【課題】相手方補強金具と接触する部分までのばね長を長くすることができ、補強金具と相手方補強金具との係合状態を確実に維持することができ、補強金具と相手方補強金具との導通状態を確実に維持することができ、信頼性が高くなるようにする。
【解決手段】補強金具は、嵌合ガイド部に固定される本体部と、本体部の左右両端に基端が接続され、コネクタ本体の長手方向に延在し、嵌合ガイド部の側壁部の外側に配設される左右一対の接続腕部と、接続腕部の先端における上端に基端が接続され、相手方コネクタ本体に装填された相手方補強金具と接触する左右一対の接触腕部とを含み、接続腕部の基端における下端には、基板上の接続パッドに接続される第1接続脚部であって、コネクタの側方から観た形状が略L字状の第1接続脚部の上端が接続されている。
前記第1接続脚部は、上下方向に向けて延在する垂直部と、該垂直部からコネクタ本体の長手方向外方に向いて延出する水平部とを含み、該水平部の下端が前記接続パッドに接続される請求項1に記載のコネクタ。
前記本体部の下端には、基板上の接続パッドに接続される第2接続脚部であって、前記コネクタの側方から観た形状が略L字状の第2接続脚部の上端が接続されている請求項1又は2に記載のコネクタ。
前記本体部及び接続腕部の側面には、ニッケルの下地めっきの上に金めっきが施され、前記バリア部は、前記金めっきにレーザビームが照射されたことによって、ニッケルが表面に露出した部分である請求項7に記載のコネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の実施の形態における第1コネクタの斜視図、
図2は本発明の実施の形態における第1コネクタの斜め上から観た分解図、
図3は本発明の実施の形態における第1コネクタの斜め下から観た分解図、
図4は本発明の実施の形態における第1コネクタの側面図、
図5は本発明の実施の形態における第1補強金具の六面図である。なお、
図1において、(a)は斜め上から観た図、(b)は斜め下から観た図であり、
図5において、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は(c)におけるA−A矢視断面図、(e)は上面図、(f)は下面図である。
【0023】
図において、1は本実施の形態におけるコネクタであって、一対の基板対基板コネクタの一方としての第1コネクタである。該第1コネクタ1は、実装部材としての図示されない基板である第1基板の表面に実装される表面実装型のコネクタであって、後述される相手方コネクタとしての第2コネクタ101と互いに嵌合される。また、該第2コネクタ101は一対の基板対基板コネクタの他方であり、実装部材としての図示されない基板である第2基板の表面に実装される表面実装型のコネクタである。
【0024】
なお、本実施の形態における第1コネクタ1及び第2コネクタ101は、好適には、基板としての第1基板及び第2基板を電気的に接続するために使用するものであるが、他の部材を電気的に接続するためにも使用することができる。前記第1基板及び第2基板は、例えば、電子機器等に使用されるプリント回路基板、フレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)、フレキシブル回路基板(FPC:Flexible Printed Circuit)等であるが、いかなる種類の基板であってもよい。
【0025】
また、本実施の形態において、第1コネクタ1及び第2コネクタ101の各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記第1コネクタ1及び第2コネクタ101の各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0026】
そして、前記第1コネクタ1は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成されたコネクタ本体としての第1ハウジング11を有する。該第1ハウジング11は、図に示されるように、概略直方体である概略長方形の厚板状の形状を備え、第2コネクタ101が嵌入される側、すなわち、嵌合面11a側(
図2における上側)には、周囲が囲まれた概略長方形の凹部12が形成されている。そして、該凹部12内には島部としての第1凸部13が第1ハウジング11と一体的に形成され、また、前記第1凸部13の両側には該第1凸部13と平行に延在する側壁部14が第1ハウジング11と一体的に形成されている。
【0027】
この場合、前記第1凸部13及び側壁部14は、凹部12の底面から上方に向けて突出し、第1ハウジング11の長手方向に延在する。これにより、前記第1凸部13の両側には、凹部12の一部として、第1ハウジング11の長手方向に延在する細長い凹部である凹溝部12aが形成される。
【0028】
ここで、前記第1凸部13の両側の側面には凹溝状の第1端子収容内側キャビティ15aが形成されている。また、前記側壁部14の内側の側面には凹溝状の第1端子収容外側キャビティ15bが形成されている。そして、前記第1端子収容内側キャビティ15aと第1端子収容外側キャビティ15bとは、凹溝部12aの底面において連結され互いに一体化しているので、第1端子収容内側キャビティ15aと第1端子収容外側キャビティ15bとを統合的に説明する場合には、第1端子収容キャビティ15として説明する。
