【解決手段】貸出機2は、一般カード27の残り枚数が0枚のときに貨幣の受け付けを禁止するので、遊技者が遊技をスムーズに開始できなくなる虞があるが、通常時間帯では、返却ボタン19が操作された時点で一般カード27の残り枚数が1枚であると、その残り1枚の一般カード27の発行を抑制する。一般カード27の残り枚数が0枚であることが原因で貨幣の受け付けに基づく玉の貸し出しが抑制されてしまう頻度を低減する。一般カード27が無くなってしまう状況の発生を抑制し、少なくとも1枚以上の一般カード27がストックされている期間を長く確保する。
前記特別状態特定手段は、遊技場の閉場時刻までの残り時間が予め定められた時間よりも短い場合に前記特別状態であると特定することを特徴とする請求項2に記載した記録媒体処理装置。
前記特別状態特定手段は、遊技機の稼動率が予め定められた値よりも低い場合に前記特別状態であると特定することを特徴とする請求項2又は3に記載した記録媒体処理装置。
前記特別状態特定手段は、遊技場内の従業員数に対する遊技機の稼動数を示す割合が予め定められた値よりも低い場合に前記特別状態であると特定することを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載した記録媒体処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について
図1から
図3を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して貸出機2(記録媒体処理装置に相当)及び情報表示装置3が設置されている。これら遊技機1、貸出機2及び情報表示装置3は中継装置4及びLAN5を介して管理装置6と接続されている。又、遊技場にはPOSや残高精算機(何れも図示せず)も設置されており、これらPOSや残高精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。尚、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
【0009】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者(以下い、管理者と称する)が操作するキーボード7、モニタ8、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、貸出機2等)から出力される遊技信号を入力して遊技機1毎の遊技データや会員登録された会員毎の個人データ等を管理する。
【0010】
遊技機1は、CR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面9に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル10、上部受皿11、下部受皿12を有すると共に、盤面9に、液晶表示部13、普図入賞口14、第1始動口15、第2始動口16、大入賞口17を有する。又、上部受皿11には貸出ボタン18及び返却ボタン19(何れも
図2参照)が並設されている。
【0011】
遊技機1は以下に示すように動作する。
(1)第1始動口15は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口16は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口15、16への入賞(始動入賞)に応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を液晶表示部13にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たりとなる。
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されず、第2始動口16に保留がある場合は第1始動口15の保留に優先して保留している図柄変動を実行する。
(3)大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/360であり、大当たりがその後確変状態(確変)となる大当たり(確変大当たり)となる割合である確変率は(通常状態、確変状態共に)66.6%である。大当たりが発生すると15ラウンド分だけ大入賞口17を開放する。尚、1Rの上限入賞数は10個であり、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0012】
(4)確変中は大当たり確率が1/36に向上すると共に、各始動口15、16への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当たりまで継続するので、大当たり後に大当たりでも確変でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当たり(通常大当たり)が発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となり、その後に通常状態となる。
(5)第2始動口16は普図入賞口14への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当たりとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。又、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口16の入賞率が高くなる。
