(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-212625(P2016-212625A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】人物評価プログラム、記録媒体および人物評価サーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20161118BHJP
【FI】
G06Q10/06 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-95679(P2015-95679)
(22)【出願日】2015年5月8日
(71)【出願人】
【識別番号】514293422
【氏名又は名称】稲田 行徳
(71)【出願人】
【識別番号】514305688
【氏名又は名称】中村 亜弥子
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(74)【代理人】
【識別番号】100194984
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 圭太
(72)【発明者】
【氏名】稲田 行徳
(72)【発明者】
【氏名】中村 亜弥子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA08
(57)【要約】
【課題】コンピュータプログラムを用いて、人物評価における評価対象者に対する正確な評価が可能な人物評価プログラムを提供し併せて、記録媒体および人物評価サーバを提供する。
【解決手段】外部から通信可能なサーバ2に人物評価プログラム1を記録しており、人物評価プログラム1は、ID(identification)認証/振り分け部11(11a、11b)と、自己評価情報(数値)記録部12と、自己評価情報(偏差値)記録部13と、他者評価情報(数値)記録部14と、他者評価情報(偏差値)記録部15と、メイン記録/出力部16と、最終評価(数値)調整/記録部17と、最終評価(偏差値)記録部18と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子計算機にインストールされて、
前記電子計算機に、
評価対象者自身が入力した自己評価情報を数値化して記録する機能と、
前記評価対象者の評価者が入力した、同評価対象者に対する他者評価情報を数値化して記録する機能と、
前記数値化された自己評価情報を偏差値化して記録する機能と、
前記他者評価情報が記録された前記評価者の中から、重要評価者を選出して同重要評価者の評価影響力を高めると共に、低影響評価者を選出して同低影響評価者の評価影響力を低め、記録された前記他者評価情報の数値を再計算して行われる、同他者評価情報を偏差値化して記録する機能と、
前記偏差値化された自己評価情報と、前記偏差値化された他者評価情報とを対比可能に出力する機能とを付与する
人物評価プログラム。
【請求項2】
前記偏差値化された自己評価情報と、前記偏差値化された他者評価情報とを対比可能に出力する前記機能により出力された情報に基づいて行われる、前記評価対象者を最終評価するユーザの最終評価を入力し、同最終評価を加味した評価情報を偏差値化して記録する機能を付与する
請求項1記載の人物評価プログラム。
【請求項3】
前記最終評価を加味した評価情報を偏差値化して記録する機能により記録された数値に基づき、前記評価対象者を総合的にランキング付けする機能を付与する
請求項2記載の人物評価プログラム。
【請求項4】
前記最終評価を加味した評価情報を偏差値化して記録する機能により記録された数値に基づき、前記評価対象者を評価部門毎にランキング付けする機能を付与する
請求項2記載の人物評価プログラム。
【請求項5】
前記評価対象者を最終評価するユーザの最終評価を入力する際に、所属部門毎に評価点の数値を加減可能な機能を付与する
請求項2、請求項3または請求項4記載の人物評価プログラム。
【請求項6】
前記重要評価者の評価影響力を高めるための評価項目について、前記評価対象者を最終評価するユーザが項目を追加あるいは減少させる設定が可能な機能を付与する
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の人物評価プログラム。
【請求項7】
