【解決手段】本開示の表示装置は、複数の補正テーブルを有し、第1の輝度情報に基づいて複数の補正テーブルのうちの1つを選択し、選択した補正テーブルを用いて第1の輝度情報に対して補正演算を行うことにより第2の輝度情報を生成する補正部と、第2の輝度情報に基づいて表示を行う表示部とを備える。
複数の補正テーブルを有し、第1の輝度情報に基づいて前記複数の補正テーブルのうちの1つを選択し、選択した補正テーブルを用いて前記第1の輝度情報に対して補正演算を行うことにより第2の輝度情報を生成する補正部と、
前記第2の輝度情報に基づいて表示を行う表示部と
を備えた表示装置。
前記表示部は、前記第3の輝度情報に基づいて、前記第3の輝度情報に応じたパルス幅を有するパルス信号を生成し、そのパルス信号に基づいて前記発光素子を駆動する駆動部をさらに有する
請求項4に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.適用例
【0013】
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、第1の実施の形態に係る表示装置(表示装置1)の一構成例を表すものである。表示装置1は、LED(Light Emitting Diode)を表示素子として用いたものである。なお、本開示の実施の形態に係る表示方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。
【0014】
表示装置1は、画像処理部20と、タイミング制御部11と、表示駆動部12と、表示部13を備えている。表示装置1は、画像信号Spicに基づいて、画像を表示するものである。画像信号Spicは、輝度情報INFR,INFG,INFBを含んでいる。輝度情報INFRは赤色(R)の輝度値を示すものであり、輝度情報INFGは緑色(G)の輝度値を示すものであり、輝度情報INFBは青色(B)の輝度値を示すものである。輝度情報INFR,INFG,INFBは、それぞれ、0以上、値INFmax以下の値を有するものである。以下、輝度情報INFR,INFG,INFBのいずれかを表すものとして輝度情報INFを適宜用いる。
【0015】
画像処理部20は、画像信号Spicに基づいて、画像信号Spic3および制御信号Sctrlを生成するものである。
【0016】
図2は、画像処理部20の一構成例を表すものである。画像処理部20は、制御信号生成部21と、補正部22と、演算部23とを有している。
【0017】
制御信号生成部21は、画像信号Spicに基づいて制御信号Sctrlを生成するものである。具体的には、制御信号生成部21は、画像信号Spicに含まれる輝度情報INFの値を、所定のしきい値INFthと比較する。そして、制御信号生成部21は、輝度情報INFの値がしきい値INFthよりも大きい場合には、値が“1”である制御信号Sctrlを生成し、輝度情報INFの値がしきい値INFth以下である場合には、値が“0”である制御信号Sctrlを生成するようになっている。ここで、しきい値INFthは、例えば、値INFmaxの20分の1(INFth=INFmax/20)に設定することができる。
【0018】
補正部22は、制御信号Sctrlに基づいて、画像信号Spicに含まれる輝度情報INF(INFR,INFG,INFB)を補正することにより、輝度情報INF2(INFR2,INFG2,INFB2)を生成するものである。補正部22は、補正テーブルT1,T2を有している。補正テーブルT1,T2は、表示部13における発光素子40(後述)の特性ばらつきを補正するとともに、駆動電流による発光素子40の色度変化を補正するためのものである。補正テーブルT1,T2のそれぞれは、表示部13における発光素子40の数に対応する数の補正データDを含んでいる。補正テーブルT1は、輝度情報INFの値がしきい値INFthよりも大きい場合に用いるものであり、補正テーブルT2は、輝度情報INFの値がしきい値INFth以下である場合に用いるものである。
【0019】
この構成により、補正部22は、まず、制御信号Sctrlに基づいて、補正テーブルT1,T2のうちの使用する補正テーブルを選択する。具体的には、制御信号Sctrlの値が“1”である場合には、補正テーブルT1を選択し、制御信号Sctrlの値が“0”である場合には、補正テーブルT2を選択する。そして、補正部22は、選択した補正テーブルに含まれる補正データDに基づいて、輝度情報INFを補正することにより、輝度情報INF2を生成する。そして、補正部22は、これらの輝度情報INF2を、画像信号Spic2として出力するようになっている。
【0020】
