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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-210518(P2016-210518A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】自動倉庫及びその運転方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20161118BHJP
【FI】
   B65G1/04 535
   B65G1/04 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-219991(P2013-219991)
(22)【出願日】2013年10月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】田中 博
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022CC02
3F022EE05
3F022FF01
3F022JJ07
3F022KK05
3F022MM52
3F022MM57
3F022NN36
3F022NN38
3F022NN57
3F022QQ11
(57)【要約】
【課題】複数種類の荷を迅速に搬送することにより、搬送効率を向上することができる自動倉庫及びその運転方法を提供すること。
【解決手段】自動倉庫1は、複数の棚31と、複数の棚31に対して荷を搬送可能な第1スタッカクレーン7Aと、複数の棚31に対して荷を搬送可能な第2スタッカクレーン7Bと、走行路5と、を備える。第1スタッカクレーン7Aは、棚31に対して第1の荷Haを移載する第1移載装置74aを有し、第2スタッカクレーン7Bは、棚31に対して第1の荷Haと形状及び大きさの少なくとも一方が異なる第2の荷Hbを移載する第2移載装置74bを有する。第1移載装置74aは、第1の荷Haの形状及び大きさに対応した形状及び大きさを有し第1の荷Haを支持する第1荷支持部91aを含み、第2移載装置74bは、第2の荷Hbの形状及び大きさに対応した形状及び大きさを有し第2の荷Hbを支持する第2荷支持部91bを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷を収納する複数の棚と、
前記複数の棚に対して荷を搬送可能な第1スタッカクレーンと、
前記複数の棚に対して荷を搬送可能な第2スタッカクレーンと、
前記第1スタッカクレーン及び前記第2スタッカクレーンが走行する走行路と、を備え、
前記第1スタッカクレーンは、前記棚に対して第1の荷を移載する第1移載装置を有し、
前記第2スタッカクレーンは、前記棚に対して前記第1の荷と形状及び大きさの少なくとも一方が異なる第2の荷を移載する第2移載装置を有し、
前記第1移載装置は、前記第1の荷の形状及び大きさに対応した形状及び大きさを有し前記第1の荷を支持する第1荷支持部を含み、
前記第2移載装置は、前記第2の荷の形状及び大きさに対応した形状及び大きさを有し前記第2の荷を支持する第2荷支持部を含む、自動倉庫。
【請求項2】
前記第1スタッカクレーンには、前記第1移載装置に代えて、前記第2移載装置が取り付け可能であり、
前記第2スタッカクレーンには、前記第2移載装置に代えて、前記第1移載装置が取り付け可能である、請求項1記載の自動倉庫。
【請求項3】
前記第1スタッカクレーンは、
前記走行路に沿って転動する第1走行用駆動輪を含む第1走行部と、
鉛直方向から見た場合に前記第1走行用駆動輪と重なるように前記第1走行部に立設された第1マストと、
前記第1移載装置が設けられ、前記第1マストに沿って昇降する第1昇降台と、を有し、
前記第2スタッカクレーンは、
前記走行路に沿って転動する第2走行用駆動輪を含む第2走行部と、
鉛直方向から見た場合に前記第2走行用駆動輪と重なるように前記第2走行部に立設された第2マストと、
前記第2移載装置が設けられ、前記第2マストに沿って昇降する第2昇降台と、を有し、
前記第2スタッカクレーンは、走行方向において、前記第1スタッカクレーンに対して一方の側に配置され、
前記第1昇降台は、前記第1マストに対して前記走行方向における一方の側に配置され、
前記第2昇降台は、前記第2マストに対して前記走行方向における他方の側に配置され、
前記第1スタッカクレーン及び前記第2スタッカクレーンは、前記第1移載装置及び前記第2移載装置を鉛直方向において互いに異なる位置に配置することにより、前記第1移載装置及び前記第2移載装置が水平方向において互いに重複する位置に配置されるように近接可能である、請求項1又は2記載の自動倉庫。
【請求項4】
前記複数の棚が配置されるストッカ本体と、
前記ストッカ本体内において、前記第1移載装置が前記走行方向における前記他方の側の端の前記棚と対向するように、前記第1スタッカクレーンが配置される第1領域と、
前記ストッカ本体内において、前記第2移載装置が前記走行方向における前記一方の側の端の前記棚と対向するように、前記第2スタッカクレーンが配置される第2領域と、を更に備え、
前記第1領域は、前記第1スタッカクレーンが前記第1領域に配置された場合に、前記第1移載装置及び前記第2移載装置が鉛直方向において互いに異なる位置に配置されることにより、前記第1移載装置及び前記第2移載装置の双方が前記他方の側の端の前記棚と対向可能なように設定されており、
