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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-212715(P2016-212715A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】組織運営支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20161118BHJP
   G06Q 50/22 20120101ALI20161118BHJP
【FI】
   G06Q10/00 140
   G06Q50/22 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-97099(P2015-97099)
(22)【出願日】2015年5月12日
(71)【出願人】
【識別番号】505031152
【氏名又は名称】株式会社キーポート・ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100129285
【弁理士】
【氏名又は名称】布川 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】森田 昇
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049AA20
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】組織に属する複数の従業員についての精神状態の傾向を把握可能に可視化する。
【解決手段】複数の従業員についての精神状態を複数段階の評価で入力させる入力手段と、入力手段で入力された従業員の精神状態の評価を示すメンタルデータを、入力した従業員を示す従業員データ、及び入力された日時を示す日時データと関連付けて累積して記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されているデータに基づいて、所定の期間における所定の組織に属する複数の従業員のメンタルデータを表示する表示手段とを備える。表示手段は、n人の従業員について、各々m個のメンタルデータを表示するときに、従業員毎に、各メンタルデータに対応する色彩を付したm個のセルをX軸方向に配列して個別期間データとして表示するとともに、n人分の個別期間データをY軸方向に配列して組織期間データとして表示する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の従業員についての精神状態を複数段階の評価で入力させる入力手段と、
前記入力手段で入力された従業員の精神状態の評価を示すメンタルデータを、入力した従業員を示す従業員データ、及び入力された日時を示す日時データと関連付けて累積して記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されているデータに基づいて、所定の期間における所定の組織に属する複数の従業員のメンタルデータを表示する表示手段とを備え、
前記表示手段は、n人の従業員について、各々m個のメンタルデータを表示するときに、従業員毎に、各メンタルデータに対応する色彩を付したm個のセルをX軸方向に配列して個別期間データとして表示するとともに、n人分の個別期間データをY軸方向に配列して組織期間データとして表示する
ことを特徴とする組織運営支援システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記所定の期間における前記所定の組織の業績に関する指標を、予め設定した基準値S1と比較して評価する業績評価手段と、
前記所定の期間における前記所定の組織に属する複数の従業員のメンタルデータに関する指標を、予め設定した基準値S2と比較して評価するメンタル評価手段と、
前記業績評価手段による業績に関する指標の評価、及び前記メンタル評価手段によるメンタルデータに関する指標の評価の双方に基づいて、組織運営に関する情報を出力する情報出力手段とを備えている
ことを特徴とする組織運営支援システム。
【請求項3】
請求項2において、
前記情報出力手段は、前記業績評価手段により、業績に関する指標が基準値S1以上であると評価され、かつ前記メンタル評価手段により、メンタルデータに関する指標が基準値S2未満であると評価されたときは、組織運営に関する情報を出力する
ことを特徴とする組織運営支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従業員の日々の精神状態をデータ化して蓄積し、これを可視化することにより、従業員の精神状態を連続的に把握可能にした組織運営支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
労働者は、自身の気持ちの持ち様で、その生産性が12%向上するといわれている。
このため、従業員の気持ちやモチベーションを連続的に把握することができれば、従業員の気分が落ち込んでいるとき、あるいはモチベーションが低下しているときに、その従業員にコーチングやカウンセリング等を受けさせることにより、その従業員のモチベーションを早期に回復させることができる。これにより、モチベーションが高い状態で従業員に業務に従事してもらうことが可能になるので、結果として、企業活動の付加価値の向上を期待することができる。
【0003】
また、従業員の精神状態を把握する手段として、たとえば、EMP(Employment Management Program)が知られている。EMPは、数十の質問等を通じて、従業員の精神状態を、医学的、心理的に把握するものである。
