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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-204038(P2016-204038A)
(43)【公開日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】箱詰め装置および箱詰め方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 35/50 20060101AFI20161111BHJP
【FI】
   B65B35/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-91087(P2015-91087)
(22)【出願日】2015年4月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】早川 智敬
【テーマコード(参考)】
3E054
【Fターム(参考)】
3E054AA01
3E054AA05
3E054AA14
3E054CA06
3E054DC11
3E054DD01
3E054DD11
3E054DE02
3E054EA03
3E054FA07
3E054FB09
(57)【要約】
【課題】 横倒しの状態で箱詰めされる物品の上面にシート状物品を重ねた状態で、側方が開口した箱内に供給できる箱詰め装置を提供する。
【解決手段】 箱詰め装置は、物品とシート状物品とを重ね位置において重ねた後に箱詰めする装置であり、上流から搬送される前記シート状物品を前記重ね位置において保持する保持手段と、前記重ね位置の上方に設けられた上部ガイドと、下方から前記重ね位置に向かって前記物品を押し上げる押し上げ手段と、前記シート状物品の搬送方向と交差する方向に移動可能な押送部材と、を備え、前記保持手段によって保持された前記シート状物品に向かって、下方から前記物品を押し上げ、前記物品と前記上部ガイドによって前記シート状物品を前記物品の上面に重ねた状態で保持し、その状態を維持して押送して、側方が開口した箱の内部に収容する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品とシート状物品とを重ね位置において重ねた後に箱詰めする箱詰め装置であって、
前記シート状物品を前記重ね位置において保持する保持手段と、
前記重ね位置の上方に設けられた上部ガイドと、
下方から前記重ね位置に向かって前記物品を押し上げる押し上げ手段と、
前記物品及び前記シート状物品を押送し、箱に挿入する押送部材と、を備え、
前記保持手段によって保持された前記シート状物品に向かって、下方から前記物品を前記押し上げ手段によって押し上げて前記物品と前記上部ガイドによって前記シート状物品を前記物品の上面に重ねた状態に保持し、この状態を保持しつつ、前記押送部材によって前記物品及び前記シート状物品とを、側方が開口した前記箱の内部に収容する、
ことを特徴とする箱詰め装置。
【請求項2】
前記物品は、前記シート状物品が重ねられる部位が頂部となるように湾曲または傾斜した面を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項3】
前記保持手段は、板バネと前記シート状物品の搬送面の一部により構成され、前記シート状物品を上下から挟持する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の箱詰め装置。
【請求項4】
前記押送部材は上方に突出する突起部を有し、該突起部によって前記シート状物品を押送し、
前記上部ガイドは、前記押送部材の前記突起部が挿通可能な凹部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の箱詰め装置。
【請求項5】
前記突起部は前記物品の上面よりも上方に突出して押送方向と交差する方向に複数設けられ、
前記上部ガイドの前記凹部は前記突起部に対応して複数設けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の箱詰め装置。
【請求項6】
物品とシート状物品とを重ね位置において重ねた後に箱詰めする箱詰め方法であって、
上流から搬送される前記シート状物品を前記重ね位置において保持するステップと、
前記保持されたシート状物品に向かって、下方から前記物品を押し上げて、前記物品と該物品の上方に設けられた上部ガイドによって前記シート状物品を前記物品の上面に重ねた状態で保持するステップと、
