【解決手段】試験装置1は、それぞれ固有のIPアドレス及びMACアドレスが設定され、予め設定されたシーケンスに従って各種のデータを作成する複数の仮想装置6と、試験対象機器200から送信されたデータが仮想装置6宛のデータである場合、上位レイヤーでの処理が必要と判断したとき、宛先の仮想装置6に必要なデータを渡し、下位レイヤーでの処理が必要と判断したとき、下位レイヤーデータ作成部4に必要なデータを渡すネットワーク監視部3と、当該仮想装置6又は下位レイヤーデータ作成部4で作成されたデータを送信用RAWパケットとして試験対象機器200、及び試験装置1内の仮想装置6に送信する送信RAWデータ作成部5とを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の試験装置は、通信部で受信したデータは、試験装置に割り当てられたIPアドレス以外のデータは扱えないようになっている。また、試験装置からデータを送信する場合は、送信すべきデータに、試験装置に割り当てられたIPアドレス及びMACアドレスを付加して下位レイヤーで送信を行う。このため、1つの仮想装置(アプリケーション)に対して、1つの試験装置が必要となることから、複数の仮想装置を扱ってデータの送受信を行う場合は、複数の試験装置が必要になる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、1つの試験装置で試験対象機器と複数の仮想装置との間で試験対象機器の機能を試験することができる試験プログラム及び試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]試験対象機器にネットワークを介して接続される試験装置のコンピュータに、
それぞれ固有のIPアドレス及びMACアドレスが設定され、予め設定されたシーケンスに従って各種のデータを作成する複数の仮想装置と、
渡されたデータに基づいてデータを作成する下位レイヤーデータ作成部と、
受信したデータが前記仮想装置宛のデータである場合、上位レイヤーでの処理が必要と判断したとき、宛先の前記仮想装置に必要なデータを渡し、下位レイヤーでの処理が必要と判断したとき、前記下位レイヤーデータ作成部に必要な前記データを渡すネットワーク監視部と、
当該仮想装置又は前記下位レイヤーデータ作成部で作成されたデータを送信用RAWパケットとして送信する送信RAWデータ作成部として機能させるための試験プログラム。
[2]試験対象機器にネットワークを介して接続される試験装置であって、
それぞれ固有のIPアドレス及びMACアドレスが設定され、予め設定されたシーケンスに従って各種のデータを作成する複数の仮想装置と、
渡されたデータに基づいてデータを作成する下位レイヤーデータ作成部と、
受信したデータが前記仮想装置宛のデータである場合、上位レイヤーでの処理が必要と判断したとき、宛先の前記仮想装置に必要なデータを渡し、下位レイヤーでの処理が必要と判断したとき、前記下位レイヤーデータ作成部に必要な前記データを渡すネットワーク監視部と、
当該仮想装置又は前記下位レイヤーデータ作成部で作成されたデータを送信用RAWパケットとして送信する送信RAWデータ作成部と、
を備えた試験装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、1つの試験装置で試験対象機器と複数の仮想装置との間で試験対象機器の機能を試験することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0011】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る試験装置の概略の構成例を示すブロック図である。
【0012】
この試験装置1は、ネットワーク100を介して試験対象機器200及び図示は省略するが他の機器に接続され、試験対象機器200との間でネットワーク100を介して通信を行い、試験対象機器200に対してシーケンスに従った試験を行う。ネットワーク100は、有線・無線など通信形態は問わない。
【0013】
試験装置1は、送受信部2と、ネットワーク監視部3と、下位レイヤーデータ作成部4と、送信RAWデータ作成部5と、複数の仮想装置6
1〜6
n(これらを総称するときは「仮想装置6」という。)と、記録部7とを有して概略構成されている。なお、
