特開2016-209018(P2016-209018A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テルモ株式会社の特許一覧
特開2016-209018画像処理装置および方法、プログラム
<>
  • 特開2016209018-画像処理装置および方法、プログラム 図000003
  • 特開2016209018-画像処理装置および方法、プログラム 図000004
  • 特開2016209018-画像処理装置および方法、プログラム 図000005
  • 特開2016209018-画像処理装置および方法、プログラム 図000006
  • 特開2016209018-画像処理装置および方法、プログラム 図000007
  • 特開2016209018-画像処理装置および方法、プログラム 図000008
  • 特開2016209018-画像処理装置および方法、プログラム 図000009
  • 特開2016209018-画像処理装置および方法、プログラム 図000010
  • 特開2016209018-画像処理装置および方法、プログラム 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-209018(P2016-209018A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】画像処理装置および方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20161118BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20161118BHJP
【FI】
   A61B8/12
   A61B8/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-92359(P2015-92359)
(22)【出願日】2015年4月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】田上 暁之
(72)【発明者】
【氏名】鬼村 祐治
(72)【発明者】
【氏名】坂岡 篤
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601BB03
4C601BB13
4C601BB14
4C601DD14
4C601EE09
4C601EE10
4C601FE04
4C601FF13
4C601FF16
4C601GA14
4C601GA19
4C601GA30
4C601KK22
4C601KK28
4C601KK31
(57)【要約】
【課題】血管内超音波(IVUS)により得られた断面画像を用いてより正確に焼灼の状態を把握する。
【解決手段】超音波を送受信するイメージングコアを回転させながら軸方向に移動させて得られた複数の断面画像を処理する画像処理装置は、断面画像に関するデータを、それぞれの断面画像の取得時の軸方向の位置情報と対応づけて記憶し、複数の断面画像の各々において、断面画像の輝度に基づいて焼灼範囲を特定し、焼灼範囲が特定された断面画像の軸方向の位置情報と該焼灼範囲の面積に基づいて、焼灼範囲の体積を算出する。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を送受信するイメージングコアを回転させながら軸方向に移動させて得られた複数の断面画像を処理する画像処理装置であって、
前記断面画像に関するデータを、それぞれの断面画像の取得時の前記軸方向の位置情報と対応づけて記憶する記憶手段と、
前記複数の断面画像の各々において、断面画像における輝度に基づいて焼灼範囲を特定する第1の特定手段と、
前記第1の特定手段により焼灼範囲が特定された断面画像の前記軸方向の位置情報と該焼灼範囲の面積に基づいて、焼灼範囲の体積を算出する第1の算出手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の特定手段は、断面画像において、外殻部分が高輝度で、かつ、前記外殻部分の内部が低輝度な領域を検出することにより、前記焼灼範囲を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1の特定手段は、前記複数の断面画像のうちの少なくとも1つにおいてユーザが焼灼範囲として指定した範囲に基づいて、その前後に連続する断面画像から焼灼範囲を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1の特定手段は、前記焼灼範囲を円または楕円の一部で近似することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1の算出手段により算出された体積が所定値を超えた場合に、焼灼が完了していることを通知する通知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記複数の断面画像において、血管断層像に含まれる外弾性板の一部が消失したと判断できる消失期間が開始する第1の断面画像と、該消失期間が終了する第2の断面画像を抽出する第2の特定手段と、
