(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-209989(P2016-209989A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】ホーニングマシン
(51)【国際特許分類】
B23Q 1/01 20060101AFI20161118BHJP
B24B 33/10 20060101ALI20161118BHJP
B23P 23/04 20060101ALI20161118BHJP
B23P 23/02 20060101ALI20161118BHJP
【FI】
B23Q1/01 H
B24B33/10
B23P23/04
B23P23/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-75728(P2016-75728)
(22)【出願日】2016年4月5日
(31)【優先権主張番号】10 2015 208 330.6
(32)【優先日】2015年5月6日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510054153
【氏名又は名称】ゲーリンク テクノロジーズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】オリバー ベイ
(72)【発明者】
【氏名】ライナー コエネク
(72)【発明者】
【氏名】テオドル ヒュットナー
(72)【発明者】
【氏名】ミハエル ペッチ
【テーマコード(参考)】
3C048
3C158
【Fターム(参考)】
3C048BB01
3C158AA15
3C158AA18
3C158AB04
3C158AB08
3C158AC01
(57)【要約】
【課題】少ない設置面積しか必要としないホーニングマシンが提案される。
【解決手段】このことは、加工スピンドル11を収容するスタンド1の下方に自由空間5が存在しており、該自由空間で工作物を加工中にクランプ固定することができることによって実現される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの脚部(3)を備えたスタンド(1)を含むホーニングマシンにおいて、前記スタンド(1)は実質的に平行な2つの面を備える領域を有しており、前記スタンド(1)の2つの前記面に少なくとも1つのホーニングスピンドル(11)、その他の加工スピンドル(11)、またはその他の機能ユニットが配置されているホーニングマシン。
【請求項2】
前記スタンド(1)は2つの脚部(3)を有しており、前記スタンド(1)と2つの前記脚部(3)とは1つの平面に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のホーニングマシン。
【請求項3】
前記スタンド(1)は3つの脚部(3.1,3.2,3.3)を有しており、前記スタンド(1)は上から見た図面で3つの端部を備えるT字型の構造を有しており、3つの前記端部の各々に1つの脚部(3.1,3.2,3.3)が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のホーニングマシン。
【請求項4】
前記スタンド(1)の両方の平行な面の各々にスピンドル(11)のための少なくとも1つの収容部(9)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のホーニングマシン。
【請求項5】
前記スタンド(1)の下方でそれぞれの脚部(3)の間に自由空間(5)が存在することを特徴とする、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のホーニングマシン。
【請求項6】
前記ホーニングマシンは下部構造(7)を有しており、前記スタンド(1)の前記脚部(3)は前記下部構造(7)と結合されていることを特徴とする、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載のホーニングマシン。
【請求項7】
前記スタンド(1)の下方の自由空間(5)に工作物(13)の取扱および/またはクランプをするための手段が配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のうちいずれか1項に記載のホーニングマシン。
【請求項8】
工作物(13)の取扱および/またはクランプをするための前記手段は下部構造(7)、スタンド(1)、および/またはターンテーブル(17)に取り付けられていることを特徴とする、請求項7に記載のホーニングマシン。
【請求項9】