【0013】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口15、16への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号でも良い。
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。
【0014】
始動信号=遊技機1から出力される始動入賞(特定の入賞)により変動(作動)する液晶表示部13(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号である。図柄変動確定時に出力されるので、始動信号の入力に応じてスタート処理を特定し、「始動信号×1」をスタート回数(スタート処理数)として特定する。尚、第1始動口15又は第2始動口16への入賞を示す信号としても良い。
大当たり信号=遊技機1から出力される大当たり期間を特定可能な信号である。大当たり中にレベル出力される状態信号であるので、大当たり信号の入力中を大当たり中として特定する。
特定状態信号=遊技機1から出力される特定状態(甘中)を特定可能な信号である。第2始動口16の入賞率が向上する特定状態中(時短中)にレベル出力される状態信号であるので、特定状態信号の入力中を特定状態中として特定する。又、大当たり信号と特定状態信号の何れも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0015】
貸出機2は、所謂各台計数機能を有する貸出機であり、遊技機1の遊技状態を示す状態表示灯20、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口21、遊技者からの操作入力を受け付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当たり確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部22、持玉(会員であれば貯玉も含む)を払い出すための払出ボタン23、払い出された玉が通過する払出ノズル24、一般カード27(記録媒体に相当)や会員カード28が挿入されるカード挿入口25、遊技機1の下部受皿12の下方に位置する着脱可能な計数受皿26等を有する。
【0016】
図2は、貸出機2の機能ブロック図を示している。貸出機2は、CPU29a、ROM29b、RAM29c、I/O29dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部29(貨幣受付手段、遊技価値付与手段、記録媒体発行手段、抑制手段、発行抑制手段に相当)と、当該制御部29と接続された周辺部とを有する。貨幣受付手段、遊技価値付与手段、記録媒体発行手段、抑制手段、発行抑制手段は、制御部29のマイクロコンピュータが実行する制御プログラム(ソフトウェア)により構成される。周辺部としては、管理装置6及び遊技機1との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部30、貨幣投入口21に投入された貨幣の真贋を判定する貨幣処理部31、液晶表示部22、液晶表示部22上に設けられたタッチパネル32、一般カード27や会員カード28がカード挿入口25に挿入されている状態で(受付中の状態で)当該一般カード27や当該会員カード28に対する各種情報の読み書きを行うカードリーダライタ(カードRW)33、最大で10枚の一般カード27をストック可能(記録媒体を複数収納することが可能)なカードストック部34(記録媒体収納手段に相当)、遊技場の従業員(以下、従業員と称する)により携帯される従業員リモコンから送信されるリモコン信号を受信する(受光する)リモコン受光部35、払出ボタン23、払出ボタン23が操作されたときに1度数(例えば500円)分の玉を払出ノズル24から払い出す払出部36、計数受皿26から流入する玉を計数する計数部37等である。
【0017】
一般カード27は、当日限り有効なカードであり、ICチップ27aが内蔵されている。ICチップ27aには、カードを特定可能な一般IDが記録されていると共に、残高(所定の情報、貨幣受付手段に受け付けられた貨幣の残高を特定可能な情報)や持玉数が記録される。会員カード28は、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効なカードであり、ICチップ28aが内蔵されている。ICチップ28aには、カード(カードの会員)を特定可能な会員IDが記録されていると共に、残高や持玉数が記録される。又、会員カード28に対応する貯玉数は管理装置6の会員口座に記憶される。
【0018】
貸出機2は以下に示すように動作する。
(1)カードストック部34にストックしている一般カード27の枚数(残り枚数)を検知する機能を有し、貨幣が貨幣投入口21に投入されると、その時点での残り枚数が1枚以上であることを条件として貨幣を受け付け、その投入された貨幣の金額である投入金額(貨幣受付手段に受け付けられた貨幣の金額)を残高としてRAM29cに記憶すると共に、その残高を液晶表示部22に表示する。この状態(残高がある状態)から遊技機1の貸出ボタン18が操作されると(貸出操作が行われると)、その貸出ボタン18の操作に応じて残高の範囲内で1度数分に相当する玉数の玉を遊技機1内部の払出機構から貸し出す(遊技機1における遊技にて消費する遊技価値を付与する、遊技媒体の貸出処理を行う)。例えば貸出単価が4円であれば125玉を払い出し、貸出単価が1円であれば500玉を払い出す。このとき、遊技機1から貸出機2に1度数分の玉を払い出したことを示す信号が出力されるので、RAM29cに記憶している残高及び液晶表示部22に表示させている残高から1度数分を減算すると共に、貸し出した遊技媒体の数を示す貸出玉数を特定可能な売上信号を出力する。売上信号は1度数分の玉を払い出す毎に1パルスが出力されるパルス信号であるので、1パルスを500円分の売上額として特定する。尚、カードストック部34に一般カード27を1枚もストックしていない、即ち、一般カード27の残り枚数が0枚であるときには、貨幣の受け付けを禁止する(記録媒体を収納していない場合に、貨幣受付手段による貨幣の受け付けに基づく遊技価値付与手段による遊技価値の付与を抑制する)。