前記物品の上面に前記シート状物品を重ねた状態で、前記シート状物品の搬送方向と交差する方向に押送し、側方が開口した箱の内部に収容するステップと、を有する、
ことを特徴とする箱詰め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品とシート状物品を箱内に同包する箱詰め装置および箱詰め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品と、当該物品の使用方法等を記載したシート状物品(取扱説明書、効能書きなど)とを一緒に箱(カートン)内に箱詰めする箱詰め装置が知られている。このような箱詰め装置において、物品を横倒しで搬送しながら箱詰めする場合には、シート状物品を確実に物品と同包させるため、シート状物品の上方に物品を載置し、シート状物品と物品を同時に押送して箱内に収容することが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平06−1201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上流工程や下流工程の仕様によっては、横倒しで搬送される物品の上面にシート状物品を載置した状態で両者を押送し、箱詰めしたい場合がある。このような場合、一般的には物品の厚みに対してシート状物品の厚みが薄いため、物品の上面(シート状物品の載置面)が平坦であっても、シート状物品を安定した状態で押送できない場合がある。
【0005】
また、箱に収容されるとして物品は、その外形がボトル状やチューブ状など安定しない形状の場合も多く、そのような物品に対しては、シート状物品を物品の湾曲面あるいは傾斜面など平坦でない面に載置することになる。このような場合は特に、シート状物品を物品の上面に安定して載置することが困難となり、箱に収容する前に(静止状態で)載置できたとしても、箱内に収容されるまでの押送中に、物品の上面から滑り落ちてしまう可能性が高くなる。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされ、物品の上面にシート状物品を載置してこれらを押送して側方が開口する箱内に収容する箱詰め装置において、シート状物品を確実に物品とともに箱詰めすることができる箱詰め装置および箱詰め方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、物品とシート状物品とを重ね位置において重ねた後に箱詰めする箱詰め装置であって、前記シート状物品を前記重ね位置において保持する保持手段と、前記重ね位置の上方に設けられた上部ガイドと、下方から前記重ね位置に向かって前記物品を押し上げる押し上げ手段と、前記物品及び前記シート状物品を押送し、箱に挿入する押送部材と、を備え、前記保持手段によって保持された前記シート状物品に向かって、下方から前記物品を前記押し上げ手段によって押し上げて前記物品と前記上部ガイドによって前記シート状物品を前記物品の上面に重ねた状態に保持し、この状態を保持しつつ、前記押送部材によって前記物品及び前記シート状物品とを、側方が開口した前記箱の内部に収容する、ことを特徴とする箱詰め装置である。
【0008】
このような構成によれば、カートン、シート状物品および物品の全てについてそれらの正面が上面を向いた状態で、カートンの内部に物品の正面(上面)にシート状物品を重ねて収容することができる。またこのような収容形態の場合において、シート状物品が物品上から滑り落ちることを防止し、確実にシート状物品を物品上に載置した状態で箱詰めをすることができる。また、カートンの正面部をカートン搬送コンベアの搬送用バケットにおける側壁、及び底部と当接させずに箱詰めを行うため、カートンの正面部に擦り傷等が付くことを防止できる。
【0009】
(2)本発明はまた、前記物品は、前記シート状物品が重ねられる部位が頂部となるように湾曲または傾斜した面を有する、ことを特徴とする上記(1)に記載の箱詰め装置である。
【0010】
このような構成によれば、カートンの内部に物品の上面にシート状物品を重ねて収容するような収容形態の場合において、物品が不安定な外形を有していても、シート状物品が物品上から滑り落ちることを防止し、確実にシート状物品を物品上に載置した状態で箱詰めをすることができる。
【0011】
(3)本発明はまた、前記保持手段は、板バネと前記シート状物品の搬送面の一部により構成され、前記シート状物品を上下から挟持する、ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の箱詰め装置である。
【0012】