演算部23は、制御信号Sctrlに基づいて、画像信号Spic2に含まれる輝度情報INF2(INFR2,INFG2,INFB2)に対して演算を行うことにより、輝度情報INF3(INFR3,INFG3,INFB3)を生成するものである。具体的には、演算部23は、制御信号Sctrlの値が“1”である場合には、輝度情報INF2の値に対してゲインG1を乗算することにより輝度情報INF3を生成する。ゲインG1は、この例では“1”である。また、演算部23は、制御信号Sctrlの値が“0”である場合には、輝度情報INF2の値に対してゲインG2を乗算することにより輝度情報INF3を生成する。ゲインG2は、この例では“20”である。そして、演算部23は、輝度情報INF3を、画像信号Spic3として出力するようになっている。
【0021】
図3は、演算部23の一動作例を表すものである。この例では、補正部22は、説明の便宜上、輝度情報INFに対して補正を行わず、輝度情報INFを輝度情報INF2として出力している。輝度情報INFの値がしきい値INFthよりも大きい場合には、演算部23が出力する輝度情報INF3の値は、輝度情報INF2の値と同じである。また、輝度情報INFの値がしきい値INFth以下である場合には、輝度情報INF3の値は、この例では、輝度情報INF2の値の20倍になる。このように、演算部23は、輝度情報INFの値が低い場合に、高いゲインG2を用いることにより、輝度情報INF3の値を高くする。これにより、表示装置1では、後述するように、輝度情報INFの値が低い場合において、画質が低下するおそれを低減するようになっている。
【0022】
タイミング制御部11(
図1)は、画像信号Spicに基づいて、表示駆動部12および表示部13がお互いに同期して動作するように制御するものである。具体的には、タイミング制御部11は、表示駆動部12に対して制御信号を供給するとともに、表示部13に対して参照信号Srefを供給するようになっている。
【0023】
図4は、参照信号Srefの波形の一例を表すものである。参照信号Srefは、いわゆるのこぎり波形を有するものである。タイミング制御部11は、このような波形を有する参照信号Srefを生成し、表示部13に対して供給するようになっている。
【0024】
表示駆動部12は、画像信号Spic3、およびタイミング制御部11から供給された制御信号に基づいて、画素信号Sigを生成し、その画素信号Sigを表示部13に供給するものである。
【0025】
表示部13は、画素信号Sig、制御信号Sctrl、および参照信号Srefに基づいて画像を表示するものである。表示部13は、マトリックス状に配置された複数の画素Pixを有している。
【0026】
図5は、画素Pixの一構成例を表すものである。画素Pixは、駆動部30と、3つの発光素子40(40R,40G,40B)とを有している。
【0027】
駆動部30は、画素信号Sig、制御信号Sctrl、および参照信号Srefに基づいて、発光素子40R,40G,40Bに、駆動電流をそれぞれ供給するものである。駆動部30は、制御部31と、コンパレータ321〜323と、スイッチ制御部331〜333と、電流源341〜346と、スイッチ351〜356とを有している。
【0028】
制御部31は、画素信号Sigおよび制御信号Sctrlに基づいて、画素電圧VpixR,VpixG,VpixGおよびスイッチ制御信号SELR,SELG,SELBを生成するものである。具体的には、制御部31は、画素信号Sigに含まれる、この画素Pixの輝度情報INFR3,INFG3,INFB3に基づいて、D/A(Digital/Analog)変換を行うことにより、画素電圧VpixR,VpixG,VpixBをそれぞれ生成する。また、制御部31は、制御信号Sctrlに基づいて、スイッチ制御信号SELR,SELG,SELBを生成する。具体的には、制御部31は、この画素Pixの輝度情報INFR3に対応する制御信号Sctrlをスイッチ制御信号SELRとして出力し、この画素Pixの輝度情報INFG3に対応する制御信号Sctrlをスイッチ制御信号SELGとして出力し、この画素Pixの輝度情報INFB3に対応する制御信号Sctrlをスイッチ制御信号SELBとして出力するようになっている。
【0029】
コンパレータ321は、画素電圧VpixRと参照信号Srefとを比較することによりパルス信号SRを生成するものである。コンパレータ322は、画素電圧VpixGと参照信号Srefとを比較することによりパルス信号SGを生成するものである。コンパレータ323は、画素電圧VpixBと参照信号Srefとを比較することによりパルス信号SBを生成するものである。