前記第2領域は、前記第2スタッカクレーンが前記第2領域に配置された場合に、前記第1移載装置及び前記第2移載装置が鉛直方向において互いに異なる位置に配置されることにより、前記第1移載装置及び前記第2移載装置の双方が前記一方の側の端の前記棚と対向可能なように設定されている、請求項3記載の自動倉庫。
【請求項5】
請求項4記載の自動倉庫の運転方法であって、
前記第1スタッカクレーンが故障した場合において、前記第1スタッカクレーンを前記第1領域に退避させる第1の工程と、
前記第2スタッカクレーンに前記荷を搬送させる第2の工程と、を備え、
前記第2の工程では、前記第1スタッカクレーンにおいて、前記第1マストに対する前記第1昇降台の拘束が解除されている、自動倉庫の運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷を保管する自動倉庫及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上述のような自動倉庫として、荷を搬送するスタッカクレーンを備えるものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。このような自動倉庫においては、スタッカクレーンが複数の棚に沿って移動し、荷を搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−143757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような自動倉庫では、形状等の異なる複数種類の荷が搬送される場合がある。このような場合に、複数種類の荷を迅速に搬送することにより、搬送効率を向上し得る技術の開発が望まれている。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、複数種類の荷を迅速に搬送することにより、搬送効率を向上することができる自動倉庫及びその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の自動倉庫は、荷を収納する複数の棚と、複数の棚に対して荷を搬送可能な第1スタッカクレーンと、複数の棚に対して荷を搬送可能な第2スタッカクレーンと、第1スタッカクレーン及び第2スタッカクレーンが走行する走行路と、を備え、第1スタッカクレーンは、棚に対して第1の荷を移載する第1移載装置を有し、第2スタッカクレーンは、棚に対して第1の荷と形状及び大きさの少なくとも一方が異なる第2の荷を移載する第2移載装置を有し、第1移載装置は、第1の荷の形状及び大きさに対応した形状及び大きさを有し第1の荷を支持する第1荷支持部を含み、第2移載装置は、第2の荷の形状及び大きさに対応した形状及び大きさを有し第2の荷を支持する第2荷支持部を含む。
【0007】
本発明の自動倉庫では、第1スタッカクレーン及び第2スタッカクレーンの双方が、複数の棚に対して荷を搬送可能である。第1スタッカクレーンが有する第1移載装置は、第1の荷の形状及び大きさに対応した第1荷支持部を含んでおり、第2スタッカクレーンが有する第2移載装置は、第1の荷と形状及び大きさの少なくとも一方が異なる第2の荷の形状及び大きさに対応した第2荷支持部を含んでいる。このように、第1スタッカクレーンが第1の荷の搬送専用のスタッカクレーンとして使用され、第2スタッカクレーンが第2の荷の搬送専用のスタッカクレーンとして使用されることにより、各々の荷を迅速に搬送することができる。したがって、複数種類の荷を迅速に搬送することにより、搬送効率を向上することができる。また、第1移載装置を第1の荷の搬送専用の移載装置として使用し、第2移載装置を第2の荷の搬送専用の移載装置として使用するため、形状及び大きさの少なくとも一方が互いに異なる第1の荷及び第2の荷の双方を搬送することができる移載装置を使用する場合に比して、移載装置を容易に設計することができる。
【0008】
第1スタッカクレーンには、第1移載装置に代えて、第2移載装置が取り付け可能であり、第2スタッカクレーンには、第2移載装置に代えて、第1移載装置が取り付け可能であってもよい。この構成によれば、例えば、第1スタッカクレーンが故障した場合等に、第2スタッカクレーンに第1移載装置を取り付けることにより、第1の荷を移載することができる。同様に、第2スタッカクレーンが故障した場合等に、第1スタッカクレーンに第2移載装置を取り付けることにより、第2の荷を移載することができる。
【0009】
第1スタッカクレーンは、走行路に沿って転動する第1走行用駆動輪を含む第1走行部と、鉛直方向から見た場合に第1走行用駆動輪と重なるように第1走行部に立設された第1マストと、第1移載装置が設けられ、第1マストに沿って昇降する第1昇降台と、を有し、第2スタッカクレーンは、走行路に沿って転動する第2走行用駆動輪を含む第2走行部と、鉛直方向から見た場合に第2走行用駆動輪と重なるように第2走行部に立設された第2マストと、第2移載装置が設けられ、第2マストに沿って昇降する第2昇降台と、を有し、第2スタッカクレーンは、走行方向において、第1スタッカクレーンに対して一方の側に配置され、第1昇降台は、第1マストに対して走行方向における一方の側に配置され、第2昇降台は、第2マストに対して走行方向における他方の側に配置され、第1スタッカクレーン及び第2スタッカクレーンは、第1移載装置及び第2移載装置を鉛直方向において互いに異なる位置に配置することにより、第1移載装置及び第2移載装置が水平方向において互いに重複する位置に配置されるように近接可能であってもよい。本発明の自動倉庫では、第1スタッカクレーンの第1昇降台が第1マストに対して走行方向における一方の側に配置されているため、走行方向における他方の側の端の棚に対して荷を移載する際に、第1マストが棚から走行方向における他方の側にはみ出す。