前記記憶手段より前記第1の断面画像と前記第2の断面画像の前記軸方向の位置情報を取得し、取得された前記軸方向の位置情報の差に基づいて、前記消失期間に対応する位置において焼灼が及んでいる焼灼範囲を算出する第2の算出手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第2の取得手段は、血管の内壁から外弾性板までの距離をt、前記軸方向の位置情報の差をmとした場合に、中心からの距離がtの位置に長さmの弦を有する半円を前記焼灼範囲とすることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記第2の算出手段は、前記半円に基づいて前記消失期間におけるそれぞれの断面画像の焼灼の深さを取得することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記第2の特定手段は、前記消失期間の開始の断面画像と前記消失期間の終了の断面画像の、ユーザによる指定を受け付けることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記第2の特定手段は、前記複数の断面画像のそれぞれについて血管断層像における外弾性板の像を検出し、それぞれの断面画像について外弾性板の部分的な消失の有無を判定することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記焼灼範囲が存在する断面画像が表示手段への表示対象に選択された場合に、選択された断面画像とともにその断面画像における焼灼範囲の面積および/または前記第1の算出手段により算出された焼灼範囲の体積を表示する表示制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記消失期間に属する断面画像が表示手段への表示対象に選択された場合に、選択された断面画像とともに前記第2の算出手段により算出された焼灼の深さを表示する表示制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記選択された断面画像の輝度値の変化に基づいて周方向の焼灼範囲を検出する検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記選択された断面画像の表示において、前記検出手段により検出された前記周方向の焼灼範囲を明示することを特徴とする請求項11または12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記第1の算出手段により算出された体積が所定値を超えた場合に焼灼が完了した旨を通知する通知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5、11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記第2の算出手段により算出された焼灼の範囲から得られる焼灼の深さが所定値を超えた場合に焼灼が完了した旨を通知する通知手段をさらに備えることを特徴とする請求項6乃至10、12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項16】
超音波を送受信するイメージングコアを回転させながら軸方向に移動させて得られた複数の断面画像を処理する画像処理方法であって、
前記断面画像に関するデータを、それぞれの断面画像の取得時の前記軸方向の位置情報と対応づけてメモリに記憶する記憶工程と、
前記メモリに記憶された前記複数の断面画像の各々において、断面画像の輝度に基づいて焼灼範囲を特定する特定工程と、
前記特定工程で焼灼範囲が特定された断面画像の軸方向の位置情報と該焼灼範囲の面積に基づいて、焼灼範囲の体積を算出する算出工程と、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項17】
請求項16に記載された画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波断層法により得られた断層像を処理する画像処理装置、画像処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
降圧剤を服用しても高血圧状態の改善が難しい難治性高血圧の患者に対しては、腎動脈周囲にある交感神経を切断し或いは損傷させ、その伝達を遮断することで血圧低下を期待できるという知見がある。
【0003】
経皮的に腎動脈の交感神経を切断する手技としては、焼灼用カテーテル(アブレーションデバイス)の先端部を腎動脈に導入して、腎動脈の内側から交感神経を焼灼することが提案されている。この種のアブレーションデバイスは、長尺状のシャフトの先端に電極部を有し、当該電極部を腎動脈の内壁に接触させ、腎動脈の周りにある交感神経に熱エネルギを印加し、交感神経を焼灼する(特許文献1)。
【0004】
交感神経は、腎動脈の周囲に存在することは知られているが、腎動脈の外表面上に不規則に走行しているため、腎動脈のどの部分が交感神経と接しているのかは分からない。そこで、交感神経の切断の手技においては、腎動脈の内壁に沿った全周にわたって焼灼を実施することで、交感神経をより確実に切断するようにしている。但し、焼灼箇所では組織の変性や壊死が生じること、血管壁が腫脹することがあるので、同じ位置で内壁の全周にわたって焼灼するのではなく、血管軸方向へ移動しながら、すなわちスパイラル状に所定の間隔で熱エネルギを印加することが行われる。
