(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-212603(P2016-212603A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】バーコード認識装置およびバーコード認識方法
(51)【国際特許分類】
G06K 7/14 20060101AFI20161118BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20161118BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20161118BHJP
【FI】
G06K7/14 039
G06K7/10 456
G07G1/00 311E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-95286(P2015-95286)
(22)【出願日】2015年5月7日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 発行日:平成26年11月8日 刊行物:月刊自動認識、第27巻、第13号、12−16ページ、日本工業出版 開催日:平成26年11月12日〜14日 集会名:HOSPEX Japan 2014 開催場所:東京ビッグサイト東4〜6ホール(東京都江東区有明3−11−1) 公開日:平成27年2月23日 公開した場所:Apple App Store内
(71)【出願人】
【識別番号】509235729
【氏名又は名称】株式会社ケイオーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100150142
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 礼路
(72)【発明者】
【氏名】桂 宏二
(72)【発明者】
【氏名】久城 康寛
(72)【発明者】
【氏名】三上 喜之
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142CA12
(57)【要約】
【課題】 本発明は、預託在庫の使用データを管理するための新規システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、バーコード画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部によって取得した画像を表示する表示部と、前記取得した画像内のバーコードを識別するバーコード識別部と、前記表示部に表示された画像からバーコードを読み取るためのバーコード読み取り部とを備えるバーコード認識装置であって、前記表示部は、前記画像取得部によって取得された画像において、バーコード読み取りを可能にする読み取り領域を表示し、および前記バーコード読み取り部は、使用者が画像取得操作を行うことにより、前記読み取り領域内にバーコードがあると識別されたときに、前記読み取り領域内のバーコードを読み取る、バーコード認識装置を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコード画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部によって取得した画像を表示する表示部と、
前記取得した画像内のバーコードを識別するバーコード識別部と、
前記表示部に表示された画像からバーコードを読み取るためのバーコード読み取り部と、
を備えるバーコード認識装置であって、
前記表示部は、前記画像取得部によって取得された画像において、バーコード読み取りを可能にする読み取り領域を表示し、および
前記バーコード読み取り部は、使用者が画像取得操作を行うことにより、前記読み取り領域内にバーコードがあると識別されたときに、前記読み取り領域内のバーコードを読み取る、バーコード認識装置。
【請求項2】
前記バーコード識別部は、前記取得画像においてバーコードが2段バーコードであるか否かを識別し、前記バーコード読み取り部は、使用者が画像取得操作を行ったときに、前記読み取り領域内に2段バーコードの一方があると識別されたときに、前記読み取り領域内のバーコードを読み取り、かつ当該読み取り後に前記読み取り領域内に2段バーコードの他方があると識別されたときに、前記読み取り領域内のバーコードを読み取る、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記バーコード識別部は、前記取得画像においてバーコードが当該装置によってすでに読み取られているか否かを識別し、および前記表示部は、当該バーコードが読み取り済みか否かを表示する