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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-202479(P2016-202479A)
(43)【公開日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】遊技場用管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20161111BHJP
【FI】
   A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-86700(P2015-86700)
(22)【出願日】2015年4月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】向山 幸治
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA86
2C088CA04
(57)【要約】
【課題】乗入遊技を許可する営業形態において、実際に乗入遊技を行っている遊技者の割合がどの程度であるのかを把握・分析することを可能とする。
【解決手段】管理装置は、通常の再遊技(再プレイ)で使用された自貸出数と、乗入による再遊技(乗入遊技)で使用された他貸出数と、それらの割合である乗入割合とをそれぞれ機種毎に管理する。これにより、遊技者が乗入遊技をどの程度利用しているのかを機種毎に容易に把握することができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を実行するために必要な遊技価値の単価として、第1単価が設定される遊技機と、第2単価が設定される遊技機とが設置された遊技場における遊技場用システムにおいて、
遊技者が遊技機での遊技により獲得した遊技価値を、当該遊技機に設定された単価と対応付けて記憶する獲得遊技価値記憶手段と、
遊技者が遊技機での遊技を開始する際に、前記獲得遊技価値記憶手段により記憶された遊技価値のうち、当該遊技機に設定された単価と一致する単価の遊技価値を読み出して遊技に再使用できるようにする第1再遊技処理を実行可能な第1再遊技手段と、
遊技者が遊技機での遊技を開始する際に、前記獲得遊技価値記憶手段により記憶された遊技価値のうち、当該遊技機に設定された単価と一致しない単価の遊技価値を読み出し、予め定められた乗入演算を実行することにより遊技価値の量を変換した上で遊技に再使用できるようにする第2再遊技処理を実行可能な第2再遊技手段と、
前記第1再遊技手段により第1再遊技処理が実行された遊技価値の量を第1遊技価値量として算出するとともに、前記第2再遊技手段により第2再遊技処理が実行された遊技価値の量を第2遊技価値量として算出する再遊技価値量算出手段と、
前記再遊技価値量算出手段により算出された遊技価値の量を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用管理システム。
【請求項2】
何れかの遊技機において前記第2再遊技手段による第2再遊技処理を実行させた遊技者を特定する遊技者特定手段と、
前記遊技者特定手段により特定された遊技者が別の遊技機で遊技したとき、当該別の遊技機に設定された単価が、前記何れかの遊技機に設定された単価と一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により一致すると判定された回数を乗換回数として計数する計数手段と、
前記計数手段により計数された乗換回数を出力する乗換回数出力手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技場用管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技場用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1には、種別(4円パチンコ、1円パチンコなど)の異なる持玉や貯玉を利用して再遊技すること(以下、乗入遊技)が可能なシステムが提案されている。このシステムによれば、遊技者の希望に応じて乗入遊技が可能となり、遊技者側の利便性が高まるだけでなく、遊技場側としても稼動率の向上に貢献できるといえる。