【解決手段】半導体装置1は、半導体基板12を含む。半導体基板12上には、パッシベーション膜14が形成されている。パッシベーション膜14上には、銅を主成分とする配線15が形成されている。パッシベーション膜14と配線15との間には、銅よりも高い剛性率を有するバリアメタル膜26が介在している。
前記バリアメタル膜は、タンタル、タングステン、モリブデン、クロムおよびルテニウムを含む群から選択される1つまたは複数の金属種を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記バリアメタル膜は、100Gpa以上180Gpa以下の剛性率を有し、かつ5μm/m・K未満の熱膨張率を有している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記バリアメタル膜は、タングステン、モリブデンおよびクロムを含む群から選択される1つまたは複数の金属種を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置1を示す底面図である。
図2は、
図1の半導体装置1の内部構造を示す平面図である。
図3は、
図2の切断線III−IIIに沿う断面図である。
図4は、
図3の破線円IVで囲った部分の拡大断面図である。
【0017】
半導体装置1は、QFN(Quad Flat Non-leaded Package)が適用された半導体装置である。半導体装置1は、半導体チップ2と、ダイパッド3と、リード4と、ボンディングワイヤ5と、それらを封止する樹脂パッケージ6とを含む。樹脂パッケージ6(半導体装置1)の外形は、扁平な直方体形状である。
半導体チップ2の表面には、複数のパッド7が配置されている。各パッド7は、たとえば、半導体チップ2の周縁部に形成されている。各パッド7は、たとえば半導体素子と電気的に接続されている。半導体チップ2の裏面には、金(Au)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)等の金属層からなる裏メタル8が形成されている。
【0018】
ダイパッド3およびリード4は、金属薄板(たとえば、銅薄板)を打ち抜くことにより形成される。ダイパッド3およびリード4の表面には、銀からなるめっき層9が形成されている。ダイパッド3は、平面視で正方形状を成し、その中央部に半導体チップ2が配置されている。ダイパッド3の裏面の周縁部には、裏面側からの潰し加工により、その全周にわたって、断面略1/4楕円形状の窪みが形成されている。この窪みに樹脂パッケージ6を構成する封止樹脂が入り込んでいる。
【0019】
これにより、ダイパッド3の周縁部がその上下から封止樹脂(樹脂パッケージ6)で挟まれ、ダイパッド3の樹脂パッケージ6からの脱落が防止(抜け止め)されている。ダイパッド3の裏面は、断面略1/4楕円形状に窪んだ部分を除いて、樹脂パッケージ6の裏面から露出している。ダイパッド3の裏面における樹脂パッケージ6から露出する部分には、半田からなるめっき層10が形成されている。
【0020】
リード4は、ダイパッド3の各側面と対向する位置に、同数(たとえば、9本)ずつ設けられている。ダイパッド3の側面に対向する各位置において、リード4は、その対向する側面に直交する方向に延び、当該側面と平行な方向に等間隔を空けて配置されている。リード4の裏面のダイパッド3側の端部には、裏面側からの潰し加工により、断面略1/4楕円形状の窪みが形成されている。この窪みに、樹脂パッケージ6を構成する封止樹脂が入り込んでいる。
【0021】
これにより、リード4のダイパッド3側の端部がその上下から封止樹脂(樹脂パッケージ6)で挟まれ、リード4の樹脂パッケージ6からの脱落が防止(抜け止め)されている。リード4の裏面は、断面略1/4楕円形状に窪んだ部分を除いて、樹脂パッケージ6の裏面から露出している。また、リード4のダイパッド3側と反対側の側面は、樹脂パッケージ6の側面から露出している。リード4の裏面における樹脂パッケージ6から露出する部分には、半田からなるめっき層10が形成されている。
【0022】
本実施形態では、半導体チップ2は、パッド7が配置されている表面を上方に向けた状態で、その裏面が接合材11を介して、ダイパッド3の表面(めっき層9)に接合されている。接合材11は、たとえば、半田ペーストである。なお、半導体チップ2とダイパッド3との電気的な接続が不要な場合には、裏メタル8が省略されて、半導体チップ2の裏面がダイパッド3の表面に絶縁性ペースト等からなる接合材を介して接合されてもよい。この場合、ダイパッド3の表面上のめっき層9が省略されてもよい。
【0023】
ボンディングワイヤ5は、半導体チップ2のパッド7に接合された一端と、リード4の表面に接合された他端とを有している。ボンディングワイヤ5は、たとえば、銅ワイヤまたは金ワイヤを含む。
図4を参照して、半導体チップ2は、半導体基板12と、多層配線構造13と、本発明の絶縁膜の一例としてのパッシベーション膜14と、配線15とを含む。半導体基板12は、たとえば、半導体素子(ダイオード、トランジスタ、抵抗、キャパシタ等)が形成された素子形成面16を有するシリコン基板からなる。
