【実施例1】
【0017】
以下、本発明の実施例を図に従って説明する。
図1乃至
図4に示すように本発明に係るインモールド成形システム1は、ラ
ベル形成手段3、インモールド成形手段5、装着取出し手段7及び移載手段9
から構成され、幅方向及び幅直交方向へ多数のラベル図柄が所定の間隔をおい
て印刷されたラベルシート11が卷回されたシート原反13から繰り出される
ラベルシート11のラベル図柄(図示せず)を外形に沿って切断することによ
りラベル15を形成する工程からインモールド成形されたインモールドラベル
成形品17を、ラベル15が上方を向くように姿勢制御された状態で搬出手段
としての搬出コンベヤ19上に移載して搬出する工程までを一連に実行する。
【0018】
上記ラベル形成手段3は、シート原反13から繰り出されたラベルシート1
1に印刷されたラベル図柄11aの外形に沿って走査されるレーザ光によりラ
ベル15を切断形成するもので、その本体フレーム(図示せず)には、垂直支
持板23及び垂直ガイド板25が、後述するラベルシート11が通過可能に間
隙を設けて垂設され、これら垂直支持板23及び垂直ガイド板25は、卷回さ
れたシート原反13から繰り出されて巻取りリール29に至る途中においてラ
ベルシート11を垂直状態で支承案内する。
【0019】
上記垂直ガイド板25には、後述するラベルシート11に印刷されたラベル
図柄の外形より大きさの複数の透孔25aが行方向(後述するラベルシート1
1の移送方向と直交する方向)及び列方向(ラベルシート11の移送方向と一
致する方向)へ所定の間隔をおいて設けられる。本実施例においては、4列2
行の合計8個の透孔25aが設けられる構成とするが、本発明は、これに限定
されるものではない。
【0020】
また、垂直支持板23には、複数の吸引孔(図示せず)が各透孔25aに対
応して設けられ、各吸引孔は、電磁開閉弁を介して負圧発生手段(いずれも図
示せず)に接続される。上記垂直支持板23は、前面にラベルシート11が移
送された際には該ラベルシート11のラベル図柄部分を負圧吸着して位置ずれ
を規制すると共に後述するレーザ光切断手段31によりラベル図柄が外形に沿
って切断されてラベル15が形成された際には該ラベル15を負圧吸着して保
持する。
【0021】
上記シート原反13に卷回されたラベルシート11には、インモールド成形
時に樹脂成形品と一体化されるラベル15に対応する多数のラベル図柄が上記
した各透孔25aに一致するようにラベルシート11の移送方向及び移送直交
方向へ所定の間隔をおいて印刷され、シート原反13から繰り出されたラベル
シート11は、転向ロール、テンションロール等を通過して垂直支持板23及
び垂直ガイド板25間を垂直状態で通過するように配設される。
【0022】
また、レーザ光切断手段31から出力されるレーザ光によりラベル15が形
成されてラベル図柄部分が抜き取られたラベルシート(以下においてはスクラ
ップシート11bと称する。)は、転向ロール、テンションロール等を通過し
て巻取りリール29により巻き取られる。巻取りリール29によりスクラップ
シート11aを巻き取る際には、垂直支持板23及び垂直ガイド板25間に位
置するラベルシート11が常に一定の張力で平面状に展開されるようにその巻
取り力がトルク制御される。
【0023】
上記垂直ガイド板25に対向する本体フレームには、レーザ光切断手段31
が配置され、該レーザ光切断手段31は、垂直支持板23及び垂直ガイド板2
5間に位置するラベルシート11の各ラベル図柄に対し、対応するそれぞれの
透孔25aを通過してその外形に沿って走査されるレーザ光の熱により溶融切
断して複数枚(本例においては、8枚のラベル)のラベル15を形成する。
【0024】
ラベル図柄の外形に沿ってレーザ光を走査可能に出力するレーザ光切断手段
31の走査機構としては、レーザ光発振装置にレーザ光を導波可能に接続され