具体的には、遊技者が遊技を開始する時点で所定の乗入操作を行うことにより、異なる種別の持玉・貯玉を当座の種別の持玉・貯玉に変換して乗入遊技することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−250951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記システムによれば、遊技者が自分の好みに応じて乗入遊技を行うことができるものの、実際にどの程度の遊技者が乗入遊技を行っているのかを客観的に把握・分析することができないという問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、乗入遊技を許可する営業形態において、実際に乗入遊技を行っている遊技者の割合がどの程度であるのかを把握・分析することが可能な遊技場用管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明によれば、通常の再遊技(再プレイ)で使用された遊技価値の量と、乗入による再遊技(乗入遊技)で使用された遊技価値の量とをそれぞれ確認することによって、遊技者が乗入遊技をどの程度利用しているのかを把握・分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態における遊技場用管理システムの全体構成を示す概略図
図2】遊技機及び計数貸出ユニットを概略的に示す正面図
図3】計数貸出ユニットの構成を示す機能ブロック図
図4】各台データを示す図
図5】会員データを示す図
図6】機種別平均データを示す図
図7】計数貸出ユニットの液晶表示部による画面表示例を示す図
図8】計数貸出ユニットによる表示画面の変化を示す図(その1)
図9】計数貸出ユニットによる表示画面の変化を示す図(その2)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には複数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して計数貸出ユニット2(獲得遊技価値記憶手段、第1再遊技手段、第2再遊技手段、出力手段)が設置されている。これら遊技機1及び計数貸出ユニット2は、中継端末3及びLAN4を介して管理装置5(遊技者特定手段、判定手段、計数手段、乗換回数出力手段)と接続されている。
【0009】
遊技場には景品交換端末(以下、POS)6及び精算装置7も設置されており、LAN4を介して管理装置5と接続されている。POS6は、付属するカードリーダライタ8により読取った一般カード9(記録媒体。図3参照)あるいは会員カード10(記録媒体。図3参照)により特定される遊技価値(持玉数・貯玉数(会員カードの場合))に基づいて景品交換処理を実行する。精算装置7は、カード9,10がカード挿入口11に挿入されると、挿入されたカード9,10に記録されている入金残高をカードリーダ(図示せず)により読取り、その読取った入金残高に対応する紙幣や硬貨を返却口12から返却する。
尚、POS6及び精算装置7においてカード9,10に記録されている遊技価値を取扱うときは、管理装置5がカード9,10に対応して予め記憶している遊技価値と照合し、真であると判定したことを条件として遊技価値の取扱いを有効とする。
【0010】
管理装置5は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード13、モニタ14、図示しないプリンタ等が接続されている。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置5の管理対象となっている。
【0011】
管理装置5は、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって作動し、遊技機1の稼動状況を示す遊技データを表示する遊技情報表示サービス、並びに遊技者が遊技により獲得した遊技媒体を一旦貯蓄し、当日あるいは後日遊技に再利用できるようにする貯玉サービスを実行可能となっている。これらのサービスを実行するために、遊技機1や計数貸出ユニット2等から入出力部に入力される遊技信号に基づいて、遊技機1の稼動状態を特定して遊技機1毎に遊技データを管理するようになっている。この場合、管理装置5は、会員に対応して持玉・貯玉を記憶する場合は、種別(4円パチンコ玉、1円パチンコ玉)毎に設けられた会員口座に記憶するようになっている。
【0012】
