(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-210966(P2016-210966A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】促進剤、固化剤及び希釈剤の配合方法とアミンブラッシング及びアミンブルーミング消去への応用
(51)【国際特許分類】
C09D 201/00 20060101AFI20161118BHJP
C07C 215/50 20060101ALI20161118BHJP
C09D 7/12 20060101ALI20161118BHJP
【FI】
C09D201/00
C07C215/50
C09D7/12
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2016-80598(P2016-80598)
(22)【出願日】2016年4月13日
(31)【優先権主張番号】201510220718.6
(32)【優先日】2015年5月4日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516111339
【氏名又は名称】林 登科
(71)【出願人】
【識別番号】516111340
【氏名又は名称】林 哲修
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】林 登科
(72)【発明者】
【氏名】林 哲修
【テーマコード(参考)】
4H006
4J038
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB48
4H006AB49
4H006BN30
4H006BU38
4J038DB001
4J038DG001
4J038JB01
4J038JB04
4J038JB05
4J038JB07
4J038JB08
4J038JB09
4J038KA02
4J038KA03
4J038KA07
4J038NA05
4J038NA12
(57)【要約】
【課題】促進剤、固化剤及び希釈剤の配合方法とアミンブラッシング及びアミンブルーミング消去への応用を提供する。
【解決手段】 本発明は特許文献1の一部応用の発展である。特許文献1に開示する促進剤、固化剤及び希釈剤は、低温及び高湿度状況下で、エポキシ樹脂(Epoxy resins)、ポリウレタン樹脂(Polyurethane resins)、ポリ尿素樹脂(Polyurea resins)及びポリイソシアネート樹脂(Polyisocyanate resins)と混合後の硬化時間が長過ぎ、しかもアミンブラッシング(Amine blushing)、表面アミンブルーミング(Amine blooming)或いはトレッド面現象等の深刻な欠点を生じる。よって、本発明は改善を加え硬化時間を短縮し、本発明は配合及びその比率が一定の状況下で、前記樹脂の深刻な欠点を取り除くことができるため、本発明は特許文献1に比べ、より進歩して顕著な効果を備え、しかも幅広い適用性を備える。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する促進剤は、以下の式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)及び(7)に示す化学構造式の7種の化合物を含み、
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
その内、RはC
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、
【数1】
はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチラール或いはベンズアルデヒド及びその混合物がマンニッヒ縮合反応を経たグループで、しかも式(1)化合物の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(2)、(3)及び(4)化合物合計の重量パーセンテージは、2.5%〜30%の間で、式(5)、(6)及び(7)化合物合計の重量パーセンテージは、2.5%〜30%の間であることを特徴とするアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する促進剤。
【請求項2】
前記式において、
【数2】
はベンズアルデヒドがマンニッヒ縮合反応を経たグループであることを特徴とする請求項1に記載のアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する促進剤。
【請求項3】
前記促進剤は、固化剤の希釈剤とできることを特徴とする請求項1或いは2に記載のアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する促進剤。
【請求項4】
アミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第一固化剤は、以下の式(8)、(9)、(10)、(11)、(12)及び(13)に示す化学構造式の6種の化合物を含み、
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
その内、R
’’はH、C
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
’、R
’1、R
’2及びR
’3はポリアミン類化合物グループで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、
【数3】
はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチラール或いはベンズアルデヒド及びその混合物がマンニッヒ縮合反応を経たグループで、しかも式(8)、(9)及び(10)化合物合計の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(11)、(12)及び(13)化合物合計の重量パーセンテージは5%〜60%の間であることを特徴とするアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第一固化剤。
【請求項5】
前記式において、
【数4】
はベンズアルデヒドがマンニッヒ縮合反応を経たグループであることを特徴とする請求項4に記載のアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第一固化剤。
【請求項6】
アミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する促進剤或いは固化剤の希釈剤は、以下の式(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)及び(20)に示す化学構造式の7種の化合物を含み、
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
その内、RはC
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、φはベンゼンで、しかも、式(14)化合物の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(15)、(16)及び(17)化合物合計の重量パーセンテージは、2.5%〜30%の間で、式(18)、(19)及び(20)化合物合計の重量パーセンテージは、2.5%〜30%の間であることを特徴とするアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する促進剤或いは固化剤の希釈剤。
【請求項7】
アミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第二固化剤は、以下の式(21)、(22)、(23)、(24)、(25)及び(26)に示す化学構造式の6種の化合物を含み、
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
その内、R’’はH、C
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
’はポリアミン類化合物グループで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、φはベンゼンで、しかも、式(21)、(22)及び(23)化合物合計の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(24)、(25)及び(26)化合物合計の重量パーセンテージは5%〜60%の間であることを特徴とするアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第二固化剤。
【請求項8】
アミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第三固化剤は、以下の式(8)、(9)、(10)、(11)、(12)及び(13)に示す第一固化剤の化学構造式の6種の化合物、
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
及び以下の式(21)、(22)、(23)、(24)、(25)及び(26)に示す第二固化剤の化学構造式の6種の化合物を含み、
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
その内、R
’’はH、C
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
’、R
’1、R
’2及びR
’3はポリアミン類化合物グループで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、
【数5】
はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチラール或いはベンズアルデヒド及びその混合物がマンニッヒ縮合反応を経たグループで、φはベンゼンで、 その内、第一固化剤中の式(8)、(9)及び(10)化合物合計の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(11)、(12)及び(13)化合物合計の重量パーセンテージは5%〜60%の間で、
第二固化剤中の式(21)、(22)及び(23)化合物合計の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(24)、(25)及び(26)化合物合計の重量パーセンテージは5%〜60%の間で、
しかも、第三固化剤中の第一固化剤の重量パーセンテージは、5%〜95%の間で、第二固化剤の重量パーセンテージは、5%〜95%の間であることを特徴とするアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第三固化剤。
【請求項9】
前記R’は、ポリアミン類化合物で、しかも脂肪族ポリアミン、芳脂族ポリアミン、芳香族ポリアミン、脂環族ポリアミン、複素環族ポリアミン、ポリオキシアルキレン類化合物及びポリアミノアミドにより組成されるグループより選択することを特徴とする請求項8に記載のアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第三固化剤。
【請求項10】
