(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-21106(P2016-21106A)
(43)【公開日】2016年2月4日
(54)【発明の名称】防犯用の眼球模型
(51)【国際特許分類】
G08B 13/196 20060101AFI20160108BHJP
【FI】
G08B13/196
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-143855(P2014-143855)
(22)【出願日】2014年7月14日
(71)【出願人】
【識別番号】505435866
【氏名又は名称】三▲祥▼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076705
【弁理士】
【氏名又は名称】塩出 真一
(74)【代理人】
【識別番号】100107283
【弁理士】
【氏名又は名称】塩出 洋三
(72)【発明者】
【氏名】松田 ▲祥▼助
【テーマコード(参考)】
5C084
【Fターム(参考)】
5C084AA03
5C084AA09
5C084DD11
5C084EE02
(57)【要約】
【課題】人の眼球をリアルに模した模型とすることにより、「人の目」に見られているという迫力やリアルさがあり、防犯の効果が高くなる防犯用の眼球模型を提供する。
【解決手段】湾曲面の透明体10とこの透明体10を支持する基板12とからなる立体型の眼球模型であって、瞳孔14の部分に防犯カメラ18及びLED(発光ダイオード)の少なくともいずれかを臨ませ、眼球模型の内側に瞳孔14に連なる略円板状の虹彩16を設け、この虹彩16に蛍光顔料を塗布し、少なくとも瞳孔14及び虹彩16(黒目から瞳孔14を除いた部分)以外の部分の基板12を白色としてなるか、あるいは、瞳孔14及び虹彩16(黒目から瞳孔14を除いた部分)以外の透明体10の部分を白色に着色してなるように構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲面の透明体とこの透明体を支持する基板とからなる立体型の眼球模型であって、瞳孔の部分に防犯カメラ及びLEDの少なくともいずれかを臨ませ、眼球模型の内側に瞳孔に連なる略円板状の虹彩を設け、この虹彩に蛍光顔料を塗布し、少なくとも瞳孔及び虹彩以外の部分の基板を白色としてなることを特徴とする防犯用の眼球模型。
【請求項2】
透明体が、プラスチックス及び強化ガラスのいずれかである請求項1記載の防犯用の眼球模型。
【請求項3】
蛍光顔料塗布部が、茶色、黒色及び青色のいずれかである請求項1又は2記載の防犯用の眼球模型。
【請求項4】
基板を白色とする代りに、瞳孔及び虹彩以外の透明体の部分を白色に着色した請求項1、2又は3記載の防犯用の眼球模型。
【請求項5】
瞳孔に連なる略円板状の虹彩を設ける代りに、透明体の瞳孔の周りに虹彩を描き、蛍光顔料を塗布してなる請求項1〜4のいずれかに記載の防犯用の眼球模型。
【請求項6】
瞳孔を黒色に着色してなる請求項1〜5のいずれかに記載の防犯用の眼球模型。
【請求項7】
瞳孔の部分を透明体とする代りに、透孔としてなる請求項1〜6のいずれかに記載の防犯用の眼球模型。
【請求項8】
湾曲面の金属体とこの金属体を支持する基板とからなる立体型の眼球模型であって、瞳孔の部分に設けた透孔に防犯カメラ及びLEDの少なくともいずれかを眼球模型の内側から臨ませ、金属体の瞳孔の周りに略円板状の虹彩を描き、この虹彩に蛍光顔料を塗布してなることを特徴とする防犯用の眼球模型。
【請求項9】
金属体を白色に着色してなる請求項8記載の防犯用の眼球模型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ゴミ等の不法投棄や自転車等の盗難などの犯罪を防止するための眼球模型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ゴミ等の不法投棄や自転車等の盗難などの犯罪が問題となっているが、「人の目」があるだけでこれらの犯罪が抑止されることはよく知られている。また、こちらを見つめる「人の目」を模した絵を掲示するだけで、人々に行儀よくふるまわせたり、正しい行動をとらせたりする効果があるという研究結果もある。
【0003】
そこで、従来は、ゴミ等の不法投棄や自転車等の盗難などの犯罪が起きやすい現場に、人の眼球がこちらを見つめるポスターやステッカーを貼付したり、下記の特許文献1のように眼球型の防犯カメラを設置することが行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−51995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のポスターやステッカーでは、平面的なものであるため、「人の目」に見られているという迫力やリアルさがなく、犯人を威嚇することができず、防犯の効果が少なかった。
【0006】
また、上記の特許文献1のような眼球模型は、部品が多すぎるなど眼球のリアルさに欠ける上、白目と黒目との区別が色彩上明確でないなどのため、やはり、「人の目」に見られているという迫力やリアルさがなく、犯人を威嚇することができず、防犯の効果が少なかった。
