特開2016-208619(P2016-208619A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2016208619-回転電機 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-208619(P2016-208619A)
(43)【公開日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/24 20060101AFI20161111BHJP
   H02K 5/16 20060101ALI20161111BHJP
【FI】
   H02K5/24 Z
   H02K5/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-85961(P2015-85961)
(22)【出願日】2015年4月20日
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 寧
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA05
5H605BB05
5H605BB10
5H605CC02
5H605CC03
5H605EB16
5H605GG06
(57)【要約】
【課題】ベアリングブラケットの固有振動数を調整することにより、使用回転数との共振による大きな振動や騒音の発生を回避できる回転電機を提供する。
【解決手段】本体フレームの両端面に設けられ、回転子の回転軸を支承するベアリングを保持するベアリングブラケット13に、回転軸の外周を囲んで設けられた複数の点検窓14が設けられている。この点検窓14には点検蓋15が着脱可能に取り付けられている。この点検蓋15は、ベアリングブラケット13部分の固有振動数が、運転時の回転数と共振しない固有振動数となる形状とした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体フレーム内に固定子及び回転子を収容した回転電機であって、
前記本体フレームの両端面に設けられ、前記回転子の回転軸を支承するベアリングを保持するベアリングブラケットと、
このベアリングブラケットの、前記回転軸の外周近くの位置に設けられた複数の点検窓に着脱可能に取り付けられる点検蓋とを備え、
前記ベアリングブラケットに取り付けられる前記点検蓋の形状を、この点検蓋を含む前記ベアリングブラケット部分の固有振動数が、前記回転電機運転時の回転数と共振しない固有振動数となるように形成した
ことを特徴とする回転電機。
【請求項2】
前記点検蓋の肉厚を増やし、重量を増加することで前記固有振動数を低下させたことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記点検蓋の板面に一定方向の突条部を設け、剛性の方向性を持たせ、この点検蓋の前記点検窓への取付け方向により、前記固有振動数を調整したことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、本体フレーム内に固定子及び回転子を収容し、運転時の回転に伴う振動対策を施した回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動機等の回転電機には、運転時の回転に伴い各部に振動が発生する可能性があり、その振動の低減に関する多くの提案がなされている。例えば、固定子鉄心の固有振動数と電磁力の周波数との共振による振動を低減するような構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような振動発生要因のほかに、回転子の回転に直接関係して大きな振動が発生することがある。すなわち、回転子の回転軸は、本体フレームの両端面のベアリングブラケットに保持されたベアリングにより回転自在に支承されている。このベアリングブラケットの固有振動数と回転電機運転時の回転数の値とが近い場合、共振により大きな振動や騒音が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−136526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようにベアリングブラケットの固有振動数と使用回転数との関係から、共振により大きな振動や騒音が生じることがある。
【0006】