前記R’は、ポリアミン類化合物で、しかもアミノエチルピペラジン、アミノエチルピペラジンのアルジミン或いはケチミン、少なくとも1個の第2級アミンを含むアルジミン或いはケチミン、及びシリコン類を含むアルジミン或いはケチミンにより組成されるグループより選択することを特徴とする請求項8に記載のアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第三固化剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は促進剤、固化剤及び希釈剤の配合方法とアミンブラッシング及びアミンブルーミング消去への応用に関し、特に特許文献1の一部応用の発展で、特許文献1は固化剤及び促進剤の調製方法に関し、特にマンニッヒ縮合反応及びトランスグルタミナーゼ反応を利用し固化剤及び促進剤を調製する方法で、特許文献1はさらに該方法及びCNSL(Cashew Nut Shell Liquids)から派生する固化剤及び促進剤の利用に関し、それはエポキシ樹脂(Epoxy resins)、ポリウレタン樹脂(Polyurethane resins)、ポリ尿素樹脂(Polyurea resins)等材料の固化剤、促進剤及び希釈剤に応用され、本発明は特許文献1の製品は適当な配合及び比率で調整することで、低温硬化の効果を強化できるばかりか、アミンブラッシング(Amine blushing)、表面アミンブルーミング(Amine blooming)或いはトレッド面現象等の硬化剤の長年の欠点を取り除くことができる促進剤、固化剤及び希釈剤の配合方法とアミンブラッシング及びアミンブルーミング消去への応用に関する。
【背景技術】
【0002】
ベエポキシ樹脂(Epoxy resins)、ポリウレタン樹脂(Polyurethane resins)、ポリ尿素樹脂(Polyurea resins)及びポリイソシアネート樹脂(Polyisocyanate resins)は、工業用床板或いはその表面のコーティング保護(Coating protection)、或いは商業用床板の装飾用途の重要材料に応用される。特に工業防腐蝕塗料の用途が最も有名で、スムーズな作業のため、コーティングの塗布は、常温で行う必要がある。
【0003】
一方、大部分の常温固化のエポキシ樹脂塗料は、改良されたポリアミン(Modified polyamine)を、固化剤とするが、寒冷な気候では、その固化に必要な時間は非常に長くなる。さらに深刻なのは、エポキシ樹脂、ポリウレタン及びポリ尿素と各種類の硬化剤を混合後、寒冷気候及び高湿度の環境下では、塗料施工表面にはしばしば汚点が出現する。それが、アミンブラッシング(Amine blushing)、アミンブルーミング押出成形物(Extrudate)或いはブルーミング(Blooming)或いはパウダー状等の醜く及び破壊的な深刻な表面現象の欠陥である。これら水溶性物質は、石鹸水或いは界面活性剤による洗浄で除去できるが、人力と余計な費用が必要となる。しかも、塗料表面の乾燥後でなければ洗浄による除去を行うことができないため、工期の延長を引き起こし、工期の延長は違約金の徴収につながる恐れもある。さらに、洗浄除去の方法は、時間と労力の無駄遣いであるばかりか、完全な除去を保証することもできない。
【0004】
アミンブラッシング(Amine blushing)とアミンブルーミング(Amine blooming)は異なる化学反応現象である。アミンブラッシングとは、空気中の水分と二酸化炭素とが薄膜表面に凝結することで、薄膜表面のアミンと化学反応を起こした後、水が蒸発して形成される白色の汚染であり、これにより薄膜表面は光沢を失い美観を損なう。アミンブルーミング(Amine blooming)は、塗料樹脂中の水溶性物質の浮出表面と空気中の水分及び二酸化炭素とが化学作用を起こし、薄膜表面に残す透明な水溶性油脂である。前述のアミンブラッシング及びアミンブルーミングを取り除きも処理もせずに、薄膜表面にさらに塗料を塗布すれば、油状物は離型剤般のように働き、薄膜表面及び塗料を相互に剥離(Peel up)させてしまう。
また、多数の固化剤は親水性で、空気中の水分及び二酸化炭素を吸収し、固化剤の親水性が高ければ、親油性のエポキシ樹脂と互換せず、混合体が濁る。ポリアミン(polyamine)及びポリアミド(polyamide)はともに、アミンブラッシング(Amine blushing)とアミンブルーミング(Amine blooming)の現象を生じるが、ポリアミンがアミンブラッシング及びとアミンブルーミングを生じる確率はより高い。
【0005】
エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ尿素樹脂、ポリイソシアネート樹脂或いはポリアミド樹脂硬化剤の発明は、すでに五十〜六十年を経ているにもかかわらず、前述の既存の問題がまだ完全に解決されておらず、使用者も製造会社も手をこまねいている。エポキシ樹脂を製造する米国化学界で上位に君臨する大手企業、ダウケミカル(Dow Chemical company)も、前述の表面現象に対してはどうすることもできていない。しかも、ダウケミカルの技術公示(Technical bulletin)における「Amine Blushing and Blooming of Epoxy Binder Systems」においては、数十人の使用者が表面現象等問題の解決を訴えている。しかし、現在の解決方法は、水を使用して洗浄した後きれいにふき取るというものである。しかし、それでは表面現象の問題を根治することはできず、しかも使用者に極めて大きな面倒をかけている。
【0006】
