【解決手段】 吸収体が上下2層の吸収部材を備え、上層の第1の吸収部材は、長手方向及び幅方向に分割されたブロック形状に形成され、下層の第2の吸収部材は、この長ブロック形状に形成されず、第1の吸収部材は、第2の吸収部材よりも薄く、低SAP含有率、かつ低密度であり、トップシートと第1の吸収部材は、少なくとも長手方向に連続した接着剤により一体化し、トップシートは、第1の吸収部材のブロック形状の長手方向の溝部に沿って凹陥している。
液透過性のトップシートと、前記トップシートに対向して配置された液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収体と、を備える吸収性物品であって、
前記吸収体は、高吸水性樹脂を含有し、第1の吸収部材と、上記第1の吸収部材よりも非肌当接面側に設けられた第2の吸収部材とを備え、
前記第1の吸収部材は、長手方向及び幅方向に分割されたブロック形状に形成され、
前記第2の吸収部材は、長手方向及び幅方向に分割されたブロック形状に形成されず、
前記第1の吸収部材は、前記第2の吸収部材よりも低い高吸水性樹脂含有率を有し、
前記第1の吸収部材は、前記第2の吸収部材よりも薄く、
前記第1の吸収部材は、前記第2の吸収部材よりも低い密度を有し、
前記第1の吸収部材の肌当接面側に配置される前記トップシートと前記第1の吸収部材は、少なくとも長手方向に連続した接着剤により一体化し、
前記トップシートは、前記第1の吸収部材の前記ブロック形状の長手方向の溝部に沿って凹陥していることを特徴とする吸収性物品。
前記第1の吸収部材及び前記第2の吸収部材は、それぞれが20重量%以上50重量%以下の高吸水性樹脂含有率を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、吸収体に高密度、高坪量の領域を形成した吸収性物品では、着用時にトップシートと吸収体との間で発生する余計な皺の抑制はできず、この皺による漏れを防止することが困難だった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、吸収速度や液戻りに優れ、かつ着用時にトップシートに生じる皺を抑制し、それによる横漏れを防止することができる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の構成によって把握される。
(1) 本発明の一側面に係る吸収性物品は、液透過性のトップシートと、上記トップシートに対向して配置された液不透過性のバックシートと、上記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収体と、を備える吸収性物品であって、上記吸収体は、高吸水性樹脂を含有し、第1の吸収部材と、上記第1の吸収部材よりも非肌当接面側に設けられた第2の吸収部材とを備え、上記第1の吸収部材は、長手方向及び幅方向に分割されたブロック形状に形成され、上記第2の吸収部材は、長手方向及び幅方向に分割されたブロック形状に形成されず、上記第1の吸収部材は、上記第2の吸収部材よりも低い高吸水性樹脂含有率を有し、上記第1の吸収部材は、上記第2の吸収部材よりも薄く、上記第1の吸収部材は、上記第2の吸収部材よりも低い密度を有し、上記第1の吸収部材の肌当接面側に配置される上記トップシートと上記第1の吸収部材は、少なくとも長手方向に連続した接着剤により一体化し、上記トップシートは、上記第1の吸収部材の前記ブロック形状の長手方向の溝部に沿って凹陥していることを特徴とする。
(2) 本発明の他側面に係る吸収性物品は、(1)記載の吸収性物品であって、上記トップシートは、20g/m
2以上の坪量と、1.3dtex以上5.0dtex以下の繊度を有する短繊維サーマルボンド不織布であることを特徴とする。
(3) 本発明の他側面に係る吸収性物品は、上記(1)または(2)記載の吸収性物品であって、上記第1の吸収部材及び上記第2の吸収部材は、それぞれが2mm以上6mm以下の厚さを有することを特徴とする。
(4) 本発明の他側面に係る吸収性物品は、上記(1)から(3)記載の吸収性物品であって、上記第1の吸収部材及び上記第2の吸収部材は、それぞれが20重量%以上50重量%以下の高吸水性樹脂含有率を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吸収速度や液戻りに優れ、かつ着用時にトップシートに生じる皺を抑制し、それによる横漏れを防止することができる吸収性物品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1から