前記スタンド(1)の下方の前記自由空間(5)にターンテーブル(17)および/または搬送装置が配置されていることを特徴とする、請求項7または請求項8のいずれか1項に記載のホーニングマシン。
【請求項10】
下部構造(7)またはスタンド(1)に工具マガジンおよび/または工具交換器(21)および/またはゼロリングが配置されていることを特徴とする、請求項5から請求項9のいずれか1項に記載のホーニングマシン。
【請求項11】
少なくとも1つのホーニングスピンドル(11)に追加して、精密中ぐり加工、ブラッシ仕上げ、中ぐり加工、リーマ加工、ローラバニシング加工、粗面加工、フォームホーニング加工、面取り加工、流体ジェット加工、または計測のためのスピンドルが設けられていることを特徴とする、請求項1〜10のうちいずれか1項に記載のホーニングマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ホーニングマシンは数多くのさまざまな課題のために、多種多様なコンフィギュレーションで構成される。垂直方向に配置されたただ1つのスピンドルを備えるホーニングマシンを出発点として、ホーニングマシンは、ホーニング加工を超えて、本来のホーニング加工プロセスに前置または後置されたプロセスステップも実行する連鎖システムへと発展をとげている。前置される加工ステップは、たとえば穴の精密中ぐり加工であり、引き続いてこの穴がホーニング加工される。ホーニング加工に後置されるプロセスステップは、たとえばその前にホーニング加工された穴のブラッシ仕上げやレーザ構造化である。
【背景技術】
【0002】
したがって本発明との関連では、部分的にはホーニングスピンドル、部分的には加工スピンドルという表現が用いられる。加工スピンドルとは、ホーニング加工に前置または後置された加工ステップを実行するスピンドルである。「スピンドル」という上位概念により、本発明との関連では、ホーニングスピンドルと加工スピンドルの両方が意味される。
【0003】
ホーニングスピンドルと加工スピンドルは非常に高い開発水準に達しているにもかかわらず、「ホーニングマシン」という総合的システムには依然として改良の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明の課題は、すべてのスピンドルと、ターンテーブル、工具交換装置などの付属集成装置、および工作物が良好にアクセス可能であるホーニングマシンを提供することにある。それと同時に、所要の設置面積(フットプリント)が小さくなるのが望ましい。さらにはスケーリング可能性、短いむだ時間、ならびに最善のローディング・アンローディング可能性が要求される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は本発明によると、少なくとも2つの脚部を備えたスタンドを含むホーニングマシンによって解決される。スタンドは実質的に平行な2つの面を備える領域を有しており、スタンドの2つの面に少なくとも1つのホーニングスピンドル、加工スピンドル、またはその他の機能ユニットが配置されている。本発明の意味における機能ユニットの1つの例は、加工の前、途中、または後で工作物の1つまたは複数の寸法を検出する測定装置である。
【0006】
本発明による機械コンセプトでは、スタンドは面状かつ実質的に平坦な基本構造を有しており、この平坦な基本構造の両方の側にそれぞれ少なくとも1つのホーニングスピンドルまたはその他の加工スピンドルが配置される。すなわち、これら両方のスピンドルはいわば「背中合わせに」スタンドに取り付けられている。つまりスタンドはホーニングマシンの中心部もしくは対称平面にあり、それによって各々のスピンドルへ良好に到達可能である。それによりメンテナンスが簡素化される。「対称平面」という概念は、厳密に幾何学的に理解されるべきものではない。
図1および2を参照すると明らかなように、本発明によるホーニングマシンないしそのスタンドは実質的に対称の構造を有している。
【0007】
両方の面の各々に、1つを超える加工スピンドルまたはホーニングスピンドルを配置できるので、本発明によるホーニングマシンの拡張性とフレキシビリティは非常に高い。とりわけ、1つまたは複数の加工スピンドルの取り替えや設備変更を、本発明に基づくコンセプトでは良好なアクセス性によって非常に簡単かつ迅速に実行可能である。
【0008】
第1の実施形態では、本発明によるホーニングマシンは2つの脚部を備えるスタンドを有しており、スタンドと2つの脚部とは1つの平面に配置されている。それにより、少ない設置面積しか必要としない非常にスリムなホーニングマシンが得られる。このようなホーニングマシンは、たとえばスタンドの一方の面ないし側に2つのスピンドルを含むことができ、それにより、合計で2×2=4の加工スピンドルないしホーニングスピンドルをスタンドに取り付けることができる。このことは、スピンドルの本数に比して非常に少ない設置面積で行われる。