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記バーコード識別部は、前記取得画像においてバーコードが当該装置によって何回読み取られているか否かを識別し、および前記表示部は、当該バーコードの読み取り回数を表示する、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記読み取り部は、バーコードを読み取る代わりに、読み取り回数を入力することができる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記読み取り領域は、前記表示部においてその他の領域よりも明度の高い領域として表示される、請求項1に記載のバーコード認識装置。
【請求項7】
画像取得部によってバーコード画像を取得する工程と、
前記画像取得部によって取得した画像を表示部に表示する工程と、
前記取得した画像内のバーコードをバーコード識別部によって識別する工程と、
前記表示部に表示された画像からバーコード読み取り部によってバーコードを読み取る工程と、
を含む、バーコード認識方法であって、
前記表示工程は、前記画像取得部によって取得された画像において、バーコード読み取りを可能にする読み取り領域を表示することを含み、および
前記バーコード読み取り工程は、使用者が画像取得操作を行うことにより、前記読み取り領域内にバーコードがあると識別されたときに、前記読み取り領域内のバーコードを読み取る工程を含む、バーコード認識方法。
【請求項8】
コンピュータを、
バーコード画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部によって取得した画像を表示する表示部と、
前記取得した画像内のバーコードを識別するバーコード識別部と、
前記表示部に表示された画像からバーコードを読み取るためのバーコード読み取り部と、
を備えるバーコード認識装置として機能させるプログラムであって、
前記表示部は、前記画像取得部によって取得された画像において、バーコード読み取りを可能にする読み取り領域を表示し、および
前記バーコード読み取り部は、使用者が画像取得操作を行うことにより、前記読み取り領域内にバーコードがあると識別されたときに、前記読み取り領域内のバーコードを読み取る、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラによって所望のバーコードを読み取ることができるバーコード認識装置およびバーコード認識方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バーコードは、商品および文書などを管理するための手段として、多くの現場で使用されている。バーコードを読み取る装置として、種々の方式が採用されているが、カメラの性能の向上に伴って、カメラにより撮影されたバーコードの印刷領域を含む画像からバーコードを識別する処理が行われている。
【0003】
たとえば、カメラ機能を有するスマートフォンなどでも、バーコード読み取りソフトウエアによって容易にバーコードを認識することができる。このようなソフトウエアでは、カメラで撮影された領域内にバーコードが存在すると、自動的にバーコードがある領域を判別して当該領域内のバーコードを認識することができる。このようなソフトウエアにおいて、画像から精度よくバーコードを認識するために、種々の改善がなされている。
【0004】
従来のスマートフォンのソフトウエアを使用する場合、通常カメラが認識する領域全体が処理、カメラ機能を起動してバーコードを含む領域が存在すると、全てのバーコードが自動的に認識されてしまう。しかし、カメラが広い範囲を認識してしまうと、希望していないバーコード読み込んでしまう。特に、複数のバーコードを読み取りたい場合、希望するバーコード以外を認識してしまうと問題となる。
【0005】
たとえば、医療材料などの管理においては、複数のバーコードを一度に処理することが多い。医療材料は、薬事法施行規則により使用材料の品名、販売日、製造番号等の記録が義務付けられている。さらに一部の医療材料は、患者に使用された後もその患者に使用した材料データを保管しておく義務がある医療材料を取扱う上で、何時、何処で、何を、誰に使用したかのデータ把握が納入業者にとっても、病院等の医療機関にとっても重要な事となっている。このため各病院及び納入業者は、使用状況に関するデータ管理に多くの労力を要している。上記のようなカメラ機能を有するスマートフォンによってバーコードを認識する場合、複数のバーコードのうち、希望しないバーコードを読み込んでしまうと、迅速な処理が困難となる。特に、医療材料には、数種類のバーコードが記載されていたり、複数の材料のバーコードを一度に読み込んだりする必要があり、希望していないバーコード読み込んでしまうと問題となる