た複数個のレーザ光出力ヘッド(図示せず)を二次元方向(垂直方向及び水平
方向)へ移動制御してレーザ光を走査する機構、レーザ光発振装置から出力さ
れるレーザ光の光路上にガルバノスキャナ装置(図示せず)を配置し、ガルバ
ノミラーの回転に伴ってレーザ光を反射しながらラベル図柄の外形に沿って走
査させる機構等のいずれであってもよい。
【0025】
インモールド成形手段5は、従来公知の射出成形装置で、適宜の間隔をおい
て相対配置され、固定金型33が取り付けられる固定側プラテン35及び可動
側プラテン37に横架されたタイバー39に軸線方向へ摺動するように支持さ
れ、固定金型33に相対として可動金型41が取り付けられる可動側取付け盤
43と、可動側取付け盤43を固定側プラテン35側へ移動して固定金型33
及び可動金型41を型締めする型締め部材45と、型締めされた固定金型33
及び可動金型41の成形空間内に溶融した合成樹脂を射出する射出ユニット4
7等から構成される。該インモールド成形手段5は、従来公知であるため、詳
細な説明に付いては、省略する。
【0026】
装着取出し手段7は、ラベル形成手段5により切断形成されたラベル15を
可動金型41のキャビィティ内に装着すると同時に可動金型41からインモー
ルド成形されたインモールドラベル成形品を取出すもので、その本体フレーム
(図示せず)には、インモールド成形手段5の操作側または反操作側から側方
(インモールド成形手段5の中心軸線と直交する方向)へ延出してラベル形成
手段5の外側に至る長さの第1フレーム49が設けられる。
【0027】
該第1フレーム49には、第1可動体51が長手方向へ移動可能に支持され
、該第1可動体51に連結された第1移動手段53により長手方向へ往復移動
される。上記第1移動手段53としては、上記長手方向に軸線を有し、軸端部
が第1フレーム49に回転可能に軸支されると共に一方の軸端部にサーボモー
タ等の数値制御可能な電動モータ53aが連結され、第1可動体51に設けら
れたナット(図示せず)に噛合わされる送りねじ53b等により構成される。
【0028】
上記第1移動手段53としては、上記した送りねじ機構に限定されるもので
はなく、例えば第1フレーム49の長手方向両端部にそれぞれ回転可能に軸支
されると共に一方に電動モータ53aが連結された一対の回転体に、一部が第
1可動体51に固定されたベルト(タイミングベルト)を架け渡したベルト移
動機構、第1フレーム49の長手方向にラックギャを固定すると共に第1可動
体51に、出力軸にラックギャに噛合うピニオンギャが設けられた電動モータ
53aを設けたラック・ピニオン移動機構、リニアモータ等のいずれであって
もよい。
【0029】
上記第1可動体51には、第1フレーム49の長手方向と直交する方向へ延
びる支持板55が設けられ、該支持板55には、第2及び第3可動体57、5
9が個別に上記長手直交方向へ移動可能に支持される。該第2及び第3可動体
57、59は、上記した第1移動手段53と同様な機構の第2及び第3移動手
段(いずれも図示せず)により支持板55の長手方向に対して往復移動される
。
【0030】
なお、第2及び第3可動体57、59の実際の移動態様としては、互いに離
間
する方向及び近づく方向へ同期して移動するため、第2及び第3移動手段を送
りねじ機構とする場合にあっては、軸線方向中間部にてねじの穿設方向が互い
に反対側になるように形成された1本の送りねじと、該送りねじを正逆方向へ
回転駆動する1個の電動モータ(いずれも図示せず)とから構成し、電動モー
タの駆動に伴って第2及び第3可動体57、59を互いに離間する方向及び近
づく方向へ移動する構成としてもよい。その際に第2及び第3可動体57、5
9の移動距離を異ならせる場合には、送りねじのねじピッチを異ならせればよ
い。
【0031】
第2可動体57には、ラベル保持手段65が設けられる。該ラベル保持手段
