【解決手段】本発明の一側面に係る電子カタログ提供装置は、メーカカタログの登録、商社に対する商報の掲載許可、及び販売店に対するメーカカタログの利用許可をメーカから受け付け、商報付きメーカカタログの登録及び販売店に対する商報付きメーカカタログの利用許可を商社から受け付け、利用許可された電子カタログから自社で取り扱う電子カタログの選択を販売店から受け付け、販売店により選択された電子カタログを当該販売店の顧客に閲覧可能に設定するように構成される。
メーカの商品を掲載した電子カタログであるメーカカタログの入力を当該メーカから受け付け、当該入力されたメーカカタログを、当該メーカの管理する電子カタログとして登録するメーカカタログ登録部と、
商報の掲載を許可する商社の選択を前記メーカから受け付け、当該選択された商社に対して、前記登録されたメーカカタログへの商報の掲載を許可する設定を行う商報掲載許可部と、
前記登録されたメーカカタログの利用を許可する販売店の選択を前記メーカから受け付け、当該選択された販売店に対して、前記登録されたメーカカタログの利用を許可する設定を行うメーカカタログ利用許可部と、
前記商報の掲載を許可されたメーカカタログに対する商報の入力を前記商社から受け付け、当該入力された商報を前記メーカカタログに追加した商報付きメーカカタログを、当該商社の管理する電子カタログとして登録する商報登録部と、
前記登録された商報付きメーカカタログの利用を許可する販売店の選択を前記商社から受け付け、当該選択された販売店に対して、前記登録された商報付きメーカカタログの利用を許可する設定を行う商報付きメーカカタログ利用許可部と、
前記メーカ又は前記商社から利用の許可された電子カタログから自社で取り扱う電子カタログの選択を当該販売店から受け付け、当該選択された電子カタログを当該販売店の顧客に閲覧可能に設定する利用設定部と、
を備える、
電子カタログ提供装置。
前記利用設定部は、同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログの利用を許可されている場合に、1件の電子カタログのみ取り扱いの選択を受け付けるように構成される、
請求項1に記載の電子カタログ提供装置。
前記利用設定部は、同一のメーカカタログを起源とする複数件の商報付きメーカカタログの利用を許可されている場合に、当該複数件の商報付きメーカカタログに含まれる複数件の商報を1件のメーカカタログにまとめて掲載した電子カタログを前記顧客に閲覧可能に設定可能に構成される、
請求項1に記載の電子カタログ提供装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、モノづくり業界における、例えば、モータ、ベアリング等の間接資材等の流通は、間接資材等を製造するメーカから機械工具等の専門の商社に集約されている。そして、商社に集約された間接資材等は、各地域に存在する機械工具等の販売店を経由して、大手、中堅、中小の製造業者(顧客)に納入される。
【0005】
その流通に利用される販促ツールとしてのカタログは、従来、間接資材等を製造するメーカにより作成され、販売店を経由して、顧客である製造業者に手渡されていた。また、商社により作成された、仕入れ先のメーカのカタログを一冊にまとめた商報は、販売店を経由して、顧客に手渡されていた。
【0006】
しかしながら、近年、インターネットを利用した電子文書の技術が発達し、電子カタログをウェブ上で掲載することが可能になり、間接資材等を製造するメーカ及びそれらを取り扱う商社は、自社のウェブ上でカタログ及び商報を掲載するようになってきている。これにより、顧客は、販売店を経由することなく、メーカ及び商社の電子カタログに直接アクセスするようになってきている。
【0007】
そのため、顧客と販売店とが閲覧するカタログのバージョンが一致せず、顧客と販売店との間で商品の情報に齟齬が生じるケースが増えてきている。また、どのメーカのカタログ又は商報を閲覧すべきか顧客が混乱するケースが増えてきている。従来であれば、顧客は直接の取引相手である販売店に確認すれば済むことであったが、メーカ及び商社がウェブ上で公開する電子カタログは販売店の管轄外であり、このような電子カタログについて販売店が明快に回答することは困難であった。
【0008】
また、このような状況の下、電子商取引の普及により、販売店が介在しない流通ルートが確立し始めている。しかしながら、従来、機械工具等の販売店は各地域に点在し、1顧客に対して複数の販売店が間接資材等の納入を担当している。そのため、販売店間に競争原理が働き、それが顧客のメリットになっていた。また、競争力を高めるために、在庫、金融、調達、物流等のサービスを販売店は行っており、これらのサービスも顧客のメリットとなっていた。
【0009】
このようなビジネスモデルを展開している間接資材等の流通事情において、販売する商品の資料であるカタログが販売店を経由しなくなることは、販売店の上記サービスの一環を毀損することになりかねず、これによって、顧客は様々なメリットが受けられなくなってしまう。ひいては、顧客である製造業者を支えてきた根幹が失われてしまうことになり、モノづくりの基盤が弱体化してしまうことになりかねない。
【0010】
以上のような事情により、従来の取引形態を変えることなく商品の流通を促進するための、メーカ及び商社と顧客とを繋ぐ販売店を中心とした電子カタログ提供の仕組みの構築が急務になっている。
【0011】
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の取引形態を変えることなく、メーカ及び商社と顧客とを繋ぐ販売店を中心とした商品の流通を促進するための電子カタログ提供の仕組みを構築することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0013】
すなわち、本発明の一側面に係る電子カタログ提供装置は、メーカの商品を掲載した電子カタログであるメーカカタログの入力を当該メーカから受け付け、当該入力されたメーカカタログを、当該メーカの管理する電子カタログとして登録するメーカカタログ登録部と、商報の掲載を許可する商社の選択を前記メーカから受け付け、当該選択された商社に対して、前記登録されたメーカカタログへの商報の掲載を許可する設定を行う商報掲載許可部と、前記登録されたメーカカタログの利用を許可する販売店の選択を前記メーカから受け付け、当該選択された販売店に対して、前記登録されたメーカカタログの利用を許可する設定を行うメーカカタログ利用許可部と、前記商報の掲載を許可されたメーカカタログに対する商報の入力を前記商社から受け付け、当該入力された商報を前記メーカカタログに追加した商報付きメーカカタログを、当該商社の管理する電子カタログとして登録する商報登録部と、前記登録された商報付きメーカカタログの利用を許可する販売店の選択を前記商社から受け付け、当該選択された販売店に対して、前記登録された商報付きメーカカタログの利用を許可する設定を行う商報付きメーカカタログ利用許可部と、前記メーカ又は前記商社から利用の許可された電子カタログから自社で取り扱う電子カタログの選択を当該販売店から受け付け、当該選択された電子カタログを当該販売店の顧客に閲覧可能に設定する利用設定部と、を備える。
【0014】
上記構成では、メーカの商品を掲載した電子カタログであるメーカカタログの登録がメーカにより行われる。また、当該メーカカタログに商報の追加を商社に対して許可するか否かの設定がメーカにより行われ、当該商報の追加を許可された商社によりメーカカタログに対する商報の追加が行われることで、商報付きメーカカタログが登録される。
【0015】
更に、上記構成では、登録されたメーカカタログの利用を販売店に対して許可するか否かの設定がメーカにより行われ、登録された商報付きメーカカタログの利用を販売店に対して許可するか否かの設定が商社により行なわれる。そして、メーカ又は商社から利用の許可された電子カタログから自社で取り扱う電子カタログを販売店が選択すると、当該選択された電子カタログが当該販売店の顧客に閲覧可能になる。
【0016】
したがって、上記構成では、顧客の閲覧に供される電子カタログは、販売店の選択によって決定される。すなわち、メーカ及び商社により提供される電子カタログは、販売店を経由した上で顧客の閲覧に供される。よって、上記構成によれば、従来の取引形態を変えることなく、メーカ及び商社と顧客とを繋ぐ販売店を中心とした商品の流通を促進するための電子カタログ提供の仕組みを構築することができる。
【0017】
なお、商報とは、商社が提供するカタログである。この商報には、商社の取り扱う商品に関する情報が記載される。典型的には、商報には、商品の価格、納期等が記載される。これに対して、メーカの提供するメーカカタログには、メーカが製造する商品に関する情報が記載される。典型的には、このメーカカタログには、商品の仕様、寸法等が記載される。
【0018】
また、メーカ、商社、販売店及び顧客はそれぞれ、システム上では利用者のユーザ種別で識別される。以下では、現実世界の実体及びシステム上のユーザ種別を特に区別することなくそれぞれメーカ、商社、販売店及び顧客と称する。
【0019】
ここで、メーカは、商品を製造する製造業者である。典型的には、メーカは、間接資材を製造する製造業者である。商社は、メーカから商品を仕入れて、仕入れた商品を販売店に卸売りする販売業者である。典型的には、商社は、全国的に間接資材を卸売する卸売業者である。販売店は、メーカ又は商社から商品を仕入れて、仕入れた商品を顧客に販売する販売業者である。典型的には、販売店は、各地域に存在する間接資材の販売業者である。顧客は、販売店から商品を購入する者である。典型的には、顧客は、間接資材を利用する製造業者である。