【0019】
(2)遊技機1の下部受皿12から落下した玉が計数受皿26で受けられると、その計数受皿26で受けられた玉が計数部36に流入することで玉を計数し、その計数した玉数である計数玉数を持玉数としてRAM29cに記憶すると共に、その持玉数を液晶表示部22に表示する(遊技媒体の計数処理を行う)。この状態(持玉数がある状態)から払出ボタン23が操作されると(払戻操作が行われると)、その払出ボタン23の操作に応じて計数玉数(持玉数)又は貯玉数(会員遊技者の場合)の範囲内で1度数分に相当する玉数の玉を遊技機1内部の払出機構から払い出す(遊技媒体の払出処理を行う)。このとき、RAM29cに記憶している持玉数及び液晶表示部22に表示させている持玉数から1度数分を減算すると共に、払い出した遊技媒体の数を示す払出玉数を特定可能な払出信号を出力する。尚、持玉数が1度数分に相当する玉数に満たない場合であれば、その1度数に満たない分の全ての玉数の玉を遊技機1内部の払出機構から払い出し、同様に、RAM29cに記憶している持玉数及び液晶表示部22に表示させている持玉数から1度数に満たない分を減算する。
【0020】
(3)一般カード27がカード挿入口25に挿入されると(受け付けられると)、一般カード27に記録されている残高や持玉数をカードリーダライタ33により読み出し、その読み出した残高や持玉数をRAM29cに記憶する(一般カード27からRAM29cへとデータを移行する)と共に液晶表示部22に表示する。このとき、一般カード27に記録されている残高や持玉数をゼロリセットする(初期化する、一般カード27の残高や持玉数のデータを消去する)。一般カード27が受け付けられたときは、その一般カード27から読み出した残高や持玉数の範囲内で貸出処理及び払出処理を行う。
【0021】
(4)会員カード28がカード挿入口25に挿入されると(受け付けられると)、会員カード28に記録されている残高や持玉数をカードリーダライタ33により読み出し、その読み出した残高や持玉数をRAM29cに記憶する(会員カード28からRAM29cへとデータを移行する)と共に液晶表示部22に表示する。このとき、会員カード28に記録されている残高や持玉数をゼロリセットする(初期化する、会員カード28の残高や持玉数のデータを消去する)。又、暗証番号の操作入力を条件として管理装置6の会員口座に記憶されている貯玉数を入力することで、会員カード28に対応する貯玉数をもRAM29cに記憶すると共に液晶表示部22に表示する。会員カード28が受け付けられたときは、会員カード28から読み出した残高や持玉数、その会員カード28に対応する貯玉数の範囲内で貸出処理及び払出処理を行う。
【0022】
(5)遊技機1の返却ボタン19が操作されると、その返却ボタン19が操作された時点での一般カード27や会員カード28の受け付け状態に応じて残高や持玉数を一般カード27や会員カード28に記録して発行する(遊技媒体の返却処理を行う)。返却ボタン19が操作された時点で一般カード27がカード挿入口25に挿入されており、残高及び持玉数のうち少なくとも何れかがあれば(「0」でなければ)、RAM29cに記憶している残高や持玉数を当該一般カード27に記録し(RAM29cから一般カード27へとデータを移行し)、一般カード27を発行する。このとき、RAM29cに記憶している残高や持玉数をゼロリセットする(初期化する、RAM29cの残高や持玉数のデータを消去する)。一般カード27を発行すると、カードを特定可能な一般IDと共に一般カード27に記録した残高や持玉数を特定可能な発行信号を管理装置6に出力し、一般カード27に記録した残高や持玉数を管理装置6でも記憶して管理する。
【0023】
(6)返却ボタン19が操作された時点で会員カード28がカード挿入口25に挿入されており、残高及び持玉数のうち少なくとも何れかがあれば、RAM29cに記憶している残高や持玉数を当該会員カード28に記録し(RAM29cから会員カード28へとデータを移行し)、会員カード28を発行する。このときも、RAM29cに記憶している残高や持玉数をゼロリセットする(初期化する、RAM29cの残高や持玉数のデータを消去する)。会員カード28を発行すると、カードを特定可能な会員IDと共に会員カード28に記録した残高や持玉数を特定可能な発行信号を管理装置6に出力し、会員カード28に記録した残高や持玉数を管理装置6でも記憶して管理する。又、暗証番号の操作入力を条件として持玉数を特定可能な持玉数情報を管理装置6に出力し、持玉数を管理装置6の会員口座に貯玉数として記憶させる(RAM29cから会員口座へとデータを移行する)。
【0024】