【0005】
一般に、上述のような腎動脈の管壁を介して交感神経を焼灼する手技では、各焼灼箇所について1〜2分程度の所定時間をかけて熱エネルギを印加することにより、当該焼灼箇所の焼灼が完了したと判断する。すなわち、焼灼の成否を判定する指標は焼灼時間のみであり、実際の焼灼状態を判定する術は無かった。腎動脈の交感神経を切断する手技では、交感神経の焼灼が不足する場合には十分な治療効果が得られず、交感神経の焼灼が過剰な場合には合併症が誘発するリスクが高まってしまう虞がある。すなわち、腎動脈の交感神経の焼灼の成否は、治療効果と直結している。そのため、腎動脈の交感神経を切断する手技では、腎動脈の交感神経の焼灼箇所の焼灼状態を判断することが求められている。
【0006】
例えば、特許文献2では、カテーテル先端部にアブレーションユニットと超音波ユニットを設け、アブレーションユニットによる焼灼の進行を超音波ユニットによる超音信号の送受信により監視することが提案されている。特許文献2では、手技中の焼灼状態を監視できるが、手技後では焼灼位置を厳密に特定するのが困難なため手技後の焼灼状態を判定するのには向いていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2012−513873号公報
【特許文献2】特表2012−515013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、超音波断層法により血管の断層像を取得する装置(IVUS)が提案されている。IVUSによる血管の断層像の取得は、血管に沿った血管壁の状態、たとえば、プラークの付着状態や血管の狭窄状態を観察するものであり、焼灼の監視というような用途に関しての提案はされていない。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、血管内超音波(IVUS)により得られた断面画像を用いてより正確に焼灼の状態を把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の位置態様による画像処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
超音波を送受信するイメージングコアを回転させながら軸方向に移動させて得られた複数の断面画像を処理する画像処理装置であって、
前記断面画像に関するデータを、それぞれの断面画像の取得時の前記軸方向の位置情報と対応づけて記憶する記憶手段と、
前記複数の断面画像の各々において、断面画像における輝度に基づいて焼灼範囲を特定する第1の特定手段と、
前記第1の特定手段により焼灼範囲が特定された断面画像の前記軸方向の位置情報と該焼灼範囲の面積に基づいて、焼灼範囲の体積を算出する第1の算出手段と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、血管内超音波(IVUS)により得られた断面画像を用いてより正確に焼灼の状態を把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態にかかる画像処理装置の外観構成を示す図である。
図2】実施形態における画像処理装置のブロック構成図である。
図3】(a)はプローブ先端の断面構成を示す図、(b)は断面画像を生成する処理を示す図である。
図4】画像処理装置により取得される断面画像群を説明する図である。
図5A】(a)は焼灼カテーテルによる焼灼範囲を説明する図、(b)はIVUS画像における焼灼範囲の輝度値の変化を説明する図である。
図5B】外弾性板の消失に基づいて焼灼範囲を推定するためのモデルを説明する図である。
図6】断面画像のモニタへの表示を説明する図である。
図7】実施形態による焼灼範囲の推定処理を説明するフローチャートである。
図8】フレームデータの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の各実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0014】
図1は実施形態にかかる血管内超音波診断装置(IVUS:intravascularultrasound)としての画像診断装置100の外観構成を示す図である。図1に示すように、画像診断装置100は、カテーテル部としてのプローブ部101と、モータドライブユニットとしてのスキャナ/プルバック部102と、操作制御装置103とを備え、スキャナ/プルバック部102と操作制御装置103とは、コネクタ105及びケーブル104を介して接続されている。
【0015】
プローブ部101は、直接血管内に挿入され、超音波トランスデューサ(図2の201)を用いて血管内部の状態を測定する。スキャナ/プルバック部102は、プローブ部101内の超音波トランスデューサ201のラジアル走査(回転と直線移動)を規定している。
【0016】
操作制御装置103は、血管内超音波診断を行うにあたり、各種設定値を入力するための機能や、測定により得られた超音波エコー信号を処理し、断面画像として表示するための機能を備える。
【0017】
