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特開2016-214243水管理システムを有する植物用の容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-214243(P2016-214243A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】水管理システムを有する植物用の容器
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20060101AFI20161125BHJP
   A01G 27/00 20060101ALI20161125BHJP
   A01G 27/02 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
   A01G9/02 E
   A01G27/00 502L
   A01G27/00 503C
   A01G27/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-101761(P2016-101761)
(22)【出願日】2016年5月20日
(31)【優先権主張番号】10 2015 209 344.1
(32)【優先日】2015年5月21日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】516150246
【氏名又は名称】マルケティング・パルトナー・メニジュメント・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】MARKETING PARTNERS MANAGEMENT GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100086793
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅士
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144082
【弁理士】
【氏名又は名称】林田 久美子
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】マッティアス・ラインハルト・コーエン
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327ND01
2B327QA05
2B327QB03
2B327UA04
2B327UA08
2B327UA10
2B327UA22
2B327UA28
2B327UA30
2B327UB03
2B327UB09
2B327UB17
(57)【要約】
【課題】長期にわたり、人の関与なしに植物の成長に適した湿潤条件となるようにできる植物用の容器の提供。
【解決手段】本発明の植物用の容器は、(a)枠構造(1)と、(b)その中に置かれて、枠構造(1)で支えられる水タンク(9)と、(c)枠構造(1)中に置かれ、少なくとも部分的に水タンク(9)の上に拡がる植物用槽(11)と、(d)植物用槽(11)の内部区域(18)と水タンク(9)の内部区域の間に流体接続を可能にする排水口(27)と、(e)吸い込み側(13)と吐出側(16)を持ち、吸い込み側(13)は水タンク(9)の内部区域と流体接続し、吐出側(16)が前記植物用槽(11)の内部区域(18)と流体接続するポンプ(12)と、(f)枠構造(1)の側方の区域の少なくとも一部に沿って拡がり、この部分で枠構造(1)を覆うカバー(21,22,28)と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
・枠構造(1)と、
・前記枠構造(1)に組み込まれて、前記枠構造(1)に支えられる水タンク(9)と、
・前記枠構造(1)に組み込まれた、少なくとも部分的に前記水タンク(9)の上方に
拡がっている植物用槽(11)と、
・前記植物用槽(11)の内部の区域(18)と前記水タンク(9)の内部の区域の間に流体接続を作り出す植物用槽の排出口(27)と、
・吸い込み側(13)が、前記水タンク(9)の内部区域と流体接続し、吐出側(16)が前記植物用槽(11)の内部区域(18)と流体接続するように取り付く、前記吸い込み側(13)と前記吐出側(16)とをもつポンプ(12)と、
・前記枠構造(1)の側方の外側区域の少なくとも一部分に沿って拡がり、前記枠構造(1)のこの部分をカバーする、側方のカバー(21,22,28)と、
を有することを特徴とする植物用の容器。
【請求項2】
請求項1に記載の植物用の容器において、前記植物用の容器が、上方のカバー(25)を有し、前記上方のカバー(25)が、(イ)前記枠構造(1)の横方向の外側区域の少なくとも一部に沿って、(ロ)前記のこの部分をカバーする前記側方のカバー(21,22,28)に沿って、または、(ハ)前記枠構造(1)の上部の外側区域の少なくとも一部に沿って延びており、それにより、前記上方のカバー(25)が、前記側方のカバー(21,22,28)および/または前記枠構造(1)の外側区域の一部分を覆うことを特徴とする植物用の容器。
