【課題】接着材層の気泡や突起物を減らして、結合構造の損傷や湾曲を防ぐことが可能な、少なくとも1つのトレンチを有する結合構造、その製造方法およびダイ構造を提供する。
【解決手段】結合構造は、第1基板202と、第2基板204と、接着材層208とを含む。第1基板は、複数の第1トレンチ22を有する。接着材層は、第1基板と第2基板の間に設置され、第1トレンチは、接着材層で充填される。
【効果】トレンチが接着材層の気泡や突起物を減らすため、結合構造の損傷や湾曲を防ぐことができる。また、本発明のトレンチは、ケガキ線(scribe line)20に設置されるため、ウェハまたはキャリアの設計や占有面積を変えなくてもよい。
前記第1基板が、前記ウェハであり、前記第2基板が、キャリアであり、前記ウェハが、複数のケガキ線を有し、装置部が、前記ケガキ線の間に配置され、前記第1トレンチが、前記ケガキ線に設置された請求項1に記載の結合構造。
前記第2基板が、前記ウェハであり、前記ウェハが、複数のケガキ線を有し、装置部が、前記ケガキ線の間に配置され、前記第1トレンチが、前記装置部に対応し、前記第1トレンチと前記ケガキ線が、交互に配置された請求項1に記載の結合構造。
前記第1基板および前記第2基板のうちの1つの前記表面に前記第1接着材層を形成する前記方法が、スピンコーティングプロセス、ドライフィルムラミネーションプロセス、またはその組み合わせを含む請求項14に記載の方法。
前記基板が、前記装置部の下に設置された主要部と、前記主要部の側壁の一部に設置された突出部とを含み、前記主要部の前記側壁の別の一部と前記突出部の上面の間に角度が形成され、前記角度が、鈍角または鋭角である請求項18に記載のダイ構造。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の1つの実施形態に係る結合構造の概略的断面図である。
【0012】
図1を参照すると、本実施形態において、結合構造1を提供する。結合構造1は、第1基板102と、第2基板104と、接着層108aとを含む。第1基板102および第2基板104のうちの少なくとも1つは、ウェハであり、別の1つは、ウェハ、回路基板またはその組み合わせであってもよい。ウェハは、その上に装置部を有してもよく、装置部は、例えば、集積回路装置であってもよい。集積回路装置は、例えば、トランジスタ、コンデンサ、レジスタ、ダイオード、光電ダイオード、ヒューズ装置等であってもよい。集積回路装置を互いに接続して、例えば、メモリ、プロセッサ、センサ、アンプ、動力分配装置、入力/出力回路等のうちの少なくとも1つの機能を実行してもよい。また、集積回路装置は、任意の適切な方法を適用して形成してもよい。
【0013】
第1基板102および第2基板104のうちの少なくとも1つは、複数のトレンチ12を有する。
図1に示した1つの実施形態では、第1基板102がトレンチ12を有する。本発明の別の実施形態では、第2基板104がトレンチ12を有する。本発明の別の実施形態では、第1基板102および第2基板104がトレンチ12を有する。接着層108aは、第1基板102と第2基板104の間に設置され、第1基板102と第2基板104を互いに接着する。トレンチ12は、接着層108aで充填される。接着層108aの材料は、熱硬化性材料を含み、熱硬化性材料は、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂、またはその組み合わせであってもよい。
【0014】
本実施形態の第1基板102は、トレンチを有するため、第1基板102と第2基板104を互いに結合している間に、接着層108aの気泡や突起物をトレンチ12に一時的に保存するか、またはトレンチ12に沿って接着層108aから取り除くことができる。それにより、硬化プロセスにおいて、接着層108aが熱膨張や収縮を起こしても、気泡や突起物によって結合構造が損傷したり湾曲したりしない。また、本実施形態において提供する第1基板102のトレンチ12により、結合プロセスの間、トレンチ12は、第1基板102および第2基板104に加わる力を分散させることができるため、結合構造の歪みや湾曲を低減することができる。
