【課題】本発明は、帯片付端子を搬送する際に、一対の把持爪が端子部分側から帯片を把持した場合でも、端子部分と把持爪とが干渉しにくくなる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】端子搬送装置40は、連続端子90から切り出された帯片付端子91を搬送する装置である。端子搬送装置40は、前記帯片付端子91を起点位置P1から受渡位置P2まで搬送可能に設けられ、前記帯片付端子91の帯片93の第1部分を把持する一対の把持爪46を有し、前記一対の把持爪46の先端が前記帯片付端子91の前記帯片93を把持した状態で中間部分に間隔があくように設けられた把持部44と、前記把持部44を前記起点位置P1から前記受渡位置P2まで往復移動可能に設けられた把持部移動機構50と、を含む第1搬送機構42を備える。
連鎖帯によって複数の端子が連ねられた連続端子の前記連鎖帯が各端子間で切断され、1個の前記端子と対応する帯片と、前記帯片と連結されている1個の端子とを含むように形成された帯片付端子を搬送する端子搬送装置であって、
前記帯片付端子を起点位置から受渡位置まで搬送可能に設けられ、前記帯片付端子の前記帯片の第1部分を把持する一対の把持爪を有し、前記一対の把持爪の先端が前記帯片付端子の前記帯片を把持した状態で中間部分に間隔があくように設けられた把持部と、前記把持部を前記起点位置から前記受渡位置まで往復移動可能に設けられた把持部移動機構と、を含む第1搬送機構を備える、端子搬送装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
{実施形態}
以下、実施形態に係る端子搬送装置40について説明する。端子搬送装置40は、連鎖帯92によって複数の端子94が連ねられた連続端子90から切り出された帯片付端子91を搬送する装置である。ここでは、端子搬送装置40は、端子圧着装置10に組み込まれ、同じく端子圧着装置10に組み込まれた圧着機構70に端子94を搬送するものとして説明する。また、端子圧着装置10は、長尺の電線80から所定長の端子付電線を製造する切圧装置に組み込まれているものとして説明する。
【0019】
ここでは、切圧装置は、ワイヤーハーネスの単位ごとに当該ワイヤーハーネスに含まれる複数種類の端子付電線を1つの装置でまとめて製造する製造方法に供される装置であるものとして説明する。このような製造方法は、セット工法と称されることがある。
【0020】
このセット工法では、ワイヤーハーネスによっては、異なる種類の端子94が取り付けられた複数種類の端子付電線を1つの装置で製造する場合がある。その場合、端子搬送装置40においても、1つの装置で複数種類の帯片付端子91を搬送することが求められる。この場合、一対の把持爪46が帯片付端子91のうち端子94側から帯片93を把持して、帯片付端子91を搬送する際に、端子94の形状によっては、端子94のうち相手方導体と接続される接続部96等が把持爪46と干渉する恐れがある。このような事態を避けるために、当該切圧装置の端子圧着装置10に、実施形態に係る端子搬送装置40が組み込まれている。
【0021】
ここで、連続端子90について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、連続端子90を示す平面図である。
【0022】
連続端子90は、複数の端子94が連ねられた帯状の部材であり、具体的には、帯状の連鎖帯92の片側に複数の端子94が等間隔で並列状に連鎖されて形成されている。各端子94の連鎖帯92側の基部は、電線80の端部と圧着可能なように、断面略U字状に開放して形成され、圧着部95を構成している。当該圧着部95は、バレル部95と呼ぶこともある。また、各端子94は、バレル部95の先に連なる接続部96を備える。接続部96は、相手側の導体と接続される部分である。ここでは、接続部96は、筐体状のいわゆるメス型に形成されているが、このことは必須ではない。接続部は、例えば、ピン状等のオス型に形成されていてもよいし、平板状に形成されると共にボルトが通る孔が形成された形状に形成されていてもよい。また、ここでは、連鎖帯92には、各端子94に対応して等間隔に送り孔92hが形成されている。送り孔92hは、連鎖帯92のうち端子94の基端部が突出する部分に形成されているが、連鎖帯92のうち各端子94間に形成されていてもよい。
【0023】
後に明らかになるように、連鎖帯92が、各端子94間で切断されることによって、連続端子90の端部の1個の端子94が、1個の端子94と対応する帯片93(切り取られた連鎖帯92)と接続された状態で、連続端子90から切り離される。以下では、この帯片93付きの端子94を、帯片付端子91ともいう。ここでは、端子94が帯片93に対して帯片93の延在方向一端側に位置するように、連鎖帯92が切断される。より詳細には、連続端子90から帯片付端子91を切り出す際に、下流側の帯片93が長くなるように、つまり、端子94が帯片93に対して上流側に位置するように連鎖帯92が切断される。もっとも、端子94が帯片93に対して下流側又は中央に位置するように連鎖帯92が切断されてもよい。以下では、帯片93のうち端子94が位置する側を一端側部分93aと称し、その反対側を他端側部分93bと称することがある。