このため、自動倉庫内に、第1マストを逃がすための領域を設ける必要がある。本発明の自動倉庫では、鉛直方向から見た場合に第1走行用駆動輪と第1マストとが重なるように設けられている。このため、走行方向における他方の側の端の棚に対して荷を移載する際に、第1スタッカクレーンにおいて、第1マスト以外の棚からはみ出す部分が低減される。したがって、無駄になる領域を減らすことができる。第2スタッカクレーンについても、同様に、走行方向における一方の側の端の棚に対して荷を移載する際に、第2スタッカクレーンにおいて、第2マスト以外の棚からはみ出す部分が低減される。したがって、無駄になる領域を減らすことができる。無駄になる領域を減らすことにより、設置面積を低減することができる。さらに、第1スタッカクレーン及び第2スタッカクレーンは、第1移載装置及び第2移載装置を鉛直方向において互いに異なる位置に配置することにより、第1移載装置及び第2移載装置が水平方向において互いに重複する位置に配置されるように近接可能である。このため、水平方向において互いに同じ位置の棚に対して、第1移載装置と第2移載装置とが同時に荷を移載することができる。したがって、搬送効率をさらに向上することができる。
【0010】
自動倉庫は、複数の棚が配置されるストッカ本体と、ストッカ本体内において、第1移載装置が走行方向における他方の側の端の前記棚と対向するように、第1スタッカクレーンが配置される第1領域と、ストッカ本体内において、第2移載装置が走行方向における一方の側の端の棚と対向するように、第2スタッカクレーンが配置される第2領域と、を更に備え、第1領域は、第1スタッカクレーンが第1領域に配置された場合に、第1移載装置及び第2移載装置が鉛直方向において互いに異なる位置に配置されることにより、第1移載装置及び第2移載装置の双方が他方の側の端の棚と対向可能なように設定されており、第2領域は、第2スタッカクレーンが第2領域に配置された場合に、第1移載装置及び第2移載装置が鉛直方向において互いに異なる位置に配置されることにより、第1移載装置及び第2移載装置の双方が一方の側の端の棚と対向可能なように設定されていてもよい。この構成によれば、例えば、第1スタッカクレーンが故障したときに、第1スタッカクレーンを第1領域に退避させることができる。この際、第1スタッカクレーンが棚を塞いでしまい、第1スタッカクレーンにより塞がれた棚に対して、第2スタッカクレーンが荷を移載することができないことが考えられる。さらに、第1スタッカクレーンと第2スタッカクレーンとの干渉を確実に防止するために、第1スタッカクレーンにより塞がれた棚の周辺の棚に対しても、第2スタッカクレーンが荷を移載することができないことが考えられる。これに対し、本発明の自動倉庫では、第1移載装置が走行方向における他方の側の端の棚と対向するように第1スタッカクレーンを第1領域に退避させることができる。このため、第2スタッカクレーンが荷を移載することができない棚は、退避された第1スタッカクレーンの第1移載装置よりも走行方向における他方の側には発生しない。したがって、第1スタッカクレーンが障害となって第2スタッカクレーンが荷を移載することができない棚の数を抑えながら、第2スタッカクレーンにより荷の搬送を継続することができる。同様に、第2スタッカクレーンを第2領域に退避させる場合に、第1スタッカクレーンが荷を移載することができない棚は、退避された第2スタッカクレーンの第2移載装置よりも走行方向における一方の側には発生しない。したがって、第2スタッカクレーンが障害となって第1スタッカクレーンが荷を移載することができない棚の数を抑えながら、第1スタッカクレーンにより荷の搬送を継続することができる。
【0011】
本発明の自動倉庫の運転方法は、上記の自動倉庫の運転方法であって、第1スタッカクレーンが故障した場合において、第1スタッカクレーンを第1領域に退避させる第1の工程と、第2スタッカクレーンに荷を搬送させる第2の工程と、を備え、第2の工程では、第1スタッカクレーンにおいて、第1マストに対する第1昇降台の拘束が解除されている。
【0012】
本発明の自動倉庫の運転方法によれば、第1スタッカクレーンが障害となって第2移載装置が荷を移載することができない棚との間で荷を移載したい場合に、第1昇降台を移動させることにより、荷を移載することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数種類の荷を迅速に搬送することにより、搬送効率を向上することができる自動倉庫及びその運転方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態の自動倉庫の正面図である。
図2図1の自動倉庫の平面図である。
図3図1のスタッカクレーンの斜視図である。
図4図1の荷支持部及び荷の拡大正面図である。
図5図3のスタッカクレーンの下部の正面図である。
図6図3のスタッカクレーンの下部の平面図である。
図7図1の自動倉庫の運転方法の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ実施形態について詳細に説明する。なお、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
図1及び図2に示されるように、自動倉庫1は、建屋100内に設けられている。自動倉庫1には、例えば、搬送装置によって搬送されてきた荷Hが保管される。
【0017】
自動倉庫1は、ストッカ本体2、ラック3A,3B、入出庫ポート4,4、走行路5、補助路6、スタッカクレーン(第1スタッカクレーン)7A及びスタッカクレーン(第2スタッカクレーン)7Bを備えている。