【0030】
図6は、コンパレータ321の一動作例を表すものである。なお、コンパレータ322,323についても同様である。コンパレータ321は、画素電圧VpixRと参照信号Srefとを比較することによりパルス信号SRを生成する。例えば、画素電圧VpixRが中程度(画素電圧VpixR1)である場合には、パルス信号SR(パルス信号SR1)のデューティ比は50%程度になる。また、例えば、画素電圧VpixRが低い場合(画素電圧VpixR2)である場合には、パルス信号SR(パルス信号SR2)のデューティ比は小さくなる。このように、コンパレータ321は、画素電圧VpixRに応じたパルス幅を有するパルス信号SRを生成するようになっている。
【0031】
スイッチ制御部331(
図5)は、スイッチ制御信号SELRおよびパルス信号SRに基づいて、スイッチ351,352を制御するものである。具体的には、スイッチ制御部331は、スイッチ制御信号SELRが“1”である場合には、パルス信号SRに基づいてスイッチ351をオンオフ制御するとともに、スイッチ352をオフ状態に維持する。また、スイッチ制御部331は、スイッチ制御信号SELRが“0”である場合には、パルス信号SRに基づいてスイッチ352をオンオフ制御するとともに、スイッチ351をオフ状態に維持するようになっている。
【0032】
同様に、スイッチ制御部332は、スイッチ制御信号SELGおよびパルス信号SGに基づいて、スイッチ353,354を制御するものである。具体的には、スイッチ制御部332は、スイッチ制御信号SELGが“1”である場合には、パルス信号SGに基づいてスイッチ353をオンオフ制御するとともに、スイッチ354をオフ状態に維持する。また、スイッチ制御部332は、スイッチ制御信号SELGが“0”である場合には、パルス信号SGに基づいてスイッチ354をオンオフ制御するとともに、スイッチ353をオフ状態に維持するようになっている。
【0033】
同様に、スイッチ制御部333は、スイッチ制御信号SELBおよびパルス信号SBに基づいて、スイッチ355,356を制御するものである。具体的には、スイッチ制御部333は、スイッチ制御信号SELBが“1”である場合には、パルス信号SBに基づいてスイッチ355をオンオフ制御するとともに、スイッチ356をオフ状態に維持する。また、スイッチ制御部333は、スイッチ制御信号SELBが“0”である場合には、パルス信号SBに基づいてスイッチ356をオンオフ制御するとともに、スイッチ355をオフ状態に維持するようになっている。
【0034】
電流源341,343,345は、一端から他端へ、所定の駆動電流I1を流すものである。電流源342,344,346は、一端から他端へ、所定の駆動電流I2を流すものである。駆動電流I1の値は、例えば100[μA]であり、駆動電流I2の値は、例えば5[μA]である。すなわち、この例では、駆動電流I2の電流値は、駆動電流I1の“1/20”である。この駆動電流I1,I2の比I2/I1(=1/20)は、上述した演算部23におけるゲインG1,G2の比G1/G2(=1/20)と対応するものである。
【0035】
電流源341の一端には電源電圧VDDが印加され、他端はスイッチ351の一端に接続されている。電流源342の一端には電源電圧VDDが印加され、他端はスイッチ352の一端に接続されている。電流源343の一端には電源電圧VDDが印加され、他端はスイッチ353の一端に接続されている。電流源344の一端には電源電圧VDDが印加され、他端はスイッチ354の一端に接続されている。電流源345の一端には電源電圧VDDが印加され、他端はスイッチ355の一端に接続されている。電流源346の一端には電源電圧VDDが印加され、他端はスイッチ356の一端に接続されている。
【0036】
スイッチ351は、スイッチ制御部331から供給される制御信号に基づいて一端と他端との間をオンオフするものであり、一端は電流源341の他端に接続され、他端はスイッチ352の他端に接続されるとともに、発光素子40Rのアノードに接続されている。スイッチ352は、スイッチ制御部331から供給される制御信号に基づいて一端と他端との間をオンオフするものであり、一端は電流源342の他端に接続され、他端はスイッチ351の他端に接続されるとともに、発光素子40Rのアノードに接続されている。
【0037】
スイッチ353は、スイッチ制御部332から供給される制御信号に基づいて一端と他端との間をオンオフするものであり、一端は電流源343の他端に接続され、他端はスイッチ354の他端に接続されるとともに、発光素子40Gのアノードに接続されている。スイッチ354は、スイッチ制御部332から供給される制御信号に基づいて一端と他端との間をオンオフするものであり、一端は電流源344の他端に接続され、他端はスイッチ353の他端に接続されるとともに、発光素子40Gのアノードに接続されている。
