特開2016-211746(P2016-211746A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-211746(P2016-211746A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】免震装置及び石造物
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/04 20060101AFI20161118BHJP
   F16F 1/12 20060101ALI20161118BHJP
【FI】
   F16F15/04 B
   F16F1/12 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-176094(P2016-176094)
(22)【出願日】2016年9月9日
(62)【分割の表示】特願2012-123771(P2012-123771)の分割
【原出願日】2012年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】306024805
【氏名又は名称】株式会社 林物産発明研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 和志郎
(72)【発明者】
【氏名】林 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】林 宏三郎
【テーマコード(参考)】
3J048
3J059
【Fターム(参考)】
3J048AA02
3J048AC04
3J048BA03
3J048BA24
3J048BC02
3J048BE03
3J048CB03
3J048DA01
3J048EA13
3J048EA38
3J059AD05
3J059BA01
3J059BB04
3J059BC02
3J059BC06
3J059BD01
3J059BD02
3J059BD03
3J059GA41
3J059GA42
(57)【要約】

【課題】
本発明は、可撓性及び伸縮性を具え、例えば免震装置における免震支承用として最適とする「フレキシブル特性を有する小棒状部材」という新規の製品の提供を図る。
【解決手段】
可撓性及び伸縮性を具えたコイルスプリング1の内部に、可撓性及び伸縮性を具えた材料を嵌入装填して成るフレキシブル特性を有する小棒状部材。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性及び伸縮性を具えたコイルスプリング(1)の内部に、可撓性及び伸縮性を具えた材料を嵌入装填して成るフレキシブル特性を有する小棒状部材。
【請求項2】
コイルスプリング(1)の内部に嵌入装填する材料として、1本のゴム軸(2)を用いて成る請求項1に記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材。
【請求項3】
コイルスプリング(1)の内部に嵌入装填する材料として、複数本を束ねたゴム軸単体(3)として成る請求項1に記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材。
【請求項4】
コイルスプリング(1)の内部に嵌入装填する材料として、ゴムチップ(4)を収容する袋体(5)として成る請求項1に記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材。
【請求項5】
コイルスプリング(1)の内部に嵌入装填する材料として、所要の液体(6)を収容する袋体(7)として成る請求項1に記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材。
【請求項6】
袋体内にコイルスプリング(1)自体も収容してしまうように構成した請求項4または請求項5の何れかに記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材。
【請求項7】
コイルスプリング(1)内に嵌入収装する部材の上下両端にフランジ部を設けるように構成した請求項1乃至請求項6の何れかに記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常は垂直状を呈するが、横方向の力が加わった際には湾曲するような可撓性と、縦方向の力が加わった際には伸縮するような変形性を具え、例えば免震装置における免震支承用として最適とする「フレキシブル特性を有する小棒状部材」に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば地震の震動に対する免震化を図る機構において、横揺れ等を吸収するための部材たる柱状を呈する支持用部材(小棒状部材)は、積層ゴムなどのゴム柱とすることを通例とした(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−292155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したようなゴム柱であると、その可撓性の及び伸縮性の調整が非常に困難であり、殆どゴム素材の特性に委ねざるを得ない。 従って、例えば強度的に太いゴム柱を用いた場合、その可撓性が強すぎて免震作用に齟齬を来してしまうというような問題が生じることとなった。
【0005】