【0007】
本発明は前記事項に鑑みなされたものであり、人の眼球をリアルに模した模型とすることにより、「人の目」に見られているという迫力やリアルさがあり、防犯の効果が高くなる防犯用の眼球模型を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の防犯用の眼球模型は、湾曲面の透明体とこの透明体を支持する基板とからなる立体型の眼球模型であって、瞳孔の部分に防犯カメラ及びLED(発光ダイオード)の少なくともいずれかを臨ませ、眼球模型の内側に瞳孔に連なる略円板状の虹彩を設け、この虹彩に蛍光顔料を塗布し、少なくとも瞳孔及び虹彩(黒目から瞳孔を除いた部分)以外の部分の基板を白色としてなることを特徴としている。
【0009】
上記の防犯用の眼球模型において、透明体を、例えば、プラスチックス及び強化ガラスのいずれかとすることができる。なお、透明体をプラスチックスや強化ガラス以外の材料とすることも勿論可能である。
【0010】
また、上記の防犯用の眼球模型において、蛍光顔料塗布部を、例えば、茶色、黒色及び青色のいずれかとすることができる。なお、蛍光顔料塗布部を茶色、黒色、青色以外の色とすることも勿論可能である。
【0011】
また、上記の防犯用の眼球模型において、基板を白色とする代りに、瞳孔及び虹彩(黒目から瞳孔を除いた部分)以外の透明体の部分を白色に着色してもよい。また、瞳孔に連なる略円板状の虹彩を設ける代りに、透明体の瞳孔の周りに虹彩を描き、蛍光顔料を塗布するようにしてもよい。また、瞳孔は黒色又は黒に近い色に着色することもある。さらに、瞳孔の部分を透明体とする代りに、透孔として構成してもよい。
【0012】
また、本発明の防犯用の眼球模型は、湾曲面の金属体とこの金属体を支持する基板とからなる立体型の眼球模型であって、瞳孔の部分に設けた透孔に防犯カメラ及びLED(発光ダイオード)の少なくともいずれかを眼球模型の内側から臨ませ、金属体の瞳孔の周りに略円板状の虹彩を描き、この虹彩に蛍光顔料を塗布してなることを特徴としている。この場合、金属体は白色又は白に近い色に着色してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の防犯用の眼球模型は、白目、瞳孔、虹彩を色彩で明確に区別しているので、人の眼球らしくなって、「人の目」に見られているという迫力やリアルさがあり、犯人を威嚇することができるので、防犯の効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の防犯用の眼球模型の一例を示す正面説明図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す防犯用の眼球模型におけるA−A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ゴミ等の不法投棄や自転車等の盗難などの犯罪が起きやすい現場において、人の眼球をリアルに模した模型を設置することにより、犯人が「人の目」に見られているということを感じて畏怖し、これにより犯人を威嚇することができて、防犯の効果が大きくなる防犯用の眼球模型を提供する。
【0016】
そして、模型を人の眼球らしくする等して防犯の効果の高めるために、透明体からなる立体型の眼球模型とし、瞳孔の部分に防犯カメラ及びLED(発光ダイオード)の少なくともいずれかを臨ませ、眼球模型の内側に瞳孔に連なる略円板状の虹彩を設け、この虹彩に蛍光顔料を塗布し、瞳孔及び虹彩(黒目から瞳孔を除いた部分)以外の部分の基板を白色としている。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施できるものである。例えば、犯罪が起きやすい現場は、ゴミ等の不法投棄や自転車等の盗難が起きやすい場所に限られるものではなく、あらゆる犯罪が起きやすい場所が含まれる。また、犯罪が起きやすい場所だけでなく、公共の場所などで人々を行儀よくふるまわせたり、正しい行動をとらせたりするために、本発明の防犯用の眼球模型を設置することも可能である。そして、眼球模型の設置方法としては、例えば、模型に台座等を取り付けて置き型のものとしたり、模型にフック(吊り具)等を取り付けて吊り型のものとしたりすることができる。
【0018】
図1は、本発明の防犯用の眼球模型の一例を示している。そして、
図2は、
図1に示す眼球模型のA−A線断面図である。本発明の眼球模型は、人の眼と同様の曲面を有する透明体10を白色の基板12に取り付けて構成されている(白目の部分)。透明体10の中心部付近には瞳孔14及び虹彩16(黒目から瞳孔14を除いた部分)が設けられており、瞳孔14の部分には防犯カメラ18が内蔵されている。虹彩16は、例えば、蛍光顔料が塗布されており、瞳孔14に連なる略円板状のものとして眼球模型の内側に設けられている。なお、防犯カメラ18の代りにLED(発光ダイオード)照明を設けてもよいし、防犯カメラ18としてLED照明付きの防犯カメラを設けてもよい。防犯カメラを設ける場合は、防犯のみならず犯罪等の監視が可能となる。LED照明を設ける場合は、模型の眼が光ることにより、犯人をより威嚇することができ、防犯の効果をより大きくすることができる。なお、LED以外の発光手段を用いることも勿論可能である。