【0029】
本実施の形態において、第1端子収容キャビティ15は、第1ハウジング11の長手方向に並んで該第1ハウジング11の幅方向両側に形成されている。具体的には、第1凸部13の両側に、所定のピッチで複数個ずつ形成されている。そして、第1端子収容キャビティ15の各々に収容される端子としての第1端子61も、第1凸部13の両側に、同様のピッチで複数個ずつ配設されている。
【0030】
前記第1端子61は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、被保持部63と、該被保持部63の下端に接続されたテール部62と、前記被保持部63の上端に接続された上側接続部67と、該上側接続部67の内方端近傍に形成された第2接触部66と、該第2接触部66に接続された下側接続部64と、該下側接続部64の自由端近傍に形成された第1接触部65とを備える。
【0031】
そして、前記被保持部63は、上下方向、すなわち、第1ハウジング11の厚さ方向に延在し、前記第1端子収容外側キャビティ15bに嵌入されて保持される部分である。また、前記テール部62は、被保持部63に対して曲げて接続され、左右方向、すなわち、第1ハウジング11の幅方向の外方を向いて延出し、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、典型的には、信号ラインである。さらに、前記上側接続部67は、被保持部63に対して曲げて接続され、第1ハウジング11の幅方向の内方を向いて延出する。
【0032】
前記上側接続部67の内方端には、下方に向けて曲げられ、かつ、第1ハウジング11の幅方向に内方を向いて突出する湾曲した第2接触部66が形成されている。また、前記下側接続部64は、前記第2接触部66の下端に接続されたU字状の側面形状を備える部分である。前記下側接続部64の自由端、すなわち、前記内方の上端近傍には、U字状に曲げられ、かつ、第1ハウジング11の幅方向に外方を向いて突出する湾曲した第1接触部65が形成されている。
【0033】
前記第1端子61は、実装面11b側(
図3における下側)から、第1端子収容キャビティ15内に嵌入され、被保持部63が側壁部14の内側の側面に形成された第1端子収容外側キャビティ15bの側壁によって両側から挟持されることにより、第1ハウジング11に固定される。この状態、すなわち、第1端子61が第1ハウジング11に装填された状態において、前記第1接触部65と第2接触部66とは、凹溝部12aの左右両側に位置し、互いに向合っている。
【0034】
なお、第1端子61は、金属板に加工を施すことによって一体的に形成された部材であるので、ある程度の弾性を備える。そして、その形状から明らかなように、互いに向合う第1接触部65と第2接触部66との間隔は、弾性的に変化可能である。すなわち、第1接触部65と第2接触部66との間に第2コネクタ101が備える後述される第2端子161が挿入されると、それにより、第1接触部65と第2接触部66との間隔は弾性的に伸長する。
【0035】
また、前記第1ハウジング11の長手方向両端には嵌合ガイド部としての第1突出端部21が各々配設されている。各第1突出端部21には、前記凹部12の一部として嵌合凹部22が形成されている。該嵌合凹部22は、略長方形の凹部であり、各凹溝部12aの長手方向両端に接続されている。そして、前記嵌合凹部22内には、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合された状態において、該第2コネクタ101が備える後述される第2突出端部122が挿入される。
【0036】
さらに、前記第1突出端部21は、側壁部14の長手方向両端から第1ハウジング11の長手方向に延出する第1突出端部21の側壁部としての側壁延長部21cと、第1ハウジング11の幅方向に延在し、両端が側壁延長部21cに接続された端壁部21bとを備える。各第1突出端部21において、端壁部21bとその両端に接続された側壁延長部21cとは、連続した略コ字状の側壁を形成し、略長方形の嵌合凹部22の三方を画定する。
【0037】
そして、前記第1突出端部21には、補強金具としての第1補強金具51が取付けられる。該第1補強金具51は、第1突出端部21に形成された第1金具保持凹部26内に収容されて保持される。該第1金具保持凹部26は、嵌合面側から観て、連続した略コ字状であり、第1突出端部21の上面21aに開口し、該上面21aから第1ハウジング11の厚さ方向下向きに延出するスリット状の空間である。
【0038】
また、前記端壁部21b及び側壁延長部21cによって形成された略コ字状の側壁は、第1金具保持凹部26によって内壁部21fと外壁部21kとに分割される。前記内壁部21fは、略コ字状であって、側壁部14の長手方向両端に連結されている。一方、外壁部21kは、端壁部21bの中央部近傍に対応する部分のみが存在し、端壁部21bの両端部近傍に対応する部分及び側壁延長部21cに対応する部分は欠落している。そして、前記第1金具保持凹部26は、端壁部21bの両端部近傍に対応し、端壁部21bの外面に開口する第1接続腕部収容開口部26e、及び、側壁延長部21cに対応し、該側壁延長部21cの外面に開口する第2接続腕部収容開口部26aを備える。外壁部21kの中央部21gの外壁面は、第1ハウジング11の長手方向の最外側面である。