【0024】
多層配線構造13は、半導体基板12の素子形成面16から順に、層間絶縁膜を介して積層された複数の配線層を有している。本実施形態では、多層配線構造13は、第1層間絶縁膜17を介して半導体基板12の素子形成面16に積層された第1メタル層18と、第2層間絶縁膜19を介して第1メタル層18に積層された第2メタル層20と、第2メタル層20を被覆する第3層間絶縁膜21とを含む。第1層間絶縁膜17、第2層間絶縁膜19および第3層間絶縁膜21は、たとえば、酸化シリコン(SiO
2)、窒化シリコン(SiN)等の絶縁材料を含む。第1メタル層18および第2メタル層20は、アルミニウムを含む。
【0025】
第1メタル層18の上下面には、それぞれ第1層間絶縁膜17および第2層間絶縁膜19への不純物の拡散を防止する上面バリア膜22および下面バリア膜23が形成されている。同様に、第2メタル層20の上下面にはそれぞれ、第2層間絶縁膜19および第3層間絶縁膜21への不純物の拡散を防止する上面バリア膜22および下面バリア膜23が形成されている。第1メタル層18および第2メタル層20の各上面に形成された上面バリア膜22は、たとえば窒化チタンを含んでいてもよい。一方、第1メタル層18および第2メタル層20の各下面に形成された下面バリア膜23は、たとえば第1メタル層18および第2メタル層20の各下面から順に窒化チタンおよびチタンが積層された2層構造を有していてもよい。
【0026】
パッシベーション膜14は、多層配線構造13を被覆するように多層配線構造13上に形成されている。より具体的には、パッシベーション膜14は、第3層間絶縁膜21上に形成されている。パッシベーション膜14は、たとえば酸化シリコン、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)または窒化シリコンであってもよい。パッシベーション膜14は、第3層間絶縁膜21の表面から順に窒化シリコンおよび酸化シリコンが積層された積層構造を有していてもよい。
【0027】
第1メタル層18の上面には、第2層間絶縁膜19を貫通する第1ビア24aが接続されている。第1ビア24aは、第2層間絶縁膜19を貫通して、第2メタル層20の下面に接続されている。第1ビア24aは、タングステンを含む。第1ビア24aと第2層間絶縁膜19との間には、たとえば窒化チタンを含む第1バリア膜25aが介在されている。
【0028】
一方、第2メタル層20の上面には、第3層間絶縁膜21およびパッシベーション膜14を貫通する第2ビア24bが接続されている。第2ビア24bは、パッシベーション膜14の表面から露出している。第2ビア24bは、パッシベーション膜14の表面と面一に形成されている。第2ビア24bは、タングステンを含む。第2ビア24bと第3層間絶縁膜21およびパッシベーション膜14との各間には、たとえば窒化チタンを含む第2バリア膜25bが介在されている。
【0029】
図2の拡大図および
図4を参照して、配線15は、パッシベーション膜14上に互いに間隔を空けて複数本形成されている。各配線15は、パッシベーション膜14の表面から露出する第2ビア24bを覆うように配置されている。各配線15は、ボンディングワイヤ5に電気的に接続される接続部40と、接続部40から選択的に引き出された引き出し部41とを一体的に有している。本実施形態では、接続部40は、前述のパッド7(
図3参照)の一部として平面視において略矩形状に形成されている。各配線15において、互いに隣り合う引き出し部41は、所定の間隔を隔てて互いに並走するように形成されていてもよい。
【0030】
各配線15は、パッシベーション膜14の表面に沿う平坦な上面27を有している。各配線15の幅Wは、たとえば7μm以上20μm以下である。また、各配線15の厚さTは、たとえば7μm以上20μm以下である。これらの数値の範囲において、各配線15のアスペクト比R
15(=厚さT/幅W)は、0<R
15≦1であってもよい。複数の配線15の配線間距離Lは、たとえば20μm以下であってもよい。
【0031】
配線15は、銅を主成分とする金属を含んでいてもよい。銅を主成分とする金属とは、銅の質量比率(質量%)が、他の成分に対して最も高い金属のことをいう(以下、同じ)。たとえば、配線15がアルミニウム−銅(Al−Cu)合金、アルミニウム−シリコン−銅(Al−Si−Cu)合金等からなる場合、銅の質量比率R
Cuは、アルミニウムの質量比率R
Alやシリコンの質量比率R
Siよりも高い(R
Cu>R
Al,R
Cu>R
Si)。銅を主成分とする金属には、微量の不純物を含む場合はあるが、純度99.9999%(6N)以上の高純度銅や、純度99.99%(4N)以上の高純度銅等も含まれる。
【0032】