操作制御装置103において、111は本体制御部であり、測定により得られた超音波エコー信号を処理したり、処理結果を出力したりする。111−1はプリンタ/DVDレコーダであり、本体制御部111における処理結果を印刷したり、超音波エコーデータとして、または動画データとして記憶したりする。112は操作パネルであり、操作者は該操作パネル112を介して、各種設定値の入力を行う。114は、ポインティングデバイスの1つであるマウスである。113はLCD等のモニタであり、本体制御部111における処理結果(断面画像や血管の状態を示す情報)を表示する。
【0018】
図2は、図1に示した画像診断装置100の機能構成を示す図である。同図に示すように、画像診断装置100は、プローブ部101と、スキャナ/プルバック部102と、操作制御装置103とを備える。
【0019】
プローブ部101の先端部には、電気信号から超音波振動を発生する超音波振動素子と、血管組織で反射した超音波を受信し電気信号に変換する受信素子で構成される超音波トランスデューサ201が収容されている。この超音波トランスデューサ201は、プローブ部101の先端が血管内に挿入された状態で、超音波信号送受信器221より送信されたパルス波信号に基づいて、超音波を血管の断面方向(=出射方向)に送信する。また、超音波トランスデューサ201は、出射した超音波の反射波(超音波エコー)を受信し、コネクタ部202及びスキャナ/プルバック部102内のロータリジョイント211を介して超音波エコー信号として超音波信号送受信器221に送信する。
【0020】
スキャナ/プルバック部102は、ロータリジョイント211、回転駆動装置212、直線駆動装置215を備える。プローブ部101内の超音波トランスデューサ201は、非回転部と回転部との間を結合するロータリジョイント211により回動自在に取り付けられており、回転駆動装置212内のラジアル走査モータ213により回転駆動される。超音波トランスデューサ201が血管内でプローブ部101の軸を中心に回転することで、超音波信号を円周方向に走査(スキャン)し、血管内の所定の位置における断面画像の描出に必要な超音波エコー信号を得ることができる。
【0021】
なお、回転駆動装置212内のラジアル走査モータ213の動作は、信号処理部225が有するモータ制御回路(図示せず)を介して送信された制御信号に基づいて制御される。また、ラジアル走査モータ213の回転角度は、回転駆動装置212内のエンコーダ部214aにより検出される。エンコーダ部214aにおいて出力される出力パルスは、信号処理部225に入力され、断面画像表示用の信号の読み出しのタイミングに利用される。
【0022】
スキャナ/プルバック部102は、更に、直線駆動装置215を備え、信号処理部225からの指示に基づいて、プローブ部101の挿入方向(体腔内の末梢方向およびその反対方向)の動作(軸方向移動)を規定している。軸方向移動は、信号処理部225からの制御信号に基づいて、直線駆動装置215内の直線駆動モータ(図示せず)が動作することにより実現される。また、軸方向移動の動作方向(体腔内の末梢方向またはその反対方向)は、直線駆動装置215内の移動方向検出器(図示せず)により検出され、検出結果は信号処理部225に入力される。なお、直線駆動モータの制御回路(ドライバ)は、直線駆動装置215内に設置される。また、スキャン処理が開始されると、直線駆動装置215は、プローブ部101を所定速度で引っ張る処理(プルバック)を行うことになり、結果的に、血管軸に沿ったいくつもの断面画像を得ることができるようになる。なお、直線駆動装置215は、エンコーダ部214bからの信号に基づいてプローブ部101(超音波トランスデューサ201)のプルバック位置を取得し信号処理部225に送信する。
【0023】
なお、プルバック位置を取得するエンコーダ部214bとしては、たとえば、プローブ部101とともに移動するリニアスケールをセンサで読み取る方式があげられる。或いは、たとえば直線駆動装置215がパルスモータで構成されている場合、エンコーダ部214bは、直線駆動装置215のパルスモータに供給された駆動パルスをカウントすることにプルバック位置を得るようにしてもよい。
【0024】
超音波信号送受信器221は、送信回路と受信回路とを備える(不図示)。送信回路は、信号処理部225から送信された制御信号に基づいて、プローブ部101内の超音波トランスデューサ201にパルス波(電気信号)を送信させる。また、受信回路は、プローブ部101内の超音波トランスデューサ201が検出した超音波エコー信号を受信する。受信された超音波エコー信号はアンプ222により増幅される。増幅された信号は検波器223で検波され超音波エコー信号となる。更に、A/D変換部224では、検波器223より出力された超音波エコー信号をサンプリングして、1ラインのデジタルデータ(超音波エコーデータ)を生成する。
【0025】
A/D変換部224にて生成されたライン単位の超音波エコーデータは信号処理部225に入力される。信号処理部225では、超音波エコーデータを処理して、血管の軸方向に沿った各位置での断面画像を生成し、メモリ226に構築していく。
【0026】
