(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-209928(P2016-209928A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】パイプ取付装置のストップカラー製造方法、及びそのストップカラー
(51)【国際特許分類】
B21C 23/14 20060101AFI20161118BHJP
F16L 19/08 20060101ALN20161118BHJP
【FI】
B21C23/14
F16L19/08
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-220980(P2015-220980)
(22)【出願日】2015年11月11日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0059416
(32)【優先日】2015年4月28日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】515313789
【氏名又は名称】ユニロク コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】UNILOK Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100146639
【弁理士】
【氏名又は名称】船本 康伸
(72)【発明者】
【氏名】ミョン―ホ,ヨ
【テーマコード(参考)】
3H014
4E029
【Fターム(参考)】
3H014GA05
4E029AA06
4E029EA05
4E029WA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組立てを容易にし、繰り返し使用が可能なパイプ取付装置用ストップカラーの製造方法、及びその製造方法から得られたストップカラーを提供する。
【解決手段】パイプの連結状態を判断可能にするストップカラー100の製造方法であって、アルミニウムまたは亜鉛からなる原材料のいずれか一つを550〜650℃以上の温度に加熱する加熱段階と、加熱された原材料を押出金型を通じて、正面がC状であり、外面に突起140が突出した押出物を得る押出段階と、押出物を450〜650℃の温度で、5〜7時間を加熱して溶体化する熱処理段階と、空冷または急冷処理する冷却段階と、押出物を間歇的に移動・停止させ、鋸を回転させ、一定の間隔で切断する切断段階と、バリを除去する研磨段階と、表面にセラミックをコートするが、このセラミックは、赤色、青色、黄色、黒色のいずれか一つをコートし、使用先を区分する識別段階と、からなる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ取付装置のボディに設けられ、パイプの連結状態を判断可能にするストップカラーの製造方法であって、
アルミニウムまたは亜鉛からなる原材料を備え、この原材料のいずれか一つを550〜650℃以上の温度に加熱する加熱段階と、
加熱された原材料を押出金型を通じて押し出すが、正面がC状であり、外面には確認突起が突出し、内側面に弾性力を付与する凹溝部が形成された押出物を得る押出段階と、
前記押出物を450〜650℃の温度で、5〜7時間を加熱して溶体化する熱処理段階と、
熱処理された押出物を空冷または急冷処理する冷却段階と、
熱処理された前記押出物を間歇的に移動・停止させ、鋸を回転させ、一定の間隔で切断する切断段階と、
切断された押出物のバリを除去する研磨段階と、
前記押出物の表面にセラミックをコートするが、このセラミックは、赤色、青色、黄色、黒色のいずれか一つをコートし、使用先を区分する識別段階と、からなることを含むパイプ取付用ストップカラーの製造方法。
【請求項2】
パイプ取付装置のボディに設けられ、パイプの連結状態を判断可能にするストップカラーの製造方法であって、
アルミニウムまたは亜鉛からなる原材料を備え、この原材料のいずれか一つを300℃以上の温度に加熱する加熱段階と、
加熱された原材料を押出金型を通じて押し出すが、正面がC状であり、外面に突起が突出した押出物を得る押出段階と、
前記押出物を450〜650℃の温度で、5〜7時間を加熱して溶体化する熱処理段階と、
熱処理された押出物を空冷または急冷処理する冷却段階と、
