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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-206502(P2016-206502A)
(43)【公開日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】写真シール作成装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/53 20060101AFI20161111BHJP
   G03B 15/02 20060101ALI20161111BHJP
   G03B 15/05 20060101ALI20161111BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20161111BHJP
   H04N 5/238 20060101ALI20161111BHJP
   G07F 17/26 20060101ALI20161111BHJP
【FI】
   G03B17/53
   G03B15/02 P
   G03B15/05
   G03B15/02 G
   H04N5/225 F
   H04N5/238 Z
   G07F17/26
   G03B15/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-89741(P2015-89741)
(22)【出願日】2015年4月24日
(71)【出願人】
【識別番号】307010096
【氏名又は名称】フリュー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(72)【発明者】
【氏名】矢本 周平
(72)【発明者】
【氏名】三谷 法子
(72)【発明者】
【氏名】吉川 徹
(72)【発明者】
【氏名】米持 万里絵
(72)【発明者】
【氏名】杉山 考志
【テーマコード(参考)】
2H053
2H104
5C122
【Fターム(参考)】
2H053CA08
2H053CA12
2H053DA03
2H053DA06
2H104AA19
2H104BC48
5C122DA04
5C122DA34
5C122EA12
5C122GB06
5C122GE11
5C122GG03
5C122GG22
5C122GG26
5C122HA86
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】柔らかい光を十分に当てる。
【解決手段】カメラは、撮影空間内で被写体を撮影し、平面ストロボは、平面の発光面が被写体に向けられる。平面ストロボは、撮影のタイミングで発光するストロボ発光管と、ストロボ発光管の発光を反射する反射面をもつ平面反射板と、発光面を構成する拡散板とを有し、平面反射板の反射面と、拡散板で構成される発光面とは、互いに略平行になるように構成される。本技術は、例えば、写真シール作成装置に適用することができる。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を被写体として撮影し、得られた撮影画像に対して、前記利用者による入力に応じた編集を施し、編集が施された前記撮影画像をシール紙に印刷する写真シール作成装置であって、
撮影空間内で前記被写体を撮影するカメラと、
平面の発光面が前記被写体に向けられる平面ストロボと
を備え、
前記平面ストロボは、
撮影のタイミングで発光するストロボ発光管と、
前記ストロボ発光管の発光を反射する反射面をもつ平面反射板と、
前記発光面を構成する拡散板と
を有し、
前記平面反射板の反射面と、前記拡散板で構成される前記発光面とは、互いに略平行になるように構成される
写真シール作成装置。
【請求項2】
前記平面ストロボは、前記カメラの左右に、それぞれの前記発光面が撮影空間内の前記被写体に向けられるようにして設けられる
請求項1に記載の写真シール作成装置。
【請求項3】
前記ストロボ発光管の高さ方向の位置は、前記カメラの高さ方向の位置と略同じである
請求項1または2に記載の写真シール作成装置。
【請求項4】
前記カメラの撮像面と、左右の前記ストロボそれぞれの前記発光面とのなす角は、上面視で左右対称である
請求項3に記載の写真シール作成装置。
【請求項5】
前記カメラの撮像面と、左右の前記ストロボそれぞれの前記発光面とのなす角は、およそ40°乃至50°とされる
請求項4に記載の写真シール作成装置。
【請求項6】
前記平面反射板は、前記ストロボ発光管と前記拡散板との間に設けられる
請求項1乃至5のいずれかに記載の写真シール作成装置。
【請求項7】
前記ストロボ発光管は、前記平面反射板と前記拡散板との間に設けられる
請求項1乃至5のいずれかに記載の写真シール作成装置。
【請求項8】
前記ストロボは、上面視でV字をなす2平面から構成されるV字反射板をさらに有し、
前記V字反射板は、V字の内角側と前記平面反射板の面とが、前記ストロボ発光管を挟んで対向するように設けられる
請求項6または7に記載の写真シール作成装置。
【請求項9】
前記カメラの上方に設けられる上ストロボと、
前記カメラの下方に設けられる足元ストロボとをさらに備え、
前記上ストロボは、正面上方から前記被写体の顔および上半身に光を照射し、
前記足元ストロボは、前記被写体の下半身および足元に光を照射する
請求項1乃至8のいずれかに記載の写真シール作成装置。
【請求項10】
前記カメラは、前記被写体の顔および上半身を撮影範囲としたアップ撮影、および、前記被写体の全身を撮影範囲とした全身撮影を行い、
前記平面ストロボの発光パターンは、前記アップ撮影が行われる場合と前記全身撮影が行われる場合とで異なる
請求項1乃至9のいずれかに記載の写真シール作成装置。
【請求項11】
前記撮影空間において、前記カメラに向かう前記被写体の背面側に設けられる背面ストロボをさらに備え、
前記背面ストロボの前記発光面の高さ方向の位置および長さは、前記平面ストロボの前記発光面の高さ方向の位置および長さと略同じである
請求項1乃至10のいずれかに記載の写真シール作成装置。
【請求項12】
前記平面ストロボの前記発光面は、前記背面ストロボの発光を反射し、前記被写体に照射するようになされている
請求項11に記載の写真シール作成装置。
【請求項13】
前記拡散板の色は、乳白色とされる
請求項1乃至12のいずれかに記載の写真シール作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、写真シール作成装置に関し、特に、柔らかい光を十分に当てることができるようにする写真シール作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アミューズメント施設等に設置される写真シール機が知られている。写真シール機は、利用者を撮影し、利用者の操作に応じて撮影画像に対して編集を施す。写真シール機は、編集が施された撮影画像をシール紙に印刷する。
【0003】
