(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-211741(P2016-211741A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】バルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 31/60 20060101AFI20161118BHJP
【FI】
F16K31/60 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-92378(P2016-92378)
(22)【出願日】2016年5月2日
(31)【優先権主張番号】15166495.0
(32)【優先日】2015年5月6日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】516131588
【氏名又は名称】エッフェ・イ・ピ・フォルマトゥ−ラ・イニエツィオ−ネ・ポリメリ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】F.I.P. FORMATURA INIEZIONE POLIMERI S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ルーチョ・ルチョッティ
(72)【発明者】
【氏名】コラード・マッツァカーノ
【テーマコード(参考)】
3H063
【Fターム(参考)】
3H063AA06
3H063BB13
3H063BB15
3H063DA02
3H063DB35
3H063EE07
3H063EE12
3H063GG05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】流体を搬送し及び/又は分配する装置、少なくとも1つの流体接続部を有するハウジングとコントロールハンドルとを備えたバルブを提供する。
【解決手段】ハウジング2と、ハウジングに対して回転可能であるコントロールハンル4と、ハウジング内に位置しコントロールハンドルに接続された流れコントロール機構と、ハウジングに形成された止め座11と、コントロールハンドルに接触するロック体12と、ロック体に形成された停止部13であって、停止部が止め座に係合するロック位置と、停止部が止め座から離間した解放位置との間を移動可能である停止部と、ハンドルに形成されたコントロール面14とを備え、ハンドルがハウジングへ向かう下降位置とハウジングから上昇した位置との間を移動可能であり、上昇位置においてコントロール面は停止部をロック位置へ向けて押圧し、下降位置においてコントロール面は停止部が解放位置に戻ることを可能とする。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ(1)であって、
1つ以上の管状接続部(7)を有するハウジング(2)と、
前記ハウジング(2)に接続されており、前記ハウジング(2)に対してコントロール軸(10)周りを複数のコントロール位置に回転可能である、コントロールハンドル(4)と、
前記ハウジング(2)に受け入れられており、前記コントロールハンドル(4)に接続されている、流れコントロール機構(3,5)と、
前記コントロール軸(10)の周囲において前記ハウジング(2)に形成された複数の止め座(11)と、
前記ハウジング(2)に接続されており、前記コントロールハンドル(4)に当接している、ロック体(12)と、
前記ロック体(12)及び前記ハンドル(4)の一方によって形成された複数の停止部(13)であって、前記停止部(13)が前記止め座(11)に係合するロック位置と、前記停止部(13)が前記止め座(11)から離間した解放位置との間を移動可能である、前記複数の停止部(13)と、
前記ロック体(12)及び前記ハンドル(4)の他方に形成されたコントロール面(14)と、を備え、
前記ハンドル(4)は、前記ハウジング(2)に向かって下降した位置と前記ハウジング(2)から上昇した位置との間を、前記コントロール軸(10)に沿って、前記ハウジング(2)に対して且つ前記ロック体(12)に対して移動可能であり、
前記ハンドル(4)が上昇位置に移動されたとき、前記停止部(13)及び前記コントロールハンドル(4)は前記コントロール軸(10)の周囲にねじりに抗して連結されて、前記コントロール面(14)は前記停止部(13)を前記ロック位置に押圧し、
前記ハンドル(4)が下降位置に移動されたとき、前記コントロール面(14)は前記停止部(13)が前記解放位置に戻ることを可能とするように配置されている、バルブ(1)。
