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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-202552(P2016-202552A)
(43)【公開日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】ガイドワイヤおよび造影剤除去方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20161111BHJP
【FI】
   A61M25/09
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-87446(P2015-87446)
(22)【出願日】2015年4月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141829
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 牧人
(74)【代理人】
【識別番号】100123663
【弁理士】
【氏名又は名称】広川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】清水 克彦
(72)【発明者】
【氏名】山下 恵子
(72)【発明者】
【氏名】細野 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】坂本 泰一
【テーマコード(参考)】
4C167
【Fターム(参考)】
4C167AA28
4C167BB02
4C167BB06
4C167BB08
4C167BB42
4C167BB51
4C167GG04
4C167GG06
4C167GG07
4C167GG08
4C167GG22
4C167GG23
4C167GG24
(57)【要約】
【課題】造影剤を血管内から除去できるガイドワイヤおよび造影剤除去方法を提供する。
【解決手段】近位部において外部に開口すると共に遠位部へ延在するルーメン24が形成される長尺なシャフト部20を有し、前記シャフト部20の遠位部に前記ルーメン25から前記シャフト部20の外周面に向かって近位方向へ傾きつつ開口する側孔26が少なくとも1つ形成され、前記シャフト部20の近位側から前記ルーメン24を介して前記側孔26に陰圧を付与可能なガイドワイヤ10である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位部において外部に開口すると共に遠位部へ延在するルーメンが形成される長尺なシャフト部を有し、
前記シャフト部の遠位部に前記ルーメンから前記シャフト部の外周面に向かって近位方向へ傾きつつ開口する側孔が少なくとも1つ形成され、前記シャフト部の近位側から前記ルーメンを介して前記側孔に陰圧を付与可能なガイドワイヤ。
【請求項2】
前記シャフト部は、前記側孔よりも遠位側に径方向外側へ拡張可能な拡張部を有する請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項3】
前記側孔が前記シャフト部の軸方向に沿って複数設けられ、前記側孔が前記ルーメンから外周面に向かって近位方向へ傾く傾斜角度が、近位側の前記側孔ほど大きい請求項2に記載のガイドワイヤ。
【請求項4】
前記ルーメンは、前記シャフト部の前記拡張部よりも遠位側にて外部に対して閉じている請求項2または3に記載のガイドワイヤ。
【請求項5】
前記ルーメンは、前記シャフト部の遠位側端部に形成される遠位開口部で外部に開口している請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項6】
前記シャフト部は、外部から電流を印加可能であり、内周面に前記ルーメンが形成されるとともに電流を印加可能な導電性を備えた導電部を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
【請求項7】
前記シャフト部は、前記ルーメンの内周面にフッ素系樹脂が被覆される請求項1〜5のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
【請求項8】
造影剤を血管内から除去するための造影剤除去方法であって、
近位部および遠位部で開口するルーメンが形成される長尺なシャフト部を備えるガイドワイヤを血管に挿入し、前記ルーメンの遠位側の開口部を血管の上流側から狭窄部または閉塞部を超えた下流側の位置に到達させる配置ステップと、
