AA09
2H052AC14
2H052AC26
4C161CC06
4C161FF40
4C161LL02
4C161MM01
4C161MM05
4C161MM07
4C161QQ02
4C161QQ04
4C161RR04
4C161RR14
4C161WW04
4C161WW17
(57)【要約】
【課題】可視光域の複数波長の蛍光像を白色光と同時に観察する際に、フレームレートを向上して位置ずれが低減された画像を提供する。
【解決手段】R、G、Bの各波長領域における帯域光を含み、少なくとも2つの帯域光が、各々の長波長側の一部帯域を除く波長特性を有する照明光を射出する光源部3と、該光源部3からの帯域光の被写体Xにおける反射光を撮影する反射光撮像部55と、2以上の帯域光のそれぞれにより発生する異なる帯域の2以上の蛍光を撮影する蛍光撮像部56,58と、該蛍光撮像部56,58の前段に配置され、帯域光を遮断し、一部帯域に波長を有する2以上の蛍光を透過する波長特性を有する励起光カットフィルタ57とを備え、蛍光撮像部56,58が、該励起光カットフィルタ57を透過した2以上の蛍光を区別して撮影可能に構成されている蛍光観察装置1を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
R、G、Bの各波長領域における帯域光を含み、少なくとも2つの前記帯域光が、各々の長波長側の一部帯域を除く波長特性を有する照明光を射出する光源部と、
該光源部からの帯域光の被写体における反射光を撮影する反射光撮像部と、
2以上の前記帯域光のそれぞれにより発生する異なる帯域の2以上の蛍光を撮影する蛍光撮像部と、
該蛍光撮像部の前段に配置され、前記帯域光を遮断し、前記一部帯域に波長を有する2以上の前記蛍光を透過する波長特性を有する励起光カットフィルタとを備え、
前記蛍光撮像部が、該励起光カットフィルタを透過した2以上の前記蛍光を区別して撮影可能に構成されている蛍光観察装置。
【請求項2】
前記蛍光撮像部が、異なる帯域の2以上の前記蛍光を択一的に透過するように透過帯域を切り替える可変分光素子を備える請求項1に記載の蛍光観察装置。
【請求項3】
前記蛍光撮像部が、カラー撮像素子からなる請求項1に記載の蛍光観察装置。
【請求項4】
前記光源部が、白色光源と、該白色光源から発せられた白色光に含まれる前記照明光を透過させる波長特性を有する励起フィルタとを備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の蛍光観察装置。
【請求項5】
表示部と、
前記反射光撮像部によって取得された反射光画像および前記蛍光撮像部によって取得された2以上の蛍光画像を前記表示部に表示させる表示画像制御部とを備え、
前記蛍光撮像部が、前記2以上の蛍光を1回ずつ順番に撮影する期間を1サイクルとして、前記2以上の蛍光の撮影および前記2以上の蛍光画像の取得を繰り返し、
前記表示画像制御部が、前記2以上の蛍光画像と、該2以上の蛍光画像のいずれか1つと同時刻または最も近い時刻に撮影された前記反射光画像とを同時に前記表示部に表示させる請求項1から請求項4のいずれかに記載の蛍光観察装置。
【請求項6】
前記表示画像制御部が、最新の前記反射光画像および前記2以上の蛍光画像を前記表示部に表示させる請求項5に記載の蛍光観察装置。
【請求項7】
前記反射光撮像部が、各サイクルにおいて、1サイクルの略中間で1回のみ反射光を撮影する請求項5または請求項6に記載の蛍光観察装置。
【請求項8】
前記蛍光撮像部が、前記2以上の蛍光を区別して撮影可能であり、
前記光源部が、前記反射光撮像部による撮影期間中には前記帯域光を同時に射出し、前記蛍光撮像部のみによる撮影期間中には2以上の前記帯域光のうちの1つのみを射出する請求項7に記載の蛍光観察装置。
【請求項9】
前記光源部が、前記蛍光撮像部のみによる撮影期間中には、前記反射光撮像部による撮影期間中に比べて前記帯域光の強度を増大させる請求項7または請求項8に記載の蛍光観察装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光観察装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、白色光と可視光域の複数波長の蛍光の同時観察を実現した蛍光観察装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この蛍光観察装置では、白色光と励起光とを順番に被写体に照射し、白色光画像および複数種類の蛍光画像を順番に取得している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−155291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の蛍光観察装置では、取得する画像の種類の数に応じて、各種類の画像のフレームレートが低下する。したがって、例えば、内視鏡を移動させながら生体内を観察したり、大きく動く器官等を観察したりする場合に、ある時点で取得され白色光画像と次に取得された白色光画像との間で撮影時刻の差が大きくなることに起因して観察対象の撮影範囲のずれが生じる。白色光画像は主に観察対象の形態の観察に用いられるが、フレームレートの低い白色光画像では観察対象の形態の詳細な観察が難しいという問題がある。
