【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 平成27年2月4日〜6日にインテックス大阪で開催されたメディカルジャパン大阪2015 第1回インターフェックス大阪(医薬品 研究・製造技術展)に展示された薬液充填用ロボットセル 〔刊行物等〕 平成27年2月19日に下記アドレスのウェブサイトで公開された薬液充填用ロボットセル http://www.e−mechatronics.com/download/catalog/robot/medicine.html
【課題】作業スペース21の工事、清掃、滅菌といった手間を軽減することにより段取り替えやそれに伴う清浄化や滅菌が迅速且つ容易となる汎用の生命工学・医薬品化学用自動作業セルを提供する。
【解決手段】自動作業セル1は、作業スペース21が設けられた作業ブース20と、作業ブース20に配置されるロボット10と、作業ブース20及び外部空間に対してそれぞれ遮断可能に接続され、作業器具及び作業対象を収容する収容ブース30、40、50と、作業スペース21に配置され、作業器具を保持するホルダーを取り外し自在に固定するホルダー固定具26とを有する。
前記段取り制御部は、前記作業器具を前記作業スペース内で動力が供給されるよう接続するべく、前記ロボットを制御する請求項3に記載の生命工学・医薬品化学用自動作業セル。
前記作業器具には電子天秤が含まれ、前記段取り制御部は、前記作業スペース内で前記電子天秤の校正を行うように前記ロボットを制御する請求項4に記載の生命工学・医薬品化学用自動作業セル。
前記収容ブースの少なくとも一部分に設けられ、前記作業対象及び前記作業器具の少なくともいずれかに滅菌処理を施す滅菌領域を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の生命工学・医薬品化学用自動作業セル。
前記収容ブースに配置され、前記ホルダーを取り外し自在に固定する第2ホルダー固定具を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の生命工学・医薬品化学用自動作業セル。
前記作業開始前、前記ホルダーは、前記第1ホルダー固定具と前記第2ホルダー固定具のうち前記第2ホルダー固定具のみに固定されて設けられる請求項9に記載の生命工学・医薬品化学用自動作業セル。
作業終了後、前記段取り制御部によって、前記第1ホルダー固定具に固定される前記ホルダーを、前記作業スペースから前記収容ブースに移動させ、前記収容スペースに配置され前記ホルダーを取り外し自在に固定する第2ホルダー固定具に固定させるように前記ロボットを制御する請求項16に記載の生命工学・医薬品化学用自動作業方法。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の実施形態(以下、本実施形態という)に係る生命工学・医薬品化学用自動作業セル(以下、単に自動作業セルという)を示す外観斜視図である。
図2は、本実施形態に係る自動作業セルを鉛直方向の上方から見た平面図である。
【0025】
本実施形態に係る自動作業セル1は、作業中のコンタミネーション(汚染)を回避するために作業器具や作業対象に滅菌処理を施すことを要する生命工学や医薬品化学などの分野において用いられ、ほぼ無菌状態が保たれた領域で、作業器具を用いた作業対象に対する作業をロボット10に自動で行わせるものである。なお、以下の説明において、作業器具とは、作業中において作業スペース21に固定して設けられ、作業装置の一部として用いられるものをいう。また、作業対象とは、作業において加工等の操作を加えられるものであって、作業の結果得られる成果物の原料やその一部となるものをいう。
【0026】
自動作業セル1は、ロボット10と、作業ブース20と、収容ブース30と、収容ブース40と、収容ブース50を有する。作業ブース20内は、ほぼ無菌状態が保たれるようになっている。
【0027】
ロボット10は、作業ブース20内に配置される。ロボット10は、いわゆる多関節ロボットであり、胴体11と、胴体11に設けられる右アーム13及び左アーム15を有する。また、右アーム13には、開閉する一対の爪12(12a、12b)が設けられ、左アーム15には、開閉する一対の爪14(14a、14b)が設けられる。
【0028】
ロボット10は、胴体11及びアーム13、15を駆動することで、作業器具、作業対象、作業器具を保持するホルダーなどへアクセスし、爪12、14で挟んだり、ひっかけたり等することによりそれらを把持したり操作したりする。
【0029】
作業ブース20には作業スペース21が設けられる。作業スペース21には、作業器具を保持するホルダーを取り外し自在に固定するホルダー固定具26が複数配置される。本実施形態において、ホルダー固定具26の先端にはピン25が設けられている。また、複数のホルダー固定具26は、作業スペース21の底面と同一平面上に形成されたもの(この場合、作業スペース21の底面から直接ピン25が突出する構成となる)も含み、作業スペース21の底面からの高さが異なるように形成される。複数のホルダー固定具26の高さが異なるため、ロボット10のアーム13、15が一のホルダーにアクセスする際に他のホルダーに干渉しない。そのため、アーム13、15に直線的な動きをさせることができ、ロボット10の動作時間の短縮化や、ティーチングの容易化を実現できる。