【0020】
ただし、当該電子カタログ提供装置の利用者に割り当てるユーザ種別は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。また、利用者は、複数のユーザ種別を利用してもよい。例えば、顧客である製造業者は、当該システムを利用して自社の商品を流通させるため、当該システム上で顧客でありつつ、メーカになってもよい。
【0021】
また、上記一側面に係る電子カタログ提供装置の別の形態として、前記利用設定部は、同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログの利用を許可されている場合に、1件の電子カタログのみ取り扱いの選択を受け付けるように構成されてもよい。
【0022】
同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログが同時に提示された場合、顧客は、どの電子カタログを閲覧すればよいか混乱する可能性がある。これに対して、当該構成に係る電子カタログ提供装置は、同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログの利用を許可されている場合に、1件の電子カタログのみ取り扱いの選択を販売店から受け付ける。そのため、当該構成によれば、同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログが同時に提示されるケースを避けることができ、顧客に混乱を招くのを防ぐことができる。
【0023】
なお、同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログの利用が許可されるケースは、例えば、次のようなケースである。すなわち、あるメーカがある販売店にメーカカタログの利用を許可した場合に、そのメーカカタログに商報の追加を許可された1社以上の商社が、そのメーカカタログに商報を追加した商報付きメーカカタログをその販売店に利用を許可したケースが上記ケースに該当する。また、あるメーカのメーカカタログに商報の追加を許可された複数の商社が、そのメーカカタログに商報を追加した商報付きメーカカタログを同一の販売店に利用を許可したケースも上記ケースに該当する。
【0024】
また、上記一側面に係る電子カタログ提供装置の別の形態として、前記利用設定部は、同一のメーカカタログを起源とする複数件の商報付きメーカカタログの利用を許可されている場合に、当該複数件の商報付きメーカカタログに含まれる複数件の商報を1件のメーカカタログにまとめて掲載した電子カタログを前記顧客に閲覧可能に設定可能に構成されてよい。当該構成によれば、複数の商社から利用を許可された商報を販売店が効率的に顧客に提示できるようになる。
【0025】
また、上記一側面に係る電子カタログ提供装置の別の形態として、前記利用設定部は、前記販売店の利用者の種別として管理者と担当者とを識別し、前記顧客に対する当該担当者の割当と、前記メーカ又は前記商社から利用の許可された電子カタログから当該担当者の取り扱う電子カタログの選択と、を当該管理者から受け付け、当該担当者に割り当てられた顧客に当該担当者の取り扱う電子カタログを閲覧可能に設定するように構成されてよい。当該構成によれば、より取引形態に近い電子カタログの提供の仕組みを構築することができる。
【0026】
なお、上記各形態に係る電子カタログ提供装置の別の形態として、以上の各構成を実現する情報処理システムであってもよいし、情報処理方法であってもよいし、プログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータその他装置、機械等が読み取り可能な記憶媒体であってもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的、又は、化学的作用によって蓄積する媒体である。また、情報処理システムは、1又は複数の情報処理装置によって実現されてもよい。
【0027】
例えば、本発明の一側面に係る電子カタログ提供方法は、コンピュータが、メーカの商品を掲載した電子カタログであるメーカカタログの入力を当該メーカから受け付け、当該入力されたメーカカタログを、当該メーカの管理する電子カタログとして登録するステップと、商報の掲載を許可する商社の選択を前記メーカから受け付け、当該選択された商社に対して、前記登録されたメーカカタログへの商報の掲載を許可する設定を行うステップと、前記登録されたメーカカタログの利用を許可する販売店の選択を前記メーカから受け付け、当該選択された販売店に対して、前記登録されたメーカカタログの利用を許可する設定を行うステップと、前記商報の掲載を許可されたメーカカタログに対する商報の入力を前記商社から受け付け、当該入力された商報を前記メーカカタログに追加した商報付きメーカカタログを、当該商社の管理する電子カタログとして登録するステップと、前記登録された商報付きメーカカタログの利用を許可する販売店の選択を前記商社から受け付け、当該選択された販売店に対して、前記登録された商報付きメーカカタログの利用を許可する設定を行うステップと、前記メーカ又は前記商社から利用の許可された電子カタログから自社で取り扱う電子カタログの選択を当該販売店から受け付け、当該選択された電子カタログを当該販売店の顧客に閲覧可能に設定するステップと、を実行する情報処理方法である。
【0028】
また、例えば、本発明の一側面に係る電子カタログ提供プログラムは、コンピュータに、メーカの商品を掲載した電子カタログであるメーカカタログの入力を当該メーカから受け付け、当該入力されたメーカカタログを、当該メーカの管理する電子カタログとして登録するステップと、商報の掲載を許可する商社の選択を前記メーカから受け付け、当該選択された商社に対して、前記登録されたメーカカタログへの商報の掲載を許可する設定を行うステップと、前記登録されたメーカカタログの利用を許可する販売店の選択を前記メーカから受け付け、当該選択された販売店に対して、前記登録されたメーカカタログの利用を許可する設定を行うステップと、前記商報の掲載を許可されたメーカカタログに対する商報の入力を前記商社から受け付け、当該入力された商報を前記メーカカタログに追加した商報付きメーカカタログを、当該商社の管理する電子カタログとして登録するステップと、前記登録された商報付きメーカカタログの利用を許可する販売店の選択を前記商社から受け付け、当該選択された販売店に対して、前記登録された商報付きメーカカタログの利用を許可する設定を行うステップと、前記メーカ又は前記商社から利用の許可された電子カタログから自社で取り扱う電子カタログの選択を当該販売店から受け付け、当該選択された電子カタログを当該販売店の顧客に閲覧可能に設定するステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、従来の取引形態を変えることなく、メーカ及び商社と顧客とを繋ぐ販売店を中心とした商品の流通を促進するための電子カタログ提供の仕組みを構築することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、本実施形態において登場するデータを自然言語により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメタ、マシン語等で指定される。
【0032】
§1 適用場面
まず、
図1を用いて、本発明が適用される場面について説明する。
図1は、本実施形態に係る電子カタログ提供装置1が用いられる場面の一例を示す。本実施形態に係る電子カタログ提供装置1は、メーカ及び商社により提供される電子カタログを、販売店を経由した上で顧客の閲覧に供するようにするためのサーバである。なお、
図1における点線は、電子カタログの流通経路を示す。
【0033】
具体的には、本実施形態に係る電子カタログ提供装置1(以下、「本システム」とも記載する)は、メーカの商品を掲載した電子カタログであるメーカカタログの入力を当該メーカから受け付ける。本システムのメーカにおける利用者は、ユーザ端末3を操作して、メーカカタログを入力する。電子カタログ提供装置1は、当該入力されたメーカカタログを、当該メーカの管理する電子カタログとして登録する。
【0034】
この登録されたメーカカタログについて、電子カタログ提供装置1は、登録されたメーカカタログの利用を許可する販売店の選択をメーカから受け付ける。本システムのメーカにおける利用者は、ユーザ端末3を操作して、登録したメーカカタログの利用を許可する販売店を選択する。電子カタログ提供装置1は、当該選択された販売店に対して、メーカの登録したメーカカタログの利用を許可する設定を行う。
【0035】
また、この登録されたメーカカタログについて、電子カタログ提供装置1は、商報の掲載を許可する商社の選択をメーカから受け付ける。本システムのメーカにおける利用者は、ユーザ端末3を操作して、登録したメーカカタログに商報の掲載を許可する商社を選択する。これに応じて、電子カタログ提供装置1は、当該選択された商社に対して、登録されたメーカカタログへの商報の掲載を許可する設定を行う。
【0036】
そして、本実施形態に係る電子カタログ提供装置1は、商報の掲載を許可されたメーカカタログに対する商報の入力を商社から受け付ける。本システムの商社における利用者は、ユーザ端末4を操作して、商報の入力を行う。電子カタログ提供装置1は、当該入力された商報をメーカカタログに追加した商報付きメーカカタログを、当該商社の管理する電子カタログとして登録する。