【0005】
さらに、白色光画像と蛍光画像とを同時にモニタに表示する際に、白色光画像と蛍光画像との間にも上述した観察対象の撮影範囲のずれが生じる。特に複数種類の蛍光画像を観察する場合には、白色光画像と各種類の蛍光画像との撮影時刻の差がより大きくなり、撮影範囲のずれも顕著になるという問題がある。
【0006】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、可視光域の複数波長の蛍光像を白色光と同時に観察する際に、フレームレートを向上して位置ずれが低減された画像を提供することができる蛍光観察装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、R、G、Bの各波長領域における帯域光を含み、少なくとも2つの前記帯域光が、各々の長波長側の一部帯域を除く波長特性を有する照明光を射出する光源部と、該光源部からの帯域光の被写体における反射光を撮影する反射光撮像部と、2以上の前記帯域光のそれぞれにより発生する異なる帯域の2以上の蛍光を撮影する蛍光撮像部と、該蛍光撮像部の前段に配置され、前記帯域光を遮断し、前記一部帯域に波長を有する2以上の前記蛍光を透過する波長特性を有する励起光カットフィルタとを備え、前記蛍光撮像部が、該励起光カットフィルタを透過した2以上の前記蛍光を区別して撮影可能に構成されている蛍光観察装置を提供する。
【0008】
本態様によれば、光源部から射出されたR、G、Bの帯域光が被写体に照射されると、被写体における帯域光の反射光が反射光撮像部により撮影され、反射光画像が取得される。一方、2以上の帯域光を励起光としてこれらの帯域光からずれた帯域に発生する2以上の蛍光は、蛍光撮像部の前段に設けられた励起光カットフィルタを透過し、光源部からの帯域光は励起光カットフィルタによって蛍光撮像部に入射することなく遮断される。そして、励起光カットフィルタを透過した2以上の帯域の蛍光は、蛍光撮像部において区別されて撮影され、2以上の波長の蛍光画像が取得される。その結果、反射光については連続的に撮影することができるので、フレームレートの高い反射光画像を提供することができる。さらに、2以上の蛍光については反射光と同時に撮影することができるので、反射光画像との間で撮影範囲のずれが低減された蛍光画像を提供することができる。
【0009】
上記態様においては、前記蛍光撮像部が、異なる帯域の2以上の前記蛍光を択一的に透過するように透過帯域を切り替える可変分光素子を備えていてもよい。
このようにすることで、2以上の蛍光は、可変分光素子の透過帯域を切り替えることにより、順次撮影される。この場合においても、各蛍光の撮影は白色光と同時に行われるので、2以上の蛍光はいずれも白色光と同時観察することができる。
【0010】
また、上記態様においては、前記蛍光撮像部が、カラー撮像素子からなっていてもよい。
このようにすることで、励起光カットフィルタを透過した2以上の帯域の蛍光はカラー撮像素子のカラーフィルタによって区別されて別個の画素により撮影される。これにより、反射光画像を連続的に観察しながら、該反射光画像と同時に2以上の帯域の蛍光画像を観察することができる。
【0011】
また、上記態様においては、前記光源部が、白色光源と、該白色光源から発せられた白色光に含まれる前記照明光を透過させる波長特性を有する励起フィルタとを備えていてもよい。
このようにすることで、2以上の帯域光を混合してなる擬似的な白色光の被写体における反射光を連続的に観察することができる。
【0012】
また、上記態様においては、表示部と、前記反射光撮像部によって取得された反射光画像および前記蛍光撮像部によって取得された2以上の蛍光画像を前記表示部に表示させる表示画像制御部とを備え、前記蛍光撮像部が、前記2以上の蛍光を1回ずつ順番に撮影する期間を1サイクルとして、前記2以上の蛍光の撮影および前記2以上の蛍光画像の取得を繰り返し、前記表示画像制御部が、前記2以上の蛍光画像と、該2以上の蛍光画像の内のいずれか1つと同時刻または最も近い時刻に撮影された前記反射光画像とを同時に前記表示部に表示させてもよい。
このようにすることで、異なる時刻に撮影された複数の蛍光画像を反射光画像と一緒に表示する際に、蛍光画像と反射光画像と撮影時刻の差に因る、蛍光画像と反射光画像との撮影範囲のずれが観察に与える影響を抑制することができる。
【0013】
また、上記態様においては、前記表示画像制御部が、最新の前記反射光画像および前記2以上の蛍光画像を前記表示部に表示させてもよい。