写真シール機においては、撮影空間内に設けられているストロボが、撮影のタイミングで発光する。従来、ストロボから利用者に照射される光は固い光であった。
【0004】
ここで、固い光とは、光源から直接的に被写体に当たる光のことを指し、陰影が強く出る光である。一方、柔らかい光とは、反射または拡散することで光源から間接的に被写体に当たる光のことを指し、陰影がさほど出ない光である。人物の撮影には、柔らかい光が適しているといわれている。
【0005】
近年、写真シール機においても、柔らかい光を被写体に当てることが検討されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、カメラの上下左右に平面の発光面を有するストロボを備える写真シール機が記載されている。このストロボは、発光面の反対側に光を照射する照明装置、発光面の反対側に設けられた反射板、および、発光面を構成する拡散板を有している。
【0007】
このような構成のストロボにより、被写体に、照明装置からの光を直接的に当てることなく、柔らかい光を照射することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−207841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の構成では、照明装置から照射され、反射板で反射して拡散板(発光面)に進む光に偏りができてしまう。これにより、発光面を光源として利用者に照射される光にムラが生じ、立ち位置によっては、利用者に十分な光が当たらないおそれがある。
【0010】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、柔らかい光を十分に当てることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本技術の一側面の写真シール作成装置は、利用者を被写体として撮影し、得られた撮影画像に対して、利用者による入力に応じた編集を施し、編集が施された撮影画像をシール紙に印刷する写真シール作成装置であって、撮影空間内で被写体を撮影するカメラと、平面の発光面が被写体に向けられる平面ストロボとを備え、平面ストロボは、撮影のタイミングで発光するストロボ発光管と、ストロボ発光管の発光を反射する反射面をもつ平面反射板と、発光面を構成する拡散板とを有し、平面反射板の反射面と、拡散板で構成される発光面とは、互いに略平行になるように構成される。
【0012】
前記平面ストロボは、前記カメラの左右に、それぞれの前記発光面が撮影空間内の前記被写体に向けられるようにして設けられるようにすることができる。
【0013】
前記ストロボ発光管の高さ方向の位置は、前記カメラの高さ方向の位置と略同じであるようにすることができる。
【0014】
前記カメラの撮像面と、左右の前記ストロボそれぞれの前記発光面とのなす角は、上面視で左右対称であるようにすることができる。
【0015】
前記カメラの撮像面と、左右の前記ストロボそれぞれの前記発光面とのなす角は、およそ40°乃至50°とされるようにすることができる。
【0016】
前記平面反射板は、前記ストロボ発光管と前記拡散板との間に設けられるようにすることができる。
【0017】
前記ストロボ発光管は、前記平面反射板と前記拡散板との間に設けられるようにすることができる。
【0018】
前記ストロボには、上面視でV字をなす2平面から構成されるV字反射板をさらに設け、前記V字反射板は、V字の内角側と前記平面反射板の面とが、前記ストロボ発光管を挟んで対向するように設けられるようにすることができる。
【0019】
前記写真シール作成装置には、前記カメラの上方に設けられる上ストロボと、前記カメラの下方に設けられる足元ストロボとをさらに設け、前記上ストロボには、正面上方から前記被写体の顔および上半身に光を照射させ、前記足元ストロボには、前記被写体の下半身および足元に光を照射させることができる。
【0020】
前記カメラには、前記被写体の顔および上半身を撮影範囲としたアップ撮影、および、前記被写体の全身を撮影範囲とした全身撮影を行わせ、前記平面ストロボの発光パターンは、前記アップ撮影が行われる場合と前記全身撮影が行われる場合とで異なるようにすることができる。
【0021】
前記写真シール作成装置には、前記撮影空間において、前記カメラに向かう前記被写体の背面側に設けられる背面ストロボをさらに設け、前記背面ストロボの前記発光面の高さ方向の位置および長さは、前記平面ストロボの前記発光面の高さ方向の位置および長さと略同じであるようにすることができる。
【0022】
前記平面ストロボの前記発光面は、前記背面ストロボの発光を反射し、前記被写体に照射するようになされるようにすることができる。
【0023】
前記拡散板の色は、乳白色とされるようにすることができる。
【0024】
本技術の一側面においては、平面ストロボが、撮影のタイミングで発光するストロボ発光管と、ストロボ発光管の発光を反射する反射面をもつ平面反射板と、発光面を構成する拡散板とを有し、平面反射板の反射面と、拡散板で構成される発光面とが、互いに略平行になるように構成される。
【発明の効果】
【0025】
本技術によれば、柔らかい光を十分に当てることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本技術の一実施の形態に係る写真シール作成装置の外観の構成例を示す斜視図である。
図2】写真シール作成装置の外観を他の角度からみた斜視図である。
図3】利用者の移動について説明する図である。
図4】事前選択部の構成例を示す図である。
図5】撮影部の構成例を示す図である。
図6】背景部の構成例を示す図である。
図7】編集ユニットの正面の構成例を示す図である。
図8】編集ユニットの側面の構成例を示す図である。
図9】写真シール作成装置の内部の構成例を示すブロック図である。
図10】制御部の機能構成例を示すブロック図である。
図11】写真シール作成ゲーム処理について説明するフローチャートである。
図12】平面ストロボの外観構成例を示す図である。
図13】平面ストロボの内部構成例を示す図である。
図14】ストロボ発光部の構成例を示す図である。
図15】ストロボ発光部の構成例を示す図である。
図16】平面ストロボの構成例を示す上面図である。
図17】平面ストロボの他の構成例を示す上面図である。
図18】背面ストロボの外観構成例を示す図である。
図19】背面ストロボの内部構成例を示す図である。
図20】ストロボ発光部の構成例を示す図である。
図21】ストロボ発光部の構成例を示す図である。
図22】平面ストロボの他の機能について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
<写真シール作成装置の外観構成>
図1および図2は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
【0029】