【0018】
ストッカ本体2は、所定の空間を囲う筐体状(例えば、中空の直方体状)を呈している。ストッカ本体2は、スタッカクレーン7A及びスタッカクレーン7Bをストッカ本体2外に出すことが可能な第1開口部21及び第2開口部22を有している。第1開口部21と第2開口部22とは、水平方向において互いに対向している。第1開口部21及び第2開口部22のそれぞれに、扉が設けられている。
【0019】
ラック3A,3Bのそれぞれは、ストッカ本体2内に立設されている。ラック3Aとラック3Bとは、互いに対向している。ラック3Aは、ストッカ本体2内において互いに対向する2つの側壁のうち、一方側(図2において上側)の側壁に沿って設けられている。ラック3Aは、一方側の側壁において、水平方向における両端部を除いた部分に設けられている。ラック3Bは、ストッカ本体2内において互いに対向する2つの側壁のうち、他方側の側壁に沿って設けられている。ラック3B,3Bは、他方側の側壁において、水平方向における両端部及び中央部を除いた部分に設けられている。他方側の側壁には、水平方向の中央部に入出庫ポート4,4が設けられている。入出庫ポート4,4の両側のそれぞれに、ラック3Bが設けられている。入出庫ポート4では、自動倉庫1に対する荷Hの入庫及び出庫が行われる。
【0020】
ラック3A,3Bのそれぞれには、荷Hが収納される棚31が複数設けられている。棚31は、水平方向に沿って複数列設けられていると共に、鉛直方向に沿って複数段設けられている。
【0021】
走行路5及び補助路6のそれぞれは、ストッカ本体2内において、第1開口部21と第2開口部22との間に亘って設けられている。走行路5は、複数列の棚31に沿って床面に設けられている。走行路5には、走行レール51が敷設されている。補助路6は、走行路5と対向するように、複数列の棚31に沿って走行路5の略直上に設けられている。補助路6には、補助レール61が敷設されている。
【0022】
スタッカクレーン7A及びスタッカクレーン7Bのそれぞれは、走行路5を走行する。スタッカクレーン7A及びスタッカクレーン7Bのそれぞれは、棚31と入出庫ポート4との間で荷Hを搬送し、棚31に対して荷Hの移載(荷積み及び荷下ろし)を行う。スタッカクレーン7A及びスタッカクレーン7Bのそれぞれは、複数の棚31の全てに対して荷を搬送することができる。スタッカクレーン7Bは、スタッカクレーン7Aに対して、走行路5及び補助路6に沿った走行方向における一方側(図1及び2において右側、スタッカクレーン7Aに対して第2開口部22側)に配置されている。
【0023】
ストッカ本体2内には、スタッカクレーン7Aが走行方向における他方の側の端の列の棚31に対して荷Hを移載する際に、スタッカクレーン7Aが配置される第1領域A1が設けられている。第1領域A1では、スタッカクレーン7Aの移載装置(第1移載装置)74a(後述)と、走行方向における他方の側の端の列の棚31とが対向する。第1領域A1には、スタッカクレーン7Aのマスト(第1マスト)72a(後述)を逃がすための領域が含まれている。
【0024】
ストッカ本体2内には、スタッカクレーン7Bが走行方向における一方の側の端の列の棚31に対して荷Hを移載する際に、スタッカクレーン7Bが配置される第2領域A2が設けられている。第2領域A2では、スタッカクレーン7Bの移載装置(第2移載装置)74b(後述)と、走行方向における一方の側の端の列の棚31とが対向する。第2領域A2には、スタッカクレーン7Bのマスト(第2マスト)72b(後述)を逃がすための領域が含まれている。
【0025】
図3に示されるように、スタッカクレーン7Aは、走行部(第1走行部)71a、マスト72a、昇降台(第1昇降台)73a、移載装置74a及び補助走行部(第1補助走行部)75aを有している。
【0026】
走行部71aは、走行路5に沿って走行する。マスト72aは、走行部71aの上部に立設されている。昇降台73aは、マスト72aに対して走行方向に突出するように配置されており、マスト72aに沿って昇降する。移載装置74aは、昇降台73aの上部に設けられている。移載装置74aは、棚31との間で荷Hを移載すると共に、入出庫ポート4との間で荷Hを移載する。補助走行部75aは、補助路6に沿って走行する。
【0027】
走行部71aについて詳細に説明する。図5及び図6に示されるように、走行部71aは、走行用駆動輪(第1走行用駆動輪)76a、ハウジング77a、走行用モータ78a、一対の昇降台側走行用案内輪(第1案内輪)79a,79a、案内輪支持部(第1案内輪支持部)80a及び一対のマスト側走行用案内輪81a,81aを含んでいる。
【0028】
走行用駆動輪76aは、走行レール51の上面に沿って転動する。走行用駆動輪76aは、鉛直方向から見た場合に、マスト72aと重なるように配置されている。ハウジング77aは、走行用駆動輪76aを回転可能に支持している。ハウジング77aは、マスト72aの下端部に固定されている。
【0029】
走行用モータ78aは、ハウジング77aに対して、ラック3Bの棚31側に突出するように固定されている。走行用モータ78aは、走行用駆動輪76aの駆動源である。なお、ハウジング77aには、ラック3Aの棚31側に突出するように、昇降台73aの駆動源である昇降用モータ82aが取り付けられている。
【0030】
昇降台側走行用案内輪79aは、走行レール51の側面に沿って転動する。昇降台側走行用案内輪79aは、走行用駆動輪76aに対して走行方向における一方の側に配置されている。一対の昇降台側走行用案内輪79a,79aは、水平方向において走行レール51を挟んでいる。