しかし、EMPは、質問の数が多いため、従業員等の負荷が大きく、また、実施頻度が通常は1年に1回程度であるため、従業員の精神状態を連続的に把握することや、従業員の精神状態の変化を迅速に把握することが困難であった。
【0004】
なお、従業員の気分を入力させて、これを蓄積していき、蓄積されたデータと所定の閾値とを比較することにより、従業員のメンタルヘルスの危機を早期に検知するシステムが提案されている(特許文献1参照)。
また、被験者の心身健康状態を主観的及び客観的に表すデータを収集し、これらに基づいて管理データを出力するシステムも提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−129805号公報
【特許文献2】特開2011−238215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、モチベーションが高い状態で従業員に業務に従事してもらい、企業活動の付加価値を向上させるためには、個々の従業員の精神状態を把握するのみならず、組織に属する複数の従業員の精神状態がどのような傾向にあるのかを把握することが好ましいが、従来のシステムでは、それが困難であった。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、組織に属する複数の従業員の精神状態がどのような傾向にあるのかを把握可能に可視化することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、
複数の従業員についての精神状態を複数段階の評価で入力させる入力手段(従業員端末30の画面に表示された気分入力ボタン31)と、
前記入力手段で入力された従業員の精神状態の評価を示すメンタルデータ(「1」〜「3」の数値)を、入力した従業員を示す従業員データ(従業員ID)、及び入力された日時を示す日時データと関連付けて累積して記憶する記憶手段(サーバー20上に構築されたデータベース)と、
前記記憶手段に記憶されているデータに基づいて、所定の期間における所定の組織に属する複数の従業員のメンタルデータを表示する表示手段(サーバー20上の制御手段、及び管理者端末40上の制御手段)とを備え、
前記表示手段は、n人の従業員について、各々m個のメンタルデータを表示するときに、従業員毎に、各メンタルデータに対応する色彩を付したm個のセルをX軸方向(横方向)に配列して個別期間データとして表示するとともに、n人分の個別期間データをY軸方向(縦方向)に配列して組織期間データとして表示することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1において、
前記所定の期間における前記所定の組織の業績に関する指標を、予め設定した基準値S1と比較して評価する業績評価手段(21)と、
前記所定の期間における前記所定の組織に属する複数の従業員のメンタルデータに関する指標を、予め設定した基準値S2と比較して評価するメンタル評価手段(22)と、
前記業績評価手段(21)による業績に関する指標の評価、及び前記メンタル評価手段(22)によるメンタルデータに関する指標の評価の双方に基づいて、組織運営に関する情報を出力する情報出力手段(23)とを備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2において、
前記情報出力手段(23)は、前記業績評価手段(21)により、業績に関する指標が基準値S1以上であると評価され、かつ前記メンタル評価手段(22)により、メンタルデータに関する指標が基準値S2未満であると評価されたときは、組織運営に関する情報を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の従業員についての精神状態をメンタルデータとして蓄積していき、n人の従業員について各々m個のメンタルデータを表示するときは、(n×m)個の各メンタルデータに対応する色彩を付したセルをn行m列に配列して表示する。
これにより、組織に属する複数の従業員の精神状態がどのような傾向にあるのかを把握可能に可視化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】組織運営支援システムの全体構成を示す図である。
図2】従業員端末としてのPCの画面を示す図である。
図3】従業員端末としてのPCの画面に表示された従業員用入出力部を示す拡大図である。
図4】従業員端末としてのPCの画面、及びそこに表示された従業員入出力部を示す図である。
図5】従業員端末としてのスマートフォン、及びその画面に表示された従業員用入出力部を示す図である。
図6】従業員端末としてのPCの画面を示す図であって、メンタルデータに対応する色彩を付したカレンダーの出力例を示す図である。
図7】従業員端末としてのPCの画面を示す図であって、直近3週のメンタルデータの出力例を示す図である。
図8】従業員端末としてのPCの画面を示す図であって、ログインしている従業員、及びその従業員が所属する組織における他の従業員のメンタルデータの出力例を示す図である。
図9】サーバー上に構築されたデータベースを示す図であって、所定の期間における所定の従業員のメンタルデータを記憶したデータベースの一例を示す図である。
図10】サーバー上に構築されたデータベースを示す図であって、所定の日時における複数の従業員のメンタルデータを記憶したデータベースの一例を示す図である。
図11】管理者端末としてのPCの画面を示す図であって、所定の期間における所定の組織に属する複数の従業員のメンタルデータの出力例を示す図である。
図12】管理者端末としてのPCの画面を示す図であって、所定の期間における所定の組織に属する複数の従業員のメンタルデータの出力例を示す図である。