【0024】
端子圧着装置10の構成について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、端子圧着装置10の構成を模式的に示す図である。
【0025】
端子圧着装置10は、複数(ここでは、3つ)の端子送り機構20と、複数(ここでは、3つ)の切断機構30と、端子搬送装置40と、圧着機構70と、制御部100とを備える。
【0026】
端子送り機構20は、連続端子90を、端子94ひとつ分ずつ連鎖帯92の延在方向先端側に向けて送出する。端子送り機構20は、具体的には、例えば、連続端子90を載置する長尺のステージ22と、ステージ22上の連続端子90を端子94ひとつ分ずつ送出する駆動機構とを含んで構成することができる。駆動機構は、具体的には、例えば、送り孔92hに引っ掛かる爪部と爪部を送り方向に移動させる爪部駆動部とを含んで構成することができる。また、駆動機構は、例えば、ステージ22上の連続端子90に接触しながら回転することによって連続端子90を送出するローラと、当該ローラを回転駆動する駆動部とを含む構成とすることもできる。
【0027】
以下では、
図2で示される平面をxy平面とし、当該xy平面において端子送り機構20により連続端子90を送る方向をx軸方向とすると共に、当該x軸方向に直交する方向をy軸方向とする。この際、連続端子90を送る向きがx軸方向正の向きであり、帯片93に対して端子94が位置する側がy軸方向正の向きである。なお、ここでは、xy平面は、水平方向に広がる平面であり、xy平面に直交する方向が鉛直方向であるものとして説明する。
【0028】
各切断機構30は、連続端子90の連鎖帯92を、各端子94間で切断して、連続端子90から1個の帯片付端子91を切り出す。切断機構30は、具体的には、例えば、カッター、カッターを連鎖帯92に対して近接離間する方向に移動させる駆動機構等を含んで構成される。
【0029】
端子搬送装置40は、起点位置P1に送出された帯片付端子91を、定められた目標位置P3まで次々と搬送する。端子搬送装置40は、起点位置P1と目標位置P3との間に設けられた第1搬送機構42および第2搬送機構60を含む。
【0030】
第1搬送機構42および第2搬送機構60は、各起点位置P1から目標位置P3まで、帯片付端子91を受け渡しながらこれを搬送する。すなわち、起点位置P1と目標位置P3との間には、受渡位置P2が設けられており、第1搬送機構42は、帯片付端子91を起点位置P1から受渡位置P2まで搬送し、第2搬送機構60は、受渡位置P2にて第1搬送機構42から帯片付端子91を受け取って、当該帯片付端子91を目標位置P3まで搬送する。第1搬送機構42および第2搬送機構60の具体的な構成については、後に説明する。
【0031】
ここで、起点位置P1としては、例えば、複数の端子送り機構20各々に設定されてもよいし、複数の端子送り機構20とは別の一つの位置に設定されてもよい。前者の場合、第1搬送機構42は、複数の端子送り機構20それぞれに設定された起点位置P1まで移動可能に設けられることが考えられる。この場合、第1搬送機構42が連鎖帯92を掴んだ後、切断機構30が連鎖帯92を切断し、連続端子90から帯片付端子91を切り出してもよい。後者の場合、複数の端子送り機構20のうち1つの端子送り機構20を選択し、当該端子送り機構20から切り出された帯片付端子91を一つの起点位置P1まで移送する移送機構が設けられることが考えられる。
【0032】
圧着機構70は、目標位置P3において、ここに送出された帯片付端子91の帯片93を端子94から切り落とすとともに、帯片93から切り離された端子94のバレル部95を金型で加締めることによって、当該バレル部95を電線80の端部に圧着固定する(
図6及び
図7参照)。これによって、電線80の端部に端子94が固定されて、端子付電線が製造される。圧着機構70は、具体的には、圧着用の上金型72、上金型72と対向配置された圧着用の下金型74、上金型72と下金型74とを近接離間させる方向に移動させる駆動機構76等を含んで構成される。この際、2つの金型72、74が近接離間する方向が、圧着方向である。ここでは、上金型72と下金型74とは、xy平面に直交する方向に沿って近接離間する。駆動機構76は、上金型72に取り付けられたラム部材78を介して上金型72を下金型74に向けて下降させることで、下金型74上に載置された端子94のバレル部95を電線80に加締める。
【0033】
この際、圧着機構70は、圧着時に端子94を帯片93から分離するための分離機構の一部である押圧部79を含む。押圧部79もラム部材78を介して駆動機構76によってxy平面に直交する方向に沿って駆動される。詳しくは後述するが、押圧部79が、目標位置P3にある保持部62を押圧することで、帯片付端子91を帯片93と端子94との連結部分でせん断する。
【0034】