前記評価対象者と前記評価者に異なる識別符号が付与されると共に、該識別符号が前記人物評価プログラムに記録されており、前記人物評価プログラムにアクセスして同識別符号を入力すると、認識した識別符号に基づいて、同評価対象者は自己評価情報の入力画面に誘導され、同評価者は他者評価情報の入力画面に誘導される機能を付与する
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載の人物評価プログラム。
【請求項8】
電子計算機に、
評価対象者自身が入力した自己評価情報を数値化して記録する機能と、
前記評価対象者の評価者が入力した、同評価対象者に対する他者評価情報を数値化して記録する機能と、
前記数値化された自己評価情報を偏差値化して記録する機能と、
前記他者評価情報が記録された前記評価者の中から、重要評価者を選出して同重要評価者の評価影響力を高めると共に、低影響評価者を選出して同低影響評価者の評価影響力を低め、記録された前記他者評価情報の数値を再計算して行われる、同他者評価情報を偏差値化して記録する機能と、
前記偏差値化された自己評価情報と、前記偏差値化された他者評価情報とを対比可能に出力する機能とを付与する人物評価が記録された電子計算機読み取り可能な
記録媒体。
【請求項9】
通信可能なサーバに、
評価対象者自身が入力した自己評価情報を数値化して記録する機能と、
前記評価対象者の評価者が入力した、同評価対象者に対する他者評価情報を数値化して記録する機能と、
前記数値化された自己評価情報を偏差値化して記録する機能と、
前記他者評価情報が記録された前記評価者の中から、重要評価者を選出して同重要評価者の評価影響力を高めると共に、低影響評価者を選出して同低影響評価者の評価影響力を低め、記録された前記他者評価情報の数値を再計算して行われる、同他者評価情報を偏差値化して記録する機能と、
前記偏差値化された自己評価情報と、前記偏差値化された他者評価情報とを対比可能に出力する機能とを付与する人物評価が記録された電子計算機読み取り可能な
人物評価サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人物評価プログラム、記録媒体および人物評価サーバに関する。
更に詳しくは、コンピュータプログラムを用いて、人物評価における評価対象者に対する多面的評価方法(以下「360度評価」と称する)が可能なものに関する。
【背景技術】
【0002】
人事考課等の人物評価方法の一つとして、360度評価という手法がある。360度評価は、評価対象となる人物をあらゆる角度の人物(上司、同僚、部下等)が評価する方法であり、直属の上司のみが部下を評価する場合、評価結果が評価者の先入観や価値観に影響される恐れがあるという弊害を回避し、直属の上司のみならず、同僚や部下、他部門の関係者等が多面的に評価を行うというものである。現在、多くの企業で導入されている評価方式であり、人事考課だけでなく人材育成や組織活性化等にも活用されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】コトバンク グロービスのMBA経営辞書の解説 360度評価インターネット<URL:https://kotobank.jp/word/360%E5%BA%A6%E8%A9%95%E4%BE%A1-785005>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記非特許文献1に記載されているような従来の360度評価方法の場合、自己評価と他者評価の差(他者評価は平均値)で結果表示されるものであるため、例えば、評価結果2.5と2.6の差と、3.5と3.6の差が同等となるといった、不条理な状況が生じうる。
【0005】
また、他者評価の評価結果がダイレクトに評価となるため、評価が甘い部署に属する者と比較して評価が厳しい部署に属する者が著しく不利であり、加えて、個人的感情で極端な低評価または高評価を付ける者がいた場合、その評価に引き摺られる形で、平均値が低下するか、あるいは、能力以上の平均値を得るおそれもある。
【0006】