各配線15とパッシベーション膜14との間には、バリアメタル膜26および銅シード膜(図示せず)が介在するように配置されている。バリアメタル膜26は、パッシベーション膜14上に形成されており、銅シード膜(図示せず)は、バリアメタル膜26上に形成されている。なお、本実施形態では、銅シード膜(図示せず)は、各配線15と一体を成している。バリアメタル膜26は、断面視において、その両端部が配線15の側面28よりも内側に位置するように形成されている。つまり、バリアメタル膜26の幅は、配線15の幅Wよりも小さい。バリアメタル膜26は、配線15の厚さよりも小さい厚さを有している。バリアメタル膜26の厚さは、たとえば0.1μm以上0.3μm以下であってもよい。各配線15は、これら銅シード膜(図示せず)およびバリアメタル膜26を介して第2ビア24bに電気的に接続されている。
【0033】
各配線15の表面には、Ni(ニッケル)膜29、Pd(パラジウム)膜30およびAu(金)膜31の積層膜が形成されている。Ni膜29は、その一方表面および他方表面が各配線15を被覆するように、各配線15の上面27および側面28に沿って形成されている。本実施形態では、Ni膜29のうち各配線15の上面27に形成された部分が他の部分よりも厚く形成されている。Ni膜29は、一様な厚さを有していてもよい。Ni膜29の厚さは、たとえば2μm以上4μm以下であってもよい。
【0034】
Pd膜30は、一様な厚さ(たとえば0.1μm以上0.5μm以下)でNi膜29の全域を被覆している。Au膜31は、たとえばPd膜30よりも薄い一様な厚さ(たとえば0μm以上0.05μm以下)でPd膜30の全域を被覆している。Ni膜29、Pd膜30およびAu膜31の積層膜は、配線15を保護する保護膜として機能している。ボンディングワイヤ5は、Au膜31に接続されている。つまり、本実施形態では、パッド7は、各配線15の接続部40、Ni膜29、Pd膜30およびAu膜31により形成されている。
【0035】
ここで、参考例として、下記表1を参照して、銅よりも低い剛性率からなるバリアメタル膜26を含む半導体装置について考える。表1は、参考例に係る半導体装置の配線15、バリアメタル膜26およびパッシベーション膜14の各材料を示している。以下では、配線15が、純度99.9999%(6N)以上の高純度銅や、純度99.99%(4N)以上の高純度銅等(以下、単に「銅」という。)からなる場合を例にとって説明する。
【0037】
参考例に係る半導体装置は、酸化膜または窒化膜からなるパッシベーション膜14と、銅からなる配線15との間に、銅よりも低い剛性率を有するチタンからなるバリアメタル膜26を含む。製造工程途中または製造後の半導体装置に熱が加えられると、配線15、バリアメタル膜26およびパッシベーション膜14の熱膨張が生じる。配線15およびバリアメタル膜26は、パッシベーション膜14よりも高い熱膨張率を有しており、熱膨張によってパッシベーション膜14の表面に沿う方向の応力を発生させる。
【0038】
バリアメタル膜26は、自らの熱膨張による応力に加えて、配線15からの応力もパッシベーション膜14に伝える。バリアメタル膜26が配線15よりも低い剛性率を有している場合には、配線15からの応力を受けて変形し、配線15の応力をその下方に位置するパッシベーション膜14に伝える。この応力によって、配線15の周縁において応力が集中し、その下方に位置するパッシベーション膜14にクラック(亀裂)が生じる恐れがある。このようなクラックの発生は、配線15を薄膜化することで回避できるかもしれないが、この場合、配線15の抵抗値が増加するという背反がある。
【0039】
以上のことから、チタンに代えてまたはこれに加えて、銅の剛性率(48GPa)よりも高い剛性率を有する金属材料をバリアメタル膜26に採用することにより、パッシベーション膜14におけるクラックの発生を抑制できると考えられる。また、配線15の厚膜化により、当該配線15の抵抗値増加を抑制したり、その低抵抗化を図ったりすることができると考えられる。
【0040】
また、バリアメタル膜26の熱膨張率を、銅の熱膨張率(16.5μm/m・K)、より好ましくはチタンの熱膨張率(8.6μm/m・K)未満にすることにより、クラックの発生を効果的に抑制できると考えられる。言い換えると、バリアメタル膜26の熱膨張率をパッシベーション膜14の熱膨張率に近づけることにより、パッシベーション膜14におけるクラックの発生を効果的に抑制できると考えられる。これらの場合において、抵抗値の増加を抑制する観点から、バリアメタル膜26の金属材料として、チタンの電気抵抗率(=420nΩ・m)よりも小さい金属材料が採用されるのが望ましい。以上の条件を具備するバリアメタル膜26の金属材料の一例が、下記表2に示されている。
【0042】
表2に示すように、バリアメタル膜26は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)およびルテニウム(Ru)を含む群から選択される1つまたは複数の金属種を含むことができる。これらの金属種によれば、4μm/m・K以上7μm/m・K未満の熱膨張率、50Gpa以上180Gpa以下の剛性率および50nΩ・m以上150nΩ・m以下の電気抵抗率を有するバリアメタル膜26を得ることができる。
【0043】