【0030】
ホルダー固定具26は、作業器具を保持するホルダーや作業対象を載置するラックなどの底部に形成される穴125にピン25が嵌ることにより、ホルダーやラックを取り外し自在に、かつ姿勢が安定するように作業スペース21に固定する。後述するピン35、45、55が先端に形成されるホルダー固定具36、46、56も同様の機能を有する。なお、ホルダー固定具26、36、46、56の数や配置や高さは、本実施形態で示すものに限定されるものでなく、用途や使用する器具に応じて種々に設計してよい。
【0031】
なお、以下の説明において、複数設けられるホルダー固定具26及びピン25に関して、その符号に小文字のローマ字(a、b等)を添えて区別するが、図示しない場合や、区別して説明する必要がない場合においては、符号に添える小文字のローマ字は省略する。穴125、ピン35、45、55についても同様とする。
【0032】
収容ブース30は、作業スペース21側を向いたロボット10から見て右側に設けられ、各作業器具及び作業対象を収容する。また、収容ブース30には、ピン35を有するホルダー固定具36が複数設けられている。また、収容ブース30は、作業ブース20に対して開閉扉32により遮断可能に接続されているとともに、外部空間Gに対して開閉扉33により遮断可能に接続されている。開閉扉32は、外側取っ手32a及び内側取っ手32bが取り付けられており、自動作業セル1内のロボット10により、爪12、14をひっかけて操作することにより開閉される。また、開閉扉33は、取っ手33aが取り付けられており、自動作業セル1の外部にいる人により開閉される。なお、開閉扉43は、他の自動設備等により、自動的に開閉されるようにしてもよい。
【0033】
収容ブース40は、作業スペース21側を向いたロボット10から見て後ろ側に設けられ、各作業器具及び作業対象を収容する。また、収容ブース40には、ピン45を有するホルダー固定具46が複数設けられている。また、収容ブース40は、作業ブース20に対して開閉扉42により遮断可能に接続されているとともに、外部空間Gに対して開閉扉43により遮断可能に接続されている。開閉扉42は、外側取っ手42a及び内側取っ手42bが取り付けられており、自動作業セル1内のロボット10により同様にして開閉される。また、開閉扉43は、取っ手43aが取り付けられており、自動作業セル1の外部にいる人により開閉される。
【0034】
収容ブース50は、作業スペース21側を向いたロボット10から見て後ろ側であって収容ブース40の隣に設けられ、各作業器具及び作業対象を収容する。また、収容ブース50には、ピン55を有するホルダー固定具56が複数設けられている。また、収容ブース50は、作業ブース20に対して開閉扉52により遮断可能に接続されているとともに、外部空間Gに対して開閉扉53により遮断可能に接続されている。開閉扉52は、外側取っ手52a及び内側取っ手52bが取り付けられており、自動作業セル1内のロボット10により同様にして開閉される。また、開閉扉53は、取っ手53aが取り付けられており、自動作業セル1の外部にいる人により開閉される。
【0035】
本実施形態においては、各開閉扉を閉じて収容ブース30、40、50を密閉した状態で、収容する作業器具及び作業対象に対して滅菌処理が施される。外部空間Gから収容ブース30、40、50内へ運ばれてきた各作業器具、作業対象は、人の手や外気に触れているため、そのまま用いるとコンタミネーション(汚染)のおそれがあるためである。各収容ブース30、40、50には、熱乾滅菌器やオートクレーブ、ケミクレーブ、紫外線/放射線滅菌器等の適宜の滅菌器が取り付けられていてよい。各ブース30、40、50には、同一の滅菌器が取り付けられてもよいし、互いに異なる形式の滅菌器を取り付けておき、収容ブース30,40、50を、収容したい内容物に応じて使い分けるようにしてもよい。また、例えば、抗がん剤等、人体に有害な物質を取り扱う作業を行う場合、有害物質が外部へ漏れないように、各収容ブース30、40、50には、周囲との差圧を設け、ブース内が周囲より低い圧力となるような空調システムを組むとよい。
【0036】
滅菌処理の完了には、収容ブース30、40、50が密閉された状態になってから一定の時間を要する。本実施形態においては、収容ブース30、40、50と外部空間Gとの接続を検知する接続検知センサと、接続検知センサにより収容ブース30、40、50と外部空間Gとの接続を検知した後、滅菌領域の滅菌処理の完了まで、収容ブース30、40、50と作業ブース20の接続を禁止する接続禁止部とを設ける。そのため、意図せず滅菌処理中に収容ブースが開放されることが抑制され、確実に滅菌処理が施される。
【0037】
接続禁止部としては種々の態様を採用することができ、例えば、コントローラ60(