【0015】
図2〜
図6は、本発明のいくつかの実施形態に係る
図1に示したトレンチの上面図である。
【0016】
本発明は、多くの異なる方法により達成することができるため、ここで説明した実施形態のみに限定されるべきではない。図面では、明確に示すため、装置の寸法や形状が誇張または拡大されている。同じまたは類似する参照番号は、同じまたは類似する装置を示す。例えば、
図1の第1基板102は、
図2〜
図6でそれぞれ説明する第1基板102a〜102eと同じまたは類似するため、ここでは説明を省略する。
【0017】
図1に示した第1基板102のトレンチ12は、不連続構造(
図2に示す)または連続構造(
図3〜
図6に示す)を構成してもよい。例えば、
図2に示すように、第1基板102aのトレンチ12aは、不連続構造を構成する。トレンチ12aは、例えば、複数のユニット16a、17aおよび18aを含んでもよい。ユニット16a、17aおよび18aは、交互に配置され、離れ離れである。本発明の1つの実施形態において、ユニット16aおよび17aは、同じ列(column)に配置され、ユニット17aおよび18aは、同じ行(row)に配置される。ユニット16a、17aおよび18aは、複数の列および複数の行により構成されたアレイ状に配置されてもよい。ユニット16a、17aおよび18aの形状は、同じであってもよく、異なっていてもよい。本発明の1つの実施形態において、ユニット16a、17aおよび18aの形状は、例えば、それぞれ十字架形状、矩形、およびその組み合わせであってもよい。しかしながら、本発明はこれに限定されず、本発明の別の実施形態において、ユニット16a、17aおよび18aが交互に配置され、且つ離れ離れである限り、そのユニットおよび配置は、異なる方法で調整してもよい。また、本実施形態において、第1基板102aのユニット16a、17aおよび18aは、均一に分布する。本発明の別の実施形態において、第1基板102aのユニット16a、17aおよび18aの密度分布は、勾配分布であってもよい。例えば、ユニット16a、17aおよび18aの密度は、第1基板102aの辺縁領域から中心領域に向かって徐々に増加する。本発明の別の実施形態において、ユニット16a、17aおよび18aの密度分布は、第1基板102a上の他の素子または装置の密度に応じて調整してもよい。
【0018】
反対に、
図3〜
図6に示すように、トレンチ12b、12c、12dおよび12eは、連続構造を構成する。トレンチ12b、12c、12dおよび12eは、複数の列および複数の行を含んでもよい。列および行は、交差し、且つ連続構造を構成するよう接続される。本発明の1つの実施形態において、連続構造は、例えば、チェッカー盤(checker-board)構造であってもよい。列および行により定義される各交差点17b、17cおよび17dの寸法(直径または幅)は、別の行または列と交差していない各列または各行の幅よりも大きいか、それに等しい。また、交差点17b、17cおよび17dの形状は、
図3〜
図5に示すように、同じであってもよく、交差点17eの形状は、
図6に示すように、異なっていてもよく、または部分的に同じであってもよい。交差点17b、17c、17dおよび17eの形状は、例えば、十字架形状、三角形、矩形、円形、楕円形、多角形(例えば、五角形または六角形)、またはその組み合わせであってもよい。
【0019】
図3に示すように、第1基板102bのトレンチ12bは、複数の列18bおよび複数の行16bを有する連続構造を構成する。列18bおよび行16bは、交差し、且つ複数の交差点17bを定義するよう構成される。交差点17bの形状は、同じであってもよく、例えば、矩形であってもよい。
図4を参照すると、第1基板102cのトレンチ12cは、複数の列18cおよび複数の行16cを有する連続構造を構成する。列18cおよび行16cは、交差し、且つ複数の交差点17cを定義するよう構成される。交差点17cの形状は、同じであってもよく、例えば、楕円形であってもよい。
