【解決手段】ピッキングシステム1は、天井レール7と、ラック5と、第1スタッカクレーン11と、第2スタッカクレーン17と、アソート準備ステーション101と、を備えている。ラック5は、天井レール7の一部に沿って設けられ、容器23又は複数の容器23を収納できる集品棚部材25を収納可能な複数の棚5aを有する。第1スタッカクレーン11は、天井レール7を走行可能であり、集品棚部材25を移載可能な第1移載装置15を有する。第2スタッカクレーン17は、天井レール7を走行可能であり、容器23を移載可能な第2移載装置21を有する。アソート準備ステーション101は、天井レール7の一部に近接して配置され、第2スタッカクレーン17から容器23を受け取り及び第2スタッカクレーン17に容器23を受け渡し可能な容器授受部103を有する。
前記周回軌道の一部に近接して配置され、前記第1スタッカクレーンから前記集品棚部材を受け取る集品棚部材受け取り部と、前記第1スタッカクレーンに前記集品棚部材を受け渡す集品棚部材受け渡し部を有するデジタルアソートシステム・エリアをさらに備えている、請求項1に記載のピッキングシステム。
前記デジタルアソートシステム・エリアに配置され、転動車輪を有する台車に載置された前記集品棚部材を押す又は引くことで移動させる自動搬送車をさらに備えている、請求項2に記載のピッキングシステム。
前記周回軌道の一部に近接して配置され、前記第1スタッカクレーンから受け渡されたパレットから荷物を受け取り可能な荷物受け取り部を有するデパレ・ピッキングステーションをさらに備えている、請求項1〜3のいずれかに記載のピッキングシステム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.第1実施形態
(1)ピッキングシステム
図1及び
図2を用いて、ピッキングシステム1を説明する。ピッキングシステム1は、倉庫内でピッキング(荷揃え)ができるシステムである。ピッキングシステム1は、主に、自動倉庫3を有している。
図1は、本発明の一実施形態としてのピッキングシステムの概略平面図である。
図2は、ピッキングシステムの自動倉庫の概略正面図である。なお、このピッキングシステム1は、工場の部品倉庫、一般物流倉庫等に適用可能であるが、特に、注文者の数及び商品の数及び種類が多数となるような例えば一般消費者用の通信販売用物品倉庫に最適である。
自動倉庫3は、複数のラック5を有している。ラック5は、複数段の棚5aを有している。複数のラック5は、
図1において、左右方向に延びて並列的に配置されている。棚5aは、
図2に示すように、集品棚部材25を収納可能である。なお、棚5aは、例えば商品が1ダース入った商品収容箱28もパレットPを用いて収納可能である。容器23は、ケース、バケットとも言われ、商品を収納可能な部材である。集品棚部材25は、キャリアとも言われ、複数の容器23を収納可能である。集品棚部材25は、複数段の支持部を有する棚構造を有している。なお、集品棚部材25が収納な可能な容器の数、集品棚部材25の構造は特に限定されない。ただし、集品棚部材25の底面はパレットPの底面と同様の構造を有しており、それにより第1スタッカクレーン11によって支持及び搬送される。また、
図1においてはアルファベットが付されているのは、パレットPである。
自動倉庫3は、ラック5に沿って設けられた天井レール7(軌道の一例)を有している。天井レール7は、ラック5より高い位置、すなわち、記複数段の棚5aより高い位置に設けられている。天井レール7は、複数の周回軌道を有している。
天井レール7は、ラック5の間の通路5bの上方に配置されている。
【0015】
自動倉庫3は、2種類のスタッカクレーン、つまり、第1スタッカクレーン11及び第2スタッカクレーン17を有している。
図1では、1台の第1スタッカクレーン11及び1台の第2スタッカクレーン17が示されているが、それぞれの台数は特に限定されない。
第1スタッカクレーン11は、天井レール7に沿って走行する。第1スタッカクレーン11は、
図2に示すように、懸垂式のスタッカクレーンであって、天井レール7から懸垂した状態で走行する。第1スタッカクレーン11は、天井レール7を利用して駆動走行、分岐走行する。なお、