本発明は、以上の点を鑑みて創案されたものであり、コンピュータプログラムを用いて、人物評価における評価対象者に対する正確な評価が可能な人物評価プログラムを提供することを目的とするものであり、併せて、記録媒体および人物評価サーバを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために本発明の人物評価プログラムは、電子計算機にインストールされて、前記電子計算機に、評価対象者自身が入力した自己評価情報を数値化して記録する機能と、前記評価対象者の評価者が入力した、同評価対象者に対する他者評価情報を数値化して記録する機能と、前記数値化された自己評価情報を偏差値化して記録する機能と、前記他者評価情報が記録された前記評価者の中から、重要評価者を選出して同重要評価者の評価影響力を高めると共に、低影響評価者を選出して同低影響評価者の評価影響力を低め、記録された前記他者評価情報の数値を再計算して行われる、同他者評価情報を偏差値化して記録する機能と、前記偏差値化された自己評価情報と、前記偏差値化された他者評価情報とを対比可能に出力する機能とを付与する。
【0008】
ここで、本発明の人物評価プログラムを使用することにより、評価対象者に対する他者評価情報を入力し記録された各評価者の中から、重要評価者が選出されて重要評価者の評価影響力を高めると共に、低影響評価者が選出されて低影響評価者の評価影響力を低め、記録された他者評価情報の数値を再計算して行われ、偏差値化した他者評価情報が得られる。この他者評価情報は、極端な低評価または高評価を付ける者が排除されたものであるため、人物評価における評価対象者に対する正確な評価が得られる。
【0009】
なお、本明細書および本特許請求の範囲において、「評価者」としては、同部門の上司、同僚、部下が挙げられるが、これに限定するものではなく、例えば、他部門の関係者、取引先等の評価対象者と関係がある者まで含むことを除外するものではない。
【0010】
前記偏差値化された自己評価情報と、前記偏差値化された他者評価情報とを対比可能に出力する前記機能により出力された情報に基づいて行われる、前記評価対象者を最終評価するユーザの最終評価を入力し、同最終評価を加味した評価情報を偏差値化して記録する機能を付与するものである場合は、最終評価するユーザが、出力された自己評価情報と他者評価情報に基づいて最終評価を行い、その最終評価をプログラムに入力することで、最終評価を加味した評価情報が偏差値化されて記録される。
【0011】
前記最終評価を加味した評価情報を偏差値化して記録する機能により記録された数値に基づき、前記評価対象者を総合的にランキング付けする機能を付与するものである場合は、全体において評価対象者の位置づけが更に直感的に理解しやすくなる。
【0012】
前記最終評価を加味した評価情報を偏差値化して記録する機能により記録された数値に基づき、前記評価対象者を評価部門毎にランキング付けする機能を付与するものである場合は、評価部門毎における評価対象者の位置づけが更に直感的に理解しやすくなる。
【0013】
前記評価対象者を最終評価するユーザの最終評価を入力する際に、所属部門毎に評価点の数値を加減可能な機能を付与するものである場合は、事務等の評価情報の数値が伸びにくい部門であっても、最終評価において、数値を加減し、調整する。
【0014】
前記重要評価者の評価影響力を高めるための評価項目について、前記評価対象者を最終評価するユーザが項目を追加あるいは減少させる設定が可能な機能を付与するものである場合は、通常業務で数値に表れにくい点等を評価情報として加味し、最終評価において調整する。
【0015】
前記評価対象者と前記評価者に異なる識別符号が付与されると共に、該識別符号が前記人物評価プログラムに記録されており、前記人物評価プログラムにアクセスして同識別符号を入力すると、認識した識別符号に基づいて、同評価対象者は自己評価情報の入力画面に誘導され、同評価者は他者評価情報の入力画面に誘導される機能を付与するものである場合、人物評価プログラムにアクセスして識別符号を入力すれば、評価対象者は自己評価情報の入力画面に誘導され、評価者は他者評価情報の入力画面に誘導される。
【0016】
上記の目的を達成するために本発明の記録媒体は、電子計算機に、評価対象者自身が入力した自己評価情報を数値化して記録する機能と、前記評価対象者の評価者が入力した、同評価対象者に対する他者評価情報を数値化して記録する機能と、前記数値化された自己評価情報を偏差値化して記録する機能と、前記他者評価情報が記録された前記評価者の中から、重要評価者を選出して同重要評価者の評価影響力を高めると共に、低影響評価者を選出して同低影響評価者の評価影響力を低め、記録された前記他者評価情報の数値を再計算して行われる、同他者評価情報を偏差値化して記録する機能と、前記偏差値化された自己評価情報と、前記偏差値化された他者評価情報とを対比可能に出力する機能とを付与する人物評価プログラムが記録された電子計算機読み取り可能なものである。
