特開2016-213380IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

ディスプレイ装置に搭載される有機電界発光素子とそれを駆動する薄膜トランジスタで構成される薄膜デバイスおよびその製造方法

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】有機電界発光素子と、この有機電界発光素子を駆動するTFT素子とを一体的に形成する際に、特に、TFT素子の酸化物半導体層またはソース/ドレイン電極をウエットエッチングによりパターニングすることを可能とする。
【解決手段】有機電界発光素子10を、陰極と陽極との間に、酸化物を含む電子注入層3および発光層5を含む複数の層を積層して形成するとともに、TFT素子を、ウエットエッチングによって形成する酸化物半導体層14を含む複数の層を積層して形成し、有機電界発光素子10およびTFT素子20の各層を積層形成する際に、酸化物半導体層14のウエットエッチングで使用するエッチング液に対する電子注入層3のエッチングレートが、このエッチング液に対する酸化物半導体層14のエッチングレートの1/5以下となるように設定する。
【選択図】図1

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

しかしながら、IGZO等を電子注入層とする有機電界発光素子とこれを駆動するIGZO等の酸化物半導体を用いた酸化物TFTを一体的に形成する場合、TFTの半導体層と電子注入層について、ウエットエッチングに対する選択性をとることが難しい。このため半導体層に関してウエットエッチングによるパターニング(形状加工)を行なうことが困難という課題がある。 半導体をパターニングするためにリフトオフ法を用いることも可能であるが、このリフトオフ法を用いた場合には、加工精度が悪くTFT特性の均一化を図ることが難しく、半導体層の残渣の発生により歩留まりが低下するといった課題がある。また、特許文献4に示されているように、半導体層と電子注入層を同時に形成してパターニングする手法が知られているが、これら2つの層の膜厚や成膜条件が同様となってしまうため、各々の層ごとに最適な膜厚や成膜条件に設定することが難しいという課題がある。 また、TFT素子のソース/ドレイン電極としてモリブデンやアルミニウムが幅広く用いられている。これらをウエットエッチングでパターニングする際に幅広く用いられるのがPANエッチング液(リン酸、硝酸、酢酸および水を含むエッチング液)であるが、IGZOやZnOもこのエッチング液に溶解することから、ウエットエッチングによってソース/ドレイン電極をパターニングすることが難しいという課題がある。 さらに、ソース/ドレイン電極をパターニングするためにリフトオフ法を用いることもできるが、このリフトオフ法は上述したように、加工精度が悪くTFT特性の均一化を図ることが難しく、半導体層の残渣の発生により歩留まりが低下するといった課題がある。 本発明は事情に鑑みなされたものであり、電子注入層を含む有機電界発光素子とこれを駆動するTFT素子を一体的に形成する場合に、電子注入層への影響を抑制して、TFT素子の酸化物半導体層またはソース/ドレイン電極をウエットエッチングによりパターニングすることを可能とし得る薄膜デバイスおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明に係る第1の薄膜デバイスの製造方法は、 薄膜トランジスタ素子とこの薄膜トランジスタ素子により駆動される有機電界発光素子を含む薄膜デバイスの製造方法において、 前記有機電界発光素子にあっては、陰極からなる第1の電極膜と陽極からなる第2の電極膜との間に、酸化物を含む電子注入層および発光層を含む複数の層を積層して形成するとともに、前記薄膜トランジスタ素子にあっては、ウエットエッチング・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明の薄膜デバイスの製造方法によれば、電子注入層を含む有機電界発光素子とこれを駆動するTFT素子を一体的に形成する場合に、TFT素子の酸化物半導体層のウエットエッチングで使用するエッチング液に対する前記電子注入層のエッチングレートが、該エッチング液に対する前記酸化物半導体層のエッチングレートの1/5以下となるようにしている。 また、本発明の他の薄膜デバイスの製造方法によれば、酸化物電子注入層を含む有機電界発光素子とこれを駆動するTFT素子を一体的に形成する場合に、ソース/ドレイン電極のウエットエッチングで使用するエッチング液に対する前記電子注入層のエッチングレートが、該エッチング液に対するソース/ドレイン電極のエッチングレートの1/12以下となるようにしている。 これにより、TFT素子の酸化物半導体層またはソース/ドレイン電極に対してウエットエッチングにより処理を行う際に、電子注入層が受けるダメージを大幅に抑制することができるので、このエッチングによりパターニングすることが可能となり、このパターニングを行う際に、酸化物半導体層やソース/ドレイン電極と、電子注入層とを、層ごとに最適な膜厚や成膜条件に設定することができ、製造の歩留まりの低下も抑制することができる。 また、本発明に係る薄膜デバイスによれば、酸化物半導体層の構成材料と電子注入層の構成材料を、この順に、主としてIGZOを含む材料と主としてITZOを含む材料、または主としてZnOを含む材料と主としてITZOを含む材料、または主としてZnOを含む材料と主としてIGZOを含む材料としている。さらに、本発明に係る他の薄膜デバイスによれば、ソース/ドレイン電極の構成材料と酸化物半導体層の構成材料を、この順に、主としてMoを含む材料と主としてITZOを含む材料、または主としてAlを含む材料と主としてITZOを含む材料としている。 したがって、これら本発明に係る薄膜デバイスによれば、酸化物半導体層のエッチングレートに対する電子注入層のエッチングレート、あるいはソース/ドレイン電極のエッチングレートに対する電子注入層のエッチングレートを大幅に低下させることができ、TFT素子の酸化物半導体層またはソース/ドレイン電極をウエットエッチングによりパターニングすることが可能となり、特性の良好な薄膜デバイスを製造することが可能となる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明の第1薄膜デバイスの製造方法の各工程を時系列的に示す図である。

【図2】本発明の第2薄膜デバイスの製造方法の各工程を時系列的に示す図である。

【図3】従来技術に係る薄膜デバイスの製造方法の各工程を時系列的に示す図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1、101、201 基板   2、102、202 画素電極   3、103、203 電子注入層   4、104、204 電子輸送層   5、105、205 発光層   6、106、206 正孔輸送層   7、107、207 正孔注入層(第2の金属酸化物層)   8、108、208 陽極   9、109、209 バッファ層   10、110、210 有機電界発光素子   12、112、212 ゲート電極膜   13、113、213 ゲート絶縁膜   14、114、214 酸化物半導体層   15、115、215 保護膜   16a、116a、216a ソース電極膜   16b、116b、216b ドレイン電極膜   20、120,220 TFT素子  

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