熱処理された前記押出物を間歇的に移動・停止させ、鋸を回転させ、一定の間隔で切断する切断段階と、
金属ばね鋼を準備し、このばね鋼をスロットして弾性部材を準備する段階と、
前記弾性部材を、マルチフォーミング工法で、広げまたは縮めるしわ部を形成し、このしわ部が前記押出物の突起と同一の位置に折り曲げられる成形段階と、
前記弾性部材を、切断された押出物の内面に当接させ、ブレスで圧縮し、押出物と弾性部材を結合させるストップカラー原形製造段階と、
前記ストップカラー原形からバリを除去する研磨段階と、
前記ストップカラー原形の表面にセラミックをコートするが、このセラミックは、赤色、青色、黄色、黒色のいずれか一つをコートし、使用先を区分する識別段階と、からなるパイプ取付用ストップカラーの製造方法。
【請求項3】
前記押出段階において押し出された押出物の両端及び中央部位のそれぞれに確認突起が成形されたことを含む請求項1に記載のパイプ取付用ストップカラーの製造方法。
【請求項4】
前記押出段階は、「C」状のダイ孔が上下に配置された押出金型からなり、この押出金型を通じて、1回押出時、少なくとも2つ以上の押出物が成形されるようにすることを含む請求項1または2に記載のパイプ取付用ストップカラーの製造方法。
【請求項5】
前記切断段階は、熱処理された押出物をCNC旋盤のチャックに固定し、そのチャックの前方側に、モータ軸と連結した回転鋸を備え、チャックから移動された押出物を切断するが、前記回転鋸は、500RPM以下の低速で回転しながら切断することを含む請求項1または2に記載のパイプ取付用ストップカラーの製造方法。
【請求項6】
熱処理段階及び冷却段階を経た押出物の硬度は、200〜300Hvであることを含む請求項1または2に記載のパイプ取付用ストップカラーの製造方法。
【請求項7】
前記押出金型に、押出物の内側面に凹溝部が形成されるように、突出部が設けられたことを含む請求項1に記載のパイプ取付用ストップカラーの製造方法。
【請求項8】
請求項1または2の記載による方法で作製されたパイプ取付装置のストップカラー。
【請求項9】
アルミニウムを押し出し、C状の本体を構成し、前記本体の外面に、一直線上に位置する2つの確認突起が突出され、本体の内側面に繰り返し使用を可能にする弾性部が設けられたことを含むパイプ取付装置のストップカラー。
【請求項10】
前記本体の内側面に離脱防止突起が突出され、本体の両側面または一側面には、内向きに傾斜した傾斜面がさらに設けられたことを含む請求項9に記載のパイプ取付装置のストップカラー。
【請求項11】
前記確認突起が、本体の両端部と中央部位に突出されたことを含む請求項9に記載のパイプ取付装置のストップカラー。
【請求項12】
前記本体の内側面に弾性部が設けられるが、この弾性部は、凹溝部で構成され、これを中心として広がりまたは復元するようにすることを含む請求項9に記載のパイプ取付装置のストップカラー。
【請求項13】
前記凹溝部は、半円形または「V」状で構成され、内側面に1つ以上が形成されることを含む請求項12に記載のパイプ取付装置のストップカラー。
【請求項14】
前記本体の内側面に結合された弾性部は、ばね鋼で構成された弾性部材から構成されたことを含む請求項9に記載のパイプ取付装置のストップカラー。
【請求項15】
前記弾性部材は、本体の組立時は広がり、組立後はさらに縮まるしわ部が設けられたことを含む請求項14に記載のパイプ取付装置のストップカラー。
【請求項16】
前記弾性部材の側面が、本体よりも突出して結合されたことを含む請求項14に記載のパイプ取付装置のストップカラー。
【請求項17】
アルミニウムを押し出し、C状の本体を構成するが、前記本体の外面に、一直線上に位置する2つの確認突起が突出し、この確認突起に挟まれるように、内側面に結合部が形成され、外側面に延長片が設けられた認識部材が設けられることを含むパイプ取付装置のストップカラー。
【請求項18】
前記認識部材の延長片に孔が穿孔され、認識票を吊るして用いられることを含む請求項17に記載のパイプ取付装置のストップカラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプ取付装置のストップカラー製造方法、及びその製造方法から得られたストップカラーに関する。
【0002】
