【解決手段】人物の活動の映像を記録するステップと、人物が活動を行っている間に当該人物に接続された少なくとも1つのセンサを含むセンサアセンブリ12から得られたセンサデータの時系列を記憶するステップと、映像をセンサデータと同期させるステップと、時系列内のイベントを検出するステップと、イベントを、イベントを表示する映像内の少なくとも1つの対応するフレームに関連付けるステップとを備える。
特徴が、たとえばウェーブレット解析、主成分分析PCA、または高速フーリエ変換FFTを用いることによる、時間、時空間、スペクトル、またはアンサンプル統計量のうちの1つに少なくとも基づく、請求項11から18のいずれか一項に記載の方法。
特徴が、単純平均、正規化された信号エネルギー、運動強度、信号強度面積、軸間相関、ウィンドウ内の最大値、ウィンドウ内の最小値、ウェーブレット変換の最大細部係数、テンプレートとの相関、テンプレートの主成分への射影、またはテンプレートの固有空間までの距離、スペクトル重心、帯域幅、優位周波数のうちの1つに基づく、請求項11から19のいずれか一項に記載の方法。
イベントクラスが、ベイズ分類器たとえばナイーブベイズ分類器、最大マージン分類器たとえばサポートベクターマシン、アンサンブル学習アルゴリズムたとえばアダブースト分類器およびランダムフォレスト分類器、ニアレストネイバー分類器、ニューラルネットワーク分類器、ルールベース分類器、またはツリーベース分類器に基づいて推定される、請求項11から21のいずれか一項に記載の方法。
相関、整合フィルタリング、ダイナミックタイムワーピング、または最長共通部分列(LCSS)およびそのスライディングウィンドウ変形、ワーピングLCSSを用いたテンプレートのマッチングにより、イベントを検出するステップをさらに備える、請求項11から23のいずれか一項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明の目的は、人物の活動、特にスポーツ活動の映像要約を提供するための方法であって、シンプルかつ高速であり、時間のかかる映像の手動編集なしで活動後ただちに映像要約を与える方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、対応するシステムを提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
以下の説明を読むと明らかになるこれらおよび他の目的は、[1]による方法および[28]によるシステムにより解決される。
【0018】
本発明の第1の態様によれば、人物の活動の映像内のフレームをイベントに関連付けるための方法は:(a.)人物の活動の映像を記録するステップと、(b.)人物が活動を行っている間に当該人物に接続された少なくとも1つのセンサを含むセンサアセンブリから得られたセンサデータの時系列を記憶するステップと、(c.)映像をセンサデータと同期させるステップと、(d.)時系列内のイベントを検出するステップと、(e.)イベントを、イベントを表示する映像内の少なくとも1つの対応するフレームに関連付けるステップとを備える。
【0019】
本発明による方法は、人物の活動、特にスポーツ活動の映像要約を提供し、シンプルかつ高速であり、映像要約をただちに提供する。具体的には、サッカープレーヤーなどの所望のイベント(たとえばキックまたはトリック)を表示する映像のフレームは、手動で編集される必要はなく、センサデータの記憶された時系列に基づいて特定され選択される。この目的で、イベント(たとえばキックまたはトリック)が時系列内で検出され、イベントを表示する映像内の少なくとも1つの対応するフレームと関連付けられる。時系列内で検出されたイベントを映像内の関連するフレームに正確にマッピングできるようにするために、映像およびセンサデータが同期される。
【0020】
本発明による方法により、活動、たとえばサッカーの試合の後に、ハイライトリール(highlight reel)(または「ショーリール(show reel)」)を自動的に得ることができるようになる。本発明の文脈における「ハイライトリール」または「ショーリール」は、共通の特性を共有する映像シーケンスのコレクションと理解されたい。1つの共通の特性は、たとえば、ハイライトリールの全ての映像シーケンスが、特定のプレーヤーのキックおよび/またはパスおよび/またはトリックなどを表示することでもよい。他のハイライトリールは、ゴールキーバーの全ての防御イベントを表示することができる。さらに、ハイライトリールは、プレーヤーが行った特定のトリック、たとえばキーピーアッピー(keepy-uppy)またはアラウンドザワールド(around-the-world)を表示することができる。特性は、必ずしも特定のプレーヤーに関連するわけではない。たとえば、ハイライトリールが、プレーヤーとは無関係に、試合で行われた特定の球速(たとえば100km/h)を超える全てのシュートを表示することも可能である。
【0021】
本発明の文脈におけるセンサアセンブリは、少なくとも1つのセンサを含むものと理解されたい。センサアセンブリは、センサをサポートするための追加のコンポーネント、たとえば筐体、電源、アナログ/デジタル変換器、プロセッサまたはマイクロコントローラ、メモリなどをさらに備えることができる。また、センサアセンブリは、複数のセンサ、たとえば加速度計、ジャイロスコープ、磁場センサなどを備えることができ、この場合、異なるセンサから得られたデータを1つの時系列に組み合わせることができる。また、センサアセンブリは、センサデータの時系列を格納するためのメモリを備えることができる。
【0022】
方法は、少なくとも1つのフレームを用いて、人物の活動の所定のイベントを表示する第2の映像を生成するステップをさらに備えることができる。このように、アスリート、たとえばサッカープレーヤーは、興味がある試合中の自分のアクションを表示する映像を取得することができる。たとえば、映像は、自分の全てのキックおよびパスを表示することができる。さらなる例は、事前定義されたプレーヤーのハイライト映像、試合中の全てのシュートについてのハイライト映像、または全てのトリックのハイライト映像を表示する映像である。他の例は、特定のプレーヤーの一番の親友からの全てのシュートを表示する映像である。
【0023】
映像をセンサデータと同期させるステップは、時系列内の、および映像の少なくとも1つのフレーム内の所定の同期イベントを検出することを備えることができる。たとえば、サッカープレーヤーは、映像内およびセンサデータの時系列内で簡単に検出可能な特定の事前定義された動作を行うことがある。そして、時系列内の検出されたデータ点および映像内の検出されたフレームは、同一のタイムスタンプを取得して映像を時系列と同期させることができる。このようにして、単純な同期が実現される。
【0024】
あるいはまたはさらに、映像をセンサデータと同期させるステップは、センサアセンブリに含まれる送信機(または送受信機、すなわち結合された送信機および受信機)から無線信号を受信するステップを備えることができる。たとえば、センサアセンブリは、そのような信号を送信するためのRFID、NFC、Bluetooth(登録商標)(BT)、Bluetooth(登録商標)LowEnergy(BTLE)、またはWLANモジュールを備えることができる。たとえば、人物がスポーツグラウンドに入った場合、スポーツグラウンドに設置された対応する受信機モジュールは、センサアセンブリに含まれる送信機から無線信号を受信し、カメラをセンサと同期させる。
【0025】
無線信号は、センサアセンブリに含まれるリアルタイムクロック(RTC)のタイムスタンプを含むことができる。このタイムスタンプにより、カメラは、たとえば自身のRTCを受信されたタイムスタンプに調整することにより、センサアセンブリのRTCと同期できるようになる。より高精度な同期を得るために、タイムスタンプの実行時間および/または処理時間を考慮し、タイムスタンプに加えることができる。また、センサアセンブリは、記録された映像の2つのサンプル点(たとえば、最初および最後のフレーム)の実際の時刻を記憶する。イベントがセンサデータ内で検出された場合、対応する時点を、2つのサンプル点の記憶された時刻に基づいて決定することができる。
【0026】
あるいは、カメラまたはカメラが接続されたシステムのRTCからのタイムスタンプを有する無線信号が、たとえばRFID、NFC、Bluetooth(登録商標)(BT)、Bluetooth(登録商標)LowEnergy(BTLE)、またはWLANを介してセンサアセンブリに送信される。この信号により、センサアセンブリは、たとえば自身のRTCをそのタイムスタンプに調整することにより、カメラと同期できるようになる。より高精度な同期を得るために、タイムスタンプの実行時間および/または処理時間を考慮し、タイムスタンプに加えることができる。
【0027】
活動は、スポーツ活動とすることができる。映像分析および要約は、特に、スポーツ活動に関して所望されており、大衆およびレクリエーションのスポーツで利用することができる。本発明による方法は、特にスポーツ活動、たとえばサッカー、フットボール、ラグビー、テニス、またはバスケットボールに適している。
【0028】
活動は、サッカーとすることができる。サッカーは、試合後の映像要約に適しており、その理由は、プレーヤーがトレーニングのフィードバックを取得し、自分のパフォーマンスを他のプレーヤーと比較できるようになるためである。異なる動き(キック、シュート、ロングパス、ショートパス、コントロール、ドリブル、コーナーシュート、フリーキックなど)が多種多様であるので、サッカーは、本発明に非常に適した活動である。
【0029】
イベントは、キック、ショートパス、ロングパス、シュート、またはボールのコントロールとすることができる。これらの種類のイベントは、たとえばサッカーでは最も重要なものであり、最も有益なフィードバックをプレーヤーに与える。
【0030】
少なくとも1つのセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、または磁場センサとすることができる。これらの種類のセンサは、体または体の一部の移動および向きについての必要な情報を提供する。これらの種類のセンサにより提供されるデータにより、イベントを信頼性高く検出できるようになる。具体的には、異なるセンサ(たとえば加速度計およびジャイロスコープ)を組み合わせることで、本発明による方法の信頼性が向上する。センサは、それらのセンサデータを融合させ、融合したセンサデータに基づいてイベントを検出することで、組み合わせることができる。
【0031】
センサアセンブリは2つ以上のセンサを備えることができ、2つ以上のセンサからのセンサデータを時系列内で組み合わせることができる。このように、イベント検出ステップの精度は、検出が基づくデータが高精度なるほど、向上させることができる。たとえば、加速度計からのデータをジャイロスコープからのデータと組み合わせて、センサアセンブリの加速度および向きの両方を取得することができる。加速度および向きに基づく時系列によって、加速度または向きのいずれかに基づく時系列よりも信頼性高くイベントを検出できるようになる。
【0032】
センサアセンブリは、人物の位置に対応するデータを提供可能な衛星ナビゲーションシステムモジュールをさらに備えることができる。衛星ナビゲーションシステムデータを用いて、イベントの検出を改善することができる。さらに、衛星ナビゲーションシステムデータを用いて、人物の活動を対応する地理的位置に関連付けることができる。たとえば、人物の活動の間に行われた特定の検出されたイベント(たとえばサッカープレーヤーのキック)を含む映像のフレームを、対応する地理的位置に関連付けることができる。また、特定の検出されたイベントを表示する映像を、対応する地理的位置に関連付けることができる。衛星ナビゲーションシステムモジュールは、GPS、Galileo、Glonassまたはこれらの組み合わせに基づくことができる。バッテリー電力を節約するために、ユーザがセンサアセンブリ上のボタンを押した場合のみ、または特定のイベント、たとえばキック、パス、トリックなどがセンサデータ内で検出された場合にのみ、地理的位置を更新することができる。
【0033】
衛星ナビゲーションシステムデータを用いて、人物の移動のヒートマップを生成することもできる。この文脈におけるヒートマップは、各位置に、人物がその特定の位置で費やした期間を関連付けるマップと理解されたい。そして、期間は、配色(color scheme)にマッピングされる。たとえば、長い期間は赤色で示され、短い位置は青色で示される。中間の値は、対応する中間の色(たとえば、自然色のスペクトルからの色)で示される。ヒートマップを用いて、人物が、たとえば試合中に時間の多くを実際に費やした場所を分析することができる。この目的で、ヒートマップをプレイフィールド(たとえばフットボールグラウンド、テニスコート、バスケットボールフィールドなど)の写真または模式図に重ねることができる。このように、ヒートマップは、人物の好みの位置を示す。
【0034】
時系列内のイベントを検出するステップは、時系列を前処理することと、時系列を複数のウィンドウにセグメント化することと、外れ値を検出することと、複数のウィンドウの各々において時系列から複数の特徴を抽出することと、複数のウィンドウの各々において時系列から抽出された複数の特徴に基づいて、複数のウィンドウに関連するイベントクラスを推定することとを備えることができる。
【0035】
時系列においてイベントを検出するためのこのステップのシーケンスは、信頼性が高く、計算コストが低く、リアルタイム処理が可能であり、広い範囲の活動、特にスポーツ活動に適用することができる。これらの利点は、ステップの特定の組み合わせにより実現される。したがって、適切なフィルタおよび信号処理を用いて時系列を前処理することで、データを、後続の方法ステップ用に最適に準備することができる。少なくとも1つのセンサにより取得された時系列を複数のウィンドウにセグメント化することで、データの処理は、ウィンドウサイズにより与えられる限られた量のデータに焦点を合わせることができる。外れ値を検出することで、不所望のウィンドウを除去することができる。ウィンドウの各々においてセンサデータから複数の特徴を抽出することで、問題の大きさを小さくすることができる。たとえば、各ウィンドウが数百のデータ点を含む場合、約1ダースの関連する特徴を抽出することで、計算コストが大きく減少する。さらに、複数のウィンドウに関連するイベントクラスを推定する後続のステップは、抽出された特徴に対してのみ作用する必要があり、各ウィンドウ内のデータ点のフルセットに対してではない。
【0036】
計算コストが低いので、このステップのシーケンスは、特に、センサデータのリアルタイム処理に適している。したがって、方法は、たとえば人物が着用する靴、衣料品、ウェアラブルデバイス(体に楽に装着可能な、衣類またはアクセサリに組み込まれたコンピュータ)などに取り付けられたまたは組み込まれた、あるいは人物に直接、肌などに接続された、センサアセンブリ自体において実施することができる。たとえば、センサアセンブリは、靴の上に、靴の中に(たとえばアッパー、ミッドソール、アウトソール)、ソックライナー(取り外し可能なインソール)の中に配置することができる。デバイスはウェアラブルデバイスとすることもできる。ウェアラブルデバイスは、人物が装着可能であって、人物の体に直接または間接的に取り付けられる電子デバイスと理解されたい。ウェアラブルデバイスは、たとえば、時計、ブレスレット、メガネ、帽子、衣類、衣料品、四肢に装着されるストラップなどとすることができる。
【0037】
センサアセンブリは、下肢、たとえば脛領域や足首に装着することができる。スポーツの種類に応じて、センサアセンブリは、(たとえばテニスまたはバスケットボールなどのスポーツのために)手首付近に装着することもできる。センサアセンブリは、アスリートが関心対象の活動を行うために使用するスポーツ用品、たとえばテニスラケット、サッカーボール、バスケットボールまたはスケートボードなどに組み込むこともできる。
【0038】
センサアセンブリは、前述のステップのシーケンスを実施可能な中央処理装置を備えることができる。この目的で、処理装置は、対応するコンピュータ可読命令を実行することができる。
【0039】
前処理するステップは、ローパスフィルタリングおよびダウンサンプリングを備えることができる。ローパスフィルタリングがノイズ低減のために適用される。ダウンサンプリングにより、処理すべきデータの量が減少し、より効率的に実施できるようになる。
【0040】
1つの前処理ステップは、加速度計データの信号強度ベクトル(SMV:signal magnitude vector)の計算を含むことができる。信号内の高エネルギー領域を決定するために、閾値処理手順をSMVに適用することができる。時系列を、たとえば前述の高エネルギー領域周辺において、固定サイズを有する複数のウィンドウにセグメント化することができる。たとえば、ウィンドウは、時系列内の最大ピークを中心とすることができる。固定サイズを有するこれらのウィンドウは、簡単に実装することができ、計算コストが低い。
【0041】
あるいは、ウィンドウサイズを、イベントの形状および/または程度に適合させることができる。たとえばコントロールとシュートなど、イベントの長さは異なる場合があるので、最適なウィンドウサイズを見つけることは困難である。したがって、ウィンドウサイズを、イベントの形状および/または程度に適合させることができる。中心にある最大ピークが閾値未満であるウィンドウを除去することができる。このように、方法は、重要なイベントを含む有望な候補であるウィンドウに焦点を合わせることができる。
【0042】
