特開2016-210495(P2016-210495A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2016210495-液体収納容器 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-210495(P2016-210495A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】液体収納容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20161118BHJP
【FI】
   B65D1/02 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-103201(P2015-103201)
(22)【出願日】2015年4月30日
(71)【出願人】
【識別番号】596008057
【氏名又は名称】林 忠一
(72)【発明者】
【氏名】林 忠一
【テーマコード(参考)】
3E033
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033BA18
3E033DA03
3E033GA02
(57)【要約】
【課題】液体収納容器からの液体の自動供給量が多くなり、そのために取扱いが便利な液体収納容器を提供する。
【解決手段】周壁部11a〜11dと、周壁部11a〜11dの下端部に設けられた底壁部12と、周壁部11a〜11dの上端部に設けられた上壁部13と、上壁部13の上部に設けられた取液筒部14を有し、当該液体収納容器を横に倒して置いた状態で水平状の下側の周壁部11aの近くに前記取液筒部を設けたことを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲を取り囲むように設けられた周壁部と、その周壁部の下端部に設けられた底壁部と、前記周壁部の上端部に設けられた上壁部と、その上壁部の上部に設けられた取液筒部を有する液体収納容器において、
当該液体収納容器を横に倒して置いた状態で水平状の下側の周壁部の近くに前記取液筒部を設けたことを特徴とする液体収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば水などの液体を収納するポリエチレンテレフタレート製ボトル(以下、ペットボトルと略記する)などの液体収納容器に係り、特にそれの容器形状に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空の例えば2リットル用ペットボトルなどは、軽量で持ち運びが容易であること、しかも簡単に手に入れることができることなどから、例えば鉢植えなどへの水やり用の簡易タンク、あるいは例えば犬や猫などのペット用の給水タンクとしても利用することが考えられる。
【0003】
図5は従来の角型ペットボトルの倒立した状態での上面図、図6はその角型ペットボトルを前記簡易タンクとして利用している状態を示す一部を断面にした側面図である。
【0004】
これらの図に示されているように、従来の角型のペットボトル50は、断面形状がほぼ長方形の周壁部51(周壁部51a〜51d)と、その周壁部51の下端部に設けられた底壁部52(図6参照)と、その周壁部51の上端部に設けられた上壁部53と、上壁部53の上部に設けられた取液筒部54から一体に形成されている。
図5中の符号55は、取液筒部54に螺着される合成樹脂製のキャップである。
【0005】
空になったペットボトル50のキャップ55を外して、ペットボトル50内に水56を入れて、図6に示すように取液筒部54の口部に蛇口アダプター57を差し込み、蛇口アダプター57の開閉弁58が閉まっていることを確認する。
【0006】
図6に示すように、ペットボトル50を倒した状態で台59などの上に載せ、蛇口アダプター57の蛇口60を台59よりも手前側に出す。ペットボトル50を倒して台59上に載せることにより、いずれかの周壁部51(図に示す例では周壁部51a)が台59の上面と接触し、この状態では周壁部51aが実質的にペットボトル50の底部となる。
【0007】
この状態で水やり用のじょろの給水口(図示せず)を蛇口アダプター57の蛇口60の下に持って行き、蛇口アダプター57の開閉弁58を開くことにより、ペットボトル50内に貯留している水56を、蛇口アダプター57を通してじょろに自動的に注ぐことができる。
【0008】
じょろ内で水56がほぼ満杯になると開閉弁58を閉めてペットボトル50からの給水を止め、じょろを鉢の所に持って行き水やりを行う。じょろへの給水を繰り返すと、ペットボトル50内での水位が徐々に下がっていく。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、従来のペットボトル50は図5ならびに図6に示すように、何れの周壁部51も取液筒部54より離れているため、ペットボトル50からの取液を繰り返して、ペットボトル50内の水位が取液筒部54よりも下がると(図6参照)、じょろへの給水が自動ではできなくなる。
