特開2016-202496(P2016-202496A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-202496(P2016-202496A)
(43)【公開日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】車椅子
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/00 20060101AFI20161111BHJP
   A47G 25/12 20060101ALI20161111BHJP
【FI】
   A61G5/00 503
   A61G5/00 510
   A47G25/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-87015(P2015-87015)
(22)【出願日】2015年4月21日
(71)【出願人】
【識別番号】515109159
【氏名又は名称】永野 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100167184
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】永野 智章
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099AA24
3K099BA15
3K099BA30
3K099CA21
3K099CB34
3K099EA20
3K099EA40
(57)【要約】
【課題】利用者の邪魔にならずに容易に傘を差せること。
【解決手段】車椅子1は、車椅子1の肘掛け2a、2bとアーム支持部3a、3bとの間にそれぞれ設けられ、当該車椅子1の利用者から離間する方向に延伸する一対のポール4a、4bと、ポール4bに取り付けられ、傘50の手元50aを支持するクリップ9を備えるポール6と、ポール4aに設けられ、ポール6を支持する載置部8と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車椅子の肘掛けとアーム支持部との間にそれぞれ設けられ、当該車椅子の利用者から離間する方向に延伸する一対の第1の棒状体と、
前記一対の第1の棒状体の一方に取り付けられ、傘の手元を支持する支持具を備える第2の棒状体と、
前記一対の第1の棒状体の他方に設けられ、前記第2の棒状体を支持する支持部と、
を有することを特徴とする車椅子。
【請求項2】
前記第2の棒状体を、前記一対の第1の棒状体の間に渡し、前記支持具に傘の手元を支持させる請求項1に記載の車椅子。
【請求項3】
前記一対の第1の棒状体の一方の先端部は、前記第2の棒状体を鉛直方向に配置可能となっており、
キャスタヨークの近傍には、前記第2の棒状体の先端部を支持する支持部が設けられている請求項1または2に記載の車椅子。
【請求項4】
前記支持部が、傘の手元を収納する機構を備える請求項1に記載の車椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
車椅子に乗っている者が雨や太陽光等を避けるために、車椅子の上部に傘を配置する方法が知られている。
例えば、介護者と被介護者がともに入れるように前後に長い傘状天蓋及び天蓋を持った車椅子が知られている。
【0003】
また、他の例として、車椅子の肘掛けパイプに、アタッチメントを介して保持具を装着し、保持具は、アタッチメントに装着するベース部とベース部に対して水平方向に回動可能に配置する第1の支持部と、第1の支持部に対して上下方向に移動可能な第2の支持部と、第2の支持部に傾倒可能に配置する傘把持部とを有して構成されているものが知られている。第1の支持部は、連結プレートの多数の溝に係合する回動ピンと、回動ピンと一体的に構成するロックプレートとを連結させて基準ピンに対して回動可能に配置する。ロックプレートは、第1の支持部に配置する球体に係合することによって、連結プレートの溝に選択的に係合させて自動ロック機構を構成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−321724号公報
【特許文献2】特開2003−135530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車椅子に乗っている者(以下、「利用者」と言う)が自力で傘を差そうとする場合、自分の手元に近い部分で操作できるのが好ましい。また、特に、利用者が自力で移動する場合は、移動の際に傘または傘の支持機構が邪魔にならないのが好ましい。