図1では、試験対象機器200を1つ図示しているが、複数でもよい。これにより、
図1のように1つの試験対象機器200対複数の仮想装置6だけでなく、複数の試験対象機器対複数の仮想装置6のシーケンステストが可能になる。
【0014】
ネットワーク監視部3、下位レイヤーデータ作成部4、送信RAWデータ作成部5及び仮想装置6は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)に試験プログラム(テストツール)をインストールすることで実現される。
【0015】
仮想装置6は、ある機器をアプリケーションとしてシミュレート(模擬)した装置である。それぞれの仮想装置6は、固有の仮想IP(Internet Protocol)アドレス及び仮想MAC(Media Access Control)アドレスが割り当てられる。なお、仮想IPアドレス及び仮想MACアドレスは、予め割り当てられていてもよく、必要なときに割り当てられてもよい。また、仮想IPアドレス及び仮想MACアドレスは、実際のIPアドレス及びMACアドレスを用いてもよい。
【0016】
仮想装置6は、予め設定されたシーケンスに従って各種のデータを作成する。仮想装置6が作成するデータは、通信規格によって異なり、例えば、「要求」・「応答」のデータのときもあり、「要求」・「応答」・「通知」・「制御」のデータのときもある。
【0017】
記録部7は、例えばROM、RAM、ハードディスク等の記憶媒体によって実現され、仮想装置6に対応して仮想IPアドレス及び仮想MACアドレスが記録されている。
【0018】
試験対象機器200、仮想装置6に対応する機器、及び他の機器は、例えば、スマートハウスを構成する装置である。このような装置として、例えば、互いにネットワーク接続されたエアコン、コントローラ、冷蔵庫等の家電機器や、PC、スマートフォン(多機能携帯電話機)等の情報携帯端末、太陽光発電システム等の設備機器、電気自動車でもよい。試験対象機器200、仮想装置6に対応する機器、及び他の機器は、例えば、通信規格のECHONET Lite対応機器でもよい。また、複数の仮想装置6に対応する複数の機器には、同一の種類で同一の型式の機器が含まれていてもよい。
【0019】
送受信部2は、試験対象機器200からネットワーク100を介して送信されたデータ(例えば、通知データ)をRAWデータ(イーサーネットヘッダ部およびIPヘッダー部など通信ヘッダーが付加されたデータ)で受信し、ネットワーク監視部3に渡すRAWデータ受信部21と、送信RAWデータ作成部5によって作成された送信用のRAWデータをネットワーク100を介して送信するRAWデータ送信部22とを備える。
【0020】
RAWデータ受信部21が受信するRAWデータは、ユニキャスト送信による試験装置1内の1つの仮想装置6宛のデータのときもあれば、マルチキャスト送信による試験装置1内の全ての仮想装置6宛のデータのときもある。
【0021】
ネットワーク監視部3は、送受信部2のRAWデータ受信部21が受信したRAWデータを監視し、RAWデータの送信先(宛先)のIPアドレスが、マルチキャスト用IPアドレスであるか否か、又は仮想装置6に割り当てられている仮想IPアドレスと同一であるか否かの判断を記録部7の記録内容を参照して行う。
【0022】
ネットワーク監視部3は、RAWデータの送信先のIPアドレスが仮想装置6に割り当てられている仮想IPアドレスと同一の場合、又はマルチキャスト用IPアドレスと同一の場合、上位レイヤーでの処理が必要か、下位レイヤーでの処理が必要かの判断を行い、上位レイヤーでの処理が必要なとき、当該仮想装置6に必要なデータ(例えば、RAWデータからヘッダーを除いた通知伝文)を渡す。これにより、複数の仮想装置が当該仮想装置向けのデータの受信が可能になる。
【0023】
また、ネットワーク監視部3は、RAWデータ受信部21が受信したRAWデータの送信先のIPアドレスが仮想装置6に割り当てられている仮想IPアドレスと同一である場合、又はマルチキャスト用IPアドレスと同一である場合、下位レイヤーでの処理、すなわち下位レイヤーでの通信を維持すべき下位レイヤーの処理(例えば、ARP応答等)が必要なとき、下位レイヤーデータ作成部4に必要なデータ(例えば、ヘッダー部分のデータ)を渡す。なお、自発発信が必要な場合は、下位レイヤーデータ作成部4において送信を開始する。
【0024】