また、時系列は、事前記録されたイベントの既知の信号を用いて定義されたイベントのテンプレートとのマッチングを用いて、複数のウィンドウにセグメント化することもできる。マッチングは、相関、整合フィルタリング、ダイナミックタイムワーピング、または最長共通部分列(LCSS:Longest Common Subsequence)およびそのスライディングウィンドウ変形、ワーピングLCSSに基づくことができる。
【0043】
セグメント化されたウィンドウは、不所望の運動、たとえばランニング、ウォーキングおよびタックルを含むことがある。したがって、外れ値検出手順、たとえばルールベースシステムまたは1クラスサポートベクターマシンなどを適用することができる。外れ値検出手順を通過したセグメント化されたウィドウは、さらに処理される。
【0044】
イベントクラスは、少なくとも判定すべきイベントと、特定のイベントに属さないセンサデータに関連付けられた外れ値クラスとを含むことができる。このように、特定の活動に関する関心対象のイベントと、他の全てのイベントとを区別することができる。
【0045】
特徴は、たとえばウェーブレット解析、高速フーリエ変換(FFT)、または主成分分析(PCA)を適用することによる、時間、時空間、スペクトル、またはアンサンプル統計量のうちの1つに少なくとも基づくことができる。前述の統計量および変換は、極力冗長ではなく、かつイベントの信頼性の高い判定が可能になるウィンドウの各々における時系列から特徴を導出するのに適している。
【0046】
特徴は、単純平均、正規化された信号エネルギー、運動強度(movement intensity)、信号強度面積(signal magnitude area)、軸間相関、ウィンドウ内の最大値、ウィンドウ内の最小値、ウェーブレット変換の最大細部係数、テンプレートとの相関、テンプレートの主成分への射影、テンプレートの固有空間までの距離、スペクトル重心、帯域幅、または優位周波数のうちの1つに基づくことができる。これらの種類の特徴により、人間の動きに関連したイベントを信頼性高く判定できるようになることが分かっている。
【0047】
方法は、特徴選択手順により特徴の数を削減するステップをさらに備えることができる。重要な特徴に焦点を当てることにより特徴の数を削減することで、計算的な複雑性が減少する。たとえば、特徴は、逐次前進選択(sequential forward selection)に基づいて選択することができる。
【0048】
イベントクラスは、ベイズ分類器たとえばナイーブベイズ分類器、最大マージン分類器たとえばサポートベクターマシン、アンサンブル学習アルゴリズムたとえばアダブースト分類器およびランダムフォレスト分類器、ニアレストネイバー分類器、ニューラルネットワーク分類器、ルールベース分類器、またはツリーベース分類器に基づいて推定することができる。これらの方法により、人間の活動に関連するイベントを信頼性高く分類できるようになることが分かっている。
【0049】
より信頼性の高い分類を得るために、上述の分類器のうちのいくつかの分類器の決定を融合させることで(決定レベル融合)、イベントクラスを決定することもできる。
【0050】
方法は、相関、整合フィルタリング、ダイナミックタイムワーピング、または最長共通部分列(LCSS)およびそのスライディングウィンドウ変形、ワーピングLCSSを用いたテンプレートのマッチングにより、イベントを検出するステップをさらに備えることができる。
【0051】
イベントクラスを推定することは、形状が類似したイベントを含む統合されたイベントグループ同士を区別することと、1つの特定のグループに属する単一イベント同士を区別することとを備えることができる。したがって、異なるイベントの分類は、階層的に行われる。イベントは、類似した信号形状を有するインスタンス、たとえばコントロールおよびショートパスまたはロングパスおよびシュートにグループ化することができる。異なる分類システムを用いて、まずイベントのグループを分類し、そしてさらに単一イベントクラスを区別するようにすることができる。
【0052】
推定するステップは、教師あり学習に基づいて訓練された分類器に基づくことができる。教師あり学習により、分類器を、特定のイベントクラス(たとえば、キック、シュート、パスなど)に、および/または特定の種類のアスリート(たとえば、プロフェッショナル、アマチュア、レクリエーション)に、あるいは特定の人物にすら適合させることができるようになる。
【0053】
オンライン学習により、システムパフォーマンスのさらなる改善を達成することができる。オンライン学習により、システムは、人間のインタラクションなしでユーザに適合できるようになる。システムは、たとえばゲーム内の、追加の検出されたイベントを用いて再訓練される。
【0054】
方法は、リアルタイムで実施することができる。リアルタイム分析を用いて、特定のイベントを予測し、特定の対策を開始することができる。たとえば、スポーツ用品を、たとえばボールのインパクトの前に、キックまたはヒットに適合させることができる。また、リアルタイム分析は、リアルタイムフィードバックを人物に与えるために重要である。たとえば、人物に、過度なストレスまたは他の不健康な状況に関してただちに警告することができる。
【0055】
センサアセンブリは、人物の体の四肢に装着されるストラップに取り付けることができる。そのような配置には、四肢の動きを即時に測定でき、サッカーのキックなどの特定のイベントを信頼性高く判定できるという利点がある。さらに、センサデータの収集はフットウェアおよび他の用品と無関係であり、たとえばサッカープレーヤーは自分が好む靴および/または脛当て(shinguard)であれば何でも使用することができる。ストラップは、織物材料、レザー、人工レザー、プラスチックなどから作ることができる。ストラップは、人物の体の四肢、たとえば腕および/または脚に装着可能な任意のループ状の構成として理解されたい。他の例は、スポーツ、たとえばテニス(フォアハンド/バックハンド検出用)、ゴルフ(フルスイング、ハーフスイング、パット検出用)、ならびにラケットおよびクラブのスポーツなどのための手首装着型ウェアラブルである。
【0056】
センサアセンブリは、たとえば接着、溶接または縫合によりストラップに永久に取り付けるまたは組み込むことができる。あるいは、センサアセンブリは、たとえばフック・ループ式ファスナー、スナップボタンなどによりストラップに着脱可能に取り付けることができる。
【0057】
さらに、センサアセンブリは、人物が着用する、または直接人物に、たとえば肌に接続される靴または衣料品に取り付けるまたは組み込むことができる。たとえば、センサは、靴の上に、靴の中に(たとえばアッパー、ミッドソール、アウトソール)、ソックライナー(取り外し可能なインソール)の中に配置することができる。靴は、センサアセンブリが配置される空洞を含むことができる。センサアセンブリは、ウェラブルデバイス、たとえば時計、ブレスレット、または現在時刻を表示可能な時計型デバイスに取り付けるまたは組み込むこともできる。センサアセンブリは、下肢、たとえば脛領域や足首に装着することができる。
【0058】
センサアセンブリは、アスリートが関心対象の活動を行うために使用するスポーツ用品、たとえばテニスラケット、サッカーボール、バスケットボールまたはスケートボードなどに組み込むこともできる。
【0059】
システムの精度を向上させるために、異なる体の位置における異なるデバイスのセンサデータを融合させることができる。たとえば、サッカープレーヤーは複数のセンサを脚に(たとえば足に1つ、脛に1つ、腿に1つ)配置させることができ、テニスまたはゴルフプレーヤーは複数のセンサを腕に(たとえば手首に1つ、上腕に1つ)、任意で追加で足に配置させることができる。そして、これらの異なるセンサのセンサデータは融合され、すなわちイベントが、組み合わせられたセンサデータに基づいて検出されて、プレーヤーにより行われた動きの種類のより良い推定が得られる。
【0060】
フィードバックは、推定されたイベントに基づいて人物に与えることができる。したがって人物に、トレーニング中または試合中に、自分のパフォーマンスなどについて知らせることができる。そのようなフィードバックは、リアルタイムで与えることができる。たとえば、フィードバックは、スマートフォンのディスプレイ上に(走行距離、シュート数などを表示)、時計のディスプレイ上に、センサアセンブリのディスプレイ上に、またはスポーツグラウンドなどに配置された外部ディスプレイ上に提供することができる。
【0061】
フィードバックは、非リアルタイムで与えることもできる。たとえば、フィードバックは、活動後に(たとえば試合後またはトレーニング後に)、たとえばロッカールームで(壁に設置されたディスプレイ上に、または人物の電子デバイス、たとえばスマートフォン、タブレットPC上に)、または自宅において提供することができる。この目的で、フィードバックデータを、データベースまたはクラウドストレージに格納することができる。
【0062】
要約統計量は、検出されたイベントに基づいて提供することができる。このように、統計量は、特定のイベントのクラスに合わせて調整することができる。たとえばサッカーの用途では、シュートの回数および強度、シュート速度、ボール上の時間(time on ball)、ロングパスおよびショートパスの回数、ドリブルの期間などについての統計量を与えることができる。バスケットボールに関する要約統計量は、プット、パスおよびドリブルの回数、ボール保持時間、ジャンプの強度(intensity)などを含むことができる。テニスに関する要約統計量は、ヒット数、推定球速、フォアハンドおよびバックハンドのヒットの割合、サービスの回数および強度などを含むことができる。これらの統計量は、テニスプレーヤーがセンサアセンブリを手付近に装着した場合に提供することができる。テニスプレーヤーが追加でセンサアセンブリを片足または両足付近に装着した場合、走行の統計量、たとえば総距離、(たとえばネットへの)全力疾走(sprint)の回数などを提供することもできる。
【0063】
要約統計量は、特定のプレーヤーの検出されたイベント(たとえば全シュート)を表示する映像と組み合わせることができる。このように、組み合わせられた要約またはフィードバックが得られる。
【0064】
検出されたイベントに基づく要約統計量(および任意選択で、特定のイベントの生成された映像)は、他の人々、たとえばトレーナー、観衆またはこれらの統計量に興味のある他の人々に転送することができる。転送は、インターネット上でライブストリームを介して行うことができる。転送は、たとえばWifi、WLAN、BT、BTLE、NFC、RFID、USB、Ethernet、Thunderboltなどの媒体に基づくことができる。要約統計量(および任意選択で、特定のイベントの生成された映像)に基づいて、プレーヤーはトレーナーまたはスカウトなどからフィードバックを得ることができる。
【0065】
さらに、要約統計量(および任意選択で、特定のイベントの生成された映像)に基づいて、すなわちプレーヤーの成果に応じて、ストアまたはスタジアム内の特別なエリアをロック解除することができる。たとえば、プレーヤーが試合中に特定数のボールコンタクトを達成した場合、ストアまたはスタジアム内の特定のエリアへのアクセスが授与される。
【0066】
また、センサデータを用いて、トリックカウンタ(すなわち、行われたステップオーバー、アラウンドザワールドなどのトリックの回数)、フットボール活動モニタ、キーピーアッピートラッカー(すなわち、ボールのジャグリング中のボールコンタクトのカウント)、「アラウンドザワールド」(すなわち、ボールを片脚で持ち上げ、その脚をボールの周りに地面に落下する前に動かすこと)、または1対1カウンタ(すなわち、プレーヤーがフィールド上で1対1の状況になり、たとえば相手を迂回する(bypass)および/または出し抜く(trick)ことを試みた頻度のカウント)を提供することもできる。たとえば、センサデータを分析して、プレーヤーがボールを地面に落下させずに行ったボールコンタクトの回数を決定することができる(キーピーアッピー)。上述の統計量は、対応する検出されたイベントに基づいて決定することができ、すなわちイベントは、(キーピーアッピーのための)足とボールとのコンタクト、または(「アラウンドザワールド」のための)円運動とすることができる。キックに関連するイベントが検出された場合、球速をセンサデータに基づいて推定することができる。したがって、人物は、自分のキックのパフォーマンスについてのフィードバックを得ることができる。球速は、前処理、特徴抽出および回帰により推定することができる。センサデータをセグメント化することができ、セグメント化された領域ごとに特徴を計算することができる。以下でより詳細に説明されるように、計算された特徴を入力として用いる様々な回帰技法を用いることができる。
【0067】
方法は、検出されたイベントに関するフィードバックを得ることをさらに備えることができる。たとえば、イベントは、プレーヤーにより行われた特定のサッカーのトリックとすることができる。トリックが行われている間に収集されたセンサデータを分析して、そのトリックが上手く行われた度合いを決定することができる。たとえば、プレーヤーは、スマートフォン、タブレットPC、ノートブック、スマートウォッチなどを用いて行うべきトリックをプレーヤーに見せることができる。プレーヤーはトリックを行い、自分の動きの正確性のフィードバックを受ける。トリックに対応するイベントは、前述のように決定することができる。
【0068】
人物の活動の映像内のフレームをイベントに関連付けるためのシステムは、上述の方法を実施するように構成することができる。
【0069】
イベント/アクションの自動検出に加えて、人物は重要なシーンを自分で決定することができる。したがって、たとえばセンサアセンブリをタップすることで、動きを定義する必要がある。この目的で、センサアセンブリは、ボタンもしくはスイッチまたはタッチ感応領域を有することができる。所望の動きをセンサアセンブリに示すために、ダブルまたはトリプルタップを行うようにユーザに求めることができる。あるいは、センサアセンブリはモバイルデバイス(たとえばスマートフォン、タブレットPCなど)と通信することができ、人物は所望の動きをセンサアセンブリへモバイルデバイスを介して示すことができる。たとえば、モバイルデバイスは、「開始(go)」または「終了(stop)」と表記されたボタンを画面に表示することができ、これらはユーザが押すことで特定のイベント(たとえば、行うトリック)の開始および終了を示すものである。また、特定の力がタッチ感応領域に加えられる必要があること、または特定のジェスチャがその上で行われることも可能である。
【0070】
特定の動きのセンサデータを用いて、たとえば隠れマルコフモデルまたは1クラスサポートベクターマシンを含む分類システムを訓練することができる。訓練されたシステムは、上述のアルゴリズムのパイプラインに組み込むことができる。
【0071】
本発明のさらなる態様は、(a.)人物の活動の映像を記録するための少なくとも1つのカメラと、(b.)人物が活動を行っている間に当該人物に接続可能な少なくとも1つのセンサを備えるセンサアセンブリと、(c.)センサから得られたセンサデータの時系列を格納するためのメモリと、(d.)映像をセンサデータと同期させ、時系列内のイベントを検出し、イベントを、イベントを表示する映像内の少なくとも1つの対応するフレームに関連付けるためのプロセッサとを備える、人物の活動の映像内のフレームをイベントに関連付けるためのシステムに関する。
【0072】
センサアセンブリは、人物の体に接続されるように構成することができる。これにより、体からセンサへ力を直接かつ即時に伝達して、測定されるデータの精度を向上できるようになる。
【0073】
センサアセンブリは、靴に取り付けられるように構成することができる。そのような構成には、靴の動きを即時に測定することができ、キックなどの特定のイベントを信頼性高く判定できるという利点がある。靴は、サッカー、ラグビーまたはフットボールの靴とすることができる。
【0074】
センサアセンブリは、脛当てに取り付けられるように構成することができる。そのような構成により、キックなどの特定のイベントを信頼性高く判定することができ、デバイスは人物が着用する靴と無関係である。
【0075】
さらに、センサアセンブリは、人物が着用する、または人物に直接、肌などに接続することができる靴または衣料品取り付けるまたは組み込むことができる。たとえば、センサは、靴の上に、靴の中に(たとえばアッパー、ミッドソール、アウトソール)、ソックライナー(取り外し可能なインソール)の中に配置することができる。靴は、センサアセンブリが配置される空洞を含むことができる。センサアセンブリは、ウェラブルデバイス、たとえば時計、ブレスレット、または現在時刻を表示可能な時計型デバイスに取り付けるまたは組み込むこともできる。センサアセンブリは、下肢、たとえば脛領域や足首に装着することができる。
【0076】
センサアセンブリは、アスリートが関心対象の活動を行うために使用するスポーツ用品、たとえばテニスラケット、サッカーボール、バスケットボールまたはスケートボードなどに組み込むこともできる。
【0077】
システムは、センサおよびメモリを備えるウェアラブルデバイスをさらに備えることができる。ウェアラブルデバイスにより、象徴的な外観(iconic look)が可能となり、都会的なコンテキストでも装着することができる。
【0078】
システムは、センサに関連付けられた無線モジュールをさらに備えることができる。無線モジュールは、RFID、NFC、BT、BTLE、WifiまたはWLANモジュールとすることができる。たとえば、センサアセンブリ、メモリ、および無線モジュールは、ウェアラブルデバイスに取り付けるまたは組み込むことができ、無線モジュールを用いて近くの他のウェアラブルデバイスを検知することができる。さらに、スポーツ関連エリア、たとえばフットボールのグラウンドまたはスタジアムに、無線ビーコンまたはRFID/NFCタグを設け、ウェアラブルデバイスにより認識することができる。これに応答して、ウェラブルデバイスは、たとえばセンサを(フットボールグラウンドまたはスタジアムに設置された)カメラと同期させるなどのアクションを行うことができる。