写真シール作成装置1は、撮影画像や編集画像を提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、画像を利用者の携帯端末上で閲覧可能にするためにその画像をサーバに送信することで、利用者に画像を提供する。写真シール作成装置1は、アミューズメント施設や店舗に設置される。写真シール作成装置1の利用者は、主に女子高生や若い女性が中心とされる。写真シール作成装置1において、1組あたり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、写真シール作成装置1において、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
【0030】
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業により、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した画像に、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させる。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
【0031】
図1に示すように、写真シール作成装置1は、基本的に、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。
【0032】
撮影ユニット11は、事前選択部20、撮影部21、および背景部22から構成される。事前選択部20は、撮影部21の側面に設置される。事前選択部20の前方の空間が、事前選択処理が行われる事前選択空間となる。また、撮影部21と背景部22は所定の距離だけ離れて設置される。撮影部21と背景部22の間に形成される空間が、撮影処理が行われる撮影空間となる。
【0033】
事前選択部20は、事前選択処理として、写真シール作成装置1によって提供されるゲームを紹介するガイダンスを行ったり、撮影空間で行われる撮影処理における各種の設定を行ったりする。事前選択部20には、利用者が代金を投入する硬貨投入口や、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。事前選択部20は、撮影空間の空き状況に応じて、適宜、事前選択空間にいる利用者を撮影空間へと案内する。
【0034】
撮影部21は、利用者を被写体として撮影するための装置である。撮影部21は、撮影空間に入った利用者の正面に位置する。撮影空間に臨む撮影部21の正面には、カメラや、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。撮影空間において正面を向いている利用者からみて左側の面を左側面、右側の面を右側面とすると、撮影部21の左側面が側面パネル41Aにより構成され、右側面が側面パネル41Bにより構成される。さらに、撮影部21の正面が正面パネル42により構成される。側面パネル41Aには、上述した事前選択部20が設置されるものとする。なお、事前選択部20は、側面パネル41Bに設置されるようにしてもよいし、側面パネル41A,41Bの両方に設置されるようにしてもよい。
【0035】
背景部22は、背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52Bから構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する板状の部材である。側面パネル52Aは、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル41Aより横幅の狭い板状の部材である。側面パネル52Bは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル41Bより横幅の狭い板状の部材である。
【0036】
側面パネル41Aと側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部23Aによって連結される。側面パネル41Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けた例えば金属製の部材である連結部23A’によって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bも同様に、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Bと側面パネル52Bの上部は、連結部23Bによって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bの下部は、連結部23B’によって連結される。
【0037】
なお、背面パネル51の撮影空間側の面には、例えば緑色のクロマキー用のシートが貼り付けられる。写真シール作成装置1は、クロマキー用のシートを背景として撮影することで、撮影処理や編集処理においてクロマキー合成を行う。これにより、利用者が所望する背景画像がシートの部分に合成される。
【0038】
側面パネル41A、連結部23A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル41B、連結部23B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口となる。
【0039】
撮影空間の上方には、撮影部21の正面、連結部23A、および連結部23Bに囲まれた天井が形成される。その天井の一部に、天井ストロボユニット24が設けられる。天井ストロボユニット24の一端が連結部23Aに固定され、他端が連結部23Bに固定される。天井ストロボユニット24は、撮影に合わせて撮影空間内に向けて光を照射するストロボを内蔵する。天井ストロボユニット24の内部には、ストロボの他に蛍光灯が設けられている。これにより、天井ストロボユニット24は、撮影空間の照明としても機能する。
【0040】
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル42に接するようにして、撮影ユニット11に連結している。
【0041】
図1に示される編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
【0042】
編集ユニット12の正面側は、面61と、面61の上方に形成された斜面62から構成される。面61は、床面に対して垂直で、撮影部21の側面パネル41Aとほぼ平行な面である。斜面62には、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。斜面62の左側には、照明装置64の一端を支持する柱状の支持部63Aが設けられる。斜面62の右側には、照明装置64の他端を支持する柱状の支持部63Bが設けられる。支持部63Aの上面にはカーテンレール26を支持する支持部65が設けられる。
【0043】