【0017】
ここで、本発明の記録媒体は、記録された人物評価プログラムが電子計算機に読み取られることにより使用され、評価対象者に対する他者評価情報を入力し記録された各評価者の中から、重要評価者が選出されて重要評価者の評価影響力を高めると共に、低影響評価者が選出されて低影響評価者の評価影響力を低め、記録された他者評価情報の数値を再計算して行われ、偏差値化した他者評価情報が得られる。この他者評価情報は、極端な低評価または高評価を付ける者が排除されたものであるため、人物評価における評価対象者に対する正確な評価が得られる。
【0018】
また、偏差値化された自己評価情報と、偏差値化された他者評価情報とを対比可能に出力されることにより、自他の評価情報を参照して今後の目標の指針とすることができ、また、他者評価情報が偏差値化されていることで直感的に理解しやすい。
【0019】
上記の目的を達成するために本発明の人物評価サーバは、通信可能なサーバに、評価対象者自身が入力した自己評価情報を数値化して記録する機能と、前記評価対象者の評価者が入力した、同評価対象者に対する他者評価情報を数値化して記録する機能と、前記数値化された自己評価情報を偏差値化して記録する機能と、前記評価者の中から、重要評価者を選出して同重要評価者の評価影響力を高めると共に、低影響評価者を選出して同低影響評価者の評価影響力を低め、記録された前記他者評価情報の数値を再計算して行われる、同他者評価情報を偏差値化して記録する機能と、前記偏差値化された自己評価情報と、前記偏差値化された他者評価情報とを対比可能に出力する機能とを付与する人物評価プログラムが記録された電子計算機読み取り可能なものである。
【0020】
ここで、本発明の人物評価サーバを使用することにより、評価対象者に対する他者評価情報を入力し記録された各評価者の中から、重要評価者が選出されて重要評価者の評価影響力を高めると共に、低影響評価者が選出されて低影響評価者の評価影響力を低め、記録された他者評価情報の数値を再計算して行われ、偏差値化した他者評価情報が得られる。この他者評価情報は、極端な低評価または高評価を付ける者が排除されたものであるため、人物評価における評価対象者に対する正確な評価が得られる。また、本発明の人物評価サーバは通信可能であるため、インターネットを介しても利用される。
【発明の効果】
【0021】
本発明による人物評価プログラムによれば、人物評価における評価対象者に対する正確な評価を、コンピュータプログラムを用いて行うことが可能となる。
本発明による記録媒体によれば、人物評価における評価対象者に対する正確な評価を、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを用いて行うことが可能となる。
本発明による人物評価サーバによれば、人物評価における評価対象者に対する正確な評価を、サーバに記録されたコンピュータプログラムを用いて行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の人物評価プログラムを適用したサーバの構造の一例を説明する概略ブロック図である。
【
図2】
図1に示す人物評価プログラムへの自己評価情報および他者評価情報の入力処理の流れの説明する概略フロー図である。
【
図3】
図1に示す人物評価プログラムへの最終評価情報の入力処理の流れの説明する概略フロー図である。
【
図4】
図1に示す人物評価プログラムの処理の流れの説明する概略フロー図である。
【
図5】
図1に示す人物評価プログラムにより出力された他者評価ランキングの一例を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1ないし
図5を参照して、本発明の実施の形態を更に詳細に説明する。なお、各図における符号は、煩雑さを軽減し理解を容易にする範囲内で付している。
【0024】
図1では、外部から通信可能なサーバ2に、人物評価プログラム1を記録した構造の一例を示している。
人物評価プログラム1は、ID(identification)認証/振り分け部11(11a、11b)と、自己評価情報(数値)記録部12と、自己評価情報(偏差値)記録部13と、他者評価情報(数値)記録部14と、他者評価情報(偏差値)記録部15と、メイン記録/出力部16と、最終評価(数値)調整/記録部17と、最終評価(偏差値)記録部18と、を備えている。
【0025】