【0037】
更に、この登録された商報付きメーカカタログについて、電子カタログ提供装置1は、当該登録された商報付きメーカカタログの利用を許可する販売店の選択を商社から受け付ける。本システムの商社における利用者は、ユーザ端末4を操作して、登録した商報付きメーカカタログの利用を許可する販売店を選択する。これに応じて、電子カタログ提供装置1は、当該選択された販売店に対して、商社の登録した商報付きメーカカタログの利用を許可する設定を行う。
【0038】
すなわち、本実施形態では、メーカカタログはメーカから販売店に直接提供されるのに対して、商報付きメーカカタログはメーカから商社を経由した上で販売店に提供される。そのため、本実施形態では、販売店は、メーカカタログの利用をメーカに許可されていなくても、当該メーカのメーカカタログに商報を追加した商報付きメーカカタログの利用を商社に許可されていれば、当該メーカのメーカカタログを利用・閲覧することができる。
【0039】
詳細には、本実施形態では、電子カタログ提供装置1は、メーカ又は商社から利用の許可された電子カタログから自社で取り扱い掲載する電子カタログの選択を販売店から受け付ける。本システムの販売店における利用者は、ユーザ端末5を操作して、自社で取り扱い掲載する電子カタログを選択する。これに応じて、電子カタログ提供装置1は、当該選択された電子カタログを当該販売店の顧客に閲覧可能に設定する。その結果、本システムの顧客における利用者は、販売店の取り扱い掲載する電子カタログをユーザ端末6上で閲覧することができる。
【0040】
このように、本実施形態によれば、顧客のユーザ端末6上で閲覧に供される電子カタログは、顧客のアクセスした販売店に対して利用の許可された電子カタログのうち当該販売店が掲載を選択した電子カタログである。すなわち、メーカにより提供されるメーカカタログ及び商社により提供される商報付きメーカカタログは、販売店を経由した上で顧客の閲覧に供される。したがって、本実施形態に係る電子カタログ提供装置1を利用することで、従来の取引形態を変えることなく、メーカ及び商社と顧客とを繋ぐ販売店を中心とした商品の流通を促進するための電子カタログ提供の仕組みを構築することができる。
【0041】
なお、メーカカタログには、例えば、メーカの製造する間接資材の仕様、寸法等が記載される。また、商報には、例えば、当該間接資材の価格、納期等が記載される。ここで、電子カタログ提供装置1に登録される各電子カタログは、テキスト等の電子ファイルであってもよいし、電子カタログ提供装置1上で直接入力されたデータであってもよいし、他のサーバに保持された電子ファイルの所在を示すURL(Uniform Resource Locator)等のリンクであってもよいし、CAD(computer aided design)データであってもよい。電子カタログのデータ形式は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0042】
また、電子カタログ提供装置1では、メーカ、商社、販売店及び顧客は、各ユーザ端末の利用者のユーザ種別で識別される。メーカは、例えば、間接資材を製造する製造業者である。商社は、例えば、全国的に間接資材を卸売する卸売業者である。販売店は、例えば、各地域に存在する間接資材の販売業者である。顧客は、例えば、間接資材を利用する製造業者である。
【0043】
ただし、各利用者に割り当てるユーザ種別は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。また、各利用者は、複数のユーザ種別を利用してもよい。例えば、顧客である製造業者は、当該システムを利用して自社で製造した商品を流通させるため、当該システム上でユーザ種別「顧客」を利用しつつ、ユーザ種別「メーカ」を利用してもよい。これによって、顧客である製造業者は、販売店の流通網を利用した上で、自社の製品を流通させることができる。
【0044】
§2 構成例
[ハードウェア構成例]
次に、
図2を用いて、電子カタログ提供装置1のハードウェア構成を説明する。
図2は、本実施形態に係る電子カタログ提供装置1のハードウェア構成を例示する。なお、
図2に例示されるように、電子カタログ提供装置1と各ユーザ端末3〜6との間における情報の伝達は、ネットワーク7を介したデータ通信で実現される。当該データ通信に利用されるネットワークの種類は、各ユーザ端末3〜6の利用可能な通信キャリア(回線)により適宜特定される。
【0045】
図2に例示されるように、電子カタログ提供装置1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及び、ROM(Read Only Memory)等を含む制御部11、制御部11で実行されるプログラム8等を記憶する記憶部12、ネットワーク7を介した通信を行うための通信インタフェース13、マウス、キーボード等の入力を行うための入力装置14、ディスプレイ、スピーカ等の出力を行うための出力装置15、及び、記憶媒体9に記憶されたプログラムを読み込むためのドライブ16が電気的に接続されたコンピュータである。ただし、
図2では、通信インタフェースは、「通信I/F」と記載されている。
【0046】
なお、電子カタログ提供装置1の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部11は、複数のプロセッサを含んでもよい。また、電子カタログ提供装置1には、例えば、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置の他、汎用のサーバ装置等が用いられてもよい。更に、電子カタログ提供装置1は、1又は複数のコンピュータにより実装されてもよい。
【0047】
ここで、記憶部12は、プログラム8を記憶する。このプログラム8は、電子カタログ提供装置1に後述する電子カタログの提供に関する各処理を実行させるためのプログラムであり、本発明の「電子カタログ提供プログラム」に相当する。このプログラム8は、記憶媒体9に記録されてもよい。
【0048】
また、記憶媒体9は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読み取り可能なように、当該プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。記憶媒体9は、本発明の「記憶媒体」に相当する。なお、
図2では、記憶媒体9の一例として、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)等のディスク型の記憶媒体が例示されている。しかしながら、記憶媒体9の種類は、ディスク型に限定される訳ではなく、ディスク型以外であってもよい。ディスク型以外の記憶媒体として、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリを挙げることができる。
【0049】
なお、各ユーザ端末3〜6の具体的なハードウェア構成は、実施形態に応じて選択されてよい。例えば、各ユーザ端末3〜6は、CPU、RAM、ROM等を含む制御部、制御部で実行するプログラム等を記憶する記憶部、ネットワークを介して通信を行うための通信インタフェース、画像の表示と入力を行うためのタッチパネルディスプレイ及び音声を出力するためのスピーカが電気的に接続されたコンピュータであってもよい。このような各ユーザ端末3〜6の一例として、例えば、提供されるサービス専用に設計された端末の他、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PC(personal computer)等を挙げることができる。各ユーザ端末3〜6は互いに異なるハードウェア構成を有してもよいし、少なくとも一部で共通するハードウェア構成を有してもよい。
【0050】
[機能構成例]
次に、
図3〜
図8を用いて、電子カタログ提供装置1の機能構成を説明する。
図3は、本実施形態に係る電子カタログ提供装置1の機能構成を例示する。
図4は、本実施形態に係るメーカ情報121の構成を例示する。
図5は、本実施形態に係るメーカカタログ情報122の構成を例示する。
図6は、本実施形態に係る商社情報123の構成を例示する。
図7は、本実施形態に係る商報付きメーカカタログ情報124の構成を例示する。
図8は、本実施形態に係る販売店情報125の構成を例示する。
【0051】
本実施形態では、電子カタログ提供装置1の制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラム8をRAMに展開する。そして、制御部11は、RAMに展開されたプログラム8をCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。これによって、
図3に例示されるように、本実施形態に係る電子カタログ提供装置1は、メーカカタログ登録部111、商報掲載許可部112、メーカカタログ利用許可部113、商報登録部114、商報付きメーカカタログ利用許可部115、利用設定部116及びカタログ提供部117を備えるコンピュータとして機能する。
【0052】