さらに、複数のバーコードを管理する場合、どのバーコードを処理したのか分からなくなってしまったり、重複して同じバーコードを処理してしまったりするという問題もある。逆に、複数個の同じ商品を処理数場合は、何度も同じバーコードを読み取って認識する必要があり、処理に手間がかかってしまうという問題もある。
【0006】
また、バーコードを読み取る操作において、どのバーコードが目的のバーコードであるか分からなくなってしまう可能性もある。このような場合に、バーコードを読み取る前にどの商品かが分かると非常に便利である。
【0007】
さらに、バーコードは、2段に記載されている場合もあるが、このような2段バーコードを読み取る際に、使用者がその読み取りの順番にしたがって最初に1段目を読み取り、次いで2段目を読み取る必要があり、処理に手間がかかってしまうという問題もある。
【0008】
上記のように、現在公知となっているような、カメラによってバーコードを認識する装置では、複数のバーコードを容易に処理することができない。このため、バーコードを利用して、当該医療材料の使用データを簡便に管理することができるシステムおよび方法が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−226328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の状況を鑑みて、本発明は、そこで、本発明は、カメラによって所望のバーコードを読み取ることができるバーコード認識装置およびバーコード認識方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、バーコード画像を取得する画像取得部と、
画像取得部によって取得した画像を表示する表示部と、
取得した画像内のバーコードを識別するバーコード識別部と、
表示部に表示された画像からバーコードを読み取るためのバーコード読み取り部と、
を備えるバーコード認識装置であって、
表示部は、画像取得部によって取得された画像において、バーコード読み取りを可能にする読み取り領域を表示し、および
バーコード読み取り部は、使用者が画像取得操作を行うことにより、読み取り領域内にバーコードがあると識別されたときに、読み取り領域内のバーコードを読み取る、バーコード認識装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、バーコード識別部は、取得画像においてバーコードが当該装置によってすでに読み取られているか否かを識別し、および表示部は、当該バーコードが読み取り済みか否かを表示する、上記バーコード認識装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、バーコード識別部は、取得画像においてバーコードが当該装置によって何回読み取られているか否かを識別し、および表示部は、当該バーコードの読み取り回数を表示する、上記バーコード認識装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、読み取り部は、バーコードを読み取る代わりに、読み取り回数を入力することができる、上記バーコード認識装置を提供する。
【0015】
また、本発明は、バーコード識別部は、取得画像においてバーコードが2段バーコードであるか否かを識別し、バーコード読み取り部は、使用者が画像取得操作を行ったときに、読み取り領域内に2段バーコードの一方があると識別されたときに、前記読み取り領域内のバーコードを読み取り、かつ当該読み取り後に前記読み取り領域内に2段バーコードの他方があると識別されたときに、読み取り領域内のバーコードを読み取る、上記バーコード認識装置を提供する。
【0016】
さらに、本発明は、画像取得部によってバーコード画像を取得す工程と、
前記画像取得部によって取得した画像を表示部に表示する工程と、
前記取得した画像内のバーコードをバーコード識別部によって識別する工程と、
前記表示部に表示された画像からバーコード読み取り部によってバーコードを読み取る工程と、
を含む、バーコード認識方法であって、
前記表示工程は、前記画像取得部によって取得された画像において、バーコード読み取りを可能にする読み取り領域を表示することを含み、および