遊技場内には、遊技機1の種別毎に遊技機島が形成されている。遊技機島としては、種別が1玉4円(第1単価)の4円パチンコ機が設置された4円パチンコ島と、種別が1玉1円(第2単価)の1円パチンコ機が設置された1円パチンコ島とが設けられている。つまり、遊技場には、遊技機1にて使用する玉の単価が異なるコーナーが複数設けられている。尚、貸出単価と交換単価とを同一単価としているが異なる単価を採用しても良い。
【0013】
図2は遊技機1及び計数貸出ユニット2を概略的に示す正面図である。遊技機1はCRパチンコ機であり、盤面15に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル16、上部受皿17、下部受皿18を有するとともに、盤面15に、液晶表示部19、始動口20、大入賞口21を有する。遊技者が操作ハンドル16を操作すると、玉(遊技媒体)が盤面15に発射され、その玉が始動口20に入賞すると、その入賞に応じた数の玉を払出したり大当たり抽選を行ったりする。大当たり抽選では、液晶表示部19において所謂特別図柄(特図)による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口21を開放する。
【0014】
遊技機1は、遊技者による遊技が進行することに応じて、打込んだ玉の玉数である投入媒体数を特定可能なアウト信号、払出された玉の数である払出媒体数を特定可能なセーフ信号、大当たり状態を特定可能な大当たり信号等の各種の遊技信号を出力する。
【0015】
計数貸出ユニット2は、現在の運用状態(正常状態、エラー状態など)を示す状態表示部22、紙幣が投入される紙幣投入口23、遊技者からの操作入力を受け付けるとともに遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当たり確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部24、1単位分(500円相当)の玉を払出すための払出ボタン25、払出された玉が通過する払出ノズル26、従業員が携帯する従業員リモコン27からの光信号を受信するリモコン受光部28、カード9,10が挿入されるカード挿入口29、遊技機1の下部受皿18の下方に位置する着脱可能な計数受皿30等を備えている。
【0016】
一方、遊技機1の上部受皿17には貸出ボタン31及び返却ボタン32が設けられており、計数貸出ユニット2は、貸出ボタン31に対する操作に応じて貸出処理を実行し、返却ボタン32に対する操作に応じてカード発行処理を実行する。つまり、計数貸出ユニット2は、入金残高の範囲内で玉(遊技媒体)の貸出処理を行うとともに、遊技機1の下部受皿18から払出される玉(遊技価値)を受け入れて持玉として計数する計数処理を行い、入金残高及び持玉数(計数玉数)を一般カード9又は会員カード10に記録(会員カード10の場合は入金残高のみ記録し、持玉数は管理装置5に記憶)して発行する。一般カード9を受け付けたときは、入金残高及び持玉数を表示するとともにそれらの範囲内で貸出・返却処理を行う。会員カード10を受け付けたときは、入金残高を表示するとともに暗証番号の認証を条件として管理装置5に記憶されている持玉数・貯玉数を表示し、それらの範囲内で貸出・返却処理を行う。
【0017】
図3は、計数貸出ユニット2の構成を示す機能ブロック図である。計数貸出ユニット2は、CPU33a、ROM33b、RAM33c、I/O33dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部33、当該制御部33と接続された周辺部を備えて構成されている。周辺部としては、管理装置5及び遊技機1との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部34、紙幣投入口23に投入された紙幣の真贋を判定する紙幣処理部35、液晶表示部24、当該液晶表示部24上に設けられたタッチパネル36、カード挿入口29に挿入されたカード9,10に記録されている各種情報を読取ったり、書込んだりする所定位置としてのカードリーダライタ37、カード挿入口29から随時補充される一般カード9を最大10枚までストック可能なカードストック部38、払出ボタン25、当該払出ボタン25が操作されたときに、1単位分(例えば500円分)の玉を払出ノズル26から払出す払出部39、計数受皿30から流入する玉数を計数する計数部40等である。
【0018】