65は、インモールド成形手段5側へ垂直状態で延出する取付け板65aにお
ける垂直ガイド板25の相対面に複数個(本例においては、上下2段で、8個
)のラベル保持部材65bを設けた構造からなる。
【0032】
なお、ラベル保持手段における各ラベル保持部材65bの相互間隔は、垂直
ガイド板25における各透孔25aの相互間隔及び可動金型41における各キ
ャビィティの相互間隔に一致するように配置される。各ラベル保持部材65b
の相互間隔は、垂直ガイド板25における各透孔25aの相互間隔及び可動金
型41における各キャビィティの相互間隔に一致するように配置される。各ラ
ベル保持部材65bの相互間隔と可動金型41における各キャビィティの相互
間隔が一致しない場合に付いては、後述する。
【0033】
また、第3可動体59には、第1成形品保持手段67が設けられる。該第1
成形品保持手段67は、インモールド成形手段5側へ垂直状態で延出する取付
け板67aに複数個(本例においては、上下2段で、8個)の第1成形品保持
部材67bを設けた構造からなる。
【0034】
なお、第1成形品保持手段67における各第1成形品保持部材67bの相互
間隔は、固定金型33における各コアの相互間隔に一致するように配置される
。
【0035】
なお、各ラベル保持部材65b及び第1成形品保持部材67bには、電磁バ
ルブを介して負圧発生手段(いずれも図示せず)が接続され、ラベル保持部材
65bによりラベル15を、また成形品保持部材67cによりインモールド成
形されたインモールドラベル成形品17のラベル面側を吸着保持する。
【0036】
移載手段9は、上記装着取出し手段7によりインモールド成形手段5から取
出されたインモールドラベル成形品17を、ラベル面側が上方を向くように姿
勢制御して搬出コンベヤ19上に移載するもので、その本体フレーム(図示せ
ず)には、インモールド成形手段5の中心軸線と一致する方向へ延出する第2
フレーム75が設けられ、該第2フレーム75には、第4可動体77がその長
手方向へ移動可能に支持される。
【0037】
上記第4可動体77は、上記した第1乃至第3移動手段53と同様の第4移
動手段(図示せず)により第1成形品保持手段67側と第1成形品保持手段6
9
から離間した位置の間で往復移動される。
【0038】
上記第4可動体77には、昇降フレーム81が上下方向へ移動可能に支持さ
れ、該昇降フレーム81は、第1乃至第4移動手段53と同様の第5移動手段
(図示せず)により後述する第2成形品保持手段85が第1成形品保持手段6
7に保持されたインモールドラベル成形品17のラベル面に相対する下方位置
と搬出コンベヤ19における搬送面の高さに応じた上方位置の間で昇降される
。
【0039】
上記昇降フレーム81の下部には、第2成形品保持手段85が第1反転姿勢
制御部材87を介して設けられ、該第2成形品保持手段85は、第1反転姿勢
制御部材87により第1成形品保持手段67に保持されたインモールドラベル
成形品17に相対する垂直位置とインモールドラベル成形品17のラベル面側
が下方を向く水平位置の間で回動される。
【0040】
第2成形品保持手段85は、インモールド成形手段5側へ垂直状態で延出す
る取付け板85aに複数個(本例においては、上下2段で、8個)の第2成形
品保持部材85bを設けた構造で、各第2成形品保持部材85bは、電磁バル
ブを介して負圧発生手段(いずれも図示せず)により接続され、第1成形品保
持手段67に保持されたインモールドラベル成形品17を、そのラベル面側に
て吸着保持して受け渡される。
【0041】
また、第1反転姿勢制御部材87は、エアーシリンダに連結されたリンク機
構又は電動モータ等により第2成形品保持手段85を、上記垂直位置と吸着保
持されたインモールドラベル成形品17のラベル面側が下方を向くように反転
回動させる。
【0042】
搬出コンベヤ19の搬入側に対応する本体フレームには、第2反転姿勢制御