前記バーコード読み取り工程は、使用者が画像取得操作を行うことにより、前記読み取り領域内にバーコードがあると識別されたときに、前記読み取り領域内のバーコードを読み取る工程を含む、バーコード認識方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明のバーコード認識装置によれば、複数の材料のバーコードを読み込む操作が非常に容易になる。さらに、本発明のバーコード認識装置によれば、複数のバーコードを管理する場合、どのバーコードを処理したのかを容易に識別することができ、重複して同じバーコードを処理してしまうことがない。また、複数個の同じ商品を処理する場合に、容易に処理することができる。また、本発明のバーコード認識装置によれば、バーコードを読み取る操作において、どのバーコードが目的のバーコードであるか容易に識別することができる。さらに、本発明のバーコード認識装置によれば、2段バーコードを読み取る際に、容易に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明のバーコード認識装置の構成例を示す図。
【
図2】本発明のバーコード認識装置を使用してバーコード認識を行うためのフローチャート。
【
図3】本発明のバーコード認識装置の表示部の一例を示す図。
【
図4】本発明のバーコード認識装置の表示部の読み取り領域の一例を示す図。
【
図5】本発明のバーコード認識装置において2段バーコードを認識する際の処理の流れの一例を説明するフローチャート。
【
図6】本発明のバーコード認識装置の表示部において画像中のバーコードが読み取り済みであることを示す図。
【
図7】本発明のバーコード認識装置において、取得した画像中のバーコードが読み取り済みか否かの情報も表示する際の処理の流れの一例を説明するフローチャート。
【
図8】本発明のバーコード認識装置において、取得した画像中のバーコードから識別される商品情報も表示する一例を示す図。
【
図9】本発明のバーコード認識装置において、置取得した画像中のバーコードから識別される商品情報を表示する際の処理の流れの一例を説明するフローチャート。
【
図10】本発明のバーコード認識装置において、取得した画像中のバーコードの読み取り個数を表示し、および変更可能にする一例を示す図。
【
図11】本発明のバーコード認識装置において、取得した画像中のバーコードの読み取り個数を表示し、および変更可能にする際の処理の流れの一例を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、バーコード認識装置1の構成を示す図である。
【0020】
図1に示した例では、バーコード認識装置は、バーコード画像を取得する画像取得部2と、画像取得部によって取得した画像を表示する表示部3と、取得した画像内のバーコードを識別するバーコード識別部4と、表示部に表示された画像からバーコードを読み取るためのバーコード読み取り部5とを備える。
【0021】
バーコード認識装置1は、たとえばカメラ機能を備えたコンピュータなどにより実現される。バーコード認識装置1としてのコンピュータは、プログラムにしたがって情報処理を行う機能を有する。バーコード認識装置1としてのコンピュータは、画像インターフェースに対応する画像入力用のインターフェース、出力インターフェースに対応する認識結果を出力するためのインターフェース、入力インターフェースに対応する各種情報を入力するためのインターフェースおよび各種の処理を実行するための制御部などにより構成される。たとえば、バーコード認識装置1は、画像取得部2としてカメラ機能を有するスマートフォンであることができる。
【0022】
バーコード認識装置1は、CPU、RAM、ROMおよび書換え可能な不揮発性メモリなどにより構成される。このような制御部では、上記CPUは、RAMなどを作業用のメモリとして、ROMあるいは不揮発性メモリに記憶されている種々のプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0023】
たとえば、バーコード認識装置1としてのコンピュータの制御部は、画像分析用のプログラムを実行することにより、カメラなどの画像取得部2から取得した画像を分析して、画像中からバーコードを識別するバーコード識別部4として機能する。また、バーコード認識装置1としのコンピュータの制御部は、画像取得部2から取得した画像を表示部3に表示する。また、バーコード認識装置1としのコンピュータの制御部は、プログラムを実行することにより、画像中のバーコードからバーコードデータを呼び出すバーコード読み取り部5として機能する。また、バーコード認識装置1としのコンピュータの制御部は、バーコード認識処理用のプログラムを実行することにより、キーボードやタッチパッドなどの入力部6からの命令に応じて、画像取得部2、表示部3、バーコード識別部4およびバーコード読み取り部5に各種動作を実現する。
【0024】
以下、バーコード認識装置1が画像取得部2としてカメラ機能を有するスマートフォンであり、バーコード認識装置1としてのコンピュータの制御部が、バーコード認識処理用のプログラムを実行することにより、それぞれ画像取得部2、表示部3、バーコード識別部4およびバーコード読み取り部5に各種動作を実現する場合について、図面を参照して詳細を説明する。