1つの側面では、本発明は、利用者の邪魔にならずに容易に傘を差せることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、開示の車椅子が提供される。この車椅子は、車椅子の肘掛けとアーム支持部との間にそれぞれ設けられ、当該車椅子の利用者から離間する方向に延伸する一対の第1の棒状体と、一対の第1の棒状体の一方に取り付けられ、傘の手元を支持する支持具を備える第2の棒状体と、一対の第1の棒状体の他方に設けられ、第2の棒状体を支持する支持部と、を有している。
【発明の効果】
【0007】
1態様では、利用者の邪魔にならずに容易に傘を差せる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態の車椅子を示す図である。
図2】傘を利用しないときの車椅子を示す図である。
図3】ポールを支持する支持部の機構を説明する図である。
図4】移動中のポールを説明する図である。
図5】第2の実施の形態の車椅子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態の車椅子を、図面を参照して詳細に説明する。
<実施の形態>
図1は、実施の形態の車椅子を示す図である。
なお、説明を分かり易くするため、便宜上X軸、Y軸、Z軸を規定する。
車椅子1は、肘掛け2a、2bと、アームパイプ(アーム支持部)3a、3bとを有している。
【0010】
肘掛け2aとアームパイプ3aとの間には、車椅子1の利用者が座面5に座った状態で利用者から離間する方向に延伸するポール4aが設けられている。肘掛け3bとアームパイプ3bとの間にも、利用者が座面5に座った状態で利用者から離間する方向に延伸するポール4bが設けられている。
【0011】
ポール4aとポール4bとの間には、ポール6が渡されている。ポール4a、4b、およびポール6それぞれの材料としては、特に限定されないが、例えば樹脂や金属等が挙げられる。また、ポール4a、4b、ポール6は、中空であってもよいし、中実であってもよい。
【0012】
このポール6は、一端側が、ポール4bの先端部に設けられ、ポール6を支持する支持部7により支持されている。また、ポール6の他端側の端部6bは、ポール6が載置される載置部8により支持されている。載置部8は、傘50を使用しないときに傘50を載置する機能も備えている。
ポール6の略中央部には、傘50を支持するクリップ9が設けられている。
【0013】
図1における吹き出し部分は、クリップ9の周辺部を拡大して示している。
クリップ9は、ポール6がクリップの内部を通過することにより、ポール6に対しクリップ9を支持する支持部9aと、傘50の手元50aを挟み込む挟持部9bとを備えている。挟持部9bは、左右に開くことが可能である。
【0014】
クリップ9には図示しないバネが配置されており、バネの力に逆らい挟持部9bを左右に開き、傘50の手元50aを挟持部9bに入れ込むことにより、傘50の手元50aがクリップにより支持される。
【0015】
また、フットサポート10bの近傍(本実施の形態では、フットサポート10bの上部)には、ポール6を使用しないときにポール6の端部を支持するフック11が設けられている。
【0016】
また、フットサポート10aの近傍(本実施の形態では、フットサポート10aの上部)には、挿入部12が設けられている。この挿入部12は、傘を利用しないときに傘50の石突き50bが挿入される。
【0017】
なお、図1には図示していないが、フック11は、キャスタヨーク13bの近傍に設けられていてもよい。また、挿入部12は、キャスタヨーク13aの近傍に設けられていてもよい。
図2は、傘を利用しないときの車椅子を示す図である。
【0018】
傘50を利用しないときは、利用者は、傘50の手元50aをクリップ9から取り外す。そして、ポール6を載置部8から取り外し、ポール6の先端部をフック11にかける。なお、ポール6の動かし方については、後に詳述する。
一方、利用者は、取り外した傘50の手元50aを載置部8に載置する。そして、傘の石突き50bを挿入部12に挿入する。
図2における吹き出し部分は、ポールを支持する載置部を拡大して示している。
【0019】
載置部8は、ポール6を載置する凹部8aが設けられている。凹部8aの端部8a1の形状は、ポール6の円周の形状に対応して形成されている。すなわち、ポール6の端部6bを凹部8aに載置したときに、ポール6が凹部8aにより支持され、ぐらつかないようになっている。
【0020】
