【課題】保持機能の非使用状態では、保持機能に起因する意匠性上の制約なくし、かつ、保持機能の使用状態では、保持対象物のサイズや形状によらず保持対象物を適正に保持する。
【解決手段】保持装置は、変形可能な変形部材10と、飲料容器50(保持対象物)の形状を検知する対象物検知手段(検知手段)と、対象物検知手段が検知した情報に基づいて、変形部材を変形させるための信号を送る制御手段と、を備えている。変形部材は、制御手段の信号を受けて、対象物検知手段が検知した飲料容器の形状に対応した保持部60を有する形状に変形する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。以下では、本発明の保持装置が、自動車内におけるアームレストに適用された例を説明する。なお、図面においてX、Y、Zの各軸が指す方向はそれぞれ、車両の前方、右方、上方に一致している。
図1に示すアームレスト1は、例えば左右のシートの間に位置している。アームレスト1の上面は、変形部材10で被われている。アームレスト1の例えば後端部には、対象物検知手段92(検知手段)が設置されている。アームレスト1の例えば内部には、制御手段90が設置されている。なお、アームレスト1の内部は、後述のような変形部材10の変形を許容可能に構成されている。変形前の変形部材10の意匠面(上面)は、
図1に示すように、凹凸も見切り線もない連続したフラットな面となっている。
【0012】
変形部材10は、
図2,3に示すように、本体TとカバーCとを備えている。カバーCは本体Tの上面を被っている。カバーCは例えば表皮であり、伸縮可能である。カバーCは、本体Tの形状をそのまま反映する。カバーCは、本体Tの後述のような変形に伴って本体Tと一体に変形する。なお、
図2では、カバーCの一部を破断して示している。
【0013】
本体Tは、いわゆるCNT(カーボンナノチューブ)アクチュエータの素子と同様に構成されており、電解質層20と2つの電極層30とを備えている(
図2,3参照)。電解質層20は上下両面から電極層30に挟まれている。電解質層20は、イオン液体とベース樹脂とを含んで構成されており、ゲル状である。両電極層30は、所定間隔で縦横に配列された複数のCNT電極40を備えている(
図2参照)。各CNT電極40は、導電性の高分子であるCNTとイオン液体とベース樹脂とを含んで構成されている。電解質層20および両電極層30はともに薄膜状であり、かつ、伸縮可能である。
【0014】
電解質層20および両電極層30は、常態において硬質であるが、両電極層30に電圧が加えられて互いの電極層30間で電位差が生じると、伸縮によって変形する。この変形について詳述する。上下に相対向する特定のCNT電極40に電圧をかけると、それら特定の両CNT電極40が当該両電極40の間に位置する電解質層20部分とともに変形する。この変形によって、任意の保持対象物を保持するための保持部を変形部材10に形成でき、また、その保持部を変形部材10の範囲内で移動させることができ、また、その保持部を変形部材10から消失させることができる。保持部については、その実際の形成方法と合わせて後で詳しく説明する。
【0015】
対象物検知手段92(
図1参照)は、例えば小型カメラやセンサーである。対象物検知手段92は、変形部材10に保持対象物が近づけられた際、当該保持対象物の形状、位置および姿勢を検知可能である。また、対象物検知手段92は、上述した保持部に保持された状態にある保持対象物の位置および姿勢を、常時検知可能である。また、対象物検知手段92は、保持対象物が保持部から取去られた際、その取去られた情報を検知可能である。なお、対象物検知手段は、以上の機能を果たすことができれば、車内の何処に配置されていてもよく、例えばアームレスト1から離れた位置に配置されていてもよい。保持対象物にICタグがついている場合、対象物検知手段92は、例えばICタグリーダーでもよい。この場合、対象物検知手段92は、ICタグに基づく製品情報との対応から保持対象物の形状を認識できるとともに、保持対象物に付けられているICタグが検知可能範囲内から検知可能範囲外に動かされることで、保持対象物が保持部から取去られたと認識する。