【0038】
スイッチ355は、スイッチ制御部333から供給される制御信号に基づいて一端と他端との間をオンオフするものであり、一端は電流源345の他端に接続され、他端はスイッチ356の他端に接続されるとともに、発光素子40Bのアノードに接続されている。スイッチ356は、スイッチ制御部333から供給される制御信号に基づいて一端と他端との間をオンオフするものであり、一端は電流源346の他端に接続され、他端はスイッチ355の他端に接続されるとともに、発光素子40Bのアノードに接続されている。
【0039】
発光素子40R,40G,40Bは、例えばLEDを用いて構成されるものであり、供給された駆動電流に基づいて発光するものである。発光素子40Rは、赤色(R)の光を射出するものであり、アノードはスイッチ351の他端およびスイッチ352の他端に接続され、カソードは接地されている。同様に、発光素子40Gは、緑色(G)の光を射出するものであり、アノードはスイッチ353の他端およびスイッチ354の他端に接続され、カソードは接地されている。発光素子40Bは、青色(B)の光を射出するものであり、アノードはスイッチ355の他端およびスイッチ356の他端に接続され、カソードは接地されている。
【0040】
この構成により、駆動部30は、画素電圧VpixRに応じた長さの期間において、駆動電流を発光素子40Rに供給する。その際、駆動部30は、信号SELRに応じて、電流源341,342のうちの一方を選択し、その選択された電流源が駆動電流を発光素子40Rに供給する。これにより、発光素子40Rは、画素電圧VpixRに応じた長さの期間において、駆動電流に応じた輝度で発光する。同様に、駆動部30は、画素電圧VpixGに応じた長さの期間において、信号SELGに応じた電流値の駆動電流を、発光素子40Gに供給する。これにより、発光素子40Gは、画素電圧VpixGに応じた長さの期間において、駆動電流に応じた輝度で発光する。また、駆動部30は、画素電圧VpixBに応じた長さの期間において、信号SELBに応じた電流値の駆動電流を、発光素子40Gに供給する。これにより、発光素子40Bは、画素電圧VpixBに応じた長さの期間において、駆動電流に応じた輝度で発光するようになっている。
【0041】
ここで、輝度情報INFは、本開示における「第1の輝度情報」の一具体例に対応する。輝度情報INF2は、本開示における「第2の輝度情報」の一具体例に対応する。輝度情報INF3は、本開示における「第3の輝度情報」の一具体例に対応する。タイミング制御部11は、本開示における「信号生成部」の一具体例に対応する。
【0042】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の表示装置1の動作および作用について説明する。
【0043】
(全体動作概要)
まず、
図1,2,5を参照して、表示装置1の全体動作概要を説明する。画像処理部20(
図1)は、画像信号Spicに基づいて、画像信号Spic3および制御信号Sctrlを生成する。具体的には、制御信号生成部21(
図2)が、画像信号Spicに基づいて制御信号Sctrlを生成する。補正部22は、補正テーブルT1,T2のうちの、制御信号Sctrlに応じた補正テーブルを用いて、画像信号Spicに含まれる輝度情報INF(INFR,INFG,INFB)を補正することにより、輝度情報INF2(INFR2,INFG2,INFB2)を生成する。演算部23は、輝度情報INF2の値に対して、ゲインG1,G2のうちの、制御信号Sctrlに応じたゲインを乗算することにより、輝度情報INF3(INFR3,INFG3,INFB3)を生成する。そして、演算部23は、この輝度情報INF3を、画像信号Spic3として出力する。タイミング制御部11(
図1)は、表示駆動部12に対して制御信号を供給するとともに、表示部13に対して参照信号Srefを供給する。表示駆動部12は、画像信号Spic3に基づいて画素信号Sigを生成する。
【0044】
表示部13は、画素信号Sig、制御信号Sctrl、および参照信号Srefに基づいて画像を表示する。画素Pixの制御部31(
図5)は、画素信号Sigおよび制御信号Sctrlに基づいて、画素電圧VpixR,VpixG,VpixGおよびスイッチ制御信号SELR,SELG,SELBを生成する。コンパレータ321は、画素電圧VpixRと参照信号Srefとを比較することによりパルス信号SRを生成する。スイッチ制御部331は、スイッチ制御信号SELRおよびパルス信号SRに基づいて、スイッチ351,352を制御する。発光素子40Rは、電流源341,342から供給された駆動電流に基づいて発光する。コンパレータ322は、画素電圧VpixGと参照信号Srefとを比較することによりパルス信号SGを生成する。スイッチ制御部332は、スイッチ制御信号SELGおよびパルス信号SGに基づいて、スイッチ353,354を制御する。発光素子40Gは、電流源343,344から供給された駆動電流に基づいて発光する。コンパレータ323は、画素電圧VpixBと参照信号Srefとを比較することによりパルス信号SBを生成する。スイッチ制御部333は、スイッチ制御信号SELBおよびパルス信号SBに基づいて、スイッチ355,356を制御する。発光素子40Bは、電流源345,346から供給された駆動電流に基づいて発光する。
【0045】
(詳細動作)
表示装置1では、輝度情報INFの値に応じて、補正テーブルT1,T2、ゲインG1,G2、駆動電流I1,I2を切り替える。具体的には、表示装置1は、輝度情報INFの値がしきい値INFthよりも大きい場合には、補正テーブルT1、ゲインG1、および駆動電流I1を用いる。ここで、ゲインG1は、例えば“1”であり、駆動電流I1は、例えば100[μA]である。また、表示装置1は、輝度情報INFの値がしきい値INFth以下である場合には、補正テーブルT2,ゲインG2、および駆動電流I2を用いる。ここで、ゲインG2は、例えば“20”であり、駆動電流I2は、例えば5[μA]である。すなわち、表示装置1は、輝度情報INFの値がしきい値INFthよりも大きい場合には、ゲインを小さくするとともに駆動電流を大きくし、輝度情報INFの値がしきい値INFth以下である場合には、ゲインを大きくするとともに駆動電流を小さくする。これにより、表示装置1では、以下に説明するように、輝度情報INFの値が低い場合において、画質が低下するおそれを低減することができる。
【0046】
図7は、輝度情報INFRの値が低い場合におけるパルス信号SRの波形を表すものである。輝度情報INFRの値が低い場合には、画素電圧VpixRもまた低くなる。
図7に示したように、画素電圧VpixRが低い場合には、パルス信号SRのデューティ比が小さくなる。参照信号Srefは、いわゆるのこぎり波形を有するものである。よって、寄生抵抗や寄生容量の影響を受け、例えば、
図7に示した部分Wの波形がなまってしまうおそれがある。このように波形の一部がなまってしまった場合には、パルス信号SRのデューティ比は、画素電圧VpixRに対応する理想的なデューティ比からずれてしまい、その結果、画質が低下するおそれがある。
【0047】
表示装置1では、輝度情報INFの値がしきい値INFth以下である場合には、輝度情報INF2に、大きいゲインG2を乗算することにより、輝度情報INF3を生成する。これにより、表示装置1では、例えば、画素電圧VpixRが高くなるため、輝度情報INFRの値が低い場合でも、
図7に示した部分Wを使用する機会が少なくなる。その結果、表示装置1では、パルス信号SRのデューティ比が、画素電圧VpixRに対応する理想的なデューティ比からずれるおそれを低減することができ、画質を高めることができる。
【0048】
また、表示装置1では、輝度情報INFの値に応じて、補正テーブルT1,T2を切り替えるようにしたので、画質を高めることができる。すなわち、まず、表示装置1では、ゲインG1,G2の切り替えに応じて、駆動電流I1,I2を切り替える。発光素子は、一般に、駆動電流が変化すると、輝度が変化するだけでなく、色度が変化するおそれがある。表示装置1では、輝度情報INFの値に応じて、駆動電流I1,I2を切り替えるとともに、補正テーブルT1,T2を切り替えるようにしたので、駆動電流に応じて色度の変化を補正することができるため、画質を高めることができる。
【0049】
[効果]
以上のように本実施の形態では、輝度情報の値に応じて、ゲインおよび駆動電流を切り替えるようにしたので、画質を高めることができる。
【0050】
本実施の形態では、輝度情報の値に応じて、補正テーブルを切り替えるようにしたので、色度を補正することができるため、画質を高めることができる。
【0051】
[変形例1−1]
上記実施の形態では、LEDを用いて発光素子40を構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、レーザダイオードや、EL(Electro Luminescence)素子などを用いて構成してもよい。
【0052】
[変形例1−2]
上記実施の形態では、2つの補正テーブルT1,T2を設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば3つ以上の補正テーブルを設けてもよい。具体的には、例えば、輝度情報INFの値に応じて、3つの補正テーブルのうちの1つを選択し、3つのゲインのうちの1つを選択し、3つの駆動電流のうちの1つを選択するようにしてもよい。
【0053】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る表示装置2について説明する。本実施の形態は、本技術を液晶表示装置に適用したものである。なお、上記第1の実施の形態に係る表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0054】
図8は、表示装置2の一構成例を表すものである。表示装置2は、画像処理部50と、タイミング制御部41と、表示駆動部42と、走査部43と、液晶表示部44と、バックライト45とを有している。
【0055】
画像処理部50は、
図2に示したように、制御信号生成部51を有している。制御信号生成部51は、画像信号Spicに基づいて、1フレーム分の輝度情報INFの値の平均値AVGを求め、その平均値AVGと所定のしきい値INFthと比較することにより、制御信号Sctrlを生成するものである。具体的には、制御信号生成部51は、平均値AVGがしきい値INFthよりも大きい場合には、値が“1”である制御信号Sctrlを生成し、平均値AVGがしきい値INFth以下である場合には、値が“0”である制御信号Sctrlを生成するようになっている。
【0056】
タイミング制御部41は、画像信号Spicに基づいて、表示駆動部42および走査部43に対してそれぞれ制御信号を供給することにより、表示駆動部42および走査部43がお互いに同期して動作するように制御するものである。
【0057】
表示駆動部42は、画像信号Spic3、およびタイミング制御部41から供給された制御信号に基づいて、輝度情報INF3に対してD/A変換を行うことにより、画素電圧Vpixを生成するものである。そして、表示駆動部42を、その画素電圧Vpixを、画素信号Sig2として出力するようになっている。
【0058】
走査部32は、タイミング制御部41から供給された制御信号に基づいて、液晶表示部44の画素Pix2(後述)をライン単位で選択するための走査信号Scanを生成するものである。
【0059】
液晶表示部44は、画素信号Sig2および走査信号Scanに基づいて画像を表示するものである。液晶表示部44は、マトリックス状に配置された複数の画素Pix2を有している。画素Pix2は、赤色の光を透過させるサブ画素と、緑色の光を透過させるサブ画素と、青色の光を透過させるサブ画素とを有している。各サブ画素は、画素電圧Vpixに基づいて、バックライト45から射出された光の透過率を変化させるものである。
【0060】
バックライト45は、液晶表示部44に対して白色光を射出するものである。バックライト45は、例えば、赤色の光を射出するLEDと、緑色の光を射出するLEDと、青色の光を射出するLEDとを含み、これらの光が混ざり合った白色光を射出する。このバックライト45は、制御信号Sctrlに基づいて、発光輝度を変更可能に構成されている。具体的には、制御信号Sctrlに基づいて、これらのLEDに駆動電流I1または駆動電流I2を流すように構成されている。
【0061】
表示装置2では、上記実施の形態に係る表示装置1と同様に、輝度情報INFの値に応じて、補正テーブルT1,T2、ゲインG1,G2、駆動電流I1,I2を切り替える。すなわち、表示装置2では、輝度情報INFの値がしきい値INFthよりも大きい場合には、ゲインを小さくするとともに駆動電流を大きくし、輝度情報INFの値がしきい値INFth以下である場合には、ゲインを大きくするとともに駆動電流を小さくする。その際、表示装置2は、駆動電流I1,I2に応じて補正テーブルT1,T2を切り替えるようにしたので、画質を高めることができる。すなわち、バックライト45の各LEDは、駆動電流が変化すると、輝度が変化するだけでなく、色度が変化するおそれがある。表示装置2では、輝度情報INFの値に応じて、駆動電流I1,I2を切り替えるとともに、補正テーブルT1,T2を切り替えるようにしたので、駆動電流に応じて色度の変化を補正することができるため、画質を高めることができる。
【0062】
本実施の形態では、輝度情報の値に応じて、補正テーブルを切り替えるようにしたので、色度を補正することができるため、画質を高めることができる。
【0063】
[変形例2−1]
上記実施の形態では、制御信号生成部51は、1フレーム分の輝度情報INFの値の平均値AVGを求めることにより制御信号Sctrlを生成し、バックライト45は、この制御信号Sctrlに基づいて発光輝度を変更するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、バックライト45の発光面を複数の発光領域に分け、制御信号生成部51は、それらの発光領域に対応する領域ごとに輝度情報INFの値の平均値AVGを求めてもよい。
【0064】
<3.適用例>
次に、上記実施の形態および変形例で説明した表示装置の適用例について説明する。
【0065】
図9は、テレビジョン装置の外観を表すものである。このテレビジョン装置は、本体部110および表示部120を有しており、表示部120が、上記の表示装置により構成されている。
【0066】
上記実施の形態等の表示装置は、このようなテレビジョン装置の他、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、携帯型ゲーム機、あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記実施の形態等の表示装置は、映像を表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0067】
以上、いくつかの実施の形態および変形例、ならびに電子機器への適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0068】
上記の実施の形態等では、本技術をテレビジョン装置に適用したが、これに限定するものではなく、画像を表示する様々な装置に適用することができる。具体的には、例えば、サッカー場や野球場などに設置される大型のディスプレイに適用してもよい。
【0069】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0070】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0071】
(1)複数の補正テーブルを有し、第1の輝度情報に基づいて前記複数の補正テーブルのうちの1つを選択し、選択した補正テーブルを用いて前記第1の輝度情報に対して補正演算を行うことにより第2の輝度情報を生成する補正部と、
前記第2の輝度情報に基づいて表示を行う表示部と
を備えた表示装置。
【0072】
(2)前記第1の輝度情報に基づいて制御信号を生成する制御信号生成部と、
前記第2の輝度情報に対して、前記制御信号に応じた演算を行うことにより第3の輝度情報を生成する演算部と
をさらに備え、
前記補正部は、前記制御信号に基づいて、前記複数の補正テーブルのうちの1つを選択し、
前記表示部は、前記第3の輝度情報に基づいて表示を行う
前記(1)に記載の表示装置。
【0073】
(3)前記演算部は、前記第2の輝度情報の値に対して、前記制御信号に応じたゲインを乗算することにより前記第3の輝度情報を生成する
前記(2)に記載の表示装置。
【0074】
(4)前記表示部は、前記制御信号に応じた輝度で発光する発光素子を有する
前記(2)または(3)に記載の表示装置。
【0075】
(5)前記表示部は、前記第3の輝度情報に基づいて、前記第3の輝度情報に応じたパルス幅を有するパルス信号を生成し、そのパルス信号に基づいて前記発光素子を駆動する駆動部をさらに有する
前記(4)に記載の表示装置。
【0076】
(6)のこぎり波形を有する参照信号を生成する信号生成部をさらに備え、
前記駆動部は、前記第3の輝度情報および前記参照信号に基づいて、前記パルス信号を生成する
前記(5)に記載の表示装置。
【0077】
(7)前記制御信号に応じた輝度で発光するバックライトをさらに備え、
前記表示部は、液晶表示部である
前記(2)または(3)に記載の表示装置。
【0078】
(8)第1の輝度情報に基づいて複数の補正テーブルのうちの1つを選択し、
選択した補正テーブルを用いて前記第1の輝度情報に対して補正演算を行うことにより第2の輝度情報を生成し、
前記第2の輝度情報に基づいて表示を行う
表示方法。
【0079】
(9)表示装置と、
前記表示装置に対して動作制御を行う制御部と
を備え、
前記表示装置は、
複数の補正テーブルを有し、第1の輝度情報に基づいて前記複数の補正テーブルのうちの1つを選択し、選択した補正テーブルを用いて前記第1の輝度情報に対して補正演算を行うことにより第2の輝度情報を生成する補正部と、
前記第2の輝度情報に基づいて表示を行う表示部と
を有する電子機器。