図3(a)は、プローブ部101、並びに、それに収容されたイメージングコアの先端部の断面図である。プローブ部101の最外殻部は、カテーテルシース311で構成される。イメージングコア251は、超音波トランスデューサ201からの信号線274を収容しスキャナ/プルバック部102からの回転力(図示の矢印302)を伝達するための駆動シャフト312と、その先端に取りつけられた超音波トランスデューサ201を収容するハウジング313で構成される。図示の一点鎖線が回転中心軸である。また、スキャナ/プルバック部102が駆動シャフト312を図示の矢印303で示す方向に引っ張ることで、カテーテルシース311内を、超音波トランスデューサ201が移動する。超音波トランスデューサ201は、信号線274の入力信号線より送信された電気信号を超音波に変換し、回転軸に対してほぼ直交する方向(図示の矢印301の方向)に出力する。この結果、血管組織に向けて超音波が照射される。その反射音が再び超音波トランスデューサ201に受信されると、超音波トランスデューサ201はこれを電気信号に変換して、信号線274の出力信号線を介して送出する。
【0027】
ここで、1枚の超音波断面画像の生成にかかる処理を図3(b)を用いて簡単に説明する。同図は超音波トランスデューサ201が位置する血管の内腔面351の断面画像の再構成処理を説明するための図である。超音波トランスデューサ201が1回転(2π=360度)する間に、複数回(たとえば、512回)の超音波の出射とその反射波の検出が行われる。1回の超音波の出射とその反射波の検出により得られる1ラインのデータ(図ではライン0〜511の各々)は、回転中心352から径方向に向かう各位置での超音波の反射強度を示すデータである。
【0028】
これら512個のラインデータは、図示からもわかるように、回転中心352の位置の近傍では密で、回転中心352の位置から離れるにつれて互いに疎になっていく。そこで、信号処理部225は、この各ラインの空いた空間における画素については、周知の補間処理を行なって生成していき、人間が視覚できる2次元の断面画像を生成することになる。また、生成された2次元断面画像を血管軸に沿って互いに接続することで、3次元血管画像を得ることもできる。なお、2次元の断面画像の中心位置(回転中心352)は、超音波の回転中心位置と一致するが、血管断面の中心位置ではない点に注意されたい。
【0029】
以上、実施形態における画像診断装置100の基本的な構成と機能について説明した。次に、実施形態の画像診断装置100による、焼灼状態の検出について説明する。
【0030】
上述したように、イメージングコア251を回転させるとともにプルバックしながら断面画像を得ることにより、血管の軸方向に沿って複数の断面画像(断面画像群)が取得されることになる。以下、取得された断面画像群を用いて焼灼範囲、深度を算出する方法を説明する。なお、以下に説明する焼灼範囲、深度の算出やモニタへの表示処理は、画像診断装置100に内蔵または接続される画像処理装置により実現され得る。本実施形態では、画像診断装置100の信号処理部225に備わるコンピュータ(マイクロプロセッサ)が所定のプログラムを実行することにより画像処理装置に係る機能が実現されるものとする。すなわち、本実施形態では、信号処理部225と断面画像を蓄積するメモリ226により本実施形態に係る画像処理を実現する画像処理装置が構成される。
【0031】
図4は、焼灼が実施された腎動脈内でイメージングコア251をプルバックすることで得られた断面画像群を模式的に示す図であり、プルバック位置に沿って複数の断面画像が並んでいる。また、取得された断面画像群の各々には、エンコーダ部214bから得られるプルバック位置が付加される。
【0032】
こうして得られた断面画像群400を構成する各々の断面画像は腎動脈の血管断層像を含み、血管断層像からは血管内腔壁と外弾性板が観察され得る。たとえば、断面画像401aでは、血管断層像410において連続した血管内腔壁412と外弾性板411が観察される。外弾性板よりも深部の組織には毛細血管や静脈が不規則に走行しており、これらを流れる血液により冷却されることで、焼灼範囲は限定される。一般に焼灼範囲は、図5A(a)に示されるように、内皮(Endothelium)と内弾性板(IEM)を含んで形成される血管内腔壁412に焼灼カテーテルを押し当てると、血管内壁より外側へ球状に焼灼範囲は広がる。焼灼範囲は熱伝導により伝わるので、焼灼範囲の外側に近い領域581ほど焼け具合は悪く(半焼け状態)、焼灼範囲の内側の領域582は十分に焼けた状態となる。本願の発明者らは、焼灼範囲におけるIVUSの画像には、図5A(b)に模式的に示すような輝度の変化が現われることを見出した。すなわち、焼灼範囲の外殻部分である半焼け状態の部分は高輝度(高輝度部分581)となり、その内部の十分に焼灼された部分は低輝度(低輝度部分582)となる。したがって、断面画像において高輝度部分581に囲まれた低輝度部分582の範囲を検出することにより、高輝度部分581及び低輝度部分582を焼灼部分として得ることができる。なお、高輝度部分581及び低輝度部分582は、血管断層像410において、焼灼されていない外弾性板411よりも深部の組織と比較して輝度が高い。
【0033】