【0079】
センサデータを映像と同期させることは、無線モジュールから無線信号を受信することを備えることができる。たとえば、ウェラブルデバイスを装着した人物がスポーツグラウンドに入った場合、スポーツグラウンドに設置された対応する無線受信機モジュールは、ウェアラブルデバイスに含まれる無線モジュールから無線信号を受信し、カメラをセンサと同期させる。無線信号は、センサアセンブリまたは無線デバイスに含まれるリアルタイムクロック(RTC)のタイムスタンプを含むことができる。このタイムスタンプにより、カメラは、たとえば自身のRTCを受信されたタイムスタンプに調整することにより、センサアセンブリまたはウェアラブルデバイスのRTCと同期できるようになる。より高精度な同期を得るために、タイムスタンプの実行時間および/または処理時間を考慮し、タイムスタンプに加えることができる。また、センサアセンブリまたはウェアラブルデバイスは、記録された映像の2つのサンプル点(たとえば、最初および最後のフレーム)の実際の時刻を記憶する。イベントがセンサデータ内で検出された場合、対応する時点を、2つのサンプル点の記憶された時刻に基づいて決定することができる。
【0080】
あるいは、カメラまたはカメラが接続されたシステムのRTCからのタイムスタンプを有する無線信号が、たとえばRFID、NFC、Bluetooth(登録商標)(BT)、Bluetooth(登録商標)LowEnergy(BTLE)、またはWLANを介してウェアラブルデバイスに送信される。この信号により、センサアセンブリまたはウェアラブルデバイスは、たとえば自身のRTCをそのタイムスタンプに調整することにより、カメラと同期できるようになる。より高精度な同期を得るために、タイムスタンプの実行時間および/または処理時間を考慮し、タイムスタンプに加えることができる。
【0081】
センサアセンブリはメモリを備えることができる。たとえば、センサアセンブリおよびメモリは、共通の筐体に含めることができる。したがって、たとえば衣類、ストラップ、靴などに簡単に取り付け可能なコンパクトなデバイスが得られる。
【0082】
本発明のさらに他の態様は、実行された場合に、前述の方法をコンピュータに実施させる命令を含むコンピュータプログラムに関する。
【0083】
以下では、本発明の例示的実施形態が、図面を参照して説明される。
【発明を実施するための形態】
【0085】
本発明による一例示的方法およびシステムが、
図1の概略図を参照して説明される。本発明の方法は、(a.)人物の活動の映像を記録するステップを備える。
図1に示されるように、映像はカメラ11で記録することができる。カメラ11は、スマートフォンのカメラ、タブレットPC、ウェブカメラ、ビデオカメラ、アクションカメラ、またはスポーツ活動を記録する専用のカメラとすることができる。一般に、フレームのシーケンスを記録可能な任意のカメラが適している。カメラ11は、たとえばスタジアムまたはスポーツグラウンドに固定することができる。あるいは、カメラ11は、仮設物の一部とすることができ、または人物が保持することさえできる。いかなる場合でも、カメラ11は、人物の活動を記録するように配置される。
【0086】
単一のカメラ11の代わりに、
図2に示されるように異なる角度からシーンをキャプチャする複数のカメラを用いることができる。この例では、5台のカメラ11a、11b、11c、11dおよび11eが、プレイフィールドの周囲に配置されており、プレイフィールドはこの例ではサッカーフィールドであるが、一般には、スポーツ活動を行うのに適した任意の場所、たとえばバスケットボールフィールド、テニスコート、さらには街路とすることができる。
図2の例では、カメラ11aおよび11eは、ゴールの後ろに配置されている。したがって、これらのカメラは、ゴール前のシュートおよびゴールキーパーのアクションをキャプチャするのに特に適している。カメラ11bおよび11dは、コーナーフラグの近くに配置され、プレイフィールドの対角線ビューを配信する。さらに、これらはコーナーシュートを非常に上手くキャプチャすることができる。カメラ11cは、センターラインの投影(projection)上に配置される。したがって、このカメラは、フィールドの中央部での活動、たとえばキックオフをキャプチャする。
【0087】
カメラの各々は、自身の映像ストリームをキャプチャし、すなわち
図2の例では、5つの映像ストリームが生成される。映像ストリームは、それぞれのカメラに格納するか、または後述のように、後で処理するために中央記憶ユニットに転送することができる。映像ストリームの転送は、有線接続(たとえばビデオケーブル)を介して、または無線で(たとえばWLAN、Bluetooth(登録商標)などを介して)行うことができる。
【0088】
一般的に、カメラの台数および位置は、
図2の例と異なっていてもよく、スポーツ活動に依存し得る。たとえば、ゴルフコースは、さらに多数のカメラを備えることができる。いずれの場合でも、複数のカメラは、シーンを異なる角度からキャプチャするのに役立ち、また、単一のカメラのみが使用された場合に前景のプレーヤーにより隠され得る活動をキャプチャすることができる。それにもかかわらず、本発明は、単一のカメラのみで実施することができる。
【0089】
活動は、スポーツ活動、たとえばサッカー、バスケットボールまたはテニスの試合とすることができる。一般的には、本発明は、任意の種類のスポーツに適用可能である。さらに、本発明は、トレーニングの状況、試合、空き時間の活動などで使用することができる。
【0090】
方法は、(b.)人物が活動を行っている間に当該人物に接続された少なくとも1つのセンサを備えるセンサアセンブリ12から得られたセンサデータの時系列を記憶するステップをさらに備える。
図1に示されるように、人物はセンサアセンブリ12を足首に装着している。センサアセンブリ12は、単一のセンサ、たとえば加速度計、ジャイロスコープ、または磁場センサを備えることができ、あるいは複数のセンサ、すなわち前述のセンサの組み合わせを備えることができる。一般的には、少なくとも1つのセンサは、人物の動きを測定することができ、すなわち、人物の体または体の一部の運動学的状態の変化に感応する。これらの変化は、動きの変化、すなわち加速または減速、あるいは向きの変化、すなわち回転とすることができる。センサは、運動学的状態のこれらの変化に対応する電気信号を生成する。一般的には、電圧、電流または両方が、動きに応じて変化する。
【0091】
センサアセンブリ12の少なくとも1つのセンサは、いくつかの次元において感応することができる。たとえば、加速度計は3つの空間的次元、すなわち軸の全てにおいて感応することができる。ジャイロスコープは、3つの空間的次元、すなわち軸の周りの回転に感応することができる。磁力計は、磁場(たとえば地球の磁場)の偏差を検知することができる。これらの偏差を用いて、コンパスと同様に、磁場に対する向きおよび回転を決定することができる。
【0092】
少なくとも1つのセンサにより放出された電気信号は、アナログ/デジタル(AD)変換器により特定のサンプリングレート、たとえば100Hzから10000Hzの間、好ましくは約1000Hzでサンプリングすることができる。アナログ電気信号は、一連の離散値により表される。たとえば、AD変換器の分解能が10ビットである場合、各サンプリング点における電気信号は2
10=1024個の取り得る値により表される。このように、人物に接続されたセンサアセンブリ12の少なくとも1つのセンサのセンサデータの時系列が得られる。
【0093】
図1の例示的実施形態では、センサアセンブリ12は、人物の足首に接続される。しかしながら、一般的には、センサアセンブリ12は、体の異なる部分、たとえば手首、胸、頭、脛などに接続することが可能である。さらに、センサアセンブリ12は、人物が着用する靴、衣料品、ウェアラブルデバイスなどに取り付けるまたは組み込むことができ、または直接人物に、たとえば肌に接続することができる。たとえば、センサアセンブリは、靴の上に、靴の中に(たとえばアッパー、ミッドソール、アウトソール)、ソックライナー(取り外し可能なインソール)の中に配置することができる。靴は、センサアセンブリ12が配置される空洞を含むことができる。センサアセンブリ12は、たとえばストラップ、時計、ブレスレット、時計型デバイスなどウェラブルデバイスなどのデバイスに取り付けるまたは組み込むこともできる。センサアセンブリ12は、下肢、たとえば脛領域や足首に装着することができる。センサアセンブリ12は、アスリートが関心対象の活動を行うために使用するスポーツ用品、たとえばテニスラケット、サッカーボール、バスケットボールまたはスケートボードなどに組み込むこともできる。
【0094】
少なくとも1つのセンサが1次元(または軸)における移動および/または回転および/または向きに感応する場合、時系列は、時間的に連続したサンプリング点において観測された単一センサデータ値の順序付きシーケンスである。少なくとも1つのセンサが1より高い次元(または軸)における移動および/または回転に感応する場合、または1つより多いセンサが使用される場合、時系列は、時間的に連続したサンプリング点において観測されたセンサデータベクトルの順序付きシーケンスである。
【0095】
また、センサアセンブリ12は、人物の位置に対応するデータを提供可能な衛星ナビゲーションシステムモジュールとすることができ、またはこれを備えることができる。衛星ナビゲーションシステムモジュールは、GPS、Galileo、Glonassまたはこれらの組み合わせに基づくことができる。バッテリー電力を節約するために、ユーザがボタンを押した場合のみ、または事前定義された時間間隔(たとえば60秒毎、5分毎、10分毎など)で、地理的位置を更新することができる。時間間隔の場合、ユーザは、たとえばセンサアセンブリ12上のスイッチ、ボタンまたはタッチ感応ディスプレイを介して、あるいはスマートフォン、タブレットPC、コンピュータなどを介して時間間隔を設定することができる。後者の場合、時間間隔は、有線接続(たとえばUSB、Ethernet、Thunderboltなど)または無線接続(たとえばWifi、WLAN、BT、BTLE、NFC、RFID、ANT(登録商標)、ANT+、ZigBee(登録商標)など)を介してセンサアセンブリ12へ送信することができる。あるいは、衛星ナビゲーションシステムモジュールは、センサモジュール12とは別に、たとえばスマートフォン、人物が装着するリストウォッチなどの中に配置される。後者の場合、地理的位置は、有線接続(たとえば細径ケーブル)または無線接続(たとえばWifi、WLAN、BT、BTLE、NFC、RFID、ANT(登録商標)、ANT+、ZigBee(登録商標)など)を介してセンサアセンブリ12へ送信することができる。
【0096】
図1の例示的実施形態に示されるように、時系列は、後で処理するためにメモリ13に格納される。たとえば、時系列は、活動が終わった後に、センサデータの格納された時系列をメモリ13から読み出すことにより、取得することができる。読み出しは無線で、たとえばWifi、WLAN、Bluetooth(登録商標)(BT)、Bluetooth(登録商標)LowEnergy(BTLE)、ANT(登録商標)、ANT+、ZigBee(登録商標)などを介して、または有線接続、たとえばUSB、ライトニングアダプタ、RJ−45などを介して行うことができる。
【0097】
データは無線で(たとえばWifi、WLAN、Bluetooth(登録商標)(BT)、Bluetooth(登録商標)LowEnergy(BTLE)、ANT(登録商標)、ANT+、ZigBee(登録商標)など)、または有線の電気接続(たとえばUSB、ライトニングアダプタ、RJ−45など)を介して、少なくとも1つのセンサからメモリ13に送信することができる。メモリ13は
図1の例示的実施形態では人物の脚に配置されているが、メモリ13はいかなる方法でも人物に接続されておらず別個に、たとえば専用の筐体の中に配置されることも可能である。この場合、センサデータは、少なくとも1つのセンサからメモリ13へ無線接続を介して送信される。
【0098】
さらに、メモリ13は、センサアセンブリ12と共に、人物が着用する靴、衣料品、ウェアラブルデバイスなどに取り付けるまたは組み込むことができる。たとえば、メモリは、靴の上に、靴の中に(たとえばアッパー、ミッドソール、アウトソール)、ソックライナー(取り外し可能なインソール)の中に配置することができる。靴は、メモリ13が配置される空洞を含むことができる。メモリ13は、センサアセンブリ12と共に、たとえばストラップまたは時計、ブレスレット、時計型デバイスなどのウェラブルデバイスなどのデバイスに取り付けるまたは組み込むこともできる。メモリ13は、下肢、たとえば脛領域や足首に装着することができる。メモリ13は、アスリートが関心対象の活動を行うために使用するスポーツ用品、たとえばテニスラケット、サッカーボール、バスケットボールまたはスケートボードなどに組み込むこともできる。
【0099】
図3の例示的実施形態に示されるように、メモリ13はセンサアセンブリ12の中に配置することができ、したがってセンサアセンブリ12の一部である。
図3に、センサアセンブリ12およびそのコンポーネントの概略図を示し、これらの一部は任意選択である。いずれの場合であっても、センサアセンブリ12は少なくとも1つのセンサを備える。
図3に示されるように、このセンサは加速度計31とすることができる。加速度計は、加速および減速を測定し、対応する電気信号を出力する。センサアセンブリ12は1つより多い加速度計を備えることもできる。その場合、加速度計からのセンサデータは単一の時系列に組み合わせることができる。
【0100】
加速度計31の代わりに、センサアセンブリはジャイロスコープ32を備えることができる。ジャイロスコープは向きの変化、すなわち回転を測定し、対応する電気信号を出力する。センサアセンブリ12は1つより多いジャイロスコープを備えることもできる。その場合、ジャイロスコープからのデータは単一の時系列に組み合わせることができる。センサアセンブリ12は異なる種類の2つ以上のセンサ、たとえば加速度計31およびジャイロスコープ32を備えることもできる。この場合、両方のセンサ31および32のセンサデータは、単一の時系列に組み合わせることができる。
【0101】
センサアセンブリは、加速度計31および/またはジャイロスコープ32に加えて、またはこれらの代わりに、磁力計33を備えることができる。磁力計は、磁場(たとえば地球の磁場)の偏差を測定する。これらの偏差を用いて、コンパスと同様に、磁場に対する向きおよび回転を決定することができる。磁力計33は、向きに対応する電気信号を出力する。
【0102】
センサアセンブリ12は、気圧を測定し対応する電気信号を出力する気圧計34を任意選択で備えることができる。気圧計34を用いて、高度を決定することができる。高度は、他のセンサ31、32、33からのデータと共にメモリ13に格納し、後述のように装着者にさらなる統計情報として提供することができる。あるいはまたはさらに、センサアセンブリ12が後述の衛星ナビゲーションモジュールをさらに備える場合、気圧計34からのデータを用いて、衛星ナビゲーションモジュールから得られる地理的位置データの精度を向上させることができる。
【0103】
センサアセンブリ12は、温度を測定し対応する電気信号を出力する温度センサ35を任意選択で備えることができる。測定された温度を用いて気圧計34の精度を向上することができ、その理由は、温度が気圧計の読取値に影響し得るためである。あるいはまたはさらに、測定された温度は、後述のように装着者にさらなる統計情報として提供することができる。
【0104】
少なくとも1つのセンサ31、32、33、34、35からのデータは中央処理装置36に提供され、これはマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または処理能力を有する類似のユニットとすることができる。中央処理装置36は、センサ31、32、33、34、35から得られた電気信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器(ADC)を備えることができ、デジタル信号は、中央処理装置36上で実行される対応するソフトウェア、またはFPGAの場合はプログラマブル論理ブロックにより処理することができる。あるいは、ADCは、センサアセンブリ12に別個のコンポーネントとして設けることができる。
【0105】
前述のように、
図3の例示的な図では、センサアセンブリ12はメモリ13をさらに備える。しかしながら、メモリ13は、センサアセンブリ12の一部ではなく、無線で(たとえばWifi、WLAN、Bluetooth(登録商標)(BT)、Bluetooth(登録商標)LowEnergy(BTLE)、ANT(登録商標)、ANT+、ZigBee(登録商標)など)、または電線(たとえばUSB、ライトニングアダプタ、RJ−45など)を介してセンサアセンブリ12に接続された別個のコンポーネントとすることもできる。
【0106】
メモリ13は、
