特開2016-210669(P2016-210669A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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▶ 宮後 親治の特許一覧

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  • 特開2016210669-有機質肥料の真空保存 図000003
  • 特開2016210669-有機質肥料の真空保存 図000004
  • 特開2016210669-有機質肥料の真空保存 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-210669(P2016-210669A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】有機質肥料の真空保存
(51)【国際特許分類】
   C05F 11/00 20060101AFI20161118BHJP
【FI】
   C05F11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2015-106836(P2015-106836)
(22)【出願日】2015年5月8日
(71)【出願人】
【識別番号】515143005
【氏名又は名称】宮後 親治
(72)【発明者】
【氏名】宮後 親治
【テーマコード(参考)】
4H061
【Fターム(参考)】
4H061AA10
4H061EE66
4H061FF08
4H061GG48
4H061GG70
4H061HH28
4H061LL03
(57)【要約】
【課題】従来の有機質肥料は、製品化された後も微生物が活動し続けるので、製品そのものの醗酵、分解が進行し劣化が進む。つまり植物栄養としての鮮度が失われていく。
【解決手段】有機質肥料を充填した包装容器を密封、真空状態にすることにより、微生物の働きに必要な空気と水分の供給を遮断し、発酵、分解を停止させる。これにより、最適な肥効を備えた有機質肥料を保存できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密封、真空保存された有機質肥料
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、有機質肥料を真空保存することにより、肥効の劣化を防ぐとともに最適の肥効を保持するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有機質肥料は微生物の働きを応用して有機原材料の醗酵・分解を促進させることにより製造されるが、製造後の製品の保管、流通、農地施用の各段階でも常に微生物は活動しており、醗酵・分解は進行している。従って、製品でありながらも醗酵・分解が進行する限り植物栄養としての鮮度が落ちて肥効の劣化は進むので、最適の肥効を保持したまま保管、流通することは困難であった。
【0003】
最適の肥効は肥料効果の意であり、C/N比の測定値で表示する。Cは炭素量、Nは窒素量を表す。その他肥効は、含有成分、水分、pH、EC(電気伝導度)等の基準値乃至設計値でも表示される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「有機栽培の基礎と実際、2007年」社団法人農山漁村文化協会発行、28ページ図1−5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
有機質肥料はその製造段階、保管の段階、流通の段階、農地施用の各段階のどの段階においても常に微生物は活動しており、そのため醗酵・分解は進行している。つまり微生物が働いている限り品質の劣化は進んでいる。
【0006】
従来、微生物の働きとそれに伴う劣化を抑制するために、ぼかし肥料と称して土に有機質肥料を混合していた。その場合でも発行・分解とそれに伴う肥効の劣化は完全には止められないし、大量生産には大量の土が必要である、という弱点がある。
【0007】
従って、最適の肥効を得るための品質を一定に保つことができない。つまり肥効調節が難しく、また大量の土を必要とするという欠点が課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
微生物の活動による有機物の醗酵・分解作用は有機質肥料の製造に応用される。そのことは有用であるが、また一方では製品の保管や流通に要する期間中の経時に伴う肥効劣化にも作用し続けている。有機質肥料は、品質の劣化を防止するために最適の肥効を発揮する段階で微生物の活動を停止させた状態を保持することが望まれる。
【0009】
微生物の働きを停止させるためには、微生物の働きに必要な空気と水分の供給を遮断する必要がある。
【0010】
空気と水分の供給を遮断するためには、製品包装の容器内に製品である有機質肥料を密封し、容器内に残存する空気を吸引して真空状態にすることにより、それが可能である。以上の作業工程をこの課題の解決手段とする。
【0011】
本発明は、最適の肥効をもつ製品として完成された有機質肥料を密封、真空保存することにより、肥効劣化を防ぐと共に、最適の肥効を保持した有機質肥料を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
肥効の劣化を防ぐとともに、有機質肥料として最適の肥効を保持した状態で保存出来る。
【0013】
最適の肥効を得る状態で製品の品質管理が出来るので、有機質肥料の弱点である施肥設計の精度が高まる。
【0014】
製品袋に密封性のプラスチック袋等を使用することにより製品の減容化が図れるので、保管、移送、輸送を容易にし且つそれに要するコストの削減に寄与する。
【0015】
ぼかし肥料のように、大量の土を必要としないので大量生産が可能である。
【0016】
臭気を遮断した状態で長期の保存に耐えうるので環境保全はもとより、人間の健康にとっても安全な有機農業の発展に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の有機質肥料を包装容器に充填している工程の図。
図2】包装容器に充填後、密封、真空保存され且つ減容化された図。
図3】真空保存、減容化された図2の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図1図2図3に基づいて説明する。
【0019】
図1において、2は有機質肥料製品の包装のための供給装置で、最適の肥効を得た状態で有機質肥料製品1を、包装容器(プラスチック袋)3に充填する。
【0020】
4は包装容器の密封シール部分である。
【0021】
図2において、製品である有機質肥料製品1を充填した包装容器3を密封し中の空気を抜出して真空状態にする。
【0022】
図3は、図2の側面図である。
【0023】
以上のように、本実施形態によれば、有機質肥料を真空保存することにより、製品の劣化を防ぎ、最適な肥効を保持することが可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 製品である有機質肥料
2 製品の供給装置
3 包装容器(プラスチック袋等)
4 包装容器の密封シール部
5 包装容器を密封シールした状態
図1
図2
図3