そこで、本発明では、ベアリングブラケット部分の固有振動数を調整することにより、使用回転数との共振による大きな振動や騒音の発生を回避できる回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施の形態に係る回転電機は、本体フレーム内に固定子及び回転子を収容した回転電機であって、前記本体フレームの両端面に設けられ、前記回転子の回転軸を支承するベアリングを保持するベアリングブラケットと、このベアリングブラケットの、前記回転軸の外周近くの位置に設けられた複数の点検窓に着脱可能に取り付けられる点検蓋とを備え、前記ベアリングブラケットに取り付けられる前記点検蓋の形状を、この点検蓋を含む前記ベアリングブラケット部分の固有振動数が、前記回転電機運転時の回転数と共振しない固有振動数となるように形成したことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、ベアリングブラケットに取り付けられる前記点検蓋の交換のみでベアリングブラケット部分の固有振動数を調整することができ、部品コスト低減と工数を低減できる。また、点検蓋をあらかじめ製作し用意しておけば、組立工程を停滞させることなく共振を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る回転電機の全体構成を示す外形図である。
図2】本発明の一実施形態に用いるベアリングブラケットを示す図である。
図3】本発明の一実施形態に用いる点検蓋の一例を示しており、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図4】本発明の一実施形態に用いる点検蓋の他の形状例を示しており、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1はこの実施の形態に係る回転電機の全体構成を示している。この回転電機は大形の高圧三相誘導電動機(以下、単に電動機と呼ぶ)の場合であり、本体フレーム11内に固定子及び回転子を収容している。なお、本体フレーム11の上部には冷却部が一体に構成されている。本体フレーム11の図示右手前側の端面からは回転子の回転軸12が回転自在な状態で突出している。この回転軸12の両端部近くは、図示しないが、本体フレーム11内においてベアリングにより回転自在に支承されている。このベアリングは、その周囲に設けられた円板状のベアリングブラケット13により本体フレーム11側に一体的に取り付けられている。
【0012】
このベアリングブラケット13には、図1では図の錯綜化を防ぐため省略したが、図2で示すように、回転軸12の外周近くの位置に複数の点検窓14が設けられている。この点検窓14には点検蓋15が着脱可能に設けられる。この点検蓋15は、常時は、周縁部に設けられたボルト孔16(図3又は図4で示す)を介して図示しないボルトにより一体的に締め付け固定され、対応する点検窓14を閉鎖している。
【0013】
本発明の実施の形態では、ベアリングブラケット13に取り付けられる点検蓋15の形状により、この点検蓋15を含むベアリングブラケット13部分の固有振動数を調整し、電動機運転時の使用回転数に共振しない固有振動数とした。すなわち、電動機運転時の使用回転数の値とベアリングブラケット13部分の固有振動数が近い場合、共振により振動や騒音が発生する。そこで、ベアリングブラケット13部分の固有振動数が、電同機運転時の使用回転数の値から離れるように、点検蓋15を形成した。
【0014】
固有振動数を調整する手法の一つは、図3(a)で示した点検蓋(15Aとする)の肉厚を、同図(b)で示すように増やし、重量を増加することである。このようにすると、この点検蓋15Aを一体的に取り付けたベアリングブラケット13部分の固有振動数を低下させ、電動機運転時の使用回転数の値から離れた値とすることで共振を防ぐことができる。
【0015】
固有振動数を調整する他の手法は、図4(a)(b)で示すように、点検蓋(15Bとする)の板面に、一定方向の突条部17を設けて剛性の方向性を持たせる。そして、この点検蓋15Bの点検窓14への取付けに当っては、その取り付け方向(剛性の方向)を変化させることにより固有振動数を調整する。この場合も、ベアリングブラケット13部分の固有振動数を、電動機運転時の使用回転数の値から離れた値とすることで共振を防ぐことができる。
【0016】
ここで、上述した手法をベアリングブラケットに直接施した場合、大掛かりな加工が必要となる。すなわち、ベアリングブラケット自体の板厚を厚くし、又は補強を追加溶接して剛性を上げたり、或いは、ベアリングブラケットの板厚を薄くし、又はブラケットに溝加工を施して剛性を下げたりするなどの加工が必要となる。しかし、これらの対策はどれも大型部品の再製作や溶接を伴うことから製作時間と製品コストが大幅に上昇した。
【0017】
これに対し本発明の実施形態では、ベアリングブラケット13に取り付けている点検蓋15に対し、図3で示すように、肉厚を増やし、重量を増加することで固有振動数を下げたり、図4で示すように、点検蓋15の、蓋剛性に方向性を与え、取付け向きにより剛性方向をかえたりしている。そして、これらの点検蓋15を交換するのみでベアリングブラケット13部分の固有振動数を調整できる。このため、部品コストと工数を低減できると共に作業性が大幅に向上する。すなわち、ブラケット全体を交換することなく、点検蓋15の交換のみなので作業が容易になる上に、この点検蓋15をあらかじめ製作し用意しておけば、組立工程を停滞させることはない。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0019】
11…本体フレーム
12…回転軸
13…ベアリングブラケット
14…点検窓
15…点検蓋
図1
図2
図3
図4