制御部100は、複数の端子送り機構20、切断機構30、端子搬送装置40、および、圧着機構70の各々と電気的に接続され、これらを制御する。制御部100は、具体的には、例えば、各種演算処理を行うCPU、プログラム等を記憶するROM、演算処理の作業領域となるRAM、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶するハードディスク、LAN等を介したデータ通信機能を有するデータ通信部等がバスラインなどにより互いに接続された、一般的なコンピュータにより構成される。また、制御部100は、各種表示を行うディスプレイ、キーボード及びマウスなどで構成される入力部等と接続されている。
【0035】
端子圧着装置10の動作の概要について、引き続き
図2を参照しながら説明する。ただし、端子圧着装置10にて実行される一連の動作は、制御部100の制御下で行われる。
【0036】
複数の端子送り機構20の各々は、連続端子90を端子94ひとつ分ずつ送出する。ここでは、例えば、複数の端子送り機構20のそれぞれが、異なる種類の連続端子90を送出するものとする。
【0037】
切断機構30は、端子送り機構20によって送られた連続端子90から帯片付端子91を切り出す。具体的には、端子94を端子送り機構20によって送られた連続端子90のうち先端に位置する端子94と、その上流側の隣に位置する端子94との間で連鎖帯92を切断し、帯片付端子91を形成する。
【0038】
端子搬送装置40は、起点位置P1に送出された帯片付端子91を、目標位置P3まで次々と搬送する。具体的には、端子搬送装置40は、複数の端子送り機構20のうちいずれか1つの端子送り機構20によって送出されている連続端子90から切り出された帯片付端子91を、起点位置P1から目標位置P3まで搬送する。これを繰り返すことによって、目標位置P3に、種類の異なる第1から第3の帯片付端子91が次々と送出されることになる。この際、どの端子送り機構20から送出される帯片付端子91を搬送するかは、適宜設定される。例えば、制御部100が読み込むなどした生産計画表等によって設定されてもよいし、第1から第3の端子送り機構20から送出される帯片付端子91を順番で搬送するように設定されてもよい。
【0039】
圧着機構70は、目標位置P3に送出された帯片付端子91の帯片93を端子94から分離させるとともに、帯片93から分離された端子94のバレル部95を、電線80の端部に圧着固定する。第1から第3の帯片付端子91の端子94が圧着される電線80の種類は、適宜設定される。例えば、第1から第3の帯片付端子91の端子94がそれぞれ圧着される電線80はすべて同じであってもよいし、少なくとも一部が異なっていてもよい。また、同じ種類の帯片付端子91であっても、圧着される電線80の種類が異なる場合があってもよい。この端子94と電線80との組み合わせに応じて、異なる種類の端子付き電線が連続して次々と製造される。
【0040】
このように、端子圧着装置10においては、異なる種類の端子付電線を連続して製造することが可能であるので、上記セット工法に応じることができる。もっとも、端子圧着装置10においては、必ずしも異なる種類の端子付電線を連続して製造する必要はなく、同じ種類の端子付電線を連続して製造してもよい。
【0041】
<端子搬送装置40>
端子搬送装置40の構成について、
図3〜
図5を参照しながら説明する。
図3は、第1搬送機構42の構成を模式的に示す平面図である。
図4は、把持爪46を示す斜視図である。
図5は、第2搬送機構60の構成を模式的に示す平面図である。
【0042】
第1搬送機構42は、起点位置P1にて帯片付端子91を受け取るとともに、当該受け取った帯片付端子91を、受渡位置P2まで搬送する搬送動作を反復して行う。ここでは、第1搬送機構42は、起点位置P1にて帯片付端子91の帯片93の延在方向がx軸方向に沿った姿勢で帯片付端子91を受け取り、受渡位置P2にて帯片付端子91の帯片93の延在方向がy軸方向に沿った姿勢で帯片付端子91を第2搬送機構60に受け渡す。具体的には、第1搬送機構42は、帯片付端子91を把持する把持部44と、把持部44を移動させる把持部移動機構50とを含む。
【0043】
把持部44は、帯片付端子91の把持および把持解除を行えるように構成されている。具体的には、把持部44は、平坦な把持面46fを互いに平行にして対向配置させた一対の把持爪46と、一対の把持部44を近接離間させる方向(すなわち、対向配置された一対の把持面46fを近接離間させる方向)に移動させる駆動部とを備える。駆動部としては、例えば、ソレノイド又はエアシリンダ等が用いられる。
【0044】