図3に示された中央処理装置に接続される。したがって、中央処理装置36は、センサ31、32、33、34、35から受信されたデータをメモリ13に格納することができる。任意選択で、中央処理装置はセンサデータを、メモリ13に格納する前に処理することができる。たとえば、中央処理装置36は、前処理を行い、ノイズに起因する高周波成分を、またはセンサ31、32、33、34、35の特定のバイアスに起因する低周波成分を、データからフィルタリングすることができる。また、中央処理装置36は、メモリ13に格納するために、2つ以上のセンサ31、32、33、34、35からのデータを単一の時系列に組み合わせることもできる。
【0107】
さらに、中央処理装置36は、受信されたセンサデータにタイムスタンプを与えることができる。この目的で、センサアセンブリ12は、中央処理装置36に接続されたリアルタイムクロック(RTC)37を備えることができる。リアルタイムクロック37は、実際の時刻に対応するタイミング信号を生成する。また、リアルタイムクロック37を用いて、後述のように、センサアセンブリ12を(したがってメモリ13に格納された時系列を)カメラ11または複数のカメラ11a、11b、11c、11d、11eと同期させることができる。
【0108】
センサアセンブリ12は、任意選択のコンポーネントであるコネクタ38をさらに備えることができる。メモリ13に格納されたセンサデータを転送して本発明による処理を行うために、コネクタを用いて、センサアセンブリ12をコンピュータ、タブレットPC、スマートフォンなどに接続することができる。コネクタは、USB、ライトニング、RJ−45プラグなどとすることができる。コネクタ37を用いて、センサアセンブリ12を電力で充電することもできる。
【0109】
センサアセンブリ12は、メモリ13に格納されたセンサデータをコンピュータ、タブレットPC、スマートフォンなどに送信するために使用可能な無線送受信機39をさらに備えることができる。あるいはまたはさらに、無線送受信機39は、後述のように、センサアセンブリ12をカメラ11または複数のカメラ11a、11b、11c、11d、11eと同期させるために使用することができる。無線送受信機は、Wifi、WLAN、Bluetooth(登録商標)(BT)、Bluetooth(登録商標)LowEnergy(BTLE)、ANT(登録商標)、ANT+、ZigBee(登録商標)の送受信機などとすることができる。
【0110】
さらに、無線送受信機39を用いて、周辺の類似のデバイスを検知することができる。特定のエリア(たとえば「サッカーホットスポット」、スタジアム、フットボールまたはサッカーピッチなど)は、たとえばRFID/NFCタグまたはBluetooth(登録商標)ビーコンを設け、センサアセンブリ12により認識することができる。したがって、そのエリアに関連付けられた識別子は、センサアセンブリ12により、加速度計31および/またはジャイロスコープ32および/または磁力計33からのデータと共に記憶して、測定されたデータをそのエリアに関連付けるか、または単にセンサアセンブリ12を装着した人物が特定の場所、たとえばスタジアムまたはストアを訪れたことを登録することができる。送受信機39の代わりに、センサアセンブリ12は、送信機および/または受信機を別々のコンポーネントとして備えることができる。
【0111】
センサアセンブリ12は、センサセンブリの電子部品、すなわちセンサ31、32、33、34、35、リアルタイムクロック37、送受信機39、および後述のさらなる任意選択の部品に電力を供給するバッテリー310を備えることができる。バッテリー310は、交換式バッテリー、交換可能またはセンサセンブリ12に永久に固定された充電式バッテリー、キャパシタなどとすることができる。充電式電源(たとえば充電式バッテリーまたはキャパシタ)の場合、バッテリー310はコネクタ38を介して充電することができる。あるいはまたはさらに、センサアセンブリ12は、バッテリー310に充電電流を供給する誘導コイル311を備えることができる。この目的で、センサアセンブリ12は、時間変化する電磁場を介して誘導コイル311にエネルギーを転送する対応する送信コイルの近くに配置することができる。
【0112】
既に述べたように、センサアセンブリ12は衛星ナビゲーションモジュール312を備えることができる。このモジュールは、地球の軌道内の衛星から電磁信号を受信し、これらの信号から地表上のセンサアセンブリ12の位置(地理的位置)を推測することができる。さらに、衛星ナビゲーションモジュール312は、センサアセンブリ12の高度を推測することができる。衛星ナビゲーションモジュール312は、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)、Glonassシステム、または欧州のGalileoシステムあるいはこれらのシステムの組み合わせに基づくことができる。
【0113】
センサアセンブリ12は、任意選択でディスプレイ313を備えることができる。ディスプレイは、たとえば電池残量、時刻、メモリ13内の残りの記憶容量、「オン/オフ」状態などの情報をユーザに示すことができる。また、ディスプレイは、以下でさらに詳細に説明されるように、センサ31、32、33、34、35から得られたセンサデータに基づいてユーザにフィードバックを与えることができる。
【0114】
センサアセンブリ12は、任意選択でスイッチ314を備えることができる。スイッチは、押下後に前の状態に戻るブッシュボタンとすることができる。あるいは、スイッチは、2つ以上の位置の間でスライド可能なスライドスイッチとすることができる。スイッチ314を用いて、たとえば、センサアセンブリ12を起動する、またはセンサアセンブリ12の特定の設定を操作することができる。たとえば、ユーザは現在時刻を設定する、または特定の動作モードを設定することができる。スイッチ314の他の使用法は、ユーザがスイッチ314を有効化した場合に、衛星ナビゲーションシステムモジュール312を用いてセンサアセンブリ314の地理的位置を更新することである。
【0115】
本発明による方法は、(c.)映像をセンサデータと同期させるステップをさらに備える。同期は、時系列内のデータ点、たとえばウィンドウを映像内の対応するフレームに関連付けることで行うことができる。たとえば、データ点および対応する映像フレームは、同一のタイムスタンプに関連付けることができる。この目的で、無線信号を、センサアセンブリ12内の送受信機39により、たとえばRFID、NFC、Bluetooth(登録商標)(BT)、Bluetooth(登録商標)LowEnergy(BTLE)、またはWLANにより送信することができる。たとえば、人物がスポーツグランドに入った場合、スポーツグラウンドに(たとえばマットまたはゲート内に)設置された対応する受信機モジュールは、送受信機39から無線信号を受信し、カメラ11または複数のカメラ11a、11b、11c、11dおよび11eをセンサアセンブリ12と同期させる。
【0116】
無線信号は、センサアセンブリ12に含まれるリアルタイムクロック(RTC)37のタイムスタンプを含むことができる。このタイムスタンプにより、カメラ11またはカメラ11a、11b、11c、11dおよび11eは、たとえば自身のRTCを受信されたタイムスタンプに調整することにより、センサアセンブリ12のRTC37と同期できるようになる。より正確な同期を得るために、タイムスタンプの実行時間および/または処理時間を考慮し、タイムスタンプに加えることができる。また、センサアセンブリ12は、記録された映像の2つのサンプル点(たとえば、最初および最後のフレーム)の実際の時刻を記憶することができる。イベントがセンサデータ内で検出された場合に、対応する時点を、2つのサンプル点の記憶された時刻に基づいて決定することができる。
【0117】
あるいは、カメラ11、複数のカメラ11a、11b、11c、11dおよび11eの、またはカメラ11もしくは複数のカメラ11a、11b、11c、11dおよび11eが接続されたシステムのRTCからのタイムスタンプを有する無線信号が、たとえばRFID、NFC、Bluetooth(登録商標)(BT)、Bluetooth(登録商標)LowEnergy(BTLE)、またはWLANを介してセンサアセンブリ12に送信される。信号は、スタジアム、スポーツグラウンドなどに設置されたゲートまたはマットにより送信することができる。信号は、送受信機39により受信され、中央処理装置36により処理することができる。この信号により、センサアセンブリ12は、たとえば自身のRTC37をそのタイムスタンプに調整することで、カメラ11または複数のカメラ11a、11b、11c、11dおよび11eと同期できるようになる。より詳細な同期を得るために、タイムスタンプの実行時間および/または処理時間を考慮し、タイムスタンプに加えることができる。
【0118】
あるいは、センサアセンブリ12およびカメラ11または複数のカメラ11a、11b、11c、11dおよび11eは、時系列内および映像の少なくとも1つのフレーム内の同期イベントを判定することで、同期させることができる。たとえば、センサアセンブリ12を装着したプレーヤーは、特定の所定の動き、たとえば靴を叩くこと、またはセンサアセンブリ12を叩くことを行うことができる。そのようなイベントは、映像内およびセンサデータの時系列内で簡単に検出することができ、その理由はセンサデータ内に高いピークが発生するためである。そして、時系列内の検出されたデータ点および映像内の検出されたフレームは、同一のタイムスタンプを取得して、映像を時系列と同期させることができる。
【0119】
方法は、(d.)時系列内のイベントを検出するステップを備える。イベントは、短くかつ限られた期間を有する人間の活動の一部として定義される。たとえば、イベントは、サッカーシュートまたはパス、テニスボールのヒットまたはゴルフスイングとすることができる。イベントは、後述の適切な方法により時系列内で検出することができる。
【0120】
最後に、方法は、(e.)イベントを、イベントを表示する映像内の少なくとも1つの対応するフレームに関連付けるステップを備える。センサデータおよび映像の同期に基づいて、検出されたイベントに対応するフレームを、映像内で特定することができる。
【0121】
一般に、記録された映像およびメモリ13に格納されたセンサデータは、関連する方法ステップ、すなわちイベントを検出することと、検出されたイベントを対応する映像フレームに関連付けることとを実施するのに適したデバイス14に転送することができる。そのようなデバイス14は、スマートフォン、タブレット、PC、サーバ、または専用のコンピューティングデバイスとすることができる。映像は、無線、たとえばWLAN、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)LowEnergyなどを介して、または有線接続、たとえばUSB、Firewire、Thunderboltなどを介して、デバイス14に転送することができる。映像および/またはセンサデータは、デバイス14へ活動中に、たとえば無線接続を介して、または活動終了後に送信することができる。後者の場合、有線接続(たとえばUSB)を、無線接続の代わりに使用することができる。
【0122】
デバイス14は、映像をセンサデータと同期させ、時系列内のイベントを検出し、イベントを、イベントを表示する映像内の少なくとも1つの対応するフレームに関連付けることが可能なプロセッサ15を備えることができる。この目的で、コンピュータ実行可能命令をプロセッサ15へ、たとえばメモリ16(たとえばハードドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなど)からロードして、関連する方法ステップをプロセッサ15に実施させることができる。また、メモリ16を用いて、映像および/またはセンサデータを格納し、記載の方法に従ってプロセッサ15により後で処理することができる。
【0123】
図4に、センサアセンブリ12を備えるストラップ41の形態のウェアラブルデバイス41の一例示的実施形態を示す。センサアセンブリ12は、
図3を参照して説明されたセンサセンブリ12とすることができる。たとえば、センサアセンブリ12は、センサデータを格納するためのメモリ13を含むこともできる。センサアセンブリ12は、たとえばフック・ループ式ファスナー、スナップボタン、磁気ファスナーなどにより、ストラップ41に着脱可能に取り付けることができる。あるいは、センサアセンブリ12は、たとえば接着、溶接または縫合により、ストラップ14に永久に取り付けることができる。ストラップ41は、フットウェアと無関係であるという利点があり、すなわち、靴がなくとも(たとえば砂の上または芝生の上で)使用することができる。
【0124】
ストラップ41は、繊維材料、レザー、人工レザー、プラスチックなどから作ることができる。ストラップは、人物の体の四肢、たとえば腕および/または脚に装着可能な任意のループ状の構成と理解されたい。したがって、ストラップ41は、脚に、たとえば足首付近に装着することができる。本発明の方法の精度は、さらなるセンサアセンブリ12を有するストラップが他方の脚に装着された場合に、向上させることができる。これは、特にサッカー用途に関して有利である場合があり、その理由は、サッカープレーヤーが通常はボールを両足で扱うためである。両方のセンサアセンブリ12からのセンサデータは、単一の時系列に組み合わせることができる。この目的で、1つのセンサアセンブリ12は、そのセンサデータを他のセンサアセンブリへ、無線などで送受信機モジュール39を用いて送信することができる。センサデータは、受信するセンサアセンブリ12内の中央処理装置36により組み合わせることができる。あるいは、両センサアセンブリはセンサデータをデバイス14へ、たとえば上述の無線送受信機モジュール39またはコネクタ38を介して送信する。そして、両センサアセンブリからのセンサデータは、デバイス14において組み合わせることができる。
【0125】
他のスポーツ活動中でも同様に1つより多いセンサアセンブリを装着すると有利である場合がある。たとえば、テニスプレーヤーは、第1のセンサアセンブリ12を腕に、たとえば手首に装着し、第2のセンサアセンブリ12を片足に、たとえば足首付近に装着することができる。第1のセンサアセンブリ12は、彼の腕の動きおよびボールヒットを表すセンサデータを記録することができ、第2のセンサアセンブリ12は、テニスコート上での彼の動きを表すセンサデータを記録する。両センサアセンブリからのセンサデータは、上述のように組み合わせることができる。したがって、両センサアセンブリにより記録されたセンサデータは、彼のテニス活動のより完全な記録を表す。
【0126】
既に述べたように、センサアセンブリ12は、ユーザの位置を追跡するための、または特定のイベントの検出に関連するデータを測定するための衛星ナビゲーションモジュール312をさらに備えることができる。したがって、測定されたデータを地理的位置に関連付けるために、ウェイポイント(waypoint)を、本発明と共に用いることができ、あるいは加速度計および/またはジャイロスコープおよび/または磁力計からのデータと共にメモリ13により記憶することができる。ウェイポイントの使用は、ユーザが上述のスイッチ314を有効化することに依存してもよい。
【0127】
本発明による方法は、少なくとも1つのフレームを用いて、人物の活動の所定のイベントを表示する第2の映像を生成するステップをさらに備えることができる。したがって、対応する検出されたイベントに関連付けられた全てのフレームは、1つの映像にまとめることができる。映像は、フィードバックまたは要約をプレーヤーに提供し、彼のパフォーマンスの「ハイライトリール」または「ショーリール」とみなすことができる。
【0128】
本発明の文脈における「ハイライトリール」または「ショーリール」は、共通の特性を共有する映像シーケンスのコレクションと理解されたい。1つの共通の特性は、たとえば、ハイライトリールの全ての映像シーケンスが、特定のプレーヤーのキックおよび/またはパスおよび/またはトリックなどを表示することでもよい。他のハイライトリールは、ゴールキーパーの全ての防御イベントを表示することができる。さらに、ハイライトリールは、プレーヤーが行った特定のトリック、たとえばキーピーアッピーまたはアラウンドザワールドを表示することができる。特性は、必ずしも特定のプレーヤーに関連するわけではない。たとえば、ハイライトリールが、プレーヤーとは無関係に、試合で行われた特定の球速(たとえば、50、60、80、100km/h)を超える全てのシュートを表示することも可能である。
【0129】
要約映像は、デバイス14上で生成することができ、インターネット上のサーバに、またはコンシューマデバイス、たとえばスマートフォン、タブレットコンピュータ、PC、スマートウォッチなどに直接、アップロードすることができる。
【0130】
図5に、映像がデバイス14からコンシューマデバイス51a、51b、51c、51dに転送され得る方法の一例示的実施形態を示す。まず、映像および/または追加の要約統計量を、デバイス14からクラウド52に転送することができる。したがって、デバイス14はまた、たとえば有線接続(たとえばEthernet、USB、Thunderboltなど)または無線接続(たとえばWifi、WLAN、BTなど)を介してインターネットに接続される。クラウド52は、インターネットに接続された単一のサーバまたはサーバファームにより実装することができる。本発明の文脈における「クラウド」は、映像および/または要約統計量を格納しコンシューマデバイスに提供することができる任意のサーバと理解されたい。
【0131】