前記シャフト部の近位側から前記ルーメンを介して遠位側の開口部に陰圧を付与して前記狭窄部または閉塞部を超えて流れる造影剤を前記開口部から吸引して前記ルーメン内に引き込む吸引ステップと、を有する造影剤除去方法。
【請求項9】
前記配置ステップおよび前記吸引ステップの間に、前記シャフト部の前記開口部よりも遠位側に設けられる拡張部を径方向外側へ拡張させて血管の少なくとも一部を閉じる閉鎖ステップを更に有する請求項8に記載の造影剤除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイドワイヤおよび造影剤除去方法に関し、特に、血管内に挿入して造影剤を血管内から除去できるガイドワイヤおよび造影剤除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の治療方法として、冠動脈の狭窄部や閉塞部にバルーンを挿入し、バルーンを拡張させることで狭窄部や閉塞部を押し広げるように拡張し、血流を回復させる経皮的冠動脈形成術(PCI)が行われている。PCIは、冠動脈に造影剤を投与し、X線透視下で狭窄部や閉塞部を確認しながら行われる。
【0003】
ところで、腎機能が低い患者に対してPCIを行うと、造影剤の副作用により造影剤腎症に陥り、場合によっては透析が必要になる場合もある。その原因は、確定されていないが、造影剤が腎臓に流れ込み、腎血管が収縮し、腎血流量や糸球体濾過量が低下するために、腎虚血となる血管性の要因が考えられている。さらに、造影剤は尿細管細胞に対して直接的な細胞毒性を示すことも知られている。
【0004】
このため、血管内の造影剤を除去する種々の方法が提案されている。例えば特許文献1には、PCIを行うために冠動脈に造影剤を放出した後、冠静脈を通って冠静脈洞に流れる造影剤を、右心房に挿入したデバイスにより吸引して外部へ排出する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7300429号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のデバイスは、冠動脈から冠静脈を通って冠静脈洞に到達した造影剤を吸引するため、ある程度の造影剤が既に血液に拡散しており、多量の血液と共に吸引して排出する必要がある。しかしながら、血液を排出しすぎると、虚血が発生する可能性があるため、望ましくない。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、血液を極力排出することなく造影剤を血管内から効果的に除去できるガイドワイヤおよび造影剤除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するガイドワイヤは、近位部から遠位部へ延在するルーメンが形成される長尺なシャフト部を有し、前記シャフト部の遠位部に前記ルーメンから前記シャフト部の外周面に向かって近位方向へ傾きつつ開口する側孔が少なくとも1つ形成され、前記シャフト部の近位部から前記ルーメンを介して前記側孔に陰圧を付与可能なガイドワイヤである。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成したガイドワイヤは、造影剤を放出するデバイスを貫通して造影剤を放出する位置の近くに側孔を位置させることができ、造影剤が血液に拡散される前に、血液を極力排出することなく造影剤を血管内から効果的に除去できる。更に、側孔がルーメンからシャフト部の外周面に向かって近位方向へ傾いて形成されているため、遠位方向へ流れる造影剤が側孔に入りやすくなり、造影剤を血管内からより効果的に除去できる。
【0010】
前記シャフト部は、前記側孔よりも遠位側に径方向外側へ拡張可能な拡張部を有するようにすれば、血管内で拡張部により造影剤の流れを規制して造影剤の拡散を抑制した状態で、造影剤を効果的に除去できる。
【0011】
前記側孔が前記シャフト部の軸方向に沿って複数設けられ、前記側孔が前記ルーメンから外周面に向かって近位方向へ傾く傾斜角度が、近位側の前記側孔ほど大きいようにすれば、造影剤の流れを規制する拡張部から近位側に離れて造影剤の流速が速い位置では、傾斜角度が大きい側孔により造影剤を吸引し、拡張部に近いために造影剤の流速が遅い位置では、傾斜角度が小さい側孔により造影剤を吸引できる。これにより、各々の位置で造影剤の流れ方向に沿う適切な傾斜角度の側孔で造影剤を吸引でき、造影剤を効果的に除去できる。
【0012】
前記ルーメンは、前記シャフト部の前記拡張部よりも遠位側にて外部に対して閉じているようにすれば、拡張部よりも遠位側における造影剤を含まない血液の吸引を抑制でき、虚血の発生を抑制できるとともに、造影剤を効果的に除去できる。
【0013】