(4)本発明はまた、前記押送部材は上方に突出する突起部を有し、該突起部によって前記シート状物品を押送し、前記上部ガイドは、前記押送部材の前記突起部が挿通可能な凹部を有する、ことを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の箱詰め装置である。
【0013】
(5)本発明はまた、前記突起部は前記物品の上面よりも上方に突出して押送方向と交差する方向に複数設けられ、前記上部ガイドの前記凹部は前記突起部に対応して複数設けられる、ことを特徴とする上記(4)に記載の箱詰め装置である。
【0014】
このような構成によれば、シート上物品の水平面内における回転を防止することができる。
【0015】
(6)本発明はまた、物品とシート状物品とを重ね位置において重ねた後に箱詰めする箱詰め方法であって、上流から搬送される前記シート状物品を前記重ね位置において保持するステップと、前記保持されたシート状物品に向かって、下方から前記物品を押し上げて、前記物品と該物品の上方に設けられた上部ガイドによって前記シート状物品を前記物品の上面に重ねた状態で保持するステップと、前記物品の上面に前記シート状物品を重ねた状態で、前記シート状物品の搬送方向と交差する方向に押送し、側方が開口した箱の内部に収容するステップと、を有する、ことを特徴とする箱詰め方法である。
【0016】
このような構成によれば、カートン、シート状物品および物品の全てについてそれらの正面が上面を向いた状態で、カートンの内部に物品の正面(上面)にシート状物品を重ねて収容することができる。またこのような収容形態の場合において、シート状物品が物品上から滑り落ちることを防止し、確実にシート状物品を物品上に載置した状態で箱詰めをすることができる。また、カートンの正面部をカートン搬送コンベアの搬送用バケットにおける側壁、及び底部と当接させずに箱詰めを行うため、カートンの正面部に擦り傷等が付くことを防止できる。
【0017】
本発明によれば、物品の上面にシート状物品を載置してこれらを押送して側方が開口する箱内に収容する箱詰め装置において、シート状物品を確実に物品とともに箱詰めすることができる箱詰め装置および箱詰め方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、物品の上面にシート状物品を載置してこれらを押送して側方が開口する箱内に収容する箱詰め装置において、シート状物品を確実に物品とともに箱詰めすることができる箱詰め装置および箱詰め方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態にかかる箱詰め装置の上面図である。
図2】本実施形態にかかる箱詰め装置の重ね位置付近を示す図であり、(a)上面図であり、(b)側面図であり、(c)側面図である。
図3】本実施形態にかかる箱詰め装置で箱詰めする製品の概要図である。
図4】本実施形態にかかる箱詰め装置を用いた箱詰め方法を説明する正面図である。
図5】本実施形態にかかる箱詰め装置の上部ガイドおよび下部ガイドについて説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明に係る供給装置について詳細に説明する。
【0021】
図1は箱詰め装置1の上面図であり、図2は、重ね位置OR付近の概要図であり、同図(a)が上部ガイド3を除いた状態の上面図であり、同図(b)が同図(a)をss方向から見た側面図であり、同図(c)が、押送部材5で押送している状態のss方向から見た側面図である。また、図3は、本実施形態で箱詰めされる製品の一例を示す概要図であり、図4は、箱詰め装置1を搬送方向Tの下流側からみた概要正面図である。
【0022】
図1図2に示すように、箱詰め装置1は、物品XA1とシート状物品XA2とを重ね位置ORにおいて重ねた後に、側方が開口した箱(カートン)YA1内に押送して収容する装置であって、保持手段2と、上部ガイド3と、押し上げ手段4と、押送部材5と、下部ガイド6(図1図2では不図示)と、物品搬送コンベア7と、シート供給手段9と、コンベアカートン搬送コンベア10と、を有する。
【0023】
図3は、物品XA1、シート状物品XA2およびカートンYA1の概要図であり、同図(a)がそれぞれの正面図であり、同図(b)は、本実施形態の箱詰め装置1によって箱詰めされる状態を示す正面図(箱詰め工程中の上面図)であり、同図(c)は、同図(b)の物品XA1とシート状物品XA2をキャップC側から見た上面図(箱詰め工程中の側面図)であり、同図(d)がカートンYA1の他の形態を示す正面図である。
【0024】
