(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-202858(P2016-202858A)
(43)【公開日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】歯のホワイトニング及びクリーニング施設とその方法
(51)【国際特許分類】
A61C 19/00 20060101AFI20161111BHJP
A61C 17/00 20060101ALI20161111BHJP
【FI】
A61C19/00 D
A61C17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-104011(P2015-104011)
(22)【出願日】2015年4月24日
(71)【出願人】
【識別番号】515128965
【氏名又は名称】株式会社シロク
(72)【発明者】
【氏名】松田 芳久
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA15
4C052AA17
4C052AA20
4C052LL01
4C052LL04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ホワイトニング及びクリーニング施設の開業にあたり、イニシャルとランニングの双方のコストが削減でき、さらにこれらが配管のできない制約が多い商業ビル等に於いても開業可能とする。
【解決手段】歯のホワイトニング及びクリーニングをセルフサービスで行なう形態の場合、施設の入り口1に定量の水の入った給水コップ3とこの排出用の排水コップ4を配置して、利用者がこれらを授受してからホワイトニング及びクリーニングの過程で口内を洗浄し、終了後に、一箇所に設けた汚水及び給排水コップの廃棄エリアCにて処理をするようにした。個室を設けずに、仕切板で仕切ったブースBで行なえるようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口内洗浄用の定量の水を入れた給水コップとこの洗浄後の汚水を排出する排水コップを備え置く第一のエリアと、給水コップと排水コップを利用して歯のホワイトニング及びクリーニングがおこなえるようにした第二のエリアと、当該歯のホワイトニング及びクリーニング後に汚水と給水コップ及び排水コップを廃棄する第三のエリアとで構成したことを特徴とする歯のホワイトニング及びクリーニング施設。
【請求項2】
上記、施設の出入り口の近傍に第一のエリアと第三のエリアを兼用して設けたことを特徴とする前記請求項1に記載の歯のホワイトニング及びクリーニング施設。
【請求項3】
上記、第二のエリアは個室とせずに、隣接する利用者間に仕切板を設けることでブースを連続的に並び設けたことを特徴とする前記請求項1乃至、請求項2に記載の歯のホワイトニング及びクリーニング施設。
【請求項4】
上記、排水コップには水処理用凝集剤を入れておくようにしたことを特徴とする前記請求項1乃至、請求項3に記載の歯のホワイトニング及びクリーニング施設。
【請求項5】
歯のホワイトニング及びクリーニングを行なうにあたり、第一のエリアで口内を洗浄する定量の水の入った給水コップとこの洗浄後の汚水を排出する排水コップを授受し、歯のホワイトニング及びクリーニングを行なう第二のエリアで給水コップ内の水で口内を洗浄するとともに汚水を排水コップに排出し、第三のエリアで汚水と給水コップ及び排水コップを廃棄するようにして利用者がセルフサービス形態で利用できるようにしたことを特徴とする歯のホワイトニング及びクリーニングの方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は歯の表面の汚れを除去して白化するホワイトニング及びクリーニングを行なう施設と、これらを行なう方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯のホワイトニング及びクリーニングを行なうには、最初に歯ブラシ等で歯の汚れをとって口内を洗浄し、次に歯の表面に洗浄用の基剤を塗り、特定領域の波長の光を照射して反応を促進させた後に、再度歯ブラシ等で口内を洗浄して白化するものであり、この過程に於いて少なくとも2〜3回の口内洗浄が行なわれる。
【0003】
従って、従来のこれらの施設では、洗浄用の給排水の設備が必要となり、さらに施設内に多数の個室を設けた形態の場合では、各々の個室に給排水の設備が必要となるため開業時のイニシャルコストが高い原因となっていた。
【0004】
また、物販ビル等の商業施設では給排水の配管が自在にできないため開業を断念せざるを得ないものであった。
【0005】
これらの設備装置としては下記に示した特許文献に紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−54159公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この特許文献1では、各室ごとに給排水設備が必要となりイニシャルコストを低減することが求められていた。
【0008】
これらの施設は、利用者がセルフサービスで行なうことを前提とした運営の上で、人件費等のコストの軽減を第一の主眼としているので、上記による初期の設備投資高等や各室対応による人員増は、経営リスクとして考えられる。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ホワイトニング及びクリーニング施設の開業にあたり、イニシャルとランニングの双方のコストが削減できること、さらにこれらが配管のできない制約が多い商業ビル等に於いても開業可能とすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、この発明は、口内洗浄用の定量の水を入れた給水コップとこの洗浄後の汚水を排出する排水コップを備え置く第一のエリアと、給水コップと排水コップを利用して歯のホワイトニング及びクリーニングがおこなえるようにした第二のエリアと、該歯のホワイトニング及びクリーニング後に汚水と給水コップ及び排水コップを廃棄する第三のエリアとで構成したことを特徴とする。