図2に示すように、下部ガイドレール18を設けて第1スタッカクレーン11の下方を支持してもよい。下部ガイドレール18は、例えば、通路5bのうちラック前面の直線経路部分に設けられる。
【0016】
図3に示すように、第1スタッカクレーン11は、走行方向(白抜き矢印で示す)に並んだ複数の駆動台車13を有している。この実施形態では、駆動台車13は8台設けられている。
図3は、第1スタッカクレーンの概略平面図である。
第1スタッカクレーン11は、複数の駆動台車13に対して昇降可能に吊り下げられた第1移載装置15を有している。第1移載装置15は、集品棚部材25又は商品収容箱28を移載可能である。
以上に述べたように懸垂式スタッカクレーンは、上部構造が、走行及び分岐を行い、さらには下部構造を懸垂している。ただし、懸垂式スタッカクレーンは床面を転動するキャスター車輪を有していてもよい。
【0017】
第2スタッカクレーン17は、天井レール7に沿って走行する。第2スタッカクレーン17は、
図2に示すように、懸垂式のスタッカクレーンであって、天井レール7から懸垂した状態で走行する。
図4に示すように、第2スタッカクレーン17は、走行方向に並んだ複数の駆動台車13を有している。第2スタッカクレーン17の駆動台車13は第1スタッカクレーン11の駆動台車13と同じ構造を有する。この実施形態では、駆動台車13は4台設けられている。すなわち、第2スタッカクレーン17の駆動台車13は、第1スタッカクレーン11の駆動台車13より数が少ない。
図4は、第2スタッカクレーンの概略平面図である。
第2スタッカクレーン17は、複数の駆動台車13に対して昇降可能に吊り下げられた第2移載装置21を有している。第2移載装置21は、容器23を移載可能である。
【0018】
以上に述べたように、第1スタッカクレーン11と第2スタッカクレーン17は、同一軌道を走行する。これは、走行機構をモジュール化することにより、軌道を共通化しているからである。
第1スタッカクレーン11と第2スタッカクレーン17は、駆動台車の数を異ならせることで、重量が異なる荷物への対応を実現している。つまり、同一種類の駆動台車を用いてそれらの数を異ならせた構造を採用することで、重量が異なる荷物を搭載可能の2種類のスタッカクレーンが同一の軌道を走行可能になっている。この結果、低コストの自動倉庫3が実現される。
なお、一例として、駆動台車2台で2000kgfを懸垂可能であるので、第1スタッカクレーン11は本体荷重及び荷物荷重の合計8000kgfを懸垂可能であり、第2スタッカクレーン17は本体荷重及び荷物荷重の合計4000kgfを懸垂可能である。
【0019】
(2)ピッキングシステムの制御構成
図5を用いて、ピッキングシステムの制御構成を説明する。
図5は、自動倉庫の制御構成を示すブロック図である。
第1スタッカクレーン11は、第1コントローラ81を有している。第1コントローラ81は、CPU、RAM、ROM等からなりプログラムを実行するコンピュータである。
【0020】
第1コントローラ81は、各駆動台車13の動作を制御する。第1コントローラ81には、各駆動台車13のリニアモータ49及び分岐合流切替装置57が接続されている。さらに、第1コントローラ81には、第1移載装置15及び昇降装置35が接続されており、第1コントローラ81は、それらに駆動信号を送信可能である。第1移載装置15は、例えば、従来のスライドフォーク式であり、スライドフォーク15aを有している。
なお、走行状態に関する情報を検出するためのセンサは、各駆動台車13に設けられている。以上より、第1コントローラ81は、走行駆動、分岐切替など、各駆動台車13の個々の位置に基づいて適したタイミング・能力を制御できる。
【0021】
第2スタッカクレーン17は、第2コントローラ82を有している。第2コントローラ82は、CPU、RAM、ROM等からなりプログラムを実行するコンピュータである。
第2コントローラ82は、各駆動台車13の動作を制御する。第2コントローラ82には、各駆動台車13のリニアモータ49及び分岐合流切替装置57が接続されている。さらに、第2コントローラ82には、第2移載装置21及び昇降装置35が接続されており、第2コントローラ82は、それらのモータに駆動信号を送信可能である。