図13】管理者端末としてのPCの画面を示す図であって、所定の期間における所定の組織に属する複数の従業員のメンタルデータの出力例を示す図である。
図14】管理者端末としてのPCの画面を示す図であって、所定の期間における所定の組織に属する複数の従業員のメンタルデータの出力例を示す図である。
図15】業績に関する指標の評価、メンタルデータに関する指標の評価、及び組織運営に関する情報を出力の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、組織運営支援システム10の全体構成を示す図である。
図1に示すように、組織運営支援システム10は、サーバー20と、サーバー20に接続された複数台の従業員端末30と、サーバー20に接続された管理者端末40とを備えている。
ここで、サーバー20は、各従業員端末30から送信された情報を蓄積するとともに、各従業員端末30及び管理者端末40からの要求に応じて所定の処理を実行する。
【0013】
また、図1では、8台の従業員端末30がサーバー20に接続されている例を示しているが、従業員端末30の台数は8台に限られるものではない。
さらに、従業員端末30として、たとえば、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末を挙げることができる。
ここで、本実施形態では、サーバー20側でWeb−APIを準備している。そして、従業員端末30がPC、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末のいずれであっても、サーバー20との間で共通のWeb−APIでデータをやり取り(入出力)できるようにしている。
【0014】
また、図1では、1台の管理者端末40がサーバー20に接続されている例を示しているが、管理者端末40の台数は1台に限られるものではない。
さらに、管理者端末40として、たとえば、PC、スマートフォン、タブレット型端末を挙げることができる。
なお、図1では、サーバー20と管理者端末40とを別々の構成としたが、サーバー20と管理者端末40とを兼用の構成にしてもよい。すなわち、サーバー20を、管理者端末40として機能させてもよい。
【0015】
図2は、従業員端末30としてのPCの画面を示す図であり、図3は、従業員端末30としてのPCの画面に表示された従業員用入出力部31を示す拡大図である。
また、図4は、従業員端末30としてのPCの画面、及びそこに表示された従業員入出力部31を示す図である。
また、図5は、従業員端末30としてのスマートフォン、及びその画面に表示された従業員用入出力部31を示す図である。
たとえば、専用のアプリケーションソフトウエア(アプリ)をインストールすることにより、図2に示すように、従業員端末30としてのPC上のブラウザのツールバーに、従業員用入出力部31をアドオンすることができる。
同様に、専用のアプリをインストールすることにより、図5に示すように、従業員端末30としてのスマートフォンの画面に、従業員用入出力部31を表示させることができる。
【0016】
また、従業員入出力部31を表示させるアプリを、オペレーティングシステム(OS)に常駐させることもできる。この場合、タスクトレイに表示された「W」のアイコンをクリックすると、図4に示すように、従業員入出力部31がPCの画面にポップアップして表示されるようにすることができる。また、入力を推奨する時間帯になると、従業員入出力部31がPCの画面にポップアップして表示されるようにしてもよい。さらに、入力を推奨する時間帯は、管理者端末40を通じて、サーバー20上で設定可能にすることができる。
【0017】
このように、OSに専用のアプリを常駐させることにより、従業員入出力部31のブラウザへの依存をなくすことができるので、従業員入出力部31を表示させるためにブラウザを起動する必要をなくすことができる。
また、ポップアップにより表示する内容は、htmlで記述してサーバー20上に設定しておくことができる。そして、「W」のアイコンがクリックされたり、入力を推奨する時間帯になると、サーバー20上のhtmlの内容をポップアップにより表示することができる。これにより、ポップアップにより表示する内容のカスタマイズを容易にすることができる。
【0018】
また、図3図5に示すように、従業員用入出力部31は、気分入力ボタン32、本日気分表示アイコン33、過日気分表示アイコン34、メニューボタン35、感謝入力ボタン36を備えている。
ここで、気分入力ボタン32は、従業員の精神状態を複数段階の評価で入力させるためのものである。図3図5に示すように、本実施形態では、気分入力ボタン32として、左側に配置した白色の「Excellent」ボタン、中央に配置した灰色の「Well Done」ボタン、右側に配置した黒色の「Not So Good」ボタンを備えている。
また、「Excellent」ボタンは、従業員の気分が良好のときに操作(クリック)させるものであり、「Well Done」ボタンは、従業員の気分が普通のときに操作させるものであり、「Not So Good」ボタンは、従業員の気分が優れない(悪い)ときに操作させるものである。
【0019】
複数台の各従業員端末30には、それぞれ、従業員用入出力部31が表示されている。そして、各従業員端末30において、各従業員に、終業時に、各従業員の主観で、その日の気分(精神状態)に応じた気分入力ボタン32を操作させる。このようにして、各従業員端末30において、各従業員のその日の精神状態を、3段階の評価で入力させる。
また、精神状態の評価は、たとえば、「Excellent」(白色)については「3」、「Well Done」(灰色)については「2」、「Not So Good」(黒色)については「1」のように、数値で表すことができる。なお、精神状態の評価を数値で表したものを「SCORE(スコア)」と称する。