つまり、これらの金属種によれば、銅の熱膨張率(16.5μm/m・K)およびチタンの熱膨張率(8.6μm/m・K)よりも小さい熱膨張率を有するバリアメタル膜26を実現できる。また、これらの金属種によれば、銅の剛性率(48Gpa)またはチタンの剛性率(44Gpa)よりも大きい剛性率を有するバリアメタル膜26を実現できる。さらに、これらの金属種によれば、チタンの電気抵抗率(420nΩ・m)よりも小さい電気抵抗率を有するバリアメタル膜26を実現できる。
【0044】
表2を参照して、4μm/m・K以上5μm/m・K未満の熱膨張率、100Gpa以上180Gpa以下の剛性率および50nΩ・m以上100nΩ・m以下の電気抵抗率の少なくとも1つの条件を具備するバリアメタル膜26が形成されてもよい。これらの条件を全て具備する場合、バリアメタル膜26は、タングステンおよびモリブデンのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0045】
たとえば、バリアメタル膜26は、4μm/m・K以上5μm/m・K未満の熱膨張率および100Gpa以上180Gpa以下の剛性率を有していてもよい。この場合、バリアメタル膜26は、タングステン、モリブデンおよびクロムを含む群から選択される1つまたは複数の金属種を含むことができる。また、バリアメタル膜26は、4μm/m・K以上5μm/m・K未満の熱膨張率および50nΩ・m以上100nΩ・m以下の電気抵抗率を有していてもよい。この場合、バリアメタル膜26は、タングステンおよびモリブデンのうちの少なくとも1つを含むことができる。また、バリアメタル膜26は、100Gpa以上180Gpa以下の剛性率および50nΩ・m以上100nΩ・m以下の電気抵抗率を有していてもよい。この場合、バリアメタル膜26は、タングステン、モリブデンおよびルテニウムを含む群から選択される1つまたは複数の金属種を含むことができる。
【0046】
図4を参照して、チタンに代えて銅よりも高い剛性率を有する金属材料がバリアメタル膜26に採用される場合、パッシベーション膜14は、酸化膜または窒化膜を含んでいてもよい。この場合、バリアメタル膜26は、タンタル、モリブデン、クロムおよびルテニウムを含む群から選択される1つまたは複数の金属種を含むことができる。これらの金属種であれば、パッシベーション膜14との良好な密着性を保ちつつ、当該パッシベーション膜14上にバリアメタル膜26を形成できる。また、バリアメタル膜26は、チタンよりも小さい電気抵抗率を有しているので、半導体装置1の低抵抗化を図ることもできる。
【0047】
一方、チタンに加えて銅よりも高い剛性率を有する金属材料がバリアメタル膜26に採用される場合、
図5に示すような構成となる。
図5は、バリアメタル膜26の一実施例を示す断面図である。
図5では、配線15、バリアメタル膜26およびその周辺の構成のみを図示している。
図5に示すように、配線15とパッシベーション膜14との間には、複数の金属膜が積層された積層構造を有するバリアメタル膜26が介在している。バリアメタル膜26は、パッシベーション膜14上に形成された第1金属膜26aと、第1金属膜26a上に形成された第2金属膜26bとを含む。第1金属膜26aは、チタン膜であり、第2ビア24bに電気的に接続されている。第1金属膜26aの厚さは、たとえば0.1μm以上0.3μm以下であってもよい。一方、第2金属膜26bは、タンタル、タングステン、モリブデン、クロムおよびルテニウムを含む群から選択される1つまたは複数の金属種を含む金属膜である。第2金属膜26bの厚さは、たとえば0.1μm以上0.3μm以下であってもよい。
【0048】
この構成において、パッシベーション膜14は窒化膜であり、第2金属膜26bはタングステン膜であってもよい。パッシベーション膜14が窒化膜であれば、良好な密着性を保ちつつ、パッシベーション膜14上に第1金属膜26a(チタン膜)を形成できる。また、良好な密着性を保ちつつ、第1金属膜26a(チタン膜)上に第2金属膜26b(タングステン膜)を形成できる。
【0049】
以上のように、本実施形態によれば、銅よりも高い剛性率を有するバリアメタル膜26が、銅を主成分とする配線15とパッシベーション膜14との間に介在している。したがって、配線15が熱膨張によってパッシベーション膜14の表面に沿う方向の応力を発生させたとしても、バリアメタル膜26は、当該応力に対して変形し難い。これにより、配線15からの応力がパッシベーション膜14に伝わることをバリアメタル膜26により抑制できる。加えて、バリアメタル膜26は、銅よりも低い熱膨張率を有しているので、バリアメタル膜26の熱膨張による変形量を、配線15の熱膨張による変形量よりも小さくできる。これにより、バリアメタル膜26からパッシベーション膜14に与えられる応力を小さくできる。その結果、パッシベーション膜14においてクラックが生じるのを効果的に抑制できる。また、バリアメタル膜26によりクラックの発生を抑制できる一方で、配線15を厚膜化できるので、配線15の抵抗値増加を抑制したり、その低抵抗化を図ったりすることができる。
【0050】
