【解決手段】情報システムで使用する言語の切り替えを行う使用言語切替装置で、制御部102は、情報システムを利用するユーザごとの言語を設定すると共に、少なくとも情報システムを利用する集合体の言語を設定する言語設定部102aと、ユーザが情報システムを利用する際に情報システム側に渡したデータを取り込むデータ取得部102bと、データに基づいて使用する言語を選択する言語選択部102cと、選択された言語データに変換する言語変換部102dと、変換された言語データに基づいて画面表示や帳票出力を行う出力部102eとを備え、記憶部106は、言語設定部102a、言語選択部102c、言語変換部102dで用いられるマスタテーブル106aを備えている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。本実施形態に係る使用言語切替装置は、ここでは会計システムに用いられる業務アプリケーションの入力画面や帳票出力などで使用される言語の切り替えを行うものである。
【0018】
[1.概要]
従来、情報システムで使用される業務アプリケーションの表示言語切替機能は、システム単位で固定されていたか、ユーザ単位での言語切替表示は行われていたが、アプリケーションの使用環境(会社やグループなど)、出力する画面や帳票の種類、あるいは業務用途(ジョブ内容)などに応じて適切な言語を選択し、切り替える機能は無かった。このため、本実施形態に係る使用言語切替装置では、業務アプリケーションのプログラムを大きく変更することなく、使用環境、出力対象、用途などの状況に応じて画面や帳票に表示される言語を適切に切り替えることで、より円滑な情報のやり取りが行えるようにしている。
【0019】
[2.構成]
本実施形態に係る使用言語切替装置の構成の一例について、
図1および
図2を参照して説明する。
図1は、使用言語切替装置100の構成の一例を示すブロック図である。
図2は、
図1のマスタテーブルの具体例を示すブロック図である。
【0020】
使用言語切替装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、使用言語切替装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0021】
使用言語切替装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。使用言語切替装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、使用言語切替装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、使用言語切替装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、各種のマスタテーブル106aを備えている。
【0024】
マスタテーブル106aには、
図2に示すように、会社マスタ106a−1、ユーザマスタ106a−2、ユーザグループマスタ106a−3、ユーザグループメンバマスタ106a−4、ジョブマスタ106a−5、帳票マスタ106a−6、言語マスタ106a−7、事業所マスタ106a−8、摘要マスタ106a−9などを備えている。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
制御部102は、使用言語切替装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、言語設定部102a、データ取得部102b、言語選択部102c、言語変換部102d、出力部102eを備えている。
【0027】
言語設定部102aは、情報システムを利用するユーザごとの言語を設定すると共に、少なくとも情報システムを利用する集合体(会社、組織、グループなど)の言語を設定する他、帳票の種類や画面表示に応じて出力する言語を予め設定する。
【0028】
データ取得部102bは、ユーザが情報システムを利用する際に、情報システム側にユーザID、会社NO、ジョブID、あるいは帳票IDといったデータの受け渡しを行うと、これを取り込む。
【0029】
言語選択部102cは、データ取得部102bで取り込まれたデータに基づいて使用する言語を選択する。
【0030】
言語変換部102dは、言語選択部102cで選択された言語データに変換する処理を行う。
【0031】
出力部102eは、言語変換部102dで変換された言語データに基づいて画面表示や帳票出力などを行う。
【0032】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図3から
図17を参照して説明する。
図3は、事前に行う言語設定処理の一例を示す図である。
図4は、データ登録処理の操作画面の一例を示す図である。
図5は、仕訳チェックリストの出力操作画面の一例を示す図である。
図6は、中国語で出力された仕訳チェックリストの一例を示す図である。
図7は、仕訳伝票の出力操作画面の一例を示す図である。
図8は、日本語で出力された仕訳伝票の一例を示す図である。
図9−1は、システムのログイン画面の一例を示す図である。
図9−2は、ユーザごとの言語設定画面の一例を示す図である。
図9−3は、ユーザマスタの一例を示す図である。
図10−1は、会社ごとの言語設定画面の一例を示す図である。
図10−2は、会社マスタの一例を示す図である。