【0020】
さらに、各従業員端末30では、気分入力ボタン32の操作により、従業員の精神状態が複数段階の評価で入力されると、従業員の精神状態の評価を示すメンタルデータ(SCORE「3」〜「1」)と、入力した従業員を示す従業員IDと、入力された日時を示す日時データと関連付けて、サーバー20に送信する処理を実行する。
そして、サーバー20では、各従業員端末30からメンタルデータ、従業員ID、及び日時データを受信すると、これらを関連付けてデータベースに記憶する処理を実行する。このようにして、複数の従業員についての精神状態の評価をメンタルデータとして蓄積していく。
【0021】
なお、サーバー20側では1日1回バッチ処理を実行し、精神状態の評価が入力されていないときは、精神状態の評価として「Not So Good」が入力されたものとして、「Not So Good」を示すメンタルデータ(SCORE「1」)をデータベース上に記憶する。
また、精神状態の評価が入力されていないときは、データベース上はメンタルデータを未入力のままにしておき、従業員端末30又は管理者端末40側でメンタルデータを表示するときは、データベース上でメンタルデータが未入力のところを「Not So Good」として表示するようにしてもよい。この場合、土日祝日については、「Not So Good」とは表示せずに、「未入力」と表示したり、未入力に対応する所定の情報を表示することができる。また、未入力のところをどのように表示するかについては、組織毎に設定することができる。
【0022】
また、精神状態の評価は、一旦入力した後は、1日に3回まで変更可能に設定されている。従業員端末30側では、精神状態の評価が一旦入力された後は、気分入力ボタン32が操作される毎に、メンタルデータ、従業員ID、及び日時データをサーバー20に送信する処理を実行する。サーバー20側では、同一の日付けで、同一の従業員のメンタルデータを受信する毎に、データベース上におけるその従業員のメンタルデータを更新(上書き)する処理を実行する。
【0023】
なお、気分入力ボタン32には、白色、灰色、黒色のような色彩を付する場合に限らず、たとえば、笑顔、困った顔、泣き顔のような顔を示す図柄を付してもよく、また、晴れ、曇り、雨のような天気を示す図柄を付してもよい。
また、精神状態の評価は、3段階の評価に限られるものではなく、たとえば、最良を「5」とし、最悪を「1」として、「5」〜「1」の5段階の評価とすることができる。この場合、たとえば、「5」には「緑色」を、「4」には「青緑色」を、「3」には「黄色」を、「2」には「橙色」を、「1」には「赤色」を、それぞれ割り当てることができる。
また、精神状態の評価の入力は、終業時に限られるものではなく、たとえば、始業時としてもよい。
さらに、精神状態の評価の入力は、1日1回に限られるものではなく、たとえば、始業時及び終業時の1日2回としてもよい。
また、精神状態の評価の変更は、1日に3回までに限られるものではなく、変更を認めない場合を含め、適宜設定することができる。
【0024】
また、各従業員にそれぞれ従業員端末30を割り当てて、各従業員端末30において、各従業員の精神状態の評価をそれぞれ入力させる場合に限られるものではない。たとえば、サーバー20に接続された図示しない共有端末を備え、この共有端末において、複数の従業員についての精神状態を複数段階の評価で入力させてもよい。この場合、各従業員は、共有端末の入力画面において、たとえば、従業員毎に割り当てられた従業員IDと、精神状態の評価とを入力する。また、従業員一覧の中から自分の名前を選択して、精神状態の評価を入力するようにしてもよい。
【0025】
本日気分表示アイコン33は、本日入力された精神状態の評価を表示するものである。図3では、本日、「Well Done」が入力された例を示している。
過日気分表示アイコン34は、過去5日間に入力された精神状態の評価を表示するものである。本実施形態では、左側から順に、1日前、2日前、3日前、4日前、及び5日前の精神状態の評価をそれぞれ表示するように設定されている。図3では、1日前及び4日前には「Excellent」(白色)が入力され、2日前及び3日前には「Well Done」(灰色)が入力され、5日前には「Not So Good」(黒色)が入力された例を示している。
【0026】
メニューボタン35は、本システムにログインするとき、又は本システムからログアウトするときに操作するものである。
本システムにログインしていない状態で、メニューボタン35を操作すると、図示しないログイン画面が表示される。このログイン画面において、従業員が属する組織を示す組織コード、従業員毎に割り当てられた従業員ID、及び従業員毎に設定されたパスワードを入力し、図示しないログインボタンを操作する。これにより、本システムにログインすることができる。
【0027】
そして、本システムにログインしている状態で、気分入力ボタン32が操作されると、従業員端末30は、従業員の精神状態の評価を示すメンタルデータ(SCORE「3」〜「1」)と、入力した従業員を示す従業員IDと、入力された日時を示す日時データとを関連付けて、サーバー20に送信する処理を実行する。
また、本システムにログインしている状態で、メニューボタン35を操作すると、図示しないログアウトボタンが表示される。そして、従業員端末30は、ログアウトボタンが操作されると、本システムからログアウトする処理を実行する。
【0028】
感謝入力ボタン36は、他の従業員に対して感謝の気持ちを伝えるときに操作するものである。