【請求項3】
請求項2に記載の植物用の容器において、前記上方のカバー(25)が、前記枠構造(1)に組み込まれていることを特徴とする植物用の容器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の植物用の容器において、前記枠構造(1)の内部区域の全底面の上の方に前記植物用槽(11)が拡がっていることを特徴とする植物用の容器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の植物用の容器において、前記植物用槽(11)の下方に、ポンプ(12)の取り付け区域を備えることを特徴とする植物用の容器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の植物用の容器において、前記植物用槽(11)の下方に、電気装置の取り付け区域(19)を備えることを特徴とする植物用の容器。
【請求項7】
請求項5または6に記載の植物用の容器において、前記ポンプ(12)の前記取り付け区域および/または前記電気装置の前記取り付け区域(19)が、前記植物用の容器(23)から取り外しできるようなケーシングを有することを特徴とする植物用の容器。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか一項に記載の植物用の容器において、前記ポンプ(12)の前記取り付け区域および/または前記電気装置の前記取り付け区域に簡単にアプローチできるように、前記ポンプ(12)および/または前記電気装置の前記取り付け区域(19)がセパレート型の側壁カバー(24)を備えていることを特徴とする植物用の容器。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の植物用の容器において、前記水タンク(9)が、前記植物用の容器(23)を囲む区域に通じるオーバーフローの出口(29)を備えることを特徴とする植物用の容器。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の植物用の容器において、前記枠構造(1)がその下側に、前記植物用の容器(23)を動かすための移動装置を備えることを特徴とする植物用の容器。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の植物用の容器において、前記水タンク(9)の内部区域に支持構造(10)を備えることを特徴とする植物用の容器。
【請求項12】
請求項11に記載の植物用の容器において、前記支持構造(10)が枠状構造を有しており、その側面区域が前記水タンク(9)の側壁と平行に延びて、これと面一に隣接していることを特徴とする植物用の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に基づいた、植物用の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の技術により、様々な植物用の容器が知られている。例えば植物を植える、単なる植木鉢がある。さらには、自動的に散水する植物用の容器が知られており、容器外壁と内壁の間に空洞があり、水で満たすことが可能で、これが、水タンクの役割を果たす。この様な植物用の容器に植えた植物は、その根が水タンクにまで到達すると、水タンクから自動的に水を吸い上げる。この場合、使用者は、規則的な間隔で、一般的に小容量である水タンクの水位を管理し、必要に応じ、水をつぎ足す必要がある。
【0003】
植えた植物が枯れないようにするために、この様な植物用の容器に対して使用者が絶えず世話と手入れをする必要があるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、使用者が関与することなく、植物の成長に適した水分の状態を、公知の技術水準よりも長期にわたり可能にするような植物用の容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の特徴を有する植物用の容器により解決できる。この様な植物用の容器は枠構造を備えている。枠構造の内部には水タンクがある。この水タンクは枠構造に組込まれ、枠構造で支えられる。この場合、水タンクは、好ましくは上方から枠構造に組み込まれる。水タンクは、例えば上方が開いた水槽として仕上げることもできる。
【0006】
植物用の容器はさらに、植物用槽を備え、同じく枠構造中に組み込まれる。この植物用槽は、少なくとも部分的に水タンクの上方に拡がっている。例えば、植物用槽が水タンクを完全に覆うようにすることも可能である。
【0007】
植物用槽には排出口を配置する。排出口より液体が、植物用槽の内部区域より水タンクの内部区域に流れることができる。つまり、排出口は植物用槽の内部区域と水タンクの内部区域との間に流体接続が起きる。排出口の大きさ、あるいは排出口に構成された孔の大きさで、流速あるいは単位時間に排出口を通過する最大流量が決まる。このような方法で植物用の容器は植物用の容器中に植えた種々の植物の異なる要求に対して、適応したものになる。
【0008】