より詳しくは、押出成形‐熱処理‐切削加工‐研磨加工を通じて、原材料を加工し、規格化したストップカラーの大量生産を可能にし、このストップカラーに弾性力を付与し、結着を容易にすることはもとより、繰り返し使用が可能であり、さらには、パイプと取付装置の損傷を防ぐことができるストップカラーの製造方法、及びそのストップカラーに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、パイプは、施工条件及び現場の環境により、エルボーのような簡単な連結部品を用い、または取付、すなわち、パイプ取付装置を用い、2つまたはこれ以上のパイプを連結して用いる。
【0004】
このようなパイプ取付装置は、ボディの両側または3方向から嵌められるパイプを、ナットにより、移動するフェルールで把持して連結するものである。
【0005】
例えば、特許文献1による装置は、チューブが嵌められる取付ボディと、フェルールと、ナットとを備える基本構成に、取付ボディと、チューブが管継ぎされる接続孔の内周縁部には、Oリングが設けられるが、前記接続孔の内周縁部乃至外周縁部の傾斜面にOリングが設けられた構成であり、シール効果を増加させた装置である。
【0006】
しかしながら、このような装置は、取付ボディにチューブを挿入した後、ナットを締め、チューブを把持するに当たって、ナットの締付量が予測し難く、それにより、締付量が不足し、または締付量を過ごして、パイプが変形することにより、漏水等の危険があるという問題があった。
【0007】
そのため、近年になって、ナットの締付けが過度か不足かが分かるために、ストップカラー(取付リング)が用いられている。
【0008】
ストップカラーの例としては、特許文献2によるパイプ取付装置のストップカラーが挙げられる。
【0009】
他の例として、特許文献3には、パイプ取付及びこれに用いられる取付用リングの製造方法が開示されている。
【0010】
この製造方法は、内部の中央にリング状鉄片を支持するための鉄片定着部が突出され、鉄片定着部の周囲にリング成形空間が形成された射出金型である下部金型の準備段階と、下部金型の鉄片定着部の周囲に密着するインサート物であるリング状鉄片の準備段階と、下部中央に下部金型のリング成形空間の内部に進入するテール成形部が突出され、一側に下部金型のリング成形空間に溶融材料を注入するように、湯口が形成された射出金型である上部金型の準備段階と、リング状鉄片を下部金型の鉄片定着部の周囲に結合させる取付用リング内蔵段階と、上部金型のテール成形部が下部金型のリング成形空間の内部に進入するように、上部金型を下部金型に結合する下部金型及び上部金型結合段階と、上部金型の湯口に溶融材料を注入し、下部金型のリング成形空間に溶融材料を注入する溶融材料注入段階と、上部金型及び下部金型に注入され、射出成形された溶融材料を常温で冷却する冷却段階と、からなる。
【0011】
つまり、このような作製過程は、上・下部金型にゴム材である溶融材料を注入して成形物を得るが、この成形物の内側面にリング状鉄片が設けられ、強度を高め、使用中の破損を防ぎ、外形を傾斜して構成し、接触面積を増加させたものである。しかしながら、このような取付リングは、鋳造方式で作製され、精密加工が不可能であり、取付ナットが緩くまたは過度に締め付けられたかが分からず、再使用が不可能であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】大韓民国実用新案公開第2007‐000500号公報
【特許文献2】大韓民国登録特許10‐1356612号公報
【特許文献3】大韓民国登録特許10‐0948403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、「C」状に作製し、ここに弾性力を付与し、組立てを容易にし、繰り返し使用が可能なパイプ取付装置用ストップカラーの製造方法、及びその製造方法から得られたストップカラーを提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、ストップカラーの表面に色相をコートし、これに加え、認識部材を設け、取付装置で配管されたパイプがどんな配管であるかを区別することができ、管理点検が容易であるストップカラーを提供することにある。
【0015】
