【解決手段】第1の垂直風洞の長手方向の途中位置に設けられる浮遊空間20を、下方から上方に向けて移動する空気ARの流れで遊戯者を浮遊させるスカイダイビングシミュレータにおいて、第1の垂直風洞の浮遊空間20に対応する位置には、浮遊空間20に対する遊戯者の出入りを可能にする開口部22が設けられており、第1の垂直風洞における開口部22を囲む枠部23のうち、浮遊空間20内の空気ARの通流方向における下流側で第1の垂直風洞の周方向に沿う下流側の上枠部231は、当該下流側の上枠部231の先端231aに向かうにつれて、上流側の下枠部232との間の開口径D1が狭くなる向きで湾曲しており、下流側の上枠部231の先端231aを、第1の垂直風洞の外側に位置させている構成とした。
円筒状の垂直風洞の長手方向の途中位置に浮遊空間が設定されており、前記浮遊空間を下方から上方に向けて移動する空気の流れにより、前記浮遊空間内で遊戯者を浮遊させるスカイダイビングシミュレータにおいて、
前記垂直風洞の前記浮遊空間に対応する位置には、前記浮遊空間に対する前記遊戯者の出入りを可能にする開口部が設けられており、
前記垂直風洞における前記開口部を囲む縁部のうち、前記浮遊空間内の空気の通流方向における下流側で前記垂直風洞の周方向に沿う下流側の縁部は、当該下流側の縁部の先端側に向かうにつれて、上流側の縁部との間の開口径が狭くなる向きで湾曲しており、前記下流側の縁部の先端部を、前記垂直風洞の外側に位置させている構成としたことを特徴とするスカイダイビングシミュレータ。
前記進行方向変更部材では、複数の板状基材が、当該板状基材の厚み方向に間隔をあけて設けられていると共に、前記板状基材の各々は、当該板状基材の幅方向の中央部を、前記幅方向の両側を結ぶ線分からオフセットさせた湾曲形状を成していることを特徴とする請求項4に記載のスカイダイビングシミュレータ。
前記板状基材の中央部は、前記板状基材の幅方向の両側よりも厚肉に形成された厚肉部とされ、当該厚肉部には、前記板状基材の長手方向に、冷却用流体の通流路が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のスカイダイビングシミュレータ。
前記浮遊空間に対応する前記垂直風洞の厚み内には、複数の照明装置が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載のスカイダイビングシミュレータ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態にかかるスカイダイビングシミュレータ1を説明する。
図1は、スカイダイビングシミュレータ1の構成を説明する概略断面図である。
【0014】
図1に示すように、スカイダイビングシミュレータ1では、上下方向に直線状に延びる第1の垂直風洞12と、第1の垂直風洞12と平行に設けられる一対の第2の垂直風洞13a、13bとが設けられていると共に、第1の垂直風洞12と第2の垂直風洞13a、13bとを上部同士で接続する第1の水平風洞14aと、下部同士で接続する第2の水平風洞14bとが設けられている。
【0015】
スカイダイビングシミュレータ1では、第1の垂直風洞12と、第2の垂直風洞13a、13bと、第1の水平風洞14aと、第2の水平風洞14bとにより、概ね四角環形状となる環状風洞10が形成される。環状風洞10には、後述する空気ARが通流する循環路11が形成される。
【0016】
第1の垂直風洞12の長手方向(上下方向)の途中位置には、遊戯者Mの浮遊が行われる浮遊空間20が設けられている。
【0017】
浮遊空間20は、円筒形状の周壁21に囲まれた空間であり、浮遊空間20の下方の床面201には網状部材(セーフティネット)が一面に張られている。
【0018】
浮遊空間20は、第1の垂直風洞12の上方にまで直線状に延びて設けられており、浮遊空間20の上部202には、上方に向かって流路断面が拡大する拡径部203が形成されている。
よって、浮遊空間20を上方に向けて移動する空気ARは、拡径部203を通過する際に風速が低下するようになっている。後記する進行方向変更部材44、45近傍における拡径部203の径方向の断面積は、浮遊空間20内を浮遊する遊戯者Mを、進行方向変更部材44、45に衝突させない程度まで空気ARの風速を低下させることができる大きさに設定されている。
【0019】
第2の垂直風洞13aと13bは、第1の垂直風洞12に対して各々平行に設けられており、第2の垂直風洞13aと13bは、第1の垂直風洞12を挟んで同じ距離に設けられている。
第2の垂直風洞13a、13bの長手方向の途中位置には、空気ARを送出するための送風機30a、30bが、それぞれの吐出口31a、31bを第2の垂直風洞13a、13bの下部に向けた状態で設けられている。
送風機30a、30bは、吸入口32a、32bと吐出口31a、31bとを、それぞれ同一の中心軸上に設けた軸流ファンが用いられる。
【0020】