【0010】
そうなると、じょろの給水口が蛇口アダプター57の蛇口60から外れないようにじょろを片手で持った状態で、他方の片手でペットボトル50の底壁部52を持ち上げてペットボトル50を斜めにして、ペットボトル50内に残っている水56をじょろ内に注ぐ必要があり、そのために給水作業が煩雑になる。
【0011】
従来のペットボトル50は、何れの周壁部51も取液筒部54より外側に離れて設けられ、図6に示すようにペットボトル50を倒した状態で、ペットボトル50の実質的な底部となる1つの周壁部51(図に示す例では周壁部51a)と、取液筒部54の間に大きな段差61が形成されることになる。
【0012】
このように大きな段差61が形成されるということは、蛇口アダプター57の開閉弁58を開いて自動給水できる水56の量が限られているということであり、水56でペットボトル50を満たしても、その約半分の水56は自動給水できるが、図6に示すようにペットボトル50内に残った水56は自動給水ができず、ペットボトル50を斜めに持ち上げたり、あるいは、その時点でペットボトル50内にまた水56を補給しなくてはならないという問題がある。
【0013】
本発明の目的は、このような従来技術の問題を解消し、ペットボトルなどの液体収納容器からの液体の自動供給量が多くなり、そのために取扱いが便利な液体収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、本発明は、周囲を取り囲むように設けられた周壁部と、その周壁部の下端部に設けられた底壁部と、前記周壁部の上端部に設けられた上壁部と、その上壁部の上部に設けられた取液筒部を有する液体収納容器において、
当該液体収納容器を横に倒して置いた状態で水平状の下側の周壁部の近くに前記取液筒部を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は前述のような構成になっており、液体収納容器からの液体の自動供給量が多くなり、そのために取扱いが便利な液体収納容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例に係る角型ペットボトルを横に倒した状態での側面図である。
図2】その角型ペットボトルを倒立した状態での上面図である。
図3】その角型ペットボトルを簡易タンクとして利用している状態を示す一部を断面にした側面図である。
図4】本発明の他の実施例に係る角型ペットボトルを倒立した状態での上面図である。
図5】従来の角型ペットボトルの倒立した状態での上面図である。
図6】その角型ペットボトルを簡易タンクとして利用している状態を示す一部を断面にした側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明の実施例に係る角型ペットボトルを横に倒した状態での側面図、図2はその角型ペットボトルを倒立した状態での上面図、図3はその角型ペットボトルを簡易タンクとして利用している状態を示す一部を断面にした側面図である。
【0018】
これらの図に示されているように、角型のペットボトル10は、周囲を取り囲むように設けられた断面形状がほぼ長方形の周壁部11(周壁部11a〜11d)と、その周壁部11の下端部に設けられた底壁部12(図3参照)と、その周壁部11の上端部に設けられた上壁部13と、上壁部13の上部に設けられた取液筒部14(図3参照)から一体に形成されている。
図1ならびに図2中の符号15は、取液筒部14に螺着されるキャップである。
【0019】
従来の角型のペットボトル50は図5に示すように、取液筒部54が各周壁部51a〜51dの中間位置に設けられている。これに対して本実施例に係る角型のペットボトル10は、図3に示されているように、取液筒部14が台59の上面と接触する水平状の下側の周壁部11aに近い位置に設けられている。
【0020】
従って、取液筒部14(キャップ15)を間にして対向している左右側の周壁部11bと周壁部11dは、従来と同じで取液筒部14(キャップ15)からの間隔が等間隔である。
これに対して取液筒部14が下側の周壁部11aに近い位置に設けられているから、周壁部11aと取液筒部54の下端部14aとの間に形成される段差16(図3参照)がごく僅かである。
取液筒部14の位置が下方に移動した分だけ、上側の周壁部11cと取液筒部14(キャップ15)の間隔は従来よりも長くなっている。
【0021】
空になったペットボトル10のキャップ15を外して、ペットボトル10内に水56を入れて、図3に示すように取液筒部14の口部に蛇口アダプター57を差し込み、蛇口アダプター57の回転式開閉弁58が閉まっていることを確認する。
【0022】