(7)返却ボタン19が操作された時点で一般カード27及び会員カード28の何れもカード挿入口25に挿入されておらず、残高及び持玉数のうち少なくとも何れかがあれば、その時点での一般カード27の残り枚数が2枚以上であることを条件とし、そのうちの1枚の一般カード27をカード移動機構(図示せず)によりカードリーダライタ33に繰り出し(セットし)、RAM29cに記憶している残高や持玉数を記録し(RAM29cから一般カード27へとデータを移行し)、一般カード27を発行する。このときも、RAM29cに記憶している残高や持玉数をゼロリセットする(初期化する、RAM29cの残高や持玉数のデータを消去する)。又、この場合も、一般カード27を発行すると、カードを特定可能な一般IDと共に一般カード27に記録した残高や持玉数を特定可能な発行信号を管理装置6に出力し、一般カード27に記録した残高や持玉数を管理装置6でも記憶して管理する。
【0025】
(8)一般カード27がカード挿入口25に挿入されている状態で所定の合算操作が行われると、一般カード27に記録されている残高や持玉数を会員カード28の残高や持玉数に合算して記録する。即ち、一般カード27がカード挿入口25に挿入されている状態で所定の合算操作が行われると、その一般カード27に記録されている残高や持玉数をRAM29cに一旦退避し、一般カード27の残高や持玉数をゼロリセットし、そのゼロリセットした一般カード27をカード移動機構によりカードストック部34に回収する。そして、会員カード28がカード挿入口25に挿入されると、RAM29cに退避しておいた残高や持玉数を当該会員カード28に記録されている残高や持玉数に加算した値に上書き記録して発行する。尚、このような一般カード27から会員カード28への合算は許容するが、会員カード28から一般カード27への合算は禁止する。
【0026】
貸出機2は、上記した(1)に示したように一般カード27の残り枚数が0枚であるときには貨幣の受け付けを禁止するが、このような構成では、前述した[発明が解決しようとする課題]の欄で説明したように、遊技者が遊技を開始しようとする際に一般カード27の補充を待つことになり、遊技時間が短くなってしまうことや待ち時間中に遊技意欲が低下してしまう等の遊技者側及び遊技場側の双方にとって好ましくない様々な問題が発生することになる。この点に関し、貸出機2は、前述した(1)から(8)に加えて以下に示すように動作する。
【0027】
(9)前述した(7)で説明したように、返却ボタン19が操作された時点で一般カード27及び会員カード28の何れもカード挿入口25に挿入されておらず、その時点での一般カード27の残り枚数が2枚以上であれば、そのうちの1枚の一般カード27を発行するが、その時点での一般カード27の残り枚数が1枚であれば(記録媒体の残りが一である状況において)、時間帯で区分して以下の動作を行う。具体的には、管理装置6は、管理者からの操作入力により1営業日の営業開始時刻(遊技場の開場時刻)から営業終了時刻(遊技場の閉場時刻)までの営業時間帯を通常時間帯と特別時間帯(特別状態)とに区分する設定情報を設定して中継装置4を介して各貸出機2に出力し、各貸出機2は、管理装置6から入力した設定情報を設定する。通常時間帯は、例えば営業開始時刻から営業終了時刻の1時間前の時刻までの時間帯であり、特別時間帯は、営業時間帯のうち通常時間帯を除いた時間帯であり、営業終了時刻の1時間前の時刻から営業終了時刻までの時間帯である。例えば営業開始時刻が「9:00」であり、営業終了時刻が「23:00」であれば、「9:00〜22:00」が通常時間帯となり、「22:00〜23:00」が特別時間帯となる。即ち、特別時間帯は、遊技場の閉場時刻までの残り時間が予め定められた時間よりも短い時間帯であり、上記した例示では遊技場の閉場時刻までの残り時間が「22:00〜23:00」の1時間よりも短い時間帯が特別時間帯となる。尚、このように通常時間帯と特別時間帯とを時刻で区分する場合に、上記した例示では営業終了時刻の1時間前の時刻を境界時刻としているが、どの時刻を境界時刻としても良い。又、1営業日で通常時間帯及び特別時間帯の少なくとも何れかを複数とし、境界時刻を複数としても良い。
【0028】
(10)返却ボタン19が操作された時点で一般カード27の残り枚数が1枚であり、その時刻が通常時間帯であれば、その残り1枚の一般カード27の発行を抑制し、残り枚数が1枚であるとの理由により一般カード27の発行を抑制した旨を示す報知情報を遊技者に対して報知する。即ち、一般カード27の残り枚数が1枚である通常時間帯では、その残り1枚の一般カード27の発行を抑制している。この場合、遊技者から見れば返却ボタン19を操作したにも拘らず一般カード27が発行されなくなるが、遊技者は、報知情報を確認することで一般カード27が発行されない理由を把握することができる。そして、遊技者は、このように一般カード27の発行が抑制されたままでは残高や持玉数を引き継ぐことができないので、報知情報を確認した後に情報表示装置3の呼出ボタンを操作して従業員を呼び出し、従業員に発行指令のリモコン操作を行わせることで残り1枚の(ストックされている最後の)一般カード27を発行させることができる。遊技者は、このようにして残高や持玉数を引き継ぐことができ、これ以降、引き継いだ残高や持玉数を利用して別の遊技機1で遊技したり(台移動したり)、引き継いだ残高や持玉数を精算したりすることができる。
【0029】