図6を参照して、本発明の実施形態に係る吸収性物品及びその製造方法について詳細に説明する。なお、実施形態の説明は、全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。本明細書の説明において、体液とは、尿、血液や軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。さらにまた、吸収性物品の着用時とは、吸収性物品の装着時及び着用後の少なくとも一方を示す。なお、本明細書の説明において、吸収性物品の長手方向とは、吸収性物品が着用されたときに着用者の前後にわたる方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、吸収性物品の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る吸収性物品の平面図であり、
図2は、本発明の実施形態に係る吸収性物品の断面図であって、
図1のA−A’線における断面図である。本発明の実施形態に係る吸収性物品としては、
図1に示すような生理用ナプキンが例示されるが、これに限定されるものではなく、パンティーライナー、パンツ型の使い捨て紙おむつ、テープ型の使い捨て紙おむつ、軽失禁パッド、尿取りパッド、その他の吸収性物品であってもよい。
図1及び
図2に示すように、吸収性物品1は、肌当接面側に配された液透過性のトップシート20と、トップシート20に対向して配置された液不透過性のバックシート30と、トップシート20とバックシート30との間に配置された吸収体10と、を備える。これにより、吸収体10は、トップシート20とバックシート30の間に挟まれた構造となっている。吸収体10は、第1の吸収部材11と第1の吸収部材11よりも非肌当接面側に設けられた第2の吸収部材12とを含む複数の吸収部材を備える。
【0012】
(トップシート)
トップシート20は、吸収体10に向けて体液を速やかに通過させるものであり、吸収体10を間にして、バックシート30と対向して配置されている。トップシート20は、肌と当接するシートとなることから、柔らかな感触で、肌に刺激を与えないような基材、例えば、エアスルー不織布を代表とするサーマルボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成される。トップシート20は、単層または複数層で設けられてもよく、ドライタッチ性を付与するために多数の透孔が形成されていてもよい。不織布としては、ポリエチレン等の合成繊維やレーヨンなどの再生繊維、綿等の天然繊維を用いて、スパンレース法やスパンボンド法などの公知の加工法によって得られたものも用いることができる。加工性及び強度の点から、トップシート20は、20g/m
2以上40g/m
2以下の坪量と、1.3dtex以上5.0dtex以下の繊度を有する短繊維サーマルボンド不織布が好ましく、20g/m
2以上30g/m
2以下の坪量と、2.0dtex以上4.0dtex以下の繊度を有する短繊維サーマルボンド不織布がさらに好ましい。トップシート20には、肌への刺激を低減させるために、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。トップシート20は、着用者の股部が位置づけられる長手方向中央に括れ部を有する砂時計形状、矩形形状等で設けられてよく、吸収体10の側縁より若干外方に延在して設けられてもよい。
【0013】
立体ギャザー40は、例えば体液や便の閉じ込め空間を形成して、それらの横漏れを防止できるようになっている。立体ギャザー40は、立体ギャザーシート41と、立体ギャザーシート41の自由端部に沿って配された弾性伸縮部材42と、を備える。
【0014】
吸収体10の上面への体液拡散を促進するために、トップシート20と第1の吸収部材11との間に、液拡散性シートを設けることができる。かかる液拡散性シートとしては、例えば、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンドを積層した複合不織布があげられる。液拡散シートの厚さは、0.1mm以上が好ましく、その坪量は15g/m
2以上が好ましい。厚さが0.1mm未満、あるいは、坪量が15g/m
2未満であると、第1の吸収部材11の上面全体への体液の拡散が十分に行われないので好ましくない。また、液拡散性シートの形状は、特に制限はないが、尿等の液体が、くまなく第1の吸収部材11に拡散するように、第1の吸収部材11の表面を完全に覆うことができる形状であることが好ましい。