編集ユニット12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、3本のレール26A乃至26Cが、組み合わせられて構成される。3本のレール26A乃至26Cは、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わせられる。平行に設けられるレール26Aとレール26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、レール26Aとレール26Bの他端は、レール26Cの両端にそれぞれ接合される。
【0044】
カーテンレール26には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。そのカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面後方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
【0045】
また、後述するが、編集ユニット12の左側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の左側面前方の空間が、利用者が印刷済みのシール紙が排出されるのを待つ印刷待ち空間となる。
【0046】
<利用者の移動について>
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
【0047】
まず、利用者は、事前選択部20の前方の空間である事前選択空間A0において硬貨投入口に代金を投入する。次に、利用者は、タッチパネルモニタに表示される画面に従って各種の設定を行う。利用者は、例えば、撮影空間で行われる撮影に関するコースの選択などを事前選択作業として行う。
【0048】
事前選択作業を終えた利用者は、白抜き矢印#1で示すように、側面パネル41Aと側面パネル52Aの間の出入り口G1から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。そして利用者は、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影作業を行う。
【0049】
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#2で示すように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2−1に移動するか、または、白抜き矢印#3で示すように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2−2に移動する。
【0050】
編集空間A2−1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2−2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
【0051】
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。印刷が開始されると、編集空間A2−1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#4で示すように編集空間A2−1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2−2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示すように編集空間A2−2から印刷待ち空間A3に移動する。
【0052】
印刷待ち空間A3に移動した利用者は、画像の印刷の終了を待つ。印刷が終了すると、利用者は、編集ユニット12の右側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
【0053】
次に、各装置の構成について説明する。
【0054】
<事前選択部の構成>
図4は、事前選択部20の構成例を示す図である。
【0055】
事前選択部20の上側にはタッチパネルモニタ71が設けられる。タッチパネルモニタ71は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ71は、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示し、利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。タッチパネルモニタ71には、撮影に関するコースの選択などを行わせる事前選択処理に用いられる画面が表示される。
【0056】
タッチパネルモニタ71の下方には、スピーカ72が設けられる。スピーカ72は、事前選択処理の案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音などを出力する。また、スピーカ72に隣接するようにして、利用者が硬貨を入れる硬貨投入返却口73が設けられる。
【0057】
<撮影部の構成>
図5は、撮影部21の正面の構成例を示す図である。撮影部21は、側面パネル41A、側面パネル41B、および正面パネル42に囲まれるようにして構成される。
【0058】
正面パネル42の中央には、カメラユニット81が設けられる。カメラユニット81は、カメラ91およびタッチパネルモニタ92から構成される。
【0059】
カメラ91は、例えば一眼レフカメラであり、レンズが露出するようにカメラユニット81の内部に取り付けられる。カメラ91は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を有し、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91により取り込まれた動画像(以下、ライブビュー画像ともいう)は、タッチパネルモニタ92にリアルタイムで表示される。撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた静止画像は、撮影画像として保存される。
【0060】
タッチパネルモニタ92は、カメラ91の下方に設けられる。タッチパネルモニタ92は、LCDなどのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ92は、カメラ91により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUIを表示し利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。タッチパネルモニタ92には、カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)や静止画像(撮影画像)が表示される。
【0061】
なお、カメラユニット81は、カメラ91が、利用者の平均的な身長に合わせた高さ方向の位置にくるように設置される。
【0062】
カメラユニット81の上方には、曲面の発光面を利用者に向けた上ストロボ82が設置される。上ストロボ82は、正面上方から利用者の顔および上半身に光を照射する。