また、本実施形態では、配線15にボンディングワイヤ5が接続されている。たとえば、ボンディングワイヤ5を配線15に接続するとき、200℃以上(たとえば260℃程度)の温度に半導体基板12等が加熱されることがある。加えられた熱は、直接または半導体基板12等を介して配線15に伝達され、その熱膨張を引き起こす。このとき、バリアメタル膜26は、配線15からの応力を緩和するので、パッシベーション膜14のクラックの発生を抑制できる。
【0051】
図6A〜
図6Fは、
図4の配線15の製造工程の一部を説明するための図である。以下の説明では、必要に応じて前述の
図4を参照する。また、以下では、配線15が高純度銅からなる場合を例にとって説明する。
まず、配線15の形成に先立って、半導体基板12上に多層配線構造13(
図4参照)が形成される。次に、多層配線構造13上にパッシベーション膜14が形成される。次に、パッシベーション膜14を貫通する第2ビア24b(
図4参照)が形成される。次に、
図6Aに示すように、たとえばスパッタ法によって、パッシベーション膜14の表面に、バリアメタル膜26および銅シード膜32がこの順に形成される。
【0052】
次に、
図6Bに示すように、銅シード膜32上に、各配線15を形成すべき領域に選択的に開口34を有するレジスト膜33が形成される。次に、開口34から露出する銅シード膜32の表面から、電解めっきによって銅をめっき成長させる。銅は、開口34の途中部まで成長される(埋め込まれる)。この工程において、めっき成長された銅は、銅シード膜32と一体を成す。これにより、配線15が形成される。
【0053】
次に、
図6Cに示すように、レジスト膜33の開口34を利用して、配線15の上面27から無電解めっきによってNiを成長させる。これにより、Ni膜29の一部が形成される。その後、
図6Dに示すように、レジスト膜33が除去される。
次に、
図6Eに示すように、たとえばウエットエッチングによって、銅シード膜32およびバリアメタル膜26が選択的に除去される。この工程において、バリアメタル膜26の端部が配線15の側面28よりも内側にエッチング(オーバーエッチング)されて、バリアメタル膜26の端部は、配線15の側面28よりも内側に位置するように形成される。これにより、バリアメタル膜26の端部と側面28との間に段差が形成される。なお、この工程において、銅シード膜32と共に配線15の側面28がエッチングされて、配線15の側面28がNi膜29の端部よりも内側に位置するように形成されてもよい。
【0054】
次に、
図6Fに示すように、配線15の側面28およびNi膜29から無電解めっきによって、Ni、PdおよびAuをこの順にめっき成長させる。これにより、Ni膜29、Pd膜30およびAu膜31の積層膜が形成される。その後、半導体基板12を200℃以上(たとえば260℃)の温度にして、配線15(Au膜31)にボンディングワイヤ5(
図4参照)が接続される。
<第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置61の配線15が形成された部分を示す拡大断面図である。
図7は、前述の
図3の破線円IVで囲った部分の拡大図に対応している。
図7において、前述の
図4等に示された各部と対応する部分については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0055】
半導体装置61は、配線15を被覆するようにパッシベーション膜14上に形成された本発明の配線上絶縁膜の一例としての第1樹脂膜62と、配線15に電気的に接続されるように第1樹脂膜62上に形成された再配線63とを含む。第1樹脂膜62は、たとえばポリイミド樹脂を含む。第1樹脂膜62は、配線15の一部を電極パッド64として露出させるパッド開口65を有している。この第1樹脂膜62上に、再配線63が引き回されている。
【0056】
再配線63は、第1樹脂膜62の表面からパッド開口65内に入り込むように形成されている。再配線63は、パッド開口65内において電極パッド64に電気的に接続されている。本実施形態では、再配線63は、UBM(アンダーバンプメタル)膜66と、UBM膜66上に形成された配線膜67とを含む2層構造を有している。UBM膜66は、一方側表面および他方側表面が、第1樹脂膜62の表面および電極パッド64の表面に沿って形成されている。UBM膜66は、チタン膜およびチタン膜上に形成された銅膜とを含む2層構造を有していてもよい。配線膜67は、UBM膜66がパッド開口65内に入り込んで形成された凹状の空間に入り込むようにUBM膜66に沿って形成されている。配線膜67は、銅を主成分とする金属を含んでいてもよい。再配線63上には、当該再配線63を被覆するように第2樹脂膜68が形成されている。
【0057】
第2樹脂膜68は、再配線63の一部を再配線パッド69として露出させる再配線パッド開口70を有している。再配線パッド69上には、電極ポスト71が形成されている。電極ポスト71は、パッド7(