【0011】
また、上記の施設の出入り口の近傍に第一のエリアと第三のエリアを兼用して設けたことを特徴とする。
【0012】
また、上記の第二の施設は個室とせずに、隣接する利用者間に仕切板を設けることでブースを連続的に並び設けたことを特徴とする。
【0013】
また、上記の排水コップには水処理用凝集剤を入れておくようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、歯のホワイトニング及びクリーニングを行なうにあたり、第一のエリアで口内を洗浄する定量の水の入った給水コップとこの洗浄後の汚水を排出する排水コップを授受し、歯のホワイトニング及びクリーニングを行なう第二のエリアで給水コップ内の水で口内を洗浄するとともに汚水を排水コップに排出し、第三のエリアで汚水と給水コップ及び排水コップを廃棄するようにして利用者がセルフサービス形態で利用できるようにしたことを特徴とする。
【0015】
【発明の効果】
【0016】
本発明は、上記のように構成したので、第1に給排水の設備が必要最小限(1ケ所)となるので開業時の費用負担が軽減される。
【0017】
第2に、施設内をリニューアルする場合、給排水設備の位置に限定されることが無く、自在にブースの移動と形成が行なえる。
【0018】
第3に、特に物販用の商業ビル等の店舗施設で配管に制約が多くても開業が可能にできる。
【0019】
第4に、排水コップに水処理用凝集剤を入れておくことで、口内洗浄後の汚水を半固形化できるので利用者の持ち運びと廃棄、さらに廃棄後の処理が簡便となり、特に商業ビル等の配管のできない場合は、タンク等で給水できる給水器と一般ゴミ用の廃棄ボックスを備えることで配管ができなくても開業が可能となる。
【0020】
第5に、給水コップの水の量を洗浄に充分な一定量としたので、排水コップの容積も給水コップと同様とすることができ、コップの管理が簡易となり、特に定量の給水器を利用することで給水作業の合理化が計られる。
【0021】
第6に、施設内の入り口の近傍個所に第一のエリアを設け、出口の近傍個所に第三のエリアを設け、第一および第三のエリアの中間に第二のエリアを設けることで、利用者は無駄な移動を強いられることが無く、セルフサービスの観点に適合した形態となる。
【0022】
第7に、給水コップ及び排水コップの配置と回収は、第一のエリア及び第三のエリアの各々1箇所で配置と回収処分ができるので、各々の個室ごとに配置及び回収するような無駄な人員の必要がない。
【0023】
第8に、第二のエリアは施設内に多数のブースを形成できるので、施設面積の坪あたりの効率が向上する。また、これらのブースの配置方式はセルフサービスとしての考え方に適った合理的な形態であり、個室を並び設けた従来の形態に比べて利用者に対して斬新な訴求効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、
図1〜
図5を参照し、この実施態様を通じて本発明を詳説する。
【0026】
図1は、この発明の歯のホワイトニング及びクリーニング施設を示し、入り口1の近傍個所のカウンターやテーブル2には、口内洗浄用の水を入れた給水コップ3と、この洗浄後の汚水を排出する排水コップ4を配置する第一のエリアAを設けている。
【0027】
施設内の中央には、上記の給水コップ3及び排水コップ4を利用して歯のホワイトニングが行なえるようにした第二のエリアBが設けられている。
【0028】
また、出口5の近傍個所には、ホワイトニング及びクリーニングの終了後に、汚水排出用の排水容器6と給水コップ3及び排水コップ4を廃棄する廃棄容器7を備えた第三のエリアCが設けられている。
【0029】
第一のエリアAは受付カウンター等の機能も備え、ここで定量の水の入った給水コップ3と汚水を排出する排水コップ4を受け渡す。この時、上記の給排水コップ3、4と一緒に歯ブラシ及びその他ホワイトニング基剤8を一つのトレー9に載せて受け渡す。
【0030】
第二のエリアBで利用者は、先ず歯の洗浄を行なった後に給水コップ3の水で口内を漱ぎ、この汚水を排水コップ4に排出する。次いで、基剤8等を用いたホワイトニング及びクリーニング後に、再度、給水コップ3の水で口内を漱ぎ、汚水を前記同様に排水コップ4に排出する。
【0031】
次ぎに、この第二のエリアBでのホワイトニング及びクリーニングの終了後に、第三のエリアCで汚水を排水容器6に捨てるとともに、給水コップ3と排水コップ4及びその他の基剤8を廃棄容器7に廃棄して終了する。
【0032】
図2は、出入り口10を一箇所とした実施例を示している。この場合も
図1と同様にしてホワイトニング及びクリーニングが行なわれる。
【0033】
図3は、
図2での第三のエリアCを出入り口10の近傍に設けて、第一のエリアAと兼用とした実施例を示している。この場合、受付カウンターで給排水コップ3、4の受け渡しとこの回収の両方が行なわれる。
【0034】
図4は、第二のエリアBの実施例を示している。第二のエリアBは個室とせずに、隣接する利用者間に仕切り板11を設けて区画してブース12を連続的に形成している。このブース12には椅子13、テーブル14、鏡15、照射器具16が備えられて歯のホワイトニング及びクリーニングが行なえるようになっている。
【0035】
また、第一のエリアA及び第三のエリアCには、夫々給排水の配管をして定量の自動給水器17等を設置し、利用者が自分で定量の給水を行なうこともできる。
【0036】
図5は排水コップ4を示し、この内部に高分子ポリマー剤等の水処理用凝集剤18を入れて利用者に授受することで、洗浄後の汚水を半固形化することができ、排水でなく、廃棄容器7へ廃棄が可能となる。
【符号の説明】
【0037】
A・・・第一のエリア
B・・・第二のエリア
C・・・第三のエリア
1・・・入り口
2・・・カウンターやテーブル
3・・・給水コップ
4・・・排水コップ
5・・・出口
6・・・排水容器
7・・・廃棄容器
8・・・基剤
10・・・出入り口
11・・・仕切り板
12・・・ブース
18・・・水処理用凝集剤