なお、本実施の形態において、「自己評価情報(数値)記録部12」は先に述べた「評価対象者自身が入力した自己評価情報を数値化して記録する機能」と、「他者評価情報(数値)記録部14」は先に述べた「評価対象者の評価者が入力した、評価対象者に対する他者評価情報を数値化して記録する機能」と、「自己評価情報(偏差値)記録部13」は先に述べた「数値化された自己評価情報を偏差値化して記録する機能」と、「他者評価情報(偏差値)記録部15」は、先に述べた「前記他者評価情報が記録された評価者の中から、重要評価者を選出して重要評価者の評価影響力を高めると共に、低影響評価者を選出して低影響評価者の評価影響力を低め、記録された他者評価情報の数値を再計算して行われる、他者評価情報を偏差値化して記録する機能」と、「ID認証/振り分け部11(11a、11b)」は先に述べた「評価対象者と評価者に異なる識別符号が付与されると共に、識別符号が人物評価プログラムに記録されており、人物評価プログラムにアクセスして識別符号を入力すると、認識した識別符号に基づいて、評価対象者は自己評価情報の入力画面に誘導され、評価者は他者評価情報の入力画面に誘導される機能」と、それぞれ対応するものである。
【0026】
また、「最終評価(数値)調整/記録部17」と「最終評価(偏差値)記録部18」は先に述べた「偏差値化された自己評価情報と、偏差値化された他者評価情報とを対比可能に出力する機能により出力された情報に基づいて行われる、評価対象者を最終評価するユーザの最終評価を入力し、最終評価を加味した評価情報を偏差値化して記録する機能」と、「メイン記録/出力部」は先に述べた「偏差値化された自己評価情報と、偏差値化された他者評価情報とを対比可能に出力する機能」、「最終評価を加味した評価情報を偏差値化して記録する機能により記録された数値に基づき、評価対象者を総合的にランキング付けする機能」および「最終評価を加味した評価情報を偏差値化して記録する機能により記録された数値に基づき、評価対象者を評価部門毎にランキング付けする機能」と、それぞれ対応するものである。
【0027】
(自己評価情報の入力および記録)
図1、
図2及び
図4を参照して、自己評価情報の入力および記録の流れを説明する。
(1)評価対象者P1が電子計算機を使用し、サーバ2に格納された人物評価プログラム1に、アクセスする(
図2のステップS1)。
【0028】
(2)評価対象者P1に割り当てられたID情報(ログインID)を、電子計算機に表示されたユーザインターフェイスを通じて入力する(
図2のステップS2)。
なお、ログインIDについては、その種類および数は適宜設定することができ、例えば、会社ID、ユーザID、パスワードの3種類を組み合わせたものであってもよいし、会社IDとパスワード、ユーザIDとパスワード等であってもよい(本明細書中において以下同じ)。
【0029】
(3)ID認証/振り分け部11において、予め記録されたID情報と入力されたIDの照会がなされ、登録済みかつ正規なIDであれば、評価対象者のための入力画面へログインできる。なお、未登録または不正なIDであれば、ログインを拒み、再度の入力を促す(
図2のステップS3)。
【0030】
(4)評価対象者P1は、インターフェイスに表示された項目に入力または選択を行う(
図2のステップS4)。
【0031】
(5)全ての項目の入力または選択を終えると、入力内容の確認画面が表示され、確認画面を閲覧した評価対象者P1が内容に同意する場合は後述するステップS6へ進み、修正を行う場合は、ステップS4へ戻る(
図2のステップS5)。なお、入力内容の確認画面の表示については、省略したものとしてもよい(後述する
図2のステップS5、
図3のステップS12、
図4のステップS26の説明において以下同じ)。
【0032】
(6)ログアウトを行い、入力作業が完了する(
図2のステップS6)。なお、ログアウトは、入力作業完了後に自動で行われるようにしたものであってもよい(後述する
図2のステップS6、
図3のステップS14、
図4のステップS28、
図5のステップS33の説明において以下同じ)。
【0033】
入力作業後(
図4のステップS15)、自己評価情報は数値化されて、自己評価情報(数値)記録部12に記録される共に、同数値は自己評価情報(偏差値)記録部13へ送られる(
図4のステップS16)。送られた数値は、自己評価情報(偏差値)記録部13において偏差値化される(
図4のステップS17)と共に、同偏差値は自己評価情報(偏差値)記録部13に記録され(