同図に示すように、物品XA1は一例として、円柱状の容器本体Pの開口部をキャップCで密封した容器であり、容器本体Pには例えば液状の化粧品(乳液など)が充填されている。またシート状物品XA2は、例えば、物品XA1の説明書(使用説明書、能書き書、取扱説明書)などの紙(紙片)の印刷物である。また、これらのパッケージとなるカートンYA1は例えば紙製の組立箱である。カートンYA1は、同図(d)に示すように透明の樹脂製(プラスチック製)であって、内部の物品XA1,シート状物品XA2が外側から視認可能なものであってもよい。
【0025】
本実施形態の箱詰め装置1は、物品XA1、シート状物品XA2およびこれらのパッケージ(カートンYA1)の製品としての正面(例えば、商品名やロゴ、キャッチフレーズ、見出しなどが記載された、製品としての正面)が、それぞれ同じ方向(正面)を向き、且つ、箱詰め後(製品になった場合)に、物品XA1の正面側前方にシート状物品XA2が配置されるように箱詰めするものである。
【0026】
つまり、物品XA1はその外形が、シート状物品XA2が重ねられる部位が頂部となるように、外形の少なくとも一部が湾曲または傾斜した面を有している(同図(c))。なお、この例では、容器本体Pの形状を円筒形状としたがこれに限らず、幅方向の中央付近が最も厚みが厚く、端部付近の厚みが薄いチューブ状の容器本体Pであってもよい。
【0027】
再び図1および図2を参照して、物品搬送コンベア7は、複数の搬送用バケット7Aを有し、搬送用バケット7Aに物品XA1を載置して、搬送方向Tに沿って間欠的に移動して物品XA1を搬送する。物品XA1は、図示の下側にキャップCが位置し、製品としての正面が図示の上面を向くように、搬送用バケット7Aに載置されている。物品搬送コンベア7の下流側端部には、エアシリンダ等によって、搬送方向Tに直交する方向Vに進退移動する物品押送部材7Bが設けられている。物品押送部材7Bは、搬送用バケット7が所定位置に達すると、先端に設けられた押送板7Cによって、物品XA1のキャップC先端を付勢してV方向に押し出し、物品XA1を搬送用バケット7Aから移載用通路11を介して、押し上げ手段(ステージ)4に移載する。
【0028】
シート供給手段9は、シート状物品XA2を1枚ずつ供給し、保持手段2に向けて搬送する手段である。シート供給手段9は例えば、吸着チャック9Aと、該吸着チャック9Aを上下方向および搬送方向Tに移動可能とする駆動手段(不図示)と、搬送方向Tに沿って対向配置された搬送路9Bを有する。吸着チャック9Aは、搬送路9Bの上流側において、正面が前方を向くように起立させ流れ方向に積層してストックされているシート状物品XA2を1枚ずつ吸着し、正面が図示の上面をむくように搬送路9Bの上流端に積置する。そして、ボックスモーションの動作をする押送部材を備えたプッシャー装置(不図示)で搬送路9B上を押送して、シート状物品XA2を下流側に移動する。
【0029】
カートン搬送コンベア10は、物品供給コンベア7と並列に設けられ搬送方向Tに沿ってカートンYA1を搬送する。カートン搬送コンベア10は、搬送方向の長さが調整可能な複数の搬送用バケットを備えている。各カートンYA1はカートン搬送コンベア10の上流に設けられたカートン供給機(不図示)から物品供給コンベア7側の側方が開口した状態でカートン搬送コンベア10に順次供給される。カートンYA1は、製品としての正面が上面を向くように供給され、カートン搬送コンベア10は、カートンYA1を間欠的に搬送する。カートンYA1には所定位置でその内部に物品XA1とシート状物品XA2とが重ねられた状態(図3(b)に示すように物品XA1の上面にシート状物品XA2を載置した状態で)収容され、カートン搬送コンベア10は、当該カートンYA1を下流(次工程)に搬送する。
【0030】
図1図2(a)に示すように、シート供給手段9の下流側には保持手段2が設けられている。保持手段2は、搬送路9Bの下流端部9Cと、下流端部9C(の搬送面)と対向するように近接又は当接して配置されて上側から下側に向かって付勢する板バネ2Aとによって構成されており、上流から搬送されるシート状物品YA1を重ね位置ORにおいて保持する。
【0031】
なお、本実施形態の重ね位置ORとは、別経路で搬送される物品XA1とシート状物品XA2とが最初に重ね合わせられる位置をいい、同図に示すように保持手段2に保持されたシート状物品XA2の位置およびその直下の物品XA1の位置をいう。
【0032】
プッシャー装置の押送部材によって搬送路9B上を移動したシート状物品XA2は、搬送路9Bの下流端部9Cにおいて、板バネ2Aとの間に滑り込むように挿入され(図2(b)参照)、重ね位置ORまで移動される。搬送路9B(下流端部9C)と板バネ2Aの下流側端部は、重ね位置ORの上流側手前まで延在している。吸着チャック9Aは、シート状物品XA2を重ね位置ORまで搬送すると、シート状物品XA2から離脱し、上流側に戻る。吸着チャック9Aが離脱したシート状物品XA2は、その一部が搬送路9Bの下流端部9Cと板バネ2A(保持手段2)によって上下から挟持され、重ね位置ORで保持される。