図3参照)により滅菌処理の完了まで開閉扉32、42、52を開けないようにロボット10を制御する構成を採用してもよいし、開閉扉32、42、52を物理的にロックして、滅菌処理が完了するまでロックが解除できない構成を採用してもよい。
【0038】
図2に示すように、作業ブース20内には、収容ブース30に近接する位置であって、作業スペース21と開閉扉32の可動範囲外に設けられる仮置きスペース28が設けられる。作業終了後に、使用後の作業器具を作業ブース20から収容ブース30へ戻す際、一旦仮置きスペース28に作業器具を複数まとめてストックした後、まとめて収容ブース30に戻すことで、ブース間の出し入れ回数を削減でき、ロボット10の動作時間を短縮することができる。なお、仮置きスペース28は、一つに限られず、また、収容ブース30に近接する位置のみでなく収容ブース40、50に近接する位置であって、開閉扉42、52の可動範囲外に設けられてもよい。
【0039】
図3は、本実施形態に係る自動作業セルのシステム構成を示すブロック図である。自動作業セル1は、ロボット10と、ロボット10を制御するコントローラ60を有する。コントローラ60は、段取り制御部61と、作業制御部62を有している。なお、ロボット10には予め動作プログラムがティーチングされている。
【0040】
段取り制御部61は、ロボット10が収容ブース30、40、50から作業スペース21に、作業器具を保持するホルダーを移動させるように、ロボット10を制御する。
【0041】
作業制御部62は、作業スペース21において、ロボット10が作業器具を用いて作業対象に対し作業を行うように、ロボット10を制御する。
【0042】
図4は作業開始前及び作業終了後の作業スペースを示す斜視図であって、
図5は作業中の作業スペースを示す正面図(作業スペース21を介してロボット10と対向する側から見た図)である。なお、
図4、
図5においては、ロボット10の図示は省略する。
【0043】
本実施形態において、各作業器具を保持する各ホルダー、及び各作業対象を載置するラックにはそれぞれ、爪12、14に把持される共通の被把持部70が取り付けられている。被把持部70は、爪12、14が引っ掛かる突出部71を有する。
【0044】
被把持部70が共通であるため、単一種類の爪12、14で種々のホルダーやラックを把持することが可能となる。各ホルダー及びラックは、爪12、14に把持された状態で、ロボット10の胴体11及びアーム13、15が駆動されることにより、ブース間や、ブース内で移動させられる。
【0045】
本実施形態においては、作業対象として、薬液、バイアル瓶81(
図10参照)、アルミキャップ82(
図6参照)、ゴム栓(不図示)を用いる。また、
図5に示すように、作業器具として、ピペット92、かしめ具93を用いる。また、作業器具を保持するホルダーとして、ピペット92を保持するピペット台192、かしめ具93を保持するかしめ具台193を用いる。
【0046】
薬液は、キャップ91aが締められた薬液ボトル91内に密封されている。
【0047】
バイアル瓶81は、薬液を密封するためのガラス容器である。薬液の密封は、バイアル瓶81の開口にゴム栓を圧入し、その上からアルミキャップ82を装着し、アルミキャップ82をかしめることにより行う。
【0048】
ピペット92は、本体921と、本体921の末端部に設けられるプッシュボタン922と、本体921の先端部921aに着脱可能に設けられるチップ923とを有する。ピペット92は、使用前、本体921からチップ923を離脱した状態で、本体921とチップ923がそれぞれピペット台192に保持される。
【0049】
ピペット92は、本体921にチップ923を装着した状態で、チップ923の先端を液体中に入れて、プッシュボタン922を本体921に対して一旦押し込んだ後、引くことにより液体を吸い込む。さらに、プッシュボタン922を本体921に対して押し込むことにより、液体を吐出する。
【0050】
なお、本実施形態で用いるピペット92は、爪12、14により把持され得る形状であるが、ピペット92の形状によっては、その本体921に被把持部70を取り付けてもよい。それにより、爪12、14による把持に適さない形状のピペット92に対しても、その把持及び移動を安定した姿勢を維持して行うことができる。なお、ピペット92は、液体を計量して吸い込み吐出することができる器具であれば、本実施形態で示したものに限られるものではなく、例えば、本体とチップが一体に構成されるものでもよい。あるいは、ピペット92と同等の液体の計量吐出機能を有する計量吐出具であれば、器具として必ずしもピペット92を用いる必要はなく、例えば、シリンジであってもよい。
【0051】
ピペット台192は、ピペット92の本体921とチップ922を保持する保持板192aと、保持板192aに形成され、本体921が挿通される保持孔192bと、保持板192aに形成され、チップ922が挿通される保持孔192cとを有する。
図5には、同サイズのチップ923を保持可能な保持孔192cが2つ形成された保持板192aを示すが、作業の内容に応じて異なるサイズのチップを保持できるようにサイズの異なる保持孔が複数形成された保持板を有するピペット台を用いてもよい。