前記ルーメンは、前記シャフト部の遠位側端部に形成される遠位開口部で外部に開口しているようにすれば、側孔に加えて遠位開口部からも造影剤を吸引でき、造影剤を効果的に除去できる。
【0014】
前記シャフト部は、外部から電流を印加可能であり、内周面に前記ルーメンが形成されるとともに電流を印加可能な導電性を備えた導電部を有するようにすれば、導電部の内壁面の接触抵抗が減少し、内径が小さいルーメンであっても、造影剤を流通させて体外へ排出できる。
【0015】
前記シャフト部は、前記ルーメンの内周面にフッ素系樹脂が被覆されているようにすれば、ルーメンの接触抵抗が減少し、内径が小さいルーメンであっても、造影剤を流通させて体外へ排出できる。
【0016】
上記目的を達成する造影剤除去方法は、造影剤を血管内から除去するための造影剤除去方法であって、近位部から遠位部へ延在するルーメンが形成される長尺なシャフト部を備えるガイドワイヤを血管に挿入し、前記ルーメンの遠位側の開口部を血管の上流側から狭窄部または閉塞部を超えた下流側の位置に到達させる配置ステップと、前記シャフト部の近位側から前記ルーメンを介して遠位側の開口部に陰圧を付与して前記狭窄部または閉塞部を超えて流れる造影剤を前記開口部から吸引して前記ルーメン内に引き込む吸引ステップと、を有する。上記のように構成した造影剤除去方法は、造影剤を放出するデバイスにガイドワイヤを貫通させた状態で、造影剤を放出する位置のすぐ下流側でガイドワイヤにより造影剤を吸引できるため、造影剤が血液に拡散される前に、造影剤を吸引できる。このため、血液を極力排出することなく造影剤を血管内から効果的に除去できる。
【0017】
上記造影剤除去方法は、前記配置ステップおよび前記吸引ステップの間に、前記シャフト部の前記開口部よりも遠位側に設けられる拡張部を径方向外側へ拡張させて血管の少なくとも一部を閉じる閉鎖ステップを更に有するようにすれば、血管内で拡張部により造影剤の流れを規制して造影剤の拡散を抑制した状態で、造影剤を効果的に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係るガイドワイヤを示す平面図である。
図2】第1実施形態に係るガイドワイヤの遠位部を示す断面図である。
図3】第1実施形態に係るガイドワイヤの近位部を示す断面図である。
図4】第1実施形態に係るガイドワイヤの近位部に取り付け可能なハブ部を示す断面図である。
図5】第1実施形態に係るガイドワイヤの近位部にハブ部を取り付けた状態の断面図である。
図6】第1実施形態に係るガイドワイヤの拡張部を拡張させた状態を示す断面図である。
図7】第1実施形態に係るガイドワイヤを冠動脈に挿入した状態を示す概略断面図である。
図8】冠動脈内で拡張部を拡張させる前の状態を示す概略断面図である。
図9】冠動脈内で拡張部を拡張させた状態を示す概略断面図である。
図10】第1実施形態に係るガイドワイヤにより造影剤を吸引する際の状態を示す概略断面図である。
図11】第2実施形態に係るガイドワイヤを示す平面図である。
図12】第2実施形態に係るガイドワイヤの遠位部を示す断面図である。
図13】第2実施形態に係るガイドワイヤの近位部を示す断面図である。
図14】第2実施形態に係るガイドワイヤの近位部に取り付け可能なハブ部を示す断面図である。
図15】第2実施形態に係るガイドワイヤの近位部にハブ部を取り付けた状態の断面図である。
図16】第2実施形態に係るガイドワイヤを冠動脈に挿入した状態を示す概略断面図である。
図17】第2実施形態に係るガイドワイヤにより造影剤を吸引する際の状態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。なお、本明細書では、デバイスの静脈に挿入する側を「遠位側」、操作する手元側を「近位側」と称することとする。
<第1実施形態>
【0020】
本発明の第1実施形態に係るガイドワイヤ10は、経皮的冠動脈形成術(PCI)を行う際に冠状動脈へ放出された造影剤を、冠静脈洞から回収して体外へ排出するためのデバイスである。
【0021】
ガイドワイヤ10は、図1〜3に示すように、内部にルーメン24が形成される長尺な管体であるシャフト部20と、シャフト部20の近位部に取り付け可能なハブ30部と、シャフト部20のルーメン24を貫通して近位側から導出される操作ワイヤ40とを備えている。
【0022】
シャフト部20は、内部にルーメン24が形成される管状の内管21と、内管21の外側に被覆される管状の被覆部22と、被覆部22の最遠位部の開口部を塞ぐ遠位部材23とを備えている。
【0023】
内管21は、硬度があって柔軟性があり、かつ導電性を備えている。被覆部22は、柔軟性があり、遠位方向に内管21よりも長く形成され、最遠位部に遠位部材23が固着されている。被覆部22の内管21よりも遠位側の部位は、柔軟な筒状に形成されて径方向外側へ撓むように拡張可能な拡張部25を構成する。