【0015】
(バックシート)
バックシート30は、吸収性物品1の外部に体液が漏れないように液不透過性を有し、遮水性を有するシート材が用いられるが、ムレ防止のために透湿性を有してもよい。このようなバックシート30の材料には、例えば、ポリエチレンやポリエチレンラミネート不織布などの薄いプラスチックシートが挙げられる。バックシート30は、着用者の股部が位置づけられる長手方向中央に括れ部を有する砂時計形状、略矩形形状等で設ければよく、吸収体10の側縁より若干外方に延在して設けられてもよい。図示しないが、バックシート30の非肌当接面側には、着用時に下着等に吸収性物品を固着するための粘着剤層が設けられてもよい。粘着剤層を有する場合、さらに粘着剤層を保護し、または露出するための剥離シートを有してもよい。剥離シートは、吸収性物品の包装シートとして用いられてもよい。トップシート20とバックシート30とは、長手方向端部等の端部の少なくとも一部において、吸収体10を挟まずに、ホットメルト接着剤やヒートシール等により固着されるフラップを構成してもよい。
【0016】
(吸収体)
吸収体10は、第1の吸収部材11と、第1の吸収部材よりも非肌当接面側に設けられた第2の吸収部材12とを備え、第1の吸収部材11は、長手方向及び幅方向に分割されたブロック形状50に形成され、一方、第2の吸収部材12は、長手方向及び幅方向に分割されたブロック形状50を形成しない構成となっている。
【0017】
図3(a)〜
図3(c)は、本発明の実施形態に係る第1の吸収部材のブロック形状を模式的に示した平面図であり、
図3(d)及び
図3(e)は、比較例の第1の吸収部材のブロック形状を模式的に示した平面図である。
図3(a)〜
図3(c)に示すように、吸収性物品1の長手方向に延びる縦溝51Y及び吸収性物品の幅方向に延びる横溝51Xにより溝部51が構成され、この溝部51で区画された部位がブロック形状50の陸部52となる。カッター等による切断手段により、溝部51を第1の吸収部材11に付与し、ブロック形状50を形成することができる。陸部52は、
図3において、陸部52は矩形で示しているが、これに限定されず、円形や楕円であってもよい。また、陸部52の幅及び長さは、着用者のフィット性向上の点から、1cm以上5cm以下が好ましく、吸収速度の点から、溝部51の幅は、0.2cm以上1.0cm以下が好ましい。
【0018】
第1の吸収部材11とトップシート20は、少なくとも長手方向に連続した接着剤により一体化し、トップシート20は、第1の吸収部材11のブロック形状50の長手方向の溝部51Yに沿って凹陥している。接着剤は、吸収性物品において、一般的に用いられるものであれば特に限定はなく、例えば、SIS(スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)系ホットメルト接着剤、SBS(スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体)系ホットメルト接着剤、SEBS(スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロック共重合体)系ホットメルト接着剤等をあげることができる。また、塗布するホットメルト接着剤の塗布量は、装着した際の柔らかさ保持の点から、1g/m
2以上20g/m
2以下であることが好ましく、3g/m
2以上15g/m
2以下であることがより好ましい。この構成により、体液が主に溝部51から速やかに吸収体10へ移動し、同時に、トップシート20と吸収体10との間で発生する余計な皺の抑制をし、この皺による漏れを防止することができる。
【0019】
吸収体10の基材は、一般に生理用ナプキンやおむつ、尿パッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布といった材料から形成される。これらの中で、体液に対する吸収性の点から、フラッフパルプが好ましい。かかるフラッフパルプとしては、木材パルプ及び合成繊維、ポリマー繊維等や非木材パルプを綿状に解繊したものをあげることができる。また、吸収体10の基材は、高吸水性樹脂(SAP:Super absorbent Polymer)を含有する。高吸水性樹脂としては、例えばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したものなどが挙げられる。これらの中で、高吸水性樹脂としては、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。