本発明のまた他の目的は、取付装置のボディに嵌められ、ナット部材を締め付けることにより、ボディの突部に密着させるが、ボディ上をストップカラーが自由に回転し、ナットがさらに締め付けられ、ナットにより回転が拘束されて回転が行わなければ、これ以上の締付けが不要な、すなわち、最上の状態でパイプが連結されていることが分かるようにしたストップカラーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した目的を達成するために、本発明は、パイプ取付装置のボディに設けられ、パイプの連結状態を判断可能にするストップカラーの製造方法であって、アルミニウムまたは亜鉛からなる原材料を備え、この原材料のいずれか一つを300℃以上の温度に加熱する加熱段階と、加熱された原材料を押出金型を通じて押し出すが、正面がC状であり、外面に突起が突出した押出物を得る押出段階と、前記押出物を450〜650℃の温度で、5〜7時間を加熱して溶体化する熱処理段階と、熱処理された押出物を空冷または急冷処理する冷却段階と、熱処理された前記押出物を間歇的に移動・停止させ、鋸を回転させ、一定の間隔で切断する切断段階と、金属ばね鋼を準備し、このばね鋼をスロットして弾性部材を準備する段階と、前記弾性部材を、マルチフォーミング工法で、広げまたは縮めるしわ部を形成し、このしわ部が前記押出物の突起と同一の位置に折り曲げられる成形段階と、前記弾性部材を、切断された押出物の内面に当接させ、ブレスで圧縮し、押出物と弾性部材を結合させるストップカラー原形製造段階と、前記ストップカラー原形からバリを除去する研磨段階と、前記ストップカラー原形の表面にセラミックをコートするが、このセラミックは、赤色、青色、黄色、黒色のいずれか一つをコートし、使用先を区分する識別段階と、からなる技術的な特徴を有する。
【0017】
また、本発明は、アルミニウムを押し出し、C状の本体を構成するが、前記本体の外面に、一直線上に位置する2つの確認突起が突出したことを含むパイプ取付装置のストップカラーである。
【0018】
また、本発明は、アルミニウムを押し出し、C状の本体を構成するが、前記本体の外面に、一直線上に位置する2つの確認突起が突出し、この確認突起に挟まれるように結合部が形成され、外側面に延長片が設けられた認識部材が設けられることを含むパイプ取付装置のストップカラーである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、第一、押出金型を通じてストップカラーの本体を成形し、この成形物を熱処理して硬度を向上させることにより、弾性力はもとより、組立性及び繰り返し使用を可能にし、アノダイジング方法で表面にセラミック膜を形成し、取付ナット締付による回転滑りを防ぐことができる。
【0020】
第二、パイプが最適の状態で連結されたかを、作業者に認識させ、最適の把持状態を維持させ、さらには、パイプの取付装置の破損及び欠陥を防ぎ、また、破損等が発生せず、気密維持が容易になる。
【0021】
第三、本発明のストップカラーは、C字状に構成され、嵌合で組み立てられることにより、結着が容易であり、干渉を避けるために、傾斜面が形成され、回転が円滑であり、作業者がパイプの連結状態を容易に分かるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明によるストップカラーの作製過程を示すブロック図である。
【
図2】本発明によるストップカラーを示す斜視図である。
【
図3】本発明によるストップカラーを示す一側面図である。
【
図5】本発明によるストップカラーの他の実施例を示す一側面図である。
【
図6】本発明によるストップカラーの前面図であって、弾性部材の様々な実施例を示す断面図である。
【
図7】本発明によるストップカラーに認識部材が組み立てられた状態を示す断面図である。
【
図8】本発明によるストップカラーのまた他の実施例を示す断面図である。
【
図9】本発明が適用される取付装置の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好適な実施例について説明する。
【0024】
本発明に添付された
図1は、本発明によるストップカラーの作製過程を示したブロック図であり、
図2は、本発明によるストップカラーを示す斜視図であり、
図3は、本発明によるストップカラーを示す一側面図であり、
図4は、本発明の要部拡大斜視図である。
【0025】
添付された
図5及び
図6は、本発明の様々な実施例を示したものであり、
図7は、本発明によるストップカラーに認識部材が組み立てられた状態を示す断面図であり、
図8は、本発明によるストップカラーのまた他の実施例を示す断面図であり、
図9は、本発明が適用される取付装置の一例を示す断面図である。