【0009】
本発明の別の実施形態は、スタンドが3つの脚部を有することを意図しており、スタンドは上から見た図面で3つの端部を備えるT字型の構造を有しており、3つの端部の各々に1つの脚部が設けられている。それにより本発明によるホーニングマシンのスタンドは、T字型の構造をもつ三脚(トライポッド)となる。このスタンドは、きわめて重量の大きい加工業務についても十分に安定的である。それにもかかわらず、ホーニングマシンのキャパシティと耐久性に比して設置面積が非常に小さい。
【0010】
通常、T字形の構造の横桁はホーニングスピンドル張り出し部に対応する長さを有していると好ましく、それにより横桁は、スタンドの両方の面に配置された2つのスピンドルよりも遠くまで、本来のスタンドを越えて突き出すことがない。
【0011】
本発明によるホーニングマシンにさまざまな加工スピンドルまたはホーニングスピンドルをフレキシブルに装備できるようにし、これらのスピンドルを工作物に対して相対的に移動させることができるようにするために、スタンドの両方の平行な面の各々に、1つまたは複数のスピンドルのための少なくとも1つの案内部または収容部が設けられている。別案として、定置のスピンドル位置も可能である。
【0012】
最善のスペース利用を実現するために、スタンドの下方でそれぞれの脚部の間に自由空間が存在することが意図される。この自由空間で複数の工作物をクランプして、スタンドの向かい合う側にある2つの加工スピンドルによって同時に加工することができる。この自由空間を通過させて1つの工作物をマシンの1つまたは複数の加工スピンドルまたはホーニングスピンドルに供給することも可能である。それにより、本発明によるマシンは、非常に小さい設置面しか必要としないにもかかわらず、フレキシビリティがいっそう大きくなる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態では、ホーニングマシンは下部構造を有しており、スタンドの脚部は下部構造と結合されている。それにより、非常に剛性が高く堅固な構造がもたらされる。さらに、本発明によるホーニングマシンのモジュール性がいっそう改善される。
【0014】
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、スタンドの下方の自由空間に工作物の取扱および/またはクランプをするための手段が配置される。クランプ手段がスタンドとともに移動可能であることも可能である。このことは、工作物を加工空間へ運び入れ、引き続いてそこで固定するための手段が、加工空間もしくはそのすぐ近傍に設けられることを意味している。後者は、工作物が正確な位置で固定され、引き続いて本発明のホーニングマシンに配置された加工スピンドルのうち1つまたは複数により加工されるクランプテーブルあるいは割出し台であってよい。
【0015】
工作物の取扱および/またはクランプをするための手段はターンテーブルおよび/または搬送装置であってよく、特に、ステップストローク式駆動装置または従来技術から知られているその他の手段であってよい。
【0016】
生産速度の高い効率的な製造を実現するために、本発明のさらに別の好ましい実施形態では、下部構造またはスタンドに少なくとも1つの工具マガジンおよび/または工具交換器が配置されている。それにより、工具が摩減したときや、他の工具を用いる別の加工ステップが実行されるべきときに、工具を取り替えるのが簡単かつ迅速に可能である。
【0017】
工具マガジンおよび工具交換器としては、従来技術から知られているどのような装置およびシステムでも適用することができる。特にチェーンマガジン、リングマガジン、またはリニアマガジンなどを適用することができる。工具交換器についても、市場にあるどのような工具収容システムでも適用することができる。このように本発明のホーニングマシンは、既存の製造装置へ良好に組み込むことができる。
【0018】
ホーニングスピンドル以外に、精密中ぐり加工、ブラッシ仕上げ、中ぐり加工、リーマ加工などを行うためのスピンドルも、本発明によるホーニングマシンによって利用することができる。
【0019】
本発明の上記以外の利点や好ましい実施形態は、以下の図面、その説明、および特許請求の範囲から読み取ることができる。図面、その説明、および特許請求の範囲に開示されているすべての構成要件は、単独でも相互の任意の組合せとしても、本発明の要部となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明によるホーニングマシンのスタンドの第1の実施例を示す模式図である。