【0033】
図2(b)、(c)に示すように、 上部ガイド3は、重ね位置ORの上方に設けられ、物品XA1上にシート状物品XA2を重ねた状態を維持するガイド部材である。シート状物品XA2は保持手段2によって重ね位置ORで保持されることに加えて、ステージ4によって重ね位置ORに押し上げられた物品XA1の上面と上部ガイド3の間に挟まれて、物品XA1の上面に重ねられた状態が維持される。そして、上部ガイド3は、押送部材5によって物品XA1とシート状物品XA2が押送される際、押送部材5は、シート状物品XA2が物品XA1の上面から滑り落ちることを規制する。
【0034】
また、押し上げ手段(ステージ)4は、上下方向(鉛直方向)に移動可能となっており、物品搬送コンベア7から移載された物品XA1を、重ね位置ORに向かって押し上げる。
【0035】
押送部材5は、エアシリンダ等によって、搬送方向Tに交差する(直交する)方向(図1のV方向)に進退移動し、重ね位置ORの物品XA1とその上面に重ねて載置されたシート状物品XA2とを一緒に、カートン搬送コンベア10の方向に押送する。押送部材5の少なくとも先端部分の上面側には、上方に突出する突起部5Aが設けられている(図2(c))。
【0036】
又、上部ガイド3には、上方内壁に、押送部材5の突起部5Aと対応し、突起部5Aが挿通可能な凹部3Aが設けられている(図2(b)、(c))。
【0037】
図4を参照して、本実施形態の箱詰め装置1による箱詰め方法について、説明する。
【0038】
物品XA1は、その正面を上面(図示の上方)に向けて、物品搬送コンベア7の搬送用バケット7Aに載置され、間欠的に移動される。物品搬送コンベア7の下流側端部には、搬送用バケット7Aと並列するようにステージ4が待機している(同図(a))。
【0039】
物品XA1は、物品搬送コンベア7の下流側端部において、キャップCが物品押送部材7BによってV方向に押し出され、搬送用バケット7Aからステージ4に移載される(同図(b)、図1)。
【0040】
一方、シート状物品XA2は、その正面を上面に向けてシート供給手段9の上流側において吸着チャック9Aで1枚ずつ吸着され、搬送路9Bの上流端に載置される(図1)。そして、吸着チャック9Aの移動に伴って下流に搬送され、保持手段2(搬送路9Bの下流端部9Cと板バネ2A)の間に差し込まれる。シート状物品XA2は保持手段2に挟持された後もさらに下流に移動し、重ね位置ORに達する。重ね位置ORでは、上流側の側辺付近のみが保持手段2によって保持(挟持)されており、それ以外の部分は保持手段2から飛び出した状態となっている。重ね位置ORの上方には上部ガイド3が設けられており、シート状物品XA2は、上部ガイド3の直下で保持される。(図4(a)、(b)、図2
【0041】
ステージ4は、重ね位置ORの鉛直下方に位置しており、物品搬送コンベア7から物品XA1が移載されると、重ね位置ORで保持されているシート状物品XA2に向かって物品XAを押し上げる(図4(c))。
【0042】
ステージ4が最も上昇すると、シート状物品XA2は、物品XA1と上部ガイド3に挾まれた状態となる。つまり重ね位置ORでは、ステージ4上に物品XA1が横倒しの状態で載置され、物品XA1の上面(正面)に重ねてシート状物品XA2が載置され、シート状物品XA2の上面(正面)に当接または近接して上部ガイド3が配置される(図2(b)、(c))。
【0043】
その状態で、押送部材5がV方向に移動し、物品XA1とその上面に重ねて載置されたシート状物品XA2とを一緒に、カートン搬送コンベア10の方向(V方向)に押送する。押送部材5は、上部ガイド3の下方を移動する。押送部材5の押送面は、物品XA1のキャップC部分と当接し、物品XA1はカートンYA1方向に押し出される。また、上部ガイド3と物品XA1に挟まれているシート状物品XA2も、物品XA1の押し出しに伴ってカートンYA1方向に押し出される。これにより、物品XA1の上面にシート状物品XA2を重ねた状態で、両者をカートンYA1方向に押送できる(図4(d))。
【0044】