第2移載装置21は、ピース移載コンベア151と、ケース移載コンベア153とを有している。ピース移載コンベア151は、ピースコンベア155と、コンベアスライド装置157とを有している。ケース移載コンベア153は、アーム駆動装置159と、ケースコンベア161とを有している。第2移載装置21の詳細は後述する。
なお、走行状態に関する情報を検出するためのセンサは、各駆動台車13に設けられている。以上より、第2コントローラ82は、走行駆動、分岐切替など、各駆動台車13の個々の位置に基づいて適したタイミング・能力を制御できる。
【0022】
第1コントローラ81及び第2コントローラ82は、上位コントローラ83と交信可能である。上位コントローラ83は、CPU、RAM、ROM等からなりプログラムを実行するコンピュータである。上位コントローラ83は、自動倉庫3全体を制御し、特に、第1スタッカクレーン11及び第2スタッカクレーン17による容器23及び集品棚部材25の移載と搬送、及びこれらによる出庫物品の荷揃えを制御する。上位コントローラ83は、第1スタッカクレーン11及び第2スタッカクレーン17を管理し、これらに走行指令又は搬送指令を割り付ける割り付け機能を有している。なお、「搬送指令」は、走行指令、及び荷つかみ位置と荷おろし位置を含む移載指令を含んでいる。
【0023】
(3)アソート準備ステーション
ピッキングシステム1は、
図1に示すように、アソート準備ステーション101を有している。アソート準備ステーション101は、地上に配置されており、天井レール7(周回軌道の一例)の一部に平面視で近接して配置されている。アソート準備ステーション101は、第2スタッカクレーン17との間で、容器23を受け取り及び受け渡し可能な容器授受部103を有する。容器授受部103は、オーダーの有った商品が入っている在庫の容器23を、第2スタッカクレーン17から受け取ることができる。また、容器授受部103は、オーダー分を取り去った残りが入っている容器23を第2スタッカクレーン17に受け渡すことができる。なお、上記実施形態では、容器授受部103は容器受け渡し部と容器受け取り部を兼用していたが、容器受け渡し部と容器受け取り部は独立していてもよい。
さらに、アソート準備ステーション101では、オーダー分の商品を第2スタッカクレーン17に受け渡すことができる。そのような機構として、アソート準備ステーション101は、コンベア137を有している。具体的には、アソート準備ステーション101において、作業者又はロボットが、容器23に入った商品を取り出して、コンベア137に供給する。
【0024】
第2スタッカクレーン17は、天井レール7を走行してアソート準備ステーション101に接近し、次に、例えばアソート準備ステーション101から商品を受け渡される。第2スタッカクレーン17は、続いて、商品を自機内の容器23に投入する。さらに、第2スタッカクレーン17は、天井レール7を走行してラック5の棚5aに置かれた集品棚部材25に接近して、商品が入った容器23を集品棚部材25に移載する。例えば、第2スタッカクレーン17は商品ごとに上記動作を実行する。集品棚部材25に予定の商品が全て積み込まれると、次に、第1スタッカクレーン11が天井レール7を走行して集品棚部材25に接近し、次に、ラック5の棚5aに置かれた集品棚部材25を第1スタッカクレーン11に積み込む。その状態で、第1スタッカクレーン11は、天井レール7を走行して集品棚部材25を目的の場所に運ぶ。
【0025】
(4)デジタルアソートシステム・エリア
ピッキングシステムは、
図1に示すように、デジタルアソートシステム・エリア107を有している。このエリア107は、地上に設けられ、天井レール7の周回軌道の一部に平面視で近接して配置されたエリアである。エリア107は、
図1及び
図27に示すように、複数のパレットP及び集品棚部材25を載置可能な載置場所107aを有している。エリア107は、
図1に示すように、第1スタッカクレーン11から集品棚部材25を受け取る集品棚部材受け取り部109と、第1スタッカクレーン11に集品棚部材25を受け渡す集品棚部材受け渡し部111とを有する。なお、集品棚部材受け取り部109に対しては、第1スタッカクレーン11は、空の集品棚部材25及び容器23が積まれた集品棚部材25の両方を搬送可能である。また、集品棚部材受け取り部109と集品棚部材受け渡し部111は兼用されていてもよい。
このエリア107では、