【0026】
図面において、本発明によるストップカラー100は、パイプ取付装置のボディに結着され、パイプの連結状態を作業者が判断可能にし、作業後は、どんな形態の配管であるかを区別可能にし、さらには、管理状態がどうなっているかも容易に分かるようにしたものである。
【0027】
このような本発明は、押出物からなる本体120と、この本体に結合される弾性部200とで構成され、前記弾性部200が弾性部材220で構成された実施例と、前記作業者に配管の書類、管理状態等を知らせる認識部材300がさらに設けられた実施例と、ストップカラーの本体120の内側面に溝を加工する方式で弾性力が付与された第三の実施例と、で構成される。
【0028】
本発明によるストップカラー100は、アルミニウムまたは亜鉛等の原材料のいずれか一つを選択して押出成形し、これを熱処理して必要な硬度を調節し、セラミック膜を施し、作業者が認識可能にするものである。
【0029】
本発明による一つの実施例は、本体120と、ばね鋼で構成された弾性部材220とが結合されたストップカラー100である。
【0030】
この実施例の本体120は、押出金型20(未図示)を通じて押出されたものであり、アルミニウムまたは亜鉛で構成された原材料のいずれか一つが、加熱温度550〜650℃で加熱された状態で押出金型に供給されて成形される。
【0031】
成形段階
押出金型400(未図示)は、図示のように、少なくとも2つ以上のダイ孔420(未図示)が形成され、好ましくは、上下それぞれ2つが配置された構成であり、1回の押出しの際、4つの押出物を同時または選択して得られるようにする。一方、前記ダイ孔420は、「C」状に構成される。
【0032】
つまり、本発明によるストップカラー100の本体120は、嵌合部122を有する正面が「C」状に構成され、外面に1つまたはそれ以上の確認突起140が設けられる。
【0033】
C状の前記本体120は、中心点から両端に至る角、すなわち、中心角θが110〜140°からなり、好ましくは130°で形成される。
【0034】
この角度は、ストップカラー100を取付装置10のボディ20に挟んで組み立てるとき、嵌めやすくするためのものであり、角度100°以下であれば嵌め難く、140°を超えると、使用中、抜けやすいという恐れがある。
【0035】
また、本発明において、中心角θを110〜140°とするのは、この嵌合部を除いた残りの本体の角度を220〜250°で構成し、2つの確認突起140を180°、すなわち、一直線上において互いに対向側に位置させるとともに、各確認突起140の外側に遊びを置き、この部位が結着時に嵌合を案内する案内片180となるようにするためである。
【0036】
前記確認突起140は、作業者が手指で押したり引っ張ったりし、取付状態を確認可能にするものであり、1つ乃至3つが形成されることが好ましい。もちろん、それ以上が形成されてもよいが、取付作業の特性上、好ましくない。
【0037】
例えば、本発明が結着される取付装置10は、ボディ20の両側に、パイプを嵌めた状態で、ナット部材40と固定突部30のそれぞれに、パイプレンチ、トルクレンチを噛ませ、ナット部材を締めて結着するが、このとき、確認突起140が多ければ、レンチを噛ませるときに干渉する恐れがある。
【0038】
したがって、本発明では、1つ乃至3つの確認突起のみを有するものとする。
【0039】
熱処理段階
前記押出金型400を通じて押出された押出物には、熱処理過程を経て1次弾性力が与えられる。
【0040】
このため、前記押出物を450〜650℃の温度で、5〜7時間の間、加熱して溶体化し、特にAL元素材は、硬度向上のために、200〜300℃、2時間以内で、時効処理し、AL6061の場合、熱処理後、急冷処理し、表面硬度を向上させる。本発明による押出物、すなわち、ストップカラーの本体は、硬度230〜270Hv、好ましくは、硬度250Hvを有するようにする。
【0041】
本発明のストップカラー100は、成形性に優れ、加工の容易なアルミニウムが用いられ、このアルミニウムの硬度を向上させ、繰り返し使用を可能にするものである。
【0042】
切断段階
熱処理過程を経た前記押出物は、切断装置を用いて一定の間隔で切断される。
【0043】
本発明に用いられる切断装置は、押出物を固定/解除するユニットと、移送ユニット、切断ユニットで構成され、作業者が押出物を固定/解除するユニットに固定した状態で、装置を稼動すると、移送ユニットが押出物を把持し、同時に固定ユニットの固定状態が解除される。