前述の表面現象に対するもう一つの解決方法として、晴天の気温が比較的高い環境下で表面施工を行うというものがある。こうすれば、アミンブラッシング(Amine blushing)、アミンブルーミング押出成形物(Extrudate)或いはブルーミング(Blooming)の表面現象の発生を抑えることができる可能性がある。よって、一部の施工会社では施工前に天気の変化を慎重に観察し、気象予測会社などが天気の湿/冷への変化を予測すると、施工を停止したりしている。しかし、それも確実なものではなく、しかも長い工期のスケジュールにおいて、施工期間の天気状況を正確に予測することは難しく、不利な天気状況においても、契約上の工期に基づき施工を継続しなければならないこともある。その結果、やはり前述の表面現象が発生してしまう。しかし、前述の表面現象を無視して、欠陥表面現象が生じたコーティング上に施工を継続すれば、コーティングどうしが確実に付着せず、後続のコーティングが剥離し、施工が失敗してしまうことも起こり得る。
【0007】
最近米国エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air-Products and Chemicals, Inc., USA)が申請した米国特許(特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8)の内容はどれも近似しており、油性が強い炭化水素官能基或いはベンゼン類官能基を、ポリアミン分子に連結し、ポリアミンの親油性を拡大するものである。しかし、製造プロセスでは水素ガスを使用し、800〜850psi以上(約60atm(即ち60大気圧))まで加圧しなければならない。よって、高圧反応炉を使用する必要があり、生産コストが高く付く。しかも、使用する触媒(Catalyst)は貴金属であるが、一度の使用で廃棄されるため、環境に悪影響を及ぼし、しかも製品を高価にしてしまう。さらに、それは良好な効果にまで達してはおらず、フェニル基を使用すれば、親水性のポリアミン類を親油性に変えられるというその考え方は簡単過ぎる。
【0008】
例えば、親油性のベンゼン分子に、極親油性のCNSLを加える。CNSLは、十五個の炭素が連なった長鎖であるため、その親油性は極めて強く、しかも少なくとも1個のフェニル基を加えなければ、親水性が強いポリアミンを親油性とすることはできない。
本発明人は特許文献1の請求項6において、アルデヒド類化合物であるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチラール或いはベンズアルデヒド及びその混合物を開示した。ベンズアルデヒドを例とし、その構造が、以下の式(i)に記載する。
【0009】
【化1】
【0010】
内、式(i)中の右上はDETA(Diethylenetriamine,ジエチレントリアミン)で、式(i)中の2個の親油性構造の一つは式(i)左下の長炭素鎖C
15H
2y+1で、yは12〜15の間の任意の整数で、もう一つは式(i)右側のフェニル基である。こうして初めて、親水性のDETAは親油性に転換される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】中国特許申請第201110357015.X号明細書(中国特許許可公告第103102506号)
【特許文献2】米国特許第US8143331号明細書
【特許文献3】米国特許第US8147964号明細書
【特許文献4】米国特許第US8168296号明細書
【特許文献5】米国特許第US8198395号明細書
【特許文献6】米国特許第US8318309号明細書
【特許文献7】米国特許第US8501997号明細書
【特許文献8】米国特許第US8513376号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は促進剤、固化剤及び希釈剤の配合方法とアミンブラッシング及びアミンブルーミング消去への応用に関する。
促進剤、固化剤及び希釈剤の配合を研究し、既存の塗料の化学分子構造を改造し、適当な配合及び比率に調整し、これにより前述の欠点を徹底的に解決した。
【課題を解決するための手段】
【0013】
低温及び高湿度環境下で使用可能な固化剤がないという既存の技術の欠点を、特許文献1では、解決しているが、なお深刻な欠点がある。それは、塗料施工表面にしばしば汚点が生じる現象である。例えば、アミンブラッシング(Amine blushing)、アミンブルーミング押出成形物(Extrudate)或いはブルーミング(Blooming)或いはパウダー状等の醜く及び破壊的な深刻な表面現象の欠陥を解決するため、促進剤を提出する。
それは下式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)に示す7種の化学構造式の化合物を含む。
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
その内、RはC
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、
【0022】
【数1】
はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチラール或いはベンズアルデヒド及びその混合物がマンニッヒ縮合反応を経たグループ(moiety)であるで、しかも式(1)化合物の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(2)、(3)及び(4)化合物合計の重量パーセンテージは、2.5%〜30%の間で、式(5)、(6)及び(7)化合物合計の重量パーセンテージは、2.5%〜30%の間である。
【0023】
アミンブラッシング及びアミンブルーミングを除去する促進剤において、
【0024】
【数2】
はベンズアルデヒドがマンニッヒ縮合反応を経たグループ(moiety)である。
【0025】
アミンブラッシング及びアミンブルーミングを除去する促進剤において、該促進剤は固化剤の希釈剤である。