図28に示すように、作業者が1種類の商品を積み込んだアソートカート113を用いて、集品棚部材25に収容された容器23に商品を配布していくことができる。アソートカート113は、コンピュータ(図示せず)及びディスプレイ113aを搭載しており、上位のコントローラ(例えば、上位コントローラ83)と通信可能である。作業者は、ディスプレイ113aに示された情報に基づいて作業を行う。なお、アソートカート113による仕分けは、例えば、ABCパレート分析のAグループに属する商品に適用される。
【0026】
ピッキングシステム1は、
図1に示すように、自動搬送車115を有している。自動搬送車115は、デジタルアソートシステム・エリア107に配置され、転動車輪を有する台車117に載置された集品棚部材25を押す又は引くことで、移動させる。自動搬送車115は、コンピュータ(図示せず)を搭載しており、上位のコントローラ(例えば、上位コントローラ83)と通信可能である。
また、第1スタッカクレーン11は、天井レール7の周回軌道を走行して、商品入り容器23が載った集品棚部材25を、デジタルアソートシステム・エリア107の集品棚部材受け取り部109に運ぶ。そして、
図29に示すように、第1スタッカクレーン11の第1移載装置15が、集品棚部材25を集品棚部材受け取り部109にある台車117の上に移載する。その後、
図30に示すように、自動搬送車115は、デジタルアソートシステム・エリア107において、台車117に載置された集品棚部材25を移動する。具体的には、自動搬送車115は、集品棚部材受け取り部109から集品棚部材25をエリア107の載置場所107aの所定の位置まで運ぶ。
また、自動搬送車115は、集品棚部材25をエリア107の載置場所107aから集品棚部材受け渡し部111まで運ぶ。その後、第1スタッカクレーン11は、天井レール7を走行して、集品棚部材受け渡し部111に接近して、そこから集品棚部材25を受け取る。
【0027】
(5)デパレ・ピッキングステーション
ピッキングシステム1は、
図1に示すように、デパレ・ピッキングステーション121を有している。デパレ・ピッキングステーション121は、地上に設けられ、天井レール7の一部に平面視で近接して配置されている。
具体的には、デパレ・ピッキングステーション121は、パレットPに載った荷物(例えば、商品が入った商品収容箱28)をパレットPから降ろす作業に用いられる。デパレ・ピッキングステーション121は、荷物授受部123を有している。荷物授受部123は、コンベア171と、ロボット(図示せず)とを有している。ロボットは、例えば、パレットPから商品収容箱28を降ろす。降ろされた荷物は、商品収容箱28のままで保管される。又は、ロボットが、パレットPに積まれた商品収容箱28から商品を取り出して、容器23に入れて保管することもできる。なお、上記実施形態では、荷物授受部は荷物受け渡し部と荷物受け取り部を兼用していたが、荷物受け渡し部と荷物受け取り部は独立していてもよい。
第1スタッカクレーン11は、例えば、天井レール7を走行して、商品収容箱28が積まれたパレットPをデパレ・ピッキングステーション121の荷物授受部123に運ぶ。デパレ・ピッキングステーション121では、荷物授受部123においてパレットPから荷物が降ろされる。
また、アソート準備ステーションと、デパレ・ピッキングステーションの機能を兼ね備えた1つのステーションを設けてもよい。
【0028】
(6)シュート
ピッキングシステム1は、
図1に示すように、天井レール7の一部に近接して配置され、容器23及び/又は商品を他の設備に排出するためのシュート127をさらに備えている。
例えば、第2スタッカクレーン17は、天井レール7を走行して、容器23をシュート127まで運ぶ。シュート127は、容器23及び/又は商品を他の設備に排出することで、方面別仕分けを行う。なお、第2スタッカクレーン17は、走行しながら容器23を127に排出できる。
【0029】
図31〜
図38を用いて、上記動作をより詳細に説明する。
図31及び
図32に示すように、デパレ・ピッキングステーション121の荷物授受部123は、コンベア171を有している。コンベア171は、例えばベルトコンベアであり、商品収容箱28から取り出された商品W1が置かれている。第2移載装置21は、荷物授受部123の側方に停止する。そして、ピースコンベア155が荷物授受部123側にスライドされる。