【請求項2】
前記止め座(11)は、前記ハウジング(2)の砲塔(16)の外表面(15)に形成された、環状の歯付クラウンを備えている、
請求項1に記載のバルブ(1)。
【請求項3】
前記停止部(13)は、複数の弾性可撓性ビーム(17)に形成されている、
請求項2に記載のバルブ(1)。
【請求項4】
前記ビーム(17)及び前記コントロール面(14)は、
前記ハンドル(4)の前記コントロール軸(10)に沿った移動運動に応じて、前記コントロール面(14)は前記ビーム(17)に前記コントロール軸(10)に対して径方向に負荷を掛けて、前記ビーム(17)は径方向に曲がり、前記ロック位置において、前記停止部(13)が前記止め座(11)に径方向に噛み合うように、配置されると共に形作られている、
請求項3に記載のバルブ(1)。
【請求項5】
前記ビーム(17)は、前記コントロール軸(10)に対して、±15°の範囲内であり得る傾斜を有しつつ、平行な方向に向けられている、
請求項4に記載のバルブ(1)。
【請求項6】
前記停止部(13)は、前記ロック位置において、前記環状の歯付クラウンに、相補的な環状の連続的な歯部又はローレット加工部を形成するように、近接した距離で互いに隣接して配置されている、
請求項3に記載のバルブ(1)。
【請求項7】
前記コントロール面(14)は、前記コントロール軸(10)に対する外周面であって、前記停止部(13)に対して径方向外側に延びる外周面を形成しており、
前記環状の面は、前記ハウジング(2)に向かって面する側の縮小部(18)と、前記ハウジング(2)とは反対側の前記縮小部(18)側の拡大部(19)と、を有しており、それによって、
前記ハンドル(4)が前記上昇位置に移動するとき、前記縮小部(18)は、前記停止部(13)上をスライドして、前記停止部(13)を前記ロック位置へ向けて径方向内側に押圧し、
前記ハンドル(4)が前記下降位置に向けて移動するとき、前記縮小部(18)は前記停止部(13)から離間して、前記拡大部(19)は前記停止部(13)の前記解放位置へ向けた径方向外側への弾性的戻り動作用のスペースを提供する、
請求項1に記載のバルブ(1)。
【請求項8】
前記コントロールハンドル(4)は、
把持部として機能する径方向に拡張された上部(21)と、
前記コントロール面(14)を形成する、概ね円筒状の下部(20)と、
前記ロック体(12)と前記ハウジング(2)の前記砲塔(16)の一部を受け入れる、内部空洞(22)と、
を有する環状形状を有している、
請求項1に記載のバルブ(1)。
【請求項9】
前記ロック体(12)は、
径方向に拡大された上側セクション(23)と、
前記停止部(13)を形成する底部(24)と、
前記ハウジング(2)の砲塔(16)の一部を受け入れる内部座(25)と、
を有する環状形状を有しており、
前記ロック体(12)は、前記ハウジング(2)に対して前記コントロール軸(10)に沿って移動する可能性はないが、前記ハウジング(2)に対して前記コントロール軸(10)周りを回転可能に前記ハウジング(2)に取り付けられている、
請求項1に記載のバルブ(1)。
【請求項10】
前記ロック体(12)は、前記ハンドル(4)の前記内部空洞(22)に受け入れられて、前記ハウジング(2)と前記ハンドル(4)との間に置かれており、
前記ハンドル(4)及び前記ロック体(12)は、前記コントロール軸(10)の周囲における回転において一体であるが、前記ハンドル(4)は、前記ロック体(12)に対して軸方向に移動可能である、
請求項8又は9に記載のバルブ(1)。
【請求項11】
前記上部セクション(23)の1つ以上の径方向突起(26)が、前記上部(21)の対応する径方向凹部(27)に係合し、1つ以上の前記径方向凹部(27)は、並進ガイドを形成するように軸方向に延びている、
請求項10に記載のバルブ(1)。
【請求項12】
前記ハンドル(4)の並進ストロークは、前記上昇位置において、前記ロック体(12)に形成された上部当接面(28)によって定められ、前記下降位置において、前記ハウジング(2)又は前記ロック体(12)に形成された下部当接面(29)によって定められている、
請求項1に記載のバルブ(1)。
【請求項13】
前記ロック体(12)の内部座(25)は、前記ハウジング(2)の外側へ向かって開口しており、外側から視認可能であり前記流れコントロール機構(5)に接続された表示器(30)を受け入れている、
請求項1に記載のバルブ(1)。
【請求項14】
前記ロック体(12)は、前記ハンドル(4)の対応するスロット(32)を通って延びるプレート(31)であって、パッドロックを受け入れる穴(33)を有するプレート(31)を形成し、