映像および/または要約統計量は、クラウド52上でデバイス51a、51b、51c、51dによりアクセスすることができる。たとえば、デバイス51aおよび51bは、モバイルデバイス、たとえばスマートフォン、タブレットPC、スマートウォッチなどである。デバイス51aおよび51bは、無線接続、たとえば3G、4G、UMTS、LTE、Wifi、WLAN、BT、BTLEなどを介してインターネットに接続される。映像および/または要約統計量をクラウド52からダウンロードし提示するために、アプリケーション(モバイルデバイスの文脈では「アプリ(app)」と表記されることが多い)をモバイルデバイス51aおよび51bにインストールすることができる。そのようなアプリは、仮想的なストア(たとえばAppleのiTunes(登録商標)、google play(登録商標)など)からダウンロードすることができる。アプリはクラウド52に接続し、クラウド52から映像および/または要約統計量をダウンロードする。あるいは、映像は、ダウンロードすることなく(すなわち映像をモバイルデバイスに格納することなく)、クラウド52からモバイルデバイスへストリーミングすることができる。そして、映像および/または要約統計量は、以下でより詳細に説明されるようにユーザに提示することができる。
【0132】
アプリの代わりに、モバイルデバイス51a、51bにインストールされたインターネットブラウザを用いて、クラウド52に接続することもできる。この目的で、ユーザはブラウザを特定のウェブページへ移動させ、たとえばユーザ名およびパスワードを入力する。ユーザがアクセスを認められた後、映像および/または要約統計量をブラウザで直接見ることができ、あるいは映像および/または要約統計量をダウンロードして後で見ることができる。
【0133】
また、映像および/または要約統計量は、デスクトップPC51cおよび/またはノートブック51dからアクセスすることができる。この目的で、クラウド52にアクセスし、映像および/または要約統計量をダウンロードおよび提示するためのソフトウェアアプリケーションを、デスクトップPC51cおよび/またはノートブック51dにインストールすることができる。あるいは、映像は、クラウド52からデバイスへ、ダウンロードすることなく(すなわち映像をデバイスに格納することなく)ストリーミングすることができる。デスクトップPC51cおよびノートブック51dは、無線接続、たとえば3G、UMTS、LTE、Wifi、WLAN、BTなど、または有線接続、たとえばEthernet、USB、Thunderboltなどを介してインターネットに接続することができる。
【0134】
ソフトウェアアプリケーションの代わりに、デスクトップPC51cおよび/またはノートブック51dにインストールされたインターネットブラウザを用いて、クラウド52に接続することもできる。この目的で、ユーザはブラウザを特定のウェブページへ移動させ、たとえばユーザ名およびパスワードを入力する。ユーザがアクセスを認められた後、映像および/または要約統計量をブラウザで直接見ることができ、あるいは映像および/または要約統計量をダウンロードして後で見ることができる。
【0135】
図5の例示的実施形態の代替例として、デバイス51a、51b、51cおよび51dは、デバイス14に直接接続して映像および/または要約統計量をダウンロードすることができる。接続は、無線接続、たとえばWifi、WLAN、BT、BTLEなど、または有線接続、たとえばEthernet、USB、Thunderboltなどを介して確立することができる。たとえば、デバイス14は、スタジアムまたはスポーツグラウンドに設置することができる。センサアセンブリ12を装着した人物がスポーツ活動を行った後、メモリ13に格納されたセンサデータは、上述のようにデバイス14に転送されデバイス14上で処理されて、要約映像(「ハイライトリール」または「ショーリール」)および任意選択で追加の要約統計量が生成される。そして、人物はたとえば自身のスマートフォン、タブレットPC、スマートウォッチなどを用いて、デバイス14に接続することで、映像および任意選択で要約統計量をダウンロードすることができる。あるいは、映像は、ダウンロードすることなく(すなわちデバイス51a、51b、51cおよび51dに映像を格納することなく)、デバイス14からデバイス51a、51b、51cおよび51dにストリーミングされる。
【0136】
映像および要約統計量は、ソーシャルメディアプラットフォーム(たとえばユーチューブ、インスタグラム、バイン(vine)、ツイッター(登録商標)、フェイスブックなど)で共有することもできる。たとえば、クラウド52は、そのようなソーシャルメディアプラットフォームの一部とすることができる。あるいは、映像および/または要約統計量は、デバイス14またはクラウド52からソーシャルメディアプラットフォームのサーバへ転送される。たとえば、要約映像および/または要約統計量がデバイス14上で生成されると、映像および/または要約統計量は自動的に人物のソーシャルメディアプロフィールに追加される。そして、ソーシャルメディアプラットフォームを介してその人物とつながりがある他の人々は、映像および/または要約統計量にアクセスすることができ、たとえばコメントを投稿する、あるいは映像および/または要約統計量を他の人々と共有することができる。
【0137】
図6に、映像および/または要約統計量が、モバイルデバイス51a、51b(たとえばスマートフォン、タブレットPC、スマートウォッチなど)、デスクトップPC51c、ノートブック51d、または一般的にはディスプレイ61を備える任意のデバイスのユーザに提示され得る方法を示す。映像は、ユーザに対してデバイス51a、51b、51c、51dのディスプレイ61上に提示される。ユーザは、映像の提示方法に影響するいくつかの選択肢(possibilities)を有することができる。たとえば、ディスプレイ61の上部に、映像の真上に、シーン選択バー62が表示される。ユーザは、活動中に行った異なるイベントに対応する映像の異なるシーン間を切り替えることができる。たとえば、第1のシーンは、ユーザがキックオフを行っていることを示す。第2、第3および第4のシーンは、ユーザがパスを行っていることを示す場合がある。第5および第6のシーンは、ユーザがゴールへのシュートを行っていることなどを示す場合がある。ユーザはこれらのシーンの各々を、シーン選択バー62内の対応するボタンの1つをタップまたはクリックすることで選択することができる。シーンの数は、
図6に示された例とは異なっていてもよい。また、シーン選択バー62の位置は異なっていてもよく、たとえばディスプレイ61の下部または横側でもよい。さらに、ディスプレイ61はシーン選択バー62を全く表示しなくてもよい。
【0138】
シーン選択バー62の下に、タイムスライダ63がある。このスライダ63は事前定義されたパスに沿って伸びており、パスの始端は映像の始端に対応し、パスの終端は映像の終端に対応する。したがって、
図6の例では、パスは0秒で開始し、1分10秒で終了する。パス上のスライダ63の位置は、映像の現在位置に対応する。たとえば、スライダ63が経路の中央に達した場合、映像の半分が終わっており、残りの半分が開始するところである。ユーザはスライダ63をタップまたはクリックし保持して、映像の始端および終端の間の任意の点にスライドさせることで、それぞれの時点から映像を表示させることができる。スライダ63の位置は異なっていてもよく、たとえばディスプレイ61の下部または横側でもよい。さらに、ディスプレイ61はスライダ63を全く表示しなくてもよい。
【0139】
ディスプレイ61の下部に、カメラ選択バー64が表示されている。カメラ選択バー64により、ユーザは映像のカメラ位置を選択することができる。したがって、
図6の例示的実施形態では、ユーザは、5つの異なる角度から自身の活動のそれぞれのシーンを表示する5台の異なるカメラ51a、51b、51c、51d、51eの間で選択することができる。カメラの台数は異なっていてもよく、1台のみのカメラから数十台のカメラまでの範囲を取り得る。ユーザは、カメラに関連付けられたそれぞれのボタンをタップまたはクリックすることでカメラを選択する。カメラ選択バー64の位置は異なっていてもよく、たとえばディスプレイ61の下部または横側でもよい。さらに、ディスプレイ61はカメラ選択バー64を全く表示しなくてもよい。
【0140】
ディスプレイの右側に、フィードバックおよび統計量領域65が表示される。この領域では、活動中にユーザにより装着されたセンサアセンブリ12の少なくとも1つのセンサ31、32、33、34、35から得られたセンサデータから本発明に従って抽出された統計量およびフィードバックが表示される。したがって、
図6の例示的実施形態では、フィードバックおよび統計量領域65は、たとえばユーザにより行われたシュートを表示するシーン中に、球速を表示する。中央部で、フィードバックおよび統計量領域65は、1つのシーンでユーザが行ったトリックの名前、たとえばアラウンドザワールド、ボールジャグリングなどを表示する。さらに、フィードバックおよび統計量領域65は、たとえばゴールへの全てのシュート、全ての1対1状況、全てのドリブル、パスなどをカウントするアクションカウンタを提供する。したがって、映像の始端において、カウンタはゼロであり、特定のアクション、すなわちユーザが映像の中で行ったイベントの度に値が増加する。フィードバックおよび統計量領域65の内容は異なっていてもよい。たとえば、球速のみ、または行われたアクションのみ(たとえば、トリック、パス、シュートなど)、あるいは両方を表示してもよい。また、フィードバックおよび統計量領域65の位置は異なっていてもよく、たとえばディスプレイ61の下部または横側でもよい。さらに、ディスプレイ61は、フィードバックおよび統計量領域65を全く表示しなくてもよい。
【0141】
図7に、要約映像(または「ショーリール」あるいは「ハイライトリール」)が、モバイルデバイス51a、たとえばスマートフォンまたはタブレットPCのユーザに具体的に提示され得る方法を示す。モバイルデバイス51a、51bは、映像が表示されるディスプレイ71を備える。
図7の例では、要約映像は、7台のカメラにより撮影された映像に基づいている。カメラは、
図2に示された配置と同様に屋内サッカーフィールドの周辺に配置されている。異なる台数のカメラ、たとえば5台、3台、2台または1台のみのカメラを用いることもできる。ディスプレイ71のメインビューは、特定のカメラの1つの映像を、ほぼ画面全体に広がる拡大されたビューで表示する。
【0142】
図7に示されるように、プレーヤーの各々は、少なくとも1つのセンサアセンブリ12を足首付近に装着し、その1つが参照符号12で例示的に表されている。センサアセンブリ12は、本明細書で詳細に説明されるように、プレーヤーが試合(たとえば
図7の例ではファイブアサイド(five-a-side)の試合)に参加している間にセンサデータを記憶する。センサデータは本明細書で詳細に説明されるように処理されて、特定のイベント、たとえばキック、パス、シュート、ドリブル、1対1状況などが検出される。イベントはカメラ(
図7の例では7台)により撮影された映像内の対応する映像フレームに関連付けられて、本明細書で詳細に説明されるように、要約映像(または「ハイライトリール」あるいは「ショーリール」)が得られる。映像は、
図7を参照して示されるようにモバイルデバイスのユーザに提示される。
【0143】
図7の例では、カメラ選択領域72は、スクリーンの下部に表示される。カメラ選択領域72の位置は異なっていてもよく、たとえばディスプレイ71の上部または横側でもよい。さらに、ディスプレイ71はカメラ選択領域72を全く表示しなくてもよい。カメラ選択領域72は、メインカメラ(すなわち、ほぼ画面全体に広がる拡大された映像と関連付けられたカメラ)として実際に選択されたカメラの台数を示すカメラのピクトグラムを含む。
図7の例では、この数は7であるが、1から7までの範囲の任意の値とすることができる。異なる台数のカメラが使用された場合、この範囲は異なる場合がある。カメラごとに、カメラ選択領域72内にドットが表示される。ユーザは、ドットの1つをタップまたはクリックすることで、あるいは1本または複数本の指をディスプレイ上で、たとえば左から右へ、右から左へ、上から下へ、または下から上へスライドさせることで、メインカメラを変更することができる。
【0144】
図7の例では、カメラ概観領域73が、ディスプレイ71の上部にさらに表示される。カメラ概観領域73の位置は異なっていてもよく、たとえばディスプレイ71の上部または横側でもよい。さらに、ディスプレイ71はカメラ概観領域73を全く表示なくてもよい。カメラ概観領域73は、ディスプレイ73上で拡大表示されていない残りのカメラのうちの各カメラの小規模映像を表示する。したがって、
図7の例では、6つの小さな映像が、カメラ概観領域73に同時に表示される。
【0145】
ユーザが上述のようにメインカメラを変更した場合、以前のメインカメラの映像は、画面の最大部分に表示される代わりに、カメラ概観領域73に表示される。その代わりに、新たな選択されたメインカメラの映像は、画面の最大部分に表示され、カメラ概観領域から除去される。たとえば、ユーザがメインカメラをカメラ7からカメラ6へ、ディスプレイ73上でスライドすることで変更した場合、カメラ6の映像はカメラ概観領域73内でカメラ7の映像と置換することができる。同時に、画面の最大部分を構成するカメラ7の映像は、カメラ6の映像と置換される。
【0146】
追加情報、たとえば
図6を参照して説明されたフィードバックおよび統計量情報もディスプレイ71に表示できることに留意されたい。たとえば、球速を、プレーヤーの1人のセンサアセンブリ12から得られたセンサデータに基づいて推定することができ、映像が対応するシュートを表示しながら、km/hまたはmphなどでメインカメラの映像上にオーバーレイとして表示することができる。
【0147】
センサアセンブリ12は、一種の活動追跡器として使用することもできる。この目的で、センサアセンブリ12は、たとえばストラップ(たとえば
図4に示されたストラップ41)、ブレスレットなどに取り付けることができ、たとえば手首または足首に装着することができる。センサアセンブリ12内の少なくとも1つのセンサ31、32、33、34、35により得られたセンサデータを用いて、歩数、距離、消費カロリーなどをカウントすることができる。また、センサデータを用いて、センサアセンブリ12を装着した人物が1日の間に行った、たとえばサッカー関連のトリック(たとえばアラウンドザワールド、ボールジャグリングなど)をカウントすることができる。センサアセンブリ12が衛星ナビゲーションモジュール312を備えている場合、センサアセンブリ12は、トリックが行われた、および/または人物が他のスポーツ活動、たとえばランニングなどを行った、地理的位置を保存することもできる。収集された活動統計量は、
図5に関して説明された、コンシューマデバイスおよび/またはソーシャルメディアプラットフォームに配信することができる。
【0148】
図8に、センサデータ82の時系列内のイベントを検出するためのステップの一例示的シーケンス81を示す。センサデータ82は、
図3を参照して説明されたセンサアセンブリ12内の少なくとも1つのセンサ31、32、33、34、35から得られる。ステップのシーケンスは、時系列を前処理すること83と、時系列を複数のウィンドウにセグメント化すること84と、外れ値を検出すること85と、複数のウィンドウの各々において時系列から複数の特徴を抽出すること86と、複数のウィンドウの各々において時系列から抽出された複数の特徴に基づいて、複数のウィンドウに関連するイベントクラスを検出すること87とを備える。以下では、これらのステップの各々が、より詳細に説明される。
【0149】
時系列は、T=(s[0],s[1],...,s[N−1])と書くことができ、ここでNはサンプル数を表し、s[k]はサンプリング点kにおける1つの軸のセンサデータの振幅を表す。
【0150】
3軸加速度計から得られた例示的な時系列が、
図9に示されている。このプロットでは、横座標は秒単位の時間を指し、縦座標は地球の重力加速度gの単位で測定された加速度を指す。プロットは、3つの次元(3軸)全てにおいて加速度が一時的に変化していることを示している。この例示的な時系列は、サッカー靴の中に配置された加速度計により、その靴を装着したサッカープレーヤーが2度の以降のショートパスを行っている間に取得されたものである。
【0151】
第1のシーケンスのステップ83において、センサデータの時系列が、たとえばローパスフィルタリング、ダウンサンプリング、バターワースフィルタリング、移動平均の生成、または同様の方法などにより前処理される。ローパスフィルタリングは、信号から高周波成分を除去し、これはノイズにほぼ起因するものである。ダウンサンプリングは、隣接するサンプリング点を結合することで、高周波(たとえば10から10000Hz、好ましくは1000Hz)でサンプリングされた時系列を、低周波時系列(たとえば1から1000Hz、好ましくは100Hz)にマッピングする。高周波成分の除去に加えて、これにより、より少数のデータ点が処理されることになるので、計算的な複雑性も減少する。
【0152】
セグメント化するステップ84について、加速度計の3軸s
1、s
2、s
3の信号強度ベクトルSMVは、
【0153】
【数1】
にしたがって計算することができる。
【0154】
SMVについてのさらなる情報は、Shaoyan Zhang, Alex V. Rowlands, Peter Murray, and Tina L. Hurst, "Physical Activity Classification Using the GENEA Wrist-Worn Accelerometer", Medicine & Science in Sports & Exercise, 44(4): 742-748頁, 2012年において見つけることができる。信号強度ベクトルは、信号内の高エネルギー領域を決定するために使用される。ショートパスなどのイベントは、
図10から分かるように、高いピークにより表される。
【0155】
