特開2016-212463(P2016-212463A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2016-212463制御装置、制御システム、制御装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-212463(P2016-212463A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】制御装置、制御システム、制御装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20161118BHJP
【FI】
   G05B19/05 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-92353(P2015-92353)
(22)【出願日】2015年4月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】島村 純児
(72)【発明者】
【氏名】岩井 洋介
【テーマコード(参考)】
5H220
【Fターム(参考)】
5H220AA05
5H220BB12
5H220CC09
5H220CX01
5H220JJ12
5H220JJ26
5H220JJ53
(57)【要約】      (修正有)
【課題】制御アルゴリズムを容易に設計可能な制御装置、制御システム、制御装置の制御方法を提供する。
【解決手段】所定期間における手動パルス発生器の操作量を示す操作量データを取得する取得部21と、操作量をモータが移動させる部材の移動量の単位に変換して、操作量に対応する部材の位置を特定する位置特定部22と、特定した位置に部材を移動させるようにモータを制御するための制御信号を出力する出力部23と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸の操作に基づいて従軸を制御するプログラマブルロジックコントローラである制御装置であって、
所定期間における前記主軸の操作量を示す操作量データを取得する取得部と、
前記主軸の操作量を前記従軸が移動させる部材の移動量の単位に変換して、前記操作量に対応する前記部材の位置を特定する位置特定部と、
前記位置特定部が特定した位置に前記部材を移動させるように前記従軸を制御するための制御信号を出力する出力部と、
前記単位変換と位置特定部に必要なパラメータを入力とし、前記パラメータに従った演算を出力部に実行させるプログラムモジュールと
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記位置特定部は、第1位置特定部を備え、
前記第1位置特定部は、
前記操作量データが示す操作量を前記部材の移動量の単位に変換した変換量を特定する単位変換部と、
前記変換量の前記所定期間における変化量を算出する第1算出部と、
前記変化量に所定の倍率を乗算して倍率変化量を算出する第2算出部と、
前記倍率変化量を積分して、前記操作量に対応する前記部材の位置を算出する第3算出部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第2算出部は、前記変化量に応じて、前記倍率を変更することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第3算出部は、前記倍率変化量が上限変化量より大きい場合、当該上限変化量を積分して前記部材の位置を算出し、前記倍率変化量が上限変化量以下の場合、当該倍率変化量を積分して前記部材の位置を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の制御装置。
【請求項5】
過去の倍率変化量に基づいて、前記上限変化量を設定する設定部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記設定部は、前記主軸を操作する操作者毎に、前記上限変化量を設定することを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1位置特定部は、前記第3算出部が算出した位置が前記部材の移動可能な範囲外である場合、前記部材の移動可能な限界位置を、前記操作量に対応する前記部材の位置として特定することを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記第1位置特定部は、前記倍率および前記上限変化量の少なくとも何れかを入力パラメータとするファンクションブロックで実現されることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項9】
前記位置特定部は、第2位置特定部を備え、
前記第2位置特定部は、
前記操作量の累積値を算出する第4算出部と、
前記累積値と、前記部材の位置との対応関係を示す主従関係情報に基づいて、前記累積値に対応する位置を、前記操作量に対応する前記部材の位置として決定する決定部と、を備えることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記主従関係情報は、カムテーブルまたはカム演算式であることを特徴とする請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記第2位置特定部は、前記カムテーブルまたは前記カム演算式を入力パラメータとするファンクションブロックで実現されることを特徴とする請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記取得部は、前記主軸の操作に応じて出力される信号の操作速度を示す操作速度データを取得し、
前記位置特定部は、第1位置特定部と、当該第1位置特定部と異なる位置特定処理を実行する第2位置特定部とを備え、
前記操作速度データの示す操作速度が所定値以下の場合、前記第1位置特定部が前記操作量に対応する前記部材の位置を特定し、前記操作速度データの示す操作速度が所定値より大きい場合、前記第2位置特定部が前記操作量に対応する前記部材の位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか1項に記載の制御装置と、
前記主軸を有し、操作者の操作に応じてパルス信号を出力する手動パルス発生器と、
前記手動パルス発生器が出力するパルス信号の個数を数え、前記操作量データを出力するカウンタユニットと、