【0044】
移送ユニットが定められた距離だけ移動・停止すると、再度、固定ユニットが押出物を押止固定し、切断機が動作し、押出物を切断する構成である。
【0045】
本発明に用いられる切断装置の一例としては、CNC旋盤が用いられてもよい。
【0046】
すなわち、CNC旋盤のチャックに押出物を噛ませ、固定解除させ、CNC旋盤に設けられた移送ユニットを通じて押出物を把持して移送するが、切断機は、別途に装着される。
【0047】
前記切断機は、チャックの前方側に位置し、モータに円形鋸を固定して連結する。
【0048】
モータは、500rpm以下で低速回転しながら切断作業を行わせ、精密な切断作業が行われるようにする。これにより、本体加工を完了する。
【0049】
研磨段階
本発明は、切断前また切断後に本体、すなわち、押出物を研磨する。切断前は、押出物の外部局面を研磨し、後述するアノダイジング処理後、外観を美麗にし、さらには、表面摩擦を減少させ、移動を容易にする。
【0050】
切断後は、切断過程で発生する断面のマイクロバリを除去するとともに、表面不純物を除去し、アノダイジング処理を容易にする。また、研磨段階を経た本発明の取付ボディに挿入された後も、円滑に回転可能にするものである。
【0051】
弾性部材加工段階
本発明による押出物、すなわち、本体100は、弾性部材220と結合される。
【0052】
この弾性部材220は、繰り返し使用にも耐えるためのものであり、ばね鋼が用いられる。
【0053】
まず、前記ばね鋼は、スロットを通じて弾性部材220を準備する。
【0054】
弾性部材220を構成する基礎原材料が準備されると、マルチフォーミング工法でしわ部240を形成するが、このしわ部240は、ストップカラー100が取付装置に結合するときに広がり、結着が完了すると、さらに狭まりながら、弾性力を一層強化するものである。
【0055】
前記しわ部240は、図示のように、外向きに突出する方式で構成され、その位置は、前記本体120の確認突起140と同一の位置において折り曲げられる。また、前記しわ部240は、本体120の確認突起140と同一の個数で形成されることが好ましいが、場合により、さらに少なく形成されてもよい。
【0056】
前記弾性部材220の作製が完了すると、押出物と結合し、ストップカラー100の原形を作製する。
【0057】
前記押出物の内側に、前記弾性部材220を当接させた状態で、プレス装置で押圧して結合するものであり、押出物の内面に弾性部材220が挟まれる別途の溝部が設けられてもよい。
【0058】
押出物の表面処理段階
本発明のストップカラー100には、多様な色相がコートされる。この色相は、ストップカラー100が用いられた取付装置10がどんな用途で使われているかを、使用者に認識させ、配管を区分可能にすることにより、維持補修及び管理を容易にする。
【0059】
本発明によるストップカラー100は、表面に、青色、黄色、赤色、黒色等がコートされ、好ましくは、アノダイジングで表面処理され、セラミックがコートされてもよい。このセラミックは、取付装置のボディに挟まれた状態で、ナットを締めて締結するとき、滑りを防止するという効果が得られる。これについては、後述する。
【0060】
本発明のまた他の実施例として、本体120に結合される認識部材300がさらに設けられてもよい。
【0061】
この認識部材300は、ストップカラー100の本体120よりも大きな外径で構成され、本体120の外面に組み立てられ、目立ちやすくし、作業者にとって、取付、配管等を容易に区別可能にするものである。
【0062】
本発明による認識部材300は、合成樹脂または金属板で構成され、プレス加工、射出成形方式で作製される。
【0063】
認識部材300の形状は、半円形であり、両側端部にストップカラーの本体120に形成された確認突起140に挟まれる結合部340が形成され、中央部位には、延長片320が設けられ、この延長片320に孔322が穿孔されている。
【0064】
前記孔322には、管理、点検、配管種類、補修計画等、取付装置で連結されたパイプまたは装備と関連した事項が記録されたカード、認識票等を吊るすことができる。
【0065】
前記延長片320の他の機能として、作業者が延長片を押したり引っ張ったりし、取付けがうまく行われたかが分かる機能もある。これについては、後述する。
【0066】