図5を参照すると、第1基板102dのトレンチ12dは、複数の列18dおよび複数の行16dを有する連続構造を構成する。列18dおよび行16dは、交差し、且つ複数の交差点17dを定義するよう構成される。交差点17dの形状は、同じであってもよく、例えば、六角形であってもよい。
図6を参照すると、第1基板102eのトレンチ12eは、複数の列18eおよび複数の行16eを有する連続構造を構成する。列18eおよび行16eは、交差し、且つ複数の交差点17eを定義するよう構成される。交差点17eの形状は、異なっていてもよく、矩形、楕円形および六角形であってもよい。
【0020】
以下、本発明のいくつかの実施形態に基づき、結合構造の製造プロセスを提供する。
【0021】
図7(a)および
図7(b)は、本発明の第1実施形態に係る結合構造の製造プロセスの概略的断面図である。
図8(a)および
図8(b)は、本発明の第2実施形態に係る結合構造の製造プロセスの概略的断面図である。
図17は、
図7(a)および
図8(a)に示した第1基板の上面図である。
【0022】
図7(a)を参照すると、第1基板102および第2基板104を提供する。本実施形態において、第1基板102は、ウェハ(以下、ウェハ102と称す)であってもよい。本発明の別の実施形態において、第1基板102は、例えば、回路基板であってもよい。ウェハ102は、複数のケガキ線10を有する。装置部106は、ケガキ線10の間に配置される。
図7(a)に例示した断面図において、ケガキ線10および装置部106は、交互に配置される。
図17に例示した上面図において、ケガキ線10は、複数の列および複数の行を有するため、装置部106は、アレイ状に配置される。
【0023】
本実施形態において、第2基板104は、例えば、キャリア、ウェハ、回路基板、またはその組み合わせであってもよい。第2基板104は、複数のトレンチ14を有する。トレンチ14は、上述した装置部106の上に対応して配置され、トレンチ14およびケガキ線10は、交互に配置される。トレンチ14は、不連続構造(
図2に示す)または連続構造(
図3〜
図6に示す)を構成してもよい。トレンチ14の形成方法は、例えば、ドライエッチングプロセスまたはウェットエッチングプロセスであってもよい。本発明の1つの実施形態において、各トレンチ14の深さは、例えば、1μm〜10μmである。しかしながら、本発明はこれに限定されず、各トレンチ14の深さは、第2基板104の厚さよりも小さい限り、実際の使用者の要求に応じて決定してもよい。
【0024】
第1接着材層108は、ウェハ102の上に形成される。ケガキ線10は、装置部106で充填され、装置部106は、第1接着材層108で覆われる。本発明の1つの実施形態において、第1接着材層108の材料は、熱硬化材料を含み、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂、またはその組み合わせであってもよい。第1接着材層108の形成方法は、スピンコーティングプロセス、ドライフィルムラミネーション(dry film lamination)プロセス、ニードルコーティング(needle coating)プロセス、ニードルディスペンシング(needle dispensing)プロセス、またはその組み合わせを含む。
【0025】
図7(a)および
図7(b)を参照すると、ウェハ102は、第2基板104に結合される。結合後、トレンチ14は、装置部106の上に対応して配置され、トレンチ14およびケガキ線10は、交互に配置される。その後、第1接着材層108に硬化プロセスを実行して、ウェハ102と第2基板104の間に第1接着層108aを形成する。本発明の1つの実施形態において、硬化プロセスは、例えば、熱硬化プロセスであってもよい。第1接着材層108を熱硬化材料で作ることにより、熱循環(thermal cycling)プロセスの間に結合構造に亀裂が生じるのを防ぐことができる。また、第1接着層108aが高硬度を有することにより、結合構造100の硬度を上げることができる。
【0026】
