(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-206892(P2016-206892A)
(43)【公開日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】酒類販売システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20161111BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20161111BHJP
【FI】
G06Q50/12 100
G07G1/12 361C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-86821(P2015-86821)
(22)【出願日】2015年4月21日
(71)【出願人】
【識別番号】512137533
【氏名又は名称】有限会社 オノカンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100095739
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】小野 真一
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA07
3E142EA04
3E142FA41
3E142GA16
3E142HA14
3E142JA02
5L049CC24
(57)【要約】 (修正有)
【課題】最新の通信技術に充分に適応した、ボトルキープ制を採用した店舗での飲食のために酒類を販売する酒類販売システムを提供する。
【解決手段】各店舗21には、客1が購入して未消費となった酒類の残量と客に提供する酒類の提供量とを計量、量定する計量装置3と計量装置3を制御する店舗コンピュータ4とが設置されている。本部22には、店舗コンピュータ4にコンピュータネットワーク5を介して接続され、計量装置3の計測値をデータベース化して記憶して客1に提供される酒類の提供を、店舗コンピュータ4を介して制御する管理コンピュータ6が設置されている。客1は、コンピュータネットワーク5を介して管理コンピュータ6にアクセスし、提供する酒類を注文することのできる携帯用通信端末器7を所持している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗での飲食のための酒類をボトル単位で販売するボトルキープ制を採用し購入されたボトルの未消費の残量を各ボトルで個別管理せずに保管用容器で集合管理する酒類販売形態で実施されるものであって、店は複数の店舗と各店舗を統括する本部とで組織され、店の各店舗には客が購入して未消費となった酒類の残量と客に提供する酒類の提供量とを計量,量定する計量装置と計量装置を制御する店舗コンピュータとが設置され、本部には店舗コンピュータにコンピュータネットワークを介して接続され各店舗の計量装置の計測値をデータベース化して記憶して客に提供される酒類の提供を店舗コンピュータを介して制御する管理コンピュータが設置され、管理コンピュータは酒類の残量を売値から他の種類の酒類の提供可能量として換算する機能を有し、客はコンピュータネットワークを介して店の本部の管理コンピュータにアクセスし提供する酒類を注文することのできる携帯用通信端末器を所持していることを特徴とする酒類販売システム。
【請求項2】
請求項1の酒類販売システムにおいて、管理コンピュータはコンピュータネットワークを介して各客の酒類の残量を閲覧することのできるサイトが開設され、携帯用通信端末器はサイトを表示する表示部が設けられていることを特徴とする酒類販売システム。
【請求項3】
請求項1または2の酒類販売システムにおいて、客は携帯用通信端末器で管理コンピュータにアクセスして酒類の残量の全部または一部を他の客に譲渡が可能であることを特徴とする酒類販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗での飲食のために酒類を販売する酒類販売システムに係る技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
店舗での飲食のための酒類販売システムとしては、ボトルキープ制が普及している。ボトルキープ制は、酒類をボトル単位で販売するもので、店と客との双方に経済的メリットがあるとされている。
【0003】
このボトルキープ制では、大量のボトルの管理の煩雑さや残った酒類の品質劣化等の問題を解消するための革新的なシステムの開発が要望されている。
【0004】
従来、酒類販売システムとしては、例えば、特許文献1〜3に記載のものが知られている。
【0005】
特許文献1〜3には、購入されたボトルの未消費の残量を各ボトルで個別管理せずに保管用容器で集合管理することで、大量のボトルの管理の煩雑さや残った酒類の品質劣化等の問題を解消する酒類販売システムが記載されている。そして、特許文献2,3に係る酒類販売システムでは、残った酒類について後で種類の異なる酒類を提供する技術が記載されている。さらに、特許文献3に係る酒類販売システムでは、残った酒類について後でチェーン化された他の店舗で提供する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平2−73200号公報