図面符合360は、本体120の嵌合部122に挟まれるように突出した突出片であって、組立時、鉤状の結合部とともに、安定した組立てを可能にし、延長片を用いたストップカラーの回転の有無を確認するときも、嵌合部側を押すことにより、認識部材が押されることが防止される。
【0067】
一方、上記のような方法で作製された本発明のストップカラー100は、添付した
図5と
図6に示すように、様々な形態で構成されてもよい。
【0068】
まず、本発明のストップカラー100の基本タイプは、
図3に示すものである。この形態は、2つの確認突起140が対向して配置され、確認突起140の内側に弾性部材220のしわ部240が位置する。
【0069】
このような基本タイプに、
図5は、前記確認突起が3つ配置されてもよいことを示すものである。
【0070】
添付した
図6は、本発明によるストップカラー100を示す断面図である。
【0071】
図示のように、
図6のAは、弾性部材の両側面に傾斜面202を形成したものであり、この傾斜面は、ナット部材の締付時、干渉を避けることができる。
【0072】
すなわち、前記傾斜面202は、後述するボディ20に結着されたとき、ボディ20に形成された雄ねじ部28が干渉しないようにするものであり、干渉を避けることにより、ストップカラー100の円滑な回転を可能にする。
【0073】
図6のBは、傾斜面を一側にのみ形成したものであり、
図6のCは、弾性部材の一側が本体120よりも外側に突出したものである。
【0074】
このような形態で構成された本発明は、適用される取付装置により、または配管及び環境により、選択的に用いられる。
【0075】
本発明によるまた他の実施例として、
図8に示すように、弾性部材ではなく、本体120に弾性力を与え、結着を容易にしたものである。
【0076】
この形態は、本体120の内側面に、「V」状、四角状または半円形の凹溝部220aを形成し、これを中心として嵌合部122が広がりまたは縮まりながら結着されるものである。
【0077】
このような構成の本発明は、上記したストップカラー100のように、アルミニウムまたは亜鉛からなる原材料を備え、この原材料のいずれか一つを300℃以上に加熱する加熱段階と、加熱された原材料を押出金型を通じて押し出すが、正面が「C」状であり、外面に突起が突出した押出物を得る押出段階とで構成されるが、このとき、押出金型400に形成されたダイ孔420には、凹溝部220aを成形する突出部がさらに設けられる。
【0078】
押出過程を経た押出物は、上記した実施例のように、450〜650℃の温度で、5〜7時間を加熱し、溶体化する熱処理段階と、熱処理された押出物を空冷または急冷する冷却段階とを経る。
【0079】
また、熱処理された前記押出物を間歇的に移動・停止させ、鋸を回転させながら、一定の間隔で切断する切断段階と、切断された押出物のバリを除去する研磨段階と、前記押出物の表面にセラミックをコートするが、このセラミックは、赤色、青色、黄色、黒色のいずれか一つをコートし、使用先を区分する表面を処理する識別段階と、を経ることにより、ストップカラー100が完成する。
【0080】
一方、このような構成からなる実施例のストップカラーには、係止突起160が設けられ、結着後、離脱を防ぐことができる。
【0081】
以下、このような構成からなる本発明の使用状態について説明する。
【0082】
添付した
図9は、本発明が適用される取付装置10の実例である。この取付装置は、本出願人により開発されたものであり、これを通じて、本発明の使用過程について説明する。
【0083】
本発明が適用される取付装置は、図示のように、ボディ20と、取付ナット、すなわち、ナット部材40と、フェルール60とで構成され、特に、本発明のストップカラー100が着脱されるボディ20には、平滑面34が設けられている。
【0084】
前記ボディ20は、円形管体状からなる。この管体22は、内部中央に嵌合孔24が切削加工され、前記嵌合孔24は、管体22の左右側のそれぞれにパイプPが嵌められて連結されるものであり、嵌合孔24の中央部位には、内向突出部が設けられている。
【0085】
前記管体22の外面の中央には、固定突部30が突出している。この固定突部30は、本発明によるストップカラー100が密着され、作業者にとって、ナット部材40の締付量を認知させるものであり、両側が垂直密着面32で構成される。
【0086】