【0016】
制御手段90(
図1参照)は、例えば制御基盤である。制御手段90は、
図4に示す各ステップS1,S1A,S1B,S2,S3を通じて、変形部材10を変形させる。制御手段90は、
図4に示すステップS1にて、対象物検知手段92(
図1参照)が検知した情報を受信する。そして、制御手段90は、
図4に示すステップS2にて、対象物検知手段92からの情報に基づいて、変形部材10(
図1参照)を変形させるための信号を電源装置(図示省略)に送信する。そして、この制御手段90からの信号に基づいて、
図4に示すステップS3にて、電源装置から適宜のCNT電極40(
図2,3参照)に電圧が与えられる。こうして変形部材10は電源装置を介して制御手段90から信号を受け、この信号に基づいて変形する。なお、制御手段90は、変形部材10を変形させるための機能を果たせば、車内の何処に配置されていてもよく、例えばアームレスト1から離れた位置に配置されていてもよい。
【0017】
なお、自動車は、例えば、走行路面の勾配に伴う水平面(勾配0度の面)からの自動車自身の傾斜角度を検知する傾斜検知手段94(
図1参照)を備えている。また、自動車は、例えば、乗員の位置および姿勢を検知できる乗員検知手段96(
図1参照)を備えている。制御手段90は、
図4に示すステップS1A,S1Bにて、これらの各検知手段94,96からの情報を個々に受信可能である。制御手段90は、既に説明した
図4に示すステップS2,S3にて、傾斜検知手段94および乗員検知手段96から受信した情報に基づいて、変形部材10を変形させるための信号を適宜のCNT電極40に送信可能である。傾斜検知手段94および乗員検知手段96は、例えば車内の適宜の箇所に配置されている。なお、以上に説明した各検知手段92,94,96の機能を、一つの検知手段で兼ねる構成としてもよい。
図7,8を除いた各図面に示す状態において、自動車は水平面(勾配0度の面)を走行しているものとする。
【0018】
つづいて、保持装置によって、保持対象物である飲料容器50を保持する例を説明する(
図5,6参照)。飲料容器50は、逆円錐台形状の例えば紙カップである。
図1に示すフラットな状態の変形部材10に対して、乗員が当該変形部材10の任意の場所に飲料容器50を近づける(
図5参照)。すると、対象物検知手段92が飲料容器50の形状、位置および姿勢を検知する。この対象物検知手段92の情報は、制御手段90に送られる(
図4のステップS1)。そして、制御手段は92、対象物検知手段92からの情報に基づいて、電源装置を介して適宜のCNT電極40に信号を送る(
図4のステップS2,S3)。この結果、変形部材10における飲料容器50が近づけられた位置に対応するCNT電極40に電圧がかけられて、変形部材10に保持部60が形成される(
図5,6参照)。保持部60は、飲料容器50が変形部材10に近づけられた位置の例えば真下に形成される。なお、
図5に示すように、飲料容器50は、その底面を下方に向けた直立姿勢で変形部材10に近づけられている。保持部60は、この近づけられた際の姿勢のまま飲料容器50を安定して保持できる最適な形状およびサイズに形成される。
【0019】
保持部60は、
図5,6に示すように、飲料容器50の直立姿勢に合わせて下方へ凹んだ逆円錐台形状に形成される。具体的には、保持部60は、飲料容器50の底面と略同寸法に構成された円形の載置部62と、飲料容器50の側面周りと略同寸法の径にて構成されたテーパー状のホールド部64と、を備えている。保持部60は、飲料容器50を安定して保持可能な所定深さに形成されている。保持部60は、飲料容器50の直立姿勢に対応して載置部62が水平に設けられ、かつ、ホールド部64の軸線Jが垂直に延びている(
図6参照)。載置部62で飲料容器50の底面が支持され、ホールド部64で飲料容器50の側面がホールドされる。
【0020】
例えば、自動車の走行中、走行路面の勾配に伴って自動車が水平面(勾配0度の面)に対して傾斜することがある。
図7の二点鎖線は、自動車が勾配0度の走行路面を走行しているときのアームレスト1の位置を示している。このときのアームレスト1は水平に配置されている。