【0063】
カメラユニット81の左方には、縦長の矩形状で平面の発光面が利用者に向けられる左ストロボ83が設置される。左ストロボ83は、正面左方から利用者の顔および上半身に光を照射する。カメラユニット81の右方には、縦長の矩形状で平面の発光面が利用者に向けられる右ストロボ84が設置される。右ストロボ84は、正面右方から利用者の顔および上半身に光を照射する。
【0064】
左ストロボ83および右ストロボ84もまた、利用者の平均的な身長に合わせた高さ方向の位置に配置されている。これにより、利用者の顔から腰あたりまでに光が照射される。なお、左ストロボ83および右ストロボ84は、平面の発光面を有することから、それぞれを、適宜、平面ストロボともいうこととする。
【0065】
また、カメラユニット81の下方には、利用者の下半身および足元に光を照射する足元ストロボ85が設けられる。
【0066】
なお、図示はしないが、正面パネル42の例えば天井付近には、スピーカが設けられる。そのスピーカは、撮影処理の案内音声、BGM、効果音などを出力する。
【0067】
<背景部の構成>
図6は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
【0068】
背面パネル51の上方には、背面上ストロボ101が設置される。背面上ストロボ101は、背面上方から利用者に光を照射する。
【0069】
図中、背面パネル51の左方には、背面左ストロボ102が設置される。背面左ストロボ102は、背面右方から利用者を照射する。図中、背面パネル51の右方には、背面右ストロボ103が設置される。背面右ストロボ103は、背面左方から利用者を照射する。
【0070】
背面左ストロボ102および背面右ストロボ103は、丸みを帯びた半柱状に形成されている。背面左ストロボ102および背面右ストロボ103の高さ方向の位置および長さは、左ストロボ83および右ストロボ84のそれと略同じになるようになされている。
【0071】
また、背面パネル51の撮影空間A1側(図中、手前側)の面には、クロマキーシート121が貼り付けられる。クロマキーシート121の色は、例えば緑色とされる。
【0072】
なお、図示はしないが、側面パネル52A,52Bの撮影空間A1側の面にも、クロマキーシート121と同様に、クロマキーシートが貼り付けられる。
【0073】
<編集ユニットの構成>
図7は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
【0074】
斜面62のほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131の左側にはタッチペン132Aが設けられる。タブレット内蔵モニタ131の右側にはタッチペン132Bが設けられる。
【0075】
タブレット内蔵モニタ131は、タブレットがディスプレイを露出するように設けられることによって構成される。タブレットは、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bを用いた操作入力を可能とする。タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集作業に用いられる編集画面が表示される。2人の利用者が同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
【0076】
図8は、編集ユニット12の左側面の構成例を示す図である。
【0077】
編集ユニット12の左側面の下側にはシール紙排出口161が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられている。そのプリンタにより、編集空間A2−1の利用者が写る画像、または、編集空間A2−2の利用者が写る画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口161から排出される。
【0078】
<写真シール作成装置の内部構成>
図9は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。図9において、上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0079】
制御部201はCPU(Central Processing Unit)などにより構成される。制御部201は、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、事前選択部208、撮影部209、編集部210A,210B、および印刷部211の各構成も接続される。
【0080】
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部202は、制御部201から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
【0081】
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部203は、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部203は、例えば、利用者に選択された撮影画像や編集画像をサーバに送信する。通信部203から送信された画像は、サーバにおいて所定の記憶領域が割り当てられて保存され、サーバにアクセスしてきた携帯端末に表示されたり、ダウンロードされたりする。
【0082】
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
【0083】
ROM206は、制御部201において実行されるプログラムやデータを記憶する。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
【0084】
事前選択部208は、事前選択空間A0にいる利用者を対象とした事前選択処理を実現する。事前選択部208は、タッチパネルモニタ71、スピーカ72、および硬貨処理部221から構成される。
【0085】
タッチパネルモニタ71は、制御部201による制御に従って各種の選択画面を表示し、選択画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、各種の設定が行われる。
【0086】
硬貨処理部221は、硬貨投入返却口73への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号を制御部201に出力する。
【0087】
撮影部209は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を実現する。撮影部209は、照明装置231、カメラ91、タッチパネルモニタ92、およびスピーカ232から構成される。
【0088】
照明装置231は、撮影空間A1内の各ストロボであり、制御部201から供給される照明制御信号に従って発光する。
【0089】