一対の把持爪46は、帯片付端子91の帯片93の第1部分を把持する。一対の把持爪46は、その先端が帯片付端子91の帯片93を把持した状態で中間部分に間隔があくように設けられている。より詳細には、一対の把持爪46の把持方向(一対の把持爪46が近接離間する方向)は、ここでは、xy平面に直交する方向に設定されている。把持面46fは、xy平面に平行に設定されている。そして、把持爪46において把持面46fが設けられる先端部分46aは、中間部分46bに対して相手方の把持爪46に向かって把持方向に突出している。これにより、把持爪46の中間部分46bには、先端部分46aが帯片93を把持した状態で間隔があく。そして、中間部分46bの間に位置する空間は、把持爪46の先端部分46aが帯片93を端子94側から把持した際に、端子94の幅寸法が大きい場合に、端子94のうち把持方向から見て把持爪46の中間部分46bと重なる部分が収まる収容空間となる。従って、上記間隔は、端子94のうち当該収容空間に収められる可能性のある部分の高さ寸法(ここでは、xy平面に直交する方向に沿った寸法)以上に設定されていることが好ましい。さらに、上記間隔は、端子94における高さ寸法の最大値以上に設定されていることがより好ましい。
【0045】
把持部移動機構50は、把持部44を直線的に移動させる把持部直線移動機構52と、把持部44を回動させる把持部回動機構54とを含む。より詳細には、ここでは、把持部44は、取付部48に回動可能に取り付けられると共に、取付部48を介して直線移動可能に設けられている。
【0046】
把持部直線移動機構52は、エアシリンダ又はリニアモータ等のリニアアクチュエータ等によって構成されており、上記把持部44を、起点位置P1に対応する第1の位置と受渡位置P2に対応する第2の位置との間で往復駆動させる。ここでは、把持部直線移動機構52は、取付部48を上記第1の位置と上記第2の位置との間で往復駆動させる。より詳細には、ここでは、把持部直線移動機構52は、x軸方向に沿って把持部44を移動させる。
【0047】
把持部回動機構54は、例えば、モータ等によって構成されており、上記把持部44を、受取時の姿勢に対応する第1の姿勢と受渡時の姿勢に対応する第2の姿勢との間で回動駆動させる。ここでは、把持部回動機構54は把持部44を取付部48に対してxy平面上で90度回動させるものとして説明する。もっとも、把持部回動機構54による把持部44の回動角度は90度に限られるものではなく、90度未満であってもよいし、90度より大きくてもよい。把持部回動機構54による把持部44の回動角度は、第2搬送機構60の後述する保持部62に帯片付端子91を受け渡す際に帯片93の延在方向と保持部62が移動する方向とが一致するように決定されるとよい。ここでは、保持部62の移動方向がy軸方向に設定されているため、受渡位置P2にて帯片付端子91の帯片93の延在方向がy軸方向に沿った姿勢で帯片付端子91を第2搬送機構60に受け渡す。この際、起点位置P1にて帯片付端子91の帯片93の延在方向がx軸方向に沿った姿勢で帯片付端子91を受け取るため、把持部回動機構54による把持部44の回動角度は90度に設定されている。
【0048】
なお、ここでは、受渡位置P2にて帯片付端子91の帯片93の延在方向がy軸方向に沿った姿勢となった状態で、端子94が帯片93に対してx軸方向の負の側に位置する姿勢で、帯片付端子91を第2搬送機構60に受け渡す。この際、起点位置P1にて帯片付端子91の帯片93の延在方向がx軸方向に沿った姿勢の状態で、端子94が帯片93に対してy軸方向の正の側に位置する姿勢で帯片付端子91を受け取るため、把持部回動機構54により把持部44は、
図3で反時計周りに90度回動される。
【0049】
把持部44で対象物を把持する場合、把持部移動機構50が、一対の把持爪46が離間した状態で把持部44を、一対の把持面46fの間に対象物の少なくとも一部分が配置されるような位置に移動させる。そして、駆動部が、把持部44を互いに接近する方向に移動させる。これによって、対象物の少なくとも一部分が一対の把持面46fの間に挟まれる(つまり、対象物の少なくとも一部分が、把持部44に把持される)。これによって、当該対象物が把持部44に把持される。また、把持部44が対象物の把持を解除する場合、駆動部が一対の把持爪46を互いに離間する方向に移動させる。これによって、一対の把持面46fが対象物から離間し、一対の把持爪46による対象物の把持が解除される。
【0050】
把持部44が把持の対象とする対象物は、帯片付端子91であるところ、把持部44は、
図3、
図4に示されるように、帯片付端子91の帯片93を把持することで、当該帯片付端子91を把持する。把持部44は、ここでは、
図3に示されるように、帯片付端子91の帯片93における端子94が突出する部分を除いた一部分(第1部分)を把持する。この際、帯片93における端子94が突出する部分(第2部分)は、第1搬送機構42から端子94を受け取る第2搬送機構60が保持する。これにより、帯片付端子91が第2搬送機構60に保持された状態で、端子94と帯片93とを分離することができる。ここでは、帯片93における端子94が突出する部分が帯片93の一端側部分93aに設けられているため、把持部44は帯片93の他端側部分93bを把持し、第2搬送機構60が帯片93の一端側部分93aを把持する。
【0051】