【0052】
また、ピペット台192は、底部に穴125cがそれぞれ形成された二股支持足192dを有する。ピペット台192は、二股支持足192の穴125cがピン25cに嵌ることによりホルダー固定具26cに取り外し自在に固定される。また、ピペット台192の保持板192aには、被把持部70が取り付けられている。
【0053】
かしめ具93は、かしめ対象を挟んで締め付ける締め付け部931と、締め付け部931を動作させるレバー932とを有する。
【0054】
かしめ具台193は、かしめ具93が固定され、両者を一体的に取り扱うことができるよう構成されているとともに、底部に穴125aがそれぞれ形成された二股支持足193aを有する。かしめ具台193は、二股支持足193aの穴125aがピン25aに嵌ることによりホルダー固定具26aに取り外し自在に固定される。また、かしめ具台193にもまた、被把持部70が取り付けられている(
図5では背後となるため見えておらず、図示されていない)。
【0055】
また、本実施形態においては、
図5に示すように、バイアル瓶81を作業中に保持するバイアル瓶スタンド281を用いる。
図5のバイアル瓶スタンド281は、バイアル瓶81を保持していない状態である。バイアル瓶スタンド281は、バイアル瓶81を保持する保持板281aと、保持板281aに形成され、バイアル瓶81が嵌められる保持穴281bとを有する。また、保持板281aには、ピン25eに嵌る穴125eが形成されている。また、バイアル瓶スタンド281の保持板281aには、被把持部70が取り付けられている。
【0056】
なお、ピペット台192、かしめ具台193、バイアル瓶スタンド281が有する支持足は二股に限られるものではなく、ホルダー固定具26に対して安定して固定されるものであれば、3以上の支持足を有する構成であってもよい。
【0057】
また、
図6に示すように、本実施形態においては、アルミキャップ82を整列して載置するアルミキャップラック182を用いる。アルミキャップラック182は、複数のアルミキャップ82を載置する載置板183aと、載置板182aの下面から延びる4本の支持足182bとを有する。支持足182bの底部には穴125が形成され、この穴125がピン25に嵌ることにより、アルミキャップラック182はホルダー固定具26に取り外し自在に固定される。また、アルミキャップラック182の載置板182aには、被把持部70が取り付けられている。載置板183a上には、載置されているアルミキャップ82の位置がずれないよう、適宜の窪みや位置決めピンなどの、載置物の位置案内構造が設けられていてよい。
【0058】
また、本実施形態においては、ゴム栓を整列して載置するゴム栓ラックを用いる。ゴム栓ラックは、載置板上に、アルミキャップ82に替えて、ゴム栓が載置されている点を除き、先のアルミキャップラック182と同等の構造であるので、
図6を援用し、その個別の図示及び重複する説明は省略する。
【0059】
また、本実施形態においては、バイアル瓶81を整列して載置するバイアル瓶ラック181(
図10参照)を用いる。バイアル瓶ラック181もまた、先のアルミキャップラック182と同等の構造であってよい。
【0060】
なお、バイアル瓶ラック181、アルミキャップラック182、ゴム栓ラックといった4本の支持足を有する各ラックに関しては、穴125を設けることなく、作業スペース21の底面に直接配置される構成であっても構わない。
【0061】
次に、作業器具を保持するホルダー、及び作業対象を載置するラックが備える被把持部70に対する爪12、14による把持について、アルミキャップラック182、及び右アーム13の爪12a、12bを例にとって説明する。
図6は、アルミキャップを載置するアルミキャップラックを示す斜視図であって、爪による被把持部の把持について説明するための図である。
【0062】
開閉する爪12aと爪12bは、開いた状態(離間した状態)で、アルミキャップラック182の被把持部70を挟む位置に配置される。その後、爪12aと爪12bが、互いに閉じる方向(近づく方向)に移動することで、アルミキャップラック182の被把持部70を把持する。その状態で、ロボット10の胴体11やアーム13が駆動することで、アルミキャップラック182を運ぶことができる。例えば、アルミキャップラック182を、収容ブース30内のホルダー固定具36からから作業スペース21のホルダー固定具26へと移動させることもできるし、作業スペース21内で異なるホルダー固定具26間で移動させることもできる。
【0063】
なお、アーム13が備える爪12aと爪12bは、互いに対向する側にそれぞれ溝を有しており、この溝に被把持部70を嵌めることにより被把持部70を把持するが、被把持部70を把持できる構成であれば、本実施形態で示す構成に限られない。例えば、爪は、被把持部の形状によらず把持することを可能にすべく、人間の指と同様、複数の関節を有する構成でもよい。
【0064】