カメラ91は、制御部201によるシャッタ制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像(画像データ)を制御部201に出力する。
【0090】
編集部210Aは、編集空間A2−1にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。編集部210Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ241から構成される。編集部210Bは、編集空間A2−2にいる利用者を対象とした編集処理を実現し、編集部210Aと同一の構成を有する。なお、以下、編集部210A,210Bを特に区別しない場合には、単に、編集部210という。
【0091】
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、編集対象となる撮影画像が編集される。
【0092】
印刷部211は、印刷待ち空間A3にいる利用者に、印刷済みのシール紙を提供する印刷処理を実現する。印刷部211は、プリンタ251を含むように構成される。プリンタ251にはシール紙ユニット252が装着される。
【0093】
プリンタ251は、制御部201から供給された印刷データに基づいて、編集画像をシール紙ユニット252に収納されているシール紙261に印刷し、シール紙排出口161に排出する。
【0094】
<制御部の構成>
図10は、制御部201の機能構成例を示すブロック図である。図10に示す機能部のうちの少なくとも一部は、制御部201内のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。これにより、写真シール作成装置1は、画像提供装置として機能する。
【0095】
制御部201は、事前選択処理部301、撮影処理部302、編集処理部303、および印刷処理部304から構成される。
【0096】
事前選択処理部301は、事前選択部208の各部を制御することで、事前選択処理を行う。撮影処理部302は、撮影部209の各部を制御することで、撮影処理を行う。編集処理部303は、編集部210の各部を制御することで、編集処理を行う。印刷処理部304は、印刷部211のプリンタ251を制御することで、印刷処理を行う。
【0097】
<写真シール作成装置の動作>
ここで、図11のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の動作について説明する。
【0098】
ステップS1において、事前選択処理部301は、所定の金額分の硬貨が投入されたか否かを、硬貨処理部221から供給される起動信号に基づいて判定し、硬貨が投入されたと判定するまで待機する。
【0099】
ステップS1において、硬貨が投入されたと判定された場合、処理はステップS2に進む。ステップS2において、事前選択処理部301は、事前選択部208を制御することで、事前選択処理を行う。具体的には、事前選択処理部301は、撮影空間で行われる撮影に関するコースの選択などを利用者に行わせることで、各種の設定を行う。
【0100】
ステップS3において、撮影処理部302は、撮影部209を制御することで、撮影処理を行う。具体的には、撮影処理部302は、カメラ91に取り込まれた被写体の動画像をタッチパネルモニタ92にライブビュー表示させ、撮影空間A1にいる利用者を被写体として撮影し、撮影画像を生成する。
【0101】
撮影処理においては、利用者によりあらかじめ選択されたコースに応じて、アップ撮影または全身撮影、およびその両方が行われる。
【0102】
ここで、アップ撮影とは、被写体の顔および上半身を撮影範囲とした撮影である。アップ撮影により、撮影画像として、被写体の顔および上半身が写るアップ画像が得られる。一方、全身撮影とは、被写体の全身を撮影範囲とした撮影である。全身撮影により、撮影画像として、被写体の全身が写る全身画像が得られる。
【0103】
ステップS4において、編集処理部303は、編集空間A2−1と編集空間A2−2のうち、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部210を制御することで、編集処理を行う。具体的には、編集処理部303は、撮影処理により得られた撮影画像に対して利用者に編集作業を行わせることで、編集が施された編集画像を生成する。
【0104】
ステップS5において、印刷処理部304は、プリンタ251を制御することで、印刷処理を行う(開始する)。具体的には、印刷処理部304は、編集処理により得られた編集画像をプリンタ251に出力してシール紙に印刷する。なお、撮影処理により得られた撮影画像が、シール紙に印刷されるようにしてもよい。
【0105】
印刷が終了すると、ステップS6において、プリンタ251は、画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口161に排出し、処理を終了させる。
【0106】
以上のようにして、写真シール作成ゲームに関する一連の処理が行われる。
【0107】
<平面ストロボの構成について>
さて、ここで、撮影空間A1内に設けられる平面ストロボ(左ストロボ83および右ストロボ84)の構成について説明する。以下においては、左ストロボ83の構成について説明するが、右ストロボ84の構成は、左ストロボ83の構成と左右対称に設けられるので、その説明は省略する。
【0108】
図12は、左ストロボ83の外観構成例を示す図である。
【0109】
上述したように、左ストロボ83の発光面は、撮影空間A1内に立つ利用者(被写体)に向けられる。すなわち、左ストロボ83の発光面は、撮影空間A1内に立つ利用者に向くよう、カメラ91の撮像面(正面パネル42の面)と所定の角をなすように設計されている。
【0110】
左ストロボ83の発光面は、拡散板311により構成される。
【0111】
拡散板311は、左ストロボ83の内部でのストロボ発光による光を拡散し、その外側(被写体側)に照射する。
【0112】
拡散板311は、縦長の矩形状で平面のアクリル板により構成される。拡散板311を構成するアクリル板の色は、乳白色(白濁色)とされる。なお、アクリル板の色は、乳白色に限らず、ストロボ発光による光の指向性が抑えられ、露光比が小さくなる色であれば、他の色であってもよい。
【0113】
なお、アクリル板の色に限らず、その厚さを調整することで、ストロボ発光による光の指向性を抑えるようにしてもよい。アクリル板の厚さを厚くするほど、また、アクリル板の色の透明度を低くするほど、指向性は抑えられる(拡散率は高まる)。
【0114】
図13は、拡散板311を取り外した状態の左ストロボ83の内部構成例を示す図である。
【0115】
左ストロボ83の内部は、直角三角形を底面とした三角柱状の空間になっている。左ストロボ83の内部で、高さ方向の中心より上側の位置に、ストロボ発光部312が設けられる。具体的には、ストロボ発光部312は、その高さ方向の位置が、カメラ91の高さ方向の位置と略同じになるように設けられる。これにより、カメラ91の撮影範囲にまんべんなく光を照射することができる。