図4のステップS18)、メイン記録/出力部16に記録される。
【0034】
(他者評価情報の入力および記録)
図1、
図2および
図4を参照して、他者評価情報の入力および記録の流れを説明する。
(1)評価者P2、P3が電子計算機を使用し、サーバ2に格納された人物評価プログラム1に、アクセスする(
図2のステップS1)。
【0035】
(2)評価者P2、P3に割り当てられたID情報(ログインID)を、電子計算機に表示されたユーザインターフェイスを通じて入力する(
図2のステップS2)。
【0036】
(3)ID認証/振り分け部11aにおいて、予め記録されたID情報と入力されたIDの照会がなされ、登録済みかつ正規なIDであれば、評価者のための入力画面へログインできる。なお、未登録または不正なIDであれば、ログインを拒み、再度の入力を促す(
図2のステップS3)。
【0037】
(4)評価者P2、P3は、インターフェイスに表示された項目に入力または選択を行う(
図2のステップS4)。
【0038】
(5)全ての項目の入力または選択を終えると、入力内容の確認画面が表示され、確認画面を閲覧した評価者P2、P3が内容に同意する場合は後述するステップS6へ進み、修正を行う場合は、ステップS4へ戻る(
図2のステップS5)。
【0039】
(6)ログアウトとなり、入力作業が完了する(
図2のステップS6)。
【0040】
入力作業後(
図4のステップS19)、他者評価情報は数値化されて、他者評価情報(数値)記録部14に記録される共に、同数値は他者評価情報(偏差値)記録部15へ送られる(
図4のステップS20)。送られた数値は、他者評価情報(偏差値)記録部15において偏差値化される(
図4のステップS21)と共に、同偏差値は他者評価情報(偏差値)記録部15に記録され(
図4のステップS22)、メイン記録/出力部16に記録される。
【0041】
この他者評価情報(偏差値)記録部15においては、入力した数値が記録された複数の評価者の中から、重要評価者が選出されて重要評価者の評価影響力を高めると共に、低影響評価者が選出されて低影響評価者の評価影響力を低め、記録された他者評価情報の数値を再計算して行われる。この結果、正確で、偏差値化した他者評価情報(評価)が得られる。
【0042】
ここで、「重要評価者」とは、業務部門毎のエキスパート等が該当し、エキスパートに評価されるということは、その業務において付けられた点数(数値)の信頼度の高さが担保されることとなる。また、重要評価者については、プログラムにより自動で選出される態様のほか、予めユーザ側でプログラムに入力(設定)しておくこともできる。なお、評価影響力は査定における「重み付け」とも換言できる。
【0043】
(最終評価情報の入力および記録)
図1、
図3および
図4を参照して、最終評価情報の入力および記録の流れを説明する。
(1)最終評価者P4が電子計算機を使用し、サーバ2に格納された人物評価プログラム1に、アクセスする(
図3のステップS7)。
【0044】
(2)最終評価者P4に割り当てられたID情報(ログインID)を、電子計算機に表示されたユーザインターフェイスを通じて入力する(
図3のステップS8)。
【0045】
(3)ID認証/振り分け部11bにおいて、予め記録されたID情報と入力されたIDの照会がなされ、登録済みかつ正規なIDであれば、最終評価者のための入力画面へログインできる。なお、未登録または不正なIDであれば、ログインを拒み、再度の入力を促す(
図3のステップS9)。
【0046】
(4)最終評価者P4は、メイン記録/出力部16から出力された自己評価情報、他者評価情報を閲覧する(
図3のステップS10、
図4のステップS23)。
【0047】
(5)最終評価者P4は、自己評価情報および他者評価情報について検討して最終評価を行い、最終評価(数値)調整/記録部17に数値を入力する(
図3のステップS11、
図4のステップS24)。入力された同数値は、最終評価(数値)調整/記録部17に記録されると共に、最終評価(偏差値)記録部18へ送られて偏差値化され、記録される(
図4のステップS25)。
【0048】
(6)入力内容の確認画面が表示され、確認画面を閲覧した最終評価者P4が内容に同意する場合は後述するステップS14へ進み、修正を行う場合は、ステップS11へ戻る(
図3のステップS12、
図4のステップS26)。
【0049】
(7)最終評価が確定され、最終評価の内容がメイン記録/出力部16に記録される(