感謝入力ボタン36を操作すると、図示しない感謝入力画面が表示される。この感謝入力画面において、従業員一覧の中から、感謝の気持ちを伝えたい従業員を選択し、その従業員に伝えたいメッセージを入力して、図示しない送信ボタンを操作する。そうすると、従業員端末30側では、感謝の気持ちを伝えたい従業員を示す従業員IDと、入力されたメッセージとを関連付けて、サーバー20に送信する処理を実行する。また、サーバー20側では、その従業員IDに対応する従業員に対し、入力されたメッセージを伝えるための処理を実行する。このようにして、その従業員に、メッセージとともに、感謝の気持ちを伝えることができる。
【0029】
図6は、従業員端末30としてのPCの画面を示す図であって、入力した精神状態の評価(メンタルデータ)に対応する色彩を付したカレンダーの出力例を示す図である。
図6では、2015年2月のカレンダーを例に示し、2日、3日、4日、及び12日には「Excellent」(白色)が入力され、9日、10日、及び13日には「Well Done」(灰色)が入力され、5日、6日、及び11日には「Not So Good」(黒色)が入力された例を示している。
【0030】
また、従業員端末30において、従業員が精神状態の評価を入力するときは、その従業員のコメントも入力可能とされている。そして、従業員端末30では、入力されたコメントを、メンタルデータ等とともに、サーバー20に送信する処理を実行し、サーバー20側では、送信されたコメントを、メンタルデータ等とともに、データベースに記憶する処理を実行する。このようにして、メンタルデータとともに、コメントを蓄積していく。
そして、従業員端末30では、カレンダーを表示するときは、各日付けのセルを、その日の精神状態の評価(メンタルデータ)に対応する色彩で表示するとともに、各日付けのセルに、その日のコメントを表示する。
なお、図6に示す各日付けのセルをクリックすることで、その日の精神状態の評価(メンタルデータ)やコメントを入力することも可能とされている。
【0031】
図7は、従業員端末30としてのPCの画面を示す図であって、直近3週の精神状態の評価(メンタルデータ)の出力例を示す図である。
図7では、今週は、木曜日に「Excellent」(白色)が入力され、月曜日、火曜日、及び金曜日に「Well Done」(灰色)が入力され、水曜日に「Not So Good」(黒色)が入力された例を示している。
このように、従業員端末30において、本日及び過日の精神状態の評価(メンタルデータ)を表示することにより、従業員は、自らの精神状態の推移を確認することができる。
【0032】
図8は、従業員端末30としてのPCの画面を示す図であって、ログインしている従業員、及びその従業員が所属する組織における他の従業員のメンタルデータの出力例を示す図である。
図8中、「自分」とは、ログインしている従業員を意味し、「スコア」とは、精神状態の評価を「3」〜「1」の数値に置き換えたものを意味し、「平均スコア」とは、スコアの平均値を意味する。
図8では、ログインしている従業員(自分)は「従業員A」であり、ログインしている従業員が所属する組織は「SectionA」である。
また、図8では、ログインしている従業員(自分)の平均スコアは、従業員Aについての19個のスコアの平均値を示し、SectionAの平均スコアは、従業員A〜Hについての152個のスコアの平均値を示す。
【0033】
図8中、従業員Aの行における左側の数値「50」は、19日間に他の従業員から送られた感謝の個数を意味する。従業員B〜従業員Hの行についても従業員Aの行と同様に、左側の数値は、19日間に他の従業員から送られた感謝の個数を意味する。
また、図8の「自分」の欄に示すように、自分(従業員A)の平均スコアは「2.8」であり、「Excellent」(白色)の割合は「84%」であり、「Well Done」(灰色)の割合は「16%」であり、「Not So Good」(黒色)の割合は「0%」であり、19日間に他の従業員から送られた感謝の個数は「50個」である。
また、図8の「SectionA」の欄に示すように、SectionAに所属する従業員A〜Hの平均スコアは「2.7」であり、「Excellent」(白色)の割合は「83%」であり、「Well Done」(灰色)の割合は「10%」であり、「Not So Good」(黒色)の割合は「7%」であり、19日間に他の従業員から送られた感謝の個数の平均値は「28個」である。
【0034】
このように、ログインしている従業員、及びその従業員が所属する組織における他の従業員のメンタルデータや感謝の個数を表示することにより、所属する組織の状況を把握可能にすることができる。特に、感謝の個数の表示は、組織力のバロメータとなる。
なお、従業員端末30では、ログインしている従業員が所属する組織以外の組織についてのメンタルデータや感謝の個数を表示することはできない。
また、ログインしている従業員が複数の組織に所属している場合には、所属する各組織について、メンタルデータや感謝の個数を表示することができる。
【0035】
図9及び図10は、サーバー20上に構築されたデータベースを示す図である。特に、図9は、所定の期間における所定の従業員のメンタルデータを記憶したデータベースの一例を示し、図10は、所定の日時における複数の従業員のメンタルデータを記憶したデータベースの一例を示している。
図9では、2015年1月12日から2月13日までの期間における従業員ID「0001」の従業員についての精神状態の評価(メンタルデータ)を記憶したデータベースを示している。また、精神状態の評価は、「Excellent」(白色)を「3」とし、「Well Done」(灰色)を「2」とし、「Not So Good」(黒色)を「1」として、データベースに記憶している。