【0039】
さらに、前記端壁部21bにおける内側面には、第1凸部13に向けて突出する内端凸部25が形成されている。該内端凸部25における第1凸部13と対向する対向平面25aは、第1コネクタ1の各部の第1ハウジング11の長手方向に関する位置決めを行う際の基準面として機能する平面である。
【0040】
本実施の形態において、第1補強金具51は、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第1ハウジング11の外壁部21kの中央部21gに固定される本体部としての第1本体部52と、該第1本体部52の左右両端に接続された接続腕部53と、該接続腕部53に接続された接触腕部54と、前記第1本体部52の上端に接続された中央ガイド部57とを備える。なお、前記接触腕部54は、接続腕部53に接続された接触上腕部54Aと、該接触上腕部54Aに接続された接触前腕部54Bとを含んでいる。
【0041】
前記第1本体部52は、全体的に第1ハウジング11の幅方向に延在する細長い帯状の部材であるが、その左右両端には、前記第1本体部52に対して曲げて接続され、先端が第1ハウジング11の長手方向の内方を向いて延出するコーナ部52aが接続されている。したがって、両端のコーナ部52aを含む第1本体部52は、上方から観て、すなわち、平面視において略コ字となっている。
【0042】
また、前記第1本体部52の下端には、第1基板に接続される接続脚部として第2接続脚部56bが接続されている。該第2接続脚部56bは、上端近傍が、第1本体部52と同様に、上下方向(第1ハウジング11の厚さ方向)に延在するが、途中から曲がり、先端が第1ハウジング11の長手方向の外方を向いており、第1コネクタ1の側方から観た形状が略L字状となっている。そして、前記第2接続脚部56bは、その先端の下端が、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続固定される。なお、前記導電トレースは、典型的には、電力ラインである。
【0043】
そして、前記コーナ部52aの先端に接続腕部53が接続されている。該接続腕部53は、第1ハウジング11の長手方向及び厚さ方向に延在する平板状の部分であり、その基端における下端に、第1基板に接続される接続脚部として第1接続脚部56aが接続され、その先端における上端に、前記接触上腕部54Aが接続されている。
【0044】
前記第1接続脚部56aは、接続腕部53と同様に、第1ハウジング11の長手方向及び厚さ方向に延在する平板状の部分であり、第1コネクタ1の側方から観た形状が略L字状となっている。具体的には、前記第1接続脚部56aは、上下方向(第1ハウジング11の厚さ方向)に延在し、上端が接続腕部53に接続される垂直部56a1と、該垂直部56a1の下端から第1ハウジング11の長手方向外方に向いて延出する水平部56a2とを含んでいる。そして、前記第1接続脚部56aは、その下端(水平部56a2の下端)が第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続固定される。なお、前記導電トレースは、典型的には、電力ラインである。
【0045】
また、前記接触上腕部54Aは、基端が接続腕部53の上端に接続され、先端が下方を向くように、約180度湾曲した形状を備え、側壁延長部21cの上を跨ぐ上側覆部54aと、該上側覆部54aの先端に基端が接続され、下方を向いて延出し、側壁延長部21cの内側に配設される内側覆部54bとを備える。前記上側覆部54aは、
図1に示すような第1補強金具51が第1突出端部21に取付けられた状態において、側壁延長部21cの一部の上面を覆うように形成されている。
【0046】
さらに、前記接触前腕部54Bは、基端が内側覆部54bの下端における前端(第1ハウジング11の長手方向内側端)に接続され、第1ハウジング11の長手方向の内方を向いて延出する。なお、前記接触前腕部54Bは、第1ハウジング11の幅方向の内方を向いて膨出する湾曲凸部54cを備える。該湾曲凸部54cは、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合した状態において、該第2コネクタ101の後述される第2補強金具151が備える接触側板部155と接触する部分である。
【0047】
なお、第1補強金具51は、金属板に加工を施すことによって一体的に形成された部材であるので、ある程度の弾性を備える。前記第1補強金具51の板厚は、全体に亘(わた)ってほぼ一定である。そして、その形状から明らかなように、互いに向合う左右の湾曲凸部54c同士の間隔は、弾性的に変化可能である。すなわち、左右の湾曲凸部54c同士の間に第2コネクタ101の第2補強金具151が挿入されると、それにより、左右の湾曲凸部54c同士の間隔は弾性的に伸長する。
【0048】