【0026】
本発明はさらに、アミンブラッシング及びアミンブルーミングを除去する第一固化剤を提供する。それは、以下の式(8)、(9)、(10)、(11)、(12)及び(13)に示す化学構造式の6種の化合物を含む。
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
その内、R
’’はH、C
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
’、R
’1、R
’2及びR
’3はポリアミン類化合物グループで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、
【0034】
【数3】
はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチラール或いはベンズアルデヒド及びその混合物がマンニッヒ縮合反応を経たグループ(moiety)である。しかも、式(8)、(9)及び(10)化合物合計の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(11)、(12)及び(13)化合物合計の重量パーセンテージは5%〜60%の間である。
【0035】
上述のアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第一固化剤において、
【0036】
【数4】
はベンズアルデヒドがマンニッヒ縮合反応を経たグループ(moiety)である。
【0037】
本発明はさらにアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する促進剤或いは固化剤の希釈剤を提供する。それは、以下の式(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)及び(20)に示す化学構造式の7種の化合物を含む。
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
【化19】
【0043】
【化20】
【0044】
【化21】
【0045】
その内、RはC
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、φはベンゼンである。しかも、式(14)化合物の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(15)、(16)及び(17)化合物合計の重量パーセンテージは、2.5%〜30%の間で、式(18)、(19)及び(20)化合物合計の重量パーセンテージは、2.5%〜30%の間である。
【0046】
本発明はさらに、アミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第二固化剤を提供する。それは、以下の式(21)、(22)、(23)、(24)、(25)及び(26)に示す化学構造式の6種の化合物を含む。
【0047】
【化22】
【0048】
【化23】
【0049】
【化24】
【0050】
【化25】
【0051】
【化26】
【0052】
【化27】
【0053】
その内、R
’’はH、C
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
’はポリアミン類化合物グループで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、φはベンゼンである。しかも、式(21)、(22)及び(23)化合物合計の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(24)、(25)及び(26)化合物合計の重量パーセンテージは5%〜60%の間である。
【0054】
本発明はさらにアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第三固化剤を提供する。それは、前記の式(8)、(9)、(10)、(11)、(12)及び(13)に示す第一固化剤の化学構造式の6種の化合物、及び前記の式(21)、(22)、(23)、(24)、(25)及び(26)に示す第二固化剤の化学構造式の6種の化合物を含む。
【0055】
その内、R
’’はH、C
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
’、R
’1、R
’2及びR
’3はポリアミン類化合物グループで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、
【0056】
【数5】
はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチラール或いはベンズアルデヒド及びその混合物がマンニッヒ縮合反応を経たグループ(moiety)で、φはベンゼンである。その内、第一固化剤において、式(8)、(9)及び(10)化合物合計の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(11)、(12)及び(13)化合物合計の重量パーセンテージは5%〜60%の間で、第二固化剤において、式(21)、(22)及び(23)化合物合計の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(24)、(25)及び(26)化合物合計の重量パーセンテージは5%〜60%の間である。しかも、第三固化剤において、第一固化剤の重量パーセンテージは、5%〜95%の間で、第二固化剤の重量パーセンテージは、5%〜95%の間である。
【0057】
上述のアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第三固化剤において、R