【0024】
操作ワイヤ40は、シャフト部20のルーメン24内を貫通し、遠位部が遠位部材23に連結されており、近位部がシャフト部20から導出されている。操作ワイヤ40としては、線材もしくは複数本の線材を撚ったものが好適に使用できる。近位部にて操作ワイヤ40をシャフト部20に対して近位方向へ牽引すると、図6に示すように、遠位部材23が近位方向へ移動し、拡張部25が圧縮力を受けて変形し、径方向外側に拡張する。
【0025】
シャフト部20は、図1〜3に示すように、遠位部の拡張部25よりも近位側に、ルーメン24から外周面に向かって近位方向へ傾きつつ開口する側孔26(開口部)が、シャフト部20の軸方向に沿って複数形成されている。側孔26は、シャフト部20の近位側からルーメン24を介して陰圧を付与して造影剤を吸引するための開口である。側孔26がルーメン24から外周面に向かって近位方向へ傾く傾斜角度θ、すなわち、側孔26の開口方向Z(側孔26の中心軸に平行な方向)の、シャフト部20の軸方向Xと直交する方向Yに対する傾斜角度θは、近位側の側孔26ほど大きい。
【0026】
ハブ部30は、図1、4及び5に示すように、電流供給装置70や吸引装置80にガイドワイヤ10を接続する際に、シャフト部20に取り付け可能な部材である。ハブ部30は、シャフト部20の近位部が嵌合して連結可能な嵌合部31と、嵌合部31と連通して操作ワイヤ40が遠位方向へ貫通するワイヤ導出部32と、嵌合部31と連通するとともにシリンジやポンプ等の吸引装置80と連結可能な吸引ポート33と、電流供給装置70と接続可能な導電部34とを備えている。
【0027】
嵌合部31は、シャフト部20を誘導するためのテーパ状の嵌合用テーパ部35が形成されている。ワイヤ導出部32は、操作ワイヤ40の貫通を誘導するためのテーパ状のワイヤ誘導部36が形成されている。導電部34は、導電材料により形成され、嵌合部31にシャフト部20を嵌合させることで内管21と電気的に接続される。導電部34は、ハブ部30の外部へ導出されており、接続ケーブル71を介して電流供給装置70に電気的に接続可能である。吸引ポート33は、チューブ81を介して吸引装置80と連結可能である。ワイヤ導出部32には、操作ワイヤ40の移動を許容しつつ液密性を維持するために、Oリングなどのシール部材が設けられてもよい。
【0028】
内管21の構成材料は、硬度があってかつ柔軟性があり、かつ導電性を備えることが好ましく、例えば、熱処理により形状記憶効果や超弾性が付与される形状記憶合金、ステンレス、タンタル、チタン、プラチナ、金、タングステンなどが好適に使用できる。形状記憶合金としては、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系などが好ましく使用される。
【0029】
操作ワイヤ40の構成材料は、硬度があってかつ柔軟性があることが好ましく、例えば、ステンレス鋼線(好ましくは、バネ用高張力ステンレス鋼)、ピアノ線(好ましくは、ニッケルメッキあるいはクロムメッキが施されたピアノ線)、または超弾性合金線、Ni−Ti合金、Cu−Zn合金、Ni−Al合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、コバルト合金、タンタル等の各種金属により形成された線材や、ポリアミド、ポリイミド、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等の比較的高剛性の高分子材料、あるいは、これらを適宜組み合わせたものが挙げられる。
【0030】
被覆部22の構成材料は、柔軟性がある材質であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE等のフッ素系樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミドなどが好適に使用できる。
【0031】
ガイドワイヤ10の長さは、特に限定されないが、例えば、1500mm〜3000mmが好ましい。シャフト部20の外径は、特に限定されないが、例えば、0.30mm〜0.50mmが好ましい。シャフト部20の内径は、特に限定されないが、例えば、0.20mm〜0.40mmが好ましい。拡張部25が拡張した状態における拡張部25の最大外径は、特に限定されないが、患者の冠動脈の外径よりも大きいことが好ましく、例えば、2.0mm〜5.0mmが好ましい。
【0032】