上記の構成によって、送風機30a、30bから送出された空気ARは、環状風洞10に形成される循環路11に沿って移動し、第1の垂直風洞12に設けられる浮遊空間20に送出される。
【0021】
ここで、循環路11における送風機30aから浮遊空間20までの空気ARが通流する長さと、送風機30bから浮遊空間20までの空気ARが通流する長さとは等しくなるように設定されている。
よって、送風機30aから送出された空気ARと、送風機30bから送出された空気ARの合流部(後記する第1の垂直風洞12に設けられる拡径部48)での風量差が大きくならないので、合流部で発生する乱流が抑えられるようになっている。
【0022】
[進行方向変更部材]
図1に示すように、環状風洞10には、空気ARの移動方向を、循環路11に沿ってスムーズに変えるための複数の進行方向変更部材40〜47が配設されている。
【0023】
進行方向変更部材41と43は、第2の垂直風洞13a、13bの下部と第2の水平風洞14bとの接続部分に設けられており、進行方向変更部材46、47は、第2の水平風洞14bと第1の垂直風洞12の下部との接続部分に設けられている。
また、進行方向変更部材40、42は、第2の垂直風洞13a、13bの上部と第1の水平風洞14aとの接続部分に設けられており、進行方向変更部材44、45は、第1の水平風洞14aと第1の垂直風洞12の上部との接続部分に設けられている。
【0024】
上記した進行方向変更部材40と41は、第2の垂直風洞13aの空気ARの流路断面を横切るように配置され、進行方向変更部材42と43は、第2の垂直風洞13bの空気ARの流路断面を横切るように配置されている。
そして、進行方向変更部材44と45は、第1の水平風洞14aの空気ARの流路断面を横切るように配置され、進行方向変更部材46と47は、第2の水平風洞14bの空気ARの流路断面を横切るように配置されている。
【0025】
ここで、それぞれの進行方向変更部材40〜47の基本的な形状や構成は略同じであるので、以下の説明においては、第2の垂直風洞13aの下部と第2の水平風洞14bとの接続部分に設けられる進行方向変更部材41について説明し、他の進行方向変更部材40、42〜47についは必要に応じて適宜説明する。
【0026】
図2は、進行方向変更部材41を説明する図であり、(a)は、進行方向変更部材41の概略斜視図であり、(b)は、(a)における領域Aを拡大した断面図である。
図2の(a)に示すように、進行方向変更部材41では、複数の羽根部材41aが互いに平行となる位置で厚み方向に等間隔に配置されている。
【0027】
図2の(b)に示すように、羽根部材41aの各々は、羽根部材41aの基部41a1の幅方向の中央部41a3を、幅方向の両側を結ぶ線分からオフセットさせた湾曲形状を成している。
【0028】
これにより、送風機30aから送出されて、第2の垂直風洞13a内を下方に向けて移動する空気ARは、第2の垂直風洞13aの流路断面を横切るように配置される複数の羽根部材41aの基部41a1の湾曲形状に沿って進行方向を変え、第2の水平風洞14b内を第1の垂直風洞12側に移動する(
図1の流路A1、
図2の(b)の矢印参照)。
【0029】
羽根部材41aの基部41a1の中央部41a3は、羽根部材41aの幅方向の両側41a4、41a4よりも肉厚に形成された肉厚部とされ、肉厚部には羽根部材41aの長手方向に、穴41a2が形成されている。
穴41a2は、冷却用流体が通流する通流路となっており、この通流路に冷却用流体を通流させて羽根部材41aの全体を冷却するようになっている。
【0030】
実施の形態では、送風機30a、30bから送出された空気ARは、環状風洞10内を循環路11に沿って循環するようになっており、循環する空気ARと環状風洞10の内壁面との間に摩擦が生じる。
そのため、空気ARは、環状風洞10内を循環する間に、環状風洞10の内壁面との摩擦熱により徐々に暖められる。そして、環状風洞10内の空気の温度が高くなり過ぎると、浮遊空間20内の遊戯者Mの遊戯が困難になってしまう。
【0031】
上記のように構成すると、空気ARは、湾曲形状の基部41a1に沿って進行方向を変えると共に、空気ARと冷却された基部41a1との間で熱交換が行われ、空気ARの温度が遊戯に適した温度まで下げられるようになっている。
なお、冷却材は、フロンガスやLLC(Long Life Coolant)などの冷却媒体が用いられる。
【0032】
[整流器]
次に、第1の垂直風洞12内の拡径部48に配設される整流器481を説明する。
図3は、整流器481を説明する図であり、(a)は、整流器481の一部を切り欠いて表した概略斜視図であり、(b)は、整流器481を構成する筒状部材482の概略斜視図である。
【0033】
図3の(a)および(b)に示すように、整流器481では、断面視において略六角形形状の開口を有する複数の筒状部材482が、各々の側面482b同士を隙間なく密着させて配置されている。整流器481は、いわゆるハニカム構造となっているため、長手方向(軸方向)の圧縮応力に対して非常に強い構造となっている。