このようにすることで、表示部に表示される画像を、反射光画像および蛍光画像のフレームレートと同一の高いフレームレートで更新し、被写体の最新の情報を観察者に提供することができる。
【0014】
また、上記態様においては、前記反射光撮像部が、各サイクルにおいて、1サイクルの略中間で1回のみ反射光を撮影してもよい。
このようにすることで、同一サイクル中に撮影される複数の蛍光画像との反射光画像と撮影時刻の差を略等しくし、複数の蛍光画像と反射光画像との撮影範囲のずれによる影響を抑制することができる。
【0015】
また、上記態様においては、前記蛍光撮像部が、前記2以上の蛍光を区別して撮影可能であり、前記光源部が、前記反射光撮像部による撮影期間中には前記帯域光を同時に射出し、前記蛍光撮像部のみによる撮影期間中には2以上の前記帯域光のうちの1つのみを射出してもよい。
このようにすることで、反射光の撮影期間以外の期間においては、他の色の蛍光によるクロストークを含まない正確な蛍光画像を取得することができる。
【0016】
また、上記態様においては、前記光源部が、前記蛍光撮像部のみによる撮影期間中には、前記反射光撮像部による撮影期間中に比べて前記帯域光の強度を増大させてもよい。
このようにすることで、反射光の撮影期間以外の期間においては、より高強度の蛍光を発生させて、より明るい蛍光画像を取得することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、可視光域の複数波長の蛍光像を白色光と同時に観察する際に、フレームレートを向上して位置ずれが低減された画像を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態に係る蛍光観察装置の全体構成図である。
図2図1の蛍光観察装置に備えられる励起フィルタおよび励起光カットフィルタの波長特性例を示す図である。
図3図1の蛍光観察装置の動作を説明するタイミングチャートである。
図4図1の蛍光観察装置の動作の変形例を示すタイミングチャートである。
図5図1の蛍光観察装置の動作の他の変形例を示すタイミングチャートである。
図6図1の蛍光観察装置に備えられる励起フィルタおよび励起光カットフィルタの他の波長特性例を示す図である。
図7図1の蛍光観察装置の変形例を示す全体構成図である。
図8図7の動作を説明するタイミングチャートである。
図9】本発明の第2の実施形態に係る蛍光観察装置の動作を説明するタイミングチャートである。
図10図9の蛍光観察装置に備えられる励起フィルタおよび励起光カットフィルタの変形例の波長特性例を示す図である。
図11図9の蛍光観察装置の動作の変形例を説明するタイミングチャートである。
図12図9の蛍光観察装置の動作の他の変形例を説明するタイミングチャートである。
図13図9の蛍光観察装置の動作の他の変形例を説明するタイミングチャートである。
図14図9の蛍光観察装置の動作の他の変形例を説明するタイミングチャートである。
図15図9の蛍光観察装置の動作の他の変形例を説明するタイミングチャートである。
図16図9の蛍光観察装置の動作の他の変形例を説明するタイミングチャートである。
図17】本発明の第3の実施形態に係る蛍光観察装置の全体構成図である。
図18図17の蛍光観察装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る蛍光観察装置1について、図1から図8を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る蛍光観察装置1は、蛍光内視鏡装置であって、図1に示されるように、体内に挿入される細長い挿入部2と、光源ユニット(光源部)3と、該光源ユニット3からの照明光を挿入部2の先端2aから生体組織(被写体)Xに向けて照射する照明ユニット4と、挿入部2の先端2a付近に設けられ、生体組織Xの画像信号を取得する撮像ユニット5と、撮像条件を設定する撮像条件設定部7と、設定された撮像条件に従って光源ユニット3および撮像ユニット5を制御し、画像を生成するプロセッサ6と、該プロセッサ6によって画像信号から生成された画像P,Qを表示するモニタ8とを備えている。
【0020】
光源ユニット3は、白色光を発生する白色光源31と、該白色光源31から発せられた白色光から、R、G、Bの各波長領域において1つの帯域光を透過させる励起フィルタ(トリプルバンドパスフィルタ)32と、該励起フィルタ32を透過した3つの帯域光を集光するカップリングレンズ33とを備えている。励起フィルタ32を透過した3つの帯域光は、それぞれR、G、Bの帯域を有しているので、カップリングレンズ33によって集光された光は、擬似的な白色光を構成している。一方、励起フィルタ32を透過した3つの帯域光は、それぞれ生体組織Xに存在する蛍光物質を励起する励起光として作用するようになっている。各帯域光によって励起されることにより生体組織Xにおいて発生する蛍光は、帯域光とは異なる波長(後述するノッチ帯域内の波長)を有している。
