【課題】着信した電話機がバイブレータによる振動を発生せず、着信音のみを発生するものでも、利用者が確実に着信した電話機を特定することができる着信報知補助装置を提供する。
【解決手段】着信報知補助装置1は、電話機2に装着され、電話機2の着信音による電話機2の振動をピエゾ素子が電気信号に変換して出力するセンサ部20と、センサ部20に接続された装置本体10を備えている。装置本体10は、ピエゾ素子からの電気信号に基づいて電話機2に着信があったか否かを判定する判定部と、判定部の判定結果が着信検出であったときに、電話機2の着信を報知する報知部の発光部13aを備えている。センサ部20のピエゾ素子が電話機2の着信音により発生する微細な振動を電気信号として出力するので、電話機2を複数台並べて使用しても、電話機2に着信報知補助装置1を設置することで、隣接する電話機2の着信を誤検出することを防止することができる。
前記判定部は、前記電話機の振動を示す電気信号の大きさ、電気信号の期間、または電気信号の周期性のうち、少なくともいずれか一つに基づいて、着信信号かまたはノイズ信号かを判定する請求項1記載の着信報知補助装置。
前記判定部は、前記電話機の振動を示す電気信号の大きさが、第1のしきい値以上であり、前記第1のしきい値より大きい第2のしきい値以下であるときに、着信信号であると判定する請求項2記載の着信報知補助装置。
【背景技術】
【0002】
例えば、家屋内に常設される固定電話機や、利用者によって携行される携帯電話機などには、着信を報知するための報知手段が備えられている。固定電話においては、着信音を鳴らすことにより利用者に着信を報知している。また、携帯電話機においては、着信音を鳴らすほか、バイブレータにより携帯電話機自体を振動させたり、ランプを点灯させたりすることで、利用者に着信を報知している。
【0003】
ところが、着信手段により着信を報知した場合にも、利用者は着信に気づかない場合がある。例えば、固定電話機の場合には、通話者が固定電話機から離れた場所にいると、着信音に気づかないことがある。また、携帯電機話の場合には、バイブレータにより報知するマナーモード設定時には、携帯電話機が鞄に収納されていると、利用者は、着信に気づかない。
【0004】
そこで、かかる問題を解決するために、電話機の着信を検出して、該着信に代わる態様で着信を報知する着信報知補助装置が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の「携帯電話機の着信報知補助装置」では、充電台に装着された携帯電話機に着信があると、携帯電話機の振動を検出し、着信音または着信ランプの点灯に変えて、利用者に着信を報知している。
【0005】
また、特許文献2に記載の「着信報知装置」では、携帯電話機が発するバイブレータの振動音をマイクロフォンで集音し、該振動音に基づいて変換された電気信号のオン/オフ時間を測定して、記憶回路に予め記憶された振動パターンのオン/オフ時間と比較し、一致すれば、着信音を鳴らして、通話者に着信を報知している。この特許文献2に記載の着信報知補助装置では、マイクロフォンで集音した振動音の振動パターンと、予め記憶した振動パターンと比較することで、携帯電話の着信とノイズとを判別している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の「携帯電話機の着信報知補助装置」では、バイブレータが携帯電話機全体を振動させるような大きな振動を検出して、着信音や着信ランプの点灯に変えて報知するため、携帯電話機でも着信音のみにより報知するときには使用できない。
また、特許文献2に記載の「着信報知装置」では、携帯電話機のバイブレータの振動音をマイクロフォンにより集音するため、近くで他の携帯電話機に着信があった場合には、その着信音等を集音することで、誤って報知処理を行うおそれがある。
【0008】
また、特許文献1、2に記載の従来の着信報知補助装置では、固定電話機の着信に利用しようとしても、固定電話機がそもそもバイブレータを備えていないため、固定電話機での報知には適用できない。
【0009】
このように、従来の着信報知補助装置では、バイブレータを使用せず、着信音のみで報知する携帯電話機や、バイブレータを備えていない固定電話機までは考慮されていない。
特に、企業や施設などでは、複数台の固定電話機が一つの部屋に設置されることが多いため、複数台の固定電話機にて同時に着信音が鳴ると、着信音をマイクロフォンで集音して着信を検知するような、着信報知補助装置では、誤作動を招きやすい。