前述のように、第1接続脚部56aの下端及び第2接続脚部56bの下端は、第1基板の接続パッドに接続固定される。したがって、接触前腕部54Bの湾曲凸部54cが弾性的に変位するようにばねとして機能する部分は、2つの接続脚部のうちで湾曲凸部54cのより近くに位置する第1接続脚部56aの下端から接触前腕部54Bの湾曲凸部54cまでの部分である。つまり、第1接続脚部56a、接続腕部53、接触上腕部54A及び接触前腕部54Bを合計した部分のばね長は、該部分に沿った経路上の、第1接続脚部56aの下端から湾曲凸部54cまでの距離である。
【0049】
本実施の形態において、第1コネクタ1の側方から観た形状が略L字状の第1接続脚部56aは、接続腕部53の基端(第1ハウジング11の長手方向外側端)における下端に接続され、かつ、その先端が第1ハウジング11の長手方向の外方を向いている。これにより、第1接続脚部56aの下端から湾曲凸部54cまでの距離であるばね長を、長くすることができ、接触前腕部54Bの湾曲凸部54cの弾性的な変位量を大きくすることができる。したがって、前記湾曲凸部54cは、第2補強金具151の接触側板部155との接触を確実に維持することができる。
【0050】
また、第1接続脚部56aの下端及び第2接続脚部56bの下端が接続固定された第1基板の接続パッドが電力ラインに連結されたものであるとすると、第1補強金具51が電力用端子としても機能し、第1補強金具51に電流が流れることとなる。この場合、第2接続脚部56bの下端からの電流と、第1接続脚部56aの下端からの電流とが接続腕部53において合流し、接触前腕部54Bにまで流れることとなる。
【0051】
本実施の形態において、接続腕部53の幅寸法は、
図4に示されるようになっている。接続腕部53の基端、すなわち、第1本体部52のコーナ部52aに接続された部分であって、第1接続脚部56aの後端56rとの接続部分の幅寸法W1よりも、第1接続脚部56aの前端56fとの接続部分の幅寸法W2の方が大きくなっている。なお、第1本体部52における第2接続脚部56bとの接続部分からコーナ部52aの先端までに亘る部分の幅寸法は、幅寸法W1とほぼ等しくなっている。そして、接続腕部53の先端における上端、すなわち、接触上腕部54Aが接続された部分であって、接触上腕部54Aの前端54f及び後端54rとの接続部分の幅寸法W4は、幅寸法W2とほぼ等しくなっている。また、接触上腕部54Aにおける基端から先端までに亘る全体の幅寸法は、幅寸法W4とほぼ等しくなっている。さらに、接続腕部53の先端における下端の外形形状は、接触上腕部54Aの後端54rを中心とする円弧状となっているが、その半径寸法W3は、幅寸法W1よりやや大きくなっている。
【0052】
このように、接続腕部53における第1接続脚部56aの前端56fよりも先端寄りの部分及び接触腕部54の幅は、より具体的には、接続腕部53における第1接続脚部56aの前端56fよりも先端寄りの部分から接触上腕部54Aの先端までの経路の幅は、第1本体部52における第2接続脚部56bとの接続部分から接触前腕部54Bの基端までの経路の幅よりも大きく設定されている。したがって、第2接続脚部56bの下端からの電流に、第1接続脚部56aの下端からの電流が合流し、より多くの電流が接触前腕部54Bにまで流れるようになっても、経路の幅が増大しているので、導電抵抗が低く、発熱等の問題が生じることがない。
【0053】
また、第1接続脚部56aは、接続腕部53と面一で、第1ハウジング11の長手方向及び厚さ方向に延在する平板状となっているので、第1ハウジング11の幅方向外側に突出しない。したがって、第1基板の表面における第1コネクタ1の実装面積が増加してしまうことがない。また、第1接続脚部56aは、第1コネクタ1の側方から観た形状が略L字状なので、第1基板の接続パッドに接続固定される部分である下端の面積が大きくなっている。したがって、第1接続脚部56aの接続パッドへの固定がより確実になるとともに、第1接続脚部56aと接続パッドとの間の接続抵抗を低くすることができる。
【0054】
さらに、
図5に示されるように、第1接続脚部56aを含む接続腕部53の表側及び裏側の側面、並びに、第2接続脚部56bを含む第1本体部52の表側及び裏側の側面には、はんだ上がり又はフラックス上がりを防止するためのバリア部58が形成されていることが望ましい。該バリア部58は、第1接続脚部56aを含む接続腕部53の前後方向及び第2接続脚部56bを含む第1本体部52の幅方向に延在する連続する帯状の部分であり、第1接続脚部56a及び第2接続脚部56bを第1基板の接続パッドにはんだ付する際に、溶融したはんだ又ははんだに含まれるフラックスが溶融して第1接続脚部56a及び第2接続脚部56bの側面に沿って上昇する現象である、はんだ上がり又はフラックス上がりを防止する。
【0055】
具体的には、第1補強金具51が、金属板の表面に下地めっきとしてニッケル(Ni)めっきが施された部材であり、第1接続脚部56aを含む接続腕部53の表側及び裏側の側面、並びに、第2接続脚部56bを含む第1本体部52の表側及び裏側の側面には更に金(Au)めっきが施されているとすると、
図5(b)、(d)〜(f)に示されるようにレーザビーム59を照射することによって、該レーザビーム59が照射された部分では金が溶融してニッケルが表面に露出し、前記バリア部58が形成される。
【0056】
例えば、
図5(b)及び(e)に示されるように、斜め方向に照射されているレーザビーム59−1及び59−2に対して、第1補強金具51を