更に、ゴム材は外気に晒されていると表面劣化が起こりやすく、弾力性喪失の大きな原因となってしまうものである。
本発明はこの従来の問題点の解消化を企図した「フレキシブル特性を有する小棒状部材」と言う新規な製品の提供を図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は請求項1に記載のように、可撓性及び伸縮性を具えたコイルスプリング1の内部に、可撓性及び伸縮性を具えた材料を嵌入装填して成るフレキシブル特性を有する小棒状部材に係る。
【0007】
本発明は請求項2記載のように、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、1本のゴム軸2を用いて成る請求項1に記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材を実施の態様とする。
【0008】
本発明は請求項3に記載のように、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、複数本を束ねたゴム軸単体3として成る請求項1に記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材を実施の態様とする。
【0009】
本発明は請求項4に記載のように、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、ゴムチップ4を収容する袋体5として成る請求項1に記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材を実施の態様とする。
【0010】
本発明は請求項5に記載のように、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、所要の液体6を収容する袋体7として成る請求項1に記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材を実施の態様とする。
【0011】
本発明は請求項6に記載のように、袋体内にコイルスプリング1自体も収容してしまうように構成した請求項4または請求項5の何れかに記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材を実施の態様とする。
【0012】
本発明は請求項7に記載のように、コイルスプリング1内に嵌入収装する部材の上下両端にフランジ部を設けるように構成した請求項1乃至請求項6の何れかに記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材を実施の態様とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は請求項1に記載のような構成、すなわち、可撓性及び伸縮性を具えたコイルスプリング1の内部に、可撓性及び伸縮性を具えた材料を嵌入装填するように構成したから、使用するコイルスプリング1の選定と、内部に嵌入装填した材料の選定に基づき、全体としての可撓性及び伸縮性の任意設定が可能化される。 すなわち、何れか一方だけであると、必要とする強度を具えた可撓性及び伸縮性を得るためにはその全体としての大きさが定まってしまうこととなる。 これに対して本発明は、例えば強力な弾力性を具えたコイルスプリング1の選定と、これに加えたい程度の弾力性を具えた「内部嵌入装填用材料」の選定に基づき、必要とするサイズと強度を確保した上での、必要とする可撓性及び伸縮性を得ることが可能化される。
【0014】
本発明は請求項2に記載のような構成、すなわち、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、1本のゴム軸2を用いるように構成したから、構成上の単純化が図られる。
【0015】
本発明は請求項3に記載のような構成、すなわち、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、複数本を束ねたゴム軸単体3とするように構成したから、当該ゴム軸単体3の太さ及び本数を適宜設定することに依り、可撓性及び伸縮性に対するきめの細かい調節設定が可能化される。
【0016】
本発明は請求項4に記載のような構成、すなわち、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、ゴムチップ4を収容する袋体5とすることに依り、製造コストの低廉化が図られると共に、当該ゴムチップ4の量に依り可撓性及び伸縮性の調節ができるため、最適とする性能の確保が極めて容易に達成される。
【0017】
本発明は請求項5に記載のような構成、すなわち、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、所要の液体6を収容する袋体7とすることに依り、コイルスプリング1内に対する嵌入収装作業が著しく容易化される。 また、使用する液体(例えば水)に依っては製造ストの著減化が図られる。
【0018】
本発明は請求項6に記載のような構成、すなわち、袋体内にコイルスプリング1自体も収容してしまうように構成することに依り、コイルスプリング1に対する保護目的も同時に果たされる。
【0019】
本発明は請求項7に記載のような構成、すなわち、コイルスプリング1内に嵌入収装する部材の上下両端にフランジ部を設けるように構成することに依り、取付け上の至便性が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施例を表した正面図である。