【0116】
ストロボ発光部312の上側には、蛍光管313が設けられ、ストロボ発光部312の下側には、蛍光管314が設けられる。
【0117】
ストロボ発光部312および蛍光管313,314は、それぞれ、側面パネル41Aの内側の面に一端が取り付けられる支持部材によって支持されている。
【0118】
ストロボ発光部312は、撮影のタイミングで発光するストロボ発光管を備えている。
【0119】
蛍光管313,314は、撮影のタイミングにかかわらず常時点灯している。すなわち、蛍光管313,314は、拡散板311を介して、撮影空間A1内に定常光を照射する。
【0120】
ここで、図14乃至図16を参照して、ストロボ発光部312の構成について説明する。図14および図15は、ストロボ発光部312の構成を示す図である。図16は、平面ストロボの構成を示す上面図である。
【0121】
ストロボ発光部312は、撮影のタイミングで発光するストロボ発光管321、平面反射板322、V字反射板323、および、これらを支持する支持部材324から構成される。
【0122】
ストロボ発光管321は、円筒形の形状を有し、その円周面から、上面視で360°方向に光を照射する。
【0123】
平面反射板322は、ストロボ発光管321からみて発光面(拡散板311)側に設けられる。平面反射板322は、その反射面で、ストロボ発光管321の発光により発光面側に照射される光を、発光面の反対側(拡散板311が設けられない側)に反射する。
【0124】
また、V字反射板323は、上面視でV字をなす2平面から構成される。V字反射板323は、ストロボ発光管321からみて発光面(拡散板311)の反対側に設けられる。V字反射板323は、V字の内角側と平面反射板322の面とが、ストロボ発光管321を挟んで対向するように設けられる。V字反射板323は、V字の内角側の反射面で、ストロボ発光管321の発光による光を、発光面側に反射する。
【0125】
平面反射板322およびV字反射板323は、いずれもアルミ板により構成される。なお、アルミ板に限らず、その反射面の反射率が同等以上であれば、他の金属板や樹脂製の板で構成されるようにしてもよい。また、平面反射板322およびV字反射板323を、アルミ板やその他の材料で構成する場合、その反射面の色の明度を高くしたり、反射面を白色や黄色などの色彩にすることで、その反射率の高さを保つことができる。
【0126】
V字反射板323の高さ方向の長さは、ストロボ発光管321のそれよりも長い。また、平面反射板322の高さ方向の長さは、V字反射板323のそれよりも長く、幅方向の長さも、V字反射板323のそれよりも長い。
【0127】
このような構成により、ストロボ発光管321の発光による光は、直接的に発光面側(拡散板311側)に進むことはない。
【0128】
言い換えると、ストロボ発光管321の発光による光は、平面反射板322およびV字反射板323に反射することで、発光面とは反対側の側面パネル41A(41B)や正面パネル42側に進む。そして、側面パネル41A(41B)や正面パネル42に反射した光が、発光面側(拡散板311側)に進む。すなわち、ストロボ発光管321の発光による光は、反射光として、間接的に発光面側(拡散板311側)に進む。
【0129】
また、図16に示されるように、平面ストロボにおいては、拡散板311で構成される発光面と、平面反射板322の反射面とは、互いに略平行になるように構成される。
【0130】
さらに、図16に示されるように、カメラ91の撮像面(正面パネル42)と、左ストロボ83および右ストロボ84それぞれの発光面(拡散板311)とのなす角は、上面視で左右対称とされる。具体的には、正面パネル42と、左ストロボ83および右ストロボ84それぞれの拡散板311とのなす角θは、30°乃至60°とされ、およそ40°乃至50°が好ましい。すなわち、正面パネル42と、平面反射板322の反射面とのなす角もまた、30°乃至60°程度とされ、およそ40°乃至50°が好ましい。
【0131】
この角度は、カメラ91と被写体との距離を、およそ700mm乃至900mmとした場合に、被写体に十分な光が当たる角度とされる。
【0132】
以上の構成によれば、平面ストロボにおいて、拡散板311で構成される発光面と、平面反射板322の反射面とが、互いに略平行になるように構成されるので、平面反射板322の反射面に反射され、発光面側に進む反射光が、偏ることなく一様に、拡散板311全体に回り込むようになる。したがって、発光面を光源として利用者に照射される光にムラが生じることなく、すなわち偏った光を照射する点光源や線光源ではなく、あたかも面光源のように均等に、利用者に対して柔らかい光を十分に当てることが可能となる。
【0133】
なお、以上においては、平面反射板322が、ストロボ発光管321と拡散板311との間に設けられるようにしたが、図17に示されるように、ストロボ発光管321が、平面反射板322と拡散板311との間に設けられるようにしてもよい。このような構成においても、上述した構成と同様の作用、効果を奏することができる。
【0134】
<各ストロボの機能>
上述で説明した平面ストロボ(左ストロボ83および右ストロボ84)を含め、撮影空間A1内に設けられた各ストロボは、撮影の際、それぞれの機能をもって発光する。
【0135】
上ストロボ82は、アップ撮影および全身撮影の際に発光し、撮影空間A1内の利用者に固い光を照射する。
【0136】
左ストロボ83および右ストロボ84は、アップ撮影の際に発光し、撮影空間A1内の利用者の顔の左右に、柔らかい光を照射する。これにより、上ストロボ82からの固い光により利用者の顔に生じる陰影が抑えられる。
【0137】
足元ストロボ85は、アップ撮影および全身撮影の際に発光し、撮影空間A1内の利用者に柔らかい光を照射する。これにより、アップ撮影の際には、上ストロボ82からの固い光により利用者の顔(特にあご周り)や首に生じる陰影が抑えられる。また、全身撮影の際には、利用者の下半身や足元が明るく照らされる。
【0138】
天井ストロボユニット24は、アップ撮影および全身撮影の際に発光し、撮影空間A1内全体に向けて光を照射する。これにより、特に、全身撮影の際には、利用者の顔が明るく照らされる。
【0139】
背面上ストロボ101は、アップ撮影および全身撮影の際に発光し、撮影空間A1内の利用者に柔らかい光を照射する。これにより、利用者の髪が上から明るく照らされる。
【0140】
背面左ストロボ102および背面右ストロボ103は、アップ撮影および全身撮影の際に発光し、撮影空間A1内の利用者に柔らかい光を照射する。これにより、特に、アップ撮影の際には、利用者の髪が左右から明るく照らされる。
【0141】
なお、左ストロボ83および右ストロボ84の発光パターンは、アップ撮影が行われる場合と、全身撮影が行われる場合とで異なる。具体的には、左ストロボ83および右ストロボ84は、全身撮影の際には発光しないように制御される。これは、全身撮影のとき、利用者の立ち位置は、アップ撮影のときと比べて後方になり、左ストロボ83および右ストロボ84からの光が十分に利用者に届かないことによる。