【0034】
整流器481は、複数の筒状部材482の開口482aを空気ARの通流方向に沿わせた向きで、第1の垂直風洞12の流路断面を横切って配置されている(
図1参照)。
第1の垂直風洞12を下方から上方へ向けて移動する空気ARのうち、乱流となった空気は、整流器481の筒状部材482を通過する間に移動方向が整えられる。
【0035】
ここで、この種のスカイダイビングシミュレータで遊戯を行っている遊戯者は、航空機から降下して行うスカイダイビングとは異なる感覚(違和感や不快感)を覚えることがある。本願発明者は、その原因について検討を行ったところ、遊戯者の受ける空気の流れに乱流が含まれる場合、遊戯者が違和感や不快感を覚えることを見出した。
【0036】
上記したように、実施の形態では、浮遊空間20の下方に整流器481を設けて、乱流状態の空気ARを整流器481で整流したのち、浮遊空間20に送出すようにしている。このようにすると、整流された乱流のない空気ARが遊戯者Mに当たることになり、浮遊空間20内の遊戯者Mの違和感や不快感を低減させることができる。
【0037】
[縮径部]
図1に示すように、第1の垂直風洞12内における浮遊空間20と整流器481との間には、整流器481側から浮遊空間20側(空気の通流方向の下流側から上流側)に向かうにしたがって、第1の垂直風洞12の流路断面が狭くなる縮径部49(コンフューザ)が設けられている。よって、縮径部49は、前記した整流器481の上方に設けられている。
【0038】
実施の形態では、空気ARが送出される方向(
図1の矢印方向)において、縮径部49の直後に浮遊空間20が設けられる構成になっている。空気ARは、縮径部49を通過する際に風速が速められる。そして、この風速の速められた空気ARが、縮径部49の直後に設けられる浮遊空間20に送出されることによって、浮遊空間20において、遊戯者Mを上方に持ち上げる空気ARの風速が増加する。
【0039】
浮遊空間20では、空気ARの流れ(風速)による遊戯者Mを上方へ持ち上げる力と、遊戯者Mの自重により落下させようとする力とを釣り合わせて、遊戯者Mを安定して浮遊させるようになっている。
【0040】
[待機空間]
次に、浮遊空間20の外側に隣接して設けられる待機空間50について説明する。
図4は、待機空間50及び減圧空間57を説明する図であり、(a)は、待機空間50と減圧空間57と浮遊空間20の周辺の概略斜視図であり、(b)は、上方から見た待機空間50と減圧空間57と浮遊空間20の周辺の概略平面図であり、(c)は、(a)における面AでLED装置211周りの周壁21を切断した断面図である。
図5は、開口部22の周囲を囲む枠部23を説明する図であり、(a)は、浮遊空間20側から見た開口部22周りの正面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図であり、(c)は枠部23の上枠部231の従来の実施形態を説明する図である。
【0041】
図4の(a)及び(b)に示すように、浮遊空間20の外側には、浮遊空間20の一部を囲む待機空間50が設けられている。
【0042】
待機空間50は、第1の垂直風洞12の上方から見て浮遊空間20を囲む周壁21と、当該周壁21から所定の距離だけ外側に離れた位置に設けられる外壁52とにより仕切られた空間である。
【0043】
浮遊空間20を囲む周壁21には、周壁21を厚み方向に貫通する開口部22が設けられている。この開口部22により待機空間50と浮遊空間20とが連通されており、遊戯者Mの浮遊空間20への出入りを、この開口部22を介して行えるようになっている。
【0044】
浮遊空間20側から見た正面視において、開口部22は、上下方向を長手方向とする長方形形状を成しており、円筒形状の周壁21の直径線Xに対して左右均等に開口している(
図4の(b)及び
図5の(a)参照)。
【0045】
ここで、本願出願人は、浮遊空間20に開口する開口部22が形成されていると、浮遊空間20を通流する空気の流路断面積が開口部22の部分で変化するので、開口部22の縁での空気の剥離により、空気の乱流が生じることを見いだした。
そのため、実施の形態では、開口部22で発生する乱流の影響を低減させるために、開口部22を囲む枠部23の形状を工夫している。
【0046】
具体的には、開口部22の上縁に沿う上枠部231と、上枠部231の幅方向の両側から下枠部232側の下方に延びる側枠部233、233を、ぞれぞれ、浮遊空間20の外側(待機空間50側)に向けて湾曲させて、枠部23が形成されている。
【0047】
ここで、下枠部232で発生する乱流を説明する。
図5の(b)に示すように、浮遊空間20内を下方から上方に向けて移動する空気ARのうち、開口部22の下枠部232を横切る空気ARの一部は、下枠部232を通過する際に開口部22の外側(待機空間50側)に向けて拡散するため、下枠部232の先端232aでは空気の剥離に起因する乱流が発生する。