さらに、本実施形態に係る自動作業セルにおける動作について説明する。本実施形態に係る自動作業セル1は、作業開始前における作業器具が配置されていない作業スペース21に、ロボット10により、各収容ブース30、40、50に収容される作業器具を持ってきて、作業器具を用いて作業対象に対して作業を行う。また、本実施形態においては、作業中において、作業器具を保持するホルダーが作業スペース21のホルダー固定具26に固定して設けられ、作業終了後において、ロボット10により、作業スペース21から収容ブース30、40、50に移動され、作業スペース21には作業器具が配置されていない状態へと戻る。
【0065】
図7〜
図11を参照して、本実施形態において行われる作業の一例を具体的に説明する。なお、以下で説明する作業は、薬液が密封されたバイアル瓶81を得るためのものであるが、あくまで一例であって本発明がこのような作業に限定されるわけではない。
【0066】
ロボット10により自動で行われる作業スペース21の段取り替え、及び作業器具を用いた作業対象に対する作業に先立ち、下記のように、人の手又は他の設備等によって、作業器具の準備を行う。
【0067】
まず、開閉扉33を開けて、収容ブース30内へ、薬液が入った薬液ボトル91、かしめ具93を保持するかしめ具台193、バイアル瓶スタンド281を収容する。この際、薬液ボトル91、かしめ具台193、及びバイアル瓶スタンド281に設けられる穴125をピン35に嵌めて、薬液ボトル91、かしめ具台193、及びバイアル瓶スタンド281を位置決めし、ホルダー固定具36に対して取り外し自在に固定する。
【0068】
また、開閉扉43を開けて、収容ブース40内へ、バイアル瓶81を載置するバイアル瓶ラック181を収容する。この際、バイアル瓶ラック181に設けられる穴125をピン46に嵌めて、バイアル瓶ラック181を位置決めし、ホルダー固定具46に対して取り外し自在に固定する。バイアル瓶ラック181は、一のバイアル瓶ラック上に他のバイアル瓶ラックを重ねて複数収容してもよい。一のバイアル瓶ラックの載置板181a上に、他のバイアル瓶ラックの支持足の底部に形成された穴125が嵌るように、ピンを形成してもよい。それにより、積み重ねられたバイアル瓶ラック181が安定する。
【0069】
また、開閉扉53を開けて、収容ブース50内へ、ピペット92の本体921とチップ923を保持するピペット台192、アルミキャップ82を載置するアルミキャップラック182、ゴム栓を載置するゴム栓ラックを収容する。この際、ピペット台192、アルミキャップラック182、及びゴム栓ラックに設けられる穴125をピン55に嵌めて、ピペット台192、アルミキャップラック182、及びゴム栓ラックを位置決めし、ホルダー固定具56に対して取り外し自在に固定する。アルミキャップラック182及びゴム栓ラックは、上記バイアル瓶ラック181と同様に、複数積み重ねて収容してもよい。
【0070】
次に、収容ブース30、40、50に収容される作業器具と作業対象に対して、滅菌処理を施す。なお、本実施形態においては、全ての収容ブース内において滅菌処理を施したが、収容ブースの少なくとも一部に滅菌処理が施される滅菌領域を有していればよい。すなわち、収容される作業器具や作業対象の用途、種類によっては、滅菌処理を施さない収容ブースや領域があってもよい。
【0071】
図7は、本発明の実施形態に係るロボットの動作を説明するフローチャートである。上述した作業開始前における作業器具の準備、及び滅菌処理が終了した後、ロボット10により作業スペース21の段取り替え及び作業器具を用いた作業対象に対する作業を行う。ロボット10の制御はコントローラ60により行う。
【0072】
作業前において、作業器具を保持するホルダーは、作業ブース20と収容ブース30、40、50に設けられるホルダー固定具26、36、46、56のうち、収容ブース30、50のホルダー固定具36、56のみに固定されている。すなわち、作業開始前において、作業スペース21にはいずれの作業器具も設けられておらず、作業内容に応じて自由に段取り替えできる状態となっている。
【0073】
ステップS1にて、段取り制御部61により、収容ブース30、40、50内の作業器具、作業対象を作業スペース21へ移動するようロボット10を制御する。具体的には段取り制御部61に制御されるロボット10が以下のような動作を行う。
【0074】
まず、ロボット10により、開閉扉32を開けて、かしめ具台193を収容ブース30から取り出し、作業ブース20へ移動する。そして、かしめ具台193の穴125aを、作業スペース21のピン25aに嵌めることにより、かしめ具台193をホルダー固定具26aに対して取り外し自在に固定する。なお、本実施形態において、開閉扉32の開放は、一方のアームにより外側取っ手32aを掴んで引くことで開閉扉32を半開きにし、その後、他方のアームで内側取っ手32bを掴んで開閉扉32を開く方向に押すことにより行う。以下で説明する開閉扉42、52に関しても同様に、双方のアームを用いて、開放する。
【0075】