【0021】
照明ユニット4は、挿入部2に配置されたライトガイドファイバ41と、挿入部2の先端2aに設けられた照明光学系42とを備えている。ライトガイドファイバ41は、カップリングレンズ33によって集光された光をその基端から先端まで導光する。照明光学系42は、ライトガイドファイバ41の先端から出射された擬似的な白色光を、挿入部2の先端2aに対向する生体組織Xに照射するようになっている。
【0022】
撮像ユニット5は、生体組織Xからの光を集める対物レンズ51と、該対物レンズ51によって集められた光を2つに分割するビームスプリッタ52と、該ビームスプリッタ52によって分割された光をそれぞれ集光する2つの集光レンズ53,54と、集光レンズ53,54によって集光された光をそれぞれ撮影する第1の撮像素子(反射光撮像部)55および第2の撮像素子(蛍光撮像部)56と、ビームスプリッタ52と第2の撮像素子56との間に配置され、蛍光のみを選択的に透過させる励起光カットフィルタ57および、透過帯域を切り替えて異なる波長の蛍光を択一的に透過させる可変分光素子(蛍光撮像部)58とを備えている。
【0023】
図2に励起フィルタ32および励起光カットフィルタ57の透過率特性(波長特性)を示す。励起フィルタ32は、波長間隔をあけた3つの帯域の光を透過させ、励起光カットフィルタ57は、励起フィルタ32を透過する波長の光を遮断し、励起フィルタ32を透過しない波長の光を透過させるようになっている。
【0024】
具体的には、励起フィルタ32は、可視光域(波長約400nm〜約700nm)の内、R(約600nm〜約700nm)、G(約500nm〜約600nm)、B(約400nm〜約500nm)の各波長領域に、光を透過させる透過帯域(図2の実線参照。)を有している。また、励起フィルタ32は、Bの透過帯域とGの透過帯域との間、Gの透過帯域とRの透過帯域との間、および、Rの透過帯域の長波長側の3箇所に、光を遮断するノッチ帯域を有している。3つのノッチ帯域は、R、G、Bの各透過帯域を透過した3つの帯域光によって励起される蛍光の波長にそれぞれ対応している。励起光カットフィルタ57は、ノッチ帯域と重複する波長領域に蛍光を透過させる透過帯域(図2の鎖線参照。)を有している。
【0025】
ビームスプリッタ52は、対物レンズ51によって集められた光を2つに分割し、一方を第1の撮像素子55へ向かって反射させ、他方を第2の撮像素子56へ向かって透過させるようになっている。
第1の撮像素子55は、例えば、カラーCCDまたはカラーCMOSであり、ビームスプリッタ52で反射した生体組織Xからの反射光をカラー撮影して反射光画像信号を生成するようになっている。
第2の撮像素子56は、例えば、高感度モノクロCCDであり、生体組織Xから発せられて励起光カットフィルタ57および可変分光素子58を透過した蛍光を撮影して蛍光画像信号を生成するようになっている。
【0026】
撮像条件設定部7は、第1の撮像素子55による反射光の撮影条件および第2の撮像素子56による蛍光の撮像条件を、観察者が図示しない入力手段を使用して入力する装置である。撮像条件とは、例えば、露光時間、ゲイン、蛍光波長等である。撮像条件設定部7で設定された撮影条件は、プロセッサ6の制御信号生成部63に送信される。
【0027】
プロセッサ6は、第1の撮像素子55によって取得された反射光画像信号から反射光画像Pを生成する反射光画像生成部61と、第2の撮像素子56によって取得された蛍光画像信号から蛍光画像Qを生成する蛍光画像生成部62と、制御信号生成部63と、表示画像制御部64とを備えている。制御信号生成部63は、設定された撮像条件に従って、白色光源31、撮像素子55,56および可変分光素子58を制御するようになっている。表示画像制御部64は、反射光画像生成部61によって生成された反射光画像Pおよび蛍光画像生成部62によって生成された蛍光画像Qを、所定のフレームレートでモニタ8に出力して表示させる。
【0028】
以下、第1の撮像素子55および第2の撮像素子56が同一のフレームレートに設定され、かつ、3色の蛍光を撮影するように、撮像条件設定部7に撮像条件が設定されている場合について説明する。この場合には、制御信号生成部63は、図3に示されるように、第1の撮像素子55による1回の露光とともに、第2の撮像素子56による1色の蛍光の露光を実施させる。また、制御信号制御部63は、第2の撮像素子56による3色の蛍光の露光を第1の撮像素子55による3回の露光とともに順次行うことを繰り返させる。
【0029】
さらに具体的には、制御信号生成部63は、図3に示されるように、観察が開始されると、白色光源31を連続的に点灯させて白色光を連続的に発生させ、第1の撮像素子55による反射光の撮影(白色露光)を各フレームで行わせるとともに、可変分光素子58を制御して、透過させる蛍光の波長帯域を、R、G、Bの3つの帯域光によって励起される蛍光(以下、R蛍光、G蛍光およびB蛍光という。)の波長帯域に順次切り替えるようになっている。