図2参照)に対応している。電極ポスト71は、第2樹脂膜68の表面から再配線パッド開口70に入り込むように形成されている。電極ポスト71は、再配線パッド開口70内において再配線パッド69に電気的に接続されている。本実施形態では、電極ポスト71は、UBM膜72と、UBM膜72上に形成された配線膜73とを含む2層構造を有している。
【0058】
UBM膜72は、一方側表面および他方側表面が、第2樹脂膜68の表面および再配線パッド69の表面に沿って形成されている。UBM膜72は、チタン膜およびチタン膜上に形成された銅膜とを含む2層構造を有していてもよい。配線膜73は、UBM膜72がパッド開口65内に入り込んで形成された凹状の空間に入り込むようにUBM膜72に沿って形成されている。配線膜73は、銅を主成分とする金属を含んでいてもよい。この電極ポスト71に、ボンディングワイヤ5が接続されている。
【0059】
以上、本実施形態によれば、ボンディングワイヤ5が電極ポスト71を介して再配線63に電気的に接続されている。たとえば、ボンディングワイヤ5を電極ポスト71に接続するとき、200℃以上(たとえば260℃程度)の温度に半導体基板12等が加熱されることがある。加えられた熱は、半導体基板12、電極ポスト71、再配線63等を介して配線15に伝達される。このとき、バリアメタル膜26は、配線15からの応力を緩和するので、パッシベーション膜14のクラックの発生を抑制できる(
図4、
図5等も併せて参照)。
【0060】
本実施形態において、再配線63のUBM膜66を、タンタル、タングステン、モリブデン、クロムおよびルテニウムを含む群から選択される1つまたは複数の金属種により形成することにより、第1樹脂膜62におけるクラックの発生を抑制するようにしてもよい。また、電極ポスト71のUBM膜72を、タンタル、タングステン、モリブデン、クロムおよびルテニウムを含む群から選択される1つまたは複数の金属種により形成することにより、第2樹脂膜68におけるクラックの発生を抑制するようにしてもよい。
<第3実施形態>
図8は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置81を示す断面図である。
図8において、前述の
図2等に示された各部と対応する部分については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0061】
半導体装置81は、半導体チップ2の表面に形成された複数のパッド7(配線15)にそれぞれ接続された接続電極82と、半導体チップ2(半導体基板12)が接続電極82を介してフリップチップ接合された接合面83aを有する配線基板83とを含む。接続電極82は、ブロック状または柱状の導電体であってもよいし、半田であってもよい。配線基板83における接合面83aの反対側に位置する裏面83bには、複数のランド84と、各ランド84に電気的に接続された半田ボール85が形成されている。各ランド84および各半田ボール85は、配線基板83に形成されたビア電極86を介して、対応する接続電極82およびパッド7(配線15)に電気的に接続されている。半導体チップ2と配線基板83との間の隙間87には、当該隙間87を満たすように封止樹脂88が形成されている。
【0062】
以上、本実施形態によれば、半導体チップ2は、接続電極82を介して配線基板83に接続されている。たとえば、接続電極82を配線基板83に接続するとき、200℃以上(たとえば260℃程度)の温度に半導体チップ2(半導体基板12)等が加熱されることがある。加えられた熱は、半導体基板12や接続電極82等を介して配線15に伝達される。このとき、バリアメタル膜26は、配線15からの応力を緩和するので、パッシベーション膜14のクラックを抑制できる(
図4、
図5等も併せて参照)。
【0063】
また、本実施形態によれば、半導体装置81は、ランド84に接する半田ボール85を介して実装基板(図示せず)に実装される。この実装時には、半田ボール85を溶融させるために半導体装置81が加熱される。それにより、配線15も加熱することになるが、バリアメタル膜26は、配線15からの応力を緩和するので、パッシベーション膜14のクラックを抑制できる(
図4、
図5等も併せて参照)。
<第4実施形態>
図9は、本発明の第4実施形態に係る半導体装置91を示す断面図である。
図9において、前述の
図2等に示された各部と対応する部分については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0064】
半導体装置91は、半導体チップ2の表面に形成された複数のパッド7(配線15)にそれぞれ接続された接続電極92と、接続電極92を露出させるように、半導体チップ2(半導体基板12)の素子形成面16、裏面および側面を被覆する封止樹脂93とを含む。封止樹脂93は、樹脂パッケージ6を兼ねている。
以上、本実施形態によれば、接続電極92は、外部との電気的接続を達成するための外部端子として形成されている。この場合、半導体装置91は、接続電極92に接する半田を介して実装基板(図示せず)に実装される。この実装時には、半田を溶融させるために半導体装置91が加熱される。それにより、配線15も加熱することになるが、バリアメタル膜26は、配線15からの応力を緩和するので、パッシベーション膜14のクラックを抑制できる(