前記穴(33)は、前記上昇位置においてのみ、前記ハンドル(4)の外側に配置されている、
請求項1に記載のバルブ(1)。
【請求項15】
バルブ(1)であって、
1つ以上の管状接続部(7)を有するハウジング(2)と、
前記ハウジング(2)に接続されており、前記ハウジング(2)に対してコントロール軸(10)周りを複数のコントロール位置に回転可能である、コントロールハンドル(4)と、
前記コントロール軸(10)の周囲において前記ハウジング(2)に形成された複数の止め座(11)と、
前記ハンドル(4)によって形成された複数の停止部(13)であって、前記停止部(13)が前記止め座(11)に係合するロック位置と、前記停止部(13)が前記止め座(11)から離間した解放位置との間を移動可能である、複数の停止部(13)と、
前記ハウジング(2)によって形成されたコントロール面(14)と、を備え、
前記ハンドル(4)が上昇位置に移動されたとき、前記コントロール面(14)は前記停止部(13)を前記ロック位置へ押圧し、
前記ハンドル(4)が下降位置に移動されたとき、前記コントロール面(14)は前記停止部(13)が前記解放位置へ戻ることを可能とするように配置されている、バルブ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、コントロールハンドルを有する、流体を搬送し及び/又は分配するための装置に関し、特に、ロック可能且つアンロック可能であるコントロールハンドルを有する液圧バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
流体を搬送し及び/又は分配するシステムのパイプに接続可能な1つ以上の管状接続部を有するバルブ本体と、コントロールハンドルと、バルブ本体に受け入れられて伝動軸によってコントロールハンドルに接続された閉塞具と、バルブの特定の作動位置にハンドルを固定する固定手段と、を有するバルブが知られている。
【0003】
先行技術に係る固定手段は、作動が時間的に面倒且つ高価である、例えばロックレバー及びパッドロックを含んでいる。先行技術に係るロックレバーは、ロックを達成するため係合する部分の容易な破断に至りやすい。更に、先行技術に係るバルブのロックシステムは、直感的ではなく、手作業時におけるハンドルの正確な動作を阻害しがちである。これは、ハンドルの回転時に、ユーザが捩り動作のみならず、バルブ本体へ向かう軸力をも適用するという事実による。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、流体を搬送し及び/又は分配する装置、例えば、少なくとも1つの流体接続部を有するハウジングとコントロールハンドルとを備え、周知技術の不都合を回避するように特徴を有する、バルブを提案することである。
【0005】
本発明の具体的な目的は、先行技術に比して、より直感的な方法でハンドルをロックし且つアンロックすることを可能とし、作動時にハンドルの不必要な停止のリスクを減じ、ハンドルをロックするために互いに係合する要素が破断しにくい、流体を搬送し及び/又は分配する装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本目的の少なくとも一部が、流体を搬送し及び/又は分配する装置、特にバルブによって達成され、該バルブは、
1つ以上の管状接続部を有するハウジングと、
ハウジングに接続されており、ハウジングに対してコントロール軸周りを複数のコントロール位置に回転可能であるコントロールハンドルと、
コントロール軸の周囲においてハウジングに形成された複数の止め座と、
ハウジングに接続されており、コントロールハンドルに当接しているロック体と、
上記ロック体及び上記ハンドルの一方に形成された複数の停止部であって、停止部が止め座に係合するロック位置と、停止部が止め座から離間した開放位置との間を移動可能である、複数の停止部と、
上記固定体及び上記ハンドルの他方に形成されたコントロール面と、を備え、
コントロールハンドルは、ハウジングに向かって下降した位置とハウジングから上昇した位置との間を、コントロール軸に沿って、ハウジングに対して且つロック体に対して移動可能であり、
ハンドルが上昇位置に移動されたとき、停止部及びコントロールハンドルがコントロール軸の周りの回転において一体になり、コントロール面が停止部をロック位置に押圧し、ハンドルが下降位置に移動されたとき、コントロール面の位置が、停止部が開放位置に位置することを可能とする。
【0007】