一般カード9及び会員カード10にはICチップ9a,10aがそれぞれ内蔵されており、ICチップ9a,10aには一般ID、会員IDがそれぞれ記憶されている。これらのカード9,10は、計数貸出ユニット2に入金された入金金額(残高情報)や持玉数を特定するための持玉情報を記録するための記録媒体である。一般カード9は当日限り有効で、入金残高及び持玉数を記録可能である。会員カード10は、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効であり、入金残高を記録可能である一方、持玉数・貯玉数は管理装置5のみに記憶する。
【0019】
管理装置5は、本発明を実施するためのデータとして各台データ、会員データ、機種別平均データを管理している。
図4は各台データを示しており、台番に対応して、以下の項目が設定されている。
・アウト=打ち込まれた玉数
・セーフ=払い出された玉数
・スタート=図柄変動が実行された回数(大当たりの抽選回数)
・大当たり=大当たりの発生回数
・自貸出数(第1遊技価値量)=自種別の持玉、貯玉の再遊技玉数
・他貸出数(第2遊技価値量)=他種別の持玉、貯玉の再遊技玉数(乗入遊技玉数)
・乗入回数=乗入遊技に使用された一般カード及び会員カードの枚数(カードIDの数)
・乗入割合=再遊技全体に対する乗入遊技の割合(=他貸出数/(自貸出数+他貸出数))
【0020】
図5は会員データを示しており、会員IDに対応して氏名、年齢、性別に加えて、以下の項目が設定されている。
・持玉数1or2=遊技者が獲得した持玉数(当日貯玉数)で、遊技機の種別(本実施形態では種別1(1玉4円)または種別2(1玉1円)に応じて設定
・貯玉数1or2=遊技者が獲得した持玉数(前日貯玉数)で、遊技機の種別に応じて設定
・最終種別=前日以前に最後に乗入遊技した遊技機の種別
・乗換回数=当日最初に遊技した遊技機の種別が最終種別と一致した回数
当日最初に遊技した遊技機の種別が最終種別と一致した場合に乗換回数をインクリメントすることで、乗入先の種別を翌日以降の遊技で最初に選択した会員を特定して当該会員の乗入回数を特定することができる。
【0021】
図6は機種別平均データを示しており、図4の各台データを機種別に集計したものである。
計数貸出ユニット2は、以下に示す機能を備えている。
(1)カード9,10の未挿入状態で紙幣投入口23に入金があったときは、カードストック部38に収納している一般カード9をカードリーダライタ37へ繰り出して入金金額(1000円単位)を記憶するとともに、入金金額(入金残高)を液晶表示部24に表示した後、1度数(500円)に相当する数の玉を遊技機1内部の払出機構から自動的に払出す。1度数は、4円パチンコ機では125玉、1円パチンコ機では500玉である。このとき、遊技機1から計数貸出ユニット2に1度数分の玉を払出したことを示す信号が出力されるので、液晶表示部24に表示されている入金残高から1度数に相当する金額(500円)を減額するとともに売上信号を出力する。この売上信号は1度数の玉の払出し毎に1パルスが出力されるので、管理装置5は、1パルスを500円分の売上額として特定する。
【0022】
(2)遊技機1に設けられた貸出ボタン31の操作に応じて入金残高の範囲内で1度数(500円)に相当する数の玉を遊技機1内部の払出機構から払出す。
(3)遊技機1の下部受皿18から落下した玉を計数受皿30で受け、計数部40にて玉数を計数することにより持玉数として液晶表示部24に表示する。
(4)払出ボタン25の操作に応じて計数玉数(持玉数)の範囲内で1度数ずつ払出す。
(5)遊技機1に設けられた返却ボタン32に対する操作(返却操作)に応じて入金残高及び持玉数(種別を含む)をカード挿入口29に挿入されている一般カード9に記録して発行する。会員カード10が挿入されている場合は、入金残高を会員カード10に記録するとともに暗証番号の認証を条件として持玉数(種別を含む)を管理装置5に送信してから会員カード10を発行する。カード9,10を発行する場合は、発行情報を管理装置5へ送信し、管理装置5側にも記憶する。尚、カード挿入口29に一般カード9も会員カード10も挿入されていない場合は、カードストック部38にストックしている一般カード9を図示しない記録媒体移動手段によりカードリーダライタ37に繰出(セット)して入金残高及び持玉数(種別を含む)に記録して発行する。また、一般カード9の挿入状態で入金残高及び持玉数とも零となった場合は、カードリーダライタ37にセットされた一般カード9を記録媒体移動手段によりカードストック部38に回収する。会員カードは、入金残高及び持玉数・貯玉数が零となってもそのまま保持する。