【0020】
吸収体10の基材とSAPは、基材中にSAP粒子を混合して形成したもの、あるいは、基材間に高吸収性ポリマー粒子を固着したSAPシートとすることが好ましい。また、SAP粒子の漏洩防止や吸収体10の形状を安定させるために、吸収体10をキャリアシートに包むことが好ましい。キャリアシートの基材としては、親水性を有するものであればよく、ティシュ、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布をあげることができる。キャリアシートを複数備える場合は、キャリアシートの基材は同一のものであっても異なるものであってもよい。
【0021】
第1の吸収部材11は、第2の吸収部材12よりも薄い。これにより、上下2層で構成された吸収体10の形状を安定させ、体液の漏れを効果的に防止するとともに、優れた着用感を供することができる。第1の吸収部材11及び上記第2の吸収部材12の厚さは、それぞれが2mm以上6mm以下とすることが好ましい。2mm未満であると吸収量が少なく、6mmを超えると体液吸収後の着用性が低下する。また、第1の吸収部材11は、第2の吸収部材12よりも低い密度を有している。これにより、第1の吸収部材11及び第2の吸収部材12の密度は、液透過性と耐久性のバランスの点から、それぞれが0.06g/cm
3以上0.2g/cm
3以下とすることが好ましい。
【0022】
第1の吸収部材11の高吸水性樹脂の含有率は、第2の吸収部材12の高吸水性樹脂の含有率よりも低い。これにより、吸収体10全体としての体液吸収量を維持しつつ、第2の吸収部材12の体液吸収時の膨張を低く抑えることができ、着用時の異物感を低減することができる。また、それぞれの高吸水性樹脂の含有率は、各吸収部材の重量に対して、20重量%以上50重量%以下であることが好ましい。さらに、好ましくは、第1の吸収部材11の高吸水性樹脂の含有率は、15重量%以上30重量%以下であり、第2の吸収部材12の高吸水性樹脂の含有率は、30重量%以上50重量%以下である。
【0023】
(製造方法)
次に、
図5及び
図6を参照して、本発明の実施形態に係る吸収性物品1の製造方法を説明する。ここでは、吸収性物品1の構成部材の連続体を長手方向に搬送しながら、吸収性物品1を製造する方法を説明する。
【0024】
まず、第1の吸収部材11となる連続体を第1の吸収部材積繊機110にてブロック形状に形成・給送する。次に、平面視において、圧縮ロール140を用いて、第2の吸収部材積繊機120にて形成・給送された第2の吸収部材12となる連続体と、第1の吸収部材11となる連続体とを固着する。この状態で、カッター170を用いて、切断することにより、第2の吸収部材12と第1の吸収部材11とを含む吸収体10が形成される。
【0025】
次に、第1の吸収部材11のトップシート20側に、塗布装置180でホットメルト接着剤60を少なくとも長手方向に帯状に塗布する。ホットメルト接着剤60を長手方向に塗布することにより、ブロック形状50が割れにくくなる。
図6は、本発明の実施形態に係る吸収性物品の製造方法において、接着剤の塗布パターンを示す模式図である。ホットメルト接着剤の塗布には、非接触で塗布が可能であり、吸収体10の吸水性を阻害しない点から、カーテンコート法やスパイラル法が好ましい。
【0026】
さらに、長手方向に搬送されて、集合ドラム210において、この吸収体10の肌当接面側から、原反ロール200から給送されたトップシート20となる連続体と、原反ロール190から給送された立体ギャザー40となる連続体とを接合した連続体を吸収体10に供給し、この吸収体10の非肌当接面側から、原反ロール250から給送されたバックシート30となる連続体を吸収体10に供給して合流させ、相互に所定の位置に接合する。塗布したホットメルト接着剤60でトップシート20と第1の吸収部材11とを接着させる。トップシート周縁をホットメルト接着剤やヒートシールによって固着するとともに、これをカッター220で切断することで吸収性物品1を形成する。その後、折り畳み機240によって、吸収性物品1を折り畳んだのちに、包装機230に給送して、複数の吸収性物品1をまとめて包装する。なお、各構成体の配置工程、周縁の接着工程、カッティング工程には、この種の吸収性物品の製造方法に用いられる一般的な製造工程を用いることができる。
【実施例】
【0027】
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
【0028】
<実施例1>