そして、この発生した乱流は、空気の移動方向に沿って上枠部231に向けて移動することになる。
ここで、上枠部231が、
図5の(c)に示すように湾曲して形成されていない場合には、上枠部231の先端231Aに衝突した乱流は、浮遊空間20側と待機空間50側にそれぞれ拡散する。そして、浮遊空間20側に拡散した乱流は、浮遊空間20内で浮遊している遊戯者の浮遊感に影響を与えて、遊戯者に違和感をもたらすことになる。また、待機空間50側に拡散した乱流は、待機空間50内の空気に微細な振動を与えて、待機空間50内で待機している遊戯者に違和感をもたらすことになる。
【0048】
ここで、実施の形態では、
図5の(b)に示すように、上枠部231を、当該上枠部231の先端231a側に向かうにつれて下枠部232との間の開口径D1が狭くなる向きで湾曲させて、先端231aを、周壁21よりも外側の待機空間50内に位置させており、下枠部232との対向部が湾曲面231bとなっている。
【0049】
そのため、下枠部232で発生して上枠部231に向けて移動した乱流は、湾曲面231bに到達すると、湾曲面231bが浮遊空間20側に湾曲しているために、下枠部232に対して平行な先端231a側ではなく、浮遊空間20側に移動することになる。
その結果、上枠部231に到達した乱流のほぼ全てが、湾曲面231bに沿って、浮遊空間20内を上方に移動することになる。
よって、上枠部231に到達した乱流が、浮遊空間20や待機空間50内に拡散することなく、浮遊空間20内を周壁21に沿って上方に移動することになる。
【0050】
なお、実施の形態では、湾曲面231bの曲率半径Rを、湾曲面231bに沿って移動する乱流が、湾曲面231bから剥離することない曲率半径に設定している。
また、下枠部232に衝突して乱流となった空気は上枠部231に向かうにつれて待機空間50側に移動するので、上枠部231に到達するまでの間の乱流の径方向の移動量H2よりも大きくなるように、湾曲面231bの周壁21の内壁面21aから先端231aまでの幅H1を設定している。
【0051】
よって、下枠部232に衝突して乱流となった空気の多くは上枠部231の湾曲面231bに到達したのち、湾曲面231bに沿って周壁21の内壁面21aの上方に移動する。
下枠部232に衝突して乱流となった空気ARの待機空間50側への移動が防止され、待機空間50内で待機する遊戯者の違和感や不快感を低減できる。
【0052】
また、
図4の(b)に示すように、開口部22の幅方向の両側に設けられる一対の側枠部233、233もまた、開口側の先端233a、233aに向かうにつれて相手側となる側枠部との間の開口径D2が狭くなる向きで湾曲されて、先端233a、233aを、周壁21よりも外側の待機空間50内に位置させており、相手側となる側枠部との対向部が湾曲部233b、233bとなっている。
【0053】
よって、浮遊空間20を下方から上方に移動する空気ARが、側枠部233、233の湾曲部233b、233bに衝突した場合、当該空気ARは、湾曲部233b、233bの表面に沿ってスムーズに流れるので、乱流の発生を好適に防止できる。
【0054】
また、遊戯者Mが出入りする枠部23における、上枠部231や側枠部233は、各々の先端231a、233aを待機空間50側に位置させて湾曲しているので(
図5の(b)における湾曲面231b、
図4の(b)における湾曲部233b参照)、仮に、遊戯者Mが、遊戯中に湾曲面に衝突した場合でも、衝突の衝撃が緩和されて遊戯者Mの安全が確保される。
【0055】
図4の(a)に示すように、待機空間50は、浮遊空間20の床面201を基準とした浮遊空間20の下部側の限られた範囲に設けられており、浮遊空間20を囲む周壁21と、待機空間50の天井部56とは、それぞれ透明な部材(例えば、合わせガラス又はアクリル樹脂)で構成されている。
よって、待機空間50内で次の遊戯の順番を待つ遊戯者は、透明な部材で形成された周壁21や天井部56を通して浮遊空間20内を浮遊する遊戯者Mの様子を容易に視認できる。
実施の形態では、待機空間50の天井部56は、スカイダイビングシミュレータ1の2階部分の床部にもなっており、見学者は、待機空間50の天井部56の上に立てるようになっている。よって、見学者は、透明な部材で形成された天井部56を通して浮遊空間20内を浮遊している遊戯者Mの様子を上方から視認できる。
【0056】
図4の(a)及び(c)に示すように、浮遊空間20を囲う周壁21には、複数の照明装置(LED装置211)が、周壁21の周方向の全周に亘って設けられている。複数のLED装置211は、発光面211aを浮遊空間20内に向けた状態で、周壁21の厚み内に設けられている。
なお、LED装置211は、周壁21を浮遊空間20側に貫通しておらず、LED装置211と浮遊空間20との間には、周壁21が所定の厚みH3だけ残されている(