’は、ポリアミン類化合物で、しかも脂肪族ポリアミン、芳脂族ポリアミン、芳香族ポリアミン、脂環族ポリアミン、複素環族ポリアミン、ポリオキシアルキレン類化合物及びポリアミノアミドにより組成されるグループより選択される。
【0058】
上述のアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第三固化剤において、R
’は、ポリアミン類化合物で、しかもアミノエチルピペラジン、アミノエチルピペラジンのアルジミン或いはケチミン、少なくとも1個の第2級アミンを含むアルジミン或いはケチミン、及びシリコン類を含むアルジミン或いはケチミンにより組成されるグループより選択される。
【発明の効果】
【0059】
本発明が製造する促進剤、固化剤及び希釈剤は、低温及び高湿度環境下で迅速に固化する他、前記塗料施工表面のアミンブラッシング(Amine blushing)、アミンブルーミング押出成形物(Extrudate)或いはブルーミング(Blooming)を確実に除去でき、これにより塗料施工表面には油状等の醜く破壊的な深刻な表面現象は発生しない。こうして、前後のコーティング間は、確実に付着し剥離することがなくなり、塗料施工表面の品質を高めることができ、幅広い適用性という効果を備える。また、本発明の製造コストは、従来の固化剤に比べはるかに低廉で、関連業界の量産化に有利である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
前記問題及び欠点に対して、本発明は解決方式を提供し、既存の塗料の化学構造を変え、適当な配合及び比率に調整し、前述の問題を克服した。しかも、本発明の製造コストは低廉で、従来の固化剤の価格に近い。米国エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air-Products and Chemicals, Inc., USA)の固化剤は、水素ガス高圧反応炉を使用して操作する必要があり、また高価な貴重金属を触媒として使用する必要がある。よって、本発明の価格は、米国エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズの価格より低い。
【0061】
本発明の発明人は、特許文献1の発明人と同一である。それが提供するアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する促進剤は、以下の式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)及び(7)に示す化学構造式の7種の化合物を有する。
【0069】
その内、RはC
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、
【0070】
【数6】
はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチラール或いはベンズアルデヒド及びその混合物がマンニッヒ縮合反応を経たグループ(moiety)である。しかも、式(1)化合物の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(2)、(3)及び(4)化合物合計の重量パーセンテージは、2.5%〜30%の間で、式(5)、(6)及び(7)化合物合計の重量パーセンテージは、2.5%〜30%の間である。
【0072】
【数7】
はベンズアルデヒドがマンニッヒ縮合反応を経たグループ(moiety)である。
【0073】
別種の好ましい実施形態において、促進剤は、固化剤の希釈剤とできる。
【0074】
実施形態において、本発明はさらに、アミンブラッシング及びアミンブルーミングを除去する第一固化剤を提供する。それは、以下の式(8)、(9)、(10)、(11)、(12)及び(13)に示す化学構造式の6種の化合物を含む。
【0081】
その内、R
’’はH、C
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
’、R
’1、R
’2及びR
’3はポリアミン類化合物グループで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、
【0082】
【数8】
はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチラール或いはベンズアルデヒド及びその混合物がマンニッヒ縮合反応を経たグループ(moiety)である。しかも、式(8)、(9)及び(10)化合物合計の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(11)、(12)及び(13)化合物合計の重量パーセンテージは5%〜60%の間である。
【0084】
【数9】
はベンズアルデヒドがマンニッヒ縮合反応を経たグループ(moiety)である。
【0085】
実施形態において、本発明はアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する促進剤或いは固化剤の希釈剤をさらに提供する。それは、以下の式(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)及び(20)に示す化学構造式の7種の化合物を含む。
【0093】
その内、RはC
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、φはベンゼンである。しかも、式(14)化合物の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(15)、(16)及び(17)化合物合計の重量パーセンテージは、2.5%〜30%の間で、式(18)、(19)及び(20)化合物合計の重量パーセンテージは、2.5%〜30%の間である。