図7(b)を参照すると、本発明の第1実施形態において提供する結合構造100は、第2基板102と、第2基板104と、第1接着層108aとを含む。本実施形態において、第1基板102は、ウェハ(以下、ウェハ102と称す)であってもよい。ウェハ102は、複数のケガキ線10を有する。装置部106は、ケガキ線10の間に配置される。第2基板104は、複数のトレンチ14を有する。トレンチ14は、装置部106の上に対応して配置され、トレンチ14は、ケガキ線10と交差する。第1接着層108aは、第2基板102と第2基板104の間に設置される。装置部106の表面およびケガキ線10は、第1接着層108aで充填され、トレンチ14も第1接着層108aで充填される。
【0027】
図8(a)および
図8(b)は、本発明の第2実施形態に係る結合構造の製造プロセスの概略的断面図である。
【0028】
図8(a)および
図8(b)を参照すると、第2実施形態において提供する結合構造100aは、第1実施形態の結合構造100と類似するが、第2実施形態において、第1および第2基板102および104は、異なる方法で結合される。第2実施形態において、第1および第2基板102および104は、固定具(fixture)110を用いて結合される。固定具110は、第1基板102および第2基板104の位置を固定するために適用される。この方法において、第1基板102および第2基板104は、固定具110により一時的に固定される。トレンチ14は、装置部106の上に対応して配置され、トレンチ14は、ケガキ線10と交差する。
【0029】
図8(b)を参照すると、第1接着層108aは、ウェハ102と第2基板104の間に形成される。本発明の1つの実施形態において、第1接着層108aの形成方法は、ウェハ102と第2基板104の間の空間を第1接着材層(図示せず)で充填することである。例えば、結合構造100の周辺および/またはウェハ102と第2基板104の間の間隙は、第1接着材層で充填されてもよい。第1接着材層は、ケガキ線10またはトレンチ14に沿って、結合構造100の辺縁から結合構造100aの中心(
図17に示すように)に入ることができる。そして、第1接着材層に対して硬化プロセスを行い、ウェハ102と第2基板104の間に第1接着層108aを形成する。
【0030】
図9(a)および
図9(b)は、本発明の第3実施形態に係る結合構造の製造プロセスの概略的断面図である。
【0031】
以下の実施形態において、同じまたは類似する参照番号は、同じまたは類似する装置、素子および層を示す。例えば、
図9(a)および
図10(a)に示した第1基板202、
図11(a)および
図12(a)に示した第1基板302、および
図13(a)および
図14(a)に示した第1基板402は、
図7(a)に示した第1基板102と同じまたは類似するため、ここでは説明を省略する。
【0032】
図9(a)を参照すると、第3実施形態において提供する結合構造200は、第1実施形態の結合構造100と類似するが、第3実施形態において、結合構造200の第2基板204は、トレンチを有さず、第1基板202は、複数のトレンチ22を有する。ここで、トレンチ22は、ケガキ線20に設置される。
【0033】
図9(a)を参照すると、本実施形態において、第1基板202は、ウェハ(以下、ウェハ202と称す)であってもよい。トレンチ22の構造、その形状およびトレンチ22の形成方法は、上述したトレンチ12の構造、形状および形成方法に類似し、上述した実施形態において既に説明しているため、ここでは説明を省略する。本発明の1つの実施形態において、各トレンチ22の深さは、例えば、1μm〜10μmである。しかしながら、本発明はこれに限定されず、各トレンチ22の深さは、ウェハ202の厚さよりも小さい限り、実際の使用者の要求に応じて決定してもよい。各トレンチ22の幅は、各ケガキ線20の幅に等しいか、それよりも小さくてもよい。本発明の1つの実施形態において、各トレンチ22の幅は、例えば、1μm〜10μmである。
【0034】
図9(a)を参照すると、第1接着材層208は、ウェハ202の上に形成される。ケガキ線20、トレンチ22および装置部206は、第1接着材層208で充填される。
【0035】
図9(a)および