そのため、着信した電話機がバイブレータによる振動を発生せず、着信音のみを発生するものでも、確実に特定できる着信報知補助装置が望まれている。
【0010】
そこで本発明は、着信した電話機がバイブレータによる振動を発生せず、着信音のみを発生するものでも、利用者が確実に着信した電話機を特定することができる着信報知補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の着信報知補助装置は、電話機に装着され、前記電話機の着信音による前記電話機の微弱な振動をピエゾ素子が電気信号に変換して出力するセンサ部と、前記ピエゾ素子からの電気信号に基づいて前記電話機に着信があったか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果が着信検出であったときに、前記電話機の着信を報知する報知部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の着信報知補助装置によれば、センサ部が着信音により発生する電話機の振動に応じた電気信号を出力し、制御部がセンサ部からの電気信号に基づいて、電気信号が電話機の着信に起因する振動か否かを判定し、判定結果に基づいて報知部が着信を報知する。従って、本発明の着信報知補助装置は、着信した電話機がバイブレータを備えていない固定電話機や、携帯電話機を着信音のみで報知する場合でも、着信を利用者に報知することができる。
【0013】
前記判定部は、前記電話機の振動を示す電気信号の大きさ、電気信号の期間、または電気信号の周期性のうち、少なくともいずれか一つに基づいて、着信信号かまたはノイズ信号かを判定することにより、電気信号に含まれる、電話機によらない、単発的な振動や断続的な振動、連続的な振動をノイズ信号として除外できるので、着信信号を確実に検出することができる。
【0014】
前記判定部は、前記電話機の振動を示す電気信号の大きさが、第1のしきい値以上であり、前記第1のしきい値より大きい第2のしきい値以下であるときに、着信信号であると判定することが望ましい。電気信号の大きさが、第1のしきい値未満であると電話機の着信音による微細な振動より、更に小さい振動によるものであるため、ノイズ信号とみなすことができる。また、電気信号の大きさが、第2のしきい値より大きいと、電話機の着信音による微細な振動より、遥かに大きい振動によるものであることを示しているため、ノイズ信号とみなすことができる。
【0015】
前記ピエゾ素子が、前記電話機に接着されていると、電話機が着信音を発する際に生じる微細な振動でも検出することができる。また、電話機を複数台並べて使用するときには、隣接する電話機の着信による着信音の振動までは、ピエゾ素子が拾い上げ検出することは無いため、隣接する電話機の着信を誤って検出することが防止できる。従って、ピエゾ素子は、対象となる電話機の着信のみを検出することができる。
【0016】
前記センサ部は、前記ピエゾ素子と、前記ピエゾ素子を収納するケースとを備え、前記ケースには、前記ピエゾ素子が配置される前記電話機側の位置に薄肉部が形成されていることが望ましい。ケースの薄肉部によって、電話機の微弱な振動が、ピエゾ素子に伝搬しやすくなるため、電話機の微弱な振動でもピエゾ素子に感知させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の着信報知補助装置によれば、着信した電話機がバイブレータを備えていない固定電話機や、携帯電話機が着信音のみで報知する場合でも、着信を利用者に報知することができるので、利用者が着信した電話機を確実に特定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態に係る着信報知補助装置を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る着信報知補助装置1は、電話機2に接続して使用されるものであり、電話機2の着信を検出して、利用者に報知するものである。着信報知補助装置1は、ACアダプタPにより電源が供給され動作する。
【0020】
着信報知補助装置1は、装置本体10と、センサ部20とにより構成されている。センサ部20は、装置本体10とコードを介して接続されており、電話機2に装着される。
図2に示すように、装置本体10は、アンプ部11と、制御部12と、報知部13と、電源部14とを備えている。
【0021】
アンプ部11は、センサ部20が出力した電気信号を増幅して後段の制御部12に出力する。