【0025】
図2は、本発明のバーコード認識装置1における処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【0026】
使用者が、バーコード認識装置1でバーコード認識処理用のプログラムを実行することにより、処理が開始する。使用者がカメラによってバーコードが記載されたを撮影すると、画像取得部1によって取得された画像が表示部3に表示される。たとえば、
図3のような画面になる。このとき、画像取得部2としてのカメラがバーコードを含む画像を取得しても、バーコードは読み込まれない。
【0027】
画像取得部2としてのカメラは、たとえば2秒毎などの一定間隔でオートフォーカスで画像を取得するように設定することができる。これにより、使用者がバーコード認識装置1を手に持って動かしながら所望のバーコードが画像取得可能な範囲に入る様に操作しても、常に検知対象にピントを合わせることができる。
【0028】
次に、使用者は、所望のバーコードを読み取る操作を行う。入力部6としてのスマートフォンのタッチパネルから画像取得操作として「読み取りボタン」に触れると、表示部3に読み取り領域が表示される。読み取り領域は、画像中でバーコード読み取りが可能な領域である。読み取り領域は、たとえば
図4に示したように、表示部3の特定領域の明度を他の箇所よりも高い領域として表示することができる。しかし、読み取り領域は、表示部3において枠で囲った領域内または着色された領域内など、他の領域と区別することができれば、任意の様式で表示することができる。
【0029】
使用者が「読み取りボタン」に触れているときに、バーコード識別部4は、読み取り領域内にバーコードが存在するか否かを識別する。
【0030】
バーコード識別部4において、バーコードが存在すると識別した場合は、バーコード読み取り部が読み取り領域内のバーコードを読み取る。一方、バーコードが存在しないと識別した場合は、使用者が「読み取りボタン」に触れている間、再びバーコード識別部4が読み取り領域内にバーコードが存在するか否かを識別する。
【0031】
バーコード読み取り部5は、読み取ったバーコードをデコードして、バーコードデータを次の動作において使用する。また、バーコードデータを記憶部7に記憶することもできる。
【0032】
図5は、本発明のバーコード認識装置1において2段バーコードを認識する際の処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【0033】
2段バーコードの最初の1段を読み込みでは、
図2に示したフローチャートと同様の流れで一方のバーコードを読み取る。読み取り後、バーコード読み取り部5は、最初のバーコードが1段目か2段目かの判断を行う。
【0034】
1段バーコードはJANコードから始まり、その他複数の情報を1つのバーコードに含むのに対し、2段バーコードでは、2段バーコードは、通常より情報量が少ないため、その1段目にJANコードのみを含む。2段バーコードの2段目は、その他の情報で始まる。したがって、2段バーコードのいずれか一方を読み込んだ場合でも、そのバーコードが2段であることを識別することができる。したがって、バーコード読み取り部4が、読み取ったバーコードが2段バーコードであると識別した場合は、続いて他方のバーコードの読み取りへと進むように処理することができる。使用者は、他方のバーコードをカメラで撮影する。最初のバーコードと同様に、使用者が「読み取りボタン」に触れているときに、バーコード識別部4は、読み取り領域内にバーコードが存在するか否かを識別する。また、最初のバーコードと同様に、バーコード識別部4において、バーコードが存在すると識別した場合は、バーコード読み取り部が読み取り領域内のバーコードを読み取る。バーコード読み取り部4は、読み取った2段のバーコードをデコードして、次の動作において使用される。また、バーコードデータを記憶部7に記憶することもできる。
【0035】
また、
図6に示したように、本発明のバーコード認識装置1は、上記のバーコード認識の流れにおいて、表示部3に画像取得部2で取得した画像を表示する際に、取得した画像中のバーコードが読み取り済みか否かの情報も表示することができる。
【0036】
図7は、本発明のバーコード認識装置1において2段バーコードを認識する際の処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【0037】
使用者が、バーコード認識装置1でバーコード認識処理用のプログラムを実行することにより、処理が開始する。使用者がカメラによってバーコードが記載されたラベルを撮影すると、画像取得部1によって取得された画像が表示部3に表示される。
【0038】