【0030】
続いて、
図33及び
図34に示すように、コンベア171及びピースコンベア155が駆動されて、商品W1はコンベア171からピースコンベア155に移動される。
続いて、
図35及び
図36に示すように、ピースコンベア155がコンベアスライド装置157によってスライドされて、左右方向の反対側に移動させられる。この状態で第2スタッカクレーン17は走行を続ける。
そして、第2スタッカクレーン17がシュート127に接近すると、
図37及び
図38に示すように、ピースコンベア155が駆動されて、商品W1をシュート127に投入する。このように第2スタッカクレーン17が走行しながら商品W1をシュート127に投入できる。なお、商品W1は、例えば、ABCパレート分析におけるAグループの商品であって、シュート127によって方面別出荷エリアに直接搬送される。
【0031】
別の例として、第2スタッカクレーン17がシュート127に接近すると、
図39及び
図40に示すように、ケースコンベア161が駆動されて、容器23をシュート127に投入する。このように第2スタッカクレーン17が走行しながら容器23をシュート127に投入できる。
以上に述べたように、シュート127は、容器単位又は商品単位での方面向け搬送を可能にする。
【0032】
(7)搬送動作の一例
以下、集品システムとしてのピッキングシステムの搬送動作を説明する。
例えば、上位コントローラ83は、オーダーに基づいて、オーダー単位で準備する商品の情報と、準備された商品が載置される集品棚部材25の情報とを含む商品の搬送指令を第2スタッカクレーン17に送信する。それにより、第2スタッカクレーン17は、例えばパレットPに搭載された集品棚部材25又は商品収容箱28から取り出された商品を、指定された集品棚部材25に搬送する。「準備する商品の情報」は、商品が置かれているステーション又はコンベアの位置を含み、商品の種類、商品の個数、は含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。「準備された商品が載置される集品棚部材25の情報」は、容器23が置かれる位置を含んでおり、好ましくは、集品棚部材25の位置も含んでいる。上位コントローラ83は、さらに、商品が載置された集品棚部材25を出庫する出庫指令を第1スタッカクレーン11に送信する。それにより、第1スタッカクレーン11は、集品棚部材25ごと商品を出庫させる。
【0033】
搬送指令が発されると、第2スタッカクレーン17が、商品を集品棚部材25に搬送する。これにより、集品棚部材25に商品が過不足なく集められる。すなわち、例えば個別配送先の商品群が容器23単位で集められ、さらに各容器23が集品棚部材25に出庫単位で集められるので、出庫に不要な商品が集品棚部材25に集められることがなく、また、商品が不足した状態の容器23が集品棚部材25に集められることもない。次に、上位コントローラ83は、準備された商品が載置される集品棚部材25の情報を含む商品の出庫指令を第1スタッカクレーン11に送信する。そして、第1スタッカクレーン11が、商品がそろえられた集品棚部材25を棚5aから運び出す。この結果、この集品システムにおいて、集品棚部材25に商品が過不足なくそろった状態で出庫可能になる。
なお、第2スタッカクレーン17による搬送動作の前に、アソート準備ステーション101においては、必要な数の商品が準備される動作が行われ、第2スタッカクレーン17は、アソート準備ステーション101から商品を積み込むことが好ましい。この場合は、オーダーがあった商品をその数だけを準備することになり、効率が良くなる。具体的には、第2スタッカクレーン17が、前もって商品が入った容器23をアソート準備ステーション101に搬送する。さらに、作業者が、アソート準備ステーション101において、投入する商品の種類及び数を確認し、さらに投入準備していることが好ましい。
【0034】
図6を用いて、上記の制御動作をさらに詳細に説明する。なお、以下の説明では、各装置のコントローラが制御を行っている。
なお、本明細書の制御フローチャートは例示であって、必要に応じて、各ステップの順序を変えたり、各ステップを省略したりしてもよい。また、必要に応じて、複数のステップが同じタイミングで実行されてもよい。