その後、このようにして遊技者から呼び出された従業員は、残り1枚の一般カード27の発行により残り枚数が0枚となった貸出機2に対して残高「0」且つ持玉数「0」の一般カード27をカード挿入口25に挿入して一般カード27の補充作業を行う。従業員は、前述したようにカードストック部34が最大で10枚の一般カード27をストック可能であるので、最大で10枚の一般カード27を補充することになる。このように残り1枚の一般カード27を発行すると、その残り1枚の一般カード27の発行により残り枚数が0枚となった貸出機2に対して一般カード27を速やかに補充するので、残り枚数が1枚となる時間帯の発生を極力低減することができる。尚、一般カード27の残り枚数が1枚の状態で貨幣を受け付けている(残金が0でない)場合には、一般カード27を補充することができない。
【0030】
(11)返却ボタン19が操作された時点で一般カード27の残り枚数が1枚であり、その時刻が特別時間帯であれば、その残り1枚の一般カード27の発行を抑制せずに一般カード27を発行する。このため、遊技者は、通常時間帯とは異なり、従業員を呼び出さずに残高や持玉数を引き継ぐことができる。この場合、残り1枚の一般カード27の発行により残り枚数が0枚となったので、その状態で別の遊技者が遊技を開始しようとしても、前述した(1)で説明したように残り枚数が1枚以上であることが貨幣を受け付ける条件であるので、貨幣を受け付けない。そのため、遊技を開始しようとする遊技者は、情報表示装置3の呼出ボタンを操作して従業員を呼び出す。この場合も、従業員は、残り1枚の一般カード27の発行により残り枚数が0枚となった貸出機2に対して残高「0」且つ持玉数「0」の一般カード27をカード挿入口25に挿入して一般カード27の補充作業を行う。即ち、遊技者は、従業員の補充作業により少なくとも1枚以上の一般カード27が補充された後に貨幣を投入して遊技を開始する。
【0031】
遊技場では、一般的に、営業終了時刻までの残り時間が少ない時間帯(閉店近くの時間帯)では、現金を使用して新たに遊技を開始しようとする遊技者の数が少なく、その一方で遊技を終了する遊技者の数が多くなる傾向がある。本実施形態では、そのような傾向がある時間帯を特別時間帯とし、残り1枚の一般カード27の発行を許容するか抑制するかの分岐点を、新たに遊技を開始しようとする遊技者と遊技を終了する遊技者との割合により、一般カード27を1枚もストックしていないとの理由で貨幣を受け付けなくても不具合が生じ難いように、又は不具合が生じても最小限で済むようにしている。上記した例示では、分岐点を営業終了時刻の1時間前の時刻としている。
【0032】
尚、前述したように従業員が一般カード27の補充作業を行う際に、その従業員を特定可能な従業員IDの操作入力を条件としたり補充した枚数(補充枚数)の操作入力を条件としたりしても良く、一般カード27が補充された貸出機2を特定可能な貸出機IDと従業員IDと補充枚数とが対応付けられた補充信号を中継装置4を介して管理装置6に出力する構成としても良い。管理装置6では、各貸出機2から中継装置4を介して入力する補充信号を解析することで、補充作業の発生状況(どのくらいの頻度であるか)等を把握することができる。例えば特定の機種や特定の遊技島について通常時間帯での補充作業の回数が他の機種や他の遊技島よりも極端に多ければ、一般カード27が当日限り有効なカードであるので、その特定の機種や特定の遊技島が当日最初に遊技される傾向を持つ遊技機1(来場した遊技者が当日限り有効な一般カード27を得るために当日最初に遊技する遊技機1)が集中している機種や遊技島があると判断することができる。
【0033】
又、管理装置6では、各貸出機2から中継装置4を介して入力する補充信号を解析することで、どの従業員がどの貸出機2に1回の補充作業で何枚の一般カード27を補充したか等の履歴を管理することができる。例えば特定の従業員が勤務時間のうちどれだけの時間を補充作業に費やしているかを特定したり、補充作業の負担が多い従業員を特定したり、1営業日のうちで補充作業が集中する時間帯を特定したり、1ケ月又は1週のうちで補充作業が集中する営業日を特定したりすることができる。そして、このように補充作業の履歴を管理することで、今後の従業員の負担等を考慮した上で、通常時間帯と特別時間帯との境界時刻を調整したり、従業員の人数や配置を調整したり、機種や遊技島の配置(遊技場内のレイアウト)を調整したりする等の対策を講じることができる。
【0034】
次に、上記した構成の作用について
図3も参照して説明する。本発明に関連し、貸出機2は、
図3に示すカード発行処理を行う。貸出機2は、メイン処理を実行中にカード発行処理の開始タイミング(所定周期)になったと判定すると、メイン処理からカード発行処理に移行し、カード発行処理を開始する。
【0035】
貸出機2は、カード発行処理を開始すると、遊技者により返却ボタン19が操作されたか否かを判定する(S1)、貸出機2は、返却ボタン19が操作されていないと判定すると(S1:NO)、カード発行処理を終了してリターンし、次のカード発行処理の開始タイミングを待機する。一方、貸出機2は、返却ボタン19が操作されたと判定すると、その時点での一般カード27や会員カード28の挿入状態を判定する(S2、S3)。貸出機2は、返却ボタン19が操作された時点で一般カード27が挿入されている(受付中である)と判定すると(S2:YES)、残高及び持玉数のうち少なくとも何れかをRAM29cに記憶している(残高及び持玉数のうち少なくとも何れかがある)か否かを判定し(S4)、残高及び持玉数のうち少なくとも何れかがあると判定すると(S4:YES)、残高及び持玉数のうち少なくとも何れを一般カード27に記録して当該一般カード27を発行し(返却し)(S5)、カード発行処理を終了してリターンし、次のカード発行処理の開始タイミングを待機する。一方、貸出機2は、残高及び持玉数の両方がないと判定すると(S4:NO)、一般カード27を発行せずにカード発行処理を終了してリターンし、次のカード発行処理の開始タイミングを待機する。尚、貸出機2は、一般カード27が挿入されている状態で残高及び持玉数の両方がなくなったと判定すると、その時点で一般カード27を回収する。