内管21、被覆部22、操作ワイヤ40および遠位部材23は、材料中にX線造影性材料が含まれて形成されていてもよい。これにより、X線造影下で位置を的確に把握することができ、手技がより容易なものとなる。X線造影性材料としては、例えば、金、プラチナ、プラチナ−イリジウム合金、銀、ステンレス、モリブデン、タングステン、タンタル、パラジウムあるいはそれらの合金等が好適である。
【0033】
ハブ部30の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の硬質の樹脂等が使用できる。
【0034】
また、シャフト部20および操作シャフト40のいずれかの位置に、X線造影性材料からなるマーカーが配置されてもよい。マーカーは、X線造影性材料により形成されるワイヤを外面に巻きつけること、もしくはX線造影性材料によりパイプを形成して外面にかしめる又は接着することにより取り付けられる。
【0035】
次に、第1実施形態に係るガイドワイヤ10の使用方法を説明する。
【0036】
まず、使用するガイドワイヤ10のプライミングを行い、シャフト部20の内部を生理食塩水で置換する。なお、この初期状態において、図1、2に示すように、拡張部25は拡張していない。ガイドワイヤ10は、近位部からハブ部30が取り外されている。
【0037】
次に、大腿動脈などの動脈にイントロデューサシース(図示せず)を挿入する。次に、イントロデューサシースを介して他のガイドワイヤを動脈内へ挿入する。なお、イントロデューサシースを設置する位置は、冠動脈へアクセス可能であれば、限定されない。
【0038】
次に、ガイドワイヤに沿ってガイディングカテーテル50を挿入し、ガイディングカテーテル50の遠位部を、冠動脈Cの入り口の近傍に到達させる。この後、ガイドワイヤを引き抜き、本実施形態に係るガイドワイヤ10を、ガイディングカテーテル50を介して冠動脈Cの入口に到達させ、図7に示すように、冠動脈Cに挿入する。次に、図8に示すように、ガイドワイヤ10の遠位部を、狭窄部N(または閉塞部)よりも奥へ到達させる(配置ステップ)。なお、ガイドワイヤ10を狭窄部Nよりも奥へ到達させるために、ガイディングカテーテル50から造影剤を放出して、X線透視下で操作してもよい。
【0039】
次に、ガイドワイヤ10の近位部側の端部を、バルーンカテーテル等の処置デバイス60のガイドワイヤルーメンに挿入し、処置デバイス60を冠動脈C内に挿入する。このとき、ガイドワイヤ10の近位部からハブ部30が取り外されているため、ガイドワイヤ10の近位部を、処置デバイス60のガイドワイヤルーメンに挿入することができる。
【0040】
次に、図5に示すように、ガイドワイヤ10の近位部をハブ部30の嵌合部31に嵌合し、操作ワイヤ40をワイヤ導出部32から近位方向へ貫通させる。ハブ部30の内部では、導電部34が内管21に接触する。次に、吸引ポート33に、吸引装置80から延びるチューブ81を接続する。これにより、吸引ポート33からルーメン24を介して側孔26に陰圧を付与可能な状態とする。さらに、導電部34に、電流供給装置70から延びる接続ケーブル71を連結し、患者の体表面に、接続ケーブル71と対極となる電極72を接触させる。これにより、ルーメン24の内壁面を構成する内管21に電流を印加可能な状態とする。
【0041】
次に、ガイドワイヤ10の操作ワイヤ40を近位方向へ牽引し、図9に示すように、拡張部25を径方向外側へ拡張させる。拡張した拡張部25は、冠動脈Cの内壁面に接触し、冠動脈Cを閉鎖して血流を遮断する(閉鎖ステップ)。
【0042】
次に、処置デバイス60による処置を行う狭窄部Nの位置を正確に特定するために、ガイディングカテーテル50から造影剤を冠動脈C内へ放出する。更に、電流供給装置70から電流を供給しつつ、吸引装置80からルーメン24を介して側孔26に陰圧を付与する。これにより、図10に示すように、冠動脈C内に放出された造影剤は、狭窄部Nを超えて拡張部25に到達し、側孔26に吸引される(吸引ステップ)。このとき、冠動脈Cの血流が拡張部25により遮断されているため、拡散する前の造影剤を効率よく吸引して排出することができ、造影剤による生体への影響を極力低減することができる。さらに、側孔26が、傾斜角度θで傾いているため、遠位方向へ流れる造影剤が側孔26に入りやすくなり、造影剤を効果的に吸引できる。さらに、側孔26の傾斜角度θが、近位側の側孔26ほど大きいため、拡張部25から近位側に離れているために造影剤の流速が速い位置では、傾斜角度θが大きい側孔26により造影剤を吸引し、拡張部25に近いために造影剤の流速が遅い位置では、それに応じて傾斜角度θが小さい側孔26により造影剤を吸引できる。このため、各々の位置で造影剤の流れ方向に沿う適切な傾斜角度θの側孔26で造影剤を吸引でき、造影剤を血管内から効果的に除去できる。
【0043】