図2】同上平面図である。
図3】同上縦断面図である。
図4】本発明の第2の実施例を表した平面図である。
図5図4におけるX―X線断面図である。
図6】本発明の第3の実施例を表した平面図である。
図7図6におけるY―Y線断面図である。
図8】本発明の第4の実施例を表した平面図である。
図9図4におけるZ―Z線断面図である。
図10】本発明の第5の実施例を表した平面図である。
図11】同上一部切欠正面図である。
図12】本発明の一使用例を表した説明用正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1乃至図3は本発明の基本形とする第1の実施例を表したものである。 同図において、1はコイルスプリングであって、所要の可撓性(反り及びその復元)を具えている。 なお、図示の実施例にあっては各ピッチが閉じた状態、すなわち、引き伸ばし方向に伸長する形態のものを示してあるが、圧縮及び伸長自在とするピッチのものを用いることが好ましい。
【0022】
2は1本のゴム軸であって、所要の可撓性及び伸縮性を具えたものである。 そして、当該ゴム軸2は上記したコイルスプリング1内に嵌入装填することに依って、当該コイルスプリング1と協調して可撓性及び伸縮性の発揮、すなわち、直線状態からの変形及び復元作用が奏されるように構成してある。
【0023】
図4及び図5は本発明の第2の実施例を表したものであって、これは上記第1の実施例において用いた1本のゴム軸2に代えて、数本のゴム軸単体3を束ねた状態で、コイルスプリング1内に嵌入装填する様に構成したものである。
【0024】
図6及び図7は本発明の第3の実施例を表したものであって、多数のゴムチップ4を袋詰めしたものを、コイルスプリング1内に嵌入装填する様に構成したものである。 なお、同図において、ゴムチップ4を収容する袋体5をコイルスプリング1内に位置する様に構成してあるが、これはコイルスプリング1とゴムチップ4とを一括して収容するような構成、すなわち、全体が袋体5で包まれるような形態で実施することもできる。
【0025】
図8及び図9は本発明の第4の実施例を表したものであって、水、油、その他適宜の液体6を袋詰めしたものを、コイルスプリング1内に嵌入装填する様に構成したものである。 なお、同図において、液体6を収容する袋体7をコイルスプリング1内に位置する様に構成してあるが、これはコイルスプリング4と液体6とを一括して収容するような構成、すなわち、全体が袋体7で包まれるような形態で実施することもできる。
【0026】
図10及び図11は本発明の第5の実施例を表したものであって、端部にフランジ部8aを有する2個のゴム軸8を、コイルスプリング1の上下の両端から嵌入収装する様に構成したものである。 なお、同実施例において重要な点は、コイルスプリング1内に嵌入収装する部材の上下両端にフランジ部を設けるように構成した点にある。 従って、既述した第2乃至第4の各実施例にあっても、このようなフランジ部を一体に形成するように構成して実施する場合もある。
【0027】
図12は本発明を石灯籠の免震用として使用した場合を表したものである。 同図において、Aは石灯籠であって、基礎a、竿尾b、中台c、火袋eの各石部材の頂部に、笠石fを首振り状に支持するための柱体Mとして本発明に係る小棒状部材を用いたものである。
【0028】
これに依り、地震発生時、石灯籠の矢印方向の揺れに基づき、笠石fはその反力に基づき、同図に示す矢印で示すように地震の震動とは逆の方向に振れ動き、その力が地震による振動を抑止し、石灯籠全体の倒伏を防止するような免震作用を奏させるようにしたものである。
【0029】
本発明に係る「フレキシブル特性を有する小棒状部材」は上記のような免震用部材としての利用以外、フレキシブル性を必要とするあらゆる構築物に対する小棒状部材として使用されるものであり、一つの構築用部材としての利用が図られる。
【符号の説明】
【0030】
1 コイルスプリング
2 ゴム軸
3 ゴム軸単体
4 ゴムチップ
5 袋体
6 液体
7 袋体
8 ゴム軸
8a フランジ部
図1
図2
図3
図5
図6
図8
図9
図11
図12
図4
図7
図10
【手続補正書】
【提出日】2016年9月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性及び伸縮性を具えたコイルスプリングの内部に、可撓性及び伸縮性を具えた材料を嵌入装填した支持用部材を有する地震震動に対する免震装置であって、
前記支持用部材の上に配置した部材を、前記支持用部材によって支承したことを特徴とする免震装置。
【請求項2】
前記部材が、石材であることを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
【請求項3】
可撓性及び伸縮性を具えたコイルスプリングの内部に、可撓性及び伸縮性を具えた材料を嵌入装填した支持用部材の上に石材を配置した石造物。
【請求項4】