より詳細には、図2(c)に示すように、押送部材5の押送面は、物品XA1(のキャップC部分)と当接して物品XA1を押送する。押送部材5の押送面は、横倒しにした物品XA1の厚みの最頂部(物品XA1の上面)と略同等の高さ(鉛直方向の高さ)に設けられており、突起部5Aは、押送面(物品XA1の上面)よりも上方に突出して押送方向と交差する方向(V方向)に延在して複数設けられる。また、上部ガイド3の上方内側には、V方向に延在する複数の凹部3A(この例では2本のレール状の凹部)が設けられており、当該凹部3Aに突起部5Aが嵌まり込むようにして、凹部3Aを通過する。
【0045】
上部ガイド3によってシート状物品XA2は、物品XA1の上面に載置された状態が維持され、押送部材5によって押送される物品XA1とともにカートン搬送コンベア10の方向に移動する。あるいはまた、シート状物品XA2が上部ガイド3と当接(密着)することによって、物品XA1のみがカートン搬送コンベア10方向に押送された場合であっても、押送部材5の上方に突出する突起部5Aが上部ガイド3の凹部3Aを通過しつつシート状物品XA2と当接し、シート状物品XA2を物品XA1の上面側に載置した状態で、これをカートン搬送コンベア10方向に押送できる。
【0046】
そして、図4(d)に示すように、上部ガイド3のカートン搬送コンベア10側の一部の下方には、ステージ4から押し出された後の物品XA1を下方から支持する下部ガイド6が設けられている。つまり下部ガイド6は、物品XA1を重ね位置ORまで上昇させたステージ4と同じ高さに設けられており、その上を物品XA1が通過する。
【0047】
図1に示すように、カートンYA1は、カートン搬送手段10の上流側において、その正面(商品名やロゴなどが記載された製品としての正面)を上面とし、且つ、物品搬送コンベア7側の側方(製品となった状態では上面)が開口された状態で供給され、下流に向かって間欠的に搬送される。そして所定位置において、物品XA1はその上面にシート状物品XA2を重ねた状態で一緒に、カートンYA1の開口した側方からその内部に収容される。
【0048】
これにより、カートンYA1、シート状物品XA2および物品XA1は、全てそれらの正面が上面を向いた状態で、カートンYA1の内部に物品XA1の正面(上面)にシート状物品XA2を重ねて収容できる。
【0049】
物品XA1とシート状物品XA2とをカートンYA1に収容する場合、製品(パッケージされた化粧品)を正面(店舗等で陳列される場合の正面)から見た場合に、カートンYA1、物品XA1、シート状物品XA2のそれぞれの正面が同じ面に向いており、かつ、物品XA1の手前にシート状物品XA2を配置する箱詰めパターンのニーズがある(図3(b)参照)。また、例えば、化粧品などの物品XA1の場合、物品XA1のパッケージ(カートンYA1)に透明の樹脂材料を用いる場合があり、製品(パッケージされた化粧品)を正面(店舗等で陳列される場合の正面)から見た場合に、カートンYA1、物品XA1、シート状物品XA2のそれぞれの正面が同じ面に向いており、かつ、物品XA1の手前にシート状物品XA2を配置して、その説明書きなどをカートンYA1の外から視認可能とするような箱詰めパターンのニーズもある(図3(d)参照)。
【0050】
さらに、化粧品などの場合には、パッケージ(カートンYA1)も美的装飾がなされている場合が多く、店舗において陳列された場合の見栄え等を考慮すると、製品の正面側は特に、傷や汚れを避けたい要望がある。
【0051】
一方で、物品XA1の外形(容器本体P)がチューブやボトルなど、湾曲面または傾斜面を有していると、その物品XA1の上面にシート状物品XA2を重ねた場合に(すなわち、シート状物品XA2が重ねられる部位が頂部となるように湾曲または傾斜した面を有している場合に)、シート状物品XA2は非常に不安定な状態となり(図2(c))、箱詰め工程中の僅かな振動や接触で、物品XA1上から滑り落ちる可能性が高くなる問題がある。
【0052】
本実施形態によれば、カートンYA1、物品XA1、シート状物品XA2のそれぞれの製品としての正面を搬送工程中においては上面に向けた状態で、なおかつ物品XA1の上面にシート状物品XA2を重ねて載置し、両者を合わせてカートンYA1に収容することができる。
【0053】
このとき、カートンYA1の正面部をカートン搬送コンベア10の搬送用バケット10Aにおける側壁10S、及び底部と当接させずに箱詰めを行うため、カートンYA1の正面部に擦り傷等が付くことを防止できる。
【0054】
また、図2に示すように、保持手段2にてシート状物品XA1の搬送方向Tの上流側の一端を挟持するとともに、重ね位置ORにおいて、シート状物品XA1の上面と近接または当接する上部ガイド3を設け、ステージ4によって押し上げられた物品XA1と上部ガイド3によってシート状物品XA2を挟むようにしている。そして、このようにシート状物品XA2が物品XA1の上に重ねて載置された状態を維持しつつ、押送部材5によって、カートンYA1の方向に押し出すことができる。