【0036】
貸出機2は、返却ボタン19が操作された時点で会員カード28が挿入されている(受付中である)と判定すると(S3:YES)、この場合も、残高及び持玉数のうち少なくとも何れかがあるか否かを判定し(S6)、残高及び持玉数のうち少なくとも何れかがあると判定すると(S6:YES)、残高及び持玉数のうち少なくとも何れを会員カード28に記録して当該会員カード28を発行し(返却し)(S7)、カード発行処理を終了してリターンし、次のカード発行処理の開始タイミングを待機する。一方、貸出機2は、残高及び持玉数の両方がないと判定すると(S6:NO)、残高及び持玉数の両方を記録せずに当該会員カード28を発行し(返却し)(S8)、カード発行処理を終了してリターンし、次のカード発行処理の開始タイミングを待機する。
【0037】
貸出機2は、返却ボタン19が操作された時点で一般カード27及び会員カード28の何れもが挿入されていない(何れも受付中でない)と判定すると(S2:NO、S3、NO)、この場合も、残高及び持玉数のうち少なくとも何れかがあるか否かを判定し(S9)、残高及び持玉数のうち少なくとも何れかがあると判定すると(S9:YES)、その時点での一般カード27の残り枚数が1枚であるか否かを判定する(S10)。貸出機2は、その時点での一般カード27の残り枚数が1枚でない(2枚以上である)と判定すると(S10:NO)、そのうちの1枚の一般カード27をカード移動機構によりカードリーダライタ33に繰り出し(セットし)、残高及び持玉数のうち少なくとも何れを当該繰り出した一般カード27に記録して当該一般カード27を発行し(S11)、カード発行処理を終了してリターンし、次のカード発行処理の開始タイミングを待機する。
【0038】
貸出機2は、その時点での一般カード27の残り枚数が1枚であると判定すると(S10:YES)、その時点での時間帯が特別時間帯であるか否かを判定する(S12)。貸出機2は、その時点での時間帯が特別時間帯でなく通常時間帯(前述した例示では「9:00〜22:00」)であると判定すると(S12:NO)、一般カード27を発行せずに一般カード27の発行を抑制し(S13)、一般カード27の発行を抑制した旨を示す報知情報を遊技者に対して報知し(S14)、カード発行処理を終了してリターンし、次のカード発行処理の開始タイミングを待機する。このとき、遊技者は、報知情報を確認することで一般カード27が発行されない理由を把握することができ、更に情報表示装置3の呼出ボタンを操作して従業員を呼び出し、従業員にリモコン操作を行わせることで一般カード27を発行させることができる。これにより、遊技者は、残高や持玉数を残高や持玉数を引き継ぐことができ、これ以降、引き継いだ残高や持玉数を利用して別の遊技機1で遊技したり(台移動したり)、引き継いだ残高や持玉数を精算したりすることができる。又、遊技者からの呼び出しを受けた従業員は、残り1枚の一般カード27の発行により残り枚数が0枚となった貸出機2に対して残高「0」且つ持玉数「0」の一般カード27をカード挿入口25に挿入して一般カード27の補充作業を行う。
【0039】
一方、貸出機2は、その時点での時間帯が特別時間帯である(前述した例示では「22:00〜23:00」)であると判定すると(S12:YES)、その残り1枚の一般カード27をカード移動機構によりカードリーダライタ33に繰り出し(セットし)、残り枚数が2枚以上であるときと同様に、残高及び持玉数のうち少なくとも何れを当該繰り出した一般カード27に記録して当該一般カード27を発行し(S11)、カード発行処理を終了してリターンし、次のカード発行処理の開始タイミングを待機する。尚、貸出機2は、返却ボタン19が操作された時点で一般カード27及び会員カード28の何れもが挿入されておらずに残高及び持玉数の両方がないと判定すると(S9:NO)、エラー情報を遊技者に対して報知し(S15)、カード発行処理を終了してリターンし、次のカード発行処理の開始タイミングを待機する。
【0040】
以上に説明したように第1の実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
貸出機2において、一般カード27の残り枚数が0枚のときに貨幣の受け付けを禁止するので、遊技者が遊技をスムーズに開始できなくなる虞があるが、通常時間帯では、返却ボタン19が操作された時点で一般カード27の残り枚数が1枚であると、その残り1枚の一般カード27の発行を抑制するようにしたので、一般カード27の残り枚数が0枚であることが原因で貨幣の受け付けに基づく玉の貸し出しが抑制されてしまう頻度を低減することができる。このように一般カード27が無くなってしまう状況の発生を抑制し、少なくとも1枚以上の一般カード27がストックされている期間を長く確保することで、遊技者による貨幣投入に基づく玉の貸し出しをスムーズに行うことができ、遊技時間が短くなってしまうことや待ち時間中に遊技意欲が低下してしまう等の遊技者側及び遊技場側の双方にとって好ましくない様々な問題の発生を抑制することができる。
【0041】