さらなる処理のために、SMVが所定の閾値を超える信号部分のみが処理される。この手順により、さらに処理されるウィンドウの数が最小化される。振幅が閾値を超える連続したサンプルを、1つの信号パッチとする。
【0156】
信号パッチごとに、最大SMVに対応する時点により、さらなる処理のために使用される固定サイズのウィンドウの中心が決まる。
図10に、ウィンドウの2つの例を示す。
【0157】
全てのイベントについて最適なウィンドウサイズを見つけることは困難であり、これはたとえばシュートおよびコントロールなど、イベントの長さが異なる場合があるためである。したがって、ウィンドウサイズをイベントの長さに適合させる新規かつ知的なウィンドウサイズ決定手順が提案される。1つの信号パッチのSMVは、ガウシアンカーブによりモデル化される。ガウシアンカーブのパラメータを用いて、イベントごとに最適なウィンドウサイズを推定することができる。
【0158】
また、時系列は、ステップ84において、事前記録されたイベントの既知の信号を用いて定義されたイベントのテンプレートとのマッチングを用いて、複数のウィンドウにセグメント化することもできる。マッチングは、相関、整合フィルタリング、ダイナミックタイムワーピング、または最長共通部分列(LCSS)およびそのスライディングウィンドウ変形、ワーピングLCSSに基づくことができる。
【0159】
ウィンドウのセンサデータ(加速度、角速度など)は、外れ値検出ステップ85の入力となる。目標は、不所望のアクション、たとえばジョギング、ランニングまたはタックルなどのインスタンスを含むウィンドウを除去することである。提案された方法はルールベースシステムを使用し、これはガウシアンカーブおよび1クラスサポートベクターマシンのパラメータのもっともらしさを所望のイベントごとに評価するものである。1クラスサポートベクターマシンの詳細は、Bernhard Scholkopf, John C. Platt, John Shawe-Taylor, Alex J. Smola and Robert C. Williamson, "Estimating the Support of a High-Dimensional Distribution", Neural Computation, 13(7)
: 1443-1471頁, 2001年において見つけることができる。
【0160】
図8に示される次のステップは、特徴抽出86である。このステップ86において、ウィンドウの各々におけるセンサデータからの複数の特徴が抽出される。特徴(特徴変数とも表される)は、特定のウィンドウをより低い次元で表すために抽出される。
【0161】
抽出される特徴は、たとえばウェーブレット変換、主成分分析(PCA)、線形予測符号化器(LPC:Linear Predictive Coder)の係数、高速フーリエ変換(FFT)の係数(たとえばスペクトル重心および帯域幅)を用いることによる、時間統計量、時空間統計量(すなわち1つより多いセンサの時間および位置にわたる統計量)、スペクトルまたはアンサンブル統計量のうちの1つまたは複数などに基づくことができる。他の特徴を使用することもできる。
【0162】
時間的統計量に基づく特徴は、多変量解析をウィンドウに適用してウィンドウのより低次元の表現を得ることで抽出される。多変量解析の方法は、たとえば、Alvin C. Rencher and William F. Christensen, Methods of multivariate analysis, 3
rd edition, John Wiley & Sons, 2012年にまとめられている。
【0163】
人間の動きは、人間の関節に類似して自由度が限られているので、複数のセンサ軸の観測値が冗長となる。たとえば、キックを開始するために後方に動いている間は、体軸が関連する。センサ軸、すなわち観測値の異なる次元の間の線形関係が、サンプル相関により測定され得る。2つのセンサ軸の間の相関係数は、ピアソン相関係数により推定することができる。
【0164】
ウィンドウのサンプル平均は、1次元のデータサンプル、すなわち1つのセンサ軸に関するデータを平均化することで定義される。さらに、信号エネルギーは、運動強度の裏付けとなる。したがって、人間のイベントは強度を反映して分析することができる:たとえばサッカーでは、キックのイベントは、ショートパスまたはドリブルアクションなどの他のイベントよりも高いパワーを有すると推定される。次元d(すなわち、センサ軸d)における1つの観測ウィンドウ内の信号エネルギーは、
【0166】
人間の動きの全体の強度をキャプチャするために、運動強度MIが、全ての次元Dにわたる正規化されたエネルギーの蓄積:
【0167】
【数3】
として導入される。加えて、正規化された信号強度面積SMAが、
【0168】
【数4】
として、絶対値|s
d[k]|を合計することで定義される。
より高次の統計量、たとえば尖度および歪度を用いることもできる。
【0169】
さらにまたはあるいは、時空間特徴、たとえばウィンドウの次元に沿った最小値および最大値は、信号内の強いピークの情報をキャプチャすることができる。したがって、例示的な時間および時空間統計量は、サンプル平均、正規化された信号エネルギー、運動強度、信号強度面積、軸間相関、ウィンドウ内の最大値、およびウィンドウ内の最小値を含む。
【0170】
時間または時空間統計量に加えて、またはこれらの代わりに、ウェーブレット解析を、特徴抽出86のために使用することもできる。ウェーブレット解析は、スペクトル統計量が時間と共に変化する非定常信号を特徴付けることができる。
【0171】
さらに、これには一過性のイベントを反映する特性があり、その理由は信号の時間およびスペクトルの特徴を同時にキャプチャするためである。ウェーブレット変換は、バンドパスフィルタと等価である、ウェーブレットと呼ばれる単一のプロトタイプ関数を用いて行われる。ウェーブレットのマルチスケール版が信号に畳み込まれて、ウェーブレットの縮小/削除版(contracted/deleted version)により高/低周波成分が抽出される。センサデータ観測値のウィンドウが与えられると、時空間領域における多重解像度解析が、基底ウェーブレットを拡張して行われる。ウェーブレット変換により、高周波成分の優れた時間解像度と、低周波成分の優れた周波数解像度が与えられる。ウェーブレット解析の詳細は、Martin Vetterli and Cormac Herley, "Wavelets and filter banks: Theory and design", IEEE Transactions on Signal Processing, 40(9): 2207-2232頁,1992年において見つけることができる。
【0172】
離散ウェーブレット変換を用いて、人間の動きの特徴をキャプチャすることができる。これは、高速ウェーブレット変換として効率的に実装することができる。これは、ローパスおよびハイパスフィルタのシリーズにより信号を分解するフィルタバンクにより表される。各レベルiにおいて、入力信号s[k]は、ローパスフィルタg
i[k]およびハイパスフィルタh
i[k]によりフィルタリングされる。後続のレベルでは、ローパスフィルタされた信号は引き続き2倍でダウンサンプリングすることでより低い解像度へ分解され、ハイパスフィルタされた信号は、それぞれのウィンドウの特徴として使用可能な細部係数q
iとして機能する。したがって、ウィンドウのセンサデータは、特徴として機能する細部係数q
iにより表される。また、ウェーブレット分解により近似係数が得られ(最後の分解)、これも特徴として使用することができる。さらに、近似/細部係数に基づく特徴を計算することができる(前述のもの:信号エネルギーなどと同様)。ハイパス信号が均等に分解される場合、変換はウェーブレットパケット分解と呼ばれる。人間の動きの詳細をキャプチャするための離散ウェーブレット変換の詳細は、Martin Vetterli and Cormac Herley, "Wavelets and filter banks: Theory and design", IEEE Transactions on Signal Processing, 40(9): 2207-2232頁, 1992年において見つけることができる。
【0173】
Daubechiesウェーブレットを本発明の文脈において使用することができ、その理由は、計算的に効率的に実装可能なためである。たとえば、7次のDaubechiesウェーブレットを、特徴抽出のために使用することができる。
【0174】
したがって複数の特徴を、ウェーブレット解析、主成分分析などを用いて、時間、時空間、スペクトル、またはアンサンブル統計量に基づいて抽出することができる。例示的特徴は、サンプル平均、正規化された信号エネルギーE
d、運動強度(MI)、信号強度面積(SMA)、軸間相関、ウィンドウ内の最大値、ウィンドウ内の最小値、ウェーブレット変換により得られるレベルlにおける最大細部係数q
iを含む。
【0175】
全ての抽出された特徴の特徴セットが与えられた場合、方法の実施の複雑性を低減するために、最も重要な冗長でない特徴が選択されるべきである。特徴間のいかなる冗長性も、計算コストの不必要な増加につながることがある。同時に、この特徴のサブセットは、最良の分類性能をもたらすはずである。ラッパー法、選択フィルタおよび組み込み手法などの様々な選択技法同士を区別して扱うことができる。
【0176】
ラッパー法は、異なる特徴サブセットを用いて本発明による方法の性能を評価する。たとえば、逐次前進選択により、最良の性能の特徴が反復的に追加される。
【0177】
選択フィルタは、分類器が選択手順に含まれないので、最も重要な特徴を発見する高速な方法である。相互情報は、特徴サブセットの関連性を示すことができ、異なるフィルタ技法により推定することができる。
【0178】
最後に、組み込み選択は、ラッパー法による全数検索と、選択フィルタによる確率密度関数の推定とを回避するために使用することができる。組み込み選択は、方法ステップ87で使用されるいくつかの分類器が特徴の重要度の評価を既に含むので、合理的である。
【0179】
たとえば、ランダムフォレスト分類器を、特徴選択のために使用することができる。ランダムフォレストは、訓練データの特徴をランダムに選択することで成長する、決定木分類器のアンサンブルとして記述することができる。木ごとに、訓練データのサブセットが、訓練セット全体から置換により取り出される(ブートストラップ)。このサブセット内で、特徴がランダムに選択され、それらの値を用いて決定木の分岐ノードごとに閾値が構築される。分類中に、各木は、観測された特徴ベクトルの最も可能性の高いクラスを決定し、全ての木の出力が統合される。最多票のクラスが、分類器の最終出力となる(多数決)。ランダムフォレスト分類器の詳細は、Leo Breiman, "Random forests", Machine learning, 45(1): 5-32頁, 2001年において見つけることができる。
【0180】
図8に示されるように、本発明によるシーケンスの次のステップ87において、それぞれのウィンドウ内のセンサデータから抽出された複数の特徴に基づくウィンドウの各々に関連するイベントクラスが推定される。このステップも、分類と呼ばれる。
【0181】
いくつかの分類器、たとえばナイーブベイズ、サポートベクターマシンおよびランダムフォレスト、アダブースト分類器、ニアレストネイバー分類器、ニューラルネットワーク分類器、パーセプトロン分類器、ルールベース分類器、またはツリーベース分類器を使用することができる。
【0182】
ナイーブベイズ手法では、事後確率密度関数を、ベイズの公式を用いて、
【0183】
【数5】
と書くことができる。事後確率密度関数を最大化する代わりに、クラス条件付き確率密度関数
【0185】
【数7】
を推定することができる。ナイーブベイズ分類器は、特徴ベクトル
【0186】
【数8】
の全ての成分が相互に独立であるという仮定の下でこの等式を解く。これは単純化につながる:
【0190】
【数11】
が与えられた場合のクラス条件付き確率密度関数は、ガウシアン確率密度関数:
【0191】
【数12】
であると仮定される。したがって、確率密度関数は、その平均μ
fおよび分散
【0193】
ここで、方法ステップ140においてラベルなし特徴ベクトル
【0194】
【数14】
が与えられた場合、ガウス分布
【0197】
【数17】
の各特徴値において評価される。
【0198】
そしてクラスが、上記で導出された等式
【0200】
【数19】
が得られる。このように、イベントクラスを、方法ステップ87においてナイーブベイズ分類器に基づいて推定することができる。分類のためのナイーブベイズ手法の概観は、Sergios Theodoridis and Konstantinos Koutroumbas, Pattern Recognition, 4
th edition, Elsevier, 2008年において見つけることができる。
【0201】
方法ステップ87で使用可能な他の分類器は、サポートベクターマシン(SVM)に基づく。SVMはクラス境界に、すなわち線形SVMの場合、元の特徴空間におけるクラス境界に直接焦点を当てる。特徴空間は、特徴ベクトルの各次元が1つの座標軸に対応する多次元システムにおける特徴ベクトルのマッピングとして定義される。この概念は、
図11に示されるように2つのクラスの特徴ベクトル間の最大の線形マージンを発見することである。この場合、2次元の特徴セットは、線形に分離可能である。サポートベクトルと呼ばれる、マージン114および115上にある特徴ベクトル111、112および113は、最適な超平面を定義する。
【0202】
訓練データセットDが与えられると、イベントの特徴ベクトルは、特徴空間において分析される。最大マージンはSVMにより発見され、最大距離でクラスを分離する。この距離は、特徴セットの凸包間の最大距離に等しい。線形カーネルの使用とは別に、他のカーネルタイプ、たとえば多項式またはRBF(放射基底関数(radial basis function))を利用することができる。詳細な説明は、たとえば、Richard O. Duda, Peter E. Hart and David G. Stork, "Pattern Classification", 2
nd edition, John Wiley & Sons, 2000年において見つけることができる。
【0203】
次に、ステップ87においてラベルなし特徴ベクトル
【0204】
【数20】
が与えられた場合、これは特徴空間で分析される。分離する超平面に対する距離および位置は、事後確率の裏付けとなる。しかしながら、距離のみが測定された場合、この確率は直接与えられない。目的関数の符号は、最も可能性の高いクラスに対応し、推定値
【0205】
【数21】
として使用される。1つより多いイベントが決定される場合、特徴空間を分離するいくつかの超平面に対する距離ベクトルを考慮しなければならない。
【0206】
方法ステップ87で使用され得るさらなる手法は、ランダムフォレストに基づく。既に述べたように、ランダムフォレストは、訓練データセットから特徴をランダムに選択することで成長する決定木分類器のアンサンブルを含む。
【0207】
訓練データセットDが与えられた場合、木は、Trevor Hastie, Robert Tibshirani, Jerome Friedman, "The elements of statistical learning", volume 2, Springer 2009年に記載されるように構築することができる。木ごとに、データのサブセットが、訓練データセットから置換により取り出される(ブートストラップデータ)。そして、各木は、最小ノードサイズに到達するまで以下のステップを再帰的に反復することで、ブートストラップデータから成長する:第1に、特徴のサブセットがランダムに選択される。第2に、サブセットの中で、クラス間の最良の分割を与える特徴が、現在のノードでの閾値を構築するために採取される。選択された特徴は、次の反復に関しては省かれる。第3に、このノードは娘ノード(daughter node)に分割される。
【0208】
次に、ステップ87においてラベルなし特徴ベクトル
【0209】
【数22】
が与えられた場合、クラス
【0210】
【数23】
が、全ての木の推定されたクラスに従って推定される。投票の大部分を有するクラスは、ランダムフォレストの推定値
【0212】
所望のイベント、たとえばショートパス(SP)、ロングパス(LP)、コントロール(CO)、およびシュート(ST)の分類は、階層的に行われる。
【0213】
図12に示されるように、方法ステップ87は、第1に、2つのイベントグループ(「SP/CO」および「LP/ST」)を区別することができる。さらなる分類ステップにおいて、イベントグループの1つが第1の分類ステップで決定された場合、このグループ内のイベントの1つが決定される。したがって、
図12の例では、イベント「SP」または「CO」が、グループ「SPCO」内で決定され、イベント「LP」または「ST」が、グループ「LPST」内で決定される。以前に適用された外れ値検出手順で除去されなかったランニング/ジョギング/タックルなどのアクションを含むMISC/NULLクラスを、第1のレベルにおいてモデル化することもできる。したがって、2つの分類ステップを、この例では用いることができる。しかしながら、一般的には、単一の分類ステップのみ、または2つより多い分類ステップを、本発明に従って用いることができる。
【0214】
上述のように検出されたイベントに基づいて、フィードバックを人物に与えることができる。したがって、人物に、トレーニング中または試合中の自身のパフォーマンスなどについて知らせることができる。そのようなフィードバックはリアルタイムで与えられることが好ましい。