【0055】
また、押送部材5から上方に突出する突起部5Aが、確実にシート状物品XA2の端部に当接するので、物品XA1の上面にシート状物品XA2を重ねた状態で、両者をカートンYA1方向に押送できる。また、突起部5Aは、押送面(物品XA1の上面)よりも上方に突出して押送方向と交差する方向(V方向)に延在して複数設けられ、上部ガイド3の上方内側には、突起部5Aに対応してV方向に延在する複数の凹部3Aが複数設けられるので、シート上物品XA2の水平面内における回転を防止することができる。
【0056】
このように、物品XA1の外形が不安定な形状であっても、その上面に確実にシート状物品XA2を載置したまま、カートンYA1内にこれらを箱詰めすることができる。
【0057】
図5は、上部ガイド3と下部ガイド6を示す、図1のV方向(物品XA1のキャップC方向)から見た側面図である。押送部材5によって、ステージ4から更に押し出された物品XA1とシート状物品XA2は、下部ガイド6と上部ガイド3によって保持される。下部ガイド6と上部ガイド3によって形成される物品XA1とシート状物品XA2の通路は、ステージ4と上部ガイド3によって形成されるそれらの通路と同等の厚み(鉛直方向の高さ)を有しており、上部ガイド3には凹部3Aが連続して設けられているため、押送部材5は引き続き物品XA1とシート状物品XA2を押し出すことができ、カートンYA1に収納するまで、物品XA1の上面にシート状物品XA2を重ねた状態で、両者を安定してカートンYA1方向に押送できる。
【0058】
また、下部ガイド6は、側面6Sを備えておりこれによって物品XA1の搬送方向Tに沿った方向への移動を規制し、物品XA1が下部ガイド6から落下したり、カートンYA1に収容する以前にその位置がずれたりすることを防止する。この例では、下部ガイド6の側面6Sが上部ガイド3と連続し、下部ガイド6と上部ガイド3とが一体的になっており、物品XA1とシート状物品XA2は、筒状になった上部ガイド3と下部ガイド6の内側を通過することで、カートン搬送コンベア10に移載される以前にそれらの姿勢が整えられる。なお、この例では、上部ガイド3と下部ガイド6が一体的に構成された例を示しているが、下部ガイド6は上部ガイド3と別体であってもよい。
【0059】
ここで、シート状物品XA2は、重ね位置ORにおいては、物品XA1よりもシート状物品XA2の搬送方向Tの上流側に突出して保持されている(図2(b)参照)。しかしながら、押送部材5でステージ4から押し出された物品XA1とシート状物品XA2が下部ガイド6上に移載された場合、図5(a)に示すように、シート状物品XA2の端部が、搬送方向Tの上流側に位置する側面6Sによって下方に押さえられ、湾曲面を有する物品XA1の上面側に沿うように(巻き付くように)その少なくとも一部が撓んだ状態となる。シート状物品XA2が撓んで湾曲することにより、突起部5Aだけでなく押送面でも押送することができるようになるので、より安定して押送することができる。
【0060】
なお、シート状物品XA1は、下部ガイド6の上を押送中に次第に撓んだ状態から復元し、物品XA1の正面(上面)に移動する(同図(b))。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨および技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0062】
例えば、物品XA1(容器本体P)の形状は、上記の例に限らず、製品としての正面に角部が設けられるような角柱形状(六角柱状、八角柱状)や、(略)球形状、玉子形状など、シート状物品XA2が概ね1箇所で支持されるような、シート状物品XA2に対して不安定な形状であっても同様に実施でき、同様の効果が得られる。
【0063】
また、物品XA1(容器本体P)の形状は、シート状物品XA2が不安定に載置される形状に限らず、シート状物品が安定して載置されるような、正面が略平面(例えば四角柱など)の形状のものであっても本実施形態の箱詰め装置1によって箱詰めできることは当然である。
【0064】
また、シート状物品XA2は、説明書などに限らず、シート型の脱酸素剤や、カードや調味料等を収納した小袋等の付属品であってもよい。
【0065】
また、プッシャー装置は、フィンガーコンベアでも良い。
【符号の説明】
【0066】
XA1 物品
XA2 シート状物品
YA1 カートン
1 箱詰め装置
2 保持手段
3 上部ガイド
4 ステージ
5 押送部材
6 下部ガイド
7 物品搬送コンベア
10 カートン搬送コンベア
図1
図2
図3
図4
図5