図9(b)を参照すると、ウェハ202は、第2基板204に結合される。そして、第1接着材層208に対して硬化プロセスを行い、ウェハ202と第2基板204の間に第1接着層208aを形成する。硬化プロセスの詳細については、上述した実施形態で既に説明しているため、ここでは説明を省略する。
【0036】
一般的な半導体におけるウェハのケガキ線は、主に、マークやアライメントパターン(alignment pattern)を有するが、本発明の実施形態において、ウェハ202のケガキ線20は、さらに、複数のトレンチ22を含む。ウェハ202と第2基板204を互いに結合している間に、第1接着材層208の気泡や突起物をトレンチ22に一時的に保存してもよく、またはトレンチ12に沿って第1接着材層208から取り除いてもよい。そのため、後続の硬化プロセスにおいて、第1接着材層208が熱膨張や収縮を起こしても、気泡や突起物により結合構造が損傷したり湾曲したりしない。また、本実施形態により、ウェハ202の設計や占有面積を変えなくても、上述した課題を解決することができる。
【0037】
図10(a)および
図10(b)は、本発明の第4実施形態に係る結合構造の製造プロセスの概略的断面図である。
【0038】
図10(a)および
図10(b)を参照すると、第4実施形態において提供する結合構造200aは、第3実施形態の結合構造200と類似するが、結合構造200aの製造方法は、結合構造200の製造方法と異なる。第4実施形態において提供する結合構造200aの製造方法は、
図8(a)および
図8(b)において説明した製造方法と類似するため、ここでは説明を省略する。
【0039】
図11(a)および
図11(b)は、本発明の第5実施形態に係る結合構造の製造プロセスの概略的断面図である。
図11(a)および
図11(b)を参照すると、第5実施形態において提供する結合構造300は、第1実施形態の結合構造100と類似するが、第5実施形態の結合構造300において、第1基板302は、複数のトレンチ32を有し、第2基板304は、複数のトレンチ34を有する。トレンチ32は、ケガキ線30に設置される。トレンチ34は、第2基板304内に設置され、装置部306の上に対応して配置され、トレンチ34は、トレンチ32と交差する。第5実施形態の結合構造300の製造方法は、
図7(a)および
図7(b)において説明した製造方法と類似するため、ここでは説明を省略する。
【0040】
図12(a)および
図12(b)は、本発明の第6実施形態に係る結合構造の製造プロセスの概略的断面図である。
図12(a)および
図12(b)を参照すると、第6実施形態において提供する結合構造300aは、第5実施形態の結合構造300と類似するが、結合構造300aの製造方法は、結合構造300の製造方法と異なる。第6実施形態において提供する結合構造300aの製造方法は、
図8(a)および
図8(b)において説明した製造方法と類似するため、ここでは説明を省略する。
【0041】
図13(a)および
図13(b)は、本発明の第7実施形態に係る結合構造の製造プロセスの概略的断面図である。
【0042】
図13(a)および
図13(b)を参照すると、第7実施形態において提供する結合構造400は、第1実施形態の結合構造100と類似するが、第7実施形態において、結合構造400の第1基板402のケガキ線40は、複数のトレンチ42を有し、第2基板404は、複数のトレンチ44を有する。トレンチ44および装置部406は、交互に配置され、トレンチ42は、トレンチ44に対応する。第7実施形態において提供する結合構造400の製造方法は、
図7(a)および
図7(b)において説明した製造方法と類似するため、ここでは説明を省略する。
【0043】
図14(a)および
図14(b)は、本発明の第8実施形態に係る結合構造の製造プロセスの概略的断面図である。
図14(a)および
図14(b)を参照すると、第8実施形態において提供する結合構造400aは、第7実施形態の結合構造400と類似するが、結合構造400aの製造方法は、結合構造400の製造方法と異なる。第8実施形態において提供する結合構造400aの製造方法は、
図8(a)および
図8(b)において説明した製造方法と類似するため、ここでは説明を省略する。