制御部12は、アンプ部11からの電気信号に基づいて電話機2に着信があったか否かを判定して、報知部13を制御する制御信号を出力する判定部12aと、この判定部12aが判定する際に参照する判定テーブルが格納された記憶部12bとを備えている。
この制御部12は、例えば、プログラムや各種設定データの格納領域が割り当てられるROMや、ワーク領域が割り当てられるRAMを内蔵したマイクロコンピュータ、A/Dコンバータ、その他の周辺回路により構成することができる。マイクロコンピュータがROMに格納された着信報知補助プログラムを実行することで制御部12として機能する。
【0022】
報知部13は、判定部12aの判定結果が着信検出であったときに、電話機2の着信を報知するものである。報知部13は、放光により報知する発光部13aと、報知音を発生させて報知する音響部13bとを備えている。
発光部13aは、制御信号を増幅して定電流制御する回路と、定電流制御された制御信号により放光するLEDとにより構成することができる。音響部13bは、制御信号を増幅する回路と、増幅された制御信号により発声するスピーカとにより構成することができる。
【0023】
電源部14は、アンプ部11、制御部12、報知部13およびその他の周辺回路に電力を供給する。着信報知補助装置1の各構成要素は、電源部14により電力が供給されることで、それぞれの機能が発揮できる状態となる。
【0024】
図1に示すセンサ部20は、電話機2が着信を報知する着信音による電話機2の振動に応じた電気信号を電圧変化によって出力するものである。
センサ部20は、
図3(A)および同図(B)に示すように、ピエゾ素子21と、ピエゾ素子21を囲うケース22と、ピエゾ素子21を装置本体10に接続するコード23とを備えている。
ピエゾ素子21は、電話機2の着信音により発生する微弱な振動により加圧されると、この加圧の度合いに応じた電圧を電気信号として発生する素子である。本実施の形態では、ピエゾ素子21として、着信音による振動に対して、数mVの電圧を発生するものを採用している。
ケース22は、薄板状のモールド成形品である。ケース22は、ピエゾ素子21が両面テープなどの接着材により貼り付けられた電話機側ケース221と、電話機側ケース221と対を成し、電話機側ケース221に重ねることで、ピエゾ素子21を覆うおもて側ケース222とを備えている。電話機側ケース221には、電話機2に貼り付けるためのシール(図示せず)が剥離紙によって保護された状態で設けられている。電話機側ケース221は、電話機2の着信振動を感度良くとらえるために、ピエゾ素子21が配置される位置に、ピエゾ素子21の輪郭に合わせて円形状の凹部221aが形成されていることで、薄肉部となっている。
コード23の一端は、ピエゾ素子21にハンダ付けされている。コード23の他端には、装置本体10のモジュラージャックに差し込まれるプラグ23aが取り付けられている。
【0025】
図1に示す電話機2は、企業や施設にて使用される固定電話機の一例であるビジネスホンである。電話機2は、各社員や各構成員の机の上に配置され、それぞれが構内交換機に接続されている。
【0026】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る着信報知補助装置1の動作および使用状態を説明する。
図1に示す電話機2に、センサ部20が貼り付けられている。センサ部20は、電話機2のスピーカに近いところに貼り付けられているのが望ましく、受話器を電話機2の本体から取ったり、または本体に載せたりするときに、邪魔にならない位置に貼り付けられているのが望ましい。本実施の形態では、スピーカが配置された電話機2の本体裏側に貼り付けられている。
この電話機2に着信があると、電話機2が着信音を発生させる。この着信音の発生により電話機2に微細な振動が発生する。センサ部20のピエゾ素子21(
図3参照)は、電話機2の微細な振動によって電圧が発生し、プラグ23aの出力端子間に電圧が出力される。この出力端子間に電圧が、電気信号として装置本体10へ出力される。
【0027】
装置本体10では、まず、アンプ部11が電気信号を増幅して制御部12に出力する。センサ部20により検出する振動は微細であるため、アンプ部11により電気信号を増幅することで、制御部12での判定が可能となると共に、判定精度を向上させることができる。
【0028】
判定部12aでは、アンプ部11を介して電気信号に基づいて記憶部12bの判定テーブルを参照して、入力された電気信号が電話機2の着信を示す着信信号であるか否かを判定する。