図11−1は、ユーザグループと言語の設定画面の一例を示す図である。
図11−2は、ユーザグループマスタの一例を示す図である。
図12−1は、ユーザグループメンバの設定画面の一例を示す図である。
図12−2は、ユーザグループメンバマスタの一例を示す図である。
図13は、ジョブマスタの一例を示す図である。
図14は、帳票マスタの一例を示す図である。
図15−1は、ユーザ言語表記による事業所情報のメンテ画面の一例を示す図である。
図15−2は、事業所マスタと事業所マスタ(多言語)の一例を示す図である。
図16は、ジョブ画面起動時における動作の一例を示す図である。
図17は、帳票出力時における動作の一例を示す図である。
【0033】
言語設定部102aは、
図3に示すように、情報システムで利用する言語を予め設定しておくことができる。例えば、ユーザ単位毎に、ユーザAは日本語、ユーザBは中国語と設定する。また、会社単位毎に、会社Aで使用される言語(社内公用語)は、日本語と設定する。また、帳票の種類毎に、例えば仕訳チェックリストは、自身のチェック用であるためユーザ言語に設定し、仕訳伝票は、会社内で閲覧されるため会社で使用される言語に設定する。このように、従来は、ユーザ毎の言語設定はあったが、会社単位や帳票の種類に応じて言語設定を行うものは無かった。
【0034】
図3の言語設定部102aでの設定に基づいて、ユーザBが情報システムにログインし、日々のデータ登録処理を行う場合は、
図4に示すような画面表示となる。つまり、ユーザBが情報システムにログインする場合は、ユーザIDを入力するため、データ取得部102bがユーザIDを取り込み、言語選択部102cで中国語が選択される。入力画面は、言語変換部102dにより中国語表示に変換され、入力データも中国語入力となる。
図4に示すように、ユーザB自身は、中国語で仕訳入力することが最も効率良いため、仕訳入力画面の文字と入力文字は全て中国語で表示出力される(出力部102e)。
【0035】
また、
図5は、仕訳チェックリストの出力操作画面である。仕訳チェックリストの言語設定は、
図3に示すように、ユーザの言語に設定されている。このため、ユーザBが仕訳チェックリストの出力操作を行う場合は、
図5に示すように、入力画面の文字と入力文字は全て中国語で表示される。そして、仕訳チェックリストの帳票出力は、
図6に示すように、ユーザ言語のため、全て中国語の仕訳チェックリストの帳票が出力される。
【0036】
これに対して、仕訳伝票の出力操作を行う場合は、
図7に示すように、画面操作をユーザB自身が行うため、入力画面と入力文字は全て中国語で表示される。しかし、仕訳伝票の出力操作画面で入力した仕訳伝票を帳票出力する場合は、
図3に示すように、仕訳伝票の言語種類が会社言語と設定されている。このため、仕訳伝票の出力帳票は、
図8に示すように、日本語に変換されて出力される。この時、使用言語切替装置100の言語変換部102dは、入力された中国語をマスタテーブル106aの言語マスタ106a−6により出力言語の日本語に変換され、出力される。
【0037】
(ユーザマスタの設定例)
図1に示すように、使用言語切替装置100の記憶部106のマスタテーブル106aは、
図2に示すように、種々のマスタテーブルが含まれている。例えば、ユーザが情報システムにログインする場合は、
図9−1に示すように、ユーザIDとパスワード入力を行い、認証されると、ログインできる。そして、
図9−2に示すように、ユーザとその使用言語を設定する場合は、言語設定用のアイコンをクリックすると、選択メニューが表示され、ここでは日本語を選択する。これにより、ユーザマスタ106a−2には、
図9−3に示すように、“Manager”というユーザIDの言語設定を日本語“ja”に設定することができる。
【0038】
(会社マスタの設定例)
会社単位での社内公用語の言語設定を行う場合は、会社マスタ106a−1に設定する。会社単位での言語設定画面は、
図10−1に示すように、会社NO、会社正式名、会社名、表示順、言語CD、時差(分)、日付表示順、日付区切りを入力する。これにより、会社マスタ106a−1には、
図10−2に示すように、会社NO“777”の言語設定を中国語“ch”に設定することができる。
【0039】
(ユーザグループマスタの設定例)
ユーザグループの作成とその言語設定は、
図11−1に示すような設定画面で設定する。ユーザグループ名、表示名、ユーザグループ識別子、言語を設定すると、
図11−2に示すように、ユーザグループマスタ106a−3には、ユーザグループAとBの言語を日本語“ja”、ユーザグループCの言語を、中国語“ch”に設定することができる。
【0040】
(ユーザグループメンバの設定例)
ユーザグループメンバの設定を行う場合は、
図12−1に示すようなユーザグループメンバの設定画面で設定する。ユーザグループ名と、所属しているユーザのユーザIDとユーザ名を設定することで、ユーザグループ名とそれに所属しているユーザグループメンバとを紐付けることができる。これにより、
図12−2に示すように、ユーザグループメンバマスタ106a−4には、ユーザグループ名“ユーザグループC”とそれに所属するユーザID“Manager”が設定される。
【0041】
(ジョブマスタの設定例)
ジョブマスタ106a−5は、ジョブ名と出力時における使用言語を設定するものである。ここでは、ジョブIDとして、具体的なジョブ内容を設定し、そのジョブの場合に使用される言語と紐付ける。例えば、