次に、ロボット10により、薬液ボトル91を収容ブース30から取り出し、作業ブース20へ移動する。そして、薬液ボトル91の穴125dを、作業スペース21のピン25dに嵌めることにより、薬液ボトル91をホルダー固定具26dに取り外し自在に対して固定する。なお、図示しないが、薬液ボトル91にも被把持部70を設けておき、爪12、14でかかる被把持部70を把持することにより、薬液ボトル91の搬送を行ってよい。
【0076】
次に、ロボット10により、バイアル瓶スタンド281を収容ブース30から取り出し、作業ブース20へ移動する。そして、バイアル瓶スタンド281の穴125eを、作業スペース21のピン25eに嵌めることにより、バイアル瓶スタンド281をホルダー固定具26eに対して取り外し自在に固定する。
【0077】
そして、ロボット10により開閉扉32を閉める。
【0078】
次に、ロボット10により、開閉扉42を開けて、バイアル瓶ラック181を取り出し、作業ブース20へ移動する。そして、バイアル瓶ラック181の穴125を、作業スペース21のピン25に嵌めることにより、バイアル瓶ラック181をホルダー固定具26に対して取り外し自在に固定する。
【0079】
そして、ロボット10により開閉扉42を閉める。
【0080】
次に、ロボット10により開閉扉52を開けて、ピペット台192を取り出し、作業ブース20へ移動する。そして、ピペット台192の穴125cを、作業スペース21のピン25cに嵌めることにより、ピペット台192をホルダー固定具26cに対して取り外し自在に固定する。
【0081】
さらに、ロボット10により、アルミキャップラック182とゴム栓ラックを取り出し、作業ブース20へ移動する。そして、アルミキャップラック182とゴム栓ラックの穴125を、作業スペース21のピン25にそれぞれ嵌めることにより、アルミキャップラック182及びゴム栓ラックをホルダー固定具26に対してそれぞれ取り外し自在に固定する。
【0082】
そして、ロボット10により開閉扉52を閉める。
【0083】
ステップS2にて、作業制御部62により作業器具を用いた作業対象に対する作業を行うようにロボット10の制御を行う。
図8を参照して、本実施形態における作業制御部により制御されるロボットの動作の一例を説明する。
【0084】
ステップS2にて、バイアル瓶81を用意する。このステップは、本実施形態の特徴的な制御を含むため、
図9のフローチャート、及び
図10、
図11を参照して詳細を説明する。
【0085】
図9は、バイアル瓶を用意するステップにおけるロボットの動作の詳細を説明するフローチャートである。
図10は、整列して配置される複数のバイアル瓶のうち一つを把持する際の爪の回転について説明する図である。
図11は、一方の爪で把持したバイアル瓶を反転し、他方の爪に持ち替える動作について説明する図である。
【0086】
ステップS211にて、バイアル瓶ラック181上に整列して配置された複数のバイアル瓶81の鉛直方向の上方へ右アーム13の爪12を移動する(
図11(a)参照)。
【0087】
ステップS212にて、隣接する他のバイアル瓶を避けるように右アーム13の爪12の向きを回転する。
図10中において、二点鎖線が回転する前の爪12の位置を示し、矢印が回転方向を示し、実線が回転後の爪12の位置を示す。このように爪12を回転することにより、爪12が隣接する他のバイアル瓶に干渉することが回避される。
【0088】
ステップS213にて、右アーム13の爪12によりバイアル瓶81の一つを把持する(
図11(b)参照)。
【0089】
ステップS214にて、右アーム13の爪12により把持したバイアル瓶81を、アーム13の向きを変えることにより反転する(
図11(c)参照)。このように、本実施形態においては、専用の治具等を用いることなくバイアル瓶81を反転させることができる。
【0090】
ステップS215にて、反転させたバイアル瓶81を左アーム15の爪14に持ち替える(
図11(c)参照)。
【0091】
ステップS216にて、左アーム15の爪14に持ち替えたバイアル瓶81を移動し、バイアル瓶スタンド281の保持穴281bに嵌めて、保持板281aに保持させる。
【0092】
図8に戻ってさらに作業制御部62によるロボット10の制御の説明を続ける。
【0093】
左アーム15の爪14a、14bにより薬液ボトル91のキャップ91aを挟み込んだ状態で、左アーム15を回転し、キャップ91aを緩める。そして、左アーム15の爪14a、14bにより、緩めたキャップ91aを外し、薬液ボトル91の開口を開放する。
【0094】
ステップS22にて、ロボット10により、ピペット92の本体921の先端部921aに、チップ923を装着し、チップ923の先端を薬液ボトル91の開口に挿入し、プッシュボタン922を本体921に押し込んだ後引くことにより、薬液を吸い上げる。
【0095】
ステップS23にて、ロボット10により、チップ923の先端をステップS21で用意したバイアル瓶81の開口に入れた状態でプッシュボタン922を本体921に対して押し込み、ステップS22で吸い上げた薬液をバイアル瓶81内へ吐出する。その後、使用済のチップ923を、本体921から離脱させ、ピペット台192の保持板192aに保持させる。そして、チップ923が離脱された本体921を、ピペット台192の保持板192aに保持させる。その後、ロボット10により、薬液ボトル91のキャップ91aを閉める。