【0031】
案内輪支持部80aは、一対の昇降台側走行用案内輪79a,79aを回転可能に支持している。案内輪支持部80aは、走行用駆動輪76aに対して走行方向における一方の側に配置されている。案内輪支持部80aは、走行レール51の両側に配置された一対の部分を有しており、各部分のそれぞれが昇降台側走行用案内輪79aを支持している。案内輪支持部80aの一対の部分の間に形成された空間には、昇降台73aが進入可能となっている。案内輪支持部80aの一対の部分のそれぞれは、ハウジング77aから突出した部材と、当該部材の下面から突出して昇降台側走行用案内輪79aを回転可能に支持する部材と、を含んでいる。
【0032】
マスト側走行用案内輪81aは、走行レール51の側面に沿って転動する。マスト側走行用案内輪81aは、鉛直方向から見た場合に、マスト72aと重なるように配置されている。一対のマスト側走行用案内輪81a,81aは、水平方向において走行レール51を挟んでいる。マスト側走行用案内輪81aは、ハウジング77aの下部に回転可能に取り付けられている。
【0033】
スタッカクレーン7Aを走行レール51へ据え付ける際には、走行部71aに、従動輪ユニット83aが取り付けられている。従動輪ユニット83aは、案内輪支持部80aにおいて、ハウジング77aから突出した一対の部材の先端部に掛け渡されている。従動輪ユニット83aは、走行レール51の上面に沿って転動可能な従動輪84aを含んでいる。従動輪ユニット83aは、スタッカクレーン7Aを走行レール51へ据え付けた後、走行部71aから取り外される(図1参照)。したがって、スタッカクレーン7Aの稼働時には、昇降台73aは、案内輪支持部80aが有する上述の空間内に進入可能となっている。
【0034】
補助走行部75aについて詳細に説明する。図3に示されるように、補助走行部75aは、一対の補助用駆動輪(第1補助用駆動輪)85a,85a、一対の補助用案内輪86a,86a及びハウジング87aを含んでいる。
【0035】
補助用駆動輪85aは、補助レール61に沿って転動する。一対の補助用駆動輪85a,85aは、水平方向において補助レール61を挟んでいる。補助用案内輪86aは、補助レール61に沿って転動する。一対の補助用案内輪86a,86aは、水平方向において補助レール61を挟んでいる。ハウジング87aは、マスト72aの上端部に固定されている。ハウジング87aには、補助用駆動輪85a及び補助用案内輪86aを回転可能に支持する部材が取り付けられている。ハウジング87aには、補助用駆動輪85aの駆動源である補助用モータ(不図示)が取り付けられている。
【0036】
スタッカクレーン7Aでは、走行用駆動輪76aと補助用駆動輪85a,85aとを同期させて駆動することにより、上述の従動輪ユニット83aを取り外しても、マスト72aが略垂直に保たれるようにマスト72aの姿勢を安定させることが可能となっている。
【0037】
スタッカクレーン7Bは、走行部(第2走行部)71b、マスト72b、昇降台(第2昇降台)73b、移載装置74b、補助走行部75b及び昇降用モータ82bを有している。移載装置74b以外のスタッカクレーン7Bの各要素は、スタッカクレーン7Aの各要素と同様な構成である。移載装置74bは、移載装置74aが移載する荷とは異なる荷を移載できるように構成されている(詳しくは、後述)。
【0038】
走行部71bは、走行部71aと同様な構成であり、走行用駆動輪(第2走行用駆動輪)76b、ハウジング77b、走行用モータ78b、一対の昇降台側走行用案内輪79b,79b、案内輪支持部80b及び一対のマスト側走行用案内輪81b,81bを含んでいる。補助走行部75bは、補助走行部75aと同様な構成であり、一対の補助用駆動輪85b,85b、一対の補助用案内輪86b,86b及びハウジング87bを含んでいる。
【0039】
図1及び2に示されるように、スタッカクレーン7Aでは、昇降台73aは、マスト72aに対して走行方向における一方の側(スタッカクレーン7B側)に配置されている。スタッカクレーン7Bでは、昇降台73bは、マスト72bに対して走行方向における他方の側(スタッカクレーン7A側)に配置されている。このような構成により、スタッカクレーン7Aとスタッカクレーン7Bとは、移載装置74a及び移載装置74bを鉛直方向において互いに異なる位置に配置することで、移載装置74a及び移載装置74bが水平方向において互いに重複する位置(同じ列)に配置されるように、近接することができる。
【0040】
上述の第1領域A1は、スタッカクレーン7Aが第1領域A1に配置された場合に、移載装置74a及び移載装置74bが鉛直方向において互いに異なる位置に配置されることにより、移載装置74a及び移載装置74bの双方が他方の側の端の列の棚31と対向可能なように、設定されている。上述の第2領域A2は、スタッカクレーン7Bが第2領域A2に配置された場合に、移載装置74a及び移載装置74bが鉛直方向において互いに異なる位置に配置されることにより、移載装置74a及び移載装置74bの双方が一方の側の端の列の棚31と対向可能なように、設定されている。
【0041】
移載装置74a,74bについて詳細に説明する。移載装置74aは、棚31及び入出庫ポート4に対して、荷(第1の荷)Haを移載する。スタッカクレーン7Bは、棚31及び入出庫ポート4に対して、荷(第2の荷)Hbを移載する。荷Hbは、荷Haと形状及び大きさの少なくとも一方が異なる。具体的には、本実施形態では、荷Hbは、荷Haよりも大きい。なお、荷Haが荷Hbより大きくてもよい。
【0042】