図7の実線は、走行路面の勾配に伴って自動車が水平面から傾いているときのアームレストの位置を示している。このときのアームレスト1は水平面に対して傾いている。なお、
図7,8の座標系では、二点鎖線Hにて水平面を示している。
【0021】
アームレスト1が水平面から傾いた場合であっても、飲料容器50は以下の仕組みによって水平面に対する直立姿勢が維持される。つまり、走行路面の勾配に伴って自動車が水平面に対して傾くと、傾斜検知手段94が、水平面からの自動車自身の傾斜角度を検知する。この傾斜角度の情報は制御手段90に送られる(
図4のステップS1A)。制御手段90は、傾斜検知手段94からの情報に基づいて、電源装置を介して適宜のCNT電極40に信号を送る(
図4のステップS2,S3)。この信号は、飲料容器50を直立姿勢に維持するように、変形部材10を変形させる。つまり、
図8に示すように、アームレスト1が傾いても、保持部60の載置部62は水平に配置され、ホールド部64の軸線Jは垂直に延びている。そのため、飲料容器50は直立姿勢が維持されて、中身の飲料52がこぼれることがない。
【0022】
保持部60に保持されていた飲料容器50を保持部60から取去ると、対象物検知手段92がその取去った情報を検知する。この情報は、制御手段90に送られる(
図4のステップS1)。制御手段90は、対象物検知手段92の情報に基づいて、電源装置を介してCNT電極40に信号を送る(
図4のステップS2,S3)。この信号は、変形部材10から保持部60を消失させる。この結果、変形部材10から保持部60に対応する凹凸が消え、変形部材10はフラットな意匠面に戻る(
図1参照)。
【0023】
つづいて、保持装置によって、保持対象物であるスマートフォン70を保持する例を説明する(
図9〜12参照)。
図1に示すフラットな状態の変形部材10に対して、乗員が当該変形部材10の任意の場所にスマートフォン70を近づける(
図9参照)。すると、対象物検知手段92がスマートフォン70の形状、位置および姿勢を検知する。この後、飲料容器50の例の場合と同様にして、適宜のCNT電極40に信号が送られる(
図4のステップS1,S2,S3)。そして、変形部材10に保持部80が形成される(
図9〜11参照)。保持部80は、スマートフォン70が変形部材10に近づけられた位置の例えば真下に形成される。なお、スマートフォン70は、その背面側を変形部材10に向けて傾斜させた傾斜起立姿勢にて変形部材10に近づけられている(
図9参照)。保持部80は、この近づけられた際の姿勢のままスマートフォン70を安定して保持できる最適な形状およびサイズに形成される。
【0024】
保持部80は、
図10,11に示すように、スマートフォン70の傾斜起立姿勢に対応する所定角度で傾斜した背面支持部82と、背面支持部82の下端部と直交して当該下端部から斜め上方へ延びる底辺支持部84と、を備えて上下方向にクランク状に形成されている。保持部80の横幅は、スマートフォン70の横幅と略同寸法である。背面支持部82でスマートフォン70の背面が支持され、底辺支持部84でスマートフォン70の底辺部が支持される。
【0025】
例えば、乗員がシートを前後方向にズラす等によって、乗員の着座位置が保持部80に対して移動する場合がある。この場合、つぎのようにして、保持部80の位置が乗員の着座位置に追従する。ここでは、乗員の着座位置が後方へ移動したものとする。乗員の着座位置が移動すると、乗員検知手段96が乗員の後方への移動量を検知する。この移動量の情報は、
図4のステップS1B,S2,S3を通じて、適宜のCNT電極40に信号として送られる。この信号は、乗員が後方へ移動した分だけ保持部80が後方へ移動するように、変形部材10を変形させる(
図12参照)。
図12では、乗員の移動前における保持部80の位置を二点鎖線で、乗員の移動後における保持部80の位置を実線で示している。保持部80は、
図12に示すように、乗員の移動前に形成されたクランク形状を維持したまま後方へ移動する。そのため、スマートフォン70は、傾斜起立状態のまま乗員との相対距離が一定に保たれる。
【0026】
なお、ここでは、乗員の着座位置が後方へ移動する例を説明したが、乗員の着座位置が前方や左右方向等、他の方向に移動した場合にも、保持部80は乗員の着座位置に追従する。