又、特別時間帯では、返却ボタン19が操作された時点で一般カード27の残り枚数が1枚であると、その残り1枚の一般カード27の発行を抑制せずに発行するようにしたので、これ以降に残り枚数が0枚であることが原因で貨幣の受け付けに基づく玉の貸し出しが抑制されても不具合が発生し難い状態においては、一般カード27の発行を抑制しない状態を設定することができる。即ち、一般カード27の補充を遊技者が待つタイミングを、遊技開始時とするか遊技終了時とするかを遊技場側で選択し易くすることができ、遊技場の営業状態に対応したサービスを遊技者に提供することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について
図4を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。前述した第1の実施形態は、一般カード27を発行する前、又は一般カード27の発行を抑制する前のみで残り枚数が1枚であるか否かを判定する構成であるが、これに対し、第2の実施形態は、一般カード27を発行する前、又は一般カード27の発行を抑制する前に加え、一般カード27を発行した後でも残り枚数が1枚であるか否かを判定する構成である。
【0043】
即ち、貸出機2は、返却ボタン19が操作された時点で一般カード27及び会員カード28の何れもが挿入されていないと判定し(S2:NO、S3、NO)、残高及び持玉数のうち少なくとも何れかがあると判定し(S9:YES)、その時点での一般カード27の残り枚数が1枚でないと判定すると(S10:NO)、残高及び持玉数のうち少なくとも何れを一般カード27に記録して当該一般カード27を発行するが(S11)、その一般カード27を発行したことで残り枚数が1枚になったか否かを判定する(S21)。貸出機2は、一般カード27の残り枚数が1枚になっていない(2枚以上残っている)と判定すると(S21:NO)、カード発行処理を終了してリターンし、次のカード発行処理の開始タイミングを待機する。
【0044】
一方、貸出機2は、一般カード27の残り枚数が1枚になったと判定すると(S21:YES)、一般カード27の残り枚数が1枚になった旨を示す報知情報を報知する。この場合の報知は、前述した一般カード27の発行を抑制した旨を遊技者に対して知らせる報知(S14)とは異なり、一般カード27の補充が必要である旨を従業員に対して知らせる報知であり、例えば一般カード27の補充が必要である旨を示す報知を状態表示灯20により行う。尚、貸出機2は、その旨を示す信号を中継装置4を介して情報表示装置3に出力することで、その旨を示す報知を情報表示装置3により行っても良いし、その旨を示す信号を中継装置4を介して管理装置6に出力することで、その旨を示す報知を管理装置6により行っても良い。このような報知が行われることで、従業員は、一般カード27の残り枚数が1枚になった貸出機2まで出向き、残高「0」且つ持玉数「0」の一般カード27をカード挿入口25に挿入して一般カード27の補充作業を行う。
【0045】
即ち、従業員は、遊技者からの呼び出しを受けて一般カード27の補充作業を行うことに加え、遊技者からの呼び出しを受ける前に先回りして一般カード27の補充作業を行う。尚、このような先回りする補充作業は、遊技者が遊技を終了して一般カード27を発行させてから別の遊技者が遊技を開始するまでの期間、即ち、遊技者が遊技していない(非稼動中の)遊技機1に対応する貸出機2を対象とするので、あくまでも一般カード27の補充作業に費やせる時間に余裕がある状況で行えば良く、遊技者からの呼び出しに対する補充作業を優先することが望ましい。即ち、遊技者は、返却ボタン19を操作したにも拘らず一般カード27が発行されない状況を、遊技場側の都合により(自分に非がないのに)発生した状況であると感じるので、先回りする補充作業よりも遊技者からの呼び出しに対する補充作業を優先することで、そのような遊技者にとって不利益な好ましくない状況を速やかに解消することが望ましい。換言すれば、先回りする補充作業を促す報知に対して従業員が必ずしも対応する必要はない(報知を無視しても良い)ので、先回りする補充作業を促す報知を状態表示灯20により行う場合、その状態表示灯20による報知は所定時間(例えば数秒程度)が経過した後に自動的に停止しても良い。又、このような先回りする補充作業を促す報知を行う場合には、上記したように残り枚数が1枚になったときのみに報知する構成に限らず、例えば残り枚数が2枚になったときに状態表示灯20を黄色点灯させることで補充作業の緊急性が小である旨を報知し、残り枚数が1枚になったときに状態表示灯20を赤色点灯させることで補充作業の緊急性が大である旨を報知しても良い。
【0046】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。又、以下に示す変形例をどのように組み合わせても良い。
本実施形態では、一般カード27を1枚でもストックしていれば貨幣の受け付けや一般カード27の発行を許容する構成としたが、一般カード27を2枚以上ストックしていることを条件として貨幣の受け付けや一般カード27の発行を許容する構成としても良い。
【0047】
通常時間帯において、本実施形態では、一般カード27を1枚もストックしていない場合に貨幣の受け付けを禁止する(貨幣を受け付けない)構成を例示したが、一般カード27をストックしている場合に比べて貨幣を受け付け難くする構成であれば良く、例えば受け付け可能な貨幣の上限額を低くする構成(例えば1000円札のみ受け付け可能)や、貨幣を受け付ける速度を遅くする構成としても良い。これらの場合も、貨幣の受け付けに基づく遊技価値の付与を抑制することに該当する。更には、貨幣投入自体を可能とする一方、当該貨幣を使用した玉の付与を禁止する構成としても良い。この場合も、貨幣を使用することができないので、貨幣の受け付けに基づく遊技価値の付与を抑制することに該当する。