【
図2】本発明によるホーニングマシンのスタンドの第2の実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1には、2つの脚部3を備えるスタンド1が側面図として、および上から見た図として模式的に示されている。スタンド1と脚部3は、通常、一体的な溶接構造として製作される。機械の規模によっては、脚部3をスタンド1とねじ止めすることもできる。
【0022】
スタンド1の脚部3は下部構造7と結合されている。下部構造7の上に、(図示しない)工具交換器、搬送装置、クランプ手段と工具マガジン、または付随プロセスのためのその他の動作手段を配置することができる。
【0023】
スタンド1には、1つまたは複数のスピンドル11(ホーニングスピンドルまたはその他の加工スピンドル)を収容する役目を果たす収容部9が構成されている。収容部9は、2つの加工ステップの間にスピンドル11を収容部に沿って、すなわち
図1では水平方向に、次の使用位置に達するまで移動させることができるように構成されていてよい。別案として、たとえばねじ止めによって、スピンドル11をスタンド1に固定的に配置することも可能である。
【0024】
図1の下側部分には、本発明によるスタンド1を上から見た図が示されている。ここで明らかとなるように、スタンド1と脚部3は実質的に平坦な構造物をなしており、この平坦な構造物1の両方の側に収容部9が配置されている。スタンド1の両方の側に配置されるこれらの収容部9に、1つまたは複数のスピンドル11を配置することができる。上から見た図からは、本発明によるホーニングマシンの対称な構造が非常に明らかとなる。スタンド1が対称平面に配置されているので、スピンドルは両方の方向で外方に向かって突出し、そのようにして非常にアクセス性がよくなっている。さらに、わずかな設置面積しか必要とされることがない。
【0025】
脚部3と収容部9の間には、
図1の側面図で見てスタンド1の下方に、ホーニングマシンの加工スペースを同時に区切る自由空間5がある。自由空間5を通して、工作物(図示せず)が加工されるべき場所に達するまで、加工スペースへ運び入れることができる。そこで工作物は従来式の仕方により、たとえば専用に製作された収容部で、あるいは割出し装置で、クランプ固定される。工作物が適正にクランプされるとただちに、1つまたは複数のスピンドル11が加工を開始することができる。
【0026】
スピンドル11は、多くのホーニングスピンドルにおいて該当するように、垂直方向へ作動するように構成されている。
【0027】
図面を見やすくするため、上から見た図には、スタンド1の下を通過して延びる、少なくとも1つの工作物13を有する工作物搬送部14が破線で示されている。それにより、本発明のホーニングマシンによって2つの工作物を同時に、または順次、スタンド1の両方の側に配置されたスピンドル11を用いて加工するという選択肢がある。
【0028】
本来のホーニングマシンの非常に小さな設置面積にもかかわらず、ホーニング・加工スピンドル11の張り出しが非常にわずかであっても、大型で長い工作物13を加工できることも明らかとなる。それによってホーニングマシンの高い剛性がもたらされ、このことは加工品質とサイクル時間にプラスの影響を及ぼす。
【0029】
図1に示す実施例では、全部で2つのホーニング・加工スピンドル11がスタンド1の収容部9に配置されている。各々のホーニング・加工スピンドル11が収容部9に沿って、すなわち水平方向へ、スタンド1に対して相対的に移動することができる。スピンドル11は、所望の位置に達するとただちに係止されて、ホーニング加工またはその他の加工ステップのために使用準備が整う。このようなスピンドル11の横方向運動は、横方向キャリッジ23を用いて行われる。横方向キャリッジ23は、加工位置および工具交換器21の上でスピンドル11を位置決めする役目を果たす。
【0030】
図2には、本発明によるホーニングマシンの別の実施例が示されている。この実施例では、スタンド1は3つの脚部3を含んでいる。スタンド1は、上から見た図ではT字型の構造を有している。このT字型の構造の各端部に、それぞれ1つの脚部3.1から3.3が設けられている。図面を見やすくする都合上、
図2ではスピンドル11も工作物13も示されていない。しかしながら、このような一種の三脚のような非常に頑丈な構造においても、スタンドの下方で脚部3.1から3.3の間に広い自由空間5が存在することが明らかとなる。
【0031】
スタンド1のT字形の構造は、説明のために、本来のスタンド1と横桁15とに下位区分される。脚部3.2および3.3は横桁15の下方に配置されている。収容部9は本来のスタンド1にある。このようなT字形の構造ではスタンド1がきわめて頑丈になる。それにもかかわらず自由空間5が非常に広く、工作物をさまざまな方向から自由空間5ないしは加工空間に入れることができる。特に、脚部3.2および3.3の間を通して自由空間5の中へと工作物を動かすことが可能である。当然ながら、スタンド1の側から自由空間5の中へ工作物13を入れることもできる。
【0032】
図3は、3つの脚部3を含み、それによって構造的に
図2の実施例に相当するスタンド1を備えたホーニングマシンを示している。
【0033】
図3に示す実施例では、全部で4つのホーニング・加工スピンドル11がスタンド1の収容部9に配置されている。4つのホーニング・加工スピンドル11の各々を、収容部9に沿って、すなわち水平方向に、スタンド1に対して相対的に移動させることができる。スピンドル11は、所望の位置に達するとただちに係止されて、ホーニング加工またはその他の加工ステップのために使用準備が整う。
【0034】
スタンド1の下方でそれぞれの脚部3の間の自由空間5にはターンテーブル17がある。ターンテーブル17は下部構造7と結合されており、工作物を加工のために意図される位置へと迅速かつ確実に移す役目を果たす。ターンテーブル17には、加工されるべき工作物13に合わせて個別に適合化された交換部品を装備することができる。
【0035】
別案として、ターンテーブル17をスタンド1に配置することもできる。ターンテーブル17の運動方向すなわち回転軸は、垂直方向に延在してよい。
【0036】
最後に、工作物13をクランプまたは保持する少なくとも1つの装置19がさらに存在する。この装置19はゼロ点クランプシステムを含んでいてよく、および/または機械式、電気式、空気圧式、もしくは油圧式に駆動されるデバイスを備えていてよい。
【0037】
クランプをする装置19は、ターンテーブル17の上、スピンドル11のためのスタンド1の上、下部構造7の上、あるいはスピンドル11に共に移動するように取り付けることができる。
【0038】
さらに、円形マガジン、リニアマガジン、平型マガジン、チェーンマガジンなどとして施工することができる工具交換器21がある。工具交換器21は、工具を交換するために、並進または回転による相対運動をスピンドル軸に対して行う。
図3では、工具交換器21は一例として円形マガジンの形態で示されている。
【0039】
1つまたは複数の工具交換器21は、スタンド1、下部構造7、脚部3、またはスピンドル11に取り付けることができる。
【0040】
スピンドル11の横方向運動は横方向キャリッジ23を用いて行われるが、これは大部分がスピンドル11とその周辺機器によって隠れているため、
図3には良く見ることができない。横方向キャリッジ23は、加工位置および工具交換器21の上でスピンドル11を位置決めする役目を果たす。
【0041】
すでに述べたとおり、スピンドル11をスタンド1に固定的に結合することも可能である。2つまたはそれ以上のスピンドル11を横方向キャリッジ23に配置して、一緒に加工位置へと動かすことも可能である。このケースでは、互いに結合されているスピンドル11のゲージが、別個の調節ユニットを通じて手動式または自動式に調整される。
【0042】
工作物の供給はターンテーブル17への供給ユニットを通じて行われる。この供給は昇降・回転運動として行うことができる。たとえばステップストローク搬送部、シャトル、ガントリ、ロボット、または手作業などの別案のローディング装置を通じての、ターンテーブル17のさらに別のローディング手段も同じく可能である。このことは、本発明による思想のフレキシビリティを強く裏づける。
【0043】
図1および
図3から非常に明らかになるとおり、本発明によるホーニングマシンのすべてのコンポーネントは非常に良好にアクセス可能であるが、それは、支持構造すなわち脚部3を備えるスタンド1がいわば機械の中央に配置されており、この中央に配置されたスタンド1からすべての取り付け部品が外方に向かって突き出しているからである。このことは、スピンドル11であれ駆動装置であれ工具交換器21であれターンテーブル17その他であれ、すべての取り付け部品の非常に良好なアクセス性を可能にする。それと同時に、本発明による機械の所要スペースが、加工されるべき工作物のサイズに比してきわめて少ないことも明らかとなる。
【符号の説明】
【0044】
1 スタンド
3 脚部
5 自由空間
7 下部構造
9 収容部
11 スピンドル
13 工作物
14 工作物搬送部
15 横桁
17 ターンテーブル
19 クランプする装置
21 工具交換器
23 横方向キャリッジ