メーカカタログ登録部111は、メーカの商品を掲載した電子カタログであるメーカカタログの入力を当該メーカから受け付け、当該入力されたメーカカタログを、当該メーカの管理する電子カタログとして登録する。商報掲載許可部112は、商報の掲載を許可する商社の選択をメーカから受け付け、当該選択された商社に対して、登録されたメーカカタログへの商報の掲載を許可する設定を行う。メーカカタログ利用許可部113、登録されたメーカカタログの利用を許可する販売店の選択をメーカから受け付け、当該選択された販売店に対して、登録されたメーカカタログの利用を許可する設定を行う。
【0053】
また、商報登録部114は、商報の掲載を許可されたメーカカタログに対する商報の入力を商社から受け付け、当該入力された商報をメーカカタログに追加した商報付きメーカカタログを、当該商社の管理する電子カタログとして登録する。商報付きメーカカタログ利用許可部115は、登録された商報付きメーカカタログの利用を許可する販売店の選択を商社から受け付け、当該選択された販売店に対して、登録された商報付きメーカカタログの利用を許可する設定を行う。
【0054】
更に、利用設定部116は、メーカ又は商社から利用の許可された電子カタログから自社で取り扱う電子カタログの選択を当該販売店から受け付け、当該選択された電子カタログを当該販売店の顧客に閲覧可能に設定する。カタログ提供部117は、販売店にアクセスする顧客に対して、閲覧可能に設定されている当該販売店の電子カタログを提供する。
【0055】
なお、本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のCPUによって実現される例について説明している。しかしながら、これらの機能の一部又は全部が、1又は複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。また、電子カタログ提供装置1の機能構成に関して、実施形態に応じて、適宜、機能の省略、置換及び追加が行われてもよい。各機能に関しては後述する動作例で詳細に説明する。
【0056】
ここで、
図3に例示されるように、本実施形態に係る電子カタログ提供装置1は、各種情報を管理するため、メーカ情報121、メーカカタログ情報122、商社情報123、商報付きメーカカタログ情報124及び販売店情報125を記憶部12に保持している。以下、各種情報について詳細に説明する。
【0057】
(メーカ情報)
まず、
図4を用いて、メーカ情報121について説明する。メーカ情報121は、本システムの利用者のうちメーカを識別するために利用される。すなわち、メーカ情報121は、各種ユーザ種別のうち、メーカを管理するためのデータである。
【0058】
図4に例示されるように、本実施形態に係るメーカ情報121の内容には、メーカID及びメーカ名が含まれる。メーカIDは、対象のメーカを識別するための識別子である。また、メーカ名は、対象のメーカの名称である。なお、
図4では、1件分のメーカ情報121が1利用者分のデータに該当する。
【0059】
(メーカカタログ情報)
次に、
図5を用いて、メーカカタログ情報122について説明する。メーカカタログ情報122は、メーカの登録したメーカカタログを識別するために利用される。すなわち、メーカカタログ情報122は、本システムで登録される電子カタログのうち対象のメーカの提供するメーカカタログを管理するためのデータである。
【0060】
図5に例示されるように、本実施形態に係るメーカカタログ情報122の内容には、登録者ID、カタログID、カタログデータ、商報掲載許可商社ID及び利用許可販売店IDが含まれる。登録者IDは、対象のメーカカタログを登録したメーカのメーカIDである。カタログIDは、対象のメーカカタログを識別するための識別子である。
【0061】
カタログデータは、メーカカタログを構成するためのデータである。カタログデータの内容は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。カタログデータには、例えば、ユーザ端末にメーカカタログを表示する際のサムネイル等のデザインデータ、対象のメーカの取り扱う商品の仕様、寸法等を含むカタログ内容に係るデータが含まれる。すなわち、カタログデータは、メーカカタログ本体を示すデータに相当する。なお、サムネイルは、メーカの広告バナーとして利用することもできる。
【0062】
ここで、カタログ内容に係るデータは、テキスト等の電子ファイルであってもよいし、電子カタログ提供装置1上で直接入力されたデータであってもよいし、他のサーバに保持された電子ファイルの所在を示すURL等のリンクであってもよいし、CADデータであってもよい。カタログ内容のデータ形式は、実施の形態に応じて適宜選択可能である。
【0063】
商報掲載許可商社IDは、対象のメーカカタログに商報の追加が許可された商社の商社IDである。対象のメーカが商報の掲載を許可した商社の商社IDがメーカカタログ情報122に格納される。すなわち、メーカカタログ情報122に商報掲載許可商社IDとして商社IDを登録することで、対象の商社に対する商報の掲載の許可設定が行われる。
【0064】
利用許可販売店IDは、対象のメーカカタログの利用が許可された販売店の販売店IDである。対象のメーカが利用を許可した販売店の販売店IDがメーカカタログ情報122に格納される。すなわち、メーカカタログ情報122に利用許可販売店IDとして販売店IDを登録することで、対象の販売店に対する対象のメーカカタログの利用の許可設定が行われる。
【0065】
(商社情報)
次に、
図6を用いて、商社情報123について説明する。商社情報123は、本システムの利用者のうち商社を識別するために利用される。すなわち、商社情報123は、各種ユーザ種別のうち、商社を管理するためのデータである。
【0066】
図6に例示されるように、本実施形態に係る商社情報123の内容には、商社ID及び商社名が含まれる。商社IDは、対象の商社を識別するための識別子である。また、商社名は、対象の商社の名称である。なお、
図6では、1件分の商社情報123が1利用者分のデータに該当する。
【0067】
(商報付きメーカカタログ情報)
次に、
図7を用いて、商報付きメーカカタログ情報124について説明する。商報付きメーカカタログ情報124は、対象のメーカカタログに対象の商社の商報を追加した商報付きメーカカタログを識別するために利用される。すなわち、商報付きメーカカタログ情報124は、本システムで登録される電子カタログのうち対象の商社の提供する商報付きメーカカタログを管理するためのデータである。
【0068】
図7に例示されるように、本実施形態に係る商報付きメーカカタログ情報124の内容には、登録者ID、カタログID、メーカカタログ情報、商報及び利用許可販売店IDが含まれる。登録者IDは、対象の商報付きメーカカタログを登録した商社の商社IDである。カタログIDは、対象の商報付きメーカカタログを識別するための識別子である。
【0069】
メーカカタログ情報は、対象の商報の追加先であるメーカカタログを構成するための情報である。メーカカタログ情報に含まれるデータは、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、メーカカタログ情報122の内容の全部又はカタログデータを含む一部が、商報付きメーカカタログ情報124に含まれるメーカカタログ情報としてそのまま利用されてもよい。また、対象のメーカカタログ情報122へのポインタが当該メーカカタログ情報として利用されてもよい。なお、商報付きメーカカタログ情報124に含まれるメーカカタログ情報のデータ形式は実施の形態に応じて適宜選択可能である。
【0070】
商報データは、対象のメーカカタログに追加する商報を構成するためのデータである。商報データの内容は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。商報データには、例えば、商社の取り扱う商品の価格、納期等を含む商報の内容に係るデータが含まれる。すなわち、商報データは、商報本体を示すデータに相当する。
【0071】
なお、商報データは、テキスト等の電子ファイルであってもよいし、電子カタログ提供装置1上で直接入力されたデータであってもよいし、他のサーバに保持された電子ファイルの所在を示すURL等のリンクであってもよい。商報データのデータ形式は、実施の形態に応じて適宜選択可能である。
【0072】
また、1件の商報付きメーカカタログ情報124に登録可能な商報データの件数は1件に限定されなくてもよく、商報付きメーカカタログ情報124には複数件の商報データが登録されてもよい。これにより、1件のメーカカタログに複数種の商報を掲載することができる。
【0073】
利用許可販売店IDは、対象の商報付きメーカカタログの利用が許可された販売店の販売店IDである。対象の商社が利用を許可した販売店の販売店IDが商報付きメーカカタログ情報124に格納される。すなわち、商報付きメーカカタログ情報124に利用許可販売店IDとして販売店IDを登録することで、対象の販売店に対する対象の商報付きメーカカタログの利用の許可設定が行われる。
【0074】
(販売店情報)
次に、
図8を用いて、販売店情報125について説明する。販売店情報125は、本システムの利用者のうち販売店を識別するために利用される。すなわち、販売店情報125は、各種ユーザ種別のうち、販売店を管理するためのデータである。
【0075】