部材89が設けられる。第2反転姿勢制御部材89は、電動モータ89aが連
結された回動軸89bを中心に揺動するアーム89cに設けられた取付け板8
9dに第3成形品保持部材89bが第2成形品保持手段85の第2成形品保持
部材85bに対応して設けられた構成からなる。
【0043】
第2反転姿勢制御部材89は、水平回動した第2成形品保持手段85に保持
されたインモールドラベル成形品17におけるラベル面の反対側面を保持した
後に搬出コンベヤ19側へ回動し、該搬出コンベヤ19上にインモールドラベ
ル成形品17を、そのラベル面側が上方を向くように姿勢制御して移載する。
【0044】
なお、上記搬出コンベヤ19の搬出側上方には、搬送されるインモールドラ
ベル成形品17のラベル面側を撮像し、ラベル15が正規状態にてインモール
ド成形されたか否かを判別する検査手段(図示せず)が配置されると共に搬送
方向下手には、多数のインモールドラベル成形品17を多段集積する集積装置
(図示せず)が配置される。
【0045】
次に、上記のように構成されたインモールド成形システムの作用及び成形方
法
を説明する。なお、説明の便宜上、インモールド成形起動開始時の作用及び方
法を省略し、連続運転時の作用及び方法に付いて説明する。
ラベルシート11は、シート原反13から繰り出されて転向ロール、テンシ
ョンロール等を経て垂直支持板23及び垂直ガイド板25の間の間隙を通過さ
した後に転向ロール、テンションロール等を経て巻取りリール29に巻き付け
られ、垂直支持板23及び垂直ガイド板25間に位置するラベルシート11に
おけるラベル図柄11aが垂直ガイド板25の透孔25aに一致した状態で垂
直支持板23の各吸引孔による負圧吸引により位置決め状態で保持されるよう
にセットされる。(
図5参照)
【0046】
上記状態にてインモールド成形手段3から成形完了信号が出力されて固定金
型33に対して可動金型41が型開作動されると、第1移動手段53を駆動し
て第1可動体51をインモールド成形手段5側へ移動してラベル保持手段65
及び第1成形品保持手段67を型開した固定金型33及び可動金型41間に進
入させて各ラベル保持部材65bを可動金型41の各キャビィティに、また各
第1成形品保持部材67bを固定金型33のコアに保持されたインモールドラ
ベル成形品17のラベル面側にそれぞれ相対させる。(
図6参照)
【0047】
また、垂直ガイド板25の前面からラベル保持手段65及び第1成形品保持
手段67が移動されることにより上記垂直ガイド板25とレーザ光切断手段3
1の間には、レーザ光が通過可能な空間が形成される。
【0048】
ラベル保持手段65及び第1成形品保持手段67がインモールド成形手段5
側へ移動したタイミングでレーザ光切断手段31を駆動制御して出力されるレ
ーザ光を垂直ガイド板25の透孔25aを通過させて垂直支持板23に吸着さ
れたラベルシート11におけるラベル図柄の外形に沿って走査して熱溶融する
ことによりラベル15を切断形成する。
【0049】
なお、ラベルシート11から切断により分離されたラベル15は、垂直支持
板23の各吸引孔により負圧吸引されて保持される。
【0050】
また、上記したレーザ光によるラベル15の形成動作と並行して第2移動手
段をそれぞれ駆動して第2可動体57を可動金型41側へ移動してラベル保持
部材65bをキャビィティ内に進入させてラベル15を可動金型41内に装着
させた後にラベル保持部材65bによるラベル15の吸着保持を解除すると共
に第3移動手段を駆動して第3可動体59を固定金型33側へ移動して第1成
形品保持部材67bにより固定金型33のコアに保持されたインモールドラベ
ル成形品17をラベル面側にて吸着保持させる。(
図7参照)
【0051】
なお、可動金型41のキャビィティ内にラベル15を装着する際、可動金型
41に予め形成された負圧路を介してラベル15を負圧吸着したり、ラベル形