【0030】
図3のタイミングチャートの「表示画像」の段は、各フレームにおいてモニタ8に表示される反射光画像Pおよび蛍光画像Qの組み合わせを示している。例えば、最初のフレームの「白色露光(1回目)」および「R蛍光露光(1回目)」において反射光およびR蛍光がそれぞれ撮影されると、「白色露光(1回目)」および「R蛍光露光(1回目)」によって取得された「反射光画像(1回目)」および「R蛍光画像(1回目)」が次のフレームでモニタ8に表示される。
【0031】
このように構成された本実施形態に係る蛍光観察装置1の作用について以下に説明する。
撮像条件設定部7を介して観察者が撮像条件を設定すると、制御信号生成部63が、白色光源31を点灯させるとともに撮像素子55,56および可変分光素子58を制御する。
【0032】
白色光源31が点灯されると、白色光源31から発せられた白色光が励起フィルタ32を通過させられることによって、波長帯域の一部が切り欠かれ、波長間隔をあけたR,G,Bの各波長領域の一部の帯域の光を含む照明光がカップリングレンズ33によってライトガイドファイバ41に入射される。励起フィルタ32によって、白色光の一部の帯域が部分的に切り欠かれるが、励起フィルタ32を透過した光はR、G、Bの各帯域の光を全て含んでいるため、擬似的な白色光として、ライトガイドファイバ41によって挿入部2の先端2aまで導かれた後に、照明光学系42によって生体組織Xに照射される。
【0033】
擬似的な白色光が生体組織Xに照射されると、生体組織Xの表面において反射された反射光、および、生体組織X内に存在している蛍光物質が励起されることによる蛍光が戻り光として撮像ユニット5の対物レンズ51により集光される。対物レンズ51により集光された光は、ビームスプリッタ52によって2つに分岐され、一方の光は集光レンズ53を介して第1の撮像素子55に入射し、他方の光は励起光カットフィルタ57を透過した波長の光が集光レンズ54によって集光され、さらに可変分光素子58を通過した波長の光が第2の撮像素子56に入射する。
【0034】
第1の撮像素子55に入射する光には照明光の反射光の他、蛍光も含まれるが、反射光と蛍光との強度の違いにより、反射光画像信号中における蛍光は無視し得る程度である。そして、第1の撮像素子55により生成された反射光画像信号が、反射光画像生成部61に入力されることにより、反射光画像Pが生成される。生成された反射光画像Pは表示画像制御部64に送られてモニタ8に表示される。
【0035】
また、ビームスプリッタ52で分岐された他方の光は、励起光カットフィルタ57を通過させられることにより、光源ユニット3からの光が全て除去され、生体組織Xにおいて発生した蛍光のみが、可変分光素子58に入射される。制御信号生成部63は可変分光素子58を制御して、フレーム毎に透過させる蛍光の波長を切り替えることにより、R蛍光、G蛍光およびB蛍光を順次透過させる。これにより、R蛍光、G蛍光およびB蛍光がフレーム毎に別々に撮影されて蛍光画像信号が生成される。蛍光画像信号は、蛍光画像生成部62に順次送られることにより、R、G、Bに対応する3つの帯域の蛍光画像(R蛍光画像、G蛍光画像、B蛍光画像)Qが取得される。
そして、生成された蛍光画像Qは、順次表示画像制御部64に送られることによりモニタ8に表示される。
【0036】
このように、本実施形態に係る蛍光観察装置1によれば、第1の撮像素子55によって擬似的な白色光の生体組織Xにおける反射光が連続的に撮影されるので、生体組織Xの反射光画像Pを高いフレームレートで連続的にモニタ8に表示することができる。その一方で、R、G、Bいずれかの帯域光に基づく蛍光画像Qが、いずれかのフレームにおいて白色光と同時に取得される。したがって、白色光による観察を連続的に行いながら、複数波長の蛍光像の同時観察を行うことができるという利点がある。また、反射光画像Pと各蛍光画像Qとの撮影時刻の差がゼロまたは低減されるので、反射光画像Pに対して撮影範囲が同一の、または、撮影範囲のずれが少ない蛍光画像Qを提供することができるという利点がある。
【0037】
なお、本実施形態においては、3つの帯域の蛍光画像Qを順次取得することとしたが、これに代えて、3つの帯域の蛍光画像Qのうち1つを連続して取得してもよい。例えば、撮像条件設定部7は、観察者が3つの帯域の蛍光画像Qから1つを選択して設定可能に構成され、制御信号部63は、撮像条件設定部7に設定された蛍光画像Qが連続して取得されるように、可変分光素子58を制御する。観察者は、撮像条件設定部7の設定を変更することによって、現在取得されている蛍光画像Qから他の帯域の蛍光画像Qへ切り替えることができる。
【0038】