また、図5A(a)(b)には示されていないが、腎動脈では外弾性板の外側に交感神経が走行しているため、内腔壁を介して交感神経の焼灼を実施した場合、熱エネルギは交感神経のみならず、内腔壁と交感神経の間にある外弾性板にも印加される。熱エネルギを印加された外弾性板は変性し、断面画像上で観察できなくなる(外弾性板が消失する)。したがって、イメージングコア251のプルバック範囲(撮影範囲)に焼灼位置が存在すると、血管断層像において外弾性板411の一部が消失し、不連続となるとともに、高輝度部分581に囲まれた低輝度部分582が存在する画像の部分(以下、焼灼部分という)が断面画像に現われることになる。
【0034】
図4の例では、断面画像401bの血管断層像410から、外弾性板411の部分的な消失を伴う焼灼部分413が出現している。以降、プルバック位置の進行に伴って取得される断面画像401c、401d、401eにおいて焼灼部分413が発生している。この間の断面画像では、外弾性板411も焼灼部分において消失し、不連続となっている。また、断面画像401fでは、焼灼部分413が消えており、外弾性板411における不連続部分もなくなっている。したがって、図4の例では、断面画像401bから断面画像401eの間、焼灼部分413が出現し外弾性板411に消失が発生していることがわかる。
【0035】
上述したように、イメージングコア251のプルバック位置は監視されており、各断面画像が取得された際のプルバック位置が判別可能となっている。したがって、焼灼部分413が出現している断面画像401bから断面画像401eの間の各断面画像における焼灼部分の面積を各断面画像のプルバック位置に基づいて積分し、焼灼部分の体積(焼灼範囲の体積)を求めることができる。ただし、たとえば断面画像と断面画像の間は、たとえば隣接する断面画像間を面積が線形に増加あるいは減少するものとして補間する。あるいは各面間をスプライン補間のように滑らかにつないでもよい。こうして得られた焼灼範囲の体積(焼灼体積)は、焼灼の成否を判定するための指標として用いることができる。たとえば、焼灼体積が所定の閾値を超える場合には、神経に焼灼による熱影響が及んでいる可能性が高い。そのため、焼灼体積が所定の閾値を超える場合、焼灼の完了または成功と判定することができる。
【0036】
また、外弾性板411の消失が開始した断面画像401bと外弾性板411の消失が終了した断面画像401eのプルバック位置の差から、外弾性板の消失部分を有する区間の長さが分かる。本実施形態では、この長さと、図5Bにより以下に説明するモデルを用いて焼灼が及んでいる範囲(焼灼範囲)を推定し、焼灼深度を推定してもよい。
【0037】
図5Bは焼灼範囲を推定するためのモデルを説明する図である。まず、消失開始のプルバック位置521と消失終了のプルバック位置522の差から消失部分の長さmを得る。図4の例では、断面画像401bのプルバック位置と断面画像401eのプルバック位置の差が消失部分の長さmとなる。そして、血管内腔(血管内腔壁412)から外弾性板411までの距離をtとした場合に、中心から距離tの位置に長さmの弦を持つ、半径dの半円501を焼灼範囲と推定する。なお、焼灼は、アブレーションカテーテルの電極が血管壁内面に接した状態で行われたとの仮定の元、血管壁内面上に中心がある半円を焼灼範囲と推定する。この場合、半径dは、
d=√(t+(m/2)
により得られる。このような焼灼範囲のモデル化により、消失期間内の任意のプルバック位置における焼灼深度を容易に算出、推定することができる。たとえば、プルバック位置523における焼灼深度fは、プルバック位置521とプルバック位置523の差をbとした場合、
f=√(d−(m/2−b)
により得られる。これにより、図4の断面画像401bから断面画像401eまでの各断面画像について焼灼深度を推定してもよい。
【0038】
なお、血管の内腔(内壁面)から外弾性板(EEM;External ElasticMembrane)までの距離tは、断面画像において外弾性板の消失が発生していない部分から計測することができる。たとえば内腔をトレースすることによって血管の重心を計算し、重心から外弾性板に向けておろした垂線の外弾性板との交点と内腔との距離がtに相当する。あるいは、腎動脈における血管内腔から外弾性板の平均的な距離(年齢層別、性別であってもい)を用いてもよい。
【0039】
なお、上記では図5Bに示すモデルを適用して焼灼深度を求めたが、IVUSの画像において焼灼範囲を示す高輝度部分の位置を検出することで算出してもよい。
【0040】
図6(a)は、上述した焼灼部分が存在する断面画像または外弾性板の消失範囲にある断面画像がモニタ113に表示された状態の一例を示す図である。図6(a)では、断面画像401dが選択され、モニタ113に表示された場合が例示されている。上述した方法により、断面画像401dのプルバック位置における焼灼深度fが算出され、表示エリア601に表示される。また、表示エリア601には焼灼部分の面積(焼灼面積)や体積(焼灼体積)も併せて表示される。なお、焼灼部分の面積は断面画像毎に異なるが、体積は1つの焼灼位置に関しては同じ値が表示されることになる。さらに図5A(b)を参照して上述したような輝度値の変化に基づいて焼灼部分を抽出すると周方向の焼灼範囲を検出することができるので、検出された周方向の焼灼範囲を明示することができる。たとえば、検出された周方向の焼灼範囲は、矢印602により明示するようにしてもよい。他方、図6(b)に示されるように、焼灼部分の存在しない断面画像あるいは消失範囲外の断面画像(たとえば断面画像401a)がモニタ113に表示された場合には、表示エリア601における焼灼範囲の面積、焼灼深度の表示や、周方向の焼灼範囲を示す矢印602の表示は行われない。