図6において、ステップS1では、上位コントローラ83は、オーダー単位及び出庫単位の情報に基づいて、第2スタッカクレーン17の第2コントローラ82に対して、搬送指令を送信する。この場合、送信先である第2スタッカクレーン17は1台又は複数台である。
なお、上位コントローラ83は、第2スタッカクレーン17に供給する商品を準備する作業の指示内容を、アソート準備ステーション101に送信してもよい。アソート準備ステーション101へ指示される内容は、例えば、商品の情報(または容器の情報)、取り出す数量、置く位置を含んでいる。これにより、作業者は、第2スタッカクレーン17に供給する商品を準備できる。具体的には、作業者は、アソート準備ステーション101でのモニタを用いて、例えば、第2スタッカクレーン17に投入する商品の種類、数、投入タイミング、投入位置を知ることができる。
【0035】
ステップS2では、第2スタッカクレーン17が、アソート準備ステーション101から商品を受け取る。なお、第2スタッカクレーン17の第2移載装置21は、ステップS2において商品を受け取る前に、必要な数の容器23を積み込んでおく。第2スタッカクレーン17が容器23を積み込む場所は、例えば、ラック5内の集品棚部材25、又はデパレ・ピッキングステーション121である。
ステップS3では、オーダー単位の商品を容器23に投入することが完了したか否かが判断される。完了していれば(ステップS3でYes)、プロセスはステップS4に移行する。完了していなければ(ステップS3でNo)、プロセスはステップS2に戻る。つまり、オーダー単位の商品が全て容器23に投入されるまで、ステップS2が繰り返される。
ステップS4では、第2スタッカクレーン17が、商品入り容器23を指定された集品棚部材25に搬送する。
【0036】
ステップS5では、集品棚部材25において容器23が出庫単位までそろったか否かが判断される。出庫単位まで容器がそろっていれば(ステップS5でYes)、プロセスはステップS6に移行する。出庫単位まで容器がそろっていなければ(ステップS5でNo)、プロセスはステップS2に移行し、第2スタッカクレーン17による容器搬送が繰り返される。なお、異なる容器の搬送は異なる第2スタッカクレーン17によって行われてもよい。
また、上記実施形態では集品棚部材25において容器23が出庫単位までそろえば直ちに集品棚部材25を出庫しているが、出庫のタイミングは後にずらしてもよい。また、上記実施形態では集品棚部材25において容器23が出庫単位までそろわなければ集品棚部材25を出庫していないが、出庫のタイミングは前にずらしてもよい。
なお、アソート準備ステーション101及び第2移載装置21による仕分けは、例えば、ABCパレート分析のB,Cグループに属する商品に適用される。
【0037】
図7〜
図22を用いて、上記の第2スタッカクレーン17による容器搬送ステップの動作を説明する。最初に、
図7及び
図8を用いて、第2移載装置21の構成を説明する。
ピース移載コンベア151は、商品を移載するための移載装置である。ピース移載コンベア151は、左右方向に並んだピースコンベア155を有している。ピースコンベア155は、この実施形態では、走行方向に並んでおり、合計4台設けられている。ピースコンベア155は、左右方向に商品を搬送可能であり、例えば、ベルトコンベアである。ピースコンベア155は、コンベアスライド装置157(
図5)によって、左右方向にスライド可能になっている。
図7及び
図8では、ピースコンベア155は左右方向に分かれた位置に配置されており、間に隙間158を形成している。
ケース移載コンベア153は、容器23を移載するための移載装置である。ケース移載コンベア153は、ピース移載コンベア151の下方に配置されている。ケース移載コンベア153は、アーム駆動装置159を有している。アーム駆動装置159は、アーム153aを左右方向に伸縮することで、容器23を移載する装置である。ケース移載コンベア153は、左右方向に並んだ一対のケースコンベア161を有している。ケースコンベア161は、左右方向に容器23を搬送可能であり、例えば、ベルトコンベアであり、荷物が置かれる駆動載置面161aを有する。