図5(e)において上から下に移動させることにより、第1接続脚部56aを含む接続腕部53及び第2接続脚部56bを含む第1本体部52の表側の側面にバリア部58が形成される。また、
図5(d)及び(f)に示されるように、斜め方向に照射されているレーザビーム59−3及び59−4に対して、第1補強金具51を
図5(f)において上から下に移動させることにより、第1接続脚部56aを含む接続腕部53及び第2接続脚部56bを含む第1本体部52の裏側の側面にバリア部58が形成される。なお、レーザビーム59−1〜59−4を統合的に説明する場合には、レーザビーム59として説明する。
【0057】
この場合、第1コネクタ1の側方から観た形状が略L字状の第1接続脚部56aが、接続腕部53と面一で、第1ハウジング11の長手方向及び厚さ方向に延在する平板状となっていて、接続腕部53の第1ハウジング11の長手方向外側端における下端に接続され、かつ、その先端が第1ハウジング11の長手方向の外方を向いているので、第1接続脚部56aの下端にレーザビーム59が照射されることがない。したがって、第1接続脚部56aの下端にバリア部58が形成されてしまうことがないので、第1接続脚部56aの下端を第1基板の導電トレースに連結された接続パッドに確実にはんだ付することができる。
【0058】
前記中央ガイド部57は、第1補強金具51が第1突出端部21に取付けられた状態において、内壁部21fの上面及び端壁部21bにおける内側面の一部を覆う部材である。そして、前記中央ガイド部57は、基端が第1本体部52の上端に接続され、先端が斜め下方を向くように湾曲した形状の上側覆部57aと、該上側覆部57aの先端に基端が接続され、先端が下方を向いて延出する内側覆部57bとを備える。
【0059】
なお、該内側覆部57bの下端中央部には、内端凸部25を収容する凸部収容開口57cが形成され、これにより、第1補強金具51が第1突出端部21に取付けられた状態においても、対向平面25aは嵌合凹部22内に露出する。また、前記凸部収容開口57cが内端凸部25と嵌合することによって、第1補強金具51の第1突出端部21に対する位置決めが行われる。
【0060】
次に、第2コネクタ101の構成について説明する。
【0061】
図6は本発明の実施の形態における第2コネクタの斜視図、
図7は本発明の実施の形態における第2コネクタの斜め上から観た分解図、
図8は本発明の実施の形態における第2コネクタの斜め下から観た分解図である。なお、
図6において、(a)は斜め上から観た図、(b)は斜め下から観た図である。
【0062】
本実施の形態における相手方コネクタとしての第2コネクタ101は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成された相手方コネクタ本体としての第2ハウジング111を有する。該第2ハウジング111は、図に示されるように、概略直方体である概略長方形の厚板状の形状を備える。そして、第2ハウジング111の第1コネクタ1に嵌入される側、すなわち、嵌合面111a側(
図7における上側)には、第2ハウジング111の長手方向に延在する細長い凹溝部113と、該凹溝部113の外側を画定するとともに、第2ハウジング111の長手方向に延在する細長い凸部としての第2凸部112とが一体的に形成されている。該第2凸部112は、凹溝部113の両側に沿って、かつ、第2ハウジング111の両側に沿って形成されている。
【0063】
また、各第2凸部112には、相手方端子としての第2端子161が配設されている。該第2端子161は、第1端子61に対応するピッチで、かつ、対応する数だけ配設されている。前記凹溝部113は、第2基板に実装される側、すなわち、実装面111b側(
図8における下側)が底板によって閉止されている。
【0064】
前記第2端子161は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、図示されない本体部と、該本体部の下端に接続されたテール部162と、前記本体部の上端に接続された第1接触部165と、該第1接触部165の上端に接続された接続部164と、該接続部164の外方端に接続された第2接触部166とを備える。
【0065】
そして、前記本体部は、第2ハウジング111に周囲を囲まれて保持される部分であり、図示されない部分である。また、前記テール部162は、本体部の左右方向、すなわち、第2ハウジング111の幅方向に延在する下端に接続され、第2ハウジング111の外方を向いて延出し、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、典型的には、信号ラインである。
【0066】
前記第2端子161は、オーバーモールド乃至インサート成形と称される成形方法によって第2ハウジング111と一体化される。すなわち、第2ハウジング111は、第2端子161をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に絶縁性材料を充填することによって成形される。これにより、第2端子161は、本体部が第2ハウジング111内に埋没し、第1接触部165、接続部164及び第2接触部166の表面が第2凸部112の各側面及び嵌合面111aに露出した状態で、第2ハウジング111に一体的に取付けられる。