【0048】
通常時間帯において、本実施形態では、一般カード27を1枚しかストックしていない場合に当該一般カード27の発行を禁止する(発行しない)構成を例示したが、一般カード27を2枚以上ストックしている場合に比べて発行し難くする構成であれば良く、例えば一般カード27を発行する速度を遅くする構成としても良い。この場合も、記録媒体の発行を抑制することに該当する。
【0049】
本実施形態では、管理者が設定した特別時間帯を特別状態とし、その特別状態において、残り1枚の一般カード27の発行を抑制せずに一般カード27を発行する構成を例示したが、一般カード27を発行しても不具合が生じ難い条件を満たす期間を特別状態としても良い。例えば遊技機1の稼動率が予め定められた値よりも低い期間を特別状態としても良い。即ち、例えばアウト信号や貨幣の受け付け状態を管理して遊技機1の稼動率を特定し、その特定した稼動率が予め定められた値よりも低い(予め定められた基準値未満である)場合には、一般カード27が残り1枚でも当該残り1枚の一般カード27を発行しても良い。これは、稼動率が低い場合には、貨幣を投入して新たに遊技を開始しようとする遊技者が少ないことや、従業員が一般カード27の補充作業に多くの時間を費やせる(遊技者からの呼び出しを受けてから速やかに補充作業を行える)ことを想定することができ、一般カード27を発行しても不具合が生じ難いと想定することができるからである。そもそも稼動率が低い場合には、遊技者からの従業員の呼び出しの絶対数が少なくなると想定することができるので、残り1枚の一般カード27を発行しても、従業員が補充作業に追われることがなくなる。
【0050】
又、遊技場内の従業員数に対する遊技機の稼動数を示す割合が予め定められた値よりも低い期間を特別状態としても良い。即ち、例えば遊技場内の従業員数に対する遊技機1の稼動数との割合を特定し、その特定した割合が予め定められた値よりも低い(予め定められた基準値未満である)場合には、一般カード27が残り1枚でも当該残り1枚の一般カード27を発行しても良い。これは、遊技場内の従業員数に対する遊技機1の稼動数の割合が低い場合には、1人の従業員が担当する(監視する)稼動中の遊技機1の数が少なくて済み、1人の従業員が一般カード27の補充作業に多くの時間を費やせる(遊技者からの呼び出しを受けてから速やかに補充作業を行える)ことを想定することができ、一般カード27を発行しても不具合が生じ難いと想定することができるからである。そもそも遊技場内の従業員数に対する遊技機1の稼動数を示す割合が低い場合には、遊技者からの従業員の呼び出しが絶対数が多くなっても、その遊技者からの呼び出しに対して多くの従業員で対応すると想定することができるので、残り1枚の一般カード27を発行しても、従業員が補充作業に追われることがなくなる。
【0051】
通常時間帯と特別時間帯とを、遊技場全体で一律に(同じとしてし)設定しても良いし、例えば機種単位や遊技島単位等で異ならせて設定しても良い。
本実施形態では、遊技機1の貸出ボタン18が操作されると遊技機1内部の払出機構から玉を貸し出す等、貨幣投入を受け付ける処理、遊技機1における遊技にて消費する遊技価値を付与する処理、記録媒体を発行する処理、記録媒体の発行を抑制する処理のうち一部の機能を貸出機2の外部が行う構成を例示したが、上記した処理を全て貸出機2が行う構成でも良い。即ち、記録媒体処理装置を複数の装置により構成しても良いし、記録媒体処理装置を一の装置により構成しても良い。
【0052】
本実施形態では、残高を一般カード27に書き込む構成を例示したが、残高を一般カード27に書き込むのではなく、残高を特定可能な残高IDを一般カード27に書き込み、残高IDに対応付けられた残高を管理装置6で管理する構成としても良い。
【0053】
通常時間帯において、本実施形態では、返却ボタン19が操作された時点での一般カード27の残り枚数が1枚であれば、その残り1枚の一般カード27の発行を抑制し、従業員が発行指令のリモコン操作を行うことで残り1枚の(ストックされている最後の)一般カード27を発行する構成、即ち、従業員が一般カード27の補充作業を行う前に一般カード27を発行する構成を例示したが、従業員のリモコン操作を省き、従業員が一般カード27の補充作業を行うことで、従業員が一般カード27の補充作業を行っている途中又は補充作業を行った後に一般カード27を発行する構成としても良い。この場合、従業員が一般カード27を1枚補充した直後(残り枚数が発行対象の一般カード27を含めて2枚になった直後)に、その発行対象の一般カード27を発行しても良いし、従業員が一般カード27を9枚補充した直後(残り枚数が発行対象の一般カード27を含めてストック可能な最大数である10枚になった直後)に、その発行対象の一般カード27を発行しても良い。即ち、少なくとも1枚以上の一般カード27の補充作業を条件として一般カード27を発行しても良い。
【0054】
本実施形態では、遊技機1としてCRパチンコ機を例示したが、例えば玉が封入されており、得点を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機や、メダルを使用することなく得点を消費する完全クレジットスロットマシンに対応することも可能である。この場合、得点やクレジットが遊技価値に相当する。
本実施形態では、記録媒体として一般カード27を例示したが、カードとは異なる形状の記録媒体を使用して良く、例えばコイン型の記録媒体や、スティック型の記録媒体を使用することも可能である。