このとき、バーコード識別部4は、取得画像内にバーコードが存在するか否かを識別する。バーコードが存在する場合、バーコード読み取り部5がそのバーコードを読み取ってデコードする。コンピュータの制御部は、読み取ったバーコードをすでに画像取得したか否かを識別する。その結果、未だ読み取っていないバーコードである場合は、
図2に示したフローチャートにしたがって、当該バーコードの取得のための処理へと進む。
【0039】
一方、すでに読み取り済みのバーコードである場合、
図6に示したように表示部3に示されたバーコード上に読み取り済みであることを示すチェックを表示することができる。続いて、未だ読み取っていないバーコードである場合は、
図2に示したフローチャートにしたがって、当該バーコードの取得のための処理へと進む。
【0040】
また、
図8に示したように、本発明のバーコード認識装置1は、上記のバーコード認識の流れにおいて、表示部3に画像取得部2で取得した画像を表示する際に、取得した画像中のバーコードから識別される商品情報を表示することもできる。
【0041】
図9は、本発明のバーコード認識装置1において、取得した画像中のバーコードから識別される商品情報を表示する際の処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【0042】
使用者が、バーコード認識装置1でバーコード認識処理用のプログラムを実行することにより、処理が開始する。使用者がカメラによってバーコードが記載されたを撮影すると、画像取得部1によって取得された画像が表示部3に表示される。
【0043】
このとき、バーコード識別部4は、読み取り取得画像内にバーコードが存在するか否かを識別する。バーコードが存在する場合、バーコード読み取り部5がそのバーコードを読み取ってデコードする。コンピュータの制御部は、読み取ったバーコードを記憶部7に記憶されたデータベースに照会し、バーコードデータに関連づけられた商品情報を読み込む。続いて、表示部3に表示された取得画像の各バーコードに対応する箇所に、それぞれの商品情報を表示する。
【0044】
記憶部7には、バーコードデータとGS1-128(旧EAN-128)などの種々のデータとが関連づけられたデータベースを記憶させておくことができる。本発明のバーコード認識装置では、たとえばバーコードデータとして医療材料に固有のバーコードデータを利用することが想定される。このバーコードデータは、商品を識別することができるだけでなく、製造ロットまたは製造シリアル番号毎に固有のデータであるため、同じ商品であっても製造ロットまたは製造シリアル番号毎に商品を識別することができる。このバーコードデータに対して、さらに種々のデータを関連づけることができる。また、本発明のバーコード認識装置によって医療材料のバーコードを読み取り、利用者自身がメモや写真などのそれぞれのデータと関連づけてデータベースに格納することにより、データベースに新たに情報を追加することもできる。
【0045】
本発明のシステムで使用されるデータベースは、上記バーコードデータを任意のファイル構造でデータベースとして格納することができる。たとえば、本発明のバーコード認識装置は、GS1-128などのバーコードデータと商品データが関連づけられたデータ、製品の使用データおよびその他データのデータベースを有してもよい。データ構造は、上記構造である必要はなく、バーコードデータ、商品データおよび使用データを関連づけることができる態様であれば、いずれの構造であることもできる。
【0046】
また、コンピュータの制御部は、読み取り取得画像内に同じバーコードが存在するか否かを識別してもよい。たとえば、バーコード識別部4が取得画像内にバーコードが存在すると識別した場合に、そのバーコードと同じバーコードが取得画像内に存在するか否かをさらに識別する。次いで、同じバーコードが存在する場合、たとえば
図8右に示したように、上記の商品情報と共に同じ商品であることが分かるように線などで示すことができる。
【0047】
次いで、商品情報を表示後、未だ読み取っていないバーコードが存在する場合は、
図2に示したフローチャートにしたがって、当該バーコードの取得のための処理へと進む。
【0048】
また、
図10に示したように、本発明のバーコード認識装置1は、上記のバーコード認識の流れにおいて、表示部3に画像取得部2で取得した画像を表示する際に、取得した画像中のバーコードの読み取り個数を表示および変更可能にしてもよい。
【0049】
図11は、本発明のバーコード認識装置1において、バーコードの読み取り個数を表示および変更際の処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【0050】