また、本実施形態においては、反射光画像Pの露光時間と蛍光画像Qの露光時間とを等しく、1フレームに要する時間に一致させたが、これに代えて、図4に示されるように、反射光画像Pの露光時間と蛍光画像Qの露光時間とを異ならせてもよい。図4に示す例では、蛍光画像Qの露光時間を反射光画像Pの露光時間の2倍に設定し、より明るい蛍光画像Qを取得することができる。反射光画像Pの露光時間および蛍光画像Qの露光時間は、例えば、観察者が観察前に入力手段を使用して所望の露光時間を撮像条件設定部7に入力することにより設定される。蛍光画像Qと反射光画像Pの露光時間は任意の比率で設定することにしてもよい。
【0039】
また、本実施形態においては、トリプルバンドパスフィルタからなる励起フィルタ32と、3つの帯域を遮断する励起光カットフィルタ57を用いて、3つの帯域の蛍光を撮影することとしたが、これに代えて、図5に示されるように、同じ構成で2つの帯域の蛍光を撮影することにしてもよい。この場合、可変分光素子58によって2つの帯域の蛍光のみを第2の撮像素子56へ通過させることにすればよい。第2の撮像素子56により撮影する蛍光の数を少なくすることで、各帯域の蛍光画像Qのフレームレートを向上することができる。
【0040】
また、2つの帯域の蛍光のみを撮影する場合には、2つの帯域の白色光をカットする励起フィルタ32と、当該帯域の蛍光を通過して他の帯域の白色光をカットする励起光カットフィルタ57とを用いてもよい。例えば、RおよびBの波長帯域の光により励起される2つの蛍光を撮影するには、図6に示される波長特性の励起フィルタ32および励起光カットフィルタ57を用いることにすればよい。
【0041】
また、本実施形態に係る蛍光観察装置1においては、励起光カットフィルタ57を透過した蛍光を可変分光素子58によって選択的に透過させることとしたが、これに代えて、可変分光素子58と励起光カットフィルタ57の順序を入れ替えてもよい。
【0042】
また、本実施形態の蛍光撮像部においては、可変分光素子58によって、2以上の帯域の蛍光を順次選択的に透過させて別々に白色光と同時に撮影することとしたが、これに代えて、図7に示されるように、可変分光素子58をなくし、第2の撮像素子56としてカラーCCD(以下、カラーCCD56ともいう。)を採用してもよい。
このようにすることで、励起光カットフィルタ57によって反射光が除去された2以上の帯域の蛍光が、カラーCCD56の各画素に備えられたカラーフィルタによって選択されて、異なる画素により撮影される。これにより、2以上の帯域の蛍光を区別して撮影することができる。
【0043】
この場合には、図8に示されるように、2以上の帯域の全ての蛍光を同時に撮影することができるという利点がある。
また、この場合のカラーCCD56に代えて、帯域毎に分光して撮影する3つのCCD(3板式CCDなど)を採用してもよい。
また、反射光画像Pと蛍光画像Qの1フレームの時間は、同じであっても異なっていてもよい。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る蛍光観察装置について、図9から図16を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る蛍光観察装置1と構成を共通とする箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
【0045】
本実施形態に係る蛍光観察装置は、図9に示されるように、表示画像制御部64が、2以上の帯域の蛍光画像を交互にではなく同時にモニタ8に表示させる点において、第1の実施形態に係る蛍光観察装置1と相違している。
【0046】
蛍光観察装置は、図5における蛍光観察装置1と同様に、2色(図示する例ではRおよびB)の帯域光によって励起される2色の蛍光を交互に撮影して、R蛍光画像QとB蛍光画像Qとを交互に取得する。
【0047】
すなわち、図6に示される波長特性を有する励起フィルタ32および励起光カットフィルタ57が用いられる。励起フィルタ32は、Bの透過帯域とGの透過帯域との間、および、Rの透過帯域の長波長側の2箇所にノッチ帯域を有し、励起光カットフィルタ57は、ノッチ帯域に対応するB蛍光およびR蛍光を透過させるようになっている。
【0048】
制御信号生成部63は、図9に示されるように、第1の撮像素子55による1回の露光毎に第2の撮像素子55による1色の蛍光の露光を実施し、第2の撮像素子56による2色の蛍光の露光を第1の撮像素子55による2回の露光の間に順次行うことを繰り返すように、反射光源31、第1の撮像素子55、第2の撮像素子56および可変分光素子58を制御する。これにより、繰返し撮影するときの最小繰り返し単位である1サイクル中に、反射光画像Pが2フレーム取得され、R蛍光画像QおよびB蛍光画像Qが1フレームずつ取得される。
【0049】
表示画像制御部64は、同一サイクル中に取得された反射光画像P、R蛍光画像QおよびB蛍光画像Qを重畳して重畳画像を生成し、生成された重畳画像をモニタ8に出力して表示させる。