また、載置部8には、傘50の手元50aを載置する凹部8bが設けられている。凹部8bは、一部を凹部8aと共有している。凹部8bの形状は、傘の手元50aの形状に対応して形成されており、図2では、扇形である。
次に、ポール6を支持する支持部7の機構を説明する
【0021】
図3は、ポールを支持する支持部の機構を説明する図である。
図3(a)に示すように、ポール6の端部6aは球状をなしており、直径が中央部分よりやや大きく形成されている。支持部7の形状は、内部に端部6aを収納できる形状をなしており、図3(b)中、左側部分、手前側部分、および下側部分には開口部7aが設けられている。開口部7aの大きさは、端部6aの直径よりも小さくなっており、端部6aが支持部7から外れないようになっている。また、端部6aは、支持部7の内部で回転できるようになっている。
【0022】
ポール6が載置部8に載置されている状態では、ポール6は、Z軸に平行(図3(a)に示す状態)になっている。ポール6を載置部8から取り外した利用者は、支持部7を支点にX軸方向(紙面前方)にポール6を90°回転させる。これにより、ポール6は、X軸方向に平行になる。
その後、ポール6を支持部7を支点にY軸方向(紙面下方向)に回転させることにより、ポール6の端部6bをフック11にかける(図3(b)の状態)。
【0023】
なお、本実施の形態では支持部7の機構の一例を紹介したが、載置部8とフック11との間でポール6の端部6bを移動できる機構であれば、図示のものに限定されない。
【0024】
次に、利用者が車椅子を利用して傘50を差す場合の操作を説明する。以下の説明では、傘50がいわゆるジャンプ傘である場合を説明するが、手開き式の傘を利用することもできるのは言うまでもない。
【0025】
図2に示す状態において、まず利用者は、フック11にかけられている端部6bをフック11から取り外し、ポール6を支持部7を支点に前方に90°回転させる。
図4は、移動中のポールを説明する図である。
その後、利用者は、ポール6を支持部7を支点に利用者から見て右方向に90°回転させることにより、ポール6の端部6bを載置部8付近にもってくる。
【0026】
次に、利用者は、載置部8に載置されている傘50の手元50aを持ち上げることで、傘50の石突き50bが挿入部12から取り出される。そして、利用者は、ポール6の端部6bを載置部8に載置する。
次に、利用者は、取り外した傘50の手元50aをクリップ9に取り付ける。
その後、利用者は、傘50の押しボタン(図示せず)を押下することにより、傘50を開く。
【0027】
以上述べたように、車椅子1によれば、利用者は簡単に傘50を差すことができる。また、ポール6を利用者からある程度離間した位置に配置するようにしたことでポール6に膝が当たりにくくなっている。このため、利用者が車椅子1を自力で操作する際にポール6が邪魔になりにくい。
また、傘50を収容する機構を設けた。これにより、傘50を利用しない場合も、傘の置き場所に困ることがない。
また、載置部8が傘50の収容機構の一部を兼ねるようにした。これにより、部品点数を減らすことができる。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態の車椅子について説明する。
以下、第2の実施の形態の車椅子について、前述した第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図5は、第2の実施の形態の車椅子を示す斜視図である。
図5に示す第2の実施の形態の車椅子1aは、載置部の構成が第1の実施の形態と異なり、それ以外は第1の実施の形態と同様である。
図5に示すように載置部13は、断面がU字状をなしている。この載置部13は、X軸方向およびZ軸方向に90°回転可能となっている。
【0028】
利用者は、ポール6を載置部13に載置する際には、吹き出しの上の図に示すように、載置部13の凹部をZ軸方向に向けることにより、ポール6の端部6bを凹部に載置する。また、利用者は傘50の手元50aを載置部13に載置する際には、吹き出しの下の図に示すように凹部をX軸方向に向ける。
第2の実施の形態の車椅子1aによれば、第1の実施の形態の車椅子1と同様の効果が得られる。
【0029】
以上、本発明の車椅子を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 車椅子
2a、2b 肘掛け
3a、3b アームパイプ
4a、4b ポール
5 座面
6 ポール
6a、6b 端部
7、9a、11 支持部
7a 開口部
8、13 載置部
8a、8b 凹部
9 クリップ
9b 挟持部
10a、10b フットサポート
12 挿入部
50 傘
図1
図2
図3
図4
図5