また、図9中、「SCORE」とは、精神状態の評価を「3」〜「1」の数値に置き換えたものを意味する。
図10では、2015年2月13日における従業員ID「0001」〜「0025」の25人の従業員についての精神状態の評価を記憶したデータベースを示している。精神状態の評価は、上記と同様に、「3」〜「1」の3段階の評価で示している。
【0036】
図11図14は、管理者端末40としてのPCの画面を示す図であって、所定の期間における所定の組織に属する複数の従業員のメンタルデータの出力例を示す図である。
本実施形態では、サーバー20上の制御手段、及び管理者端末40上の制御手段(表示手段)は、サーバー20上に構築されたデータベース(記憶手段)に記憶されているデータに基づいて、管理者端末40としてのPCの画面に、所定の期間における所定の組織に属する複数の従業員についての精神状態の評価(メンタルデータ)を表示する。
具体的には、たとえば、管理者端末40側からの要求に応じて、サーバー20側では、表示するデータを作成して、これを管理者端末40の画面に表示する処理を実行する。
図11では、組織A(SectionA)に属する従業員A(従業員ID「0001)〜従業員H(従業員ID「0008」)の8人の従業員について、各々、直近3週の期間における15個の精神状態の評価(メンタルデータ)を表示した例を示している。
【0037】
図11では、従業員Aについて、直近3週の期間における15個の精神状態の評価(メンタルデータ)を、各メンタルデータに対応する色彩を付した15個のセルを横方向(X軸方向)に配列して表示している。
また、従業員Aについて、直近3週の期間における各メンタルデータをそれぞれ「3」〜「1」の3段階の数値で表し、これらを合算すると「33」になる。図11中、従業員Aの行における右側の「33」は、直近3週の期間における各メンタルデータを表す数値の合算値を意味する。
【0038】
従業員B〜従業員Hについても、従業員Aと同様に、直近3週の期間における各メンタルデータに対応する色彩を付した15個のセルを横方向に配列して表示している。各従業員の行における右側の数値が、直近3週の期間におけ各メンタルデータを表す数値の合算値であることも、従業員Aと同様である。
ここで、所定の期間における各メンタルデータに対応する色彩を付した複数個のセルを横方向(X軸方向)に配列したものを「個別期間データ」と称する。
【0039】
また、図11では、従業員Aから従業員Hまでの8人分の個別期間データを、従業員IDの順に上から下に向けて、縦方向(Y軸方向)に配列して表示している。
ここで、複数人分の個別期間データを縦方向(Y軸方向)に配列したものを「組織期間データ」と称する。
なお、図11では、8人の従業員について、各々15個のメンタルデータを表示したが、表示する従業員の人数は8人に限られるものではなく、また、表示するメンタルデータの個数は各々15個に限られるものではない。
このように、n人の従業員について、各々m個のメンタルデータを表示するときは、(n×m)個の各メンタルデータに対応する色彩を付したセルをn行m列に配列して表示する。
これにより、組織に属する複数の従業員の精神状態がどのような傾向にあるのかを把握可能に可視化することができる。
【0040】
なお、図11では、8人の従業員を、従業員IDの順に上から下に向けて縦方向(Y軸方向)に配列するとともに、従業員毎に、各メンタルデータに対応する色彩を付した15個のセルを、日付け順に左から右に向けて横方向(X軸方向)に配列した。
しかし、n人の従業員は、従業員IDの順に上から下に向けて縦方向(Y軸方向)に配列する場合に限られるものではない。
また、各メンタルデータに対応する色彩を付したm個のセルは、日付け順に左から右に向けて横方向(X軸方向)に配列する場合に限られるものではない。
【0041】
図12は、図11と同様に、8人の従業員について、各々15個のメンタルデータに対応する色彩を付したセルを配列したものであるが、配列の仕方が、図11とは異なる。
具体的には、図12では、8人の従業員について、従業員IDの順ではなく、直近3週の期間における各メンタルデータを表す数値の合算値が大きいものから順に、上から下に向けて、縦方向(Y軸方向)に配列している。
また、図12では、15個のメンタルデータについて、日付け順ではなく、メンタルデータを表す数値が大きいものから順に、左から右に向けて、横方向(X軸方向)に配列している。すなわち、「Excellent」(白色)、「Well Done」(灰色)、「Not So Good」(黒色)の順に、左から右に向けて配列している。
【0042】
図13及び図14は、図12と同様に、メンタルデータを表す数値の合算値が大きい順に、縦方向に、従業員を配列するとともに、従業員毎に、メンタルデータを表す数値が大きい順に、横方向に、メンタルデータに対応する色彩を付したセルを配列して表示したものである。
そして、図13は、「Excellent」(白色)が図12より多く、かつ「Not So Good」(黒色)が図12より少ない例を示したものである。
また、図14は、「Excellent」(白色)が図12より少なく、かつ「Not So Good」(黒色)が図12より多い例を示したものである。
【0043】
ここで、サーバー20上のデータベースには、毎日、多くのデータが蓄積されていく。また、データベースに蓄積される主なデータは、従業員ID、日時データ、及びメンタルデータである。そして、データベースからデータを取得するときは、必ず、従業員ID、及び日時データの双方を指定する。
このため、従業員ID、及び日時データの双方のインデックスを作成しておき、データベースにデータを追加するときは、従業員ID、及び日時データの双方のインデックスを更新する。