第2搬送機構60は、受渡位置P2にて第1搬送機構42から帯片付端子91を受け取るとともに、当該受け取った帯片付端子91を、目標位置P3まで搬送する搬送動作を反復して行う。ここでは、第2搬送機構60は、上記したように、受渡位置P2にて帯片付端子91の帯片93の延在方向がy軸方向に沿った姿勢で帯片付端子91を第1搬送機構42から受け取る。そして、第2搬送機構60は、帯片付端子91の帯片93の延在方向がy軸方向に沿った姿勢で帯片付端子91を、目標位置P3まで搬送する。具体的には、第2搬送機構60は、帯片付端子91を保持する保持部62と、保持部62を受渡位置P2と目標位置P3との間で往復移動させる保持部移動機構66とを備える。
【0052】
保持部62は、略直方体状に形成されている。保持部62には、平面視でその一角が凹む態様で把持爪用凹部63aが形成されている。受渡時に当該把持爪用凹部63aに帯片付端子91の帯片93の他端側部分93bを把持した把持爪46の先端が位置することで、帯片93の一端側部分93aに設けられた端子94が突出する部分が平面視で保持部62と重なる。これにより、帯片93のうち端子94が突出する部分を保持部62が保持可能となる。
【0053】
また、保持部62の上面には、下面側に向けて湾曲状(ここでは、円弧状)に凹むガイド凹部63bが形成されている。当該ガイド凹部63bは、保持部62の上面のうち保持部62の移動方向(ここでは、y軸方向)に沿った中間部分に形成されている。また、ガイド凹部63bの円弧に対する中心軸方向は、保持部62の移動方向と直交する方向、つまりx軸方向に設定されている。当該ガイド凹部63b上には、圧着の際に電線80が載置される。
【0054】
保持部移動機構66は、エアシリンダ又はリニアモータ等のリニアアクチュエータ等によって構成されており、上記保持部62を、受渡位置P2と目標位置P3との間で往復駆動させる。ここでは、保持部移動機構66は、保持部62をy軸方向に沿って往復駆動させる。
【0055】
また、保持部62は、圧着時に端子94を帯片93から分離するための分離機構の一部を兼ねている。具体的には、例えば、保持部62は、xy平面に直交する方向に伸縮するバネ等の弾性部材64を介してスライダ部材に取り付けられる。スライダ部材は、保持部移動機構66によりy軸方向に沿って駆動される。そしてスライダ部材が保持部移動機構66により目標位置P3まで搬送されることで保持部62が目標位置P3に到達する。この状態で、圧着機構70の押圧部79により保持部62がxy平面に直交する方向に押圧され、保持部62が下金型74に対してxy平面に直交する方向に移動する。これにより、帯片93が端子94に対してxy平面に直交する方向に移動し、帯片付端子91が保持部62に保持された帯片93と下金型74上に載置された端子94との連結部分でせん断される(
図6及び
図7参照)。
【0056】
<端子搬送装置40の動作>
端子搬送装置40の動作について、
図3〜
図5に加え、
図6〜
図8を参照しながら説明する。
図6及び
図7は、帯片分離及び端子圧着の様子を説明する図である。
図8は、1つの帯片付端子91に対して端子搬送装置40が行う動作の流れを示すフローチャートである。
【0057】
まずは、ステップS1において、起点位置P1に送出された帯片付端子91を受け取る準備を行う。具体的には、第1搬送機構42は、一対の把持爪46が離間した状態の把持部44を、把持部直線移動機構52及び把持部回動機構54により起点位置P1まで移動させる。この際、離間した一対の把持爪46の間に帯片93が位置するように把持部44を移動させる。ここでは、帯片93のうち他端側部分93bが、一対の把持面46fの間に位置するように把持部44を移動させる。この際、把持部44は、端子94が位置する側から帯片93を把持可能に設定される。また、この際、把持部44が帯片93を把持する位置を調節することで、保持部62に対する帯片付端子91の位置が変化する。このことについては、後で詳述する。
【0058】
次ステップS2において、当該起点位置P1の帯片付端子91を受け取る。具体的には、一対の把持爪46を接近させ、当該一対の把持爪46の間に位置する帯片93を一対の把持爪46で把持する。これによって、帯片93の他端側部分93bが把持部44に掴まれた状態となり、起点位置P1の帯片付端子91が、把持部44に把持される。この際、把持方向から見て把持爪46の中間部分46bと端子94とが重なっていたとしても、端子94のうち当該重なっている部分は、一対の把持爪46の中間部分46bの間に設けられた収容空間に収まる。これにより、把持爪46と端子94との干渉が抑制される。
【0059】
次ステップS3において、第1搬送機構42から第2搬送機構60に帯片付端子91を受け渡す準備を行う。具体的には、第1搬送機構42は、帯片付端子91を把持した状態の把持部44を把持部直線移動機構52及び把持部回動機構54により受渡位置P2まで移動させる。これにより帯片付端子91が受渡位置P2まで移送される。この際、第2搬送機構60は、帯片付端子91を受け取り可能な状態の保持部62を保持部移動機構66により受渡位置P2まで移動させる。これらにより、把持部44に把持された帯片93の延在方向がy軸方向に沿った姿勢で把持爪46の先端が保持部62の把持爪用凹部63aに位置し、帯片93の一端側部分93aが保持部62に保持可能な状態になる。