【0019】
透明体10としては、例えば、プラスチックス、強化ガラス等の材料を用いることができる。なお、透明体10として、プラスチックスや強化ガラス以外の材料を用いることも勿論可能である。また、虹彩16の蛍光顔料塗布部は、人の眼らしくするために、例えば、茶色、黒色、青色等とすることができる。なお、虹彩16の蛍光顔料塗布部を茶色、黒色、青色以外の色とすることも勿論可能である。
【0020】
また、基板12を白色とする代りに、瞳孔14及び虹彩16(黒目から瞳孔14を除いた部分)以外の透明体10の部分を白色に着色してもよい。さらに、瞳孔14及び虹彩16(黒目から瞳孔14を除いた部分)以外の透明体10の部分に赤色で毛細血管を描いてもよい。白目の部分に血管が浮き出ることにより、より迫力ある人の眼のようになり、犯人をより威嚇することができ、防犯の効果をより大きくすることができる。また、眼球模型にまぶたやまつ毛を設けてもよい。これにより、リアルな人の眼のようになり、犯人をより威嚇することができ、防犯の効果をより大きくすることができる。
【0021】
また、瞳孔14に連なる略円板状の虹彩16を設けずに、透明体10の瞳孔14の周りに直接、虹彩を描き、ここに蛍光顔料を塗布するようにしてもよい。また、瞳孔14は黒色又は黒に近い色に着色することもある。さらに、瞳孔14の部分を透孔としてもよい。
【実施例2】
【0022】
本発明の眼球模型の他の例としては、人の眼と同様の曲面を有する板状の金属体を基板に取り付けて構成されたものがある。金属体の中心部付近には瞳孔が設けられており、瞳孔の部分は透孔となっている。そして、この瞳孔の部分には防犯カメラが内蔵されている。金属体の瞳孔の周りには略円板状の虹彩が描かれており、虹彩には、例えば、蛍光顔料が塗布されている。なお、防犯カメラの代りにLED(発光ダイオード)照明を設けてもよいし、防犯カメラとしてLED照明付きの防犯カメラを設けてもよい。なお、LED以外の発光手段を用いることも勿論可能である。
【0023】
この場合、金属体は白色又は白に近い色に着色してもよい。また、金属体としては、例えば、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅及びこれらの合金、その他汎用的に用いられるあらゆる金属及び合金等を用いることができる。また、虹彩の蛍光顔料塗布部は、人の眼らしくするために、例えば、茶色、黒色、青色等とすることができる。なお、虹彩の蛍光顔料塗布部を茶色、黒色、青色以外の色とすることも勿論可能である。他の構成及び作用等は、実施例1の場合と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
例えば、ゴミ等の不法投棄や自転車等の盗難などの犯罪が起きやすい現場において、人の眼球をリアルに模した本発明の眼球模型を設置することにより、犯人が「人の目」に見られているということを感じて畏怖し、これにより犯人を威嚇することができて、防犯の効果が大きくなる。
【符号の説明】
【0025】
10 透明体
12 基板
14 瞳孔
16 虹彩
18 防犯カメラ
【手続補正書】
【提出日】2015年7月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲面の透明体とこの透明体を支持する基板とからなる立体型の眼球模型であって、瞳孔の部分に防犯カメラ及びLEDの少なくともいずれかを臨ませ、眼球模型の内側に瞳孔に連なる略円板状の虹彩を設け、この虹彩に蛍光顔料を塗布し、少なくとも瞳孔及び虹彩以外の部分の基板を白色としてなることを特徴とする防犯用の眼球模型。
【請求項2】
透明体が、プラスチックス及び強化ガラスのいずれかである請求項1記載の防犯用の眼球模型。
【請求項3】
蛍光顔料塗布部が、茶色、黒色及び青色のいずれかである請求項1又は2記載の防犯用の眼球模型。
【請求項4】
基板を白色とする代りに、瞳孔及び虹彩以外の透明体の部分を白色に着色した請求項1、2又は3記載の防犯用の眼球模型。
【手続補正書】
【提出日】2015年8月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲面の透明体とこの透明体を支持する基板とからなる立体型の眼球模型であって、瞳孔の部分に防犯カメラ及びLEDの少なくともいずれかが臨むように設けられ、眼球模型の内側に瞳孔に連なる略円板状の虹彩が設けられ、この虹彩に蛍光顔料が塗布されており、少なくとも瞳孔及び虹彩以外の部分の基板が白色であることを特徴とする防犯用の眼球模型。
【請求項2】
透明体が、プラスチックス及び強化ガラスのいずれかである請求項1記載の防犯用の眼球模型。
【請求項3】
蛍光顔料塗布部が、茶色、黒色及び青色のいずれかである請求項1又は2記載の防犯用の眼球模型。
【請求項4】
基板を白色とする代りに、瞳孔及び虹彩以外の透明体の部分が白色に着色された請求項1、2又は3記載の防犯用の眼球模型。