前記部材の位置を変える従軸と、
前記制御装置から前記制御信号を受信し、当該制御信号に基づいて前記従軸を制御するドライバと、を備える制御システムであって、
前記従軸を前記主軸に同期して制御することを特徴とする制御システム。
【請求項14】
前記制御装置は、シリアル通信、USBまたは無線通信により、前記カウンタユニットと接続していることを特徴とする請求項13に記載の制御システム。
【請求項15】
主軸を有し、操作者の操作に応じてパルス信号を出力する手動パルス発生器と、
前記手動パルス発生器が出力するパルス信号の個数を数え、操作量データを出力するカウンタユニットと、
請求項1〜12の何れか1項に記載の制御装置であって、前記カウンタユニットから前記操作量データを取得する第1制御装置と、
請求項1〜12の何れか1項に記載の制御装置であって、前記第1制御装置から前記操作量データを取得し、前記制御信号を出力する第2制御装置と、
前記部材の位置を変える従軸と、
前記第2制御装置から前記制御信号を受信し、当該制御信号に基づいて前記従軸を制御するドライバと、を備えることを特徴とする制御システム。
【請求項16】
入力部および表示部を備える入力装置をさらに備え、
前記制御装置の前記位置特定部はファンクションブロックで実現され、
前記入力装置は、前記ファンクションブロックの入力パラメータを入力するための入力画面をグラフィカルユーザインターフェース形式で前記表示部に表示することを特徴とする請求項13〜15の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項17】
表示部を備える表示装置をさらに備え、
前記表示装置は、前記手動パルス発生器の信号状態、並びに、前記制御装置の入力パラメータおよび演算結果の少なくとも1つを前記表示部に表示することを特徴とする請求項13〜16の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項18】
主軸の操作に基づいて従軸を制御するプログラマブルロジックコントローラである制御装置の制御方法であって、
所定期間における前記主軸の操作量を示す操作量データを取得する取得ステップと、
前記主軸の操作量を前記従軸が移動させる部材の移動量の単位に変換して、前記操作量に対応する前記部材の位置を特定する位置特定ステップと、
前記位置特定ステップにおいて特定された位置に前記部材を移動させるように前記従軸を制御するための制御信号を出力する出力ステップと、を含むことを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項19】
請求項1に記載の制御装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記取得部、前記位置特定部および前記出力部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項20】
請求項19に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主軸の操作に応じて従軸を制御する制御装置、制御システム、制御装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場等において、切削加工などを行う工作機械および産業用ロボット等の産業機械が導入されている。産業機械には、手動パルス発生器を操作することにより、切削加工用の刃またはロボット等の位置を移動させることができるものがある。このような産業機械は、一般的に、ハンドルを備える手動パルス発生器と、手動パルス発生器が出力するパルス信号を数えるパルスカウンタと、モータへの制御指令値を演算し、出力する制御装置とを備え、パルスカウンタとモータへの制御指令値を演算する制御装置は一体に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−222022号公報(2000年8月11日公開)
【特許文献2】特開2002−351514号公報(2002年12月6日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
産業機械メーカーが任意の産業機械を容易に設計および製造可能なように、任意の産業機械に適用可能な制御装置が望まれている。
【0005】
ここで、手動パルス発生器等の主軸と、モータ等の従軸とは、物理量の単位が異なっている場合がある。例えば、手動パルス発生器が1回転(360度)で100個のパルス信号を出力するのに対して、モータは1回転(360度)が17bitで定義されている場合がある。この場合、両者の1回転あたりの分解能が異なる。また、通常、モータ等の従軸の物理量と、従軸が位置を移動させる部材の移動量との間には各種歯車やボールネジ等の機構を介して、回転動作から並行移動動作になるため、制御指令値となる単位が異なっている。そのため、手動パルス発生器の1つのパルス信号で部材がどの程度移動するのかが直感的にわかりづらい。
【0006】
よって、産業機械メーカーの設計者は、任意の主軸と、任意の従軸が移動させる任意の部材との関係を規定する制御アルゴリズムを容易に設計することができないという問題がある。
【0007】
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、制御アルゴリズムを容易に設計可能な制御装置、制御システム、制御装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明に係る制御装置は、主軸の操作に基づいて従軸を制御するプログラマブルロジックコントローラである制御装置であって、所定期間における前記主軸の操作量を示す操作量データを取得する取得部と、前記主軸の操作量を前記従軸が移動させる部材の移動量の単位に変換して、前記操作量に対応する前記部材の位置を特定する位置特定部と、前記位置特定部が特定した位置に前記部材を移動させるように前記従軸を制御するための制御信号を出力する出力部と、前記単位変換と位置特定部に必要なパラメータを入力とし、前記パラメータに従った演算を出力部に実行させるプログラムモジュールとを備えることを特徴としている。
【0009】
前記の構成によれば、前記位置特定部が前記部材の移動量の単位に変換して処理を行っている。そのため、前記部材の移動量の単位を用いて、前記制御装置の制御アルゴリズムを設計することができる。よって、制御アルゴリズムを容易に設計することができるという効果を奏する。
【0010】