図8に例示されるように、本実施形態に係る販売店情報125の内容には、販売店ID、販売店名及び利用カタログIDが含まれる。販売店IDは、対象の販売店を識別するための識別子である。また、販売店名は、対象の販売店の名称である。また、利用カタログIDは、対象の販売店が取り扱い掲載する電子カタログのカタログIDである。メーカ又は商社が利用を許可した電子カタログのうち対象の販売店が利用を選択した電子カタログのカタログIDが販売店情報125に格納される。なお、
図8では、1件分の販売店情報125が1利用者分のデータに該当する。
【0076】
(その他)
なお、上記各情報121〜125は、例えば、テーブル形式のデータで表現される。しかしながら、各情報121〜125のデータ形式は、テーブル形式に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0077】
また、電子カタログ提供装置1のデータ構成に関して、実施の形態に応じて、適宜、データの省略、置換及び追加が行われてもよい。例えば、電子カタログ提供装置1は、上記以外の情報を保持してもよい。
【0078】
また、上記各情報121〜125のデータ内容に関して、実施の形態に応じて、適宜、内容の省略、置換及び追加が行われもよい。例えば、メーカ情報121、商社情報123及び販売店情報125には、各ユーザ種別の利用者が電子カタログ提供装置1にログインするためのアカウント名及びパスワードが含まれてもよい。
【0079】
§3 動作例
次に、
図9〜
図12を用いて、電子カタログ提供装置1の動作例を説明する。
図9は、本実施形態に係るメーカカタログの登録及び設定に関する処理手順を例示する。
図10は、本実施形態に係る商報の登録及び設定に関する処理手順を例示する。
図11は、本実施形態に係る販売店による電子カタログの利用設定に関する処理手順を例示する。
図12は、本実施形態に係る顧客による電子カタログの閲覧に関する処理手順を例示する。
【0080】
なお、以下で説明する
図9〜
図11に含まれる本動作例に係る電子カタログ提供装置1の処理手順は、本発明の「電子カタログ提供方法」に相当する。ただし、以下で説明する各処理手順は一例にすぎず、各処理手順に含まれるステップは可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する各処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。以下、各処理手順について詳細に説明する。
【0081】
<メーカカタログの登録及び設定>
まず、
図9を用いて、本実施形態に係るメーカカタログの登録及び設定に関する処理手順について説明する。なお、ステップS101〜S102は、メーカカタログの登録に関する処理手順に相当する。ステップS103〜S105は、メーカカタログに対する商報の追加許可の設定に関する処理手順に相当する。ステップS106〜S108は、メーカカタログの利用許可の設定に関する処理手順に相当する。これらの処理手順は、一度に全て実行されなくてよいし、適宜入れ替わってもよい。また、メーカのユーザ端末3及び電子カタログ提供装置1は、本処理手順の前に電子カタログ提供装置1へのログインするように構成されてもよい。
【0082】
(ステップS101〜S102:メーカカタログの登録)
ステップS101では、メーカのユーザ端末3は、メーカカタログの登録のための入力を受け付ける。本システムのメーカにおける利用者は、ユーザ端末3を操作して、メーカカタログの登録のための入力を行う。
【0083】
例えば、本システムのメーカにおける利用者は、ユーザ端末3を操作して、メーカカタログの表示の際に利用するサムネイル等のデザインデータの選択、商品の仕様及び寸法のテキスト入力、商品の仕様及び寸法を記載した電子ファイルの指定、既存の電子カタログの所在を示すURLの指定等、メーカカタログを構成するためのデータを入力する。
【0084】
入力されたデータは、ネットワーク7を介して、電子カタログ提供装置1に送信される。電子カタログ提供装置1の制御部11は、メーカカタログ登録部111として機能し、上記メーカカタログの入力を受け付ける。なお、電子カタログ提供装置1は、本システムのメーカにおける利用者をメーカ情報121によって識別することができる。
【0085】
次のステップS102では、制御部11は、メーカカタログ登録部111として機能し、入力されたメーカカタログを、当該メーカの管理する電子カタログとして登録する。例えば、制御部11は、メーカのユーザ端末3から送信される入力データと当該メーカのメーカ情報121に基づいて、当該メーカカタログに対応するメーカカタログ情報122を作成する。そして、制御部11は、作成したメーカカタログ情報122を記憶部12に格納することで、入力されたメーカカタログを登録する。これによって、メーカカタログが電子カタログ提供装置1に登録される。
【0086】
(ステップS103〜S105:商報の掲載許可の設定)
次のステップS103では、電子カタログ提供装置1の制御部11は、商報掲載許可部112として機能し、登録したメーカカタログに対して商報の掲載を許可する商社の選択を当該メーカから受け付ける。例えば、制御部11は、記憶部12に格納された商社情報123に基づいて、商報の掲載を許可する候補となる商社の一覧をメーカのユーザ端末3に送信することで、当該商報の掲載を許可する商社の選択を受け付ける。このとき、電子カタログ提供装置1の記憶部12には、対象のメーカと取引関係にある商社の一覧を示す情報が記憶されていてもよい。そして、制御部11は、記憶部12に記憶された当該情報に基づいて、取引関係にある商社の一覧を対象のメーカのユーザ端末3に送信してもよい。電子カタログ提供装置1は、対象の商社を検索可能に構成されてもよい。
【0087】
次のステップS104では、ユーザ端末3は、商報の掲載を許可する商社の選択を受け付ける。例えば、ユーザ端末3は、電子カタログ提供装置1から受信した商社の一覧をディスプレイ等の表示装置に表示する。本システムのメーカにおける利用者は、ユーザ端末3を操作して、商報の掲載を許可する1又は複数の商社を選択する。商報の掲載を許可する商社が選択されると、ユーザ端末3は、選択された商社を示す通知を電子カタログ提供装置1に送信する。
【0088】
次のステップS105では、電子カタログ提供装置1の制御部11は、商報掲載許可部112として機能し、ステップS104で選択された商社に対して、ステップS102で登録されたメーカカタログへの商報の掲載を許可する設定を行う。例えば、制御部11は、ユーザ端末3からの通知に含まれる商社の商社IDを商報掲載許可商社IDとしてメーカカタログ情報122に追加する。これによって、登録されたメーカカタログへの商報の掲載が対象の商社に対して許可される。
【0089】
(ステップS106〜S108:メーカカタログの閲覧許可の設定)
次のステップS106では、電子カタログ提供装置1の制御部11は、メーカカタログ利用許可部113として機能し、登録されたメーカカタログの利用を許可する販売店の選択をメーカから受け付ける。例えば、制御部11は、記憶部12に格納された販売店情報125に基づいて、メーカカタログの利用を許可する候補となる販売店の一覧をメーカのユーザ端末3に送信することで、当該メーカカタログの利用を許可する販売店の選択を受け付ける。このとき、電子カタログ提供装置1の記憶部12には、対象のメーカと取引関係にある販売店の一覧を示す情報が記憶されてもよい。そして、制御部11は、記憶部12に記憶された当該情報に基づいて、取引関係にある販売店の一覧を対象のメーカのユーザ端末3に送信してもよい。また、電子カタログ提供装置1は、対象の販売店を検索可能に構成されてもよい。
【0090】
次のステップS107では、ユーザ端末3は、メーカカタログの利用を許可する販売店の選択を受け付ける。例えば、ユーザ端末3は、電子カタログ提供装置1から受信した販売店の一覧をディスプレイ等の表示装置に表示する。本システムのメーカにおける利用者は、ユーザ端末3を操作して、メーカカタログの利用を許可する1又は複数の販売店を選択する。メーカカタログの利用を許可する販売店が選択されると、ユーザ端末3は、選択された販売店を示す通知を電子カタログ提供装置1に送信する。
【0091】
次のステップS108では、電子カタログ提供装置1の制御部11は、メーカカタログ利用許可部113として機能し、ステップS107で選択された販売店に対して、ステップS102で登録されたメーカカタログの利用を許可する設定を行う。例えば、制御部11は、ユーザ端末3からの通知に含まれる販売店の販売店IDを利用許可販売店IDとしてメーカカタログ情報122に追加する。これによって、登録されたメーカカタログの利用が対象の販売店に対して許可される。以上により、本動作例に係るメーカカタログの登録及び設定に関する処理手順は終了する。
【0092】
<商報の登録及び設定>
次に、
図10を用いて、本実施形態に係る商報の登録及び設定に関する処理手順について説明する。なお、ステップS201〜S204は、商報の登録に関する処理手順に相当する。ステップS205〜S207は、商報付きメーカカタログの利用許可の設定に関する処理手順に相当する。これらの処理手順は、一度に全て実行されなくてよいし、適宜入れ替わってもよい。また、商社のユーザ端末4及び電子カタログ提供装置1は、本処理手順の前に電子カタログ提供装置1へのログインするように構成されてもよい。
【0093】
(ステップS201〜S204:商報の登録)
ステップS201では、商社のユーザ端末4から電子カタログ提供装置1へのアクセスが行われる。本システムの商社における利用者は、ユーザ端末4を操作して、ネットワーク7を介して電子カタログ提供装置1にアクセスする。電子カタログ提供装置1は、本ステップS201によりユーザ端末4からアクセスしてきた本システムの商社における利用者を商社情報123によって識別することができる。