図4の(c)参照)。
【0057】
ここで、仮にLED装置211が、周壁21の内壁面21aから浮遊空間20内に突出して設けられている場合、周壁21の内壁面21a近傍を下方から上方に移動する空気ARの流れが、LED装置211により妨げられる。一方、LED装置211が、周壁21の外壁面21bに設けられている場合、LED装置211の発光面211aから発せられた光は透明部材で形成された周壁21の厚み内で乱反射し、LED装置211は、浮遊空間20内を適切に照らすことができない。
【0058】
実施の形態では、LED装置211を、周壁21の厚み内に設け、LED装置211の発光面211aと浮遊空間20との間には、所定の厚みH3の周壁21が残されている構成とした。よって、LED装置211が浮遊空間20内に突出することはなく、LED装置211により内壁面21a近傍を移動する空気ARの流れを妨げることはない。
【0059】
また、LED装置211が設けられた位置における周壁21の厚みH3は、他の周壁21の厚みH4よりも薄くなっている(H3<H4)。よって、LED装置211の発光面211aから発せられた光は、厚みH3を有する周壁21を容易に透過して浮遊空間20内を適切に照らすことができる。
【0060】
[減圧空間]
次に、待機空間50に隣接して設けられる減圧空間57を説明する。
図1に示すように、上方から見た浮遊空間20の直径は、第1の垂直風洞12の中で最も細くなるように設定されている。よって、浮遊空間20において、浮遊空間20を下方から上方に移動する空気ARの風速が最も速くなると共に、浮遊空間20内及び浮遊空間20に連通する待機空間50内の気圧は、第1の垂直風洞12の外側の気圧(大気圧)よりも低くなる。そのため、遊戯者Mは、浮遊空間20や待機空間50から第1の垂直風洞12の外側(大気圧環境下)に突然出ると、待機空間50の内部と外部の気圧の変化が大きくなることに起因して、違和感を覚えることがある。
【0061】
そこで、
図4の(a)及び(b)に示すように、スカイダイビングシミュレータ1では、遊戯者Mが待機空間50(浮遊空間20)に入退室する際の待機空間50の内部と外部の気圧の変化をなめらかにするために、待機空間50と第1の垂直風洞12の外側との間に減圧空間57を設けている。
減圧空間57は、待機空間50の外壁52と内壁53とにより気密に仕切られている。
【0062】
内壁53は、減圧空間57と待機空間50とを仕切る壁であり、この内壁33には、減圧空間57と待機空間50とを連通/非連通にする耐圧ドア54が設けられている。外壁52は、減圧空間57と第1の垂直風洞12の外側の空間とを仕切る壁であり、この外壁52には、減圧空間57と第1の垂直風洞12の外側の空間とを連通/非連通にする耐圧ドア55が設けられている。
【0063】
よって、減圧空間57は、耐圧ドア54、55によって、待機空間50や第1の垂直風洞12の外側の空間から気密に隔離されており、両方の耐圧ドア54、55が閉じられている場合には、減圧空間57内の気圧は一定に保持される。
【0064】
スカイダイビングシミュレータ1では、待機空間50の空気が、減圧空間57を介して第1の垂直風洞12の外側に漏れ出さないように、耐圧ドア54と55との両方が同時に開かないように制御されている。
例えば、先に遊戯の終わった遊戯者が、待機空間50から第1の垂直風洞12の外側に出る場合、一方の耐圧ドア55が閉じられている状態で、当該遊戯者は、他方の耐圧ドア54を開けて減圧空間57に入る。そして、他方の耐圧ドア54を閉じたのち、減圧空間57内の気圧を第1の垂直風洞12の外側の気圧(大気圧)まで徐々に上げる。その後、他方の耐圧ドア54が閉じられた状態で、遊戯者Mは、一方の耐圧ドア55を開けて第1の垂直風洞12の外側にでる。
よって、遊戯者Mは、待機空間50(浮遊空間20)と大気圧との気圧差に慣らされたのち、第1の垂直風洞12の外側に出ることになるので、急激な気圧の変化に起因する違和感を減らすことができる。
【0065】
上記したように、スカイダイビングシミュレータ1では、他方の耐圧ドア54が開けられている間、一方の耐圧ドア55は常に閉じられている。
そのため、先に遊戯の終わった遊戯者が待機空間50から第1の垂直風洞12の外側に出る場合、待機空間50と第1の垂直風洞12の外側とが直接連通することはないので、待機空間50の空気が第1の垂直風洞12の外側に漏れ出すことはない。
よって、次に遊戯を待つ遊戯者は、先に遊戯が終わった遊戯者の待機空間50からの退出に影響されることなく、次の遊戯を行うことができる。
【0066】
また、減圧空間57を仕切る外壁52及び内壁53には、複数(実施の形態では2箇所)の調圧弁571が配置されており、減圧空間57内の気圧が所定の値以上になった場合には、調圧弁571が作動して減圧空間57の気圧が設定値まで下げられる。これにより減圧空間57が加圧され過ぎないようになっている。