【0215】
たとえば、センサアセンブリ12を装着している人物がスポーツ活動を行っている間に、センサアセンブリ12内の中央処理装置36は、センサデータを処理し、特定のフィードバックデータ、たとえば歩数、走行距離、消費カロリー、キック、パス、シュートの回数などを生成することができる。
【0216】
フィードバックは、推定されたイベントに基づいて人物に与えることができる。したがって人物に、トレーニング中または試合中に、自分のパフォーマンスなどについて知らせることができる。そのようなフィードバックは、リアルタイムで与えることができる。たとえば、フィードバックは、センサアセンブリ12またはスマートフォンのディスプレイ313上に(たとえば、走行距離、シュート数などを表示)、時計のディスプレイ上に、またはスポーツグラウンドなどに配置された外部ディスプレイ上に提供することができる。
【0217】
フィードバックは、非リアルタイムで与えることもできる。たとえば、フィードバックは、活動後に(たとえば試合後またはトレーニング後に)、たとえばロッカールームで(壁に設置されたディスプレイ上に、または人物の電子デバイス、たとえばスマートフォン、タブレットPC上に)、スポーツエリアで(たとえばスタジアム、ホール、フィールドなどのディスプレイ)、または自宅において提供することができる。この目的で、フィードバックデータは、上述のようにデータベースまたはクラウドストレージに格納することができる。
【0218】
さらに、要約統計量は、決定されたイベントに基づいて提供することができる。このように、統計量は、特定のイベントのクラスに合わせて調整することができる。たとえばサッカー用途では、シュートの回数および強度、シュート速度、ボール上の時間、ロングパスおよびショートパスの回数、ドリブルの期間、ボールあり/なしでの走行時間、動かなかった時間、ジャグリング、行われたトリックなどを提供することができる。バスケットボールについての要約統計量は、プット、パスおよびドリブルの回数、ボール保持時間、ジャンプの強さなどを含むことができる。テニスに関する要約統計量は、ヒット数、推定球速、フォアハンドおよびバックハンドのヒットの割合、サービスの回数および強度などを含むことができる。これらの統計量は、テニスプレーヤーがセンサアセンブリ12を手付近に装着した場合に提供することができる。テニスプレーヤーが追加でセンサアセンブリ12を片足または両足付近に装着した場合、走行の統計量、たとえば総距離、(たとえばネットへの)全力疾走の回数などを提供することもできる。
【0219】
球速推定のための一例示的アルゴリズムは、前処理、特徴抽出および回帰を含む。前処理ステップでは、たとえばセンサデータの高エネルギー領域周辺などの固定サイズのウィンドウが定義される。特徴、たとえば極値点(extreme point)の数、平均、分散、歪度、尖度、スプライン補間または最大振幅などが、ウィンドウ内のセンサデータに基づいて計算される。追加の特徴を、たとえば加速度計の信号強度ベクトルの信号に関して、計算することができる。回帰ステップでは、異なる手法、たとえばサポートベクター回帰または線形回帰を適用することができる。サポートベクター回帰の詳細は、Alex J. Smola and Bernhard Scholkopf, "A tutorial on support vector regression", Statistics and Computing, 14(3): 199-222頁, 2004年において見つけることができる。
【0220】
図9から分かるように、高強度のイベント中に、センサの最大範囲に到達することがある。飽和の欠点を克服するために、より広い範囲を有するセンサを使用することができる。1つセンサのみ、たとえば1つの加速度計のみを用いる場合、狭いセンサ範囲だが高い分解能と、広いセンサ範囲だが低い分解能とのトレードオフを理解しなければならない。両センサタイプの利点を利用するために、センサ融合技法を利用することができる。
【0221】
上述の回帰タイプを用いる代わりに、主成分回帰を用いることができ、これにより特徴次元を削減し、多重共線性の問題に対処できるようになる。主成分回帰の詳細な概観は、William F. Massy, "Principal Components Regression in Exploratory Statistical Research", Journal of the American Statistical Association, 60(309): 234-256頁, 1965年において見つけることができる。
【0222】
ここまで記載されたアルゴリズムは、サッカー特有のアクションの分類に焦点を合わせており、これはデータ分析の最終出力が時系列のソートされたアクションのリストであることを意味する。アクションのリストをそれらの重要性に従ってソートするために、センサベースのランキングアルゴリズムを用いることができる。ランキングアルゴリズムでは、異なるアクションモデルを確立し、事前にセグメント化されたセンサデータに適用することができる。各アクションモデルの目標は、事前にセグメント化されたアクションごとに1つのスコアを計算することである。アクションのリストは、スコアにより降順でソートされる。アクションモデルの汎用アーキテクチャは、前処理、特徴抽出および分類からなる。以下の段落では、アクションモデルSHOT_ON_GOALが説明される。事前にセグメント化されたアクションごとに、スコアは、このアクションがゴール前のシュートを含む確率に関する情報を与える。
【0223】
前処理ステップでは、加速度計およびジャイロスコープのセンサデータが、たとえば−1から1の間に正規化され、結合されたエネルギーが計算される。結合されたエネルギーは、正規化された加速度計およびジャイロスコープの信号の信号強度ベクトルの総和と定義される。さらに、ウィンドウが、結合されたエネルギー信号上でシフトされる。ウィンドウのサイズは、典型的なシュートの期間として選択される。ウィンドウ化の出力は、最大観測エネルギーおよび対応するウィンドウ境界を含む。前処理ステップは、ハイパスフィルタを適用し、加速度計信号のエネルギー信号における最大値を発見することによるボールコンタクト検出をさらに含む。前処理ステップは、脚がイベント脚(event leg)および支持脚に分類される自動脚調整をさらに含む。イベント脚とは、シュートを行った脚である。矢状面における角速度が最大の脚は、イベント脚と定義される。
【0224】
特徴抽出ステップでは、直線加速度の飽和の期間、飽和期の間の矢状面における最小角速度、および支持脚信号内のエネルギーが計算される。
【0225】
分類ステップでは、とりわけサポートベクターマシンを実施することができる。分類器の事後確率は、現在のアクションのスコアとして定義される。
【0226】
さらに、最大観測エネルギーに対応するウィンドウ境界を用いて、特定の映像効果、たとえば「高コントラスト照明」または「燃えるボール(ball on fire)」などが適用されるべきである、ハイライト映像内の時刻を定義することができる。
【0227】
さらなる興味深いアクションのために、追加のアクションモデルを開発することができる。特別なアクションモデルは、手動のトリガイベント、たとえばセンサを3回タップすることである。このイベントにより、最終的なハイライトリールで利用可能であるべきであるシーンを定義する機会がプレーヤーに与えられる。
【0228】
各アクションモデルが、事前にセグメント化されたアクションごとに1つのスコアを計算するので、アクションの最終的なランキングを定義しなければならない。様々なスキームを利用することができる。単一アクションモデルのスコアは、重み付けし組み合わせて、最終スコアおよび最終ランキングを取得することができる。さらに、異なるアクションモデルを優先順位付けして、ソートされたアクションのリストにおいてより高い位置となるようにすることができる。
【0229】
返されるアクションのリストは、事後確率に対する閾値または返されるべきアクションの数を定義することなどで、さらに削減することができる。
【0230】
ここまで記載されたアクションモデルは、1人のプレーヤーのセンサデータに基づいている。アクションのランキングは、チームメイトおよび対戦相手の情報を統合することで、たとえばアクションに関与するプレーヤーの数が多いほどスコアを高めることで、さらに改良することができる。アクションのランキングは、映像データ自体を統合することでさらに改良することができる。プレーヤーおよびボールを追跡するための様々なアルゴリズムを、処理パイプラインに統合することができる。
【0231】
また、方法は、センサの向きに関する先験的知識なしでシステムが動作するように設計することもできる。ローパスフィルタを、加速度信号の垂直軸に適用することができる。立位の期間(periods of standing)を、閾値技法に基づいて検出することができる。立位期間の符号に応じて、センサの向きを決定することができる。誤った向きが検出されることがあり、この手順を適用することで修正することができる。
【0232】
または、方法は、1つのセンサに欠陥がある場合にシステムが動作するように設計することもできる。この場合、信号強度面積が加速度計信号について計算され、ランキングスコアとして使用される。
【0233】
また、方法は、プレーヤーの融合に基づくゴール検出を含むことができる。プレーヤーは、ゴールが行われた後に特定の行動を示す:プレーヤーのほとんどは短い時間停止しゆっくり歩く。この行動は、異なるプレーヤーのセンサデータを融合することで分析することができる。この検出に基づいて、特殊効果を最後の映像カットに適用することができる。
【0234】
一般的な信号処理特徴を回帰入力として使用する代わりに、複数のセンサ位置、たとえば骨盤、腿、脛、足首、足などのセンサデータから導出された生体力学的駆動の特徴を使用することができる。生体力学的モデリングは、キックの異なるフェーズ、たとえばバックスイング、脚のコッキング、脚の加速、およびフォロースルーの検出、ならびに下肢速度の計算を含む。さらに、膝の角度および膝のモーメントを、腿および脛の相対的な向きを用いて計算することができる。部位(segment)の向きは、拡張カルマンフィルタにより決定することができる。様々なセンサを融合させることで、球速推定システムの精度が向上する。
【0235】
分類および回帰のタスクにおいて手作りの特徴抽出を用いる代わりに、深層学習技法を、サッカー特有のアクションの分類または球速の推定にさらに利用することができる。深層学習は、教師ありおよび/または教師なし手法、たとえば深層畳み込みニューラルネットワーク、深層信念ネットワーク(deep belief network)、またはオートエンコーダを利用して、深層アーキテクチャにおける階層表現を自動的に学習する機械学習手法のセットを指す。
【0236】
本明細書に記載の方法により得られる要約統計量は、特定のプレーヤーの検出されたイベント(たとえば、彼のシュート全て)を表示する映像と組み合わせることができる。このように、組み合わせられた要約またはフィードバックが得られる。映像および統計量の組み合わせは、デバイス14上で行うことができ、またはコンシューマデバイス、たとえばモバイルデバイス51a、51b(たとえばスマートフォン、タブレットPC、スマートウォッチ)、デスクトップPC51cまたはノートブック51d上で行うことができる。
【0237】
検出されたイベントに基づく要約統計量(および任意選択で、特定のイベントの生成された映像)は、他の人々、たとえばトレーナー、観衆またはこれらの統計量に興味のある他の人々に転送することができる。転送は、インターネット上でライブストリームを介して行うことができる。転送は、たとえばWifi、WLAN、BT、BTLE、NFC、RFID、USB、Ethernet、Thunderboltなどに媒体に基づくことができる。要約統計量(および任意選択で、特定のイベントの生成された映像)に基づいて、プレーヤーは後述のようにトレーナーまたはスカウトなどからフィードバックを得ることができる。
【0238】
さらに、要約統計量(および任意選択で、特定のイベントの生成された映像)に基づいて、すなわちプレーヤーの成果に応じて、ストアまたはスタジアム内の特別なエリアをロック解除することができる。たとえば、プレーヤーが試合中に特定数のボールコンタクトを達成した場合、ストアまたはスタジアム内の特定のエリアへのアクセスが授与される。
【0239】
また、センサデータを用いて、ステップオーバーカウンタ(すなわち、ステップオーバーの回数)、フットボール活動モニタ、キーピーアッピートラッカー(すなわち、ボールのジャグリング中のボールコンタクトのカウント)、「アラウンドザワールド」(すなわち、ボールを片脚で持ち上げ、その脚をボールの周りに地面に落下する前に動かすこと)、または1対1カウンタ(すなわち、プレーヤーがフィールド上で1対1の状況になり、たとえば相手を迂回するおよび/または出し抜くことを試みた頻度のカウント)を提供することもできる。たとえば、センサデータを分析して、プレーヤーがボールを地面に落下させずに行ったボールコンタクトの回数を決定することができる(キーピーアッピー)。上述の統計量は、対応する検出されたイベントに基づいて決定することができ、すなわちイベントは、(キーピーアッピーのための)足とボールとのコンタクト、または(「アラウンドザワールド」のための)円運動とすることができる。
【0240】
キックに関連するイベントが検出された場合、球速をセンサデータに基づいて推定することができる。したがって、人物は、自分のキックのパフォーマンスについてのフィードバックを得ることができる。球速は、前処理、特徴抽出および回帰により推定することができる。センサデータをセグメント化することができ、セグメント化された領域ごとに特徴を計算することができる。計算された特徴を入力として用いる様々な回帰技法を用いることができる。
【0241】
試合(たとえば、2チームのサッカーの試合、2人のプレーヤーのテニスの試合など)の後に、要約統計量ならびに検出されたイベントからまとめられた映像を、グローバルデータベース、たとえばトレーナー、スカウト、または他の人々用のクラウドに自動的に送信して、要約統計量および映像をレビューすることができる。そのようなデータ伝送の詳細は、
図5を参照して与えられている。そして、トレーナーまたはスカウトは、
図5を参照して説明されたように、モバイルデバイス51a、デスクトップPC51c、またはノートブック51dを用いてクラウドにアクセスし、本発明に従って生成された映像および/または要約統計量を研究する。これに基づいて、トレーナーまたはスカウトは、(たとえばソーシャルメディアプラットフォームを介して、またはEメール、ショートメッセージサービスなどで、コメントまたはプライベートなメモを投稿することで)映像に登場するプレーヤーにフィードバックを与えることができる。スカウトは、さらなる評価のために、プレーヤーを選択することができる。
【0242】
本発明の文脈における衛星ナビゲーションシステムモジュール312により提供されたデータに基づいて、ヒートマップを作成することができ、マップ上で他の人々がトリック、シュートなどが行われた場所および時間が分かるようにする。この文脈におけるヒートマップは、各位置に、人物がその特定の位置で費やした期間を関連付けるマップと理解されたい。そして、期間は配色にマッピングされる。たとえば、長い期間は赤色で示され、短い位置は青色で示される。中間の値は、対応する中間の色(たとえば、自然色のスペクトルからの色)により示される。ヒートマップを用いて、人物が、たとえば試合中に時間の多くを実際に費やした場所を分析することができる。この目的で、ヒートマップをプレイフィールド(たとえばフットボールグラウンド、テニスコート、バスケットボールフィールドなど)の写真または模式図に重ねることができる。このように、ヒートマップは、人物の好みの位置を示す。
【0243】
プロフェッショナルプレーヤーにより行われたトリックを、センサアセンブリ12およびカメラ11または複数のカメラ11a、11b、11c、11d、11eにより記録することができる。そして、他の人々が、トリックを繰り返すように求められ、上手くトリックを反復できた度合いに応じて報酬を受ける、または表彰される。プロフェッショナルプレーヤーが行う代わりに、トリックは、アマチュア、レクリエーションのプレーヤー、または任意のプレーヤーもしくは人物により行うことができる。
【0244】
記録されたセンサデータに基づいて、人物はポイントまたはスコアを取得することができる。たとえば、人物が特定の活動、たとえばサッカー、バスケットボールまたはテニスをどれほど長く、またはどれほど熱心に行ったかに応じて、ポイントまたはスコアが授与される。たとえば、ユーザがサッカーまたはバスケットボールを公園または街路で行った場合、トリックを実施した場合、あるいは彼がアバターで表現されるPCまたはゲームコンソール上のサッカー、バスケットボールまたはテニスのゲームをプレイした場合でさえ、対応するポイントまたはスコアを授与することができる。センサデータから抽出された特定のイベント(たとえばシュート、ロングパス、ショートパス、ドリブル、トリックなど)をカウントし、これに基づいてアドバンテージ、賞および/または報酬を人物に、特定量のイベントに到達した場合に与えることができる。
【0245】
ポイントまたはスコアは、一般に、ユーザが活動的である場合に授与することができる。そして、センサアセンブリ12は、前述した活動追跡器のように動作する。より多くの動きをユーザが行うほど、より多くのポイントまたはスコアが得られる。
【0246】