【0142】
なお、全身撮影のとき、左ストロボ83および右ストロボ84の発光量を、アップ撮影のときと比べて高めるように制御することで、左ストロボ83および右ストロボ84が、全身撮影の際にも発光するようにしてもよい。
【0143】
<背面左ストロボおよび背面右ストロボの構成について>
次に、背面左ストロボ102および背面右ストロボ103の構成について説明する。以下においては、背面左ストロボ102の構成について説明するが、背面右ストロボ103の構成は、背面左ストロボ102の構成と左右対称に設けられるので、その説明は省略する。
【0144】
図18は、背面左ストロボ102の外観構成例を示す図である。
【0145】
背面左ストロボ102の発光面は、丸みを帯びた半柱状に形成された拡散板351により構成される。
【0146】
拡散板351は、背面左ストロボ102の内部でのストロボ発光による光を拡散し、その外側(被写体側)に照射する。
【0147】
拡散板351は、アクリル板により構成される。拡散板351を構成するアクリル板の色もまた、例えば乳白色とされる。
【0148】
図19は、拡散板351を取り外した状態の背面左ストロボ102の内部構成例を示す図である。
【0149】
背面左ストロボ102の内部で、高さ方向の中心より上側の位置に、ストロボ発光部352が設けられる。ストロボ発光部352の高さ方向の位置は、左ストロボ83や右ストロボ84の内部に設けられるストロボ発光部312の高さ方向の位置と略同じとされる。
【0150】
これにより、背面左ストロボ102(背面右ストロボ103)は、左ストロボ83や右ストロボ84と同じような範囲に光を照射することができる。すなわち、利用者の左右側面には、斜め前方からの光と、それと略同じ光量の、斜め後方からの光とが照射される。その結果、撮影画像に写る利用者に立体感をもたせることができる。
【0151】
ストロボ発光部352は、側面パネル52Bの内側の面に取り付けられる支持筐体によって支持されている。
【0152】
図20および図21は、ストロボ発光部352の構成を示す図である。
【0153】
ストロボ発光部352は、拡散部材361、および、撮影のタイミングで発光するストロボ発光管362から構成される。なお、図中左方向が、側面パネル52B側で、図中奥行き方向が、背面パネル51側となる。
【0154】
拡散部材361は、上面視でU字状の断面を有する柱状に形成されたアクリル板により構成される。拡散部材361を構成するアクリル板の色もまた、例えば乳白色とされる。拡散部材361は、その形状によりストロボ発光管362を覆うように設けられる。
【0155】
すなわち、ストロボ発光管362の発光による光は、拡散部材361および拡散板351を介して、撮影空間A1内に照射される。このような構成により、利用者の背面から柔らかい光が照射されるようになる。
【0156】
また、上述したように、背面左ストロボ102および背面右ストロボ103の高さ方向の位置および長さは、左ストロボ83および右ストロボ84のそれと略同じになるようになされている。
【0157】
これにより、図22に示されるように、背面右ストロボ103および背面左ストロボ102からの光が、それぞれ左ストロボ83および右ストロボ84の発光面(拡散板311)に反射して、利用者に照射されるようになる。すなわち、左ストロボ83および右ストロボ84の発光面が、背面右ストロボ103および背面左ストロボ102それぞれからの光を反射する反射面として機能する。
【0158】
特に、全身撮影のときには、左ストロボ83および右ストロボ84は発光しないが、背面右ストロボ103および背面左ストロボ102それぞれからの光が、左ストロボ83および右ストロボ84の発光面に反射するので、利用者に非常に柔らかい光が照射されるようになる。
【0159】
また、撮影空間A1においては、壁面の色は背面パネル51を除いて白色とされる。これにより、撮影空間A1内の各ストロボの発光による光が、撮影空間A1の壁面に反射することで、利用者に柔らかい光が照射されるようになる。
【0160】
上述した実施の形態では、写真シール作成装置1は、得られた撮影画像や編集画像をシール紙に印刷するとともに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供する構成を採るものとした。これに限らず、撮影画像や編集画像をシール紙に印刷せずに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供するのみの構成を採ることも可能である。また逆に、撮影画像や編集画像をサーバに送信せずに、シール紙に印刷するのみの構成を採ることも可能である。
【0161】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0162】
この記録媒体は、例えば、図9に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、そのプログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205により構成される。また、これらだけでなく、記録媒体は、装置本体にあらかじめ組み込まれた状態で管理者に配信されるプログラムが記録されているROM206や、記憶部202に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0163】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0164】
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではない。例えば、所定のサイズの紙やフィルム、プリペイドカードやIC(Integrated Circuit)カードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに、画像を印刷するようにしてもよい。この場合、1または複数の撮影画像が配置されたシールレイアウト画像が、これらの印刷媒体に印刷されるようにしてもよい。
【0165】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0166】
1 写真シール作成装置
11 撮影ユニット
12 編集ユニット
20 事前選択部
21 撮影部
22 背景部
81 カメラユニット
82 上ストロボ
83 左ストロボ
84 右ストロボ
85 足元ストロボ
91 カメラ
92 タッチパネルモニタ
101 背面上ストロボ
102 背面左ストロボ
103 背面右ストロボ
311 拡散板
312 ストロボ発光部
321 ストロボ発光管
322 平面反射板
323 V字反射板
351 拡散板
352 ストロボ発光部
361 拡散部材
362 ストロボ発光管
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