【0096】
ステップS24にて、ロボット10により、薬液が入ったバイアル瓶81の開口に、ゴム栓を圧入し、さらにその上からアルミキャップ82を装着する。なお、アルミキャップ82を爪12、14で把持する際、
図10を用いて説明したのと同様に、隣接する他のアルミキャップ82を避けるよう爪12、14の向きを回転する制御を行ってもよい。ゴム栓に関しても同様である。
【0097】
ステップS25にて、バイアル瓶81にアルミキャップ82をかしめる。具体的には、まず、アルミキャップ82が装着されたバイアル瓶81を、左アーム15の爪14により把持する。そして、バイアル瓶81に装着されたアルミキャップ82がかしめ具93の締め付け部931に挟まれる位置へバイアル瓶81を移動する。そして、右アーム13によりレバー932を押すことにより、アルミキャップ82をバイアル瓶81に対して締め付けるように締め付け部931を動作させる。
【0098】
アルミキャップ82がかしめられたバイアル瓶81を、ロボット10により、バイアル瓶ラック181へ戻す。
【0099】
さらに、
図7に示すように、S3にて、段取り制御部62により、各作業器具、作業対象を作業スペース21から収容ブース30へ移動するようロボット10を制御する。この際、仮置きスペース28に複数の作業器具を仮置きした後、まとめて収容ブース30へ移動することにより、ロボット10の動作時間を短縮できる。
【0100】
作業終了後において、作業ブース20はいずれの作業器具も配置されない
図4に示す状態となる。
【0101】
以上説明したように、本実施形態においては、作業スペース21に、作業器具を保持するホルダーを取り外し自在なホルダー固定具26を設けた。そのため、ロボット10による迅速な段取り替えが可能となり、作業内容に応じて使用する作業器具を変更する場合であっても、作業スペース21に大がかりな工事を行う必要がない。これにより、作業スペース21の工事に伴う清浄化や滅菌処理を省略できる。また、作業スペース21に搬入される各種の作業器具、作業対象及び作業器具を保持するホルダーに、あらかじめ作業スペース21に隣接する収容ブース30、40、50内で滅菌処理を施しておくことにより、段取り替えの都度、作業スペース内を改めて滅菌する必要が無い。
【0102】
なお、本発明においては、使用する作業対象、作業器具は本実施形態で説明したものに限られるものではなく、作業の内容に応じて種々の作業対象、作業器具を用いることができる。例えば、本実施形態においては、作業対象の一例としてバイアル瓶81について説明をしたが、これに限られるものではなく、作業の結果得られる成果物の原料やその一部となるものであれば他の容器等であってもよい。また、例えば、作業器具として、シリンジ、試験管、ピンセット、電子天秤などを用いて作業を行ってもよい。これらの作業器具の中には、作業スペース21中で動力を供給したり、当該器具の使用の前に特別の手順を必要とするものが含まれてよい。
【0103】
そのような作業器具の例として、電子天秤を作業スペース21中で使用する場合の自動作業セル1におけるロボット10の動作について説明する。
図12は、作業スペース21中に設置された電子天秤94の様子を示す斜視図である。電子天秤94は、必ずしも作業セル1内での使用のために特別なものを用意する必要はなく、一般的に市販されているものであってよい。図示の例では、電子天秤94には、被把持部70が設けられたホルダー194が固定されており、ホルダー194は、金属板に適宜の曲げ加工などを施し、被把持部70を取り付けた構造となっている。
【0104】
電子天秤94もまた、他の作業器具同様に、収容ブース30、40、50に収容され、必要に応じて滅菌処理を受けた後、作業時にロボット10により作業スペース21内に搬入される。ロボット10は、爪12、14でホルダー194に設けられた被把持部70を把持することにより、電子天秤94を取り扱ってよい。また、ホルダー94には、穴125が設けられており、作業スペース21に設けられたホルダー固定具26に相当するピン25と嵌合することにより、電子天秤94の位置決めがなされ、また、取り外し自在に固定される。
【0105】
図示の電子天秤94は、アダプタ95を一般の商用電源に接続することにより、ケーブル100を介して、必要な電力の供給を受ける。そこで、アダプタ95には、やはり被把持部70が設けられたアダプタホルダー195が取り付けられており、ロボット10の爪12、14でアダプタホルダー195の被把持部70を把持することにより、アダプタ95を操作することができるようになっている。ロボット10は、電子天秤94を収容ブース30、40、50より作業スペース21内に搬入した後、アダプタ95を把持し、作業スペース21内に設けられた商用電源のソケット101に、アダプタ95に設けられたプラグ95aを挿入し、電子天秤94に電力を供給する。なお、
