特開2016-210258(P2016-210258A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 2016210258-津波防災機能付ライフジャケット 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-210258(P2016-210258A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】津波防災機能付ライフジャケット
(51)【国際特許分類】
   B63C 9/08 20060101AFI20161118BHJP
【FI】
   B63C9/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-94519(P2015-94519)
(22)【出願日】2015年5月5日
(11)【特許番号】特許第5943403号(P5943403)
(45)【特許公報発行日】2016年7月5日
(71)【出願人】
【識別番号】512108717
【氏名又は名称】▲濱▼田 英外
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 英外
(57)【要約】      (修正有)
【課題】津波浸水時の個人への衝撃などへの考慮や工夫がないため、津波浸水時に身を守る装備を提供する。
【解決手段】ライフジャケット1は肩から腰まで充分に覆う長さとし充分な浮力を有し、かつ浮遊物にぶつかった時の衝撃を吸収するため、せん断されにくい材料を採用する。また、両足を衝撃から守るために、ライフジャケット1前側の内側に、両足を入れられる耐衝撃性のある頑丈な保護袋を付設する。この保護袋は、その上部入り口の一部をライフジャケット1内側に縫い付けておき、残りはゆったりとしたギャザー形式で、その中に両足を丸めて収納できるような大きさにする。頭部を守るために、ライフジャケット1上部に耐衝撃性のあるヘッドプロテクター2を装着する。更に、少量の圧縮酸素や圧縮空気の入ったボンベを内蔵もしくは付設させ、必要時にワンボタンで放出させ呼吸を助け、水の飲み込みを抑える機能を持たせる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
津波浸水時などに個人の溺水、傷害を防止するために、肩から腰まで充分に覆う長さとし、両手をライフジャケットの内部に収納し、両足をライフジャケット前面内部に設置した袋に収納できる工夫のされたライフジャケット。
【請求項2】
津波浸水時などに個人の溺水、傷害を防止するために、「首を保護する首プロテクター」、「目を保護する水中メガネ」、「鼻と口を保護する防水マスク」などを装着し、更には「呼吸を助けるための少量の圧縮酸素や圧縮空気の入ったボンベ」を内蔵もしくは付設させた、頭部全体を覆うヘッドプロテクター、及び、それを装着したライフジャケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
津波浸水時に、個人を救命するために、衝撃を受けにくいように溺水しにくいように工夫されたライフジャケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
今までの津波防災装置は、陸上のコンクリート製の防波堤が中心で、個人の溺水に対応するものではなかった。一方、個人の溺水を防止する装備としてライフジャケットが存在したが、船舶の沈没時の海難事故への対応しか主体に考慮しておらず、津波浸水時の個人への衝撃などへの考慮がなく、津波災害時の個人救命具として有効に利用されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許公開2013−184616
【特許文献2】実用新案公開昭62−200096
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
個人の溺水を防止する装備として汎用となっているライフジャケットは、主に船舶の沈没時の海難事故で体を浮かせて溺水を防止することしか考慮されておらず、津波浸水時の個人への衝撃などへの考慮や工夫がないために、津波浸水時に身を守る装備として有効に利用されるには至っていない点が、当発明が解決しようとする課題である。

【課題を解決するための手段】
【0005】
津波に飲み込まれた時の衝撃への対応を高めるために、以下のような工夫を行った。

ライフジャケットはその長さを肩から腰まで充分に覆う長さとし、充分な浮力の他に、浮遊物にぶつかった時の衝撃を吸収し、せん断されにくい材料を採用する。
ライフジャケットの前面内部に、両手を収納して、障害物との衝突からの怪我を防止できるようにする入り口を設置する。 又、両足を衝撃から守るために、ライフジャケット前側の内側に、両足を入れられる耐衝撃性のある頑丈な保護袋を付設する。この保護袋は、その上部入り口の一部をライフジャケット内側に縫い付けておき、残りはゆったりとしたギャザー形式で、その中に両足を丸めて収納できるような大きさにする。通常時は保護袋が広がって邪魔にならないようにライフジャケット内側にワンタッチ(マジックベルトなど)で留めておき、必要時に当人がその中に両足を収納して使用する。

頭部を守るために、ライフジャケット上部に耐衝撃性のあるヘッドプロテクターを装着する。これは、津波に飲み込まれた時の衝撃から守る頭巾のようなものであり、特に首の部分は首プロテクター(衝撃吸収力が高い一体形状で帯状のもので、操作し易いように前側で開閉する)で補強して守る構造とする。
目の保護のために、水中メガネを使用する。視界が充分確保できるように大き目で、充分な強度を持ち、できれば一般のメガネの上からも装着できる形式とし、ゴムバンドで強力に装着できるようにする。
最も大きな課題である、口と鼻の部分の保護にかんしては、防毒マスクに似た形式で防水ができるマスクで、口と鼻の両方をカバーできる形状のものを採用し、呼吸の確保を図る。特に水中で揉まれて、外れやすくなることが課題となるので、ゴムバンドで強力に装着できるようにする。更には、少量の圧縮酸素や圧縮空気の入ったボンベを内蔵もしくは付設させ、必要時にワンボタンで放出させ呼吸を助け、水の飲み込みを抑える機能を持たせる。
【発明の効果】
【0006】
津波浸水時の個人の溺水、傷害を減少させる。



【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、津波防災機能付ライフジャケットの正面図と側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
津波浸水被害が想定される地域の個人宅や集合場所に設置し、津波浸水が起きた時に着用し、個人の溺水傷害被害を減少させる。
【符号の説明】
【0009】
1.ライフジャケット部:肩から腰までをカバーし、耐衝撃性の高い津波防災対応のライフジャケット。
1a.(手保護用)手挿入口
1b.(両足保護用)足袋装備箇所

2.ヘッドプロテクター部:頭全体をカバーし、耐衝撃性の高いヘッドプロテクター。
2a.首プロテクター
2b.(目保護用)水中メガネ
2c.(鼻、口保護用)防水マスク
図1
【手続補正書】
【提出日】2015年10月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肩から腰まで充分に覆う長さを有し、両手をライフジャケットの内部に収納できる入り口と、両足を収納できる保護袋を備え、前記保護袋はライフジャケット前面内部に設置されることを特徴とする津波浸水時に個人の溺水、傷害を防止するライフジャケット。
【請求項2】
首を保護する耐衝撃性の首プロテクターと、目を保護する水中メガネと、鼻と口を保護する防水マスクとを装着し、少量の圧縮酸素や圧縮空気の入ったボンベを内蔵もしくは付設した頭部全体を覆うヘッドプロテクターであって、そのボンベから必要時にワンボタンで空気や酸素を送って、津波浸水時に個人の溺水、傷害を防止するヘッドプロテクター。
【請求項3】
請求項2に記載されたヘッドプロテクターが装着された請求項1に記載されたライフジャケット。

【手続補正書】
【提出日】2016年3月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肩から腰まで充分に覆う長さを有し、両手をライフジャケットの内部に収納できる入り口と、両足を収納できる保護袋を備え、前記保護袋はライフジャケット前面内部に設置されることを特徴とする津波浸水時に個人の溺水、傷害を防止するライフジャケット。
【請求項2】
首を保護する耐衝撃性の首プロテクターと、目を保護する水中メガネと、鼻と口を保護する防水マスクとを装着し、少量の圧縮酸素や圧縮空気の入ったボンベを内蔵もしくは付設して、そのボンベから必要時にワンボタンで空気や酸素を送って、津波浸水時に個人の溺水、傷害を防止する頭部全体を覆うヘッドプロテクターが装着された請求項1に記載されたライフジャケット。