【特許文献2】特開平7−73256号公報
【特許文献3】特開2001−325338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1〜3に係る酒類販売システムでは、日進月歩する通信技術に充分に適応できていないという問題点がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、最新の通信技術に充分に適応することのできる酒類販売システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため、本発明に係る酒類販売システムは、特許請求の範囲の各請求項に記載の手段を採用する。
【0010】
即ち、請求項1では、店舗での飲食のための酒類をボトル単位で販売するボトルキープ制を採用し購入されたボトルの未消費の残量を各ボトルで個別管理せずに保管用容器で集合管理する酒類販売形態で実施されるものであって、店は複数の店舗と各店舗を統括する本部とで組織され、店の各店舗には客が購入して未消費となった酒類の残量と客に提供する酒類の提供量とを計量,量定する計量装置と計量装置を制御する店舗コンピュータとが設置され、本部には店舗コンピュータにコンピュータネットワークを介して接続され各店舗の計量装置の計測値をデータベース化して記憶して客に提供される酒類の提供を店舗コンピュータを介して制御する管理コンピュータが設置され、管理コンピュータは酒類の残量を売値から他の種類の酒類の提供可能量として換算する機能を有し、客はコンピュータネットワークを介して店の本部の管理コンピュータにアクセスし提供する酒類を注文することのできる携帯用通信端末器を所持していることを特徴とする。
【0011】
この手段では、店側の店舗コンピュータ,管理コンピュータと客側の携帯用通信端末器とをコンピュータネットワークで接続することで、店舗での飲食のための酒類をボトル単位で販売するボトルキープ制を採用し購入されたボトルの未消費の残量を各ボトルで個別管理せずに保管用容器で集合管理する酒類販売形態を広域的な通信網として構築することができる。
【0012】
また、請求項2では、請求項1の酒類販売システムにおいて、管理コンピュータはコンピュータネットワークを介して各客の酒類の残量を閲覧することのできるサイトが開設され、携帯用通信端末器はサイトを表示する表示部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
この手段では、管理コンピュータに開設されたサイトを携帯用通信端末器で閲覧することで、客が酒類の残量を把握することができる。
【0014】
また、請求項3では、請求項1または2の酒類販売システムにおいて、客は携帯用通信端末器で管理コンピュータにアクセスして酒類の残量の全部または一部を他の客に譲渡が可能であることを特徴とする。
【0015】
この手段では、酒類の残量の全部または一部を他の客に譲渡が可能とすることで、客の来店率を高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る酒類販売システムは、店側の店舗コンピュータ,管理コンピュータと客側の携帯用通信端末器とをコンピュータネットワークで接続することで、店舗での飲食のための酒類をボトル単位で販売するボトルキープ制を採用し購入されたボトルの未消費の残量を各ボトルで個別管理せずに保管用容器で集合管理する酒類販売形態を広域的な通信網として構築することができるため、最新の通信技術に充分に適応することができる効果がある。
【0017】
さらに、請求項2として、管理コンピュータに開設されたサイトを携帯用通信端末器で閲覧することで、客が酒類の残量を把握することができるため、店舗にいなくても酒類の残量を知ることができる効果がある。
【0018】
さらに、請求項3として、酒類の残量の全部または一部を他の客に譲渡が可能とすることで、客の来店率を高めることができるため、店の業績が良好となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る酒類販売システムを実施するための形態の構成図である。
【
図2】
図1の一部の機能を説明するフローチャートである。
【
図3】
図1の他の一部の機能を説明するフローチャートである。
【
図4】酒類の残量の増減を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る酒類販売システムを実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
この形態では、社会的構成として、客1と店2とからなるものが示されている。
【0022】
この形態は、店2が複数の店舗21と各店舗21を統括する本部22とで組織されている。
【0023】