【0044】
第1実施形態〜第8実施形態においてそれぞれ説明した結合構造100、100a、200、200a、300、300a、400および400aの他に、言及すべきこととして、本発明の別の実施形態において、第1基板はウェハであってもよく、第2基板もウェハであってもよい。これらのウェハは、いずれも複数のケガキ線を有し、装置部は、ケガキ線の間に設置される。また、これらのウェハは、いずれもトレンチを有し、トレンチは、両方のウェハのケガキ線、または1つのウェハのケガキ線に配置されてもよい。
【0045】
図 15(a)および
図15(b)は、本発明の第9実施形態に係る結合構造の製造プロセスの概略的断面図である。
【0046】
図15(a)および
図15(b)を参照すると、本実施形態は、結合構造500に適用される。結合構造500は、第1基板502と、第2基板504と、第1接着層508とを含む。第2基板504は、複数のトレンチ54を有する。第1接着層508は、第1基板502と第2基板504の間に既に形成されている。第1接着層508は、接着プロセス中に、粒子56a、気泡56bおよび56c(
図15(a)に示す)を有することにより、結合構造500が歪みや湾曲を起こすことがある。
図15(b)を参照すると、第1基板502と第2基板504の間に、さらに第2接着層518を形成する。本発明の1つの実施形態において、第2接着層518の形成方法は、第1基板502と第2基板504の間の間隙を第2接着材層(図示せず)で充填することである。例えば、結合構造500の周辺および/または第1基板502と第2基板504の間の間隙を第2接着材層で充填してもよい。第2接着材層は、トレンチ54に沿って、結合構造500の辺縁から気泡56bおよび56cを入れることができる。そして、第2接着材層に対して硬化プロセスを行い、第1基板502と第2基板504の間に第2接着層518を形成する。
【0047】
図16a〜
図16dは、本発明の第10実施形態に係る結合構造の製造プロセスの概略的断面図である。
【0048】
図16aおよび
図16bを参照すると、本実施形態も結合構造500に適用され、2つのキャリアが接着層508により既に互いに結合されているが、ここで提供する第2接着材層518の形成方法は、第9実施形態において提供した第2接着材層の形成方法とは異なる。
図16aおよび
図16bに示すように、結合構造500に対して剥離する工程(de-bonding process)を行った後、第1基板502を第2基板504から分離して、第1接着層508を第1部508aと第2部508bに分割する。
図16bに示すように、第1基板502の表面は、第1部508aで充填され、第2基板504の表面は、第2部508bで充填される。トレンチを有さない一般のプレート(例えば、キャリア)と比較して、第2基板504は、トレンチ54を有し、第1接着層508が第2基板504と接触する表面面積は、相対的に小さい。そのため、剥離する工程の間、第2基板504を第1基板502から容易に分離することができる。こうすることにより、第1および第2基板502および504は、剥離する工程中に破損しない。
【0049】
図16cを参照すると、第2接着材層518aは、第1部508aの表面に形成され、同時に、第2接着材層518bは、第2部508bの表面に形成される。本発明の1つの実施形態において、気泡56bおよび56cは、それぞれトレンチ54に沿って、結合構造500の辺縁から第2接着材層518cおよび518dで充填されてもよい。
【0050】
図16cおよび
図16dを参照すると、第1基板502および第2基板504は、互いに接着されるため、第2接着材層518aおよび518bは、互いに接触する。そして、硬化プロセスを行って、第2接着材層518aおよび518bを硬化することにより、第1基板502と第2基板504の間に第2接着層518を形成する。
【0051】
図18a〜
図18cは、破壊プロセスの概略的断面図である。
【0052】
図18a〜
図18cを参照すると、膨張機(expanding machine)により破壊プロセスを行う。ここで、結合構造200(