本発明に係る制御装置において、前記位置特定部は、第1位置特定部を備え、前記第1位置特定部は、前記操作量データが示す操作量を前記部材の移動量の単位に変換した変換量を特定する単位変換部と、前記変換量の前記所定期間における変化量を算出する第1算出部と、前記変化量に所定の倍率を乗算して倍率変化量を算出する第2算出部と、前記倍率変化量を積分して、前記操作量に対応する前記部材の位置を算出する第3算出部と、を備えていてもよい。
【0011】
前記の構成によれば、倍率演算のアルゴリズムを容易に設計することができる。
【0012】
本発明に係る制御装置において、前記第2算出部は、前記変化量に応じて、前記倍率を変更してもよい。
【0013】
前記の構成によれば、ローパスフィルタ等を用いることなく、前記従軸の駆動および前記部材の移動を安定して行うことができる。例えば、変化量が小さいほど、低い倍率を設定し、変化量が大きいほど、高い倍率を設定する。これにより、前記従軸および前記部材の不具合を抑制すると共に、前記主軸の操作速度に関わらず、前記従軸を前記主軸に同期させて動かすことができる。
【0014】
本発明に係る制御装置において、前記第3算出部は、前記倍率変化量が上限変化量より大きい場合、当該上限変化量を積分して前記部材の位置を算出し、前記倍率変化量が上限変化量以下の場合、当該倍率変化量を積分して前記部材の位置を算出してもよい。
【0015】
前記の構成によれば、前記従軸を過度に駆動させることを抑制することができる。
【0016】
本発明に係る制御装置は、過去の倍率変化量に基づいて、前記上限変化量を設定する設定部をさらに備えていてもよい。
【0017】
前記の構成によれば、前記主軸の過去の操作内容に応じた前記上限変化量を設定することができる。
【0018】
本発明に係る制御装置において、前記設定部は、前記主軸を操作する操作者毎に、前記上限変化量を設定してもよい。
【0019】
前記の構成によれば、前記操作者毎に、操作者に適した前記上限変化量を設定することができる。
【0020】
本発明に係る制御装置において、前記第1位置特定部は、前記第3算出部が算出した位置が前記部材の移動可能な範囲外である場合、前記部材の移動可能な限界位置を、前記操作量に対応する前記部材の位置として特定してもよい。
【0021】
前記の構成によれば、前記部材が移動可能な範囲外に移動することを防ぐことができる。
【0022】
本発明に係る制御装置において、前記第1位置特定部は、前記倍率および前記上限変化量の少なくとも何れかを入力パラメータとするファンクションブロックで実現されてもよい。
【0023】
前記の構成によれば、前記倍率および前記上限変化量の少なくとも何れかを入力するだけで、前記制御装置の制御アルゴリズムを設計することができる。
【0024】
本発明に係る制御装置において、前記位置特定部は、第2位置特定部を備え、前記第2位置特定部は、前記操作量の累積値を算出する第4算出部と、前記累積値と、前記部材の位置との対応関係を示す主従関係情報に基づいて、前記累積値に対応する位置を、前記操作量に対応する前記部材の位置として決定する決定部と、を備えていてもよい。
【0025】
前記の構成によれば、前記主従関係情報によって規定されるアルゴリズムを容易に設計することができる。
【0026】
本発明に係る制御装置において、前記主従関係情報は、カムテーブルまたはカム演算式であってよい。
【0027】
本発明に係る制御装置において、前記第2位置特定部は、前記カムテーブルまたは前記カム演算式を入力パラメータとするファンクションブロックで実現されてもよい。
【0028】
前記の構成によれば、前記カムテーブルまたは前記カム演算式を入力するだけで、前記制御装置の制御アルゴリズムを設計することができる。
【0029】
本発明に係る制御装置において、前記取得部は、前記主軸の操作速度を示す操作速度データを取得し、前記位置特定部は、第1位置特定部と、当該第1位置特定部と異なる位置特定処理を実行する第2位置特定部とを備え、前記操作速度データの示す操作速度が所定値以下の場合、前記第1位置特定部が前記操作量に対応する前記部材の位置を特定し、前記操作速度データの示す操作速度が所定値より大きい場合、前記第2位置特定部が前記操作量に対応する前記部材の位置を特定してもよい。
【0030】
前記の構成によれば、前記主軸の操作に応じて、位置特定処理を変えることができる。
【0031】
本発明に係る制御システムは、前記制御装置と、前記主軸を有し、操作者の操作に応じてパルス信号を出力する手動パルス発生器と、前記手動パルス発生器が出力するパルス信号の個数を数え、前記操作量データを出力するカウンタユニットと、前記部材の位置を変える従軸と、前記制御装置から前記制御信号を受信し、当該制御信号に基づいて前記従軸を制御するドライバと、を備える制御システムであって、前記従軸を前記主軸に同期して制御してもよい。
【0032】
前記の構成によれば、前記従軸を前記主軸に同期して制御することができる。
【0033】
本発明に係る制御システムにおいて、前記制御装置は、シリアル通信、USBまたは無線通信により、前記カウンタユニットと接続していてもよい。
【0034】
本発明に係る制御システムは、主軸を有し、操作者の操作に応じてパルス信号を出力する手動パルス発生器と、前記手動パルス発生器が出力するパルス信号の個数を数え、操作量データを出力するカウンタユニットと、請求項1〜12の何れか1項に記載の制御装置であって、前記カウンタユニットから前記操作量データを取得する第1制御装置と、請求項1〜12の何れか1項に記載の制御装置であって、前記第1制御装置から前記操作量データを取得し、前記制御信号を出力する第2制御装置と、前記部材の位置を変える従軸と、前記第2制御装置から前記制御信号を受信し、当該制御信号に基づいて前記従軸を制御するドライバと、を備えていてもよい。
【0035】
前記の構成によれば、産業機械の構造に応じて、前記制御装置を分散して配置することができる。
【0036】
本発明に係る制御システムは、入力部および表示部を備える入力装置をさらに備え、前記制御装置の前記位置特定部はファンクションブロックで実現され、前記入力装置は、前記ファンクションブロックの入力パラメータを入力するための入力画面をグラフィカルユーザインターフェース形式で前記表示部に表示してもよい。
【0037】
前記の構成によれば、前記ファンクションブロックの入力パラメータを直感的な操作で容易に入力することができる。
【0038】