【0067】
そして、前記第2ハウジング111の長手方向両端には相手方嵌合ガイド部としての第2突出端部122が各々配設されている。該第2突出端部122は、第2ハウジング111の幅方向に延在し、両端が各第2凸部112の長手方向両端に接続された肉厚の部材であり、その上面は略長方形の形状を備える。そして、前記第2突出端部122は、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合された状態において、前記第1コネクタ1が備える第1突出端部21の嵌合凹部22に挿入される挿入凸部として機能する。
【0068】
また、前記第2突出端部122は、第2ハウジング111の長手方向に延在する側壁部122bと、両端が側壁部122bに接続された端壁部122aと、補強金具収容凹部122cとを備える。そして、相手方補強金具としての第2補強金具151は、前記補強金具収容凹部122cに収容され、第2突出端部122に取付けられる。
【0069】
本実施の形態における第2補強金具151は、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第2ハウジング111の幅方向に延在する細長い帯状の第2本体部152と、該第2本体部152の上端に接続された中央覆部157と、該中央覆部157の左右両端に接続された側方覆部154と、該側方覆部154の一側縁に接続された保持用突出片158と、前記側方覆部154の他側縁に接続された接触側板部155と、該接触側板部155の下端に接続された基板接続部156とを備える。
【0070】
前記中央覆部157は、
図6に示されるように、第2補強金具151が第2突出端部122に取付けられた状態において、該第2突出端部122の上面の大半を覆う程度の形状及び大きさに形成された部材である。
【0071】
また、前記側方覆部154は、中央覆部157の左右両端から第2ハウジング111の長手方向に延出し、第2凸部112の長手方向両端近傍の上面と平行になる部材である。そして、前記接触側板部155は、第2凸部112の長手方向両端近傍の外側の側面と平行になる部材である。また、前記保持用突出片158は、第2凸部112の長手方向両端近傍の内側の側面と平行になる部材である。なお、側方覆部154とその両側縁に接続された保持用突出片158及び接触側板部155とは、連続したU字状の形状を備える。
【0072】
さらに、前記基板接続部156は、第2ハウジング111の外方を向いて延出し、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続固定される。前記導電トレースは、典型的には、電力ラインである。
【0073】
次に、前記構成の第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させる動作について説明する。
【0074】
図9は本発明の実施の形態におけるコネクタの嵌合工程が完了した状態を示す斜視図、
図10は本発明の実施の形態におけるコネクタの嵌合工程が完了した状態の第1補強金具及び第2補強金具を示す斜視図である。なお、
図9及び10において、(a)は第2コネクタ側から観た図、(b)は第1コネクタ側から観た図である。
【0075】
ここで、第1コネクタ1は、第1端子61のテール部62が図示されない第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されるとともに、第1補強金具51の第1接続脚部56a及び第2接続脚部56bが第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されることにより、第1基板に表面実装されているものとする。なお、前記第1端子61のテール部62が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、信号ラインであり、前記第1補強金具51の第1接続脚部56a及び第2接続脚部56bが接続される接続パッドに連結された導電トレースは、電力ラインであるものとする。
【0076】
同様に、第2コネクタ101は、第2端子161のテール部162が図示されない第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されるとともに、第2補強金具151の基板接続部156が第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されることにより、第2基板に表面実装されているものとする。なお、前記第2端子161のテール部162が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、信号ラインであり、前記第2補強金具151の基板接続部156が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、電力ラインであるものとする。
【0077】
まず、オペレータは、第1コネクタ1の第1ハウジング11の嵌合面11aと第2コネクタ101の第2ハウジング111の嵌合面111aとを対向させた状態とし、第2コネクタ101の第2凸部112の位置が第1コネクタ1の対応する凹溝部12aの位置と合致し、第2コネクタ101の第2突出端部122の位置が第1コネクタ1の対応する嵌合凹部22の位置と合致すると、第1コネクタ1と第2コネクタ101との位置合せが完了する。