図9(b)に示し、第3実施形態で説明)に対して剥離する工程を行い、第1接着層208aを取り除く。その後、残った第1基板(ウェハ)202(以下、ウェハ202と称す)を用いて、破壊プロセスについて説明する。ウェハ202は、複数のケガキ線20および複数のトレンチ22を有する。装置部206は、ケガキ線20の間に配置される。トレンチ22は、ケガキ線20に設置される。本発明の1つの実施形態において、トレンチ22の底面とウェハ202の底面の間の距離Hは、10μmよりも小さくてもよい。本発明の別の実施形態において、トレンチ22の底面とウェハ202の底面の間の距離Hは、5μmよりも小さくてもよい。本発明のさらに別の実施形態において、トレンチ22の底面とウェハ202の底面の間の距離Hは、1μmよりも小さくてもよい。
【0053】
ウェハ202に対して、膨張機により破壊プロセスを行う。膨張機は、固定台610と、膨張素子618とを含む。固定台610は、固定構造612と、固定リング614とを含んでもよい。固定リング614は、固定構造612の上に配置され、ウェハ202は、固定台610の上に配置される。ウェハ202と固定台610の間に保護層616を配置して、ウェハ202を保護してもよい。本発明の1つの実施形態において、保護層616は、例えば、剥離紙、剥離膜、高分子膜、またはその組み合わせであってもよい。剥離膜は、例えば、青いテープ(blue tape)であってもよい。
【0054】
図18aおよび
図18bを参照すると、膨張素子618は、保護膜616に作用力Fを加える。作用力Fは、トレンチ22の底面から保護層616上のウェハ202を亀裂させ、複数のダイ202aを形成する。
【0055】
図18aおよび
図18cを参照すると、ウェハ202は、トレンチ22を有するため、破壊プロセスを行った後、形成されたダイ202aの側壁は、段形状になる。
【0056】
図18cに示すように、詳しく説明すると、各ダイ202aは、基板620と、装置部206aとを含む。装置部206aは、基板620の上に設置される。ここで、装置部206aは、第1実施形態で説明した装置部である。
【0057】
基板620は、例えば、シリコン基板等の半導体基板である。基板620の側壁は、段形状である。具体的に説明すると、基板620は、主要部620aと、突出部620bとを含む。主要部620aは、装置部206aの下に設置され、突出部620bは、主要部620aの側壁の一部に設置される。つまり、突出部620bは、主要部620aの側壁から突出するため、主要部620aおよび突出部620bの輪郭は、段形状である。突出部620bの上面は、トレンチ22の底面の一部を構成し、突出部620bの側壁は、破壊プロセスで生じた輪郭を有する。主要部620aの側壁は、トレンチ22の側壁の一部を構成する。本発明の1つの実施形態において、トレンチ22は、例えば、ドライエッチングプロセス(異方性エッチング)またはウェットエッチングプロセス(等方性エッチング)を行うことにより形成される。そのため、主要部620aの側壁は、エッチングプロセスで生じた輪郭、例えば、波紋状の輪郭、半円弧状の輪郭、または平坦な輪郭を有する。したがって、主要部620aの側壁の輪郭は、突出部620bの側壁の輪郭と異なる。また、主要部620aの側壁の他の部分(突出部620bと接触していない部分)と突出部620bの上面の間に角度θが形成され、本実施形態において、角度θは、鈍角または鋭角である。本発明の1つの実施形態において、角度θは、70度〜135度の範囲内である。
【0058】
以上のように、第1基板および第2基板のうちの1つにトレンチを形成する。トレンチは、連続または不連続構造を構成してもよく、またはパターン状に配置されてもよい。第1基板と第2基板を接着している間、トレンチが接着材層の気泡や突起物を減らすため、結合構造の損傷や湾曲を防ぐことができる。また、本発明のトレンチは、ケガキ線に設置されるため、ウェハまたはキャリアの設計や占有面積を変えなくても、上述した課題を解決することができる。
【0059】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。