本発明に係る制御システムは、表示部を備える表示装置をさらに備え、前記表示装置は、前記手動パルス発生器の信号状態、並びに、前記制御装置の入力パラメータおよび演算結果の少なくとも1つを前記表示部に表示してもよい。
【0039】
前記の構成によれば、主軸の操作者は、主軸の操作中等に、前記手動パルス発生器の信号状態、並びに、前記制御装置の入力パラメータおよび演算結果の少なくとも1つを確認することができる。
【0040】
前記の課題を解決するために、本発明に係る制御装置の制御方法は、主軸の操作に基づいて従軸を制御するプログラマブルロジックコントローラである制御装置の制御方法であって、所定期間における前記主軸の操作量を示す操作量データを取得する取得ステップと、前記主軸の操作量を前記従軸が移動させる部材の移動量の単位に変換して、前記操作量に対応する前記部材の位置を特定する位置特定ステップと、前記位置特定ステップにおいて特定された位置に前記部材を移動させるように前記従軸を制御するための制御信号を出力する出力ステップと、を含むことを特徴としている。
【0041】
前記の構成によれば、前記制御装置と同様の効果を奏する。
【0042】
本発明に係る制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記制御装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記制御装置をコンピュータにて実現させる制御装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0043】
本発明は、制御アルゴリズムを容易に設計することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明に係る制御装置の要部構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態1に係る制御システムの構成の一例を示す図である。
図3】前記制御システムが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図4】前記制御装置の第1位置特定部が実行する第1位置特定処理の一例を示すフローチャートである。
図5】倍率情報の一例を示す図である。
図6】変化量の時間経過による変動を示すグラフである。
図7】倍率変化量および指令変化量を示すグラフである。
図8】前記制御装置の第2位置特定部が実行する第2位置特定処理の一例を示すフローチャートである。
図9】産業機械の構成例を簡易的に示す図である。
図10】パルス信号の累積値と、ボールネジの移動距離との関係を規定するカム曲線の一例を示す図である。
図11】前記制御システムに含まれるタッチパネルが表示する画面例を示す図である。
図12】前記制御システムに含まれるタッチパネルが表示する画面例を示す図である。
図13】制御アルゴリズムの設計時における前記制御装置の接続構成例を示す図である。
図14】前記制御装置と接続する端末装置が表示する画面例を示す図である。
図15】前記制御装置と接続する端末装置が表示する画面例を示す図である。
図16】本発明の実施形態2に係る制御システムの構成の一例を示す図である。
図17】本発明の実施形態3に係る制御システムの構成の一例を示す図である。
図18】前記制御システムに含まれるタッチパネルが表示する画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
<実施形態1>
図1から図15に基づいて本発明の一実施形態について説明すると以下の通りである。
【0046】
〔制御システム〕
図2に基づいて、本実施形態に係る制御システム10について説明する。図2は、本実施形態に係る制御システム10の構成の一例を示す図である。制御システム10は、産業機械(不図示)に組み込まれ、産業機械の操作者の操作に応じて、産業機械が備える部材(不図示)の位置を制御するものである。制御システム10は、例えば、切削加工用の刃の位置を調整したり、産業用ロボットにティーチングを行う際に、産業用ロボットの位置を移動したり、産業用ロボットを待機位置に移動したりする。
【0047】
図2に示すように、制御システム10は、制御装置1、手動パルス発生器2、カウンタユニット3、モータ4およびドライバ5を含む。制御装置1は、カウンタユニット3およびドライバ5と通信可能に接続している。また、カウンタユニット3は手動パルス発生器2と通信可能に接続しており、ドライバ5は、モータ4と通信可能に接続している。これらの機器は、任意の有線接続方式または無線接続方式により通信接続されている。本実施形態では、これらの機器(特に、制御装置1、カウンタユニット3およびドライバ5)は、例えばEtherCAT(登録商標)により通信接続されている。
【0048】
手動パルス発生器2は、回転可能なハンドル(主軸)を備える。手動パルス発生器2は、操作者がハンドルを所定の角度回転させると、1つのパルス信号を出力する。なお、手動パルス発生器2は、回転可能なハンドルを備えるものに限らず、主軸の操作量に応じてパルス信号を出力するものであればよい。
【0049】
カウンタユニット3は、手動パルス発生器2が出力するパルス信号を受信し、パルス信号の個数を数えるものである。カウンタユニット3は、制御装置1からの要求に応じて、所定期間におけるパルス信号の個数を示す操作量データを含む主軸信号を制御装置1に送信する。換言すると、操作量データは、主軸の操作量を示すデータである。
【0050】
カウンタユニット3は、さらに、手動パルス発生器2が出力するパルス信号の周波数を計測してもよい。換言すると、カウンタユニット3は、手動パルス発生器2に対する操作速度を計測してもよい。この場合、操作量データ、および、当該操作速度を示す操作速度データを含む主軸信号を制御装置1に送信する。
【0051】
制御装置1は、主軸の操作に応じて従軸であるモータ4を制御するものである。具体的には、制御装置1は、カウンタユニット3から主軸信号を取得する。制御装置1は、予め定められた制御アルゴリズムに基づいて、主軸の操作量に対応する産業機械の部材の位置を特定し、特定した位置に部材を移動させるように従軸を制御するための制御信号をドライバ5に出力する。制御装置1は、従軸を主軸に同期して制御する。制御装置1は、例えばPLC(Programmable Logic controller:プログラマブルロジックコントローラ)である。制御装置1の詳細については後述する。
【0052】