判定部12aは、電気信号が着信信号であると判定することで、判定結果が着信検出であったときに、制御処理を実行して、発光部13aまたは音響部13bのいずれか一方、または両方に制御信号を出力する。判定部12aが、利用者への報知に、発光部13aを利用するか、音響部13bを利用するかは、記憶部12bに格納された設定により決定することができる。電話機2が着信音により利用者に着信を報知するものであるため、少なくとも発光部13aを利用して報知するのが望ましい。
【0029】
例えば、判定部12aは、発光部13aを発光にさせる場合には第1の制御信号S1を出力する。また、判定部12aは、音響部13bから発声させる場合には第2の制御信号S2を出力する。更に、判定部12aは、発光部13aと音響部13bを同時に制御する場合には、第1の制御信号S1および第2の制御信号S2を出力する。
【0030】
ここで、判定部12aによる判定を詳細に説明する。
まず、記憶部12bに格納され、判定部12aの判定処理において参照される判定テーブルについて説明する。
判定テーブルは、例えば、第1の条件として振動の大きさ、第2の条件として振動した期間、第3の条件として振動の周期性、そして第4の条件として振動の周波数に基づいて着信の有無を判定する判定基準となる値が格納されている。この判定テーブルは、判定部12aが判定処理を実行する際に参照される。
【0031】
例えば、振動の大きさに基づく判定基準(第1の条件)は、例えば、判定部12aに入力された電気信号の電圧値の大きさが最低電圧値(第1のしきい値)以上、最高電圧値(第2のしきい値)以下であるとき、入力された電気信号を電話機2の着信を示す着信信号であると規定することができる。判定処理が参照する判定テーブルには、この最低電圧値と、最高電圧値とが格納される。
【0032】
電気信号が最低電圧値未満であるときには、電話機2の着信音による微細な振動より、更に小さい振動によるものであることを示している。
例えば、電話機2が、パーソナルコンピュータと共に、机の上に設置されていると、パーソナルコンピュータの内部を空冷するファンによりパーソナルコンピュータが振動する。そうすることで、パーソナルコンピュータの振動が机を介して電話機2に伝搬して、電話機2が振動してしまう。従って、判定部12aが最小電圧値未満の電気信号をノイズ信号として除外することで、このようなケースを除外することができる。
【0033】
また、電気信号が最高電圧値より大きいときには、電話機2の着信音による微細な振動より、遥かに大きい振動によるものであることを示している。例えば、電話機2が、パーソナルコンピュータと共に、机の上に設置されていると、パーソナルコンピュータのキーボードを叩く振動が机を介して電話機2に伝搬して、電話機2が振動する。従って、判定部12aが最大電圧値より大きい電気信号をノイズ信号として除外することで、このようなケースを除外することができる。
【0034】
また、電気信号が入力された期間に基づく判定基準(第2の条件)は、例えば、電気信号が入力された期間(例えば、最小電圧値以上、最大電圧値以下の電気信号が入力された期間)が最小持続時間以上、最大持続時間以下であるとき、入力された電気信号を電話機2の着信を示す着信信号であると規定することができる。判定テーブルには、この最小持続時間、最大持続時間が格納される。
【0035】
この最小持続時間および最大持続時間は、着信音が鳴る期間に応じて適宜決定することができる。例えば、電話機2の着信音がSIRであるときには、電話機2は、0.3秒の着信音が0.3秒の無音状態を挟んで2回鳴り、その後、2.1秒の無音状態となる周期を繰り返す。この場合、最小持続時間は、例えば、0.1秒とすることができ、最大持続時間は0.3秒未満とすることができる。
所定期間を0.1秒から0.2秒以下とすることで、判定部12aは単発的に発生したごく短い期間の振動や、持続的に発生した長い期間の振動をノイズとして除外することができる。
【0036】
また、入力された電気信号の周期性に基づく判定基準(第3の条件)は、例えば、最小電圧値以上、最大電圧値以下の電気信号が、周期的に周期回数n回以上入力されたとき、入力された電気信号を電話機2の着信を示す着信信号であると規定することができる。なお、周期回数nは2以上の自然数である。判判定テーブルには、周期回数を示すnが格納される。
【0037】
例えば、電話機2の着信音がSIRであるときには、0.6秒間隔の電気信号のピークが3秒間ごとに現れる。この周期が2回現れたときに電気信号を検知信号として検知することで、判定部12aは周期からはずれるようなノイズを除外することができる。
【0038】