前記石造物が、石灯籠であることを特徴とする請求項3に記載の石造物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持用部材を有する免震装置及び石造物に関する。支持用部材は、通常は垂直状を呈するが、横方向の力が加わった際には湾曲するような可撓性と、縦方向の力が加わった際には伸縮するような変形性を具え、例えば免震装置における免震支承用として最適とする「フレキシブル特性を有する小棒状部材」を使用できる。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば地震の震動に対する免震化を図る機構において、横揺れ等を吸収するための部材たる柱状を呈する支持用部材(小棒状部材)は、積層ゴムなどのゴム柱とすることを通例とした(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−292155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したようなゴム柱であると、その可撓性の及び伸縮性の調整が非常に困難であり、殆どゴム素材の特性に委ねざるを得ない。従って、例えば強度的に太いゴム柱を用いた場合、その可撓性が強すぎて免震作用に齟齬を来してしまうというような問題が生じることとなった。
【0005】
更に、ゴム材は外気に晒されていると表面劣化が起こりやすく、弾力性喪失の大きな原因となってしまうものである。
本発明はこの従来の問題点の解消化を企図した「フレキシブル特性を有する小棒状部材」と言う新規な製品の提供を図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、可撓性及び伸縮性を具えたコイルスプリングの内部に、可撓性及び伸縮性を具えた材料を嵌入装填した支持用部材を有する地震震動に対する免震装置であって、前記支持用部材の上に配置した部材を、前記支持用部材によって支承したことを特徴とする免震装置、及び、可撓性及び伸縮性を具えたコイルスプリングの内部に、可撓性及び伸縮性を具えた材料を嵌入装填した支持用部材の上に石材を配置した石造物に関する。支持用部材は、フレキシブル特性を有する小棒状部材の形態とできる。
下記は、本願の出願当初に記載した発明である。
本発明は、可撓性及び伸縮性を具えたコイルスプリング1の内部に、可撓性及び伸縮性を具えた材料を嵌入装填して成るフレキシブル特性を有する小棒状部材(構成例1)に係る。
【0007】
構成例2は、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、1本のゴム軸2を用いて成る構成例1に記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材を実施の態様とする。
【0008】
構成例3は、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、複数本を束ねたゴム軸単体3として成る構成例1に記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材を実施の態様とする。
【0009】
構成例4は、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、ゴムチップ4を収容する袋体5として成る構成例1に記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材を実施の態様とする。
【0010】
構成例5は、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、所要の液体6を収容する袋体7として成る構成例1に記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材を実施の態様とする。
【0011】
構成例6は、袋体内にコイルスプリング1自体も収容してしまうように構成した構成例4または構成例5の何れかに記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材を実施の態様とする。
【0012】
構成例7は、コイルスプリング1内に嵌入収装する部材の上下両端にフランジ部を設けるように構成した構成例1乃至構成例6の何れかに記載のフレキシブル特性を有する小棒状部材を実施の態様とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は構成例1に記載のような構成、すなわち、可撓性及び伸縮性を具えたコイルスプリング1の内部に、可撓性及び伸縮性を具えた材料を嵌入装填するように構成したから、使用するコイルスプリング1の選定と、内部に嵌入装填した材料の選定に基づき、全体としての可撓性及び伸縮性の任意設定が可能化される。すなわち、何れか一方だけであると、必要とする強度を具えた可撓性及び伸縮性を得るためにはその全体としての大きさが定まってしまうこととなる。これに対して本発明は、例えば強力な弾力性を具えたコイルスプリング1の選定と、これに加えたい程度の弾力性を具えた「内部嵌入装填用材料」の選定に基づき、必要とするサイズと強度を確保した上での、必要とする可撓性及び伸縮性を得ることが可能化される。
【0014】
本発明は構成例2に記載のような構成、すなわち、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、1本のゴム軸2を用いるように構成したから、構成上の単純化が図られる。
【0015】
本発明は構成例3に記載のような構成、すなわち、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、複数本を束ねたゴム軸単体3とするように構成したから、当該ゴム軸単体3の太さ及び本数を適宜設定することに依り、可撓性及び伸縮性に対するきめの細かい調節設定が可能化される。