これにより、サーバー20上のデータベースからデータを取得して従業員端末30又は管理者端末40の画面に表示するときに、データの検索時間を短縮することができ、サーバー20にデータを要求してから従業員端末30又は管理者端末40の画面に表示するまでの処理を高速化することができる。
【0044】
また、サーバー20上のデータベースからデータを取得して従業員端末30又は管理者端末40の画面に表示するときは、サーバー20側で表示処理を行うのではなく、従業員端末30又は管理者端末40側で表示処理を行う。
これにより、サーバー20に負担をかけずに、従業員端末30又は管理者端末40の画面にメンタルデータを表示することができる。
このように、n人の従業員について、各々m個のメンタルデータを表示するときに、メンタルデータを表すm個の数値の合算値が大きい順に、Y軸方向に、従業員を配列するとともに、従業員毎に、メンタルデータを表す数値が大きい順に、X軸方向に、メンタルデータに対応する色彩を付したセルを配列する。
これにより、n人の従業員が属する組織全体について、従業員の精神状態がどのような傾向にあるのかを、よりわかりやすく可視化することができる。
【0045】
また、組織全体での従業員の精神状態の傾向と、その組織の業績とを対比することで、その組織が良好であるのか、あるいは何らかの問題を抱えているのかを判断することが可能となる。
本実施形態では、売上げ額や利益の額などの業績を示す業績データを、その業績を計上した日時を示す日時データ、及びその業績を計上した組織を示す組織データと関連付けて、サーバー20に入力する。
たとえば、売上げ額や利益の額などの業績を管理する図示しない業績管理端末を備え、この業績管理端末からサーバー20に、業績データ、日時データ、及び組織データを入力することができる。また、管理者端末40からサーバー20に、業績データ、日時データ、及び組織データを入力してもよい。
そして、サーバー20側では、業績データ、日時データ、及び組織データが入力されると、これらを関連付けてデータベースに記憶する処理を実行する。このようにして、業績データをサーバー20上のデータベースに蓄積していく。
【0046】
図15は、業績に関する指標の評価、メンタルデータに関する指標の評価、及び組織運営に関する情報を出力の概略を示す図である。
図15に示すように、サーバー20は、業績評価手段21、メンタル評価手段22、及び情報出力手段23を備えている。
業績評価手段21は、所定の期間における所定の組織の業績に関する指標を、予め設定した基準値S1と比較して評価するものである。
ここで、基準値S1は、業績に関する指標についての基準となる値であり、期間毎及び組織毎に設定されるものである。
たとえば、所定の期間における所定の組織の売上げ額を、業績に関する指標とすることができる。この場合、売上げ額の目標値を、基準値S1として設定することができる。
また、たとえば、所定の期間における所定の組織の利益の額を、業績に関する指標とすることができる。この場合、利益の額の目標値を、基準値S1として設定することができる。
さらに、基準値S1は、期間毎及び組織毎に1つのみ設定される場合に限らない。たとえば、期間毎及び組織毎に複数の基準値S1を設定し、複数の基準値S1の中からいずれか1つを選択して使用することもできる。
【0047】
より具体的には、たとえば、2015年2月度のSectionAの売上げ額の目標値を基準値S1として設定することができ、また、2015年2月度のSectionAの利益の額の目標値を基準値S1として設定することもできる。
また、基準値S1は、たとえば、業績管理端末又は管理者端末40を通じて、サーバー20上に設定することができる。
そして、業績評価手段21は、たとえば、サーバー20上のデータベースから、2015年2月度のSectionAの売上げ額を取得して、これを基準値S1と比較し、売上げ額が基準値S1以上であれば良好と評価し、売上げ額が基準値S1未満であれば不良と評価する。
また、業績評価手段21は、たとえば、サーバー20上のデータベースから、2015年2月度のSectionAの利益の額を取得して、これを基準値S1と比較し、利益の額が基準値S1以上であれば良好と評価し、利益の額が基準値S1未満であれば不良と評価する。
なお、業績は、良好又は不良の2段階で評価する場合に限らず、たとえば、基準値S1からの乖離の程度に応じて3段階以上の複数段階で評価してもよい。
【0048】
メンタル評価手段22は、所定の期間における所定の組織に属する複数の従業員のメンタルデータに関する指標を、予め設定した基準値S2と比較して評価するものである。
ここで、基準値S2は、メンタルデータに関する指標についての基準となる値であり、期間毎及び組織毎に設定されるものである。
たとえば、所定の期間における所定の組織に属する複数の従業員のメンタルデータの平均値を、メンタルデータに関する指標とすることができる。この場合、メンタルデータの平均値についての基準となる値を、基準値S2として設定することができる。
また、たとえば、所定の期間における所定の組織に属する複数の従業員のメンタルデータの合算値を、メンタルデータに関する指標とすることができる。この場合、メンタルデータの合算値についての基準となる値を、基準値S2として設定することができる。
【0049】
より具体的には、メンタルデータは、「Excellent」(白色)については「3」、「Well Done」(灰色)については「2」、「Not So Good」(黒色)については「1」の数値で表す。また、複数の従業員のメンタルデータの平均値を、メンタルデータに関する指標とし、メンタルデータの平均値についての基準となる値を、基準値S2とし、2015年2月度のSectionAの基準値S2を、たとえば「2.5」に設定することができる。