ドライバ5は、制御装置1から制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて、モータ4を制御するものである。具体的には、ドライバ5は、制御信号に基づいて、モータ4が所定の回転速度で所定量回転するように、モータ4を駆動させる。
【0053】
モータ4は、産業機械の部材の位置を移動させるものである。
【0054】
また、図2に示すように、制御システム10は、タッチパネル6をさらに備えていてもよい。タッチパネル6は、制御装置1と通信接続しており、操作者が制御システム10(産業機械)の状態の確認等を行うためのものである。タッチパネル6は、表示部を備える表示装置であり、入力部および表示部を備える入力装置でもある。
【0055】
〔制御装置〕
図1に基づいて、制御装置1について説明する。図1は、制御装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、制御装置1は、制御部11、記憶部12および通信部13を備えている。
【0056】
通信部13は、無線通信手段または有線通信手段によって、カウンタユニット3、ドライバ5およびタッチパネル6等の他の装置と通信を行い、制御部11の指示に従って、データのやりとりを行うものである。
【0057】
制御部11は、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、制御装置1が備える各部を統括的に制御するものである。本実施形態では、制御部11は、取得部21、位置特定部22、出力部23、設定部24および第2単位変換部25を備える構成である。また、本実施形態では、位置特定部22および第2単位変換部25は、ファンクションブロック(詳細は後述)として実現される。
【0058】
取得部21は、通信部13を介して、所定期間における主軸の操作量を示す操作量データをカウンタユニット3から取得する。取得部21は、取得した操作量データを位置特定部22に出力する。また、取得部21は、通信部13を介して、所定期間における主軸の操作速度を示す操作速度データをカウンタユニット3から取得してもよい。取得部21は、取得した操作速度データを位置特定部22に出力する。また、取得部21は、通信部13を介して、タッチパネル6等の外部の入力装置からファンクションブロック(詳細は後述)の入力パラメータを取得してもよい。取得部21は、取得した入力パラメータを設定部24に出力する。
【0059】
位置特定部22は、取得部21から操作量データを取得し、取得した操作量データが示す主軸の操作量を従軸が移動させる部材の移動量(移動距離)の単位に変換して、当該操作量に対応する当該部材の位置を特定する。位置特定部22は、特定した部材の位置を第2単位変換部25に通知する。
【0060】
位置特定部22は、図1に示すように、実行する位置特定処理が互いに異なる第1位置特定部31および第2位置特定部32と、切替部33とを備える。
【0061】
第1位置特定部31は、第1位置特定処理を実行するものであり、第1単位変換部(単位変換部)41、第1算出部42、第2算出部43および第3算出部44を備える。
【0062】
第1単位変換部41は、取得部21から操作量データを取得し、取得した操作量データが示す操作量を部材の移動量の単位に変換した変換量を特定する。第1単位変換部41は、特定した変換量を第1算出部42に出力する。
【0063】
第1算出部42は、第1単位変換部41から変換量を取得し、取得した変換量の前記所定期間における変化量を算出する。第1算出部42は、算出した変化量を第2算出部43に出力する。
【0064】
第2算出部43は、第1算出部42から変化量を取得し、記憶部12から倍率情報51を読み出す。第2算出部43は、取得した変化量に、読み出した倍率情報51の示す所定の倍率を乗算して倍率変化量を算出する。第2算出部43は、算出した倍率変化量を第3算出部44に出力する。第2算出部43は、第1算出部42から取得した変化量に応じて、前記倍率を変更してもよい。この場合、倍率情報51には、変化量に応じた複数の倍率が含まれる。
【0065】
第3算出部44は、第2算出部43から倍率変化量を取得し、取得した倍率変化量を積分して、操作量に対応する部材の位置を算出する。第3算出部44は、算出した部材の位置を第2単位変換部25に通知する。第3算出部は、記憶部12から上限変化量52を読み出し、取得した倍率変化量が上限変化量52より大きい場合、上限変化量52を積分して部材の位置を算出し、取得した倍率変化量が上限変化量52以下の場合、倍率変化量を積分して部材の位置を算出してもよい。
【0066】
なお、第1位置特定部31は、第3算出部44が算出した位置が部材の移動可能な範囲外である場合、部材の移動可能な限界位置を、操作量に対応する部材の位置として特定し、特定した位置を第2単位変換部25に通知してもよい。
【0067】
また、第1位置特定部31は、倍率情報51および上限変化量52の少なくとも何れかを入力パラメータとするファンクションブロックで実現されてもよい。
【0068】
第2位置特定部32は、第2位置特定処理を実行するものであり、第4算出部45および決定部46を備える。
【0069】
第4算出部45は、取得部21から操作量データを取得し、取得した操作量データが示す操作量を累積して、主軸の原点からの操作量の累積値を算出する。第4算出部45は、算出した累積値を決定部46に出力する。
【0070】
決定部46は、第4算出部45から累積値を取得し、主軸の原点からの操作量の累積値と、部材の位置との対応関係を示す主従関係情報53を記憶部12から読み出す。決定部46は、読み出した主従関係情報53に基づいて、取得した累積値に対応する位置を、所定期間における操作量に対応する部材の位置として決定する。ここで主従関係情報53は、カムテーブル54またはカム演算式55である。
【0071】
第2位置特定部32は、カムテーブル54またはカム演算式55を入力パラメータとするファンクションブロックで実現されてもよい。
【0072】
切替部33は、取得部21から操作速度データを取得し、取得した操作速度データの示す操作速度が所定値以下であるか否かを判定する。切替部33は、操作速度データの示す操作速度が所定値以下の場合、第1位置特定部31に第1位置特定処理を実行させ、操作速度データの示す操作速度が所定値より大きい場合、第2位置特定部に第2位置特定処理を実行させる。
【0073】
第2単位変換部25は、位置特定部22が特定した部材の位置(移動量)を、従軸(モータ4の回転量)の単位に変換する。第2単位変換部25は、変換した回転量を出力部23に出力する。