下位レイヤーデータ作成部4は、下位レイヤーのデータ、例えばARP応答等のデータを作成し、送信RAWデータ作成部5に渡す。
【0025】
送信RAWデータ作成部5は、仮想装置6又は下位レイヤーデータ作成部4で作成されたデータに、記録部7の記録内容を参照して送信先のIPアドレス及びMACアドレス(マルチキャスト用IPアドレス及びMACアドレスの場合を含む)、送信元の仮想装置6の仮想IPアドレス及び仮想MACアドレスを含むヘッダーを付加して送信用のRAWデータを作成する。送信RAWデータ作成部5は、作成した送信用のRAWデータをRAWデータ送信部22に渡す。
【0026】
送信RAWデータ作成部5は、ユニキャスト送信により試験対象機器200に送信用のRAWデータを送信するか、マルチキャスト送信により試験対象機器200及び他の機器に送信用のRAWデータを送信する。また、送信RAWデータ作成部5は、試験装置1内の仮想装置6に送信用のRAWデータを送信する場合もある。
【0027】
(第1の実施の形態の動作)
図2(a)は、ネットワーク監視部3の動作の一例を示すフロー図である。試験対象機器200からRAWデータがネットワーク100を介して試験装置1に送信されると、試験装置1のRAWデータ送受部21は、受信したRAWデータをネットワーク監視部3に渡す。
【0028】
ネットワーク監視部3は、RAWデータ受信部21からRAWデータを受信すると(S1)、RAWデータの送信先が仮想装置6であるか否かを判断する(S2)。具体的には、RAWデータのヘッダーに含まれる送信先のIPアドレスが、マルチキャスト用IPアドレスであるか否か、又はテストツールで模擬している仮想装置6に割り当てられている仮想IPアドレスと同一であるか否かの判断を、記録部7の記録内容を参照して行う。
【0029】
次に、ネットワーク監視部3は、RAWパケットの送信先が仮想装置6であると判断すると(S2:Yes)、送信されたRAWパケットが上位レイヤーで応答すべき処理データであるか否かを判断する(S3)。
【0030】
ネットワーク監視部3は、上位レイヤーで応答すべき処理データであると判断したときは(S3:Yes)、受信データ(例えば、報知情報)を対象の仮想装置6に渡す(S4)。仮想装置6は、受信データに基づいて応答データを作成し、送信RAWデータ作成部5に渡す。
【0031】
また、ネットワーク監視部3は、上位レイヤーで応答すべき処理データでないと判断したときは(S3:No)、受信データを下位レイヤーデータ作成部4に渡す(S5)。下位レイヤーデータ作成部4は、受信データに基づいて応答データを作成し、送信RAWデータ作成部5に渡す。
【0032】
図2(b)は、送信RAWデータ作成部5の動作の一例を示すフロー図である。送信RAWデータ作成部5は、送信先のIPアドレス及びMACアドレス(送信先がマルチキャストの場合はマルチキャスト用IPアドレス及びMACアドレス)と送信元の仮想装置6の仮想IPアドレス及び仮想MACアドレスを含む下位レイヤーヘッダーを作成する(S6)。
【0033】
次に、送信RAWデータ作成部5は、仮想装置6又は下位レイヤーデータ作成部4が作成した送信データにヘッダーを付加して送信用のRAWデータを作成し(S7)、その送信用のRAWデータを送受信部2のRAWデータ送信部22に渡す(S8)。送信用RAWデータは、RAWデータ送信部22によってネットワーク100を介して試験対象機器200に送信される。
【0034】
仮想装置6が自発的に送信を行う場合は、送信データ(例えばネットワーク接続時に、仮想装置のIPアドレス、MACアドレスを知らせるARP用データ)を送信RAWデータ作成部5に渡す。送信RAWデータ作成部5は、送信先のIPアドレス及びMACアドレス(マルチキャスト用IPアドレス及びMACアドレスの場合を含む)、及び送信元の仮想装置6の仮想IPアドレス及び仮想MACアドレスを含むヘッダーを作成し、そのヘッダーを送信データに付加して送信用のRAWデータを作成し、RAWデータ送信部22に渡す。送信用RAWデータは、RAWデータ送信部22によってネットワーク100を介して試験対象機器200にも送信される。