【0094】
実施形態において、本発明はさらにアミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第二固化剤を提供する。それは、以下の式(21)、(22)、(23)、(24)、(25)及び(26)に示す化学構造式の6種の化合物を含む。
【0101】
その内、R
’’はH、C
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
’はポリアミン類化合物グループで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、φはベンゼンである。しかも、式(21)、(22)及び(23)化合物合計の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(24)、(25)及び(26)化合物合計の重量パーセンテージは5%〜60%の間である。
【0102】
実施形態において、本発明はさらに、アミンブラッシング及びアミンブルーミングを消去する第三固化剤を提供する。それは、前記の式(8)、(9)、(10)、(11)、(12)及び(13)に示す第一固化剤の化学構造式の6種の化合物、及び前記の式(21)、(22)、(23)、(24)、(25)及び(26)に示す第二固化剤の化学構造式の6種の化合物を含む。
【0103】
その内、R
’’はH、C
4H
9、C
9H
19或いはC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
’、R
’1、R
’2及びR
’3はポリアミン類化合物グループで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれCH
3、C
2H
5、C
3H
7或いはC
4H
9で、ZはH或いはOHで、
【0104】
【数10】
はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチラール或いはベンズアルデヒド及びその混合物がマンニッヒ縮合反応を経たグループ(moiety)で、φはベンゼンである。その内、第一固化剤において、式(8)、(9)及び(10)化合物合計の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(11)、(12)及び(13)化合物合計の重量パーセンテージは5%〜60%の間で、第二固化剤において、式(21)、(22)及び(23)化合物合計の重量パーセンテージは40%〜95%の間で、式(24)、(25)及び(26)化合物合計の重量パーセンテージは5%〜60%の間である。しかも、第三固化剤において、第一固化剤の重量パーセンテージは、5%〜95%の間で、第二固化剤の重量パーセンテージは、5%〜95%の間である。
【0105】
好ましい実施形態において、R
’は、ポリアミン類化合物で、しかも脂肪族ポリアミン、芳脂族ポリアミン、芳香族ポリアミン、脂環族ポリアミン、複素環族ポリアミン、ポリオキシアルキレン類化合物及びポリアミノアミドにより組成されるグループより選択される。
【0106】
別種の好ましい実施形態において、R
’は、ポリアミン類化合物で、しかもアミノエチルピペラジン、アミノエチルピペラジンのアルジミン或いはケチミン、少なくとも1個の第2級アミンを含むアルジミン或いはケチミン、及びシリコン類を含むアルジミン或いはケチミンにより組成されるグループより選択される。
【0107】
好ましくは、R
’に示すポリアミン類化合物は、脂肪族ポリアミン(aliphatic polyamine)、芳脂族類ポリアミン(araliphatic polyamine)、芳香族ポリアミン(aromatic polyamine)、脂環類ポリアミン(cycloaliphatic polyamine)、複素環類ポリアミン(heterocyclic polyamine)、ポリオキシアルキレン類化合物(poly(alkylene oxide))、ポリアミノアミド(polyaminoamide)或いはその混合物、或いはその他本発明が属する技術領域において一般的な知識を有する者が熟知するポリアミン類化合物を含むが、これに限定されない。
【0108】
本発明において、脂肪族ポリアミンはポリエチレンポリアミン(polyethylene polyamine)を含むが、これに限定されない。ポリエチレンポリアミンは、エチレンジアミン(ethylenediamine)、ジエチレントリアミン(diethylenetriamine)、トリエチレンテトラミン(triethylenetetramine)、テトラエチレンペンタミン(tetraethylenepentamine)、プロパン(propylenediamine)、ジメチルアミノプロピルアミン(dimethylaminopropylamine)、1,4-ブタン(1,4-butanediamine)、1,3-ペンタン(1,3-pentanediamine)、1,6-ヘキサメチレンジアミン(1,6-hexamethylenediamine)或いはその混合物、或いはその他本発明が属する技術領域において一般的な知識を有する者が熟知する脂肪族ポリアミン類化合物より選択される。
【0109】
本発明において、ポリオキシアルキレン類化合物は、ポリフェニレンエーテルジアミン[poly(oxypropylene)diamine]、トリアミン(triamine)或いはその混合物、或いはその他本発明が属する技術領域において一般的な知識を有する者が熟知するポリオキシアルキレン類化合物を含むが、これに限定されない。その内、トリアミンは、Huntsman Corporationから、型番号Jeffamine D230、D400、D2000、D5000、T403の製品を購入する。