図3に示されるように、移載装置74aは、荷支持台(第1荷支持部)91aと、中間アーム(第1中間アーム)92aと、基部アーム(第1基部アーム)93aと、を含んでいる。荷支持台91aは、荷Haを位置決めし、荷Haを支持する。荷支持台91aは、荷Haの形状及び大きさに対応した形状及び大きさを有している。具体的には、荷支持台91aは、載置面(第1載置面)94aと、複数(本実施形態では3個)の装置側係合部(第1装置側係合部)95aと、を含んでいる。
【0043】
図4の(a)は、スタッカクレーン7Aの荷支持部及び荷の拡大正面図である。図4の(a)に示されるように、載置面94aには、荷Haが載置される。載置面94aは、荷Haの大きさに応じた広さを有している。装置側係合部95aは、例えば突起部等であり、載置面94aから突出している。複数の装置側係合部95aのそれぞれは、例えば正三角形の頂点上に位置している。
【0044】
荷支持台91aは、中間アーム92aに回動可能に取り付けられている。中間アーム92aは、基部アーム93aに回動可能に取り付けられている。基部アーム93aは、昇降台73aに回動可能に取り付けられている。このような構成により、荷支持台91aは、棚31に対して進退することができる。
【0045】
図4の(b)は、スタッカクレーン7Bの荷支持部及び荷の拡大正面図である。図4の(b)に示されるように、移載装置74bは、荷支持台(第2荷支持部)91bと、中間アーム(第2中間アーム)92bと、基部アーム(第2基部アーム)93bと、を含んでいる。荷支持台91bは、荷Hbを位置決めし、荷Hbを支持する。荷支持台91bは、荷Hbの形状及び大きさに対応した形状及び大きさを有している。具体的には、荷支持台91bは、載置面(第2載置面)94bと、複数(本実施形態3個)の装置側係合部(第2突部)95bと、を含んでいる。
【0046】
載置面94bには、荷Hbが載置される。載置面94bは、荷Hbの大きさに応じた広さを有している。具体的には、本実施形態では、載置面94bは、載置面94aよりも広い。装置側係合部95bは、例えば突起部等であり、載置面94bから突出している。複数の装置側係合部95bのそれぞれは、例えば正三角形の頂点上に位置している。本実施永代では、移載装置74bの装置側係合部95b,95bの間隔は、移載装置74aの装置側係合部95a,95aの間隔よりも大きい。
【0047】
荷支持台91bは、中間アーム92bに回動可能に取り付けられている。中間アーム92bは、基部アーム93bに回動可能に取り付けられている。基部アーム93bは、昇降台73bに回動可能に取り付けられている。このような構成により、荷支持台91bは、棚31に対して進退することができる。
【0048】
移載装置74aは、移載装置74bに代えて、スタッカクレーン7Bに取り付けることができる。移載装置74bは、移載装置74aに代えて、スタッカクレーン7Aに取り付けることができる。
【0049】
移載装置74aにより移載される荷Haの底面には、複数(本実施形態では3個)の荷側係合部(第1荷側係合部)gaが設けられている。荷側係合部gaは、例えば溝又は孔等である。複数の荷側係合部gaのそれぞれは、複数の装置側係合部95aのそれぞれの位置と対応するように、例えば正三角形の頂点上に位置している。荷側係合部gaは、装置側係合部95aが嵌る形状を呈している。
【0050】
移載装置74bにより移載される荷Hbの底面には、複数(本実施形態では3個)の荷側係合部(第2荷側係合部)gbが設けられている。荷側係合部gbは、例えば溝又は孔等である。複数の荷側係合部gbのそれぞれは、複数の装置側係合部95bのそれぞれの位置と対応するように、例えば正三角形の頂点上に位置している。本実施形態では、荷側係合部gb,gbの間隔は、荷側係合部ga、gaの間隔よりも大きい。荷側係合部gbは、装置側係合部95bが嵌る形状を呈している。
【0051】
荷Ha及び荷Hbが移載される複数の棚31のそれぞれには、荷Haを位置決めする第1位置決め手段と、荷Hbを位置決めする第2位置決め手段と、が設けられている(不図示)。第1位置決め手段は、棚31に荷Hbが載置されている場合には、荷Hbと干渉しないように構成されている。第2位置決め手段は、棚31に荷Haが載置されている場合には、荷Haと干渉しないように構成されている。
【0052】
具体的には、例えば、棚31には、荷Haの底部の形状及び大きさに応じた段差(第1位置決め手段)と、荷Hbの底部の形状及び大きさに応じた段差(第2位置決め手段)と、が設けられていてもよい。また、例えば、棚31には、荷Haの形状及び大きさに応じた位置決めピン(第1位置決め手段)と、荷Hbの形状及び大きさに応じた位置決めピン(第2位置決め手段)とが、互いに干渉しない位置に設けられていてもよい。また、第1位置決め手段及び第2位置決め手段に代えて、載置された荷Ha及び荷Hbが容易に移動しない程度の摩擦係数を有する滑り止め部材が棚31に設けられていてもよい。
【0053】
なお、複数の棚31のそれぞれには、荷支持台91a及び荷支持台91bが進入可能な凹部が設けられている(不図示)。荷支持台91a及び荷支持台91bは、凹部内に進入することにより、棚31に載置された荷Ha及び荷Hbを下方から持ち上げることができる。また、荷支持台91a及び荷支持台91bは、凹部内に進入することにより、支持している荷Ha及び荷Hbを棚31に降ろすことができる。
【0054】
上述のような自動倉庫1では、スタッカクレーン7Aが、走行路5に沿って走行して棚31と入出庫ポート4との間で荷Haを搬送し、棚31及び入出庫ポート4に対して荷Haを移載する。また、スタッカクレーン7Bが、走行路5に沿って走行して棚31と入出庫ポート4との間で荷Hbを搬送し、棚31及び入出庫ポート4に対して荷Hbを移載する。