図4、
図5等も併せて参照)。
【0065】
また、接続電極92上に、たとえば
図7のような再配線63を形成してもよい。この場合、半導体装置91は、電極パッド64(
図7参照)に接する半田を介して実装基板(図示せず)に実装される。この実装時には、加熱により半田が溶融させられる。実装時の熱は、たとえば再配線63等を介して配線15に伝達される。このような場合でも、バリアメタル膜26によって、配線15からの応力の集中が緩和される。それにより、実装時の加熱に起因するパッシベーション膜14のクラックを抑制できる(
図4、
図5等も併せて参照)。
<第5実施形態>
図10は、本発明の第5実施形態に係る半導体装置101を示す断面図である。
図10において、前述の
図2等に示された各部と対応する部分については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0066】
図10に示すように、半導体装置101は、樹脂パッケージ6(封止樹脂)外に引き出されたリード4を有するSOP(Small Outline Package)が適用された半導体装置である。前述の半導体装置1と同様に、半導体チップ2は、ダイパッド3上に配置されている。本実施形態では、ダイパッド3の下面が樹脂パッケージ6から露出していない例を示しているが、ダイパッド3の下面は、樹脂パッケージ6から露出するように形成されていてもよい。
【0067】
リード4は、樹脂パッケージ6に封止されたインナーリード部4aと、インナーリード部4aと一体的に形成され、樹脂パッケージ6外に引き出されたアウターリード部4bとを含む。インナーリード部4aは、樹脂パッケージ6内において、ボンディングワイヤ5を介して対応する半導体チップ2のパッド7(配線15)に電気的に接続されている。アウターリード部4bは、樹脂パッケージ6の下面に向けて延びるように形成されている。アウターリード部4bは、実装基板に接続される実装端子である。
【0068】
以上、本実施形態の構成によっても、前述の第1実施形態において述べた効果と同様の効果を奏することができる。本実施形態では、SOPが適用された半導体装置101について説明した。しかし、半導体装置101は、樹脂パッケージ6(封止樹脂)外に引き出されたリード4を有していれば、SOP以外のタイプであってもよい。つまり半導体装置101は、SOJ(Small Outline J-leaded)、CFP(Ceramic Flat Package)、SOT(Small Outline Transistor)、QFP(Quad Flat Package)、DFP(Dual Flat Package)、PLCC(Plastic leaded chip carrier)、DIP(Dual Inline Package)、SIP(Single Inline Package)等であってもよい。
<第6実施形態>
図11は、本発明の第6実施形態に係る半導体装置111の配線15が形成された部分を示す拡大断面図である。
図11は、前述の
図3の破線円IVで囲った部分の拡大図に対応している。
図11において、前述の
図4等に示された各部と対応する部分については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0069】
図11に示すように、本実施形態では、配線15上に、金属膜112が形成されている。金属膜112は、複数の金属膜からなる積層膜を含む。本実施形態では、金属膜112は、Ni(ニッケル)膜113およびPd(パラジウム)膜114の積層膜を含む。金属膜112の幅は、配線15の幅Wよりも大きい。換言すると、配線15の幅Wは、金属膜112の幅よりも小さい。
【0070】
金属膜112のNi膜113は、より具体的には、平坦な表面を有しており、断面視において両端部が配線15の側面28よりも外側に位置するように配線15上に形成されている。Ni膜113は、配線15の厚さよりも小さい厚さを有している。Ni膜113は、一様な厚さで形成されていてもよい。Ni膜113の厚さは、たとえば2μm以上4μm以下であってもよい。
【0071】
一方、金属膜112のPd膜114は、平坦な表面を有しており、断面視において両端部が配線15の側面28よりも外側に位置するようにNi膜113上に形成されている。Pd膜114は、Ni膜113に整合するようにNi膜113上に形成されている。つまり、Pd膜114の端部は、Ni膜113の端部に対して面一になるように形成されている。Pd膜114は、Ni膜113の厚さよりも小さい厚さを有している。Pd膜114は、一様な厚さで形成されていてもよい。Pd膜114の厚さは、たとえば0.1μm以上0.5μm以下であってもよい。
【0072】
ボンディングワイヤ5は、金属膜112(Pd膜114)に接続されている。つまり、本実施形態では、パッド7は、各配線15の接続部40、金属膜112(Ni膜113およびPd膜114)により形成されている。