図3のステップS13、
図4のステップS27)。また、最終評価情報として記録された数値(偏差値化する前の数値)をもとにランキング表が作成され、メイン記録/出力部16に記録されて、表示可能となる。ランキング表が表示される際には偏差値も表示されるため、単なる順位ではなく、個々の差が明確に把握できる。また、ランキング表は、各評価対象者を総合的に表示するのみならず、評価部門毎に表示することができるようにしてもよい。
【0050】
評価の一例として、インターフェイス上に表示される「業務効率力における他者ランキング」を
図5に示す。なお、ここでは、偏差値が数値で、他者評価がアルファベットを用いたランクが表示されているが、これに限定するものではなく、例えば、比較用として自己評価についても併記されていてもよい。
【0051】
(8)ログアウトとなり、作業が完了する(
図3のステップS14、
図4のステップS28)。
【0052】
本実施の形態において、ID認証/振り分け部は、理解の容易のために3つ(符号11、11a、11b)に分けて記載しているが、これに限定するものではなく、例えば、1つのID認証/振り分け部において、評価対象者、評価者、最終評価者を識別(ID認証/振り分け)する機能を持たせたものであってもよい。
【0053】
本実施の形態において、自己評価部門の機能について、自己評価情報(数値)記録部12と自己評価情報(偏差値)記録部13とを分けているが、これに限定するものではなく、例えば、自己評価情報(数値)記録部12と自己評価情報(偏差値)記録部13が一体化したものであってもよい。同様に、他者評価部門の機能について、他者評価情報(数値)記録部14と他者評価情報(偏差値)記録部15が一体化したものであってもよい。
【0054】
上記の通り、人物評価プログラム1は、他者評価情報について、入力し数値が記録された複数の評価者の中から、選出された重要評価者が評価影響力を高められ、かつ、選出された低影響評価者の評価影響力を低め、記録された他者評価情報の数値を再計算して偏差値化されたものが得られるため、極端な低評価を付ける者等が排除され、人物評価における評価対象者に対する正確な評価が得られる。
【0055】
また、偏差値化された自己評価情報と、偏差値化された他者評価情報とを対比可能に出力され、かつ、他者評価情報が360度評価法でなされたものであるため、客観的かつ正確性の高い自他の評価情報を参照して今後の目標の指針とすることができ、また、他者評価情報が偏差値化されていることで直感的に理解しやすい。
【0056】
入力された自己評価情報と他者評価情報について、更に最終評価者(最終評価するユーザ)の最終評価を入力し、同最終評価を加味した評価情報を偏差値化したものが最終評価となるため、評価対象者が例えば、事務部門や、現在進行中のプロジェクト(結果が出ていないか、評価がしにくい)等、評価情報の数値が伸びにくい部門の所属等であっても、正確な評価が可能となる。
【0057】
同様に、このような部門については、予め、重要評価者の評価影響力を高めるための評価項目を、最終評価者が項目を追加あるいは減少させる設定が可能な機能を利用することにより、最初に偏差値化される時点で他者評価情報が調整されるようにしておいてもよい。
【0058】
評価対象者が、ランキング付け、ランク表示されることで、全体において、または、部門毎において、評価対象者の位置づけが更に直感的に理解しやすくなる。
【0059】
本明細書及び特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書及び特許請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0060】
1 人物評価プログラム
11、11a、11b ID認証/振り分け部
12 自己評価情報(数値)記録部
13 自己評価情報(偏差値)記録部
14 他者評価情報(数値)記録部
15 他者評価情報(偏差値)記録部
16 メイン記録/出力部
17 最終評価(数値)調整/記録部
18 最終評価(偏差値)記録部
2 サーバ
P1 評価対象者
P2、P3 評価者
P4 最終評価者
S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、S9、S10、S11、S12、S13、S14、S15、S16、S17、S18、S19、S20、S21、S22、S23、S24、S25、S26、S27、S28 ステップ