【0027】
保持部80に保持されていたスマートフォン70を保持部80から取去ると、飲料容器50の例の場合と同様にして、変形部材10から保持部80が消失する。そして、変形部材10はフラットな意匠面に戻る。
【0028】
本実施形態の保持装置は以上のように構成される。保持装置においては、変形部材10が保持部を有する形状に変形することから、保持対象物を保持するための凹凸を変形部材10に予め設けておくといった意匠性上の制約はもちろんなく、また、保持部は変形部材10そのものの変形で形成されることから、例えば特許文献1で開示されたポップアップ式のカップホルダのように部材間の見切り線が不可避となるといった意匠性上の制約もない。したがって、保持装置では、保持機能の非使用状態(保持部が形成される前の状態)における変形部材10の意匠面を、保持機能に起因する意匠性上の制約なく自由に設計できる。この結果、アームレスト1の上面に、凹凸も見切り線もないフラットな意匠面を形成でき、アームレスト1の意匠性が向上する。
【0029】
保持装置においては、保持部が保持対象物に対応した形状に形成されることから、保持対象物が保持部の形状や大きさに合致しないことによる、保持対象物のがたつき、また、保持対象物が保持部に収まりきらないといった事体、を回避して保持対象物を安定して保持できる。したがって、保持装置では、保持機能の使用状態(保持部が形成された状態)において、保持対象物の大きさや形状によらず保持対象物を適正に保持できる。
【0030】
保持装置においては、保持部が、変形部材10における保持対象物が近づけられた任意の位置に形成される。したがって、保持装置では、保持機能の使用位置の自由度が高まる。また、保持部は、保持対象物が変形部材10に近づけられた位置において、その近づけられた際の姿勢のまま当該保持対象物を保持できる形状に形成される。そのため、乗員は、保持対象物を変形部材10に近づけて、そのまま当該保持対象物を保持部に保持させることができる。したがって、乗員は、負担なくスムーズに保持機能を利用できる。
【0031】
以上は本発明を実施するための一実施の形態を図面に関連して説明したが、本発明は他の形態でも実施可能である。保持部は、変形部材10において保持対象物が近づけられた位置の真下に形成されなくてもよく、例えば保持対象物が近づけられた位置から所定距離離れた位置に形成されるようにしてもよい。このように、保持部の形成位置は、設定次第で自由に変更可能であり、上述の実施形態の設定に限定されるものではない。また、保持部は、変形部材10に近づけられた際の保持対象物の姿勢に対応した形状に形成されなくてもよく、保持対象物を安定して保持できる形状に構成されればよい。このように、保持部の形状は設定次第で自由に変更可能であり、上述の実施形態の設定に限定されるものではない。一旦形成された保持部の形状の変化や、保持部の位置の移動に関する設定は、自在に変更可能であり、上述の実施形態の設定に限定されるものではない。保持対象物は、飲料容器やスマートフォンに限定されるものではなく、変形部材にて保持できるものであれば、形状やサイズを問わず如何なる物でもよい。カバーCは、表皮に限定されるものではなく、本体とともに伸縮可能なものであればどのようなものであってもよい。
【0032】
変形部材は、上述の実施形態の構成に限定されるものではなく、上述の実施形態と同様に機能すれば、どのような構成であってもよい。変形部材の変更例を以下に示す。変形部材は、
図13〜15で示す構成を採用してもよい。なお、
図13〜15では、カバーを省略している。変形部材10aの本体Taは、複数の変形配列体110で構成されている。
【0033】
各変形配列体110は、上下方向へ延びた例えば直方体状に形成されている。各変形配列体110は、水平方向に縦横に隙間無く配列されている。各変形配列体110は、
図13,14に示すように、例えば直方体状の複数の変形素子120を重ね合わせて構成されている。
図13,14に示す例では、変形素子120が例えば6個重ねられている。なお、各変形配列体110を構成する変形素子120の形状や個数は、