また、基準値S2は、たとえば、業績管理端末又は管理者端末40を通じて、サーバー20上に設定することができる。
そして、メンタル評価手段22は、たとえば、サーバー20上のデータベースから、2015年2月度におけるSectionAに属する複数の従業員のメンタルデータを取得して、これらの平均値を算出する。そして、算出した平均値と基準値S2とを比較し、算出した平均値が基準値S2以上であれば良好と評価し、算出した平均値が基準値S2未満であれば不良と評価する。
【0050】
また、複数の従業員のメンタルデータの合算値を、メンタルデータに関する指標とし、メンタルデータの合算値についての基準となる値を、基準値S2とし、2015年2月度(稼働日:19日)のSectionA(従業員数:8名)の基準値S2を、たとえば「
380」に設定することができる。
そして、メンタル評価手段22は、たとえば、サーバー20上のデータベースから、2015年2月度におけるSectionAに属する複数の従業員のメンタルデータを取得して、これらの合算値を算出する。そして、算出した合算値と基準値S2とを比較し、算出した合算値が基準値S2以上であれば良好と評価し、算出した合算値が基準値S2未満であれば不良と評価する。
なお、メンタルデータが未入力のときは、「Not So Good」が入力されたものとして、メンタルデータの平均値や合算値を算出することができる。
また、メンタルデータの平均値や合算値は、良好又は不良の2段階で評価する場合に限らず、たとえば、基準値S2からの乖離の程度に応じて3段階以上の複数段階で評価してもよい。
【0051】
情報出力手段23は、業績評価手段21による業績に関する指標の評価、及びメンタル評価手段22によるメンタルデータに関する指標の評価の双方に基づいて、組織運営に関する情報を出力するものである。
具体的には、業績評価手段21による業績に関する指標の評価が良好(基準値S1以上)であり、かつ、メンタル評価手段22によるメンタルデータに関する指標の評価が良好(基準値S2以上)であるときは、これらの評価に基づいて、総合的に良好であると判断することができる。この場合、情報出力手段23は、組織運営に関する情報として、総合的に良好であることを示唆する情報を出力する。そして、この情報は、たとえば、管理者端末40としてのPCの画面に表示することができる。
【0052】
また、業績評価手段21による業績に関する指標の評価が良好(基準値S1以上)であり、かつ、メンタル評価手段22によるメンタルデータに関する指標の評価が不良(基準値S2未満)であるときは、これらの評価に基づいて、業務環境が悪化しているか、業務量が増大しているか、又は業務時間が長くなっている可能性が高いと判断することができる。特に、業績は良好だが、精神状態が不良のときは、オーバーワークの状況に陥っている(業務量又は業務時間が従業員の限度を超えている)可能性が高い。そして、このような状況を放置すると、やがて組織が崩壊してしまう恐れがあるので、個別又は組織全体で従業員の精神状態をチェックすべきである。そこで、情報出力手段23は、組織運営に関する情報として、オーバーワークの可能性を示唆する情報を出力し、この情報を管理者端末40としてのPCの画面に表示する。
【0053】
特に、業績に関する指標の評価が良好であるときは、メンタルデータに関する指標の評価が不良であったとしても、そのことが見落とされやすい。
しかし、従業員のオーバーワークによる好業績は持続可能性に乏しく、従業員のオーバーワークが継続するとやがては生産性が低下して、業績に悪影響を及ぼすこととなる。
そこで、業績に関する指標の評価が良好であり、かつメンタルデータに関する指標の評価が不良であるときは、オーバーワークの可能性を示唆する情報を出力することにより、管理者に業務の改善を促す。そして、モチベーションが高い状態で従業員が業務に従事することができるようにして、好業績を維持することができるようにする。
【0054】
また、業績評価手段21による業績に関する指標の評価が不良(基準値S1未満)であり、かつ、メンタル評価手段22によるメンタルデータに関する指標の評価が良好(基準値S2以上)であるときは、これらの評価に基づいて、マネージメントが十分に機能していないので、各従業員の目標を明確にすべきであると判断することができる。この場合、情報出力手段23は、組織運営に関する情報として、マネージメントの機能不全を示唆する情報を出力し、この情報を管理者端末40としてのPCの画面に表示する。
また、業績評価手段21による業績に関する指標の評価が不良(基準値S1未満)であり、かつ、メンタル評価手段22によるメンタルデータに関する指標の評価が不良(基準値S2未満)であるときは、これらの評価に基づいて、可能な限り速やかに新しい戦略を策定して展開すべきであると判断することができる。この場合、情報出力手段23は、組織運営に関する情報として、新規戦略の策定を示唆する情報を出力し、この情報を管理者端末40としてのPCの画面に表示する。
【0055】
なお、管理者端末40では、従業員及び組織についての管理を行うことができる。具体的には、管理者端末40の画面において所定の情報を入力することにより、たとえば、いずれかの従業員をいずれかの組織に所属させたり、いずれかの組織に所属している従業員をその組織から外したり、組織の名称を変更したりすることができる。
【符号の説明】
【0056】
10 組織運営支援システム
20 サーバー
21 業績評価手段
22 メンタル評価手段
23 情報出力手段
30 従業員端末
31 従業員用入出力部
32 気分入力ボタン
33 本日気分表示アイコン
34 過日気分表示アイコン
35 メニューボタン
36 感謝入力ボタン
40 管理者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15