【0016】
本発明は構成例4に記載のような構成、すなわち、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、ゴムチップ4を収容する袋体5とすることに依り、製造コストの低廉化が図られると共に、当該ゴムチップ4の量に依り可撓性及び伸縮性の調節ができるため、最適とする性能の確保が極めて容易に達成される。
【0017】
本発明は構成例5に記載のような構成、すなわち、コイルスプリング1の内部に嵌入装填する材料として、所要の液体6を収容する袋体7とすることに依り、コイルスプリング1内に対する嵌入収装作業が著しく容易化される。また、使用する液体(例えば水)に依っては製造ストの著減化が図られる。
【0018】
本発明は構成例6に記載のような構成、すなわち、袋体内にコイルスプリング1自体も収容してしまうように構成することに依り、コイルスプリング1に対する保護目的も同時に果たされる。
【0019】
本発明は構成例7に記載のような構成、すなわち、コイルスプリング1内に嵌入収装する部材の上下両端にフランジ部を設けるように構成することに依り、取付け上の至便性が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施例を表した正面図である。
図2】同上平面図である。
図3】同上縦断面図である。
図4】本発明の第2の実施例を表した平面図である。
図5図4におけるX―X線断面図である。
図6】本発明の第3の実施例を表した平面図である。
図7図6におけるY―Y線断面図である。
図8】本発明の第4の実施例を表した平面図である。
図9図4におけるZ―Z線断面図である。
図10】本発明の第5の実施例を表した平面図である。
図11】同上一部切欠正面図である。
図12】本発明の一使用例を表した説明用正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1乃至図3は本発明の基本形とする第1の実施例を表したものである。同図において、1はコイルスプリングであって、所要の可撓性(反り及びその復元)を具えている。なお、図示の実施例にあっては各ピッチが閉じた状態、すなわち、引き伸ばし方向に伸長する形態のものを示してあるが、圧縮及び伸長自在とするピッチのものを用いることが好ましい。
【0022】
2は1本のゴム軸であって、所要の可撓性及び伸縮性を具えたものである。そして、当該ゴム軸2は上記したコイルスプリング1内に嵌入装填することに依って、当該コイルスプリング1と協調して可撓性及び伸縮性の発揮、すなわち、直線状態からの変形及び復元作用が奏されるように構成してある。
【0023】
図4及び図5は本発明の第2の実施例を表したものであって、これは上記第1の実施例において用いた1本のゴム軸2に代えて、数本のゴム軸単体3を束ねた状態で、コイルスプリング1内に嵌入装填する様に構成したものである。
【0024】
図6及び図7は本発明の第3の実施例を表したものであって、多数のゴムチップ4を袋詰めしたものを、コイルスプリング1内に嵌入装填する様に構成したものである。なお、同図において、ゴムチップ4を収容する袋体5をコイルスプリング1内に位置する様に構成してあるが、これはコイルスプリング1とゴムチップ4とを一括して収容するような構成、すなわち、全体が袋体5で包まれるような形態で実施することもできる。
【0025】
図8及び図9は本発明の第4の実施例を表したものであって、水、油、その他適宜の液体6を袋詰めしたものを、コイルスプリング1内に嵌入装填する様に構成したものである。なお、同図において、液体6を収容する袋体7をコイルスプリング1内に位置する様に構成してあるが、これはコイルスプリング4と液体6とを一括して収容するような構成、すなわち、全体が袋体7で包まれるような形態で実施することもできる。
【0026】
図10及び図11は本発明の第5の実施例を表したものであって、端部にフランジ部8aを有する2個のゴム軸8を、コイルスプリング1の上下の両端から嵌入収装する様に構成したものである。なお、同実施例において重要な点は、コイルスプリング1内に嵌入収装する部材の上下両端にフランジ部を設けるように構成した点にある。従って、既述した第2乃至第4の各実施例にあっても、このようなフランジ部を一体に形成するように構成して実施する場合もある。
【0027】
図12は本発明を石灯籠の免震用として使用した場合を表したものである。同図において、Aは石灯籠であって、基礎a、竿尾b、中台c、火袋eの各石部材の頂部に、笠石fを首振り状に支持するための柱体Mとして本発明に係る小棒状部材を用いたものである。
【0028】
これに依り、地震発生時、石灯籠の矢印方向の揺れに基づき、笠石fはその反力に基づき、同図に示す矢印で示すように地震の震動とは逆の方向に振れ動き、その力が地震による振動を抑止し、石灯籠全体の倒伏を防止するような免震作用を奏させるようにしたものである。
【0029】
本発明に係る「フレキシブル特性を有する小棒状部材」は上記のような免震用部材としての利用以外、フレキシブル性を必要とするあらゆる構築物に対する小棒状部材として使用されるものであり、一つの構築用部材としての利用が図られる。
【符号の説明】
【0030】
1 コイルスプリング
2 ゴム軸
3 ゴム軸単体
4 ゴムチップ
5 袋体
6 液体
7 袋体
8 ゴム軸
8a フランジ部