成手段3からインモールド成形手段5に至る途中に帯電手段(図示せず)を配
置し、通過するラベル15を帯電させて可動金型41のキャビィティ内内にラ
ベル15を静電吸着させたりする構成としてもよい。
【0052】
上記動作後、第2移動手段を復動して第2可動体57を原位置へ戻してラベ
ル保持部材65bを可動金型41のキャビィティ内から抜け出させると共に第
3移動手段を復動して第3可動体59を原位置に戻すことにより第1成形品保
持部材67bに吸着保持されたインモールドラベル成形品17を固定金型33
から離型させる。(
図8参照)
【0053】
上記動作後、第1移動手段53を復動して第1可動体51をラベル形成手段
3側へ戻した後に第2移動手段を駆動してラベル保持手段65を垂直ガイド板
25側へ移動して各ラベル保持部材65bを透孔25a内に進入させて垂直支
持板23に吸着保持されたラベル15を吸着保持させると共に第3移動手段を
駆動して第1成形品保持手段67を受け渡し位置に移動待機している後述する
移載手段9の第2成形品保持手段85側へ移動して各第1成形品保持部材67
bにラベル面側が吸着保持されたインモールドラベル成形品17を第2成形品
保持部材85bに吸着保持させて受け渡す。(
図9参照)
【0054】
なお、第1可動体51をラベル形成手段3側へ戻した際には、固定金型33
に対してラベル15が装着された可動金型41を型締めした後に射出ユニット
47から溶融した合成樹脂を固定金型33及び可動金型41の成形空間内に射
出してインモールドラベル成形品17を成形する。
【0055】
また、第1可動体51をラベル形成手段3側へ戻した後に垂直支持板23に
吸着保持された各ラベル15をラベル保持部材65bに吸着させる際及び各第
1成形品保持部材67bに吸着保持されたインモールドラベル成形品17を第
2成形品保持部材85bに吸着保持させる際、垂直支持板23による吸着及び
各第1成形品保持部材67bによる吸着をそれぞれ負圧破壊して保持を解除さ
せる。
【0056】
上記動作後、上記したように第1移動手段53を駆動して第1可動体51を
インモールド成形手段5側へ移動してラベル保持手段65及び第1成形品保持
手段67を型開した固定金型33及び可動金型41間に進入させて可動金型4
1の各キャビィティ内にラベル15を装着させると共に固定金型33のコアに
保持されたインモールドラベル成形品17を保持させる。
【0057】
第1可動体51がインモールと成形手段5側への移動が開始されると、巻取
りリール29を駆動制御してラベル15が抜き取られたスクラップシート11
bを巻き取ることによりラベルシート11における次位の2行分のラベル図柄
を垂直ガイド板25の各透孔25aに一致するようにシート送りして待機させ
る。
【0058】
一方、第1可動体51がラベル形成手段3側へ移動した際に第1成形品保持
手段67に保持された移載手段9へ受け渡す作用及び方法を説明すると、第1
可動体51がラベル形成手段3側へ移動するタイミングで第5移動手段を駆動
して昇降フレーム81を下降して第2成形品保持手段85をインモールドラベ
ル成形品17の受け渡し位置に待機させる。
【0059】
このとき、移載手段9は、第1反転姿勢制御部材87を作動して第2成形品
保持手段85を各第2成形品保持部材85bが第1成形品保持手段67の各第
1成形品保持部材67bに相対するように取付け板85aが垂直状態に姿勢制
御される。
【0060】
上記状態にて第1可動体51がラベル形成手段3側へ移動した際に、第3移
動手段を駆動して第3可動体59を移動待機して第1成形品保持手段67を第
2成形品保持手段85側へ移動して第1成形品保持部材67bに吸着保持され
たインモールドラベル成形品17を第2成形品保持部材85bに吸着保持させ
て受け渡す。このとき、第2成形品保持部材85bは、インモールドラベル成
形品17をラベル面側と反対側の面にて吸着保持する。
【0061】