このようにして、ユーザが手をハンドルに置いて操作するとき、ハンドルの開放を得るために、既に自然に実行されるハウジングに向かう当接圧力を増大するのに十分である。これは、装置の直感的な使用を可能とし、作動時にハンドルの妨害のリスクを回避する。
【0008】
本発明をより良く理解し、その利点を認めるため、幾つかの実施形態が、図面を参照しながら、非限定例な例として以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本発明の一実施形態に係る、コントロールハンドルとロック及び開放手段とを有するダイヤフラムバルブの分解斜視図である。
【
図1B】本発明の一実施形態に係る、コントロールハンドルとロック及び開放手段とを有するダイヤフラムバルブの分解斜視図である。
【
図2】ハンドルが上昇し且つロックされている、
図1のバルブの側面図である。
【
図3】ハンドルが上昇し且つロックされている、
図1のバルブの前面図である。
【
図4】ハンドルが上昇し且つロックされている、
図1のバルブの斜視図である。
【
図5】ハンドルが下降し且つアンロックされている、
図1のバルブの側面図である。
【
図6】ハンドルが下降し且つアンロックされている、
図1のバルブの前面図である。
【
図7】ハンドルが下降し且つアンロックされている、
図1のバルブの斜視図である。
【
図8】ハンドルがハウジング上に下降してアンロックされている、一実施形態にかかるバルブの断面図である。
【
図9】ハンドルがハウジングから上昇してロックされている、一実施形態にかかるバルブの断面図である。
【
図10】ハンドルがハウジングから上昇して(右側)ロックされているのと、同様にハンドルが下降してアンロックされている(左側)、更なる実施形態に係るバルブの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図を参照して、流体を搬送し及び/又は分配する装置、特にバルブが、全体として参照符号1によって示されている。装置1は、バルブ体又はハウジング2と、流れコントロール部材3例えばバルブ体2の内側に配置されたダイヤフラム閉塞具又はボール閉塞具と、ハウジング2に接続されてハウジング2の適切な流路6に配置された伝動機構5によって流れコントロール部材3を位置決めするようになっているコントロールハンドル4と、を有してもよい。伝動機構5は、例えば、コントロールハンドル4を回転可能な流れコントロール部材3と共に回転するように接続する伝動軸と、例えばボール閉塞具とを有してもよい。代替的に、伝達機構5は、コントロールハンドル4と流れコントロール部材3例えば可撓性ダイヤフラム(
図1)との間に接続されて、コントロールハンドル4の回転動作を流れコントロール部材を移動させ及び/又は変形させる移動動作に変えるように構成されている、スクリュージャッキを有してもよい。伝達機構5及び流れコントロール部材3は共に、装置1の流れコントロール機構3,5を形成する。
【0011】
コントロールハンドル4は、幾何学的コントロール軸10周りを、ハウジング2に対して複数のコントロール位置、例えば断続的又は連続的に調整可能である、全閉位置、全開位置、及び中間部分開位置に回転可能である。
【0012】
流れコントロール部材3は、作動位置に応じて、流体、例えばバルブ又はより一般的には装置1を通過する液体の流れに影響を及ぼす(例えば、調整し、遮断し、分割し、又は分配する)。
【0013】
ハウジング2は、流体を搬送し及び/又は分配するシステム例えば配管システムの対応する接続端部8に可逆的に接続可能である、1つ以上の管状接続部7を形成する。装置1の接続部7及び配管システムの接続端部8は、接続部7及び接続端部8の一方に結合可能であり他方に螺合可能である1つ以上のリングナット9によって互いに接続可能である。
【0014】
コントロールハンドル4の調整位置の簡単なロック及びアンロックを可能とするため、装置1は以下も備えている。
【0015】
コントロール軸10の周囲においてハウジング2に形成された複数の止め座11。
【0016】
ハウジング2に接続されており、コントロールハンドル4に当接している、ロック体12。
【0017】
ロック体12によって形成された複数の停止部13であって、停止部13が止め座11に係合するロック位置(
図8)と、停止部13が止め座11から離間した開放位置(
図9)との間を移動可能である、複数の停止部13。
【0018】
コントロールハンドル4に形成されており、停止部13に当接するコントロール面14。
【0019】
コントロールハンドル4は、コントロール軸10に沿ってハウジング2に向かって下降した位置(