実施例1の吸収性物品として、
図1〜
図4に示す吸収性物品1と同様の構成を有するものを作製した。トップシートとしては、20g/m
2の坪量と、2.0dtexの繊度を有する短繊維サーマルボンド不織布を用い、バックシートとしては、坪量20g/m
2のポリエチレンフィルムを用いた。第1の吸収部材としては、フラッフパルプ10gに対して、粒子状の高吸水性樹脂2.5gを含有する厚さ3mm、密度0.096g/cm
3、SAP含有率20.0重量%の吸収部材11を作成した。第2の吸収部材としては、フラッフパルプ18gに対して、粒子状の高吸水性樹脂8.5gを含有する厚さ4mm、密度0.105g/cm
3、SAP含有率32.1重量%の吸収部材12を作成した。また、ブロック形状は、
図4(a)に示すパターンとした。その他の寸法等の特性を表1に示す値とした。
【0029】
<実施例2、3及び比較例1〜5>
その他実施例及び比較例においては、表1に示す組成で、吸収体の基材であるフラッフパルプ量とSAP量、厚さを調整した。また、比較例1の吸収性物品は、ブロック形状を形成せず、比較例2の吸収性物品は、長手方向のみの溝部を形成したものとした。
【0030】
(ブロック形状の測定)
第1の吸収部材のブロック形状の陸部の幅及び長さ、溝部の間隔は、第1の吸収部材を上部より撮影し、画像解析ソフトであるWin ROOF(三谷商事株式会社製)を用いて画像処理を行い、測定した。なお、測定値は、いずれもN=3サンプルについて行ったものの平均値とした。
【0031】
(厚さ及び密度)
第1の吸収部材及び第2の吸収部材の厚さは、シックネスゲージ(尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定した。測定条件は、測定荷重250gf、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取った。また、密度は、厚さをJIS P8124に基づいて測定した坪量で割り、単位gあたりの容積cm
3で表した。なお、坪量、厚さ及び密度の測定は、JIS P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行った。
【0032】
(吸収速度)
中央に内径19mmの穴が開いている重さ755.6g、底面積16.8cm
2の円筒状の測定冶具を、吸収性物品1のサンプル中央の上に置き、測定冶具上部の穴から9%生理食塩水40mlを注入した。9%生理食塩水が吸収性物品1に接触した時から、治具中央穴の縁に9%生理食塩水が完全に吸い込まれるまでの時間を計測し、これを吸収速度の測定値とした。なお、吸収速度は、いずれもN=3サンプルについて行ったものの平均値とした。吸収速度が短いほど吸収性能に優れている。
【0033】
(逆流量)
吸収性物品1のサンプル中央に、9%生理食塩水200mLを一度に注入した後、10分間放置し、ろ紙(ADVANTEC社製No.2ろ紙、直径55mm)を乗せ、35gf/cm
2の荷重をかけ1分間放置した。1分経過後、ろ紙の重量を測定し、元のろ紙の重量を差し引いて、これを逆流量の測定値とした。逆流量は、N=3サンプルについて行ったものの平均値とした。液戻り量が少ないほど吸収性能に優れている。
【0034】
(官能評価)
トップシートの皺について、成人女性30代〜60代20名に、各サンプルの吸収性物品を装着してもらい、「(a)トップシートの皺が寄りにくい」、「(b)どちらでもない」、「(c)トップシートの皺が寄りやすい」のいずれかの難易度の評価を選択させた。(a)の評価が15〜20人のときを「なし」、10〜14人のときを「少々」、(a)の評価が0〜9人のときを「あり」で示した。
【0035】
また、フィット性について、成人女性30代〜60代20名に、各サンプルの吸収性物品を装着してもらい、「(a)フィットしやすい」、「(b)どちらでもない」、「(c)フィットしにくい」のいずれかの難易度の評価を選択させた。(a)の評価が18〜20人のときを「◎」、13〜17人のときを「○」、(a)の評価が8〜12人のときを「△」、(a)の評価が0〜7人のときを「×」で示した。
【0036】
【表1】
【0037】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態および実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることは当業者に明らかである。また、その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。