店2の各店舗21には、客1が購入して未消費となった酒類の残量と客1に提供する酒類の提供量とを重量セルや光学器,バルブ等を利用して計量,量定する計量装置3と、計量装置3を制御するパーソナルコンピュータ等の店舗コンピュータ4とが設置されている。計量装置3については、酒類の残量と酒類の供給量との双方を計量,量定することのできる兼用型が好ましい。
【0024】
店の本部22には、インターネット等のコンピュータネットワーク5を介して店舗コンピュータ4に接続された大型サーバ等の管理コンピュータ6が設置されている。管理コンピュータ6は、各店舗21の計量装置3の計測値をデータベース化して記憶して客1に提供される酒類の提供を店舗コンピュータ4を介して制御するものである。また、この管理コンピュータ6は、コンピュータネットワーク5を介して各客1の酒類の残量を数値や画像として閲覧することのできるサイトが開設されている。また、この管理コンピュータ6は、酒類の残量を売値から他の種類の酒類の提供可能量として換算する機能を有している。
【0025】
客1は、コンピュータネットワーク5を介して店2の本部21の管理コンピュータ6にアクセスするスマートフォン等の携帯用通信端末器7を所持している。携帯用通信端末器7は、提供する酒類を注文することができるとともに、表示部を有して管理コンピュータ6が開設したサイトを閲覧することができる。好ましくは、携帯用通信端末器7には、管理コンピュータ6にアクセスするセキュリティを含むアプリケーションソフトをインストールしておく。
【0026】
この形態によると、
図2に示すように、客1が店2の店舗21でボトルを購入して飲食した後、会計後にボトルの未消費である酒類の残量が計量装置3で計測される。そして、酒類の残量をその種類の酒類が収容されている保管用容器8に収容して管理することになる。
【0027】
計量装置3の計測値は、コンピュータネットワーク5を介して管理コンピュータ6に伝送される。
【0028】
管理コンピュータ6は、計測値をデータベース化して記憶する。データベース化された酒の残量やその他の情報は、サイトを通じて閲覧が可能になる。
【0029】
客1は、コンピュータネットワーク5を介してID,パスワード等のセキュリティを通過して管理コンピュータ6に接続してサイトを閲覧することで、店2の店舗21にいなくてもいつでも自分の保有する酒類の残量を知ることができる。この酒類の残量については、
図4に示すように、店2がサービスとして増量したりサービスを未消化の際に減量(サービス分のみ)されることがある。
【0030】
このサービスについては、例えば、サイト内に天使からなるキャラクターを出現させ、サイトにアクセスすると天使からのプレゼントとして酒類の残量を増量し、一定期間サイトにアクセスがないと天使がサービスを少しずつ飲んでしまいサービスが減量されていくという物語性,ゲーム性をもたせると、客1のキャッチ力を高めて店2の業績を良好にすることができる。サイトへのアクセスが楽しくなり、アクセス回数を増やすことに繋がる。
【0031】
また、このサービスについては、ソーシャルネットワークサービス等で店2から客1に連絡される。
【0032】
また、客1が自分の酒類の残量を他の客1に譲渡することによっても増減する。この譲渡についても、ソーシャルネットワークサービス等で店2から客1に連絡されまたは客1から客1へ直接に連絡される。この酒類の残量の増減は、客1に興味を喚起して店2の店舗21への来店率を高めることができ、店2の業績を良好にする。
【0033】
店2の店21に入店した客1は、コンピュータネットワーク5を介してID,パスワード等のセキュリティを通過して管理コンピュータ6に接続して酒類を注文することができる。
【0034】
客1の注文は、管理コンピュータ6から店舗コンピュータ4に伝送され、店舗コンピュータ4による計量装置3の制御によって酒類の残量が提供量として量定され提供される。このとき、
図4に示すように、客1が他の種類の酒類を注文することができ、その場合には管理コンピュータ6が売値から酒類の残量に相当する量のこの種類の酒類の提供量を換算して店舗コンピュータ4に指示をする。
【0035】
この結果、店2の店舗21での飲食のための酒類をボトル単位で販売するボトルキープ制を採用し購入されたボトルの未消費の残量を各ボトルで個別管理せずに保管用容器8で集合管理する酒類販売形態を広域的な通信網として構築することができるため、最新の通信技術に充分に適応することができる。
【0036】
以上、図示した形態の外に、社会的構成として店2の店舗21をサービスの異なる系列店,協力店等で組織することも可能である。
【0037】
さらに、酒類の残量を料理に変更することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る酒類販売システムは、管理コンピュータの管理によっては同一企業の店に限定されず複数企業の店で連携させることも可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 客
2 店
21 店舗
22 本部
3 計量装置
4 店舗コンピュータ
5 コンピュータネットワーク
6 管理コンピュータ
7 携帯用通信端末器
8 保管用容器