このときに、反射光画像Pは、同一サイクル中に2フレーム取得される。以下、R蛍光画像Qと同時刻に取得された1番目の反射光画像を第1の反射光画像Pと言い、B蛍光画像Qと同時刻に取得された2番目の反射光画像を第2の反射光画像Pと言う。
【0050】
本実施形態において、撮像条件設定部7は、第1の反射光画像Pおよび第2の反射光画像Pのいずれを重畳画像の生成に使用するかを観察者が選択して設定可能に構成されている。表示画像制御部64は、撮像条件設定部7を介して観察者によって設定された一方の反射光画像Pを重畳画像の生成に使用する。図9に示す例では、第2の反射光画像Pを重畳画像に使用している。
【0051】
反射光画像Pの選択の基準としては、蛍光の強度や分布範囲の広さが挙げられる。
撮影時刻の異なる複数の蛍光画像Qを反射光画像Pと重畳する場合、少なくとも1つの蛍光画像Qの撮影時刻は反射光画像Pの撮影時刻と異なることになる。したがって、挿入部2の移動や臓器の動き等によって挿入部2の先端2aと生体組織Xとの相対位置が継時的に変化しているときには、同一サイクル中に取得される複数の蛍光画像Qのうち少なくとも1つは、反射光画像Pに対して撮影範囲のずれが生じる。
【0052】
このときに、蛍光画像Qが、自家蛍光のように広範囲に分布する蛍光を撮影したものである場合、蛍光画像Qの撮影範囲が反射光画像Pの撮影範囲からずれていたとしても、この撮影範囲のずれは重畳画像において目立たず、観察者による観察に与える影響は小さい。一方、蛍光画像Qが、薬剤蛍光のように局在する蛍光を撮影したものである場合、蛍光画像Qの撮影範囲と反射光画像Pの撮影範囲とのずれが重畳画像において顕著に現れ、観察者による観察に与える影響は大きい。したがって、観察者は、例えば、局在する蛍光を撮影した蛍光画像Qと同時刻に取得された反射光画像Pを選択する。
あるいは、観察者が、第1の反射光画像P1を使用した重畳画像と第2の反射光画像P2を使用した重畳画像の両方を実際に観察し、観察に適した方を選択してもよい。
【0053】
このように、本実施形態に係る蛍光観察装置によれば、同一サイクル中に取得された2フレームの反射光画像Pの内、蛍光画像Qとの撮影範囲のずれが観察に与える影響が大きい方の反射光画像Pを選択して重畳画像が生成される。これにより、観察に適した複数の蛍光画像Qと反射光画像Pとの組み合わせからなる重畳画像を観察者に提供することができるという利点がある。
【0054】
なお、本実施形態においては、図6に示される波長特性を有する励起フィルタ32および励起光カットフィルタ57を使用して、R蛍光およびB蛍光を撮影することとしたが、励起フィルタ32および励起光カットフィルタ57の波長特性は適宜変更可能である。例えば、図10に示される波長特性の励起フィルタ32および励起光カットフィルタ57を用いて、B蛍光およびG蛍光を撮影することとしてもよい。
【0055】
また、本実施形態においては、重畳画像に使用する反射光画像Pを観察者が選択することとしたが、これに代えて、表示画像制御部64が蛍光画像Qの強度や蛍光の分布範囲の面積に基づいて選択してもよい。例えば、表示画像制御部64は、R蛍光画像QおよびB蛍光画像Qの各々から、所定の閾値以上の階調値を有する画素を選択し、選択された画素の数(すなわち、蛍光の分布範囲の広さ)が少ない方の蛍光画像と同時に取得される反射光画像を選択してもよい。
【0056】
また、本実施形態においては、同一サイクル中に取得された反射光画像P、R蛍光画像QおよびB蛍光画像Qから重畳画像を生成することとしたが、これに代えて、図11に示されるように、最新の反射光画像P、R蛍光画像QおよびB蛍光画像Qから重畳画像を生成してもよい。
図9の方式の場合、同一サイクルの期間中には同一の重畳画像が表示され続ける。これに対し、図11の方式の場合、同一サイクルの期間中に重畳画像を構成する画像が更新されるので、フレームレートが図9の方式の場合の2倍となり、最新の情報をモニタ8に表示することができる。
【0057】
また、本実施形態においては、同一サイクル中に取得された1フレームの反射光画像Pと複数フレームの蛍光画像Qとを重畳して重畳画像を生成する場合に、図12から図16に示されるように、重畳画像の生成に寄与しない反射光の撮影を省略し、1サイクル中に反射光を1回だけ撮影してもよい。
このようにすることで、反射光の撮影期間以外の期間においては、他の色の蛍光のクロストークを含まない正確な蛍光画像Qを得ることができる。
【0058】
さらに、第1の撮像素子55による反射光の撮影を実施しない期間においては、図13に示されるように、光源31の出力強度を増大させて、より明るい蛍光画像Qが取得されるようにしてもよい。
【0059】
さらに、反射光の撮影を1サイクル中に1回だけ実施する場合には、反射光の撮影のタイミングを、図14から図16に示されるように、1サイクル中の略中央に設定することが好ましい。
このようにすることで、一の蛍光画像Qの撮影範囲が反射光画像Pの撮影範囲から大きくずれてしまうことが無く、観察に与える影響を抑制した重畳画像を生成することができる。