【0023】
(6)一般カード9がカード挿入口29に挿入された場合は、一般カード9に記録されている入金残高及び持玉数(種別毎)をカードリーダライタ37により読出して液晶表示部24に表示する。会員カード10が挿入された場合は、会員カード10に記録されている入金残高を読出して液晶表示部24に表示するとともに暗証番号の認証を条件として管理装置5の会員口座に記憶されている貯玉数(当日貯玉数・前日貯玉数)(種別毎)も表示する。当日貯玉数とは当日貯玉された貯玉数であり、前日貯玉数とは前日までの貯玉数である。営業終了後は、当日貯玉数は前日貯玉数に合算して記憶される。遊技者による払出ボタン25に対する(払戻操作)に応じて持玉数または貯玉数の範囲内で1度数分の玉を払出ノズル26から払出す(第1再遊技処理)とともに、持玉数または貯玉数を更新する。
【0024】
(7)自己の種別と異なる種別の遊技価値を乗入可能であり、本実施形態では1円パチンコ機と4円パチンコ機との間で乗入可能となっている。つまり、乗入により4円パチンコ機で1円パチンコ機の持玉・貯玉を乗り入れて使用することができる一方、1円パチンコ機で4円パチンコ機の持玉・貯玉を乗り入れて使用することができる(第2再遊技処理)。この場合、会員カード10が挿入されている場合には持玉と貯玉の両方が乗入の対象となり、一般カード9の場合には貯玉が無いので、持玉のみが乗入対象となる。
(8)従業員リモコン27から指令を受信し、指令内容に応じた各種処理(エラー解除など)を実行するとともに、従業員リモコン27から休憩開始信号を受信したときは管理装置5へ休憩開始信号を送信し、休憩終了信号を受信したときは休憩終了信号を送信する。
【0025】
次に、上記構成の作用について説明する。
遊技者が計数貸出ユニット2に紙幣を投入すると、計数貸出ユニット2は、投入された紙幣の金額を記憶するとともに、貸出可能な度数(1度数単位)を液晶表示部24に表示した後、1度数分の玉を遊技機1内部の払出機構から自動的に払出す。そして、遊技者が更に玉の貸出を受けるために遊技機1の貸出ボタン31を押下げると、貸出ボタン31に対する操作に応じて1度数ずつ遊技機1内部の払出機構から玉を払出す貸出処理を実行する。一方、会員が遊技機1の払出単位以上の貯玉を有している場合は、払出ボタン25に対する操作により1払出単位分の玉を払出ノズル26から払出す払出処理を実行する。
【0026】
遊技者が遊技機1で獲得した玉を計数する場合は、遊技機1の下部受皿18から玉を落下させる。落下した玉は計数貸出ユニット2の計数受皿30で受けられて計数貸出ユニット2内に流入し、計数部40にて計数される。計数貸出ユニット2は、計数部40で玉を計数すると、計数玉数を持玉数として液晶表示部24に表示する。払出ボタン25により持玉の払出操作が行われると、持玉数の範囲内で1度数分の玉が払出ノズル26から遊技機1に払出されるとともに、液晶表示部24に表示されている持玉数が更新される。尚、持玉数が1度数未満の場合には全ての持玉数が払出される。
【0027】
遊技者が遊技機1の返却ボタン32を操作すると、その時点の入金残高及び持玉数が記録された一般カード9を発行する。会員カード10がカード挿入口29に挿入されている場合は、その会員カード10に入金残高だけ記録して発行し、持玉数は管理装置5の会員口座に記憶される。そして、発行されたカード9,10を移動先の計数貸出ユニット2に挿入することにより当該カード9,10に記録されている入金残高及び持玉数・貯玉数(会員カード10の場合は管理装置5に記憶)が表示されるので、その範囲内で玉の貸出、あるいは返却を受けて遊技することができる。遊技が終了したときは、遊技機1に設けられている返却ボタン32を操作することによりカード9,10側に情報を記録して返却(発行)することができる。
【0028】
さて、遊技者が乗入操作(他種別の持玉・貯玉(会員のみ)を再遊技に使用する操作)を行う場合、例えば、4円パチンコ機で1円パチンコ玉の持玉・貯玉を乗り入れて使用したり、1円パチンコ機で4円パチンコ玉の持玉・貯玉を乗り入れて使用したりする場合は、一般カード9または会員カード10をカード挿入口29に挿入する。
【0029】
計数貸出ユニット2は、挿入されたカード9,10から入金残高、持玉・貯玉(会員カード10の場合は管理装置5に記憶)を取得し、液晶表示部24に表示する。