上記動作後、第3移動手段を復動して第3可動体59を原位置へ戻すタイミ
ングと同期して第5移動手段を復動して昇降フレーム81を上昇させながら第
4移動手段を駆動して第4可動体77を搬出コンベヤ19側へ移動させると共
に第1反転姿勢制御部材87を復動して各第2成形品保持部材85bにインモ
ールドラベル成形品17を吸着保持した第2成形品保持手段85を下向きに反
転回動して姿勢制御する。(
図10参照)
【0062】
これにより各第2成形品保持部材85bに吸着保持されたインモールドラベ
ル成形品17は、上向き水平状態に姿勢制御された各第3成形品保持部材89
bに対してそれぞれ相対される。
【0063】
なお、第2成形品保持手段85を搬出コンベヤ19側へ移動する際には、第
4可動体77の移動と共に昇降フレーム81を上昇させることにより搬出コン
ベヤ19側への移動時間を短縮することができる。また、搬出コンベヤ19側
に対する第2成形品保持手段85の移動途中に第1反転姿勢制御部材87を作
動し、第2成形品保持手段85が搬出コンベヤ19側へ移動した際に第2成形
品保持手段85が下向きになるように姿勢制御させる。
【0064】
次に、
図11に示すように上記状態にて第5移動手段を駆動して昇降フレー
ム81を下降して各第2成形品保持部材85bに吸着保持されたインモールド
ラベル成形品17を、対応する第3成形品保持部材89bに近接させて各第2
成形品保持部材85bによる吸着保持を解除することにより吸着保持させた後
、
図12に示すように第5移動手段を復動して昇降フレーム81を上昇させる
と共に第2反転姿勢制御部材89の電動モータ89aを駆動してアーム89c
を図示する反時計方向へ揺動して第3成形品保持部材89bに吸着保持された
インモールドラベル成形品17を搬出コンベヤ19上に移動させた後に吸着保
持を解除して移載させる。このとき、搬出コンベヤ19上に移載されたインモ
ールドラベル成形品17は、そのラベル面側が上方を向くように姿勢制御され
る。
【0065】
上記動作の繰り返しによりラベルシート11からラベル15を切断形成する
作業と、インモールド成形手段5にラベル15を可動金型41内に装着すると
共
に固定金型33から成形されたインモールドラベル成形品17を離型させる作
業と、インモールド成形手段5によりインモールドラベル成形品17の成形作
業と搬出コンベヤ19に対するインモールドラベル成形品17の移載作業をそ
れぞれ並行して実行する。
【0066】
本実施例のインモールド成形システム1にあっては、ラベル形成手段3によ
るラベル形成サイクル(時間)、インモールド成形手段5による成形サイクル
、移載手段9による搬出コンベヤ19への移載サイクルをほぼ一致させること
により成形作業を効率化することができる。
【0067】
本実施例は、装着取出し手段7のラベル保持手段65及び第1成形品保持手
段67をインモールド成形手段5の固定金型33及び可動金型41間に進入さ
せて可動金型41にラベル15を装着させると共に固定金型33からインモー
ルド成形されたインモールドラベル成形品17を離型させる間にレーザ光切断
手段31から出力されるレーザ光によりラベルシート11からラベル15を切
断形成するため、インモールド成形の稼働サイクルを短縮し、インモールドラ
ベル成形品17を効率的に成形することができる。
【0068】
また、インモールド成形手段5から取出されたインモールドラベル成形品1
7を搬出コンベヤ19上へ移載する際には、移載手段9によりインモールドラ
ベル成形品17を、そのラベル面側が上方を向くように姿勢制御して移載する
ことができ、インモールドラベル成形品17におけるラベル15の一体成形状
態の確認を容易に行うことができる。
【0069】
上記説明は、第2可動体57に対し、各透孔25aの相互間隔に対応してラ
ベル保持部材65bが上下二段に設けられたラベル保持手段65を固定的に取