【0074】
出力部23は、位置特定部22が特定した位置に部材を移動させるように従軸を制御するための制御信号を生成し、通信部13を介して、生成した制御信号をドライバ5に出力する。具体的には、出力部23は、第2単位変換部25から取得した回転量に基づいて、制御信号を生成する。
【0075】
設定部24は、取得部21から入力パラメータを取得し、取得した入力パラメータを記憶部12に格納する。また、設定部24は、第2算出部43が算出した過去の倍率変化量に基づいて、上限変化量52を設定してもよい。具体的には、過去の倍率変化量の平均値、中央値、上限値等を上限変化量52として設定する。また、設定部24は、主軸を操作する操作者毎に、上限変化量52を設定してよい。具体的には、操作者は、主軸を操作する前にタッチパネル6を操作して、自らを識別するIDを入力する。第2算出部43は、算出した倍率変化量を操作者のID毎に分けて記憶部12に格納する。設定部24は、記憶部12に格納されているID毎の過去の倍率変化量に基づいて、ID毎の上限変化量52を設定する。
【0076】
記憶部12は、制御部11が参照するプログラムやデータ等を格納するものであり、例えば、前記の倍率情報51、上限変化量52、カムテーブル54およびカム演算式55等を格納している。記憶部12は、その他、位置特定部22および第2単位変換部25の演算結果等を記憶していてもよい。
【0077】
〔制御システムの処理〕
図3に基づいて、本発明に係る制御システム10が実行する処理について説明する。図3は、本発明に係る制御システム10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0078】
図3に示すように、操作者がハンドルを回転させると、手動パルス発生器2は、操作量に応じたパルス信号を出力する(S1)。カウンタユニット3は、手動パルス発生器2が出力したパルス信号の個数を数える(S2)。
【0079】
制御装置1の取得部21は、所定期間毎に、カウンタユニット3から、操作量データを取得する(S3:取得ステップ)。位置特定部22は、位置特定処理を実行して、操作量データから部材の位置を特定する(S4:位置特定ステップ)。
【0080】
制御装置1の第2単位変換部25は、位置特定部22が特定した部材の位置(移動量)を、モータ4の回転量の単位に変換する(S5)。例えば、第2単位変換部25は、下記の式(1)に基づいて単位変換を行う。式(1)において、Psは、位置特定部22が特定した位置に部材を移動させるようにモータを回転させるためのパルス信号の個数(回転量)であり、Dは、現在の位置から位置特定部22が特定した位置までの部材の移動距離である。
【0081】
【数1】
【0082】
第2単位変換部25は、式(1)により算出したPsの小数点以下の値を切り捨てて、パルス信号の個数を特定する。なお、第2単位変換部25は、切り捨てた小数点以下の値を保持しておき、当該値を次回の演算結果のPsに加算することにより、演算誤差を抑制する。
【0083】
出力部23は、第2単位変換部25が特定した回転量に基づいて制御信号を生成する。例えば、出力部23は、第2単位変換部25が特定した個数のパルス信号を制御信号として生成してよい。出力部23は、通信部13を介して、生成した制御信号をドライバ5に出力する(S6:出力ステップ)。ドライバ5は、制御信号にしたがってモータ4を制御する(S7)。そして、モータ4が回転することにより、操作に応じた位置に部材が移動する。
【0084】
〔第1位置特定処理〕
図4に基づいて、図3のS4において実行される位置特定処理の一例について説明する。図4は、第1位置特定部31が実行する第1位置特定処理の一例を示すフローチャートである。
【0085】
図4に示すように、第1単位変換部41は、操作量データが示す操作量を部材の移動量の単位に変換した変換量を特定する(S11)。例えば、第1単位変換部41は、下記の式(2)に基づいて単位変換を行う。式(2)において、Pmは、操作量データが示すパルス信号の個数であり、dは、前記変換量である。
【0086】
【数2】
【0087】
第1算出部42は、第1単位変換部41が特定した変換量の所定期間における変化量を算出する(S12)。
【0088】
第2算出部43は、記憶部12から倍率情報51を読み出す。倍率情報51は、例えば、図5に示すテーブルである。第2算出部43は、倍率情報51を参照して、第1算出部42が算出した変化量に対応する倍率を特定する(S13)。第2算出部43は、第1算出部42が算出した変化量に、特定した倍率を乗算して倍率変化量を算出する(S14)。
【0089】
第3算出部44は、記憶部12から上限変化量52を読み出し、第2算出部が算出した倍率変化量が上限変化量52以下であるか否かを判定する。第3算出部44は、倍率変化量が上限変化量52以下である場合、第2算出部が算出した倍率変化量を指令変化量として特定する。一方、第3算出部44は、倍率変化量が上限変化量52より大きい場合、上限変化量52を指令変化量として特定する(S15)。第3算出部44は、特定した指令変化量を積分して、操作量に対応する部材の移動量を算出する(S16)。第3算出部44は、現在の部材の位置から、算出した移動量移動した位置を指令位置として算出する(S17)。第3算出部44は、算出した指令位置を第2単位変換部25に通知する。
【0090】
通常、操作者による手動パルス発生器2の操作速度(回転速度)は変動する。そのため、操作速度に対応する前記変化量も図6に示すように変動する。通常ユーザが入力する回転速度はばらつきを生じるが、このばらつきに従ってモータに対する制御信号を生成すると、モータの回転速度も変動する。この変動により、モータに異音が生じたり、モータが移動させる部材に振動が生じたりする場合がある。これらの不具合を抑制するために、従来ではローパスフィルタ等の信号平滑化処理が行われていた。この信号平滑化処理を行うと、手動パルス発生器2の動きとモータの動きとが連動しないという問題があった。本発明では、S13において変化量に応じて乗算する倍率を変更している。例えば、変化量(つまり操作速度)が小さいほど、低い倍率を乗算し、変化量が大きいほど、高い倍率を乗算する。通常ユーザは、従軸を大きく移動させたい場合には、変化量(すなわち入力速度)を大きくし、従軸を微小に移動させたい場合には、変化量(入力速度)を小さくする。上述のように変化量に合わせて乗算する倍率を変更させることにより、ユーザの意図に沿った動作をさせることが可能となる。これにより、前記不具合を抑制すると共に、操作速度が高速であっても低速であっても、従軸を主軸に同期させて動かすことができる。