【0060】
なお、ここでは、把持部回動機構54により把持部44を回動させた後、把持部直線移動機構52により把持部44を直線移動させているが、このことは必須ではない。例えば、把持部直線移動機構52により把持部44を直線移動させた後、把持部回動機構54により把持部44を回動させてもよい。また、例えば、把持部直線移動機構52による把持部44の直線移動と、把持部回動機構54による把持部44の回動とが同時に行われてもよい。
【0061】
次ステップS4において、第1搬送機構42から第2搬送機構60に帯片付端子91を受け渡す。具体的には、第2搬送機構60の保持部62が帯片付端子91の一端側部分を掴んだ後、把持部44は帯片付端子91の把持を解除する。これによって、受渡位置P2において、第1搬送機構42から第2搬送機構60に、帯片付端子91が受け渡されることになる。
【0062】
次ステップS5において、圧着準備を行う。具体的には、第2搬送機構60は、帯片付端子91を保持した保持部62を目標位置P3まで移送する。
【0063】
次ステップS6において、帯片93の分離及び端子94の圧着を行う。この際、第2搬送機構60の保持部62は、圧着が終わるまで待機している。具体的には、帯片付端子91を保持した保持部62が目標位置P3に位置した状態で、電線80を帯片付端子91の上方に配設する。ここでは、保持部62の上面に設けられたガイド凹部63bに電線80を配置する。この際、電線80の芯線露出部がバレル部95によって加締められる位置に電線80を配置する。そして、ラム部材78を下降させることによって、ラム部材78に取り付けられた上金型72及び押圧部79を下降させる。押圧部79が下降すると、やがて、押圧部79が保持部62を下方に押圧し、保持部62が下金型74に対して下方に移動する。これにより、帯片付端子91が帯片93と端子94との連結部分でせん断され、帯片93と端子94とに分離される。また、上金型72が下降することにより、電線80とバレル部95が上金型72と下金型74とに挟み込まれ、バレル部95が電線80に圧着される。
【0064】
以上が、1つの帯片付端子91について端子搬送装置40が行う動作である。複数の帯片付端子91について以上の動作を繰り返すことで、複数の端子付電線が連続して製造される。
【0065】
なお、第1搬送機構42は、第2搬送機構60が帯片付端子91を目標位置P3まで移送すると共に、圧着中に待機している間に、次の帯片付端子91の受け取りに係る動作を進行させているとよい。つまり、ステップS5及びステップS6の間に、第1搬送機構42が次の帯片付端子91についてステップS1及びステップS2を行っているとよい。このことを別の視点から見ると、第1搬送機構42がステップS1及びステップS2を行っている間に、第2搬送機構60は、前の帯片付端子91についてステップS5及びステップS6を行っているとよい。
【0066】
第1搬送機構42は、制御部100から終了指示を受けるまで、上記のステップS1〜ステップS4の動作を繰り返して行う。つまり、第1搬送機構42は、帯片付端子91を、起点位置P1から受渡位置P2まで搬送する動作を反復して行う。なお、起点位置P1が複数の端子送り機構20にそれぞれ設定されている場合等、起点位置P1が複数ある場合に、複数の起点位置P1に対してどのような順番で把持部44をアクセスさせるかは、制御部100からの指示に応じて決定されるものとする。
【0067】
第2搬送機構60は、制御部100から終了指示を受けるまで、上記のステップS3〜ステップS6の動作を繰り返して行う。つまり、第2搬送機構60は、受渡位置P2で帯片付端子91を受け取るとともに、目標位置P3に帯片付端子91を移送し、圧着中に待機する動作を反復して行う。
【0068】
<位置調整>
次に、帯片付端子91の保持位置の調整に係る動作について、
図9及び
図10を参照しつつ説明する。
図9は、第1搬送機構42により帯片付端子91の把持位置調整を行っている様子を説明する図である。
図10は、第1搬送機構42による帯片付端子91の把持位置に応じて第2搬送機構60の保持位置が変化する様子を説明する図である。
【0069】
端子搬送装置40において、上記したように、把持部44が帯片93を把持する位置を調節することで、保持部62に対する帯片付端子91の位置が変化する。具体的には、第1搬送機構42において、把持部44が帯片93を把持する際に、帯片93に対する把持位置をx軸方向に調節することで、第2搬送機構60に帯片付端子91を受け渡す際に、第2搬送機構60において保持部62が保持する帯片93の位置がy軸方向に変化する。
【0070】
この位置調整を実施するに当たり、上記把持爪46が有効である。即ち、把持爪の中間部分に間隔が設けられていないと、端子94の幅寸法(帯片93の延在方向に沿った寸法)が小さい場合でも、選択した把持位置によっては、把持爪46と端子94とが干渉する恐れがある。これに対して、ここでは、把持爪46の中間部分46bに間隔が設けられているため、端子94を把持爪46の中間部分46bが帯片93の延在方向に沿って端子94に近い位置、場合によっては把持方向から見て端子94と重なる位置を把持した場合でも、端子94が収容空間に収まることによって端子94と把持爪46とが干渉しにくくなる。