そして、内管21と生体の間に電流が流れるため、内管21の内壁面と造影剤を含む血液の間で電流が流れる。これにより、内管21の内壁面の接触抵抗が減少し、内径が小さいルーメン24であっても、造影剤を流通させて体外へ排出できる。すなわち、通常、流路が小さくなればなるほど界面張力が支配的になり、接触抵抗が大きくなる。そのため、微小な流路の中で液体を移動させるにはこの接触抵抗を小さくする必要がある。金属と導電性液体の間に電流を流し、金属の電位を変化させることにより、金属と導電性の液体の間の界面張力をコントロールすることが可能である。この原理を利用して、円筒状の内管21と、中を通る血液との間に電位差を作り、金属側の内管21を負電位にすることによって接触抵抗を減らすことができる。このため、細い内径の内管21であっても、通常よりも小さい力で造影剤を吸引できる。
【0044】
造影剤の冠動脈Cへの放出とガイドワイヤ10による造影剤の吸引は、必要に応じて繰り返し行われる。この後、X線透視下で処置デバイス60を操作し、造影剤により位置が正確に特定された狭窄部Nの処置(例えば、バルーンによる狭窄部の拡径やステントの留置など)を行う。
【0045】
処置が完了した後、吸引装置80による吸引を停止し、電流供給装置70からの電流の供給を停止する。更に、操作ワイヤ40をシャフト部20に対して遠位方向へ押し込むように移動させて、拡張部25を収縮させる(図2を参照)。次に、シャフト部20からハブ部30を取り外す。これにより、ガイドワイヤ10を残したまま、処置デバイス60等をガイドワイヤ10に沿って引き抜くことが可能となる。この後、処置デバイス60、ガイドワイヤ10およびガイディングカテーテル50をイントロデューサシースから抜去し、かつイントロデューサシースを血管から抜去して、処置が完了する。
【0046】
以上のように、第1実施形態に係るガイドワイヤ10は、近位部から遠位部へ延在するルーメン24が形成される長尺なシャフト部20を有し、シャフト部20の遠位部にルーメン24からシャフト部20の外周面に向かって近位方向へ傾きつつ開口する側孔26が少なくとも1つ形成され、シャフト部20の近位側からルーメン24を介して側孔26に陰圧を付与可能なガイドワイヤ10である。上記のように構成したガイドワイヤ10は、造影剤を放出するデバイス(ガイディングカテーテル50)を貫通して造影剤を放出する位置のすぐ下流側に側孔26を位置させることができ、血液を極力排出することなく造影剤を血管内から効果的に除去できる。更に、側孔26がルーメン24からシャフト部20の外周面に向かって近位方向へ傾いて形成されているため、遠位方向へ流れる造影剤が側孔26に入りやすくなり、造影剤を血管内からより効果的に除去できる。そして、造影剤を効果的に排出できるため、造影剤による腎臓等の生体への影響を低減することができる。
【0047】
また、シャフト部20は、側孔26よりも遠位側に径方向外側へ拡張可能な拡張部25を有するため、血管内で拡張部25により造影剤の流れを抑制して造影剤の拡散を抑制した状態で、造影剤を効果的に除去できる。
【0048】
また、側孔26がシャフト部20の軸方向に沿って複数設けられ、側孔26がルーメン24から外周面に向かって近位方向へ傾く傾斜角度θが、近位側の側孔26ほど大きいため、造影剤の流れを規制する拡張部25から近位側に離れて造影剤の流速が速い位置では、傾斜角度θが大きい側孔26により造影剤を吸引し、拡張部25に近いために造影剤の流速が遅い位置では、傾斜角度θが小さい側孔26により造影剤を吸引できる。これにより、各々の位置で造影剤の流れ方向に沿った適切な傾斜角度θの側孔26で造影剤を吸引でき、造影剤を効果的に除去できる。
【0049】
また、ルーメン24は、シャフト部20の拡張部25よりも遠位側にて外部に対して閉じているため、拡張部25よりも遠位側における造影剤を含まない血液の吸引を抑制でき、虚血の発生を抑制できるとともに、効率よく造影剤を体外へ排出できる。
【0050】
また、シャフト部20は、外部から電流を印加可能であり、内周面にルーメン24が形成されるとともに電流を印加可能な導電性を備えた内管22(導電部)を有するため、内管22の内壁面の接触抵抗が減少し、内径が小さいルーメン24であっても、造影剤を流通させて体外へ排出できる。
【0051】
また、本発明は、造影剤を血管内から除去するための造影剤除去方法をも含む。当該造影剤除去方法は、(i)近位部および遠位部で開口するルーメンが形成される長尺なシャフト部を備えるガイドワイヤを血管に挿入し、前記ルーメンの遠位側の開口部を血管の上流側から狭窄部または閉塞部を超えた下流側の位置に到達させる配置ステップと、(ii)前記シャフト部の近位側から前記ルーメンを介して遠位側の開口部に陰圧を付与して前記狭窄部または閉塞部を超えて流れる造影剤を前記開口部から吸引する吸引ステップと、を有する。上記のように構成した造影剤除去方法は、造影剤を放出するデバイスにガイドワイヤを貫通させた状態で、造影剤を放出する位置のすぐ下流側でガイドワイヤにより造影剤を吸引できるため、造影剤が血液に拡散される前に、血液を極力排出することなく造影剤を血管内から効果的に除去できる。