【0038】
最初の動作として、第2スタッカクレーン17の第2移載装置21が容器23を集品棚部材25から取り込む動作を説明する。
図7及び
図8に示すように、第2移載装置21は、空の容器23が積まれた集品棚部材25が置かれた目的の棚5aの側方に配置される。
この状態から、
図9及び
図10に示すように、アーム駆動装置159がアーム159aを棚5a側に伸ばして、アーム159aに2個の容器23を係合させる。続いて、
図11及び
図12に示すように、アーム駆動装置159がアーム159aを第2移載装置21側に縮ませて、2個の容器23をケースコンベア161の上に移動させる。なお、移動させる容器23の数は1個でもよいし、3個以上でもよい。
なお、第2スタッカクレーン17の第2移載装置21が容器23を受け取る先は、デパレ・ピッキングステーション121であってもよい。その場合、例えば容器23が収納された集品棚部材25又は商品収容箱28をラック5から搬送してきてデパレ・ピッキングステーション121において必要な数の容器23を取り出して準備してもよい。
【0039】
次の動作として、第2移載装置21が商品をアソート準備ステーション101から取り込む動作を説明する。
アソート準備ステーション101においては、上位コントローラ83からの指令に基づいて、必要な数の商品がすでに準備されている。準備の一例としては、第2スタッカクレーン17が在庫商品の入った容器23をアソート準備ステーション101に搬送し、次に例えば作業者が容器23から必要数量の商品を取り出し、その商品をコンベア137上に載置する。
図13及び
図14に示すように、第2移載装置21は、アソート準備ステーション101の容器授受部103のコンベア137の側方に配置される。また、ピースコンベア155は全てが左右方向のコンベア137側に幅寄せされている。また、商品Wがコンベア137の上に搭載されている。コンベア137上への商品Wの搭載はロボット又は作業者によって行われる。以上に述べたように、ピースコンベア155は、コンベアスライド装置157によって走行方向に交差する方向の端部へスライドさせられることで、コンベア137と近接してそれによりコンベア137との間で商品Wを移載可能になる。
この状態から、
図15及び
図16に示すように、コンベア137及びピースコンベア155が駆動されることで、商品Wがコンベア137からピースコンベア155へと移動される。このようにピース移載コンベア151が左右方向の端部側にスライドさせられることで、コンベア137と近接してそれによりコンベア137との間で商品Wを移載可能になっている。
続いて、
図17及び
図18に示すように、ピースコンベア155が第2移載装置21において左右方向両側に離れた位置に移動させられる。この状態で、次に、
図19及び
図20に示すように、ピースコンベア155が駆動されることで商品Wを隙間158側に移動させる。これにより、商品Wは隙間158から下方に落下して、容器23内に投入される。このようにして、ピース移載コンベア151によって、商品Wを第2スタッカクレーン17に積み込んで、さらに容器23に投入(ピースアソート)できる。なお、
図17〜
図20の動作中は、第2スタッカクレーン17は走行している。
【0040】
さらに次の動作として、第2移載装置21が商品入り容器23を集品棚部材25に積み込む動作を説明する。
図21及び
図22に示すように、第2移載装置21は、目的となる集品棚部材25が置かれた目的の棚5aの側方に配置される。この状態から、アーム駆動装置159がアーム159aを棚5a側に伸ばして、2個の容器23を集品棚部材25内に搬入する。
以上の動作は、必要に応じて商品ごとに第2スタッカクレーン17が繰り返す。この結果、
図23に示すように、オーダー単位の複数種類の商品が入っている容器23が積まれた集品棚部材25が完成する。つまり、オーダー単位の容器23を集品棚部材25に出荷単位で集約して、それらを一括して搬送・出庫できる(グループ出庫)。
なお、第2スタッカクレーン17によって、集品棚部材25同士の間で容器23単位での入れ替えが可能である。
【0041】