図13,14に示す例に限定されるものではなく、自由に変更可能である。
【0034】
変形素子120は、高誘電性のゴムである誘電エラストマ122と、2つの電極体124とを備えている(
図14参照)。誘電エラストマ122は上下両面から電極体124で挟まれている。誘電エラストマ122および両電極体124はともに薄膜状であり、かつ、伸縮可能である。
【0035】
各変形素子120に関して、誘電エラストマ122および両電極体124は、常態において硬質であるが、両電極体124に電圧が加えられると互いの電極体124間に働く静電気力によって伸縮変形する(
図15参照)。そこで、特定の変形素子120の両電極体124に電圧をかけることで、その特定の変形素子120を変形させることができる。例えば、
図15においては、ハッチングにて示された各変形素子120の両電極体124に電圧をかけた例を示している。変形素子120の変形に伴って、変形配列体110は、
図15の一点鎖線で示す変形前の形状から、実線で示す形状へと変形する。この結果、変形部材10aが変形する。
【0036】
変形素子120が電圧によって変形する性質を利用することで、任意の保持対象物を保持するための保持部を変形部材10aに形成でき、また、その保持部を変形部材10aの範囲内で移動させることができ、また、その保持部を変形部材10aから消失させることができる。なお電圧は、既に説明した
図4の各ステップS1,S1A,S1B,S2,S3を通じて各変形素子120の電極体124に与えられる。
【0037】
変形部材は、
図16に示す構成を採用してもよい。なお、
図16は、
図3に対応する断面図である。変形部材10bの本体Tbは、CNTを撚って形成した捩り線状体200(
図18参照)を例えば織り合わせて布状に構成されている。なお、捩り線状体200には、例えばロウソクなどに使われるパラフィンワックスが染み込ませてある。捩り線状体200は、常態では硬質である。しかし、捩り線状体200は、電気等で熱せられると、パラフィンワックスが溶けて膨張することで、
図19に示すように捩れが解けて伸びる。一方、捩り線状体200は、冷やされると、パラフィンワックスが固まって収縮することで、
図18に示すように再び捩れて縮む。このように、捩り線状体200は、温度変化によって伸縮変形する。
【0038】
そこで、本体Tbの適宜の箇所を加熱もしくは冷却することで、変形部材10bを、例えば
図16に示すフラットな状態から
図17に示す折れ曲がりを有する状態に変形させることができる。この変形によって、任意の保持対象物を保持するための保持部を変形部材10bに形成でき、また、その保持部を変形部材10bの範囲内で移動させることができ、また、その保持部を変形部材10bから消失させることができる。なお、
図16,17においては、各区切り線Lの間隔によって、本体Tbの伸び縮みを模式的に示している。
【0039】
変形部材10bを採用した場合、本体Tbの適宜の箇所を加熱もしくは冷却できる加熱冷却装置を車両に設ける必要がある。制御手段90(
図1参照)は、各検知手段92,94,96からの情報に基づいて、変形部材10bを変形させるための信号を加熱冷却装置(図示省略)に送る。そして、この制御手段90からの信号に基づいて、加熱冷却装置が本体Tbの適宜の箇所を加熱もしくは冷却する。この加熱もしくは冷却によって変形部材10bは変形する。こうして変形部材10bは加熱冷却装置を介して制御手段90から信号を受けて変形する。
【0040】
以上説明した保持装置の取付け場所は、自動車内のシート間のアームレストに限定されるものではなく、ドアトリムのアームレストや、センターコンソール、オーバーヘッドコンソール、インストルメントパネル、センタクラスタ等、他の自動車内装部でもよく、自動車外装部でもよい。例えばインストルメントパネルにおける上方側部分等、シートに着座した乗員の視野の範囲内に変形部材を装着し、この変形部材にて、画面を有する保持対象物(スマートフォン、タブレット等)を保持した場合、乗員検知手段にて乗員の視線方向を検知し、その検知情報に基づいて、乗員が見やすい向き(姿勢)に保持対象物の角度を変えることもできる。保持装置は、自動車以外の車両に取付けても良い。