【0052】
上記造影剤除去方法は、前記配置ステップおよび前記吸引ステップの間に、前記シャフト部の前記開口部よりも遠位側に設けられる拡張部を径方向外側へ拡張させて血管の少なくとも一部を閉じる閉鎖ステップを更に有する。このため、血管内で拡張部により造影剤の流れを遮断して造影剤の拡散を抑制した状態で、造影剤を効果的に除去できる。
<第2実施形態>
【0053】
第2実施形態に係るガイドワイヤ100は、拡張部が設けられない点で、第1実施形態と異なるなお、第1実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0054】
ガイドワイヤ100は、図11〜13に示すように、内部にルーメン125が形成される長尺な管体であるシャフト部120と、シャフト部120の近位部に取り付け可能なハブ部130とを備えている。
【0055】
シャフト部120は、管状の内管121と、内管121の外側に被覆される管状の外側被覆部122と、内管121の内側に被覆される内側被覆部123と、内管121の最遠位部の開口部を塞ぐ遠位部材124とを備えている。
【0056】
内管121は、硬度がありかつ柔軟性を備えている。外側被覆部122は、柔軟性を備えている。内側被覆部123は、ルーメン125内を流通する造影剤の接触抵抗を低減させるために、摩擦抵抗の低い材料により形成される。
【0057】
シャフト部120は、遠位部材124よりも近位側に、ルーメン125から外周面に向かって近位方向へ傾きつつ開口する側孔126(開口部)が、シャフト部120の軸方向に沿って複数形成されている。側孔126は、シャフト部120の近位側からルーメン125を介して陰圧を付与して造影剤を吸引するための開口である。側孔126がルーメン125から外周面に向かって近位方向へ傾く傾斜角度θは、いずれも一定である。
【0058】
遠位部材124は、ルーメン125から遠位方向へ貫通する遠位開口部127(開口部)が形成されている。
【0059】
ハブ部130は、図11、14及び15に示すように、吸引装置80にガイドワイヤ100を接続する際に、シャフト部120に取り付け可能な部材である。ハブ部130は、シャフト部120の近位部が嵌合して連結可能な嵌合部131と、嵌合部131と連通するとともに吸引装置80から延びるチューブ81と連結可能な吸引ポート133を備えている。
【0060】
内管121の構成材料は、硬度があってかつ柔軟性があり、かつ導電性を備えることが好ましく、例えば、熱処理により形状記憶効果や超弾性が付与される形状記憶合金、ステンレス、タンタル、チタン、プラチナ、金、タングステンなどが好適に使用できる。形状記憶合金としては、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系などが好ましく使用される。
【0061】
外側被覆部122および遠位部材124の構成材料は、柔軟性がある材質であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE等のフッ素系樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミドなどが好適に使用できる。
【0062】
内側被覆部123の構成材料は、摩擦抵抗の低い材料であることが好ましく、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)等のフッ素系樹脂等のフッ素系樹脂である。
【0063】
次に、第2実施形態に係るガイドワイヤ100の使用方法を説明する。
【0064】
まず、使用するガイドワイヤ100のプライミングを行い、シャフト部120の内部を生理食塩水で置換する。この初期状態において、図11に示すように、ガイドワイヤ100は、近位部からハブ部130が取り外されている。
【0065】
次に、大腿動脈などの動脈にイントロデューサシース(図示せず)を挿入する。次に、イントロデューサシースを介して他のガイドワイヤ(図示せず)を静脈内へ挿入する。なお、イントロデューサシースを設置する位置は、冠動脈Cへアクセス可能であれば、限定されない。
【0066】