【0041】
以上の処理について図7を参照してさらに説明する。図7は、信号処理部225のマイクロプロセッサにより実行される処理のうち、焼灼深度の算出と表示に関する処理を説明するフローチャートである。なお、以下の処理は、信号処理部225が有する不図示のマイクロプロセッサが、不図示のメモリに格納されているプログラムを実行することにより実現されるものとするが、以下の処理の一部あるいは全ての処理を専用のハードウエアにより実現するようにしてもよい。
【0042】
ステップS701において、マイクロプロセッサは、イメージングコア251をラジアル走査させながらプルバックすることにより、図4で説明したような、複数のプルバック位置の複数の断面画像からなる断面画像群400を取得する。図8は、信号処理部225(のマイクロプロセッサ)によってメモリ226に格納されるフレームデータの構成例を説明する図である。断面画像群400の各断面画像は、フレームデータ801としてメモリ226に格納される。ステップS701の時点では、フレームデータ801に、個々の断面画像に対応する断面画像データ802とその断面画像の取得時のプルバック位置803が記録される。
【0043】
続いて、ステップS702において、マイクロプロセッサは、断面画像群400の各々について、焼灼部分の検出と外弾性板の消失部分の検出を行う。その結果、焼灼部分を検出できた場合には、その範囲(位置、形状)と面積(以下、焼灼範囲と焼灼面積)を算出して焼灼範囲情報806に書き込み、外弾性板の消失を検出した場合は消失発生804に「消失あり」を書き込む。マイクロプロセッサは、断面画像において、図5A(b)で説明したような輝度変化を提示する領域を焼灼部分として検出する。例えば、マイクロプロセッサは、外弾性板が消失していない断面画像において外弾性板よりも深部の輝度を取得し、断面画像の外弾性板よりも深部の輝度を取得した輝度と比較することで、図5A(b)で説明したような輝度変化を提示する領域を焼灼部分として検出する。また、マイクロプロセッサは断面画像群400の各断面画像について外弾性板を検出し、外弾性板に中断する箇所(消失個所)があるかどうかを判定する。
【0044】
なお、各断面画像をモニタ113に表示させて、ユーザがこれを観察することにより外弾性板の消失の有無を判定するようにしてもよい。この場合、消失期間中の各断面画像にユーザが「消失発生あり」を指定すると操作量が多くなってしまう。そこで、消失開始の断面画像と消失終了の断面画像をユーザが指定することにより、それら断面画像と、それらの間にある全ての断面画像(フレームデータ)の消失発生804に自動的に「消失あり」を書き込むようにしてもよい。たとえばユーザが断面画像401bを消失開始、断面画像401eを消失終了と判定すると、断面画像401b〜401eまでの全ての断面画像の消失発生804が「消失あり」に設定される。
【0045】
また、焼灼部分の検出においても、ユーザによる指定を併用するようにしてもよい。たとえば、ユーザが表示された断面画像において焼灼部分を指定する(たとえばマウス操作により閉領域で囲む)と、マイクロプロセッサが表示中の断面画像の前後に連続する断面画像から自動的に焼灼範囲を検出するようにしてもよい。連続する前後の断面画像では、焼灼部分の位置や大きさが突然大きく変化することは無いので、マイクロプロセッサはユーザが指示した焼灼部分の位置と範囲に基づいて焼灼部分を効率的に検出することができる。
【0046】
次に、ステップS703において、マイクロプロセッサは、プルバック位置の順(取得の順)に並ぶフレームデータ801のプルバック位置803と焼灼範囲情報806を参照して、焼灼部分の体積を算出する。すなわち、マイクロプロセッサは、焼灼部分が出現してからその焼灼部分が消滅するまでのフレームデータ801の焼灼範囲情報806に記録されている焼灼面積とプルバック位置803を用いて、焼灼範囲の体積を算出する。なお、焼灼範囲の体積の算出に際して、断面画像が存在しない位置の焼灼面積は、たとえばその前後の断面画像の焼灼面積を用いた線形補間により推定するものとする。
【0047】
次に、ステップS704において、マイクロプロセッサは、プルバック位置の順(取得の順)に並ぶフレームデータ801の消失発生804を参照して外弾性板の消失の発生が開始した断面画像と終了した断面画像を特定する。たとえば、消失発生804が「消失あり」となっているフレームデータが連続している箇所の、先頭のフレームデータを消失の開始、末尾のフレームデータを消失の終了とする。その後、ステップS705において、マイクロプロセッサは、外弾性板の消失が開始したフレームデータと終了したフレームデータのプルバック位置の差を求め、外弾性板が部分的に消失している間(消失期間)の距離、すなわち消失部分の長さmを取得する。プルバック位置は各フレームデータに記録されているので、これを用いることで消失部分の長さmは容易に求まる。
【0048】