【0091】
また、第2算出部が算出した倍率変化量が過度に大きくなってしまう場合がある。例えば、図7に示すように、第2算出部が算出した倍率変化量(図中の一点鎖線)が変動している場合、本発明では、上述のように、S15において、第3算出部44は、指令変化量を図7に示す太線で示される値に設定する。これにより、モータ4を過度に駆動させることを抑制することができる。
【0092】
〔第2位置特定処理〕
図8に基づいて、図3のS4において実行される位置特定処理の他の一例について説明する。図8は、第2位置特定部32が実行する第2位置特定処理の一例を示すフローチャートである。
【0093】
図8に示すように、第4算出部45は、操作量データが示す操作量を累積して、主軸の原点からの操作量の累積値を算出する(S21)。
【0094】
決定部46は、主従関係情報53を記憶部12から読み出す。決定部46は、読み出した主従関係情報53に基づいて、第4算出部45が算出した累積値に対応する位置を、所定期間における操作量に対応する部材の位置(指令位置)として決定する(S22)。決定部46は、決定した指令位置を第2単位変換部25に通知する。
【0095】
ここで、図9に示す産業機械9を例にして説明する。図9は、産業機械9の構成例を簡易的に示す図である。図9では、説明の便宜のため、制御装置1等の構成が省略されている。
【0096】
図9に示す産業機械9では、操作者が手動パルス発生器2を初期位置から時計回りに回転することにより、産業機械9の部材であるボールネジ8を原点位置から右方向に移動することができる。なお、この場合、第4算出部45が算出する累積値は、手動パルス発生器2の初期位置から正方向(時計回り)の操作量の累積値である。つまり、第4算出部45は、時計回りの操作によるパルス信号の個数を加算し、反時計回りの操作によるパルス信号の個数を減算して、累積値を算出する。
【0097】
図9に示す手動パルス発生器2の初期位置からのパルス信号の累積値と、ボールネジ8の原点からの正方向(右方向)の移動距離との対応関係は、例えば、図10に示すカム曲線で定義することができる。図10に示すカム曲線において、累積値が0〜100の区間(A区間)は、3次関数またはサイクロイド曲線であり、累積値が100〜9000の区間(B区間)は、一次関数であり、累積値が9000〜10000の区間(C区間)は、3次関数またはサイクロイド曲線である。
【0098】
図10に示すカム曲線から、累積値と移動距離との対応関係を離散的に抽出し、カムテーブルを生成することができる。また、A〜C区間を表す関数をそれぞれ求めて、A〜C区間を表す関数を組み合わせてカム演算式を生成することができる。
【0099】
なお、図9に示す対応関係に限らず、主軸の位置(手動パルス発生器2のハンドルの初期位置からの回転角度)と部材の移動距離との対応関係を規定するカム曲線を定義してもよい。
【0100】
〔タッチパネルの表示画面例〕
図11および図12に基づいて、タッチパネル6が表示する画面例について説明する。図11および図12は、タッチパネル6が表示する画面例を示す図である。
【0101】
図11および図12に示すように、タッチパネル6の表示部に、産業機械の概略構成、および、主軸の操作量と、部材の移動距離との関係を示す演算式が表示されている。操作者は、タッチパネル6を操作して、前記演算式の係数等を変更できるようにしてもよい。
【0102】
また、タッチパネル6は、産業機械の概略構成および演算式以外に、手動パルス発生器2が出力するパルス信号の信号状態、並びに、制御装置1の入力パラメータおよび演算結果等を表示してもよい。タッチパネル6に表示される前記信号状態とは、手動パルス発生器2が操作に応じてパルス信号を出力しているか否か、パルス信号の個数(操作量)、パルス信号の周波数(操作速度)等である。制御装置1の入力パラメータは、後述のファンクションブロックの入力パラメータである。また、制御装置1の演算結果とは、第1位置特定部の演算結果である変換量、変化量、倍率変化量、指令変化量、部材の移動量および部材の位置、並びに、第2位置特定部の演算結果である累積値および部材の位置等である。
【0103】
〔ファンクションブロック〕
図13に示すように、制御装置1をPC等の端末装置7に接続して、制御装置1の各種設定を端末装置7により行う。端末装置7は、設計者が各種設定を入力するための入力部と、入力画面を表示する表示部とを備える。
【0104】
本実施形態では、制御装置1の機能(特に位置特定部22)をファンクションブロックで実現する。また、本実施形態では、端末装置7は、ファンクションブロックの入力パラメータを入力するための入力画面をグラフィカルユーザインターフェース(GUI)形式で表示部に表示する。
【0105】
図14に基づいて、端末装置7の表示部に表示される入力画面について説明する。図14は、ラダーダイアグラムで記述されたファンクションブロックの入力画面の一例を示す図である。
【0106】
図14に示すように、ファンクションブロック(「MPGFILTER_instance」)60は、入出力変数、入力変数および出力変数を有する。具体的には、入出力変数として、「Master61」、「Slave62」、「Master66」および「Slave67」がある。「Master61」および「Master66」は、制御装置1に入力する主軸(手動パルス発生器2)を指定するための変数であり、「Slave62」および「Slave67」は、制御装置1が制御する従軸(モータ4)を指定するための変数である。入力変数として、「sMPGSetRatios63」、「MaxVel64」、「MPGOprRatio65」等がある。「sMPGSetRatios63」は、倍率情報51であり、「MaxVel64」は、上限変化量52であり、「MPGOprRatio65」は、位置特定処理に使用する倍率を選択するための変数である。また、出力変数として、「CalcRslt68」等がある。「CalcRslt68」は、ファンクションブロックで演算した部材の位置を示す変数である。
【0107】
設計者は、図14に示す各変数を選択して、入力パラメータを入力することができる。また、図14に示す入力パラメータ以外に、実行する位置特定処理方法(第1位置特定処理または第2位置特定処理)、切替操作速度の閾値、主従関係情報53(カムテーブル54およびカム演算式55)等をファンクションブロックの入力パラメータとして入力してもよい。