【0094】
次のステップS202では、電子カタログ提供装置1の制御部11は、商報登録部114として機能し、商報の掲載を許可されたメーカカタログに対する商報の入力を商社から受け付ける。例えば、制御部11は、メーカカタログ情報122の商報掲載許可商社IDを参照し、ステップS201でアクセスしてきた商社の商社IDを当該商報掲載許可商社IDとして含むメーカカタログ情報122を抽出する。抽出されたメーカカタログ情報122は、対象の商社に対して商報の掲載が許可されたメーカカタログに対応する。そのため、制御部11は、抽出されたメーカカタログの一覧を商報の掲載が許可されたメーカカタログの一覧としてユーザ端末4に送信し、これによって、商報の掲載を許可されたメーカカタログに対する商報の入力を商社から受け付けてもよい。
【0095】
次のステップS203では、商社のユーザ端末4は、商報の登録のための入力を受け付ける。本システムの商社における利用者は、ユーザ端末4を操作して、商報の登録のための入力を行う。
【0096】
例えば、ユーザ端末4は、まず、電子カタログ提供装置1から受信した商報の掲載が許可されたメーカカタログの一覧をディスプレイ等の表示装置に表示する。本システムの商社における利用者は、ユーザ端末4を操作して、商報を登録するメーカカタログを選択する。
【0097】
次に、ユーザ端末4は、選択されたメーカカタログに対して追加する商報の入力を受ける。本システムの商社における利用者は、ユーザ端末4を操作して、商品の価格及び納期のテキスト入力、商品の価格及び納期を記載した電子ファイルの指定、既存の電子カタログの所在を示すURLの指定等、商報を構成するためのデータを入力する。入力されたデータは、ネットワーク7を介して、電子カタログ提供装置1に送信される。
【0098】
次のステップS204では、電子カタログ提供装置1の制御部11は、商報登録部114として機能し、入力された商報を対象のメーカカタログに追加した商報付きメーカカタログを、当該商社の管理する電子カタログとして登録する。例えば、制御部11は、商社のユーザ端末4から送信される入力データ、当該商社の商社情報123及び対象のメーカカタログ情報122に基づいて、入力された商報をメーカカタログに追加した商報付きメーカカタログに対応する商報付きメーカカタログ情報124を作成する。そして、制御部11は、作成した商報付きメーカカタログ情報124を記憶部12に格納することで、入力された商報をメーカカタログに追加した商報付きメーカカタログを登録する。これによって、商報付きメーカカタログが電子カタログ提供装置1に登録される。
【0099】
(ステップS205〜S207:商報付きメーカカタログの閲覧許可の設定)
次のステップS205では、電子カタログ提供装置1の制御部11は、商報付きメーカカタログ利用許可部115として機能し、登録された商報付きメーカカタログの利用を許可する販売店の選択を商社から受け付ける。例えば、制御部11は、記憶部12に格納された販売店情報125に基づいて、商報付きメーカカタログの利用を許可する候補となる販売店の一覧を商社のユーザ端末4に送信することで、当該商報付きメーカカタログの利用を許可する販売店の選択を受け付ける。このとき、電子カタログ提供装置1の記憶部12には、対象の商社と取引関係にある販売店の一覧を示す情報が記憶されてもよい。そして、制御部11は、記憶部12に記憶された当該情報に基づいて、取引関係にある販売店の一覧を対象の商社のユーザ端末4に送信してもよい。また、電子カタログ提供装置1は、対象の販売店を検索可能に構成されてもよい。
【0100】
次のステップS206では、ユーザ端末4は、商報付きメーカカタログの利用を許可する販売店の選択を受け付ける。例えば、ユーザ端末4は、電子カタログ提供装置1から受信した販売店の一覧をディスプレイ等の表示装置に表示する。本システムの商社における利用者は、ユーザ端末4を操作して、商報付きメーカカタログの利用を許可する1又は複数の販売店を選択する。商報付きメーカカタログの利用を許可する販売店が選択されると、ユーザ端末4は、選択された販売店を示す通知を電子カタログ提供装置1に送信する。
【0101】
次のステップS207では、電子カタログ提供装置1の制御部11は、商報付きメーカカタログ利用許可部115として機能し、ステップS206で選択された販売店に対して、ステップS204で登録された商報付きメーカカタログの利用を許可する設定を行う。例えば、制御部11は、ユーザ端末4からの通知に含まれる販売店の販売店IDを利用許可販売店IDとして商報付きメーカカタログ情報124に追加する。これによって、登録された商報付きメーカカタログの利用が対象の販売店に対して許可される。以上により、本動作例に係る商報の登録及び設定に関する処理手順は終了する。
【0102】
<利用設定>
次に、
図11を用いて、本実施形態に係る販売店による電子カタログの利用設定に関する処理手順について説明する。なお、販売店のユーザ端末5及び電子カタログ提供装置1は、本処理手順の前に電子カタログ提供装置1へのログインするように構成されてもよい。
【0103】
ステップS301では、販売店のユーザ端末5から電子カタログ提供装置1へのアクセスが行われる。本システムの販売店における利用者は、ユーザ端末5を操作して、ネットワーク7を介して電子カタログ提供装置1にアクセスする。電子カタログ提供装置1は、本ステップS301によりユーザ端末5からアクセスしてきた本システムの販売店における利用者を販売店情報125によって識別することができる。
【0104】
次のステップS302では、電子カタログ提供装置1の制御部11は、利用設定部116として機能し、上記ステップS106〜S108又はステップS205〜S207により、メーカ又は商社から利用の許可された電子カタログから自社で取り扱う電子カタログの選択を販売店から受け付ける。
【0105】
例えば、制御部11は、記憶部12に格納されているメーカカタログ情報122及び商報付きメーカカタログ情報124それぞれの利用許可販売店IDを参照する。そして、制御部11は、ステップS301でアクセスしてきた販売店の販売店IDを当該利用許可販売店IDとして含むメーカカタログ情報122及び商報付きメーカカタログ情報124を抽出する。
【0106】
抽出されたメーカカタログ情報122及び商報付きメーカカタログ情報124は、対象の販売店に対して利用が許可されたメーカカタログ及び商報付きメーカカタログに対応する。そのため、制御部11は、抽出されたメーカカタログ及び商報付きメーカカタログの一覧を利用の許可された電子カタログの一覧としてユーザ端末5に送信し、これによって、自社で取り扱う電子カタログの選択を受け付けてもよい。
【0107】
次のステップS303では、ユーザ端末5は、自社で取り扱う電子カタログの選択を受け付ける。例えば、ユーザ端末5は、電子カタログ提供装置1から受信した電子カタログの一覧をディスプレイ等の表示装置に表示する。本システムの販売店における利用者は、ユーザ端末5を操作して、自社で取り扱う1又は複数件の電子カタログを当該一覧から選択する。自社で取り扱う電子カタログが選択されると、ユーザ端末5は、選択された電子カタログを示す通知を電子カタログ提供装置1に送信する。
【0108】
次のステップS304では、電子カタログ提供装置1の制御部11は、利用設定部116として機能し、ステップS303で選択された電子カタログを当該販売店の顧客に閲覧可能に設定する。例えば、電子カタログ提供装置1内では、販売店用のサイトが用意されてよい。制御部11は、ユーザ端末5からの通知に含まれる電子カタログのカタログIDを利用カタログIDとして販売店情報125に追加する。これによって、ステップS303で選択された電子カタログが、対象の販売店用のサイトに掲載され、当該販売店の顧客に閲覧可能に設定される。以上により、本動作例に係る販売店による電子カタログの利用設定に関する処理手順は終了する。
【0109】
<電子カタログの閲覧>
次に、
図12を用いて、本実施形態に係る顧客による電子カタログの閲覧に関する処理手順について説明する。なお、顧客のユーザ端末6及び電子カタログ提供装置1は、本処理手順の前に電子カタログ提供装置1へのログインするように構成されてもよい。
【0110】
ステップS401では、顧客のユーザ端末6は、アクセスする販売店の選択を受け付ける。例えば、ユーザ端末6は、事前の操作によって、電子カタログ提供装置1から販売店の一覧を受信してもよい。また、電子カタログ提供装置1の記憶部12には、対象の顧客と取引関係のある販売店の一覧を示す情報が記憶されてもよい。そして、ユーザ端末6は、記憶部12に記憶された当該情報に基づいて、取引関係にある販売店の一覧を電子カタログ提供装置1から受信してもよい。また、電子カタログ提供装置1は、対象の販売店を検索可能に構成されてもよい。
【0111】
そして、ユーザ端末6は、電子カタログ提供装置1から受信した販売店の一覧をディスプレイ等の表示装置に表示する。本システムの顧客における利用者は、ユーザ端末6を操作して、アクセスする販売店を指定する。アクセスする販売店が指定されると、ユーザ端末6は、指定した販売店を示す通知を電子カタログ提供装置1に送信する。
【0112】
次のステップS402では、電子カタログ提供装置1の制御部11は、カタログ提供部117として機能し、ステップS401で指定された販売店が閲覧可能に設定した電子カタログから顧客が閲覧する電子カタログの選択を当該顧客から受け付ける。