図7は液晶表示部24の画面表示例を示している。液晶表示部24には、種別(単価)・単位付与数24a、挿入中のカード9,10の種別(会員・一般)24b、種別毎の貯蓄数(会員限定で一般カード9では非表示)24c、案内表示24d、乗入操作ボタン24e、入金残高24f、持玉数24gが表示される。この場合、カード9,10側の入金残高及び持玉数・貯玉数は計数貸出ユニット2に移行した状態となっており、カード情報はリセットされている。尚、他種別の持玉が記録された一般カード9が挿入された場合は、貯蓄数24cには他種別の持玉数が種別毎に表示される。
【0030】
遊技者が乗入操作ボタン24eをタッチ操作すると、計数貸出ユニット2は、乗入元の種別(1円パチンコ機では4円パチンコ玉、4円パチンコ機では1円パチンコ玉)を選択し、乗入先の単価との比率を持玉数・貯玉数に乗算した持玉数・貯玉数を演算(乗入演算処理)して表示する。本実施形態では、遊技者は1円パチンコ機で遊技していることから、4円パチンコ玉が乗入元の種別となり、図8に示すように、案内表示24dには、4円パチンコ玉(乗入元)の貯玉を1円パチンコ玉(乗入先)に乗り入れた場合に、3456玉の4円パチンコ玉が乗入後に13824玉の1円パチンコ玉となることを示すメッセージ、「Yes」ボタン24d1、「No」ボタン24d2が表示される。尚、他種別の持玉が記録された一般カード9が挿入されている場合に乗入操作ボタン24eがタッチ操作された場合は、他種別の持玉を乗り入れるかを示すメッセージが表示される。
【0031】
遊技者が「Yes」ボタン24d1をタッチ操作すると、案内表示24dとして、乗入先への換算玉数と持玉数とを加算した持玉数を示すメッセージ、「OK」ボタン24d3が表示される。図8に示す例では、3456玉の4円パチンコ玉が1円パチンコ玉の量に変換された玉数が13824玉となったことを示している。この場合、乗入前の持玉数が123玉であることから、合計玉数は13947玉となる。遊技者が「OK」ボタン24d3をタッチ操作すると、合計玉数を持玉数とする。尚、会員カード10が挿入されている状態で乗入操作が行なわれた場合は、予め設定されている暗証番号の入力を要求し、暗証番号が認証されることを条件として乗入処理を実行するようにしても良い。
【0032】
遊技者が払出ボタン25をタッチ操作すると、計数貸出ユニット2は、払出ボタン25のタッチ操作に応じて通常と同様に、持玉の範囲内で払出単位数の玉を払い出す。これにより、遊技者は、乗入元の種別の玉数を持玉として乗入遊技することができる。
【0033】
さて、遊技者が乗入遊技を行ったときに、乗入先の種別の遊技機1よりも乗入元の種別の遊技機1を気に入る場合があり、気に入った場合には次回来店時に乗入元の種別の遊技機1で遊技することになる。しかしながら、遊技終了時の持玉を乗入先の口座に貯蓄する場合に、遊技者が次回来店時に乗入元の種別の遊技機1に戻る場合には、再度乗入操作を行って持玉・貯玉を乗入先の種別から乗入元の種別に戻す必要が生じて面倒であった。
【0034】
そこで、計数貸出ユニット2は、遊技者が乗入遊技を終了する場合は、乗入遊技により獲得した持玉を、乗入元の口座へ戻すか、乗入先の口座へ入れるのかを選択可能に構成されている。例えば、1円パチンコ機で4円パチンコ玉の持玉を乗入遊技し、その乗入遊技終了時に1000玉の1円パチンコ玉の持玉が残っている場合、次の何れか一方を選択することが可能である。
【0035】
(1)1円パチンコ玉の持玉1000玉として記憶(乗入先口座)
(2)4円パチンコ玉の持玉250玉として記憶(乗入元口座)
遊技者が遊技の結果、1円パチンコ機を気に入り、次回来店時も1円パチンコ機で遊技したいと思った場合は、(1)を選択することで次回の乗入操作の手間を省くことができる。また、4円パチンコ機を気に入り、次回も4円パチンコ機で遊技したいと思った場合は、(2)を選択することで次回の乗入操作の手間を省くことができる。
【0036】
図6は遊技終了時(返却ボタン32のON時)の液晶表示部24の案内表示24dの画面表示例を示している。案内表示24dには、口座を選択することを促すメッセージ、「4円」ボタン24d4(単価選択手段)、「1円」ボタン24d5(単価選択手段)が表示される。遊技者が持玉を乗入元に戻すために「4円」ボタン24d4をタッチ操作した場合は、乗入元との単価の比率を持玉数(10240玉)に乗算した持玉数(2510玉)を演算(貯蓄演算処理)して4円パチンコ口座に貯玉する。一方、遊技者が持玉をそのまま貯玉するために「1円」ボタン24d5をタッチ操作した場合は、持玉数をそのまま1円パチンコ口座に貯玉する。