次に、ガイドワイヤに沿ってガイディングカテーテル50を挿入し、ガイディングカテーテル50の遠位部を、冠動脈Cの入り口の近傍に到達させる。この後、ガイドワイヤを引き抜き、第2実施形態に係るガイドワイヤ100を、ガイディングカテーテル50を介して冠動脈Cに到達させ、図16に示すように、冠動脈Cに挿入する。次に、ガイドワイヤ100の遠位部を、狭窄部N(または閉塞部)よりも奥へ到達させる(配置ステップ)。なお、ガイドワイヤ100を狭窄部Nよりも奥へ到達させるために、ガイディングカテーテル50から造影剤を放出して、X線透視下で操作を行ってもよい。
【0067】
次に、ガイドワイヤ100の近位部側の端部を、バルーンカテーテル等の処置デバイス60のガイドワイヤルーメンに挿入し、処置デバイス60を冠動脈C内に挿入する。このとき、ガイドワイヤ100の近位部からハブ部130が取り外されているため、ガイドワイヤ100の近位部を、処置デバイス60のガイドワイヤルーメンに挿入することができる。
【0068】
次に、ガイドワイヤ10の近位部をハブ部130の嵌合部131に連結し、吸引ポート133に、吸引装置80から延びるチューブ81を接続する。これにより、吸引ポート133からルーメン125を介して側孔126に陰圧を付与可能な状態とする。
【0069】
次に、処置デバイス60による処置を行う狭窄部Nの位置を正確に特定するために、ガイディングカテーテル50から造影剤を冠動脈C内へ放出する。更に、ルーメン125を介して側孔126に陰圧を付与する。これにより、冠動脈C内に放出された造影剤は、狭窄部Nを超えてガイドワイヤ100の遠位部に到達し、側孔126および遠位開口部127に吸引される(吸引ステップ)。このとき、側孔126が、傾斜角度θで傾いているため、遠位方向へ流れる造影剤が側孔126に入りやすくなり、造影剤を効果的に吸引できる。なお、第1実施形態と異なり、拡張部により冠動脈Cが閉鎖されないため、造影剤の流速は軸方向に沿ってほとんど変化しないことから、側孔126の傾斜角度θが一定であることで、各々の側孔126で造影剤の流れ方向に沿う適切な傾斜角度θで造影剤を吸引でき、造影剤を血管内から効果的に除去できる。
【0070】
そして、内管121の内側に、摩擦抵抗の低い内側被覆部123が被覆されているため、内径が小さいルーメン125であっても、造影剤を流通させて体外へ排出できる。
【0071】
造影剤の冠動脈Cへの放出とガイドワイヤ100による造影剤の吸引は、必要に応じて繰り返し行われる。この後、X線透視下で処置デバイス60を操作し、造影剤により位置が正確に特定された狭窄部Nの処置(例えば、バルーンによる狭窄部の拡径やステントの留置など)を行う。
【0072】
処置が完了した後、吸引装置80による吸引を停止する。次に、シャフト部120からハブ部130を取り外す。これにより、ガイドワイヤ100を残したまま、処置デバイス60等をガイドワイヤ100に沿って引き抜くことが可能となる。この後、処置デバイス60、ガイドワイヤ100およびガイディングカテーテル50をイントロデューサシースから抜去し、かつイントロデューサシースを血管から抜去して、処置が完了する。
【0073】
以上のように、第2実施形態に係るガイドワイヤ100は、ルーメン125が、シャフト部120の遠位側端部に形成される遠位開口部127で外部に開口しているため、側孔126に加えて遠位開口部127からも造影剤を吸引でき、造影剤を効果的に体外へ排出できる。
【0074】
また、シャフト部120は、ルーメン125の内周面にフッ素系樹脂が被覆されているため、ルーメン125の接触抵抗が減少し、内径が小さいルーメン125であっても、造影剤を流通させて体外へ排出できる。
【0075】
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、第1実施形態では、内管21に電流を流すことで接触抵抗を低減し、第2実施形態では、内管121の内側に摩擦抵抗の低い材料を被覆することで、造影剤のルーメン24、125内での流動性を高めているが、第1実施形態において摩擦抵抗の低い材料を使用し、第2実施形態において内管に電流を流す構成とすることもできる。また、内管(導電部)に電流を流さず、かつ内管の内周面に摩擦抵抗の低い材料を被覆しない構成とすることもできる。
【0076】
また、側孔26、126の傾斜角度θは、0°以下であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
10、100 ガイドワイヤ、
20、120 シャフト部、
21、121 内管、
22 被覆部、
26、126 側孔、
30、130 ハブ部、
24、125 ルーメン、
25 拡張部、
40 操作ワイヤ、
122 外側被覆部、
123 内側被覆部、
127 遠位開口部、
C 冠動脈、
N 狭窄部、
θ 傾斜角度。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17