【実施例1】
【0010】
本発明であるベンダ装置1は、
図1に示すように、ベンダ2と、ベンダ補助具3とからなる。
【0011】
ベンダ2は、市販されており、例えば、パナソニック電工(株)ハイヒッキー(登録商標)E型、棒2aと棒2aの先端に管10をその形状に沿って曲げる湾曲部2bと湾曲部2bの上方に管を掛ける係止部2cを備える。そして、湾曲部2bと係止部2cの間に管10などの棒状物を挿入し、テコの原理を用いて手作業の手動式で前記棒状物を湾曲させる装置である。
【0012】
ベンダ補助具3は、装着部4と、張出部5と、レール部6と、スライドバー7と、メジャー8と、位置指示具9とかならなる。
【0013】
装着部4は、ベンダ2の棒2aに装着される。ここでは、棒2aを挿入する筒4aと、筒4aを位置固定するネジである固定具4bからなる実施形態を例示したが、他の方式で装着してもよい。筒4aと固定具4bであれば、装着固定が極めて容易である。
【0014】
張出部5は、装着部4に連設して突出し、湾曲部2bと、レール部6とを所定の距離に位置するよう保持するためのものである。ここでは板状としたが、レール部6を保持できれば形状は特に特定されるものではない。張出部5が湾曲部2bの下方に位置すれば、管10のストッパとしても機能する。
【0015】
レール部6は、張出部5の一部から起立し、スライドバー7、メジャーを保持するものである。
【0016】
スライドバー7は、レール部6に保持され、レール部6上を移動する直線部7bと、直線部7bから突出し管10に接するストッパ7aとからなるL字金具等で、管10の湾曲に追随してレール部6上を移動する。
【0017】
スライドバー7がレール部6を移動する手段として、図示したように、直線部7bの端部とレール部6とに留具7d、7eで固定され渡されたバネ7cの伸縮、さらに、直線部7bが嵌る溝7gと、ネジが貫通し、直線部7bを圧迫して位置固定する固定具7hを備えるガイド7fを、レール部6に固定する方法が例示される。
【0018】
本方式であれば、固定具7hのネジをゆるめれば、スライドバー7を、溝7gに沿って上下に移動することができる。一端、管10の曲げ度合いが確定したならば、以後は、固定具7hでスライドバー7を固定し、ストッパ7aの上端を管10の曲げ位置の終点とすれば、繰り返しの曲げ作業が正確かつ短時間で可能になる。
【0019】
メジャー8は、直線状のプレート8bと、プレート8b表面に記載された目盛り8aと、ストッパ7aの位置に合わされる基準線8eとからなり、レール部6に取り付けられ管10の曲げ角に対応する管10の曲げによる移動距離を測定する。可動式とすることで、管10の太さ変化に応じた基準線8eの位置の微調整が可能になる。また、曲げられた管の再湾曲にときも位置移動でき、汎用性が高くなる。
【0020】
メジャー8を可動式にする手段としては、図示したように、プレート8bが嵌る溝8dと、ネジが貫通し、プレート8bを圧迫して位置固定する固定具8fを備えるガイド8cを、レール部6に固定する方法が例示される。本方式であれば、固定具8fのネジをゆるめ、プレート8bを、溝8dに沿って上下に移動することができる。
【0021】
位置指示具9は、管10の先端に嵌着され筒9a形状で、その側面対向位置に目印(第一目印9b、第二目印9c)が設けられ、第一目印9b、第二目印9c目印で管の上下位置を確認する。
【0022】
位置表示具9を備えることで、管10に装着容易で、管10の上下位置が簡易に把握でき、正確なS字湾曲を可能にする。
【0023】
次に、
図1−5を参照して、管10のS字曲げについて説明する。なお、
図4、5は、実際に本発明であるベンダ装置1を用いて管10(電気配管)を曲げているときの様子を写した写真である。管10の曲げは、管10の一端をベンダ2の係止部2cに係止し、管10の他端を手で下に押し込むことで、湾曲部2bに管10を沿わせて曲げる。
【0024】
先ず、
図1に示すように、位置指示具9を管10に装着した上で、第一目印9bを上に向け、1箇所目の湾曲の準備をする。そして、管10の一部をベンダ2の湾曲部2bと係止部2cの間に挿入し、一部を係止部2cに係止する。
【0025】
その後、管10の他方をスライドバー7のストッパ7aに接触させ、そのとき、管10を曲げていない状態で、ストッパ7aの下端にメジャー8の基準線8e(0cm)が来るように、メジャー8を移動、固定する。このとき、スライドバー7はスライド可能にガイド7fの溝7gに嵌められている。
【0026】
次に、ストッパ7aよりさらに他端側を
図4、5に示すように、手で押圧し、ベンダ2の湾曲部2bに沿って管10を湾曲させる。
図2に示すように、管10の湾曲度合いは、ストッパ7aの移動距離、即ち、基準線8eからのストッパ7a下端の移動距離(例えばcm)で、その場で把握し、目的の曲げ状態にする。
【0027】
その後、ガイド7fの固定具7h(ネジ)を締め、スライドバー7を固定する。そうすることで、次回以降の曲げにおいては、ストッパ7aの移動距離を把握する必要がなく、ストッパ7aの固定位置が、管10の曲げ位置となる。
【0028】
次に、第二目印9cを上側に位置するように、管10を180°回転させる。第二目印が上に位置することで、管10をS字にする正確な位置を容易に把握することができる。その後、管10の二箇所目の湾曲位置を、
図4、5に示すよう、手で下方に管10を押圧して、湾曲させる。
【0029】
そのとき、ストッパ7aで湾曲を止めることで、第一箇所目の湾曲角と同じ湾曲を形成し、正確なS字湾曲が可能になる。勿論、S字以外の形状に管10を二箇所湾曲させる場合には、都度、スライドバー7をスライドさせ、ストッパ7aの移動距離をメジャー8で測定しながら湾曲させることも可能である。