【0035】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態の試験装置1によれば、1つの試験装置に、パケットの受信機能及び送信機能を持たせることにより、複数の仮想装置の実現が可能になる。1つの試験装置で試験対象機器と複数の仮想装置との間で試験対象機器の機能を試験することができる。また、全ての受信RAWデータを1つのネットワーク監視部で、各々の仮想装置へ受信データを振り分けるので、仮想装置の処理負荷が軽減される。同様に、仮想装置の送信部でも処理負荷が軽減される。
【0036】
[第2実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る試験装置の概略の構成例を示すブロック図である。第1の実施の形態では、ネットワーク監視部3、下位レイヤーデータ作成部4及び送信RAWデータ作成部5は、複数の仮想装置6
1〜6
nに対して共通に設けられていたが、本実施の形態は、ネットワーク監視部3、下位レイヤーデータ作成部4及び送信RAWデータ作成部5を仮想装置6
1〜6
nごとに設けたものである。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0037】
この試験装置1は、ネットワーク100を介して試験対象機器200及び図示は省略するが他の機器に接続され、試験対象機器200との間でネットワーク100を介して通信を行い、試験対象機器200に対してシーケンスに従った試験を行う。
【0038】
試験装置1は、送受信部2と、複数の仮想試験装置8
1〜8
n(これらを総称するときは「仮想試験装置8」という。)とを有する。
【0039】
仮想試験装置8は、ネットワーク監視部3と、下位レイヤーデータ作成部4と、送信RAWデータ作成部5と、複数の仮想装置6
1〜6
n(これらを総称するときは「仮想装置6」という。)とを有して概略構成されている。なお、
図3では、試験対象機器200を1つ図示しているが、複数でもよい。これにより、
図3のように1つの試験対象機器200対複数の仮想装置6だけでなく、複数の試験対象機器対複数の仮想装置6のシーケンステストが可能になる。
【0040】
ネットワーク監視部3、下位レイヤーデータ作成部4、送信RAWデータ作成部5仮想装置6及び仮想試験装置8は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)に試験プログラム(テストツール)をインストールすることで実現される。
【0041】
それぞれの仮想試験装置8の仮想装置6は、固有の仮想IPアドレス及び仮想MACアドレスが割り当てられている。
【0042】
送受信部2は、第1の実施の形態と同様に、RAWデータ受信部21と、RAWデータ送信部22とを備える。
【0043】
ネットワーク監視部3は、送受信部2のRAWデータ受信部21が受信したRAWデータを監視し、RAWデータの送信先のIPアドレスが、マルチキャスト用IPアドレスであるか否か、又は自己の仮想装置6に割り当てられている仮想IPアドレスと同一であるか否かの判断を行う。
【0044】
ネットワーク監視部3は、RAWデータの送信先のIPアドレスが自己の仮想装置6に割り当てられている仮想IPアドレスと同一の場合、又はマルチキャスト用IPアドレスである場合、上位レイヤーでの処理が必要か、下位レイヤーでの処理が必要かの判断を行い、上位レイヤーでの処理が必要なとき、当該仮想装置6に必要なデータを渡す。また、ネットワーク監視部3は、下位レイヤーでの処理が必要なとき、下位レイヤーデータ作成部4に必要なデータを渡す。なお、自発発信が必要な場合は、下位レイヤーデータ作成部4において送信を開始する。
【0045】
送信RAWデータ作成部5は、仮想装置6又は下位レイヤーデータ作成部4で作成されたデータに、送信先のIPアドレス及びMACアドレス、及び送信元の自己の仮想装置6の仮想IPアドレス及び仮想MACアドレスを含むヘッダーを付加して送信用のRAWデータを作成する。送信RAWデータ作成部5は、作成した送信用のRAWデータをRAWデータ送信部22に渡す。
【0046】
送信RAWデータ作成部5は、ユニキャスト送信により試験対象機器200に送信用のRAWデータを送信するか、マルチキャスト送信により試験対象機器200及び他の機器に送信用のRAWデータを送信する。また、送信RAWデータ作成部5は、試験装置1内の仮想装置6に送信用のRAWデータを送信する場合もある。
【0047】
(第2の実施の形態の動作)