【0067】
そして、次に遊戯を待つ遊戯者が第1の垂直風洞12の外側から待機空間50に入る場合、他方の耐圧ドア54が閉じられている状態で、当該遊戯者は、一方の耐圧ドア55を開けて減圧空間57に入る。そして、一方の耐圧ドア55を閉じたのち、減圧空間57内の気圧を、大気圧から浮遊空間20内の気圧とほぼ同じ気圧まで徐々に減圧する。その後、一方の耐圧ドア55が閉じられた状態で、遊戯者Mは、他方の耐圧ドア54を開けて待機空間50に入る。
よって、遊戯者Mは、待機空間50と第1の垂直風洞12の外側との気圧差に慣らされたのち、待機空間50内に入ることになるので、急激な気圧の変化に起因する遊戯者の違和感を少なくすることができる。
【0068】
上記したように、スカイダイビングシミュレータ1では、一方の耐圧ドア55が開けられている間、他方の耐圧ドア54は常に閉じられている。
そのため、待機空間50と第1の垂直風洞12の外側とが直接連通することはないので、待機空間50の空気が第1の垂直風洞12の外側に漏れ出すことはない。
よって、先に遊戯を行っている遊戯者は、次に遊戯を待つ遊戯者の待機空間50への入室に影響されることなく、遊戯を続けることができる。
【0069】
[冷却換気装置]
冷却換気装置60は、環状風洞10内を流れる空気ARと環状風洞10外の新鮮な空気とを入れ替えると同時に、環状風洞10を循環する間の環状風洞10の内壁面との摩擦熱により暖められた空気ARを冷却する装置である。
【0070】
図1に示すように、冷却換気装置60は、第1の水平風洞14aの上壁14a1に設けられている。冷却換気装置60は、上壁14a1の一部を開閉可能に構成されており、環状風洞10内を流れる古い空気ARを大気に放出する(
図1の矢印A参照)と同時に、大気から新鮮な空気を環状風洞10内に取り入れる(
図1の矢印B参照)ことができるようになっている。
【0071】
上記したように冷却換気装置60は、環状風洞10内を流れる空気ARを大気に放出すると共に、大気から新鮮な空気を環状風洞10内に取り入れることにより、環状風洞10内を循環する間に暖まった空気ARの温度を冷却する機能を有する。
なお、冷却換気装置60による環状風洞10内の換気は、遊戯者Mによる遊戯が行われている間だけでなく、遊戯が行われていない時にも行われる。その場合、送風機30a、30bは、遊戯者Mを浮遊させるための風速の空気ARを送出する必要がないので、送風機30a、30bの回転数を低速回転にして換気することができ、換気時の送風機の騒音を低減することができる。
【0072】
[スカイダイビングシミュレータの動作]
次に、スカイダイビングシミュレータ1の動作を、送風機30から送出された空気ARの移動に合わせて説明する。
【0073】
図1に示すように、初めに、スカイダイビングシミュレータ1では、第2の垂直風洞13a、13bの送風機30a、30bから送出された空気ARを、環状風洞10に形成された循環路11に沿って循環させるようになっている。
【0074】
送風機30a、30bのエンジン(またはモータ)を駆動させると、送風機30a、30bのそれぞれのファン30a1、30b1が回転軸周りに回転し、ファンの回転によって、送風機30a、30bの一方の吸入口32a、32bから吸い込んだ空気ARを、他方の吐出口31a、31bから吸い込みよりも高い圧力で送出する。
【0075】
送風機30a、30bから送出された空気ARは、第2の垂直風洞13a、13b内を下方に向けて移動する。これらの空気ARは、第2の垂直風洞13a、13bの下方において空気ARの流路断面を横切るように設置されている進行方向変更部材41、43により移動方向を変え(実施の形態では、移動方向が約90°変わる)、第2の水平風洞14b内を第1の垂直風洞12側に向けて移動する(
図1の流路A1、A2参照)。
【0076】
次に、第2の垂直風洞13a側と13b側から第2の水平風洞14b内を第1の垂直風洞12側に向けて移動するそれぞれの空気ARは、第2の水平風洞14b内で空気ARの流路断面を横切るように設けられる進行方向変更部材46、47により進行方向が変えられると共に合流し、第1の垂直風洞12内を上方に向けて移動する。
【0077】
第1の垂直風洞12内を上方に向けて移動する空気ARは、拡径部48で風速が遅くなったのち、拡径部48における流路断面を横切るように設けられる整流器481を通過する間に整流される。
【0078】
空気ARは、整流器481で整流されたのち、縮径部49(コンフューザ)に送出される。縮径部49に送出された空気ARは、縮径部49を通過する間に風速が速められたのち、浮遊空間20を下方から上方に向かって移動する。
よって、浮遊空間20内の遊戯者Mは、浮遊空間20を下方から上方に向かう空気ARの風圧により浮遊することができる。
【0079】
浮遊空間20の上部202側には拡径部203が設けられているため、空気ARが浮遊空間20の上方へ向けて移動するに従い、空気ARの風速は遅くなる。