使用者が、バーコード認識装置1でバーコード認識処理用のプログラムを実行することにより、処理が開始する。使用者がカメラによってバーコードが記載されたラベルを撮影すると、画像取得部1によって取得された画像が表示部3に表示される。
【0051】
使用者は、所望のバーコードを読み取る操作を行う。入力部6としてのスマートフォンのタッチパネルから画像取得操作として「読み取りボタン」に触れると、表示部3に読み取り領域が表示される。
【0052】
使用者が「読み取りボタン」に触れているときに、バーコード識別部4は、読み取り領域内にバーコードが存在するか否かを識別する。
【0053】
バーコード識別部4において、バーコードが存在すると識別した場合は、バーコード読み取り部が読み取り領域内のバーコードを読み取る。一方、バーコードが存在しないと識別した場合は、使用者が「読み取りボタン」に触れている間、再びバーコード識別部4が読み取り領域内にバーコードが存在するか否かを識別する。バーコード読み取り部5は、読み取ったバーコードをデコードして、バーコードデータを次の動作において使用される。
【0054】
コンピュータの制御部は、読み取ったバーコードを記憶部7に記憶されたデータベースに照会し、バーコードデータに関連づけられた商品情報読み込み、および当該バーコードの読み取りの回数を識別する。続いて、表示部3に表示された取得画像の各バーコードに対応する箇所に、それぞれの商品情報と共に読み取り個数を表示する。また、読み取り個数は、入力部6からの命令入力によって、使用者が変更可能にすることもできる。これにより、複数の同じバーコードを読み取る場合に、使用者が何度も読み取り操作を行わなくても処理を進めることができる。個数を選択後、バーコードを読み取った情報を記憶部7に記憶する。
【0055】
本発明のバーコード認識装置を使用して取得したバーコードデータは、任意の用途に使用することができる。たとえば、医療材料の使用管理には、バーコードが利用されているため、使用した商品の名称、ロット番号、シリアル番号、製品規格、使用数量および読み取り可能なバーコードなどの使用した製品に関する情報の他、在庫を使用した病院名、使用年月日、使用場所、患者IDおよび登録者名などの販売管理に必要とされる任意の情報を管理するために、本発明のバーコード認識装置を利用することができる。
【0056】
また、本発明は、上記バーコード認識装置によってバーコードを認識する方法を提供する。すなわち、本発明は、画像取得部によってバーコード画像を取得する工程と、画像取得部によって取得した画像を表示部に表示する工程と、取得した画像内のバーコードをバーコード識別部によって識別する工程と、記表示部に表示された画像からバーコード読み取り部によってバーコードを読み取る工程とを含むバーコード認識方法であって、表示工程は、画像取得部によって取得された画像において、バーコード読み取りを可能にする読み取り領域を表示することを含み、およびバーコード読み取り工程は、使用者が画像取得操作を行うことにより、読み取り領域内にバーコードがあると識別されたときに、読み取り領域内のバーコードを読み取る工程を含む、バーコード認識方法を提供する。
【0057】
また、本発明は、コンピュータを、上記バーコード認識装置として機能させるプログラムを提供する。すなわち、本発明は、コンピュータを、バーコード画像を取得する画像取得部と、画像取得部によって取得した画像を表示する表示部と、取得した画像内のバーコードを識別するバーコード識別部と、表示部に表示された画像からバーコードを読み取るためのバーコード読み取り部とを備えるバーコード認識装置として機能させるプログラムであって、表示部は、画像取得部によって取得された画像において、バーコード読み取りを可能にする読み取り領域を表示し、およびバーコード読み取り部は、使用者が画像取得操作を行うことにより、読み取り領域内にバーコードがあると識別されたときに、読み取り領域内のバーコードを読み取る、プログラムを提供する。
【0058】
上記プログラムは任意の形態で提供することができる。たとえば、サーバおよびハードディスクに記録された形態で提供することもできる。また、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として提供することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明のバーコード認識装置によれば、カメラによって容易に所望のバーコードを読み取ることができる。
【符号の説明】
【0060】
1・・・バーコード認識装置
2・・・画像取得部
3・・・表示部
4・・・バーコード識別部
5・・・バーコード読み取り部
6・・・入力部
7・・・記憶部
31、41、61、81・・・読み取りボタン
42・・・読み取り領域
62・・・読み取りチェック
91・・・バーコードデータ
92・・・商品データ
93・・・使用データ
94・・・その他データ