【0071】
より具体的には、
図9に示すように、起点位置P1において把持部44の位置を把持部直線移動機構52によりx軸方向に調節する。
図9では、把持部44が、帯片93に対して3か所の把持位置T1、T2、T3で把持する様子が示されている。このうち把持位置T1では、把持部44が実線で示され、把持位置T2、T3では、把持部44が仮想線(二点鎖線)で示されている。把持位置T2は、把持位置T1よりも帯片93の一端側、つまり、
図9でx軸方向負の方向に位置している。把持位置T3は、把持位置T1よりも帯片93の他端側、つまり、
図9でx軸方向正の方向に位置している。
【0072】
そして、上記3か所の把持位置T1、T2、T3でそれぞれ把持した帯片付端子91を受渡位置P2まで搬送した場合を想定する。この際、把持部回動機構54により把持部44を90度回転させるため、
図10に示すように、受渡位置P2において、帯片付端子91は帯片93の延在方向がy軸方向に沿った姿勢で受け渡される。
図10では、保持部62が、帯片93に対して3か所の保持位置H1、H2、H3で保持する様子が示されている。このうち保持位置H1では、帯片付端子91が実線で示され、保持位置H2、H3では、帯片付端子91が仮想線(二点鎖線)で示されている。保持位置H1は、把持位置T1に対応し、保持位置H2は、把持位置T2に対応し、保持位置H3は、把持位置T3に対応する。
【0073】
即ち、帯片付端子91を把持位置T1で把持した場合、第2搬送機構60に受け渡された帯片付端子91は保持位置H1で保持部62に保持される。また、帯片付端子91を把持位置T1よりも
図9でx軸方向負の方向に位置する把持位置T2で把持した場合、第2搬送機構60に受け渡された帯片付端子91は、
図10で保持位置H1よりもy軸方向正の方向に位置する保持位置H2で保持部62に保持される。また、帯片付端子91を把持位置T1よりも
図9でx軸方向正の方向に位置する把持位置T3で把持した場合、第2搬送機構60に受け渡された帯片付端子91は、
図10で保持位置H1よりもy軸方向負の方向に位置する保持位置H3で保持部62に保持される。
【0074】
以上に示したように、起点位置P1で把持部44が帯片付端子91を把持する際に、把持部44が把持する位置をx軸方向に調節することで、受渡位置P2で保持部62が帯片付端子91を保持する際に、保持部62が保持する位置がy軸方向に変化する。これを利用することで、y軸方向に沿った所望の位置で保持部62が帯片付端子91を保持することができる。
【0075】
ここで、圧着の際に目標位置P3において第2搬送機構60に保持された帯片付端子91の圧着部95の中心軸と圧着用の金型72、74の中心軸とが圧着方向から見て一致することが求められる。以降、これに係る動作をセンター合わせと称する。端子94の種類ごとに保持部62に対して帯片付端子91の圧着部95の位置がその都度異なると、第2搬送機構60側でセンター合わせをする必要が生じ、第2搬送機構60側の制御が複雑になる。これに対して、保持部62に対して帯片付端子91の圧着部95の位置が一定であれば、保持部62を目標位置P3まで一定距離移動させるような簡単な制御で済む。この際、上述したように第1搬送機構42側で把持部44が帯片93を把持する位置を調節することで、端子94の種類がことある場合でも保持部62に対して所定の位置に帯片付端子91のバレル部95が位置するよう受け渡すことが可能となる。
【0076】
より詳細には、所望の位置は、例えば、ガイド凹部63bの円弧の中心軸に設定することができる。即ち、圧着の際に目標位置P3においてガイド凹部63bの円弧の中心軸がセンターと一致するように、目標位置P3における保持部62の位置を設定する。これにより、帯片付端子91の圧着部95の中心軸が圧着方向から見てガイド凹部63bの円弧の中心軸に一致するように受渡位置P2において保持部62が帯片付端子91を保持することで、センター合わせが可能となる。従って、受渡位置P2で保持部62が帯片付端子91を保持する際に、帯片付端子91の圧着部95の中心軸が圧着方向から見てガイド凹部63bの円弧の中心軸に一致するように、起点位置P1で把持部44が帯片付端子91の帯片93の把持位置を調整すると、第2搬送機構60側で複雑な制御をしなくても、センター合わせが可能となる。
【0077】
このような端子搬送装置40及びこれが組み込まれた端子圧着装置10によると、帯片付端子91を起点位置P1から受渡位置P2まで搬送可能に設けられ、帯片付端子91の帯片93の第1部分を把持する一対の把持爪46を有し、一対の把持爪46の先端が帯片付端子91の帯片93を把持した状態で中間部分46bに間隔があくように設けられた把持部44と、把持部44を起点位置P1から受渡位置P2まで往復移動可能に設けられた把持部移動機構50と、を含む第1搬送機構42を備えるため、把持爪46の中間部分46bに帯片付端子91の端子94部分を収容可能な収容空間が形成される。これにより、端子94部分が把持爪46側に突出した帯片付端子91を搬送する際に、一対の把持爪46が端子94部分側から帯片93を把持した場合でも、端子94部分が収容空間に収まることによって、端子94部分と把持爪46とが干渉しにくくなる。
【0078】
また、把持部移動機構50は、把持部44を回動させる把持部回動機構54をさらに含み、起点位置P1で受け取った帯片付端子91を回動させた姿勢で第2搬送機構60に受け渡し、把持爪46が起点位置P1で帯片付端子91を把持する際に帯片93の把持位置を選択可能に設けられているため、把持爪46が選択した把持位置によって受渡姿勢が変わる。この際、圧着の際に目標位置P3において第2搬送機構60に保持された帯片付端子91の圧着部95の中心軸と圧着用の金型72、74の中心軸とが圧着方向から見て一致するように帯片93の把持位置を選択することで、圧着ミスが起こりにくくなる。
【0079】
また、把持部移動機構50は、把持部44を起点位置P1にある帯片付端子91の前記帯片93の延在方向に沿って移動させる把持部直線移動機構52をさらに含むため、簡易な構成で帯片93の把持位置を選択可能となる。また、第2搬送機構60は、第1搬送機構42から帯片付端子91を受け取って保持する保持部62と、把持部直線移動機構52の移動方向と交差する方向に保持部62を移動させる保持部移動機構66とを備えるため、帯片付端子91を回動させると、把持爪46が選択した把持位置によって保持部62の移動方向に沿って受渡姿勢が変わる。
【0080】
{変形例}
次に変形例に係る端子搬送装置40Aについて説明する。
図11は、変形例に係る端子搬送装置40Aの構成を模式的に示す平面図である。
図12は、変形例に係る端子搬送装置40Aの動作例を模式的に示す平面図である。なお、本変形例の説明において、実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0081】
変形例に端子搬送装置40Aは、保持部62が複数(ここでは、2つ)設けられている。また、第1搬送機構42が複数(ここでは、2つ)設けられている。
【0082】
具体的には、第2搬送機構60Aは、同じ保持部移動機構66により移動可能に設けられた2つの保持部62を含む。2つの保持部62は、移動方向に沿って間隔をあけて配設され、当該間隔を保った状態で、同時に移動する。より詳細には、受渡位置P2aと目標位置P3との間を往復移動する保持部62aと、受渡位置P2bと目標位置P3との間を往復移動する保持部62bとが設けられている。ここで、受渡位置P2aと目標位置P3との間の寸法、受渡位置P2bと目標位置P3との間の寸法、及び2つの保持部62a、62bの間隔が同じ寸法に設定されている。そして、2つの保持部62a、62bが、当該間隔を保った状態で、同時に移動することにより、2つの保持部62a、62bは、一方が受渡位置P2に位置する状態で、他方が目標位置P3に位置する。
【0083】
2つの第1搬送機構42のうち一方の第1搬送機構42aは、起点位置P1から受渡位置P2aまで帯片付端子91を搬送し、受渡位置P2aにて保持部62aに帯片付端子91を受け渡す。また、2つの第1搬送機構42のうち他方の第1搬送機構42bは、起点位置P1から受渡位置P2bまで帯片付端子91を搬送し、受渡位置P2bにて保持部62bに帯片付端子91を受け渡す。
【0084】
このような端子搬送装置40Aによると、一方の保持部62が受渡位置P2にて第1搬送機構42から帯片付端子91を受け取っている間に、他方の保持部62が目標位置P3に位置し、圧着機構70による圧着を行うことができる。これにより、端子付電線の製造に係る効率性が向上される。
【0085】
この際、第1搬送機構42が上述した位置調整を行うことで、保持部62a、62bに対してそれぞれ所望の位置に帯片付端子91が保持される。これにより、第2搬送機構60で複雑な制御をしなくても、目標位置P3にてセンター合わせが可能となる。
【0086】
{別の変形例}
実施形態において、端子搬送装置40は、第1搬送機構42と第2搬送機構60とを備えるものとして説明したが、このことは必須ではない。例えば、端子搬送装置は第1搬送機構42のみを備えていてもよい。この場合、第1搬送機構42が帯片付端子91を受け渡す受渡位置P2にて端子94の圧着が行われることが考えられる。
【0087】
また、第1搬送機構42は、把持部直線移動機構52と把持部回動機構54とを含むものとして説明したがこのことは必須ではない。例えば、第1搬送機構は、把持部直線移動機構52と把持部回動機構54とのうちどちらか一方のみを含んでいればよい。
【0088】
つまり、端子搬送装置40は、帯片付端子91を起点位置P1から例えば、端子94の圧着位置など、別の位置まで搬送できればよく、その経路及び移動方法等は適宜設定されていればよい。
【0089】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【0090】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。