以上、本実施形態の構成によっても、前述の第1実施形態において述べた効果と同様の効果を奏することができる。
【0073】
図12A〜
図12Gは、
図11の配線15の製造工程の一部を説明するための図である。以下の説明では、必要に応じて前述の
図11を参照する。また、以下では、配線15が高純度銅からなる場合を例にとって説明する。
まず、
図12Aに示すように、配線15の形成に先立って、半導体基板12上に多層配線構造13(
図11参照)が形成される。次に、パッシベーション膜14が多層配線構造13上に形成される。次に、パッシベーション膜14を貫通する第2ビア24bが形成される。
【0074】
次に、
図12Bに示すように、たとえばスパッタ法によって、パッシベーション膜14の表面に、バリアメタル膜26および銅シード膜32がこの順に形成される。次に、
図12Cに示すように、銅シード膜32上に、各配線15を形成すべき領域に選択的に開口34を有するレジスト膜33が形成される。
次に、
図12Dに示すように、開口34から露出する銅シード膜32の表面から、電解めっきによって銅をめっき成長させる。銅は、開口34の途中部まで成長される(埋め込まれる)。この工程において、めっき成長された銅は、銅シード膜32と一体を成す。これにより、配線15が形成される。
【0075】
次に、
図12Eに示すように、レジスト膜33の開口34を利用して、配線15の上面27から無電解めっきによってNiを成長させる。これにより、Ni膜113が形成される。次に、レジスト膜33の開口34を利用して、Ni膜113上から無電解めっきによってPdを成長させる。この工程において、Ni膜113の厚さよりも小さい厚さのPd膜が形成される。これにより、Ni膜113およびPd膜114を含む金属膜112が形成される。その後、
図12Fに示すように、レジスト膜33が除去される。
【0076】
次に、
図12Gに示すように、たとえばウエットエッチングによって、銅シード膜32およびバリアメタル膜26が選択的に除去される。この工程において、銅シード膜32と共に配線15の側面28がエッチングされて、配線15の側面28が金属膜112の端部よりも内側に位置するように形成される。これにより、配線15の側面28と金属膜112の端部との間に段差が形成される。また、この工程において、バリアメタル膜26の端部が配線15の側面28よりも内側にエッチング(オーバーエッチング)されて、バリアメタル膜26の両端部は、配線15の側面28よりも内側に位置するように形成される。これにより、バリアメタル膜26の端部と側面28との間に段差が形成される。
【0077】
その後、半導体基板12を200℃以上(たとえば260℃)の温度にして、Pd膜114にボンディングワイヤ5(
図11参照)が接続される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の各実施形態では、バリアメタル膜26が、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)およびルテニウム(Ru)を含む群から選択される1つまたは複数の金属種を含む例について説明した。しかし、これらの金属種は、銅(チタン)の剛性率よりも高い剛性率、銅(チタン)の熱膨張率よりも低い熱膨張率、およびチタンの電気抵抗率よりも小さい電気抵抗率を有する、という条件を具備する金属材料の一例であり、バリアメタル膜26の材料を限定する趣旨ではない。しがたって、前記条件を満たす範囲において、バリアメタル膜26は種々の金属材料を含むことができる。たとえば、前記条件を具備する金属材料は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)およびルテニウム(Ru)を含む群から選択される1つまたは複数の金属種を含む合金であってもよい。
【0078】
また、前述の第1実施形態では、配線15を被覆するNi膜29、Pd膜30およびAu膜31の積層膜が形成された例について説明した。しかし、
図13に示すように、Ni膜29、Pd膜30およびAu膜31の積層膜を形成せずに、配線15に直接ボンディングワイヤ5を接続するようにしてもよい。
また、前述の第6実施形態では、Ni膜113およびPd膜114の積層膜を含む金属膜112が形成された例について説明した。この構成において、金属膜112は、Pd膜114上に形成されたAu(金)膜を含んでいてもよい。さらに、金属膜112は、Ni、PdおよびAuを含む群から選択される1つまたは複数の金属種を含む金属膜であってもよい。
【0079】
また、前述の第1実施形態、第2実施形態、第5実施形態および第6実施形態では、半導体装置1,61,101,111が、ボンディングワイヤ5を含む例について説明した。しかし、半導体装置1,61,101,111は、ボンディングワイヤ5に代えてまたはこれに加えて、導電体板等の比較的大きな電流通過面積を有する接続部材を含んでいてもよい。
【0080】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。