図13に示すように、ジョブIDが“仕訳入力”や“仕訳チェックリスト”の場合は、“0”のユーザ単位の言語が設定され、ジョブIDが“仕訳伝票”の場合は、“1”の会社単位の言語が設定されている。
【0042】
(帳票マスタの設定)
帳票マスタ106a−6は、帳票名と出力時の使用言語とを紐付けるものである。例えば、
図14に示すように、帳票名が“仕訳伝票”の場合は、“1”の会社単位の言語が設定され、帳票名が“仕訳チェックリスト”の場合は、“2”のグループ単位の言語が設定されている。
【0043】
(言語マスタの設定)
言語変換部102dによる言語変換処理は、複数の言語間で対応する言語同士を紐付けた言語マスタ106a−7を作成し、これに基づいて言語の切替処理が行われる。例えば、事業者コードや科目コードなど、コードを使って入力する場合は、コードに対する名称を複数の言語(例えば、日本語と中国語など)からなるマスタを持っていて、出力時にコードに対応する言語に置き換えるようにする。この場合は、簡単な単語の置き換えは可能であるが、摘要等で自由に入力する文章の言語を切り替えることは難しい。このため、摘要に使用する定型文を複数の言語に対応させた摘要マスタ106a−9を予め作成しておき、この摘要マスタ106a−9を用いて定型文を選択するようにすれば、摘要の言語を容易に切り替えることが可能となる。
【0044】
(事務所マスタの設定)
事務所マスタ106a−8は、ユーザによって外国語表記をメンテナンスするものである。
図15−1は、中国語のメンテナンス画面である。これにより、
図15−2に示すように、事務所マスタは、1つの事業所コードに対して、“東京事業所 本社”という事業者名と、事務所マスタ(多言語)では、“東京事業所 本社(中国語表記)”のように同一画面で言語を使い分けて表示することができる。
【0045】
次に、本実施形態に係る使用言語切替装置100を用いて、ジョブ起動時の動作と帳票出力時の動作について
図16と
図17を用いて簡単に説明する。
【0046】
(ジョブ起動時の動作)
業務アプリケーションの画面起動時には、
1.ユーザがログイン処理を行い、
2.使用する会社を選択して、
3.ジョブを起動する。すると、データ取得部102bは、画面に表示する文言の言語を取得するため、ユーザID、会社NO、ジョブIDなどの情報を取り込む。
4.言語選択部102cは、取り込んだジョブIDをもとにマスタテーブル106aのジョブマスタ106a−5から言語種別を取得する。
5.言語種別に応じて使用する言語を判断する。
5.1.言語種別がユーザ単位であった場合は、ユーザIDをもとにユーザマスタ106a−2から使用言語を取得する。
5.2.言語種別が会社単位であった場合は、会社NOをもとに会社マスタ106a−1から使用言語を取得する。
5.3.言語種別がユーザグループ単位であった場合は、ユーザIDをもとにユーザグループメンバからユーザの所属するユーザグループ名を取得する。そして、そのユーザグループ名をもとにユーザグループマスタ106a−3から言語を取得する。
6.このようにして取得した言語を使用して、事業所マスタ(多言語)106a−8等のマスタから画面表示用のデータを取得する。これにより、言語変換部102dは、画面表示文言の言語に変換し、
7.出力部102eから画面をモニタなどの出力装置114に表示する。
【0047】
(帳票出力時の動作)
帳票出力時には、
1.ユーザが帳票ジョブを起動する。
2.帳票の出力ボタンを押下すると、データ取得部102bは、帳票に出力する文言の言語を取得するため、ユーザID、会社NO、帳票IDなどの情報を取り込む。
3.言語選択部102cは、取り込んだ帳票名をもとにマスタテーブル106aの帳票マスタ106a−6から言語種別を取得する。
4.言語種別に応じて使用する言語を判断する。
4.1.言語種別がユーザ単位であった場合は、ユーザIDをもとにユーザマスタ106a−2から使用言語を取得する。
4.2.言語種別が会社単位であった場合は、会社NOをもとに会社マスタ106a−1から使用言語を取得する。
4.3.言語種別がユーザグループ単位であった場合は、ユーザIDをもとにユーザグループメンバからユーザの所属するユーザグループ名を取得する。そして、そのユーザグループ名をもとにユーザグループマスタ106a−3から言語を取得する。
5.このようにして取得した言語を使用して、事業所マスタ(多言語)106a−8等のマスタから帳票表示用のデータを取得する。これにより、言語変換部102dは、画面表示文言の言語に変換し、
6.出力部102eからモニタに画面表示すると共に、プリンタなどの出力装置114から帳票を出力する。
【0048】
[4.本実施形態のまとめおよび他の実施形態]