【0055】
この際、水平方向において互いに同じ位置(同じ列)の2つの棚31,31において荷Ha及び荷Hbを移載する場合には、先ず、スタッカクレーン7Aの移載装置74aとスタッカクレーン7Bの移載装置74bとを、鉛直方向において互いに異なる位置に配置する。続いて、スタッカクレーン7Aの移載装置74aとスタッカクレーン7Bの移載装置74bとが水平方向において互いに同じ位置の棚31,31とそれぞれ対向するように、スタッカクレーン7A及びスタッカクレーン7Bを配置する。
【0056】
続いて、スタッカクレーン7Aに、対向した棚31との間で荷Haを移載させると共に、スタッカクレーン7Bに、対向した棚31との間で荷Hbを移載させる。なお、スタッカクレーン7A及びスタッカクレーン7Bのいずれか一方のみに荷を移載させてもよい。
【0057】
例えば、スタッカクレーン7Aが故障した場合には、スタッカクレーン7Bにより荷Hの搬送を継続する。この場合、先ず、スタッカクレーン7Aにおいて、マスト72aに対する昇降台73aの拘束を解除する。続いて、昇降台73aを、下方から4段目の棚31の高さまで上昇させる。昇降台73aは、工具を用いて、作業者の人力により上昇させることができる。続いて、図7に示されるように、第1領域A1に、スタッカクレーン7Aを退避させる。スタッカクレーン7Aの退避は、駆動源からの駆動力により行われてもよいし、作業者の人力により行われてもよい。
【0058】
続いて、ラック3A及びラック3Bの双方において、他方の側の端の列の最下段の棚31及び最下段の次の段の棚31、並びに、他方の側の端の列の次の列における最下段の棚31の3箇所の棚31から、荷Hをスタッカクレーン7Bにより取り除く。なお、棚31に荷Haが載置されている場合には、移載装置74bに代えて移載装置74aをスタッカクレーン7Bに取り付けることにより、棚31から荷Haを取り除くことができる。
【0059】
続いて、スタッカクレーン7Aにおいて、昇降台73aを最下位置まで下降させる。昇降台73aは、工具を用いて、作業者の人力により下降させることができる。続いて、スタッカクレーン7Bに荷Hを搬送させる。荷Haを搬送する場合には、移載装置74bに代えて移載装置74aをスタッカクレーン7Bに取り付ける。
【0060】
他方の側の端の列の棚31のうち、最下段の棚31及び最下段の次の段の棚31以外の棚31に対して荷Hを移載する場合には、スタッカクレーン7Bの移載装置74bを所望の棚31の高さに配置し、移載装置74bが所望の棚31と対向するようにスタッカクレーン7Bを移動させる。
【0061】
他方の側の端の列の最下段の棚31及び最下段の次の段の棚31、並びに、他方の側の端の列の次の列における最下段の棚31のいずれかとの間で荷Hを移載する場合には、作業者にスタッカクレーン7Aの昇降台73aを最下段の次の段よりも上方の位置に移動させ、移載装置74bが所望の棚31と対向するようにスタッカクレーン7Bを移動させる。
【0062】
スタッカクレーン7Aを整備する場合には、先ず、ラック3A及びラック3Bの双方において、他方の側の端に位置する3列の棚31から、全ての荷Hを取り除く。続いて、スタッカクレーン7Aを第1領域A1に退避させた状態で、スタッカクレーン7A及びスタッカクレーン7Bの電源を落とす。続いて、他方の側の端に位置する3列の棚31の中から、作業を行う際に不要となる棚31を、走行路5の逆側から引き抜く。引き抜かれた棚31の位置は、センサーにより検知される。
【0063】
続いて、作業者の安全を確保するために、作業領域へのスタッカクレーン7Bの進入を防止するストッパユニットと、作業領域を覆うフェンスと、を設置する。ストッパユニット及びフェンスの位置は、センサーにより検知される。続いて、スタッカクレーン7Aを整備すると共に、スタッカクレーン7Bにより荷Hを搬送する。
【0064】
スタッカクレーン7Aの整備が終了した後、ストッパユニット及びフェンスを取り除く。続いて、引き抜かれた棚31を元の位置に配置する。これにより、再び、スタッカクレーン7A及びスタッカクレーン7Bの双方を稼働させることができる。なお、スタッカクレーン7Bが故障した場合にも、上述と同様にして、スタッカクレーン7Aにより荷Hの搬送を継続することができる。
【0065】
以上、本実施形態の自動倉庫1では、スタッカクレーン7A及びスタッカクレーン7Bの双方が、複数の棚31に対して荷Hを搬送可能である。スタッカクレーン7Aが有する移載装置74aは、荷Haの形状及び大きさに対応した荷支持台91aを含んでおり、スタッカクレーン7Bが有する移載装置74bは、荷Haと形状及び大きさの少なくとも一方が異なる荷Hbの形状及び大きさに対応した荷支持台91bを含んでいる。このように、スタッカクレーン7Aが荷Haの搬送専用のスタッカクレーンとして使用され、スタッカクレーン7Bが荷Hbの搬送専用のスタッカクレーンとして使用されることにより、各々の荷を迅速に搬送することができる。したがって、複数種類の荷を迅速に搬送することにより、搬送効率を向上することができる。
【0066】
移載装置74aを荷Haの搬送専用の移載装置として使用し、移載装置74bを荷Hbの搬送専用の移載装置として使用するため、形状及び大きさの少なくとも一方が異なる荷Ha及び荷Hbの双方を移載することができる移載装置を使用する場合に比して、移載装置74a及び移載装置74bを容易に設計することができる。
【0067】