次に、ステップS706において、マイクロプロセッサは、消失期間中の各断面画像について、図5Bで説明したモデルを用いて焼灼範囲を算出する。そして、マイクロプロセッサは、焼灼範囲に基づいて各フレームデータ(断面画像)のプルバック位置における焼灼深度を算出し、フレームデータの焼灼深度805に記録する。なお、焼灼深度の算出とフレームデータ801(焼灼深度805)への記録は、消失発生804が「消失あり」となっているフレームデータ及び消失発生804が「消失あり」となっているフレームデータの前後の数〜数十フレームのフレームデータについてなされる。なお、腎動脈の内腔壁は、外弾性板に至るまでの範囲でも焼灼されている。そのため、消失発生804が「消失あり」となっているフレームデータの前後の数〜数十フレームのフレームデータを取得することで、外弾性板に至るまでの焼灼されている可能性がある範囲も記録することができる。
【0049】
次に、マイクロプロセッサは、断面画像を表示するための表示制御を行う。まず、ステップS707において、たとえばユーザ操作により表示対象の断面画像(フレームデータ)が選択されると、ステップS708においてマイクロプロセッサは、その断面画像をモニタ113に表示する。このとき、表示対象の断面画像が、消失部分の存在する断面画像または外弾性板の消失範囲の断面画像であった場合には、処理はステップS709からステップS710へ進み、マイクロプロセッサはその焼灼範囲情報806に含まれる焼灼範囲に基づいて周方向の焼灼範囲を判定し、図6(a)に示されるように焼灼範囲を矢印602により表示する。そして、ステップS711において、マイクロプロセッサはフレームデータ801の焼灼深度805を読み出し、「焼灼深度」として表示エリア601(図6)に表示する。また、マイクロプロセッサは、焼灼範囲情報806を読み出して焼灼面積を表示するとともに、ステップS703で算出された体積を「焼灼体積」として表示エリア601に表示する。なお、表示対象の断面画像に消失部分が存在しない場合またはその断面画像が消失範囲のものでなければ、処理はステップS709からそのまま終了し、上述したような周方向の焼灼範囲や焼灼面積、体積、深度の表示は行われず、図6(b)のような表示を得ることになる。
【0050】
なお、交感神経の切断のための焼灼用カテーテルと上述したプローブ部101を同時に腎動脈に挿入し、焼灼用カテーテルによる焼灼中に繰り返し撮影することにより、焼灼の完了を判定するようにしてもよい。その場合、マイクロプロセッサは、たとえば、上述した焼灼体積が所定値を超えた場合や、上述した焼灼深度の最大値(図5のd)が所定値を超えた場合に焼灼が完了したと判定し、その旨をユーザに通知する。なお、焼灼体積が所定値を超えたことと、焼灼深度が所定値を超えたことをアンド条件として用いてもよいしオア条件として用いてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、消失範囲は、消失部分が出現し始めたフレーム(図4の断面画像401b)と、消失部分が無くなった最初のフレームの直前(図4の断面画像401e)と、これらの間のフレームとしているが、これに限られるものではない。たとえば、消失部分が出現し始めたフレームの直前のフレーム(断面画像401a)と消失部分が無くなった最初のフレーム(断面画像401f)、及びこれらの間のフレームを消失範囲としてよい。
【0052】
また、腎動脈における交感神経遮断の手技では、血管内壁にスパイラル状に焼灼箇所を設定して焼灼が行われる。そのため、1つの断面画像に複数の焼灼箇所が存在する場合がある。そのような場合には、それぞれの焼灼部分や外弾性板の消失部分に識別子(ラベル)を付与し、それぞれの焼灼範囲を管理するようにすればよい。すなわち、消失発生804、焼灼深度805、焼灼範囲情報806の各情報に識別子(ラベル)を関連付けて一つのフレームデータ801に保持するようにすればよい。そして、識別子(ラベル)ごとに、S703〜S706を実行して、焼灼部分の体積、焼灼深度を求めることにより、焼灼箇所ごとの情報を得ることができる。
【0053】
なお、上記実施形態では、輝度変化に基づいて焼灼範囲の外形を追跡して得られた閉領域を焼灼部分としたが、焼灼部分の形状を円あるいは楕円の一部を用いて近似するようにしてもよい。また、上記実施形態では、断面画像からの焼灼範囲の検出による焼灼範囲の特定と、外弾性板の消失の検出による焼灼範囲の特定を併用したが、何れか一方のみを用いてもよい。
【0054】
また、光干渉断層法等の技術を用いて腎動脈の神経の位置を検出した後、交感神経の切断のための焼灼用カテーテルを挿入して腎動脈の内腔壁の焼灼を行い、その後に上述したプローブ部101を挿入して断面画像群400を取得し、上述した焼灼範囲の体積(焼灼体積)を算出してもよい。これにより、腎動脈の神経の位置情報に算出した焼灼範囲の体積をマッピングすることで腎動脈の交感神経の焼灼状況をより正確に判断することができる。
【0055】
また、図4に示したような断面画像群400から3次元のIVUS画像を再構成しその中に、上記輝度値に基づいて判定された焼灼範囲を立体的に、描画してもよい。3次元断層像に焼灼範囲を表示させることにより、ユーザは、より的確に焼灼範囲を把握することができる。
【符号の説明】
【0056】
101:プローブ、102:スキャナ/プルバック部、103:操作制御装置、113:モニタ、251:イメージングコア、201:信号処理部
図1
図2
図3
図5A
図5B
図7
図8
図4
図6