以上に述べたように、ピースコンベア155は、商品を容器23に投入する投入装置として機能する。ケースコンベア161は、容器23が載置される容器載置部として機能し、荷物が置かれる駆動載置面161aを有する。ピースコンベア155は、ケースコンベア161の上方に設けられている。そして、ピースコンベア155が駆動されることで駆動載置面155a上の商品を搬送し、そのままに商品を下方に落下させることで、ケースコンベア161に載置された容器23に商品を投入する。このようにして、投入装置の構造が簡単になる。
ピースコンベア155が商品を容器23に投入して、そのまま状態で第2スタッカクレーン17が容器23を搬送する。そして、第2スタッカクレーン17は、容器23に入った商品をそのまま集品棚部材25に搬入する。このように容器23への商品の積み込みが簡単に行われるので、搬送能力が向上している。
【0042】
図6に戻って、ステップS6では、上位コントローラ83は、第1スタッカクレーン11の第1コントローラ81に対して、出庫指令を送信する。
ステップS7では、第1スタッカクレーン11が、上記の集品棚部材25を受け取る。
ステップS8では、第1スタッカクレーン11が、集品棚部材25を例えばエリア107に搬送する。
【0043】
図23〜
図25を用いて、上記の第1スタッカクレーン11による集品棚部材搬送ステップの動作を説明する。
図23及び
図24に示すように、第1移載装置15は、集品棚部材25が置かれた棚5aの側方に配置される。そして、第1移載装置15は、スライドフォーク15aを棚5a側に伸ばして、集品棚部材25を下方から支持する。続いて、
図24に示すように、スライドフォーク15aを縮めることで、集品棚部材25を第1移載装置15の上に移載する。この状態で、第1スタッカクレーン11は目的地まで走行する。
【0044】
図25に示すように、第1スタッカクレーン11は、エリア107の集品棚部材受け取り部109に置かれた台車117の上に集品棚部材25を移載する。以上にて、第1スタッカクレーン11による集品棚部材25の搬送は終了する。
次に、
図26に示すように、自動搬送車115が、台車117を押す又は引くことによって載置場所107aの中の1カ所又は検査・梱包場(図示せず)まで集品棚部材25を搬送する。
なお、集品棚部材25の搬送は、例えばフォークリフトなどの他の搬送装置によって行ってもよい。
【0045】
2.実施形態の特徴
ピッキングシステム1(ピッキングシステムの一例)は、天井レール7(周回軌道の一例)と、ラック5(ラックの一例)と、第1スタッカクレーン11(第1スタッカクレーンの一例)と、第2スタッカクレーン17(第2スタッカクレーンの一例)と、アソート準備ステーション101(アソート準備ステーションの一例)と、を備えている。
ラック5は、天井レール7の一部に沿って設けられ、容器23(容器の一例)又は複数の容器23を収納できる集品棚部材25(集品棚部材の一例)を収納可能な複数の棚5a(棚の一例)を有する。
第1スタッカクレーン11は、天井レール7を走行可能であり、集品棚部材25を移載可能な第1移載装置15(第1移載装置)を有する。
第2スタッカクレーン17は、天井レール7を走行可能であり、容器23を移載可能な第2移載装置21(第2移載装置)を有する。
アソート準備ステーション101は、天井レール7の一部に近接して配置され、第2スタッカクレーン17から容器23を受け取り及び第2スタッカクレーンに商品を受け渡し可能な容器授受部103(容器受け取り部、容器受け渡し部の一例)を有する。
容器授受部103は、オーダーのあった商品が入っている在庫の容器23を第2スタッカクレーン17から受け取ることができる。また、容器授受部103は、オーダー分を取り去った残りの商品が入っている容器23を第2スタッカクレーン17に受け渡すことができる。
【0046】
3.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(1)前記実施形態ではスタッカクレーンは懸垂式であったが、地上走行式であってもよい。
(2)前記実施形態ではスタッカクレーンは駆動台車の数が異なる2種類が用いられていたが、1種類であってもよいし、3種類以上であってもよい。
(3)第1移載装置と第2移載装置の具体的な構成は、前記実施形態に限定されない。公知の移載装置を用いてもよい。
(4)前記実施形態では投入装置はスライド可能なコンベアで構成されていたが、他の構成であってもよい。