よって、仮に、遊戯者Mが浮遊空間20の上部202まで上昇した場合、空気ARは遊戯者Mを進行方向変更部材44、45に衝突させるほどの風速にはならないので、遊戯者Mの進行方向変更部材44、45への衝突を防止できる。
【0080】
そして、拡径部203を超えて浮遊空間20内を上方に向けて移動する空気ARは、第1の垂直風洞12の上部で空気ARの流路断面を横切るように配置される進行方向変更部材44、45により、第1の水平風洞14a内を第2の垂直風洞13a側に向けて移動する方向と、第1の水平風洞14a内を第2の垂直風洞13b側に向けて移動する方向に分流される。
【0081】
そして、第1の水平風洞14a内を第2の垂直風洞13a側の方向に向けて移動する空気ARは、進行方向変更部材40により、第2の垂直風洞13aを下方へ向けて移動する方向に移動方向を変更されたのち、第2の垂直風洞13aに設けられる送風機30aの吸入口32aから吸い込まれる。
また、第1の水平風洞14a内を第2の垂直風洞13b側の方向に向けて移動する空気ARは、進行方向変更部材42により、第2の垂直風洞13bを下方へ向けて移動する方向に移動方向を変更されたのち、第2の垂直風洞13bに設けられる送風機30bの吸入口32bから吸い込まれる。
【0082】
上記のように、送風機30a、30bから送出されたそれぞれの空気ARは、環状風洞10を循環路11に沿って移動するようになっている。
【0083】
以上の通り、実施の形態では、円筒状の垂直風洞(第1の垂直風洞12)の長手方向の途中位置に浮遊空間20が設定されており、浮遊空間20を下方から上方に向けて移動する空気ARの流れにより、浮遊空間20内で遊戯者Mを浮遊させるスカイダイビングシミュレータにおいて、第1の垂直風洞12の浮遊空間20に対応する位置には、浮遊空間20に対する遊戯者Mの出入りを可能にする開口部22が設けられており、第1の垂直風洞12における開口部22を囲む縁部(枠部23)のうち、浮遊空間20内の空気ARの通流方向における下流側で第1の垂直風洞12の周方向に沿う下流側の縁部(上枠部231)は、当該下流側の上枠部231の先端231aに向かうにつれて、上流側の下枠部232との間の開口径D1が狭くなる向きで湾曲しており、下流側の上枠部231の先端231aを、第1の垂直風洞12の外側に位置させている構成とした。
【0084】
ここで、枠部23における下流側の上枠部231が湾曲していない場合には、下枠部232に衝突して乱流となった空気ARが、上枠部231の先端231aに衝突して、浮遊空間20や待機空間50に拡散してしまう。そうすると、浮遊空間20に拡散した乱流は、浮遊空間20内の遊戯者に違和感を与え、待機空間50に拡散した乱流は、待機空間50内の空気に微細な振動を与え、待機空間50内に待機している遊戯者に違和感を与えてしまう。
【0085】
上記のように構成して、開口部22の下流側の上枠部231を、上枠部231の先端231a側に向かうにつれて、下枠部232との間の開口径が狭くなる向きで湾曲させているので、下枠部232で発生した乱流の多くを、上枠部231の湾曲面231bに沿って移動させて、浮遊空間20の下流側に誘導できる。
これにより、開口部22の上枠部231で発生した乱流の浮遊空間20内への拡散を好適に防止できるので、スカイダイビングシミュレータ1で遊戯を行っている遊戯者Mが持つ違和感を低減できる。
【0086】
また、第1の垂直風洞12における浮遊空間20の下側には、浮遊空間20に向かうにつれて流路断面積が狭くなる縮径部49が設けられており、縮径部49には、複数の筒状部材482を平行に並べて構成された整流器481が設けられており、整流器481では、筒状部材482の各々が、筒状部材482の開口482aを第1の垂直風洞における空気ARの流れ方向に沿わせた向きで設けられている構成とした。
【0087】
このように構成すると、浮遊空間20には、整流器481により進行方向が整えられたのちの空気が送られるので、乱流状態の空気が浮遊空間20に送られる場合に比べて、遊技者の違和感や不快感を減らすことができる。
【0088】
また、筒状部材482の開口482aは、断面視において六角形形状を成しており、整流器481では、複数の筒状部材482の各々が側面同士を隙間なく密着させて配置されている構成とした。
【0089】
六角形形状の筒状部材482を採用すると、各々の筒状部材482を隙間なく密着させて配置することができるので、整流器481の空気抵抗を減らすことができる。よって、より多くの空気を効率よく整流すことができる。
【0090】