【0113】
例えば、制御部11は、ステップS401によるユーザ端末6からの通知に含まれる販売店の販売店IDに基づいて、ステップS401で指定された販売店の販売店情報125を参照する。また、制御部11は、当該販売店情報125の利用カタログIDに基づいて、当該販売店が自社の取り扱う電子カタログとして設定した電子カタログ、換言すると、電子カタログ提供装置1内のサイトに販売店が掲載している電子カタログを特定する。そして、制御部11は、販売店が掲載している電子カタログとして特定した電子カタログの一覧を顧客のユーザ端末6に送信する。これによって、制御部11は、顧客が閲覧する電子カタログの選択を受け付ける。
【0114】
次のステップS403では、ユーザ端末6は、閲覧する電子カタログの選択を受け付ける。例えば、ユーザ端末6は、電子カタログ提供装置1から受信した電子カタログの一覧をディスプレイ等の表示装置に表示する。本システムの顧客における利用者は、ユーザ端末6を操作して、閲覧する電子カタログを選択する。閲覧する電子カタログが選択されると、ユーザ端末6は、選択された電子カタログを示す通知を電子カタログ提供装置1に送信する。
【0115】
ここで、本ステップS403において、電子カタログの一覧をディスプレイ等に表示する際に、ユーザ端末6は、カタログデータに含まれるサムネイルを電子カタログの一覧に利用してもよい。これによって、ユーザ端末6上で、サムネイルをバナー広告として利用し、当該顧客に対して各メーカの宣伝を行うことができる。
【0116】
次のステップS404では、電子カタログ提供装置1の制御部11は、カタログ提供部117として機能し、ステップS403で選択された電子カタログをユーザ端末6に送信する。例えば、制御部11は、ステップS403によるユーザ端末6からの通知に含まれる電子カタログのカタログIDに基づいて、ステップS403で選択された電子カタログに対応するメーカカタログ情報122及び/又は商報付きメーカカタログ情報124を記憶部12から取得する。そして、制御部11は、取得したメーカカタログ情報122及び/又は商報付きメーカカタログ情報124をユーザ端末6に送信する。
【0117】
次のステップS405では、ユーザ端末6は、電子カタログ提供装置1から受信した電子カタログを表示する。例えば、ユーザ端末6は、電子カタログ提供装置1から受信したメーカカタログ情報122及び/又は商報付きメーカカタログ情報124を利用して、当該情報により示される電子カタログをディスプレイ等の表示装置に表示する。以上により、本動作例に係る顧客による電子カタログの閲覧に関する処理手順は終了する。
【0118】
<その他>
ここで、本実施形態では、上記ステップS106〜S108及びステップS205〜S207により、販売店に対して、同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログの利用が許可されるケースがある。例えば、あるメーカがある販売店にメーカカタログの利用を許可した場合に、そのメーカカタログに商報の追加を許可された1社以上の商社が、そのメーカカタログに商報を追加した商報付きメーカカタログをその販売店に利用を許可したケースが当該ケースに該当する。また、あるメーカのメーカカタログに商報の追加を許可された複数の商社が、そのメーカカタログに商報を追加した商報付きメーカカタログを同一の販売店に利用を許可したケースも当該ケースに該当する。
【0119】
このような場合に、制御部11は、同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログを特に区別することなく、自社で取り扱う電子カタログの選択を受け付けてもよい。ただし、同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログが自社で取り扱う電子カタログに選択された場合には、当該同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログが同時に顧客に提示される。販売店の主たる仕入先が決まっている場合には、このような事態は望ましくない可能性がある。
【0120】
そこで、上記ステップS302では、制御部11は、利用設定部116として機能し、同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログの利用を許可されている場合に、1件の電子カタログのみ取り扱いの選択を受け付けるように構成されてもよい。すなわち、制御部11は、同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログについて、複数件の電子カタログの選択を受け付けず、1件の電子カタログのみ選択を受け付けるように構成されてもよい。
【0121】
このとき、上記ステップS303では、ユーザ端末5は、同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログについて、複数件の電子カタログの選択を受け付けず、1件の電子カタログのみ選択を受け付けるように構成されてよい。また、上記ステップS304では、制御部11は、同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログについて、1件の電子カタログのみカタログIDを利用カタログIDとして販売店情報125に追加可能に構成されてよい。
【0122】
これによって、上記ステップS403では、同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログが、電子カタログ提供装置1から受信した電子カタログの一覧に含まれることを避けることができる。したがって、当該構成によれば、同一のメーカカタログを起源とする複数件の電子カタログが顧客に同時に提示される事態を避けることができ、顧客に混乱を招くのを防ぐことができる。
【0123】
また、上記ステップS302において、制御部11は、利用設定部116として機能し、同一のメーカカタログを起源とする複数件の商報付きメーカカタログの利用を許可されている場合に、当該複数件の商報付きメーカカタログに含まれる複数件の商報を1件のメーカカタログにまとめて掲載した電子カタログを顧客に閲覧可能に設定可能に構成されてもよい。すなわち、制御部11は、同一のメーカカタログを起源とする複数件の商報付きメーカカタログについて、複数件の商報を1件にまとめることを前提に複数件の商報付きメーカカタログの選択を受け付けるように構成されてもよい。
【0124】
このとき、上記ステップS303では、ユーザ端末5は、同一のメーカカタログを起源とする複数件の商報付きメーカカタログについて、複数件の商報付きメーカカタログの選択を受け付け可能に構成される。また、上記ステップS304では、制御部11は、同一のメーカカタログを起源とする複数件の商報付きメーカカタログについて、複数件の電子カタログのカタログIDを利用カタログIDとして販売店情報125に追加可能に構成される。
【0125】
また、上記ステップS403において、電子カタログ提供装置1から受信した電子カタログの一覧では、複数件の商報を1件のメーカカタログにまとめるよう設定された複数件の電子カタログは1件の電子カタログとして表示されるように構成することができる。これによって、上記と同様に、顧客が混乱を招くのを防ぐことができる。
【0126】
そして、上記ステップS404において、制御部11は、複数件の商報付きメーカカタログに含まれる複数件の商報を1件のメーカカタログにまとめて顧客のユーザ端末6に送信する。これによって、上記ステップS405では、ユーザ端末6に接続されるディスプレイ等の表示装置には、1件のメーカカタログに複数件の商報がまとめて表示される。したがって、当該構成によれば、複数の商社から利用を許可された同一のメーカカタログに対する複数件の商報をまとめることができるため、当該複数件の商報を販売店が効率的に顧客に提示できるようになる。
【0127】
<作用・効果>
以上のように、本実施形態では、ステップS101及びS102において、メーカカタログの登録がメーカにより行われる。また、ステップS103〜S105において、当該メーカカタログに商報の追加を商社に対して許可するか否かの設定がメーカにより行われ、ステップS202〜S204において、当該商報の追加を許可された商社によりメーカカタログに対する商報の追加が行われることで、商報付きメーカカタログが登録される。
【0128】
更に、本実施形態では、ステップS106〜S108において、登録されたメーカカタログの利用を販売店に対して許可するか否かの設定がメーカにより行われ、ステップS205〜S207において、登録された商報付きメーカカタログの利用を販売店に対して許可するか否かの設定が商社により行なわれる。そして、ステップS303において、メーカ又は商社から利用の許可された電子カタログから自社で取り扱う電子カタログを販売店が選択すると、ステップS304において、当該選択された電子カタログが当該販売店の顧客に閲覧可能に設定される。
【0129】