【0108】
また、図15に示すように、ファンクションブロックをストラクチャードテキストで記述してもよい。
【0109】
なお、制御装置1の各種設定は、多くの場合事前に行われるが、産業機械の操作中等に行ってもよい。そのため、制御システム10が端末装置7を備えていてもよい。また、タッチパネル6がファンクションブロックの入力パラメータを入力するための入力画面をグラフィカルユーザインターフェース形式で表示して、タッチパネル6を操作して入力パラメータを入力できるようにしてもよい。
【0110】
<実施形態2>
図16に基づいて、本発明に係る実施形態2について説明する。図16は、実施形態2に係る制御システム10aの構成の一例を示す図である。なお、説明の便宜上、前記の実施形態1において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0111】
図16に示すように、制御システム10aは、4つの手動パルス発生器2〜2cを含み、制御装置1は、4つの手動パルス発生器2〜2cから、それぞれ異なる通信方式で主軸信号を取得する。
【0112】
具体的には、制御装置1は、通信部13として、通信ポート13a、USB(Universal Serial Bus)ポート13bおよび無線通信部13cを有する。通信ポート13aは、手動パルス発生器2aから、シリアル通信ユニット3aを介して、シリアル通信で主軸信号を取得する。また、制御装置1と手動パルス発生器2bとはUSBで接続されており、USBポート13bが手動パルス発生器2bから主軸信号を取得する。また、制御装置1と手動パルス発生器2cとはBluetooth(登録商標)により無線接続されており、無線通信部13cが手動パルス発生器2cから主軸信号を取得する。
【0113】
なお、図16に示していないが、手動パルス発生器2a〜2cは、カウンタユニット3を備えている。
【0114】
このように、制御装置1は、任意の有線通信手段または無線通信手段を用いて、手動パルス発生器2(カウンタユニット3)から主軸信号を取得することができる。すなわち、本実施形態に係る制御システム10aでは、制御装置1は、任意のインターフェースを有する手動パルス発生器2〜2cから主軸信号を取得することができる。
【0115】
<実施形態3>
図17および図18に基づいて、本発明に係る実施形態3について説明する。図17は、実施形態3に係る制御システム10bの構成の一例を示す図である。なお、説明の便宜上、前記の実施形態1において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0116】
図17に示すように、制御システム10bは、2つの制御装置(第1制御装置)1および制御装置(第2制御装置)1a、手動パルス発生器2、カウンタユニット3、モータ4およびドライバ5およびタッチパネル6aを含む。制御装置1は、カウンタユニット3および制御装置1aと通信可能に接続している。また、制御装置1aは、制御装置1、ドライバ5およびタッチパネル6aと通信可能に接続している。カウンタユニット3は手動パルス発生器2と通信可能に接続しており、ドライバ5は、モータ4と通信可能に接続している。これらの機器は、任意の有線接続方式または無線接続方式により通信接続されている。本実施形態では、制御装置1とカウンタユニットとの接続、および、制御装置1aとドライバ5との接続は、EtherCAT(登録商標)により通信接続されている。また、制御装置1と制御装置1aとは、Ethernet(登録商標)により通信接続されている。
【0117】
大型の産業機械など、手動パルス発生器2とモータ4(移動する部材)とが離れている場合、図17に示すように、複数の制御装置1および1aを分散して配置してもよい。この場合、制御装置1はカウンタユニットから主軸信号を取得し、取得した主軸信号を制御装置1aに出力する。制御装置1aは、制御装置1から取得した主軸信号に基づいて、制御信号を生成し、ドライバ5に制御信号を出力する。
【0118】
図18に基づいて、制御装置1aに接続するタッチパネル6aに表示される画面について説明する。図18は、タッチパネル6aに表示される画面例を示す図である。
【0119】
図18に示すように、タッチパネル6aは、分散型の制御システム10bの概略構成、手動パルス発生器2が出力したパルス数、モータ4により移動した部材の位置等を表示してもよい。このように表示することで、操作者等は、手動パルス発生器2またはモータ4(部材)から離れた場所にいても制御システム10bの状態を確認することができる。
【0120】
なお、制御装置1にタッチパネル6が接続されており、タッチパネル6が図18に示す画面等を表示してもよい。
【0121】
<ソフトウェアによる実現例>
制御装置1の制御ブロック(特に制御部11)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0122】
後者の場合、制御装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、前記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が前記プログラムを前記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。前記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、前記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0123】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、主軸の操作に応じて従軸を制御する制御装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0125】
1 制御装置
2 手動パルス発生器(主軸)
3 カウンタユニット
4 モータ(従軸)
5 ドライバ
6 タッチパネル(入力装置、表示装置)
7 端末装置(入力装置)
8 ボールネジ(部材)
9 産業機械
10 制御システム
21 取得部
22 位置特定部
23 出力部
31 第1位置特定部
32 第2位置特定部
41 第1単位変換部(単位変換部)
42 第1算出部
43 第2算出部
44 第3算出部
45 第4算出部
46 決定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18