また、浮遊空間20が設定された第1の垂直風洞12と、第1の垂直風洞12に平行な第2の垂直風洞13a、13bと、第1の垂直風洞12と第2の垂直風洞13a、13bの下部に接続されて、送風機30a、30bから送出された空気を第1の垂直風洞12に誘導する下側水平風洞(第2の水平風洞14b)と、第1の垂直風洞12と第2の垂直風洞13a、13bの上部に接続されて、第1の垂直風洞12を通流した空気を第2の垂直風洞13a、13bに誘導する上側水平風洞(第1の水平風洞14a)と、から空気の循環路11が形成されており、少なくとも第1の垂直風洞12と第2の水平風洞14bとの接続部分には、第2の水平風洞14b内を第1の垂直風洞12に向けて移動する空気の進行方向を、第1の垂直風洞12内を浮遊空間20に向けて移動する方向に変更する進行方向変更部材46、47が設けられている構成とした。
【0091】
このように構成すると、第2の水平風洞14b内を第1の垂直風洞12に向けて移動する空気の進行方向を、第1の垂直風洞12内を浮遊空間20に向けて移動する方向に効率よく変更することができる。
【0092】
また、進行方向変更部材46、47では、複数の板状基材(羽根部材41a)が、羽根部材41aの厚み方向に間隔をあけて設けられていると共に、羽根部材41aの各々は、羽根部材41aの幅方向の中央部を、当該幅方向の両側を結ぶ線分からオフセットさせた湾曲形状を成している構成とした。
【0093】
このように構成すると、空気が、湾曲形状に形成された羽根部材41aに沿ってスムーズに移動して、空気の進行方向が効率よく変更される。
【0094】
また、羽根部材41aの中央部は、羽根部材41aの幅方向の両側よりも厚肉に形成された厚肉部とされ、厚肉部には、羽根部材41aの長手方向に、冷却用流体(クーラント等の冷却材)の通流路(穴41a2)が形成されている構成とした。
【0095】
羽根部材41aの穴41a2に冷却材が通流されると、羽根部材41a全体が冷却される。そして、水平風洞や垂直風洞の内壁面との摩擦熱により暖められた空気が、羽根部材41aに沿って進行方向を変えられる間に、空気と冷却された羽根部材41aとの間で熱交換が行われて、空気の温度が遊戯に適した温度まで確実に冷却される。
【0096】
また、浮遊空間20に対応する第1の垂直風洞12(浮遊空間20を囲む周壁21)の厚み内には、複数の照明装置(LED装置)が設けられている構成とした。
【0097】
このように構成すると、浮遊空間20を囲む周壁21の厚み内に複数のLED装置211が設けられているので、浮遊空間20内をLED装置211で確実に照らすことができると共に、周壁21の厚み内での光の反射を抑えることができる。
【0098】
上記の実施の形態では、一対の第2の垂直風洞13a、13bを、第1の垂直風洞12を挟んだ等距離に平行に設ける場合を例示したが、一つの第2の垂直風洞(例えば、第2の垂直風洞13a)を第1の垂直風洞(例えば、第1の垂直風洞12)と平行に設けるようにしてもよい。
このように構成しても、同様の作用及び効果を奏し得る。
【0099】
前記した実施の形態では、第2の垂直風洞13a、13bに送風機を1つ設ける場合を例示したが、送風機の数や配置は、浮遊空間20内の遊戯者Mを浮遊させることができる風速を発生することができるものであれば、これに限定されるものではない。
例えば、第2の垂直風洞13a、13bのそれぞれに複数の送風機を垂直方向または水平方向に並べて設けてもよく、第2の垂直風洞13aまたは13bの何れか1つの垂直風洞に、送風機を1つ以上設けるようにしてもよい。
【0100】
なお、前記した実施の形態では、LED装置211が周壁21の厚み内に設けられている場合を例示したが、LED装置211の設置形態は、これに限定されるものではない。
例えば、周壁21が合わせガラスで構成される場合、円筒形状の周壁21は、円弧形状となる複数の円弧状壁(図示せず)を周方向に並べて形成される。この場合、一の円弧状壁と隣接する他の円弧状壁との接続部分には、所定の隙間が設定されており、この隙間に沿って複数のLED装置211を設置するようにしても良い。
そして、図示しない一の円弧状壁と隣接する他の円弧状壁との間の隙間にLED装置211が設置されたのち、この隙間に透明な樹脂を円弧状壁の外形に合わせて充填することで、一の円弧状壁と他の円弧状壁とが接続される。このように構成しても、LED装置211は、透明な樹脂の厚み内に収められるようになっており、前記した実施形態と同様の効果を奏し得る。
【0101】
また、前記した実施の形態では、冷却換気装置60は、上壁14a1の一部を開閉可能に構成して、上壁14a1を開放することで、大気からの新鮮な空気の取り込みと、大気への古い空気の放出を行うようにしたが、冷却換気装置60の構成は、これに限定されるものではない。
例えば、冷却換気装置60において、大気からの新鮮な空気の取り込み経路(図示せず)と、大気への古い空気の放出経路(図示せず)を別々に設けても良い。
このように構成すると、前記した実施形態と同様の効果を奏し得ると共に、大気からの新鮮な空気の取り込みと、大気への古い空気の放出を効率的に行うことができる。
【0102】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれる。