【解決手段】パージノズル10は、容器4が載置されるベース部2を上下方向に沿って貫通し、容器4の内部に供給するためのパージガスPが流通する配管部20と、配管部20が挿通された挿通孔33が設けられ、容器4の注入口4Aに接触するノズル部30と、配管部20が挿通された内側領域62が設けられ、上下方向におけるノズル部30の位置を調整する位置調整部60と、を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなパージノズルでは、例えば容器の種類が変わること等によって注入口とパージノズルとの位置関係が変わった場合、注入口とパージノズルとが良好に接触せず、パージガスが容器の内部に確実に供給されないおそれがある。従来、そのような場合であってもパージガスが容器の内部に確実に供給されるように、パージノズルについて種々の工夫が提案されている。
【0005】
本発明は、構造の複雑化を抑制しつつ、容器の内部にパージガスを確実に供給することができるパージノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るパージノズルは、容器が載置されるベース部を所定方向に沿って貫通し、容器の内部に供給するためのパージガスが流通する配管部と、配管部が挿通された第1挿通領域が設けられ、容器の注入口に接触するノズル部と、配管部が挿通された第2挿通領域が設けられ、所定方向におけるノズル部の位置を調整する位置調整部と、を備える。
【0007】
このパージノズルでは、ベース部を貫通する配管部によってパージガスの流路が形成されている。更に、配管部がノズル部の第1挿通領域及び位置調整部の第2挿通領域に挿通されていることで、所定方向と交差する方向へのノズル部及び位置調整部の移動が規制されていると共に、所定方向へのノズル部の案内が可能となっている。すなわち、配管部は、パージガスの流路の形成手段として機能するだけでなく、ノズル部及び位置調整部の位置決め手段並びにノズル部の案内手段としても機能する。これにより、ノズル部及び位置調整部の位置決め手段並びにノズル部の案内手段として機能する構成を配管部とは別に設けることが不要となる。また、このパージノズルでは、容器の注入口とパージノズルとの位置関係が変わった場合でも、所定方向におけるノズル部の位置の調整が可能であるため、容器の注入口にノズル部を確実に接触させることができる。よって、このパージノズルによれば、構造の複雑化を抑制しつつ、容器の内部にパージガスを確実に供給することが可能となる。
【0008】
また、ノズル部は、第1挿通領域において配管部とノズル部との間の隙間を塞ぐ環状の弾性部材を有していてもよい。上記のように構成されたパージノズルでは、所定方向へのノズル部の案内が可能となっていることから、配管部とノズル部との間に隙間が形成され、この隙間からパージガスが漏れるおそれがある。この点、このパージノズルによれば、配管部とノズル部との間の隙間が環状の弾性部材によって塞がれているため、当該隙間からパージガスが漏れることを抑制することができる。
【0009】
また、ノズル部は、所定方向に沿って移動可能であり、位置調整部は、所定方向に沿って容器側にノズル部を付勢する弾性体であってもよい。この構成によれば、弾性体の付勢力によって容器の注入口とノズル部とが密着した状態が保たれつつ、容器によってノズル部が移動させられる。したがって、容器の注入口とパージノズルとの位置関係が変わった場合でも、容器の内部にパージガスを確実に供給することができる。
【0010】
また、配管部とノズル部との間に隙間が形成されていてもよい。この構成によれば、ノズル部が首振り構造となるため、例えばベース部の平面度に誤差がある場合でも、当該誤差に対応してノズル部の角度を変更させ、容器の注入口にノズル部を確実に接触させることができる。
【0011】
また、ノズル部は、位置調整部を介してベース部に固定されており、位置調整部は、必要に応じて挿入される1又は複数のスペーサであってもよい。この構成によれば、ノズル部とベース部との間に介在させるスペーサの枚数又は厚さを変更することで、所定方向におけるノズル部の位置を調整することができる。したがって、容器の注入口とパージノズルとの位置関係が変わった場合でも、容器の内部にパージガスを確実に供給することができる。
【0012】
また、第2挿通領域は、所定方向から見て、スペーサの外縁に開口していてもよい。この構成によれば、ノズル部をベース部に仮固定した状態で、ベース部とノズル部との間に対してスペーサを挿抜することができる。したがって、所定方向におけるノズル部の位置の調整における作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、構造の複雑化を抑制しつつ、容器の内部にパージガスを確実に供給することができるパージノズルを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。また、以下の説明において、「上」「下」「左」「右」等の方向は例示であり、使用時又は製造時における状態を限定しない。
【0016】
[第1実施形態]
図1に示されるように、パージノズル10は、ベース部(棚受け)2に設けられている。パージノズル10及びベース部2は、例えば、クリーンルーム内に設置されたパージストッカの保管棚を構成している。保管棚においては、ベース部2に載置された容器4の内部にパージノズル10からパージガスPが供給されて、容器4の内部の清浄度が維持される(
図3参照)。容器4は、例えば、半導体ウェハ若しくはガラス基板等を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)、又はレチクルを収容するレクチルポッド等である。パージガスPは、例えば、不活性ガス又は清浄乾燥空気等である。
【0017】
ベース部2は、板状の支持部材であり、移載装置が保管棚に対して容器4を移載するために、上下方向(鉛直方向)から見て略U字形状に形成されている。ベース部2には、ベース部2から上側に突出する3本のキネマティックピン2Aが設けられている。3本のキネマティックピン2Aは、ベース部2に容器4が載置される際に、それぞれ、容器4の底面に設けられた3つの溝部に嵌まる。つまり、容器4は、保管棚において、3本のキネマティックピン2Aによって位置決めされると共に支持される。
【0018】
更に、ベース部2には、容器4の内部にパージガスPを供給するパージノズル10と、容器4の内部からパージガスPを排出する排出ノズル70と、が設けられている。パージノズル10は、
図2及び
図3に示されるように、ベース部2を上下方向に沿って貫通する取付孔2Bに固定されている。パージノズル10は、配管部20と、ノズル部30と、コイルスプリング(位置調整部)60と、を備えている。
【0019】
配管部20は、流路が設けられた円筒状の本管部22と、本管部22の流路に連続する流路が設けられた継手部24と、を有している。本管部22は、取付孔2Bに挿通されており、ベース部2を上下方向(所定方向)に沿って貫通している。継手部24は、ベース部2よりも下側に配置され、パージガスPの供給配管80に接続されている。これにより、配管部20の流路と供給配管80の流路とが連続し、配管部20をパージガスPが流通する。配管部20は、後述する第2固定部材46に継手部24が固定されることで、ベース部2に固定されている。なお、配管部20は、例えば供給配管80の一部であってもよく、供給配管80をベース部2の裏面に固定部材等を用いて固定することで、配管部20をベース部2に固定するようにしてもよい。
【0020】
ノズル部30は、本体部32と、接触部40と、Oリング(弾性部材)50と、を有している。本体部32には、円柱形状の挿通孔(第1挿通領域)33が設けられている。挿通孔33には、配管部20の本管部22が挿通されている。本体部32は、本管部22が挿通孔33に挿通されていることで、本管部22に沿って上下方向に移動可能となっている。挿通孔33の内面と本管部22の外面との間の隙間は、例えば0.3mm以上0.5mm以下に設定されている。
【0021】
挿通孔33の内面には、本管部22を囲むように環状の溝34が設けられている。溝34には、Oリング50が配置されている。本体部32の下面には、上下方向から見て挿通孔33を囲むように環状の溝35が設けられている。溝35には、弾性体であるコイルスプリング60の上端部が配置されている。本体部32の上面には、上下方向から見て挿通孔33を囲むように環状の溝36が設けられている。溝36には、接触部40が取り付けられている。本体部32の下端部には、外側に突出するフランジ部37が設けられている。フランジ部37の外径は、取付孔2Bの内径よりも小さくなっている。
【0022】
接触部40は、上下方向から見て挿通孔33を囲むように環状に形成されている。接触部40は、その下端部を溝36に嵌め込むことで、本体部32に固定されている。接触部40の上面は、容器4がベース部2に載置された際に、容器4の底面に設けられた注入口4A(
図3参照)に接触する。これにより、接触部40の内側の領域を介して配管部20と容器4とが連通し、容器4の内部へのパージガスPの供給が可能となる。
【0023】
接触部40は、容器4に繰り返し接触するため、耐久性が高いことが好ましい。具体的には、永久変形又は変質し難いことが好ましい。また、容器4の注入口4Aに付着し難いことが好ましい。更に、容器4内の清浄度を保つために、アウトガスの発生量が少ないことが好ましい。接触部40は、以上の要求を満たし得るゴム、樹脂、又はステンレス若しくはアルミニウム等の金属によって形成されている。ここでは、接触部40は、フッ素ゴムにより形成されている。
【0024】
パージノズル10は、固定部材42を更に備えている。固定部材42は、環状の第1固定部材44と、板状の第2固定部材46と、を有している。第1固定部材44には、2つの挿通孔44Aが設けられている。第2固定部材46には、上下方向において2つの挿通孔44Aにそれぞれ対向するように、2つのボルト孔46Aが設けられている。また、第2固定部材46の中央には、挿通孔46Bが設けられている。挿通孔46Bには、本管部22が挿通された状態で固定されている。なお、ベース部2には、上下方向において2つの挿通孔44Aにそれぞれ対向するように、複数の挿通孔2Cが設けられている。
【0025】
固定部材42は、第1固定部材44と第2固定部材46とでベース部2を挟んだ状態で、2本の固定ボルト48によってベース部2に固定されている。具体的には、固定部材42は、各固定ボルト48が挿通孔44A及び挿通孔2Cに挿通されてボルト孔46Aに締結されることで、ベース部2に固定されている。
【0026】
これら第1固定部材44と第2固定部材46との間に、本体部32のフランジ部37が配置されている。これにより、上下方向における本体部32の位置は、フランジ部37が第1固定部材44の下面に当接する上側位置と、フランジ部37が第2固定部材46の上面に当接する下側位置との間で規制されている。後述するように、本体部32は、コイルスプリング60によって上側に付勢されており、容器4がベース部2に載置されていないときには、上側位置に位置し(
図2参照)、容器4がベース部2に載置されているときには、上側位置と下側位置との間に位置する(
図3参照)。
【0027】
挿通孔33の内面に形成された溝34内に配置されたOリング50は、本管部22及び本体部32によって圧縮されており、本管部22及び本体部32に密着している。これにより、本管部22と本体部32との間の隙間が塞がれ、当該隙間からパージガスPが漏れることが抑制されている。すなわち、Oリング50は、挿通孔33において、配管部20と本体部32との間の隙間を塞いでいる。
【0028】
コイルスプリング60の内側領域(第2挿通領域)62には、本管部22が挿通されている。コイルスプリング60の上端部は、本体部32の溝35に配置されている。コイルスプリング60の下端部は、第2固定部材46に当接している。コイルスプリング60は、本体部32及び第2固定部材46によって圧縮された状態となっている。これにより、コイルスプリング60は、上下方向に沿って容器4側(上側)に本体部32を付勢している。
【0029】
図1に示されるように、排出ノズル70は、パージノズル10と同様の構成を有している。排出ノズル70は、供給配管80に代えてパージガスPの排出配管82に接続されており、容器4からパージガスPを排出する。なお、排出ノズル70に代えて、パージノズル10を更に設けてもよい。また、排出ノズル70は、省略されてもよい。
【0030】
次に、
図3を参照して、ベース部2に容器4が載置される場合について説明する。
図3に示されるように、容器4がベース部2に近づくと、まず、ノズル部30の接触部40が容器4の注入口4Aに接触する。より具体的には、注入口4Aを構成する開口の周縁部に接触する。そして、コイルスプリング60の付勢力によって注入口4Aと接触部40とが密着した状態に保たれつつ、ノズル部30が容器4によって押し下げられる。容器4がベース部2に更に近づくと、ベース部2のキネマティックピン2Aが容器4の溝部に当接し、注入口4Aと接触部40とが密着した状態で、ベース部2に容器4が載置される。このように、コイルスプリング60は、上下方向におけるノズル部30の位置を調整する位置調整部として機能する。
【0031】
なお、注入口4Aとパージノズル10との位置関係は、容器4の種類が変わることによって、変わる場合がある。また、注入口4Aとパージノズル10との位置関係は、組付誤差、経年変化等に起因するベース部2の平面度のばらつきによって、変わる場合がある。更に、注入口4Aとパージノズル10との位置関係は、同一種類の容器4が用いられていても、容器4の製造誤差等によって、変わる場合がある。パージノズル10では、以上の場合であっても、容器4の注入口4Aと接触部40とが接触しさえすれば、コイルスプリング60の付勢力によって注入口4Aと接触部40とが密着した状態に保たれつつ、ノズル部30が容器4によって押し下げられることで、上下方向におけるノズル部30の位置が自動的に調整されることとなる。これにより、容器4の注入口4Aとパージノズル10との位置関係が変わった場合でも、容器4の内部にパージガスPを確実に供給することができる。
【0032】
以上説明したように、パージノズル10では、ベース部2を貫通する本管部22によってパージガスPの流路が形成されている。更に、本管部22がノズル部30の挿通孔33及びコイルスプリング60の開口部62に挿通されていることで、水平方向(上下方向と交差する方向)へのノズル部30及びコイルスプリング60の移動が規制されていると共に、上下方向へのノズル部30の案内が可能となっている。すなわち、本管部22は、パージガスPの流路の形成手段として機能すると共に、ノズル部30及びコイルスプリング60の位置決め手段並びにノズル部30の案内手段としても機能する。これにより、ノズル部30及びコイルスプリング60の位置決め手段並びにノズル部30の案内手段として機能する構成を本管部22とは別に設けることが不要となる。
【0033】
また、パージノズル10では、容器4の注入口4Aとパージノズル10との位置関係が変わった場合でも、上下方向におけるノズル部30の位置の調整が可能であるため、容器4の注入口4Aにノズル部30を確実に接触させることができる。よって、このパージノズル10によれば、構造の複雑化を抑制しつつ、容器4の内部にパージガスPを確実に供給することが可能となっている。
【0034】
また、パージノズル10によれば、配管部20とノズル部30との間の隙間が環状のOリング50によって塞がれているため、当該隙間からパージガスPが漏れることを抑制することができる。更に、パージノズル10によれば、配管部20の外側にOリング50が配置されており、Oリング50がパージガスPの流路上に配置されていないことから、ノズル部30の上下方向における摺動に起因してOリング50からパーティクルが剥離した場合でも、当該パーティクルが容器4内に混入してしまうことを抑制することができる。なお、配管部20とノズル部30との間の隙間においては、容器4側(上側)が陽圧となっていることから、発生したパーティクルが容器4と反対側(下側)に排出されることとなる。
【0035】
また、パージノズル10によれば、コイルスプリング60の付勢力によって容器4の注入口4Aとノズル部30とが密着した状態が保たれつつ、容器4によってノズル部30が移動させられる。したがって、容器4の注入口4Aとパージノズル10との位置関係が変わった場合でも、容器4の内部にパージガスPを確実に供給することができる。また、容器4の注入口4Aとパージノズル10との位置関係が変わった場合に、それに対応して上下方向におけるノズル部30の位置を変更する等の作業を行う必要がないことから、上下方向におけるノズル部30の位置の調整における作業性を向上させることができる。
【0036】
また、パージノズル10では、挿通孔33の内面と本管部22の外面との間に隙間が形成されており、ノズル部30が首振り構造となっているため、例えばベース部2の平面度に誤差がある場合でも、当該誤差に対応してノズル部30の角度を変更させ、容器4の注入口4Aにノズル部30の接触部40を確実に接触させることができる。なお、挿通孔33の内面と本管部22の外面との間の隙間は、本体部32の本管部22に対する摺動を可能としつつ、本体部32と本管部22との間の隙間をなるべく小さくするために、例えば0.1mm程度に設定することが考えられる。これに対して、パージノズル10では、当該隙間は、0.3mm以上0.5mm以下に設定されている。これにより、ノズル部30の角度を好適に変更させ、容器4の注入口4Aにノズル部30の接触部40を確実に接触させることが可能となっている。
【0037】
[第2実施形態]
図4に示されるように、パージノズル110は、配管部20と、ノズル部130と、スペーサ(位置調整部)160と、を備えている。
【0038】
ノズル部130は、本体部132と、接触部40と、Oリング50と、を有している。本体部132は、第1本体部132A及び第2本体部132Bを含んでいる。第1本体部132Aには、挿通孔(第1挿通領域)133Aが設けられている。第2本体部132Bには、挿通孔(第1挿通領域)133Bが設けられている。挿通孔133A,133Bには、本管部22が挿通されている。第1本体部132A及び第2本体部132Bは、本管部22が挿通孔133A,133Bに挿通されていることで、本管部22に沿って上下方向に移動可能となっている。なお、本体部132、接触部40、及びOリング50を一体構造としてノズル部130を構成してもよい。
【0039】
第1本体部132Aの下面には、本管部22を囲むように環状の溝134が設けられている。溝134には、Oリング50が配置されている。第1本体部132Aの上面には、上下方向から見て挿通孔133Aを囲むように環状の溝36が設けられている。溝36には、接触部40が取り付けられている。第1本体部132Aには、2つの挿通孔144が設けられている。第2本体部132Bには、上下方向において2つの挿通孔144とそれぞれ対向するように、2つの挿通孔146が設けられている。第1本体部132A及び第2本体部132Bは、2本の固定ボルト148によってベース部2に固定されている。具体的には、第1本体部132A及び第2本体部132Bは、挿通孔144,146に挿通された固定ボルト148が、ベース部2に設けられたボルト孔2Dに締結されることで、ベース部2に固定されている。なお、第1本体部132A及び第2本体部132Bは、取り扱いを容易にするために、固定ボルト148による固定とは別に、例えばネジ等によって互いに締結されていてもよい。
【0040】
スペーサ160は、互いに同形状の複数(
図4の例では、4枚)のシート状部材であり、ベース部2とノズル部130(第2本体部132B)との間に配置されている。
図5に示されるように、スペーサ160は、上下方向から見て略U字形状に形成されており、開口部162と、一対の切り欠き部166と、を有している。開口部(第2挿通領域)162には、本管部22が挿通されている。開口部162は、上下方向から見て、スペーサ160の外縁に開口している。開口部162の幅は、本管部22の外径以上となっている。これにより、スペーサ160は、配管部20に対して水平方向に挿抜可能となっている。一対の切り欠き部166は、スペーサ160を外縁から矩形状に切り欠いたような形状を有し、開口部162を挟むように配置されている。これら一対の切り欠き部166のそれぞれに、固定ボルト148が挿通(配置)されている。なお、切り欠き部166は、成形後にスペーサ160を外縁から切り欠くことにより形成されてもよく、成形時に形成されてもよい。
【0041】
パージノズル110では、スペーサ160の枚数によって上下方向におけるノズル部130の位置が規定される。したがって、スペーサ160の枚数を変更することで、上下方向におけるノズル部130の位置を調整することができる。この調整の際には、
図6に示されるように、固定ボルト148を緩めることにより、ノズル部130をベース部2に仮固定した状態で、ベース部2とノズル部130との間に対してスペーサ160を挿抜することができる。
【0042】
以上説明したパージノズル110によれば、ノズル部130とベース部2との間に介在させるスペーサ160の枚数を変更することで、上下方向におけるノズル部130の位置を調整することができる。したがって、容器4の注入口4Aとパージノズル110との位置関係が変わった場合でも、容器4の内部にパージガスPを確実に供給することができる。したがって、パージノズル110によっても、上記第1実施形態のパージノズル10と同様に、構造の複雑化を抑制しつつ、容器4の内部にパージガスPを確実に供給することが可能となっている。
【0043】
また、パージノズル110によれば、ノズル部130をベース部2に仮固定した状態で、ベース部2とノズル部30と間に対してスペーサ160挿抜することができる。したがって、上下方向におけるノズル部130の位置の調整における作業性を向上させることができる。
【0044】
また、パージノズル110によれば、ノズル部130がベース部2に固定ボルト148で固定されていることから、容器4がベース部2に載置された場合にノズル部130が移動することがなく、容器4の注入口4Aにノズル部130を確実に接触させることができる。
【0045】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
【0046】
例えば、上記第1実施形態では、弾性体としてコイルスプリング60を用いたが、弾性体は、上下方向に沿って容器4側にノズル部30を付勢可能であればよく、これに限定されない。例えば、弾性体は、板バネを分散配置したものであってもよく、又はゴムを環状に成形したもの等であってもよい。
【0047】
また、上記第2実施形態では、開口部162が上下方向から見てスペーサ160の外縁に開口していたが、スペーサ160の外縁に開口していなくてもよい。例えば、開口部162は、スペーサ160に設けられた貫通孔であってもよい。この場合、上下方向におけるノズル部130の位置を調整する際には、ノズル部130を取り外した後、スペーサ160を本管部22に沿って上下方向に挿抜すればよい。また、上記第2実施形態では、複数のスペーサ160を互いに同じ厚さとし、スペーサ160の枚数によって上下方向におけるノズル部130の位置を調整したが、複数のスペーサ160の少なくとも一部を互いに異なる厚さとし、複数のスペーサ160の厚さの総和を変更することによって上下方向におけるノズル部130の位置を調整してもよい。また、この場合又は上記第2実施形態において、ノズル部130とベース部2との間に介在させるスペーサ160は、一枚であってもよい。また、当該スペーサ160は、必要に応じて挿入されるものであり、例えば挿入されていなくてもよい。