【0078】
この状態で、第1コネクタ1及び/又は第2コネクタ101を相手側に接近する方向、すなわち、嵌合方向に移動させると、第2コネクタ101の第2凸部112及び第2突出端部122が第1コネクタ1の凹溝部12a及び嵌合凹部22内に挿入される。これにより、
図9に示されるように、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、第1端子61と第2端子161とが導通した状態となる。
【0079】
具体的には、各第1端子61の第1接触部65と第2接触部66との間に第2コネクタ101の第2端子161が挿入され、第1端子61の第1接触部65と第2端子161の第1接触部165とが接触し、第1端子61の第2接触部66と第2端子161の第2接触部166とが接触する。その結果、第1端子61のテール部62が接続された第1基板上の接続パッドに連結された導電トレースと、第2端子161のテール部162が接続された第2基板上の接続パッドに連結された導電トレースとが導通する。
【0080】
そして、第1端子61のばね部としての機能によって、第1接触部65と第2接触部66とが第2端子161を両側から挟持する。これにより、第2端子161が第1端子61によって強固に保持されるので、第2端子161が第1端子61から離脱することが防止され、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が確実に維持される。
【0081】
ところで、面積の広い第1基板及び第2基板に第1コネクタ1及び第2コネクタ101が各々実装されているので、オペレータは、第1コネクタ1の嵌合面と第2コネクタ101の嵌合面とを目視することができず、手探りで嵌合作業を行うこととなる。すると、手探りなので正確な位置合せをすることができず、第1コネクタ1の位置と第2コネクタ101の位置とがずれてしまうことがある。例えば、第1コネクタ1に対して第2コネクタ101が位置ずれした状態であって、かつ、第1コネクタ1の嵌合面に対して第2コネクタ101の嵌合面が傾斜した状態となることがある。
【0082】
このような状態で、オペレータが第1コネクタ1及び/又は第2コネクタ101を嵌合方向に移動させると、第1コネクタ1のいずれか一方の第1突出端部21に、第2コネクタ101のいずれか一方の第2突出端部122が当接してしまい、前記第1突出端部21は、第2突出端部122から嵌合方向の、すなわち、
図2における上から下へ向けた大きな押圧力を受けることとなる。
【0083】
しかし、本実施の形態においては、第1突出端部21には第1補強金具51が取付けられ、第1突出端部21は第1補強金具51の中央ガイド部57及び接触上腕部54Aによって覆われているので、第2突出端部122から大きな押圧力を受けても、該押圧力は、第1補強金具51の第1接続脚部56a及び第2接続脚部56bを介して第1基板に伝達されるので、前記第1突出端部21にはほとんど伝達されることがない。したがって、前記第1突出端部21が損傷を受けたり、破損したりしてしまうことがない。
【0084】
また、第2突出端部122には第2補強金具151が取付けられ、第2突出端部122は第2補強金具151の中央覆部157及び側方覆部154によって覆われているので、第1突出端部21から大きな押圧力を受けても、該押圧力は、第2補強金具151の基板接続部156を介して第2基板に伝達されるので、前記第2突出端部122にはほとんど伝達されることがない。したがって、前記第2突出端部122が損傷を受けたり、破損したりしてしまうことがない。
【0085】
そして、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、第1端子61と第2端子161とが導通した状態となるとともに、第1コネクタ1が備える第1補強金具51と第2コネクタ101が備える第2補強金具151とが相互に係合した状態となる。これにより、第1補強金具51と第2補強金具151とが導通した状態となり、電力ラインの導通が維持される。
【0086】
具体的には、
図10に示されるように、第1補強金具51の内側に第2補強金具151が挿入され、第1補強金具51の左右の接触前腕部54Bにおける湾曲凸部54cが第2補強金具151の左右の接触側板部155に接触する。この際、左右の湾曲凸部54cは、第2補強金具151の左右の接触側板部155によって押広げられ、第1ハウジング11の幅方向外側へ、すなわち、外方へ変位する。すると、接触前腕部54B、該接触前腕部54Bが接続された接触上腕部54A及び該接触上腕部54Aが接続された接続腕部53が備えるばね性によって、すなわち、ばね部としての機能によって、前記湾曲凸部54cの表面が接触側板部155の表面に押圧される。
【0087】
これにより、湾曲凸部54cの表面と接触側板部155の表面との接触が確実に維持されるので、第1補強金具51と第2補強金具151との導通が確実に維持される。
【0088】