また、ボディ20を構成する管体22の両側周縁には、雄ねじ部28が設けられ、前記固定突部30の両側の垂直密着面32と雄ねじ部28との間には、ストップカラー100が結着される平滑面34が形成される。
【0087】
この平滑面34は、ストップカラー100が引っ掛かることなく、自然に回転可能にするものであり、ストップカラーの幅と同一または少し広く形成され、また、本発明のストップカラーの両側面または一面に傾斜面202が形成され、前記雄ねじ部28と干渉することなく、円滑に回転することができる。
【0088】
前記ナット部材40は、前記ボディ20の管体22の両側周縁のそれぞれに形成された雄ねじ部28に螺合されるものであり、先端内周面に形成された雌ねじ部42が前記雄ねじ部に螺合され、内側後端部に係止段44が設けられ、後述する第2のフェルールの後面が、これに係止され、ナット部材40の締付時、第1、2のフェルールが移動しながらパイプを加圧する構成である。
【0089】
前記第1、2のフェルール60、62は、分割された状態で、第1のフェルール60は、管体の端部に形成された傾斜面に組み立てられ、この第1のフェルール60の後面と前記ナット部材40の係止段44との間に組み立てられる構成である。一方、第1、2のフェルールは、既に一般的に用いられているので、本発明では、詳細を省略する。
【0090】
このような構成の取付装置に適用される本発明は、固定突部30と雄ねじ部28との間に設けられた平滑面34に組み立てられ、ナット部材40が締め付けられると、固定突部の側面の垂直密着面32に密着した状態で、ナット部材40により拘束されるものである。
【0091】
すなわち、本発明は、作業者が、ボディ20の平滑面34に挟むと、本発明のストップカラーは、案内片180が広がりながら嵌められ、この状態では、弾性部材200の弾力により抜け難い。
【0092】
この状態で、前記ボディ20の両側にパイプを嵌め、ナット部材を締め付けると、ナット部材と一緒にフェルール60、62が移動し、パイプを加圧して把持することにより、パイプを連結配管するようになる。
【0093】
このとき、締め付けられるナット部材40は、本発明のストップカラー100を固定突部側に密着させて加圧するが、締付中、作業者が、確認突起140を押したり引っ張ったりし、ストップカラー100が回転しなければ、これ以上ナット部材を締め付ける必要がない。
【0094】
すなわち、この状態が、フェルールにより、パイプが歪まず、変形しないとともに、安定した連結状態が維持されるものである。
【0095】
これに対して、作業者が押したとき、ストップカラーが回転すると、ナット部材がさらに締め付けられることを意味し、作業者は、ナット部材をさらに締め付け、最適の連結状態を維持させる。
【0096】
この過程で、本発明は、認識部材を用いて、ストップカラーの回転の有無を確認することもできる。ストップカラーが適用されるパイプ取付装置の位置、またはパイプ取付が適用される装置、及び配管、作業者によっては、確認突起140が小さく、回転の有無を点検し難いこともあり得る。
【0097】
このとき、本発明は、前記認識部材300をストップカラーの外側に組み立てることにより、この認識部材に設けられた延長片320を用いて、ストップカラー100の回転の有無を確認することができる。
【0098】
もちろん、前記認識部材300は、作業者が目視で確認可能であり、維持補修時に便利に用いられる。
【0099】
また、本発明は、ストップカラーの表面にコートされたセラミックにより、垂直密着面とナット部材との間において回転滑りを相殺することができる。
【0100】
上術したように、本発明の属する技術の分野における当業者にとっては、本発明が、その技術的思想や必須的特徴を変更せず、他の具体的な形態に実施され得ることが理解されるだろう。このため、上述した実施例は、全て例示のものであり、限定的なものではないものと理解しなければならない。本発明の範囲は、上述した説明よりは、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲、また、その等価概念から導出される全ての変更または変形された形態が、本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0101】
100 ストップカラー
120 本体
140 確認突起
160 離脱防止突起
180 案内片
220 弾性部材
240 しわ部
300 認識部材
320 延長片