更に、入力された電気信号の周波数に基づく判定基準(第4の条件)は、判定部12aへの入力信号が、最低電圧値(第1のしきい値)以上、最高電圧値(第2のしきい値)以下であるときに、入力信号の周波数が約16Hz(最小周波数)から約2,000Hz(最大周波数)の範囲で、一定時間持続すれば、着信信号として規定することもできる。判定テーブルには、この最小周波数、最大周波数が格納される。
【0039】
このように、判定テーブルでは、複数の判定基準を規定することができるように構成されている。これにより、判定部12aでは、第1の条件から第4の条件の各判定基準を組み合わせて判定処理が実行されることで、センサ部20のピエゾ素子21が検出した振動にノイズが含まれていても、高精度に判定処理が実行される。
【0040】
このように、本実施の形態に係る着信報知補助装置1では、センサ部20が着信音により発生する電話機2の振動に応じた電気信号を出力し、制御部12がアンプ部11で増幅された電気信号に基づいて電気信号が電話機2の着信に起因する振動か否かを判定して、判定結果に基づいた制御信号を出力する。
【0041】
発光部13aおよび音響部13bでは、制御部12からの制御信号に応じた報知を行う。
発光部13aのLEDが放光することで、電話機2の着信音だけでなく、光によっても利用者に報知することができるので、利用者は視覚的に着信を認識することができる。その際、発光部13aが断続的に放光すると、利用者の認識度が向上するため、より効果的である。
【0042】
また、音響部13bでは、電話機2の着信音とは異なる音程、音色、周期の報知音を発生するのが望ましい。また、隣接した電話機2に接続した着信報知補助装置1と異なる報知音とすると、利用者は着信した電話機2を特定しやすい。
これにより、利用者は、着信した電話機2がバイブレータを備えていない固定電話機でも、着信を利用者に報知することにより、確実に着信した電話機2を特定することができる。
【0043】
センサ部20が電話機2に直接接着されているため、電話機2が着信音を発する際に生じる微細な振動でも検出することができる。また、電話機2を複数台並べて使用するときには、それぞれの電話機2に着信報知補助装置1を設置しても、センサ部20のピエゾ素子は電話機2の着信音をマイクなどで検出するのではなく、着信の際の着信音による振動を検出している。そのため、隣接する電話機2の着信による着信音の振動までは、センサ部20のピエゾ素子が拾い上げ検出することは無い。従って、着信報知補助装置1は、隣接する電話機の着信を誤って検出しないため、対象となる電話機2の着信のみを検出することができる。
よって、着信報知補助装置1は、利用者に誤報するという問題が解消される。
【0044】
また、ケース22の電話機側ケース221の凹部221aによって薄肉部が形成されているため、電話機2の微弱な振動が、ピエゾ素子21に伝搬しやすくなるため、電話機2の微弱な振動でもピエゾ素子21に感知させることができる。
【0045】
本実施の形態では、判定部12aによる判定処理が第1の条件から第4の条件に基づいて判定を行うための値が、判定テーブルとして格納されているが、判定テーブル内に規定された各値を、着信報知補助プログラム内に定数として規定してもよい。
また、判定部12aは、第1の条件を基本に、第2の条件を加えたり、第3の条件を加えたりしているが、第1の条件から第4の条件うち、少なくともいずれか一つに基づいて、着信信号かまたはノイズ信号かを判定するようにしたり、第2の条件と第3の条件を組み合わせてもよい、
また、判定部12aは、音声認識技術を用いて判定するようにしてもよい。例えば、IRやSIR、または着信メロディーなどの着信音の波形を予め基本波形として記憶部12bに格納しておき、判定部12aは、この基本波形と、センサ部20からの電気信号の波形とをマッチング(比較)する。そうすることで、判定部12aは、着信検出したか否かを判定することができる。
また、発光部13aによる断続的な放光は、制御部12が制御信号を断続的に発生してもよいし、発光部13aが、制御部12からの着信期間中の連続した制御信号を受け、断続的な放光としてもよい。
また、音響部13bによる報知音の音程、音色、周期などは、制御部12が制御信号により制御してもよいし、音響部13bが、制御部12からの着信期間中の連続した制御信号を受け、音響部13bが設定された音程、音色、周期による報知音を発生するようにしてもよい。
更に、本実施の形態では、固定電話機である電話機2に着信報知補助装置1を接続しているが、バイブレータによる振動を抑止したマナーモードでの携帯電話機に着信報知補助装置1を接続するようにしてもよい。