図12では、理解を容易にするため、プラグ95aとソケット101は分離した状態で示している。
【0106】
電子天秤94は、一般に、高精度な測定のためには、その使用の前に校正を必要とする。したがって、ロボット10は、電子天秤94の作業スペース21内への搬入及びアダプタ95の商用電源への接続に引き続き、電子天秤94の校正を自動で行う。
【0107】
電子天秤94の校正は、電子天秤94が校正用分銅を内蔵している形式の場合には、ロボット10がそのアーム13、15の先端に設けられた爪12、14を用いて、電子天秤94のボタン94aなどの操作部を操作して行う。これに対し、電子天秤94が校正用分銅を別途必要とする形式である場合には、図示したような校正用分銅102を爪12、14により把持し、電子天秤94の上に載置した後、ボタン94aなどに適宜の操作を行う。校正用分銅102は、ホルダー194に電子天秤94と合わせて保持されていてもよいし、電子天秤94とは別に収容ブース30、40、50に収容されていてもよい。
【0108】
また、作業終了後の電子天秤94の収容ブース30、40、50への収容は、その準備と逆の手順で行えばよい。すなわち、ロボット10により、アダプタ95をソケット101より取り外し、その後、ホルダー194の被把持部70を把持して、電子天秤94を収容ブース30、40、50へと搬送する。
【0109】
なお、電子天秤94による測定結果の読み取りは、電子天秤94が無線データ通信の機能を有している場合、無線により測定結果の通知を受けることによりなされてよい。或いは、他の方法、例えば、ロボット10のアーム13、15に取り付けたデジタルカメラなどの撮像装置により、電子天秤94のディスプレイに表示された測定結果を撮影し、結果を読み取ることによってもよい。撮像装置は、アーム13、15に取り付けるだけでなく、作業機器として収容ブース30、40、50に収容され、用意されていてもよい。
【0110】
図13は、電子天秤94を使用する際のロボット10の動作を説明するフローチャートである。ロボット10の動作は、コントローラ60の段取り制御部61により制御され、実行される。
【0111】
まず、ステップS131において、収容ブース30、40、50に収容された電子天秤94を、作業スペース21の所定の位置へと搬送する。続くステップS132では、電子天秤94を商用電源に接続する。この動作は、ロボット10が、電子天秤94のアダプタ95等に設けられたプラグ95aを、商用電源のソケット101に接続することによりなされてよい。
【0112】
さらに、ステップS133において、電子天秤94の校正を行う。この動作は、電子天秤94が校正用分銅102を別に必要とするものである場合には、ロボット10が、かかる校正用分銅102を電子天秤94上に載置し、ボタン94aを押す等、適宜の操作を行うことによりなされてよい。校正終了後の校正用分銅102は、元の位置へと搬送される。かかる動作により、作業スペース21内での電子天秤94の使用準備が整ったことになる。
【0113】
自動作業セル1では、ロボット10を上述の動作を行うよう制御することにより、作業器具として、電源など動力を要するものをも作業スペース21内で使用可能とできる。また、上述の例における電子天秤94の校正のように、作業器具の使用の前に必要とされる特別の手順を自動で実行することができる。それゆえに、作業器具として、一般的な流通品を利用することができ、自動作業セル1に適した特別品を用意する必要が無いから、作業器具を用意するコストを低減でき、また、その選定や更新が容易である。
【0114】
なお、ロボット10による作業は、収容ブース内に準備した全ての作業器具を用いて行う必要はなく、作業対象又は作業の内容に依存した作業器具を用いて行えばよい。そのため、予め多種の作業器具を収容ブースにストックしておくことで、様々な作業に対応することができる。
【0115】
なお、本発明の適用範囲は、本実施形態で説明した生命工学や医薬品化学の分野に限られるものではなく、ロボットにより作業を行わせるものであれば、他の分野であってもよい。その場合であっても、作業スペースにホルダーを取り外し自在なホルダー固定具を備える構成を採用することにより、迅速な段取り替えが可能になり、作業スペースの大がかりな工事を行う必要がなくなる。特に、本実施形態に係る自動作業セルは、段取り替えに多大な時間や工数を要する多品種少量生産への適用に適している。
【0116】
なお、本実施形態で説明したホルダー固定具26が本発明の第1ホルダー固定具に対応するものであり、ホルダー固定具36、46、56が本発明の第2ホルダー固定具に対応するものである。なお、収容ブース30、40、50内のホルダー固定具36、46、56は必須の構成ではないが、ホルダーの姿勢の維持及び位置決めを確実に行うのに役立つ。なお、本実施形態においては、同じ高さの一対のホルダー固定具26、及び一のホルダーに形成される一対の穴125、を所定の間隔をおいて設ける構成とした。この間隔を各ホルダー固定具、各ホルダーで統一させる等の工夫をすることにより、作業スペース21の段取り替えの自由度がより向上する。