図5,6,7,9)とハウジング2から上昇した位置(
図2,3,4,8)との間を、ハウジング2に対して且つロック体12に対して移動可能である。
【0020】
ハンドル4が上昇位置に移動されたとき、停止部13及びコントロールハンドル4はコントロール軸10の周囲にトルクに抗して結合されて、コントロール面14は停止部13をロック位置に押圧し、ハンドル4が下降位置に移動されたとき、コントロール面14は停止部13がそれらを開放位置に位置決めすることを可能とする位置に、移動される。
【0021】
このようにして、ユーザがハンドル4に手を置いて操作するとき、ハンドル4の開放を得るためにすでに自然に実行されるハウジング2に向かう当接圧力を増大させるのに十分である。これは、装置1の直感的な使用と、作動時にハンドル4の妨害のリスクを回避する。
【0022】
代替的な実施形態において、停止部13をコントロールハンドル4によって形成することができ、コントロール面14をロック体12によって形成できる。
【0023】
一実施形態において、止め座11は、ハウジング2の外表面15に形成された、「縞模様」ローレット加工部又は環状の歯付クラウンを有している。好ましくは、止め座11は、コントロールハンドル4が接続されるハウジング2の砲塔16(いわゆる、バルブ体の「ボンネット」部)の外側の、円筒状又は円錐台状の、表面15に形成されている。この砲塔16は、コントロール軸10と同軸であり、伝動機構5用の通路を形成する。
【0024】
本明細書では、特に指定がない限り、幾何学的参照「径方向」、「周方向」、及び「軸方向」は、コントロール軸10を参照するものと理解される。
【0025】
一実施形態において、停止部13は、好ましくは片持ち状の、複数の弾性的可撓性ビーム17又はタブに形成される。
【0026】
ビーム17及びコントロール面14は、ハンドル4のコントロール軸10に沿った移動動作に応じて、コントロール面14がビーム17をコントロール軸10に対して径方向に負荷し、その結果として、ビーム17が径方向に曲がり、ロック位置において、停止部13が止め座11と径方向に噛み合うように、好ましくは配置されると共に形作られている。
【0027】
ビーム17又はタブは、コントロール軸10に対して、±15°の範囲であり得る傾斜を有しつつ、平行又は概ね平行な方向に好ましくは向けられている。これは、多くの停止部13の緻密且つ密接な配置を可能とし、停止部13の局所的な負荷及び破断リスクを減じる。停止部13は、径方向内側に向けられている。
【0028】
有利なことに、停止部13は、環状の歯付クラウン11に対して相補的な形状の、歯部又は「縞模様」ローレット加工部を形成する。好ましくは、停止部13及び/又はビーム17は、ロック位置において連続的な環状歯部又はローレット加工部を形成するように、近接した距離で互いに隣接して配置されている。
【0029】
一実施形態において、コントロール面14は、コントロール軸10の周囲に、停止部13及び/又はビーム17の径方向外側へ延びてこれらに当接する、環状面を形成する。環状面は、ハウジング2に向かって面する側にある径方向縮小部18と、ハウジング2とは反対側に縮小部18側に隣接した径方向拡大部19と、を形成する。
【0030】
このようにして、ハンドル4が上昇位置に向かって移動するとき、縮小部18は停止部13及び/又はビーム17上をスライドして、それらをロック位置(
図8)へ径方向内側に押圧し、ハンドル4が下降位置に向かって移動するとき、拡大部19が、開放位置(
図9)への、停止部13の(好ましくは弾性的)径方向外側への戻り動作用のスペースを提供する。
【0031】
この実施形態において、ロックは、形状接続によって成し遂げられる一方で、開放は停止部13及び/又はビーム17の弾性戻り力のおかげのみで得られて維持される。
【0032】
代替的な実施形態において、コントロール面14は、ハンドル4が下降位置に移動されたとき、停止部13及び/又はビーム17に径方向に内側から係合し、それらを外側へ径方向に押圧するように、配置され形作られた更なる部分を有してもよい。このようにして、開放も形状接続によって成し遂げられる。
【0033】
一実施形態において、コントロールハンドル4は、ハンドホイールとして外面的に形作られている。
【0034】
コントロールハンドル4は、環状形状を有しており、以下を備えている。
【0035】
把持部として機能する、出来る限り径方向に拡大され(「ハンドホイール」)又は引き延ばされた(レバーハンドル)上部21。
【0036】
コントロール面14を形成する、例えば概ね円筒状の、下部20。
【0037】