ここで、第1補強金具51は、第1接続脚部56a、接続腕部53、接触上腕部54A及び接触前腕部54Bまでの長いばね長を備える。したがって、湾曲凸部54cは、長いばね長を備えるばね部である第1接続脚部56aから接触前腕部54Bまでの部分の自由端に位置し、弾性的な変位量が大きくなっている。これにより、第1基板及び第2基板が実装されている電子機器等が落下したり外力を受けたりする際に発生する振動や衝撃が伝達され、第1補強金具51に対して第2補強金具151が相対的に変位した場合であっても、湾曲凸部54cは、接触側板部155の変位に追従して接触状態を維持することができるので、第1補強金具51と第2補強金具151との導通状態が確実に維持され、導通が一時的に遮断される、いわゆる瞬断と呼ばれる現象が発生することがない。
【0089】
また、第1補強金具51は、第1接続脚部56a及び第2接続脚部56bが、第1基板の電力ラインに連結された接続パッドに接続されているので、大電流を流すことができる。この場合、第1接続脚部56aからの電流と第2接続脚部56bからの電流とが、接続腕部53において合流し、接触前腕部54Bにまで流れることとなるが、該接触前腕部54Bにおける第1接続脚部56aの前端56fよりも先端寄りの部分から接触上腕部54Aの先端までの経路の幅寸法が、第1本体部52における第2接続脚部56bとの接続部分から接触前腕部54Bの基端までの経路の幅寸法よりも大きく設定されている。したがって、第2接続脚部56bからの電流に、第1接続脚部56aからの電流が合流し、より多くの電流が接触前腕部54Bにまで流れるようになっても、経路の幅寸法が増大しているので、導電抵抗が低く、発熱等の問題が生じることがない。また、前述のように、第1接続脚部56aから接触前腕部54Bまでの部分は、長いばね長を得るために経路が長くなっているが、幅寸法が大きくなっているので、抵抗が低く、発熱等の問題が生じることがない。
【0090】
このように、本実施の形態において、第1コネクタ1は、第1ハウジング11と、第1ハウジング11に装填される第1端子61と、第1ハウジング11に装填される第1補強金具51とを備える。そして、第1ハウジング11は、長手方向両端に形成された第1突出端部21であって、第2コネクタ101の第2ハウジング111の長手方向両端に形成された第2突出端部122と嵌合する第1突出端部21を含み、第1補強金具51は、第1突出端部21に固定される第1本体部52と、第1本体部52の左右両端に基端が接続され、第1ハウジング11の長手方向に延在し、第1突出端部21の側壁延長部21cの外側に配設される左右一対の接続腕部53と、接続腕部53の先端における上端に基端が接続され、第2ハウジング111に装填された第2補強金具151と接触する左右一対の接触腕部54とを含み、接続腕部53の基端における下端には、第1基板上の接続パッドに接続される第1接続脚部56aであって、第1コネクタ1の側方から観た形状が略L字状の第1接続脚部56aの上端が接続されている。
【0091】
これにより、第2補強金具151と接触する部分までのばね長を長くすることができ、第1補強金具51と第2補強金具151との係合状態を確実に維持することができ、第1補強金具51と第2補強金具151との導通状態を確実に維持することができ、信頼性を向上させることができる。
【0092】
また、第1接続脚部56aは、上下方向に向けて延在する垂直部56a1と、垂直部56a1から第1ハウジング11の長手方向外方に向いて延出する水平部56a2とを含み、水平部56a2の下端が接続パッドに接続される。したがって、接続パッドに接続される部分の面積が大きくなり、接続パッドへの固定がより確実になるとともに、第1接続脚部56aと接続パッドとの間の接続抵抗を低くすることができる。
【0093】
さらに、第1本体部52の下端には、第1基板上の接続パッドに接続される第2接続脚部56bであって、第1コネクタ1の側方から観た形状が略L字状の第2接続脚部56bの上端が接続されている。これにより、第1接続脚部56aに加えて、第2接続脚部56bも第1基板上の接続パッドに接続されることとなるので、第1補強金具51の第1基板への接続強度が向上するとともに、より多くの箇所を通して電流が流れることとなるので、導電抵抗が低下する。
【0094】
さらに、接続腕部53は、第1接続脚部56aの前端56fよりも前方の部分の幅が、第1本体部52に接続された基端の幅よりも大きい。これにより、接続腕部53における第1接続脚部56aからの電流が合流した箇所以降の部分の幅が増大するので、導電抵抗を低く抑えることができる。
【0095】
さらに、接触腕部54の幅は、接続腕部53における第1本体部52に接続された基端の幅よりも大きい。これにより、第2補強金具151と接触する部分までの経路が長くても、その幅が増大するので、導電抵抗を低く抑えることができる。
【0096】
さらに、第1本体部52及び接続腕部53の側面には、ニッケルの下地めっきの上に金めっきが施され、バリア部58は、金めっきにレーザビーム59が照射されたことによって、ニッケルが表面に露出した部分である。したがって、レーザビーム59を照射することによって、はんだ上がり又はフラックス上がりを防止するバリア部58を容易に形成することができる。
【0097】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。