以上のようにして、遊技者は、乗入遊技を終了する場合に、乗入遊技により獲得した持玉を、乗入元の口座へ戻すか、乗入先の口座へ入れるのかを選択することができる。
【0037】
ところで、遊技者が乗入操作の際にどの程度の遊技者が乗入遊技を行っているのか、また、乗入遊技を行った場合に、その後の遊技趣向に対してどのような影響があるのかを客観的に把握・分析することは経営上重要である。
このような事情から、管理装置5は、図4に示す各台データ、及び図5に示す会員データを管理するとともに、図4の各台データに基づいて図6に示す機種別平均データを集計するようになっており、図5及び図6から以下のように分析することができる。
【0038】
図5に示す例では、乗入回数を比較すると、会員ID:0003の遊技者の乗入回数が特に多いことから、当該遊技者は同一種別の遊技機へ乗入遊技することを好んでいる一方、会員ID:00002の遊技者の乗入回数は0であることから、当該遊技者は同一種別の遊技機への乗入遊技を全く好んでいないことが分る。
【0039】
図6に示す例では、自貸出数、他貸出数、及び乗入割合を比較すると、機種aaaaaの他貸出数及び乗入割合が特に高いことから、当該遊技機は同一種別への乗入遊技を行う対象として好まれていることが分る一方、機種cccccの他貸出数及び乗入割合は特に低いことから、当該遊技機は同一種別への乗入遊技を行う対象として好まれていないことが分る。
【0040】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
管理装置5は、通常の再遊技(再プレイ)で使用された自貸出数と、乗入による再遊技(乗入遊技)で使用された他貸出数と、それらの割合である乗入割合とをそれぞれ機種毎に管理するので、遊技者が乗入遊技をどの程度利用しているのかを機種毎に容易に把握・分析することができる。
【0041】
乗入遊技を行った遊技者がその後別の遊技機で遊技を行った際に、その別の遊技機の単価が先に乗入遊技を行った遊技機の単価と一致していれば、遊技者がその単価での遊技を気に入ったとみなして乗換回数をインクリメントするようにしたので、乗換回数を分析することで、乗入遊技を行ったことによって遊技者の趣向がどのように変化しているのかを分析可能となる。
【0042】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
会員データとして、乗換回数とは別に、当日最初に遊技した遊技機の種別が最終種別と一致しなかった場合を「不乗換回数」として計数してもよい。この場合、乗換回数/(乗換回数+不乗換回数)を「乗換率」として算出するようにしてもよい。乗換率は、乗入遊技を行った遊技者が翌日以降の遊技で乗入先の遊技機を選択した割合を示す。
【0043】
乗換回数として、最終種別と、翌日以降における最初の遊技機の種別とが一致した場合にインクリメントするようにしたが、当日において乗入遊技後に移動した先の遊技機の種別が最終種別と一致した場合にインクリメントするようにしてもよい。例えば、1円パチンコの1番台で乗入遊技を行った後、同じく1円パチンコの2番台へ移動した場合に乗換とみなして乗換回数をインクリメントしてもよい。
【0044】
種別として、貸出単価4円のパチンコと1円のパチンコの2種類を例示したが、これに限定されず様々な種別を幾つでも設定することができる。例えば、メダルの貸出単価が20円のパチスロや5円のパチスロなどを設けるようにしてもよい。つまり、本発明は、パチンコ機に限らずスロットマシンなど他の遊技機でもよく、少なくとも2種類以上の種別が設定される遊技場に適用可能である。
【0045】
乗り入れ時の演算式は一例であって、これに限定されない。例えば、乗入処理の手数料として、乗り入れた持玉数の所定割合に相当する玉数を減算するようにしてもよい。
遊技媒体の貸出時は、遊技機内部の払出機構から遊技媒体を払い出すようにしたが、計数貸出ユニット2に設けられた払出機構から払出ノズル26を介して払い出すようにしてもよい。
記録媒体の形態はカードに限定されず、コイン形状等どのような形態であってもよい。
入賞発生時に遊技媒体を払い出す代わりに得点を付与する封入式の遊技機を前提としてもよい。
【符号の説明】
【0046】
図面中、1は遊技機、2は計数貸出ユニット(獲得遊技価値記憶手段、第1再遊技手段、第2再遊技手段、出力手段)、5は管理装置(遊技者特定手段、判定手段、計数手段、乗換回数出力手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9