したがって、本実施形態によれば、上記ステップS405で顧客のユーザ端末6上で閲覧に供される電子カタログは、上記ステップS108及びステップS207により顧客のアクセスした販売店に対して利用の許可の設定がなされた電子カタログのうち、ステップS304により当該販売店が掲載の設定を行った電子カタログである。すなわち、メーカにより提供されるメーカカタログ及び商社により提供される商報付きメーカカタログは、販売店を経由した上で顧客の閲覧に供される。したがって、本実施形態に係る電子カタログ提供装置1を利用することで、従来の取引形態を変えることなく、メーカ及び商社と顧客とを繋ぐ販売店を中心とした商品の流通を促進するための電子カタログ提供の仕組みを構築することができる。
【0130】
例えば、本実施形態に係る電子カタログ提供装置1を次のように利用することができる。すなわち、顧客である製造業者は、当該システムを利用して自社で製造した商品を流通させるため、当該システム上でユーザ種別「顧客」を利用しつつ、ユーザ種別「メーカ」を利用してもよい。
【0131】
この場合、当該製造業者は、「顧客」として販売店から間接資材等を購入し、自社の商品を製造する。一方、当該製造業者は、販売店を介して製造した商品を流通させるべく、「メーカ」として当該商品のメーカカタログを作成し、作成したメーカカタログの利用許可を販売店に行う。作成したメーカカタログの利用を許可する販売店には、自社が「顧客」として関係を持っている販売店を選択することができる。これによって、既に関係を持っている販売店の流通網を利用して、「顧客」である製造業者が「メーカ」として自社の製造した商品を流通させることができる。したがって、本実施形態によれば、従来の取引形態における流通網をより活性化することができる。また、販売のノウハウを持つ販売店が、「商社」として「メーカ」の商品の販売に介在することにより、流通網の更なる活性化を図ることができる。更に、「メーカ」は、「商社」としてのユーザ種別を利用して、メーカカタログに価格及び納期を記載したデータを追加し、自社の製品の流通を図ってもよい。このように、単一のユーザ種別を利用するのではなく、同一のユーザが複数のユーザ種別を利用することで、従来型の取引形態を維持しつつ、ユーザ間の取引をより活性化することができる。
【0132】
なお、本実施形態では、メーカカタログはメーカに管理され、商報付きメーカカタログに含まれる商報は商社に管理される。すなわち、メーカカタログ情報122に含まれるカタログデータの更新はメーカによって行われ、商報付きメーカカタログ情報124に含まれる商報データの更新は商社によって行われる。
【0133】
ここで、メーカカタログ情報122に含まれるカタログ情報をメーカが更新すると、対応する商報付きメーカカタログ情報124のメーカカタログ情報も更新される。そして、販売店が掲載するメーカカタログ及び商報付きメーカカタログも更新される。同様に、商報付きメーカカタログ情報124に含まれる商報データを商社が更新すると、販売店が掲載する商報付きメーカカタログも更新される。
【0134】
すなわち、本実施形態によれば、メーカ及び商社がそれぞれの電子カタログを更新すると、販売店の掲載する電子カタログも自動的に更新され、更新された電子カタログを顧客は閲覧することができる。したがって、本実施形態によれば、各利用者に点在し得る電子カタログをそれぞれ個別に更新しなく済むため、電子カタログの運用を効率化することができる。
【0135】
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【0136】
例えば、上記実施形態では、顧客は、電子カタログ提供装置1を介して、販売店の取り扱う電子カタログを閲覧する。しかしながら、顧客が電子カタログを閲覧する経路は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、販売店の取り扱う電子カタログは、販売店の運営するウェブサイト上に掲載されてもよい。この場合、例えば、販売店が取り扱いの設定を行った電子カタログは、電子カタログ提供装置1から販売店の運営するウェブサイトに提供される。これにより、顧客は、販売店の運営するウェブサイトにアクセスすることで、電子カタログ提供装置1を介することなく、販売店の取り扱う電子カタログを閲覧することができる。
【0137】
また、例えば、上記実施形態では、電子カタログ提供装置1の提供するサービスは、顧客に対する電子カタログの提供に留まっている。しかしながら、電子カタログ提供装置1の提供するサービスはこれに限定されなくてもよく、電子カタログ提供装置1は、実施の形態に応じて適宜機能を備えてもよい。例えば、電子カタログ提供装置1は、電子商取引の機能を備えてもよい。これによって、電子カタログ提供装置1は、ステップS405で表示された電子カタログ上において、顧客が商品を購入可能なように構成されてもよい。この際、電子カタログ提供装置1は、メーカカタログ及び/又は商報付きメーカカタログの内容を参照して、価格、納期等を算出し、算出した価格、納期等を顧客に提示してもよい。
【0138】
また、例えば、上記実施形態では、本システムの販売店における利用者は、特に区別されていない。しかしながら、現実世界において、複数の顧客を対象にする販売店では、管理者と管理者に統括される担当者とが存在し、管理者によって各担当者は各顧客に割り当てられる場面がある。例えば、
図13に例示される場面である。
【0139】
図13は、本変形例が適用される場面を模式的に例示する。
図13では、販売店側の利用者として1名の管理者及び2名の担当者(A、B)が存在し、担当者Aには顧客Cが割り当てられ、担当者Bには顧客Dが割り当てられている。そして、販売店の管理者は、各担当者(A、B)に取り扱わせる電子カタログを指定し、各担当者(A、B)は指定された電子カタログを利用して顧客の対応を行う。現実世界では、このような取引形態がよく利用されている。
【0140】
そのため、このようなケースに対応すべく、上記利用設定部116は、本システムの販売店における利用者の種別として管理者と担当者とを識別し、顧客に対する当該担当者の割当と、メーカ又は商社から利用の許可された電子カタログから当該担当者の取り扱う電子カタログの選択と、を当該管理者から受け付け、当該担当者に割り当てられた顧客に当該担当者の取り扱う電子カタログを閲覧可能に設定するように構成されてよい。
【0141】
図14及び
図15を用いて、本変形例について説明する。
図14は、本変形例に係る顧客情報126の構成を例示する。また、
図15は、本変形例に係る販売店情報125Aの構成を例示する。本変形例では、電子カタログ提供装置1は、顧客情報126を記憶部12に更に保持し、かつ、上記販売店情報125と置き換えて販売店情報125Aを保持する。
【0142】
顧客情報126は、本システムの利用者のうち顧客を識別するために利用される。すなわち、顧客情報126は、各種ユーザ種別のうち、顧客を管理するためのデータである。
図14に例示されるように、本変形例に係る顧客情報126の内容には、顧客ID及び顧客名が含まれる。顧客IDは、対象の顧客を識別するための識別子である。また、顧客名は、対象の顧客の名称である。なお、
図14では、1件分の顧客情報126が1利用者分のデータに該当する。
【0143】
また、本変形例に係る販売店情報125Aは、上記販売店情報125と相違し、管理者と担当者とを識別可能に構成されている。具体的には、販売店情報125Aは、管理者を識別するための識別子である管理者IDを含んでいる。また、販売店情報125Aは、担当者を識別するための担当者情報を含んでおり、利用カタログIDはこの担当者情報に含まれる。そのため、各担当者に割り当てられた電子カタログを特定することができる。
【0144】
なお、本変形例では、1件分の担当者情報が1利用者分のデータに該当する。そのため、本変形例に係る販売店情報125Aには、担当者の数に応じた件数の担当者情報が含まれる。また、担当者情報の内容には、利用カタログIDの他、担当者ID、担当者名及び担当顧客IDが含まれている。担当者IDは、対象の担当者を識別するための識別子である。また、担当者名は、対象の担当者の名称である。更に、担当顧客IDは、対象の担当者に割り当てられた顧客の顧客IDである。
【0145】
上記ステップS302では、制御部11は、顧客に対する担当者の割当と、メーカ又は商社から利用の許可された電子カタログから担当者の取り扱う電子カタログの選択と、を販売店の管理者から受け付ける。上記ステップS303では、ユーザ端末5の操作に依り、顧客に割り当てる担当者の選択と、各担当者の利用する電子カタログの選択と、が行われる。
【0146】
そして、上記ステップS304では、制御部11は、ステップS301でアクセスしてきた販売店の管理者に対応する販売店情報125Aにおいて、ステップS303で選択された担当者に対応する担当者情報に対象の顧客の顧客IDを担当顧客IDとして追加する。また、ステップS303で選択した電子カタログのカタログIDを対象の担当者に対応する担当者情報に利用カタログIDとして追加する。これによって、販売店における利用者の種別として、各顧客に割り当てる担当者と各担当者を統括する管理者とを設けることができる。したがって、当該変形例によれば、現実世界の取引形態により近い電子カタログの提供の仕組みを構築することができる。
【0147】
なお、本変形例において、電子カタログ提供装置1は、販売店の他の担当者に割り当てられた電子カタログを顧客利用者が閲覧可能に構成されてよい。また、同一の顧客ユーザ内には、販売店の担当者と同様に、複数の利用者が割り当てられてもよい。この場合、顧客情報126には、例えば、顧客内の利用者を示す顧客利用者ID、利用者名等の顧客利用者を識別するための情報が含まれ、これによって、電子カタログ提供装置1は、同一の顧客ユーザ内の複数の利用者をそれぞれ識別することができる。