以上説明したように、本実施形態に係る使用言語切替装置100は、ユーザ単位だけでなく、会社単位といった複数の軸を用いて言語設定が行えるようにしたため、例えば、出力される書類に応じてユーザ単位、あるいは会社単位のどちらの設定言語を用いるべきかを予め設定した帳票マスタ106a−6を作成し、帳票の種類に適した言語に切り替えることで印字出力することができる。また、状況に応じて適切な言語に切り替えて、画面表示を行うこともできる。さらに、情報システムの端末機器を用いてデータ入力する場合は、ユーザの使用する言語がユーザインタフェース(UI)であるディスプレイ上に表示され、ユーザの使用する言語でデータ入力することができる。また、同じユーザが情報システムの端末機器を用いて仕訳入力処理を行う場合は、ユーザの使用する言語で仕訳入力を行うことができ、仕訳入力後にその内容をチェックする仕訳チェックリストを印字出力する場合は、ユーザ自身がチェックし易いように、ユーザの使用する言語で仕訳チェックリストを出力することができる。さらに、仕訳チェックリストでチェックした仕訳伝票を印字出力する場合は、会社内での承認のために回覧され、社内文書として保存されるものであるため、社内公用語としての言語で仕訳伝票が出力される。このように、会社マスタ106a−1により、会社の公用語が用いられる場面では、公用語とされる言語に切り替えて出力することができる。
【0049】
また、本実施形態に係る使用言語切替装置によれば、システムを使うユーザ単位の言語設定に加えて、会社単位、事業所単位、部署単位といった属性単位の言語設定に応じて使用言語の切り替えが幅広く行えるため、ユーザがデータ登録する際の言語、あるいは、登録されたデータを帳票等の書類として印刷出力する際の言語を適宜切り替えることが可能となり、1つのシステムを使用言語の異なる複数ユーザが利用する場合であっても、利便性の高いシステムを構築することができる。
【0050】
なお、出力書類の一例として、上記実施形態では、帳票の例を上げて説明したが、必ずしもこれに限定されず、全ての社内文書がこれに該当する。
【0051】
また、上記実施形態では、ユーザ単位、あるいは、会社単位のどちらか片方だけの言語を設定するようにしても良いが、本実施形態に係る使用言語切替装置は、両方の言語を設定し、必要に応じて使用する言語を切り替えるようにしても勿論良い。
【0052】
さらに、上記実施形態では、業務アプリケーションの表示言語を切り替える機能において、システム単位・ユーザ単位だけではなく、使用している画面・帳票の種類ごとに誰が決める言語を使用するべきかを設定することもでき、その設定に応じて使用する言語を切り替えるように構成することもできる。
【0053】
これにより、本実施形態に係る使用言語切替装置は、プログラムを作り変えることなく指定された言語で画面の表示や帳票の文言の表示を行うことが出来る仕組みを備えている。このため、対外帳票や社内文書をシステムを使用するユーザによらずに、組織の定める言語で出力することができ、より円滑な社内での情報のやり取りが可能となる。
【0054】
また、上記実施形態では、マスタテーブル106aに例示したような各種マスタを用いて自動で言語設定を行うだけでなく、状況に応じてユーザが言語を任意に選択することも可能である。例えば、あるユーザの使用する言語とは異なる言語の会議資料を作成する場合は、ユーザの使用する言語でデータ入力を行うが、資料に使われる言語はユーザが任意に選択した言語で印字出力することもできる。また、資料作成前に言語を切り替えて試し出力することにより、言語毎の資料のチェックも行うことができる。このように、言語の切替をデフォルト設定とマニュアル設定との両方が選択できるようにすることで、言語選択の自由度を一層向上させることができる。
【0055】
また、上記実施形態では、上記作成した各種マスタの中から適切な言語を選択するようにしても良いが、入力時に使用する言語、画面上に表示される言語、印字出力される言語というように、システムで使用する個々の場面で使用される言語を何語に設定すれば一番良いかを種々の条件に基づいて最終的な言語を決定するための言語設定クラスを構築しても良い。
【0056】
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0057】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0058】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0059】
また、使用言語切替装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0060】
例えば、使用言語切替装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて使用言語切替装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0061】
また、このコンピュータプログラムは、使用言語切替装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0062】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0063】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0064】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0065】
また、使用言語切替装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、使用言語切替装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0066】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。