り付ける構成としたが、垂直ガイド板25における各透孔25aの上下方向に
対する相互間隔と可動金型41における各キャビィティの上下方向の相互間隔
が異なる場合(各透孔25aの上下方向に対する相互間隔に対して可動金型4
1における各キャビィティの上下方向の相互間隔が狭い場合を例として示す。
)には、ラベル保持手段65における上段に配列されるラベル保持部材65b
と下段に配列されるラベル保持部材65bの間隔を可変する必要がある。
【0070】
この場合には、
図13に示すように第2可動体57に上下フレーム101を
設け、該上下フレーム101に第1及び第2昇降体103、105を昇降可能
に支持する。第1昇降体103には、上方に位置する各透孔25aに対応して
ラベル保持部材65bが配置された取付けアーム107を、また第2昇降体1
05には、下方に位置する各透孔25aに対応してラベル保持部材65bが配
置された取付けアーム109をそれぞれ取り付ける。
【0071】
また、上記上下フレーム101には、上下方向に軸線を有し、軸線方向中央
部からそれぞれの端部に向かってねじの旋設方向を異ならせ、一方の軸端部に
数値制御可能な電動モータ111が連結された送りねじ113を回転可能に軸
支すると共に互いに異なるねじ部を対応する第1及び第2昇降体103、10
5
のナット(図示せず)に噛合わる。
【0072】
そして電動モータ111の駆動に伴って第1及び第2昇降体103、105
を互いに近づく方向及び遠ざかる方向へ移動させることにより上方のラベル保
持部材65bと下方のラベル保持部材65bの相互間隔を可変し、上下方向に
対する相互間隔が狭い各キャビィティに対するラベル15の装着を可能にする
。
【0073】
上記説明のラベル保持手段65は、複数個(本例では、各段4個)のラベル
保持部材65bを各透孔25aの水平方向間隔に対応する間隔をおいて固定的
に取り付ける構成としたが、垂直ガイド板25における各透孔25aの水平方
向間隔と可動金型41における各キャビィティの水平方向間隔が異なる場合(
各透孔25aの水平方向間隔に対して可動金型41における各キャビィティの
水平方向間隔が狭い場合を例として示す。)には、各段におけるラベル保持部
材65bの水平方向間隔を各キャビィティの水平方向間隔に一致するように可
変する必要がある。
【0074】
この場合には、
図14に示すようにラベル保持手段65の取付け板65aに
水平方向へ形成された延出して形成された各長孔65c内に対し、各ラベル保
持部材65bの基端部に設けられた摺動体119をそれぞれ水平方向へ摺動で
、回り止め及び抜け止めされた状態で挿嵌すると共に各摺動体119に対し、
水平方向に軸線を有したエアーシリンダ等の作動部材121のロッドをそれぞ
れ連結して水平方向へ移動可能にする。
【0075】
そしてラベル形成手段3により切断形成される各ラベル15の水平方向間隔
が可動金型41における各キャビィティの水平方向の相互間隔が広い場合に、
各ラベル保持部材65bによりラベル15を吸着保持する際には、ロッドが縮
小する方向へ作動部材121を作動し、各ラベル保持部材65bを水平方向の
相互間隔が拡大する方向へ移動してラベル15の水平方向の相互間隔に一致さ
せる一方、水平方向の相互間隔が狭い可動金型41の各キャビィティ内にラベ
ル15を装着する際には、ロッドが伸長する方向へ作動部材121を作動して
各ラベル保持部材65bを水平方向の相互間隔が縮小する方向へ移動すること
によりラベル15の取出し及び装着を可能にする。
【0076】
なお、上記した
図13及び
図14に示す各第1成形品保持部材67bの上下
移動機構及び水平移動機構を組み合わせ、垂直支持板23に吸着保持された各
ラベル15の相互間隔及び可動金型41の各キャビィティの相互間隔に対応し
て各第1成形品保持部材67bの上下方向及び水平方向の相互間隔を拡大また
は縮小して可変させることにより一致させる構成としてもよい。