【0060】
また、本実施形態においては、図15に示されるように、第1の撮像素子55による反射光の露光時間が、第2の撮像素子56による蛍光の露光時間よりも短い場合には、第1の撮像素子55の露光時間の真ん中と1サイクルの真ん中とのタイミングを一致させることが好ましい。ここで、第1の撮像素子55のフレームの真ん中ではなく、露光時間の真ん中のタイミングを1サイクルの真ん中と一致させることで、撮影範囲のずれが少なくなる。
また、本実施形態においては、図16に示されるように、第1の実施形態と同様に、1サイクル中にR蛍光、G蛍光およびB蛍光を順番に撮影してもよい。
また、本実施形態においては、1フレームの反射光画像Pおよび複数フレームの蛍光画像Qを互いに重畳してモニタ8に表示することとしたが、これに代えて、並列してモニタ8に表示してもよい。
【0061】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る蛍光観察装置10について、図17および図18を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1および図2の実施形態に係る蛍光観察装置1,10と構成を共通とする箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
本実施形態に係る蛍光観察装置10は、図17に示されるように、光源として、R、G、Bの帯域光をそれぞれ射出するLED34,35,36を採用するとともに、第2の撮像素子56として、3色の蛍光を区別して撮影可能なカラーCCDを採用し、R蛍光、G蛍光およびB蛍光を観察する点において、第1および第2の実施形態に係る蛍光観察装置1と相違している。
なお、カラーCCDに代えて、帯域毎に分光して撮影する3つのCCDを採用してもよい。
【0063】
制御信号生成部63は、図18に示されるように、1サイクル中に1回だけ露光を実施するように第1の撮像素子55を制御し、かつ、1サイクル中に3回の露光を実施するように第2の撮像素子56を制御する。さらに、制御信号生成部63は、第2の撮像素子56による3回の露光の内、1回目の露光期間中にはB−LED36のみが、2回目の露光期間中には3色全てのLED34,35,36が、3回目の露光期間中にはR−LED34のみがそれぞれ点灯するように、3個のLED34,35,36を制御する。これにより、1サイクル中に、R蛍光画像Q、G蛍光画像QおよびB蛍光画像Qが順番に取得され、さらにG蛍光画像Qと同時に反射光画像Pが取得されるようになっている。
【0064】
表示画像制御部64は、同一サイクル中に取得された反射光画像P、B蛍光画像Q、G蛍光画像QおよびR蛍光画像Qを重畳して重畳画像を生成し、生成された重畳画像をモニタ8に出力して表示させる。
【0065】
このように、本実施形態に係る蛍光観察装置10によれば、反射光画像Pの露光を1サイクル内の略中間で実施することによって、B蛍光画像Qと反射光画像Pとの撮影時刻の差と、R蛍光画像Qと反射光画像Pとの撮影時刻の差が略等しくなる。これにより、重畳画像におけるB蛍光画像およびR蛍光画像の撮影範囲と反射光画像の撮影範囲とのずれが抑制され、観察に適した重畳画像を観察者に提供することができるという利点がある。また、B蛍光およびR蛍光の露光期間中には、1色のLED36または34のみが点灯するので、他の色の蛍光のクロストークを含まない正確なB蛍光画像QおよびR蛍光画像Qを取得することができるという利点がある。
【0066】
なお、本実施形態においても、反射光の露光期間以外の期間においてLED34,35,36の出力強度を増大させ、より明るい蛍光画像Qが取得されるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、1サイクル中にB、G、Rの順番で帯域光を射出することとしたが、3色の帯域光の順番は適宜変更可能である。例えば、クロストークをさらに防止するためには、反射光と同時にB蛍光が露光されるように、帯域光の順番を設定することが好ましい。蛍光のスペクトルは、長波長側に広がる特性を有している。したがって、R蛍光、G蛍光およびB蛍光が全て発生する反射光の撮影時には、G蛍光およびR蛍光を他の色の蛍光のクロストークを含まずに撮影することは難しいが、最も短い波長を有するB蛍光は、G蛍光およびR蛍光のクロストークを含まずに撮影することができる。
【符号の説明】
【0067】
1,10 蛍光観察装置
3 光源ユニット(光源部)
31 白色光源(光源)
32 励起フィルタ
34,35,36 LED(光源)
55 第1の撮像素子(反射光撮像部)
56 第2の撮像素子(蛍光撮像部)
57 励起光カットフィルタ
58 可変分光素子(蛍光撮像部)
61 反射光画像生成部
X 生体組織(被写体)
P 反射光画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18