スタッカクレーン7Aには、移載装置74aに代えて、移載装置74bが取り付け可能であり、スタッカクレーン7Bには、移載装置74bに代えて、移載装置74aが取り付け可能である。このため、例えば、スタッカクレーン7Aが故障した場合等に、スタッカクレーン7Bに移載装置74aを取り付けることにより、荷Haを移載することができる。同様に、スタッカクレーン7Bが故障した場合等に、スタッカクレーン7Aに移載装置74bを取り付けることにより、荷Hbを移載することができる。
【0068】
自動倉庫1では、スタッカクレーン7Aの昇降台73aがマスト72aに対して走行方向における一方の側に配置されているため、走行方向における他方の側の端の列の棚31に対して荷Haを移載する際に、マスト72aが棚31から走行方向における他方の側にはみ出す。このため、自動倉庫1内に、マスト72aを逃がすための領域を設ける必要がある。これに対し、自動倉庫1では、鉛直方向から見た場合に走行用駆動輪76aとマスト72aとが重なるように設けられている。このため、走行方向における他方の側の端の列の棚31に対して荷を移載する際に、スタッカクレーン7Aにおいてマスト72a以外の棚31からはみ出す部分が低減される。したがって、無駄になる領域を減らすことができる。スタッカクレーン7Bについても、同様に、走行方向における一方の側の端の列の棚31に対して荷Hbを移載する際に、スタッカクレーン7Bにおいてマスト72b以外の棚31からはみ出す部分が低減される。したがって、無駄になる領域を減らすことができる。無駄になる領域を減らすことにより、設置面積を低減することができる。
【0069】
スタッカクレーン7A及びスタッカクレーン7Bは、移載装置74a及び移載装置74bを鉛直方向において互いに異なる位置に配置することにより、移載装置74a及び移載装置74bが水平方向において互いに重複する位置に配置されるように近接可能である。このため、水平方向において互いに同じ位置の棚31に対して、移載装置74aと移載装置74bとが同時に荷を移載することができる。したがって、搬送効率をさらに向上することができる。
【0070】
自動倉庫1では、例えば、スタッカクレーン7Aが故障したときに、スタッカクレーン7Aを第1領域A1に退避させることができる。この際、スタッカクレーン7Aが棚31を塞いでしまい、スタッカクレーン7Aにより塞がれた棚31に対して、スタッカクレーン7Bが荷Hを移載することができないことが考えられる。さらに、スタッカクレーン7Aとスタッカクレーン7Bとの干渉を確実に防止するために、スタッカクレーン7Aにより塞がれた棚31の周辺の棚31に対しても、スタッカクレーン7Bが荷Hを移載することができないことが考えられる。これに対し、自動倉庫1では、移載装置74aが走行方向における他方の側の端の棚31と対向するように、スタッカクレーン7Aを第1領域A1に退避させることができる。このため、スタッカクレーン7Bが荷Hを移載することができない棚31は、退避されたスタッカクレーン7Aの移載装置74aよりも走行方向における他方の側には発生しない。したがって、スタッカクレーン7Aが障害となってスタッカクレーン7Bが荷を移載することができない棚31の数を抑えながら、スタッカクレーン7Bにより荷の搬送を継続することができる。
【0071】
同様に、自動倉庫1では、スタッカクレーン7Bが故障したときに、移載装置74bが走行方向における一方の側の端の棚31と対向するように、スタッカクレーン7Bを第2領域A2に退避させることができる。このため、スタッカクレーン7Aが荷Hを移載することができない棚31は、退避されたスタッカクレーン7Bの移載装置74bよりも走行方向における一方の側には発生しない。したがって、スタッカクレーン7Bが障害となってスタッカクレーン7Aが荷を移載することができない棚31の数を抑えながら、スタッカクレーン7Aにより荷の搬送を継続することができる。
【0072】
本実施形態の自動倉庫1の運転方法は、スタッカクレーン7Aが故障した場合において、スタッカクレーン7Aを第1領域A1に退避させる工程と、スタッカクレーン7Bに荷Hを搬送させる工程と、を備え、スタッカクレーン7Bに荷Hを搬送させる工程では、スタッカクレーン7Aにおいて、マスト72aに対する昇降台73aの拘束が解除されている。このため、スタッカクレーン7Aが障害となって移載装置74bが荷を移載することができない棚31との間で荷Hを移載したい場合に、昇降台73aを移動させることにより、荷Hを移載することができる。
【0073】
以上、本発明の移載装置の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。各要素の構成、個数及び形状等は、上記実施形態における構成、個数及び形状等に限られず、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0074】
1…自動倉庫、5…走行路、7A…スタッカクレーン(第1スタッカクレーン)、7B…スタッカクレーン(第2スタッカクレーン)、31…棚、71a…走行部(第1走行部)、71b…走行部(第2走行部)、72a…マスト(第1マスト)、72b…マスト(第2マスト)、73a…昇降台(第1昇降台)、73b…昇降台(第2昇降台)、74a…移載装置(第1移載装置)、74b…移載装置(第2移載装置)、76a…走行用駆動輪(第1走行用駆動輪)、76b…走行用駆動輪(第2走行用駆動輪)、91a…荷支持台(第1荷支持部)、91b…荷支持台(第2荷支持部)、A1…第1領域、A2…第2領域、H…荷、Ha…荷(第1の荷)、Hb…荷(第2の荷)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7