ロック体12を受け入れると共に、ハウジング2の砲塔16の少なくとも一部を直接又は間接的に受け入れる、出来る限り貫通する内部空洞22。
【0038】
ロック体12は管状形状を有しており、以下を備えている。
【0039】
出来るだけ径方向に拡大された上側セクション23。
【0040】
ビーム又はタブ17、及び/又は停止部13を形成する底部24。
【0041】
砲塔16の少なくとも一部を収容し、ロック体12の伝動機構5への(ねじりに抵抗する)接続を作成する、出来るだけ貫通する内部座25。
【0042】
伝動機構5への接続を用いて、又は直接的な接続、例えばスナップ接続を用いて、ロック体12は、ハウジング2に対するコントロール軸10に沿った移動の可能性はないが、ハウジング2に対してコントロール軸10周りに回転可能に(砲塔16に対して)固定されている。ハウジング2に対するロック体12の回転の大きさは、バルブ1のコントロール機構3,5の調整の大きさによって決定され制限される。
【0043】
ロック体12は、ハンドル4の内部空洞22に受け入れられて、それ故にハウジング2(の砲塔16)とハンドル4との間に置かれている。ハンドル4及びロック体12は、コントロール軸10の周囲を共に回転するようにロック(トルクに抗して結合)されるが、ハンドル4は、ロック体12に対して軸方向に移動できる。
【0044】
ハンドル4とロック体12との間の並進の軸方向スライドを有する捩り接続は、上部又は逆の、対応する径方向凹部27であって、移動ガイドを形成するように軸方向に延びている1つ以上の径方向凹部27に係合する、上側セクション23の1つ以上の径方向突起26によって具現化されている。
【0045】
ハンドル4の移動ストロークは、ロック体12(上昇位置)に形成された上部当接面28及び、ハウジング2又はロック体12に形成された下部当接面29によって定められている。
【0046】
一実施形態によれば、ロック体12の内部座25は、ハウジング2の外側に向かって開口しており、外側から視認可能であり伝動機構5に接続された表示装置30を受け入れている。
【0047】
更なる実施形態によれば、ロック体12は、ハンドル4の対応スロット4を通って延びており、上昇位置にあるときのみにハンドル4から外側に突出するパッドロックを受け入れてパッドロックにロックすることを可能とする孔33を有する、プレート31を形成する。
【0048】
装置1は、特にダイヤフラムバルブ又はボールバルブは、その構成要素は、少なくとも部分的に且つ好ましくは完全に、合成物質、例えばポリマー材料から形成され得る。
【0049】
上述した、流体を搬送し及び/又は分配する装置1は、ハンドル4のロック及びアンロックを、先行技術に比してより直感的な方法で可能とし、作動時にハンドル4の不必要な停止のリスクを減じ、ハンドルをロックするために互いに係合する要素が破断しにくい。
【0050】
更なる実施形態(
図10)にしたがって、発明概念もバルブ1に実施可能であり、該バルブは、
1つ以上の管状接続部7を有するハウジング7と、
ハウジング2に接続されており、ハウジング2に対してコントロール軸10周りを複数のコントロール位置に回転可能である、コントロールハンドル4と、
ハウジング2に受け入れられており、コントロールハンドル4に接続された、流れコントロール機構3,5と、
コントロール軸10の周囲においてハウジング2に形成された複数の止め座11と、
ハンドル4によって形成された複数の停止部13であって、停止部13が止め座11に係合するロック位置と、停止部13が止め座11から離間した開放位置との間を移動可能である、複数の停止部13と、
ハウジング2によって形成されたコントロール面14と、を有し、
ハンドル4は、ハウジング2に向かって下降した位置とハウジング2から上昇した位置との間を、コントロール軸10に沿って、ハウジング2に対して移動可能であり、
ハンドル4が上昇位置に移動されたとき、コントロール面14が停止部13をロック位置に押圧し、
ハンドル4が下降位置に移動されたとき、コントロール面14は、停止部13が開放位置に戻ることを可能とするように配置される。
この実施形態において、停止部13は、ハンドル4によって形成されているが、
図1〜9を参照して説明したように、形作られて配置されてもよい。同様に、コントロール面14も、
図1〜9を参照して説明されたものに対して反対の方法(上下逆に)で形作られてもよい。
【0051】
明らかに当業者は、偶発的及び特定の必要性を満たすために、本発明に係る装置1の更なる修正及び変形をなすことができるが、しかしながら、すべて添付の請求項によって画定される発明の範囲内に含まれる。
【外国語明細書】