【0110】
本発明において、脂環類ポリアミンは、イソホロンジアミン(isophorone diamine)、ジアミノシクロヘキサン(diaminocyclohexane)或いはその混合物、或いはその他本発明が属する技術領域において一般的な知識を有する者が熟知する脂環類ポリアミン化合物を含むが、これに限定されない。
【0111】
本発明において、芳香環ポリアミンは、トルエンジアミン(toluene diamine)、或いはその他本発明が属する技術領域において一般的な知識を有する者が熟知する芳香環ポリアミン化合物を含むが、これに限定されない。
【0112】
本発明において、異環類ポリアミンは、アミノエチルピペラジン(aminoethylpiperazine, AEP)、或いはアミノエチルピペラジンのアルジミン(aldimine)或いはケチミン(ketimine)、或いはその他ポリアミン、それは少なくとも1個の第2級アミンのアルジミン及びケチミンを含み、或いはシリコン類のアルジミン及びケチミン、或いはその他本発明が属する技術領域において一般的な知識を有する者が熟知する複素環族ポリアミン化合物のアルジミン或いはケチミンを含むが、これに限定されない。
【0113】
本発明において、カルダノール或いはカルドールを出発物質として使用し、促進剤、固化剤及び希釈剤を調製する。それは、高度な疎水性を備え、しかも環境に対してマイナスの影響を生じない天然産物である。促進剤或いは希釈剤は、カルダノール及びカルドールが、マンニッヒ縮合反応を経て得られる。固化剤は、カルダノール及びカルドールが、マンニッヒ縮合反応後、ポリアミンとトランスグルタミナーゼ反応を生じて得られた産物、或いはフェノールとホルムアルデヒド及びその他アルデヒド類(ベンズアルデヒドなど)及びポリアミン反応により得られた固化剤である。本発明において、カルダノール以及びカルドールを原料として得られた固化剤が備える強疎水性は、その構造式中に含む長鎖構造(本発明の構造式中ではRにより表示)の貢献で、しかも15個の炭素を有する長鎖構造は、本発明の固化剤に良好な親油性を備えさせる。
【0114】
本発明の固化剤は、ジメチルアミノグループ(dimethylamino group)及びヒドロキシグループ(hydroxyl group)を有し、部分親水性を備える。これにより、本発明の固化剤は、室温より低温の水中でも作用し、しかも強烈な抗アミンブラッシング(Amine blushing)、アミンブルーミング(Amine blooming)等作用を備える。
【0115】
本発明は実施形態において、エポキシ樹脂の使用を例として本発明が達成する技術手段を説明するが、エポキシ樹脂の他に、ポリウレタン樹脂、ポリ尿素樹脂及びポリイソシアネート樹脂も本発明の範疇に含まれるものとする。
【0116】
本実施形態において、本発明と一対一で、エポキシ樹脂BE188(長春人造樹脂廠より購入)を混合する。これにテストを行う。混合後、12時間を経て、コーティング薄膜が完全に硬化した後、アミンブラッシング(Amine blushing)或いはアミンブルーミング(Amine blooming)が生じているか否かを確かめるため、清潔で、しかも乾燥した右手薬指により、該薄膜に軽く触れ、その表面に油状物があるかどうかを確認する。なければ、次に、該薄膜表面に力を入れて触れる。それでも、油状物がないなら、第一次テスト通過ということになる。さらに、12時間(即ち前述の混合後24時間の硬化を経た後)待ち、再び前記のテストを行う。もし、アミンブラッシング、アミンブルーミング、汚点が見られなければ、テストを完全に通過したということになる。
【0117】
上記したように、本発明の第一実施形態において、式(8)、(9)、(10)、(11)、(12)及び(13)の6種の混合により形成される第一固化剤の内、式(8)、(9)及び(10)化合物合計の重量パーセンテージは80%で、式(11)、(12)及び(13)化合物合計の重量パーセンテージは20%である。R
’’はC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
’、R
’1、R
’2及びR
’3はすべてDETA(Diethylenetriamine, ジエチレントリアミン)で、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6はすべてCH
3で、ZはHである。テストを経た後、アミンブラッシング、アミンブルーミング及びその他汚点は発生せず、テストを完全に通過した。
【0118】
本発明の第二実施形態において、式(21)、(22)、(23)、(24)、(25)及び(26)の6種の混合により形成された第二固化剤の内、式(21)、(22)及び(23)化合物合計の重量パーセンテージは80%で、式(24)、(25)及び(26)化合物合計の重量パーセンテージは20%である。しかも、その内、R
’’はC
15H
2X+1で、Xは12〜15の間の任意の整数で、R
’はDETA(Diethylenetriamine, ジエチレントリアミン)で、ZはHである。テストを経た後、アミンブラッシング、アミンブルーミング及びその他汚点は発生せず、第二実施形態もテストを完全に通過した。
【0119】
上記のように、本発明及び特許文献1は共に、米国エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズの特許製品に比べ、より廉価で、環境に優しく、効果においてもさらに進歩していることが証明された。
【0120】
本発明の好ましい実施例の説明にすぎず、並びに本発明を限定するものではなく、本発明に提示の精神より逸脱せずに完成されるその他の同等の効果の修飾或いは置換は、いずれも本発明の権利請求範囲内に属する。