図4(a)は、ネットワーク監視部3の動作の一例を示すフロー図である。試験対象機器200からRAWデータがネットワーク100を介して試験装置1に送信されると、試験装置1のRAWデータ受信部21は、受信したRAWパケットを各仮想試験装置8
1〜8
nに渡す。
【0048】
各仮想試験装置8
1〜8
nのネットワーク監視部3は、RAWデータ送受部12からRAWパケットを受信すると(S11)、RAWパケットの送信先が自己に設定された仮想装置6であるか否かを判断する(S12)。具体的には、RAWデータのヘッダーに含まれる送信先のIPアドレス及びMACアドレスがマルチキャスト用IPアドレスであるか否か、又はテストツールで模擬している仮想装置6に割り当てられている仮想IPアドレスと同一であるか否かの判断を行う。
【0049】
次に、ネットワーク監視部3は、RAWデータの送信先が自己に設定された仮想装置6であると判断すると(S12:Yes)、送信されたRAWデータが上位レイヤーで応答すべき処理データであるか否かを判断する(S13)。
【0050】
ネットワーク監視部3は、上位レイヤーで応答すべき処理データであると判断したときは(S13:Yes)、送信データを自己に設定されている仮想装置6の上位レイヤーに渡す(S14)。仮想装置6は、受信データに基づいて応答データを作成し、送信RAWデータ作成部5に渡す。
【0051】
また、ネットワーク監視部3は、上位レイヤーで応答すべき処理データではないと判断したときは(S13:No)、受信データを下位レイヤーデータ作成部4に渡す(S15)。下位レイヤーデータ作成部4は、受信データに基づいて応答データを作成し、送信RAWデータ作成部5に渡す。
【0052】
図4(b)は、送信RAWデータ作成部5の動作の一例を示すフロー図である。送信RAWデータ作成部5は、送信先IPアドレス及びMACアドレス(マルチキャスト用IPアドレス及びMACアドレスの場合を含む)、及び送信元の仮想装置6の仮想IPアドレス及び仮想MACアドレスを含む下位レイヤーヘッダーを作成する(S16)。
【0053】
次に、送信RAWデータ作成部5は、仮想装置6又は下位レイヤーデータ作成部4が作成した送信データにヘッダーを付加して送信用のRAWデータを作成し(S17)、その送信用のRAWデータを送受信部2のRAWデータ送信部22に渡す(S18)。送信用RAWデータは、RAWデータ送信部22によってネットワーク100を介して試験対象機器200にも送信される。
【0054】
仮想装置6が自発的に送信を行う場合は、送信データを送信RAWデータ作成部5に渡す。送信RAWデータ作成部5は、送信先のIPアドレス及びMACアドレス(マルチキャスト用IPアドレス及びMACアドレスの場合を含む)、及び送信元の仮想装置6の仮想IPアドレス及び仮想MACアドレスを含むヘッダーを作成し、そのヘッダーを送信データに付加して送信用のRAWデータを作成し、RAWデータ送信部22に渡す。送信用RAWデータは、RAWデータ送信部22によってネットワーク100を介して試験対象機器200にも送信される。
【0055】
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態の試験装置1によれば、1つの試験装置に、パケットの受信機能及び送信機能を持たせることにより、複数の仮想装置の実現が可能になる。1つの試験装置で試験対象機器と複数の仮想装置との間で試験対象機器の機能を試験することができる。また、各々の仮想装置内で、ネットワーク監視部を持ち、該当の受信データの判断を行うので、仮想装置の増減が容易となる。同様に、仮想装置の送信部の増減も容易となる。
【0056】
[他の実施の形態]
なお、本発明の実施の形態は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々に変形、実施が可能である。
【0057】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記実施の形態の構成要素の一部を省くことが可能である。
【0058】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記実施の形態のフローにおいて、ステップの追加、削除、変更、入替え等が可能である。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することもできる。