図3に示すように、ペットボトル10を倒した状態で台59などの上に載せ、蛇口アダプター57の蛇口60を台59よりも手前側に出す。ペットボトル10を倒して台59上に載せることにより、下側の周壁部11aが台59の上面と接触することになる。
【0023】
水やり用のじょろの給水口(図示せず)を蛇口アダプター57の蛇口60の下に持って行き、蛇口アダプター57の開閉弁58を開くことにより、ペットボトル10内に貯留している水56を、蛇口アダプター57を通してじょろに自動的に注ぐことができる。
【0024】
じょろ内で水56がほぼ満杯になると開閉弁58を閉めてペットボトル10からの給水を止め、じょろを鉢の所に持って行き水やりを行う。じょろへの給水を繰り返すと、ペットボトル10内での水位が徐々に下がっていく。
【0025】
ペットボトル10からの取液を繰り返して、ペットボトル10内の水位が取液筒部14よりも下がると(図3参照)、じょろへの自動給水ができなくなる。しかし、図6に示す従来のペットボトル50では、取液筒部54から下側の周壁部51aまでの距離が長くて、段差61が大きいため、自動給水ができなくなるタイミングが早く、図6に示すようにペットボトル50内の水56の残留量が多い。
【0026】
これに対して本実施例に係るペットボトル10は、下側の周壁部11aは取液筒部14の下端部14aと近接しており、従って下側の周壁部11aと取液筒部54の下端部14aとの間に形成される段差16がごく僅かである。よって、ペットボトル10内のほとんどの水56は、ペットボトル10を水平に置いた状態(横に倒した状態)で取り出すことができ、ペットボトル10内の水56の残留量はごく僅かである。
【0027】
そのため、従来のようにペットボトル50の底壁部52を持ち上げて、ペットボトル50を斜めにして、ペットボトル50内に残っている水56をじょろ内に注ぐ必要が殆ど無く、そのために給水作業が簡便になる。
【0028】
本実施例の場合、周壁部11aの方を下にして台59などの上に載せる必要が有り、反対に上側の周壁部11cの方を下にして台59などの上に載せると、本発明本来の作用効果が発揮できない。
そのため、周壁部11aの外表面に例えば『こちらの面を下にして水平に置いて下さい。』とか、周壁部11cの外表面に例えば『こちらの面を上にして水平に置いて下さい。』などの注意書きを表示しておくとよい。
【0029】
図4は、本発明の他の実施例に係る角型のペットボトルを倒立した状態での上面図である。
この実施例で図2に示す前記実施例と相違する点は、図2に示す前記実施例では取液筒部54の位置を長辺の周壁部11a側に近づけたが、この実施例では取液筒部54の位置を短辺の周壁部11b(あるいは周壁部11d)側に近づけた点である。
角型のペットボトル10を簡易タンクなどに使用する場合、ペットボトル10の設置安定性を考慮すると、図2に示す実施例のように取液筒部54を長辺の周壁部11a側に近づけたが方が良い。
【0030】
前記実施例では、断面形状が四角形の周壁部11を有するペットボトル10の場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば断面形状が略半円形状の周壁部を有するペットボトルにも適用可能である。
この場合は、略半円形状の周壁部のうち水平状の周壁部の部分に取液筒部を近接する必要がある。
【0031】
前記実施例では、回転式の開閉弁58を有する蛇口アダプター57を使用したが、押すと開閉弁が開き、押圧を解除すると開閉弁が閉じるプッシュ式の開閉弁を有する蛇口アダプターを使用することも可能である。
【0032】
前記実施例では、鉢植えの水やり用の小型簡易タンクとしてペットボトルを用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばペットなどへの給水用の簡易タンクとしてペットボトルを用いることも可能である。
【0033】
前記実施例では、ペットボトル内に水を収納した例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば洗剤液など水以外の液体を収納する液体収納容器として用いることも可能である。
【0034】
前記実施例では、ペットボトルなどの合成樹脂製の液体収納容器について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば金属薄板など合成樹脂以外の材料で形成した液体収納容器にも適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
10:ペットボトル、
11,11a〜11d:周壁部、
12:底壁部、
13:上壁部、
14:取液筒部、
14a:取液筒部の下端部、
15:キャップ、
16:段差、
56:水、
57:蛇口アダプター、
58:開閉弁、
59:台、
60:蛇口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6