ポイントまたはスコアにより、ストア内の特別なエリアをロック解除することができる。たとえば、人物が特定数のポイントまたはスコア(たとえば1.000)に達した場合、ストア内の特別なエリアを彼に対してロック解除することができ、すなわちそのエリアへのアクセスを認められる。エリアは、特典、たとえば限定エディションまたはコレクターズアイテムを含むことができる。エリアは、自動ドアまたはバリアにより他の人々へロックすることができる。人物がドアまたはバリアに近づいた場合、センサアセンブリ12内の無線送受信機モジュール39は、人物を識別したドアまたはバリア付近の受信機へ(たとえばWifi、WLAN、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)LowEnergy、Zigbee、ANT、ANT+を介して)無線信号を送信することができる。人物が十分なポイントまたはスコアを有している場合、ドアまたはバリアを開くことができ、人物は特別なエリアへのアクセスを認められる。
【0247】
あるいは、特別なエリアは、オンラインストアの一部とすることができる。オンラインストアがホストされるサーバは、たとえば名前および/またはパスワードにより人物の識別を要求し、続いて人物に関連付けられたポイント数またはスコア数を他のサーバ、たとえばクラウドサーバ52から取得する。人物が十分なポイントまたはスコアを有している場合、オンラインストア内の特別なエリアへ、限定エディションまたはコレクターズアイテムなどの特典を持って移動することを許可することができる。
【0248】
ストアまたはオンラインストアの文脈では、ポイントまたはスコアに基づいて人物に割引を与えることもできる。たとえば、ポイントまたはスコアごとに、割引を、パーセント(たとえば100ポイント/スコアあたり1パーセント)で、または固定金額(たとえば100ポイント/スコアあたり1ユーロまたはドル)として与えることができる。
【0249】
さらに、ポイントまたはスコアに基づいて、独占的なメディアコンテンツへのアクセスを認めることができる。たとえば、人物が特定の最小量のポイント/スコア(たとえば1000)を有する場合、メディアサーバ上の特別なスポーツメディア(映像クリップ、ワークアウトミュージック、写真など)へのアクセスを認められる。
【0250】
また、ポイントまたはスコアを用いて、プレーヤーにオンラインバッチを授与することができる。たとえば、プレーヤーが1000ポイントまたはスコアをためた場合、ブロンズバッチが授与され、プレーヤーが5000ポイントをためた場合、シルバーバッチが授与され、プレーヤーが10000ポイントをためた場合、ゴールドバッチが授与される。バッチは、プレーヤーのソーシャルメディアプロフィール(たとえばフェイスブック、ツイッター(登録商標)など)に表示することができる。
【0251】
また、ポイントまたはスコアは、コンピュータゲームで使用するプレーヤーのアバターのパフォーマンスに関連付けることもできる。プレーヤーが特定の活動(たとえばサッカー、バスケットボール、テニス、日々の活動など)によりポイントまたはスコアをためるほど、アバターのパフォーマンスが高くなるようにする。たとえば、特定数のポイントまたはスコアに達した場合に、アバターは特定のスキルおよび/または装備を得ることができる。一例は、プレーヤーがたとえば1000ポイントに達した場合に、バイシクルキックを行う能力および/またはより優れた靴一足を得るサッカーアバターであろう。アバターのチーム全体のパフォーマンスを、それらに関連付けられたプレーヤーがポイント数またはスコア数を増やした場合に、向上させることもできる。たとえば、実際の試合でのサッカープレーヤーのチームのパフォーマンスにより、サッカーゲームでの彼らのアバターのチームのパフォーマンスを決定することができる。
【0252】
また、センサアセンブリ12を用いて、人物が試合を見るためにスタジアムを訪れた時刻も追跡することができる。たとえば、スタジアムに、無線送受信機モジュール39を介してセンサアセンブリ12と通信するための、RFID/NFCタグ、Bluetooth(登録商標)またはBTLEビーコン、WLANホットスポットなどを設けることができる。このように、スタジアムに関連付けられた識別子を、センサアセンブリ12に送信し、メモリ13に格納することができる。この情報は、後で、ユーザのソーシャルメディアプロフィールなどに(たとえば無線送受信機モジュール39またはコネクタ38を介して)送信することができる。したがって、ソーシャルメディアプロフィールは、人物が特定の試合を見るためにスタジアムを訪れたという情報を表示することになる。
【0253】
また、センサアセンブリ12が、スタジアムに設置された受信機にセンサアセンブリ12に関連付けられた識別子を送信し、識別子はさらに受信機からインターネットのサーバ(たとえばソーシャルメディアプラットフォームサーバ)へ送信され、サーバは人物が試合を見たという情報を表示するということも可能である。
【0254】
スタジアムの代わりに、スポーツ用品店に、人物のセンサアセンブリ12と通信するための、RFID/NFCタグ、Bluetooth(登録商標)またはBTLEビーコン、WLANホットスポットなどを備えることができる。上述の方法で、人物が店を訪れたという情報を、人物のソーシャルメディアプロフィールに自動的に投稿することができる。
【0255】
本発明は、広範囲の活動、特にスポーツ活動で使用することができる。たとえばバスケットボールをプレイする場合、意味のあるアクションまたはイベント、たとえばダンク、ジャンプシュート、360、クロスオーバー、シュート、シュートブロックを、プレイ中に検出することができる。バスケットボールゲームのハイライトリールを、本発明の方法およびシステムに基づいて生成することができる。バスケットボールの場合、1つより多いセンサアセンブリ12をプレーヤーが装着することができ、たとえば1つのセンサアセンブリ12を片腕に装着することができ、他のセンサアセンブリ12を片脚に装着することができる。一般的に、センサアセンブリ12は、体の任意の位置に、たとえば腰(hip)に装着することができる。前述のように、1つより多いセンサアセンブリ12からのセンサデータは、単一の時系列に組み合わせることができる。
【0256】
センサアセンブリ12をバスケットボールに取り付けるまたは組み込むことで、バスケットボールの動きを記録することもできる。そして、バスケットボールからのセンサデータを、バスケットボールプレーヤーが装着したセンサアセンブリからのセンサデータと組み合わせることで、バスケットボールのセンサデータを用いてイベントの検出を強化することができる。
【0257】
さらなる例示的スポーツ活動は、ランニングおよびテニスである。本発明がテニスに適用される場合、要約映像(「ハイライトリール」または「ショーリール」)は、プレーヤーの全てのフォアハンドもしくは全てのバックハンドおよび/または全てのサービスを表示することができる。本発明がダブルス中に実施される場合、特定のプレーヤーのみの前述のイベントを映像に表示させることができる。
【0258】
センサアセンブリ12は、ランナーが(たとえば足首の一方または両方付近に)装着することができ、センサデータをランニング中にメモリ13に格納することができる。そして、センサデータを本明細書で説明したように後で分析して、ランナーの走行技術を分析することができる。たとえば、センサデータを用いて、地面への足の接触の方法、ならびに回内および回外の方法を検出することができる。彼の動きの変化を、時間にわたって特定することができる。このようにして、いつランナーが疲労し始めたかを決定することができる。また、パワー出力(power output)を計算する、または時間変化に伴うランナーの消費カロリーを計算する、あるいはパワー出力の総量を取得することもできる。
【0259】
既に説明されたように、本発明の文脈で使用可能なカメラ11または複数のカメラ11a、11b、11c、11d、11eは、スマートフォンのカメラとすることができる。さらに、タブレットPC、ノートブック、カメラスティック、スマートウォッチなどのカメラを使用することができる。また、アクションカメラ、たとえばGopro(登録商標)を使用することができる。センサデータがカメラとは別のデバイス上で(イベント検出、およびイベントと映像フレームとの関連付けのために)処理される場合、映像は有線で(たとえばUSB、Ethernet、Thunderboltなど)、または無線接続で(たとえばWifi、WLAN、BT、BTLE、NFC、RFID、ANT(登録商標)、ANT+、ZigBee(登録商標)など)デバイスへ送信することができる。
【0260】
検出されたイベントに関連付けられた少なくとも1つの映像フレームから生成された映像、すなわち要約映像、「ハイライトリール」または「ショーリール」は、たとえばサッカーピッチの映像ウォール上に表示することができる。この目的で、センサデータおよび記録された映像または複数の映像を処理するデバイス14を、有線で(たとえばUSB、Ethernet、Thunderboltなど)、または無線接続で(たとえばWifi、WLAN、BT、BTLE、NFC、RFID、ANT(登録商標)、ANT+、ZigBee(登録商標)など)映像ウォールに接続して、要約映像を映像ウォールに転送することができる。
【0262】
[1]a.人物の活動の映像を記録するステップと、
b.人物が活動を行っている間に当該人物に接続された少なくとも1つのセンサ(31、32、33、34、35)を含むセンサアセンブリ(12)から得られたセンサデータ(82)の時系列を記憶するステップと、
c.映像をセンサデータ(82)と同期させるステップと、
d.時系列内のイベントを検出するステップと、
e.イベントを、イベントを表示する映像内の少なくとも1つの対応するフレームに関連付けるステップと、
を備える、人物の活動の映像内のフレームをイベントに関連付けるための方法。
【0263】
[2]少なくとも1つのフレームを用いて、人物の活動の所定のイベントを表示する第2の映像を生成するステップ、
をさらに備える、[1]に記載の方法。
【0264】
[3]映像をセンサデータ(82)と同期させるステップが、時系列内の、および映像の少なくとも1つのフレーム内の所定の同期イベントを検出すること、
を備える、[1]または[2]に記載の方法。
【0265】
[4]活動がスポーツ活動である、[1]から[3]のいずれか一項に記載の方法。
【0266】
[5]活動がサッカーである、[1]から[4]のいずれか一項に記載の方法。
【0267】
[6]イベントが、キック、ショートパス、ロングパス、シュート、またはボールのコントロールである、[1]から[5]のいずれか一項に記載の方法。
【0268】
[7]少なくとも1つのセンサ(31、32、33、34、35)が、加速度計(31)、ジャイロスコープ(32)、または磁場センサ(33)である、[1]から[6]のいずれか一項に記載の方法。
【0269】
[8]センサアセンブリ(12)が2つ以上のセンサ(31、32、33、34、35)を備え、2つ以上のセンサ(31、32、33、34、35)からのセンサデータ(82)が時系列内で組み合わせられる、[1]から[7]のいずれか一項に記載の方法。
【0270】
[9]人物の活動の映像を記録するステップが、映像を少なくとも2つのカメラを用いて記録することを備える、[1]から[8]のいずれか一項に記載の方法。
【0271】
[10]映像をデータベースに保存するステップをさらに備える、[1]から[9]のいずれか一項に記載の方法。
【0272】
[11]時系列内のイベントを検出するステップが、
時系列を前処理すること(83)と、
時系列を複数のウィンドウにセグメント化すること(84)と、
外れ値を検出すること(85)と、
複数のウィンドウの各々において時系列から複数の特徴を抽出すること(86)と、
複数のウィンドウの各々において時系列から抽出された複数の特徴に基づいて、複数のウィンドウに関連するイベントクラスを推定すること(87)と、
を備える、[1]から[10]のいずれか一項に記載の方法。
【0273】
[12]前処理するステップ(83)が、ローパスフィルタリングおよびダウンサンプリングを備える、[1]から[11]のいずれか一項に記載の方法。
【0274】
[13]前処理された時系列を、固定のウィンドウサイズを有する複数のウィンドウにセグメント化するステップ(84)、
をさらに備える、[11]または[12]に記載の方法。
【0275】
[14]ウィンドウの中心を、時系列内の最大ピークとするステップ、
をさらに備える、[13]に記載の方法。
【0276】
[15]中心にある最大ピークが閾値未満であるウィンドウを除去するステップ、
をさらに備える、[11]から[14]のいずれか一項に記載の方法。
【0277】
[16]ウィンドウサイズをイベントの形状および/または程度に適合させるステップ、
をさらに備える、[11]から[15]のいずれか一項に記載の方法。
【0278】
[17]ルールベースシステムおよび/または1クラスサポートベクターマシンにより外れ値を検出するステップ、
をさらに備える、[11]から[16]のいずれか一項に記載の方法。
【0279】
[18]特徴が、外れ値を含まないウィンドウにおいて計算される、[1]から[17]のいずれか一項に記載の方法。
【0280】
[19]特徴が、たとえばウェーブレット解析、主成分分析PCA、または高速フーリエ変換FFTを用いることによる、時間、時空間、スペクトル、またはアンサンプル統計量のうちの1つに少なくとも基づく、[11]から[18]のいずれか一項に記載の方法。
【0281】
[20]特徴が、単純平均、正規化された信号エネルギー、運動強度、信号強度面積、軸間相関、ウィンドウ内の最大値、ウィンドウ内の最小値、ウェーブレット変換の最大細部係数、テンプレートとの相関、テンプレートの主成分への射影、またはテンプレートの固有空間までの距離、スペクトル重心、帯域幅、優位周波数のうちの1つに基づく、[11]から[19]のいずれか一項に記載の方法。
【0282】
[21]特徴選択手順により特徴の数を削減するステップ
をさらに備える、[11]から[20]のいずれか一項に記載の方法。
【0283】
[22]イベントクラスが、ベイズ分類器たとえばナイーブベイズ分類器、最大マージン分類器たとえばサポートベクターマシン、アンサンブル学習アルゴリズムたとえばアダブースト分類器およびランダムフォレスト分類器、ニアレストネイバー分類器、ニューラルネットワーク分類器、ルールベース分類器、またはツリーベース分類器に基づいて推定される、[11]から[21]のいずれか一項に記載の方法。
【0284】
[23]イベントクラスの最終予測を推定するために、いくつかの分類器の決定を融合させるステップ
をさらに備える、[11]から[22]のいずれか一項に記載の方法。
【0285】
[24]相関、整合フィルタリング、ダイナミックタイムワーピング、または最長共通部分列(LCSS)およびそのスライディングウィンドウ変形、ワーピングLCSSを用いたテンプレートのマッチングにより、イベントを検出するステップをさらに備える、[11]から[23]のいずれか一項に記載の方法。
【0286】
[25]イベントクラスを推定することが、
形状が類似したイベントを含む統合されたイベントグループ同士を区別することと、
1つの特定のグループに属する単一イベント同士を区別することと、
を備える、[11]から[24]のいずれか一項に記載の方法。
【0287】
[26]推定するステップが、教師あり学習に基づいて訓練された分類器に基づく、[11]から[25]のいずれか一項に記載の方法。
【0288】
[27]検出されたイベントに少なくとも部分的に基づいて要約統計量を提供すること
をさらに備える、[1]から[26]のいずれか一項に記載の方法。
【0289】
[28]キックに関連付けられたイベントが検出された場合に、時系列に基づいて球速を推定するステップ
をさらに備える、[1]から[27]のいずれか一項に記載の方法。
【0290】
[29][1]から[28]のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成された、人物の活動の映像内のフレームをイベントに関連付けるためのシステム。
【0291】
[30]a.人物の活動の映像を記録するための少なくとも1つのカメラ(11、11a、11b、11c、11d、11e)と、
b.人物が活動を行っている間に当該人物に接続可能な少なくとも1つのセンサ(31、32、33、34、35)を備える少なくとも1つのセンサアセンブリ(12)と、
c.少なくとも1つのセンサ(31、32、33、34、35)から得られたセンサデータ(82)の時系列を格納するためのメモリ(13)と、
d.映像をセンサデータ(82)と同期させ、時系列内のイベントを検出し、イベントを、イベントを表示する映像内の少なくとも1つの対応するフレームに関連付けるためのプロセッサ(14)と、
を備える、人物の活動の映像内のフレームをイベントに関連付けるためのシステム。
【0292】
[31]センサアセンブリ(12)が、人物の体に接続されるように構成された、[30]に記載のシステム。
【0293】
[32]センサアセンブリ(12)が、ストラップ(41)またはブレスレットに取り付けられるように構成された、[30]または[31]に記載のシステム。
【0294】
[33]センサアセンブリ(12)を備えるウェアラブルデバイスをさらに備える、[30]から[32]のいずれか一項に記載のシステム。
【0295】
[34]センサアセンブリ(12)がメモリ(13)を備える、[30]から[33]のいずれか一項に記載のシステム。
【0296】
[35]少なくとも2つのカメラを備える、[30]から[34]のいずれか一項に記載のシステム。
【0297】
[36]実行された場合に、[1]から[28]のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実施させる命令を含むコンピュータプログラム。