さらに、植物用の容器はポンプを備えている。このポンプは吸い込み側と吐出側とを備えている。吸い込み側は水タンクの内側区域と流体接続している。吐出側は植物用槽の内側区域と流体接続している。こうすることにより、ポンプにより、水タンク中の水やその他の液体を水タンクから吸い込み、植物用槽の内部区域に送り込むことができる。このようして、植物用槽の内部区域を常に湿った状態に保ち、しかも同時に余分な液体を排出口から排出させることができる。例えば植物用槽が土や植物用顆粒で一杯の時、この方法で、多くの植物にとって有害な水などの滞留を避けかつ、土や植物用顆粒の湿度を規定の値に調整することができる。
【0009】
要するに、植物用の容器は、枠構造を覆う側方のカバーを備え、それは枠構造の側方の外部区域の少なくとも一部分に沿って拡がっている。枠構造に沿って側方のカバーが拡がっているこの区域において、カバーは枠構造とそのもとにある植物用の容器の“内部機構”であるその他の要素、特に水タンクと植物用槽を覆う。
【0010】
このような植物用の容器により、ポンプのエネルギー供給だけが必要な、進んだ自給自足のシステムにおいて、使用者が手動でこれに介入する必要なく、植物の生育に適した湿潤条件をもたらし、それを長期に亘り維持するような可能性がある。好ましくは、一定の期間、例えば、少なくとも一週間、とりわけ少なくとも二週間、とりわけ少なくとも三週間、とりわけ少なくとも四週間、とりわけ少なくとも一月、とりわけ少なくとも二ヶ月、とりわけ少なくとも三ヶ月、とりわけ少なくとも四ヶ月、とりわけ少なくとも五ヶ月、さらに特には少なくとも六ヶ月にわたって、確実に植物用槽中の植栽基層の湿度保持のために、水や液体の量が保証されるように、水タンクの大きさが設定される。例えば、植物用の容器の植栽基層の湿度保持が、一週間から六ヶ月のある期間、または、上記期間のそのほかの任意の間隔(例えば、三週間から四ヶ月)で保証される。
【0011】
植栽基層を湿った状態に保つ期間は、特に、植物用の容器の置き場所によって変わる。例えば、植物用の容器を湿りがちな戸外に置くと、降雨によって植物用の容器中で生育する植物がその期間に必要とする水分消費量が補われる。これに対して、植物用の容器が乾燥した所に置かれ、このような降雨がない場合、植栽基層を湿った状態に保てる間隔は、湿潤な地域より短くなる。さらに、植物用の容器中の植物の大きさと、植物の水分需要とによって違いが出てくる。植物用の容器を内部区域に置くと、その部屋の一般的な気象条件(湿度、室温)によって、植栽基層を湿潤に保つ期間が左右される。
【0012】
さらに、側方のカバーによって、見栄えが確実によくなる。必要な場合、特に簡単に側方のカバーを取り外しできるように、例えば、側方カバーを枠構造に、ねじで止める。様々なデザインの植物用の容器を提供できるように、色々な仕上げ方の側方カバーを使用することも考えられる。必要に応じ、このようなデザインをお互いに組み合わせることも出来る。さらに、片方の側方カバーと、もう一つの側方カバーとを取り替えることで、植物用の容器全体のデザインを変化させることが出来る。好ましいとされた枠構造と側方カバーとのネジ結合によって、側方カバーの交換が迅速に出来る。この場合、側方カバーを任意の小さい区分に分割して仕上げることができる。
【0013】
本発明によりクレームされている植物用の容器における水循環は、ポンプで流れを継続させて、水タンクから植物用槽へ水を配送し、とそれに引き続き、水タンクへ水を還流できるので、水管理システムとして特徴づけられる。そのため、上記のような植物用の容器は水管理システム付きの植物用の容器と称され、―現状技術の植物用の容器とは対照的に―、ユーザーの手を借りることなく、長期に亘り、植物用槽中に成長促進に必要な湿潤な状態を作り出す。例えば、タイマーによって、事前に決めた間隔でポンプを運転することができる。
【0014】
ここで特に有利な点は、植物用の容器に植えた植物の根に、全て意図的に水を与えられることである。植物用槽への水補給が特には植物用槽の上方で行われ、植物用槽中にある植栽基層の大部分が、特には植栽基層の全部を濡れた、あるいは湿った状態に保つ。従って、現状技術による解決方法と異なり、植物用槽の下に配置された水タンクにまで根が張る必要がない。さらに、はっきりした根構造や特別に長い根などを持たない非常に小さな植物でも、根に確実に給水するので、植物用の容器中で育成できる。さらにいろいろな種類の根を持つ植物をただ一つの植物用槽中で同じように育成することができる。つまり、本発明によって意図された植物用槽への給水方法で、浅い根の植物も深い根の植物と同じように水に触れるようになる。このように、本発明に基づいてクレームされている植物用の容器は、現状技術で知られた植物用の容器より、植え込みに関して充分大きな多様性を提供する。
【0015】
一実施態様では、枠構造は中空のアルミの型材で製造し、互いにネジまたは溶接で結合される。このようなアルミの型材は自重が小さく、なおかつ枠構造が水タンクと植物用槽として必要な剛性と耐荷重性をもたらす。中空の特殊鋼の型材も同様に枠構造を造るのに適している。
【0016】
水タンクを、例えば特殊鋼あるいはその他の不活性な材料で構成し、水などの液体に長時間接しても不都合な腐食現象が起きないようにする。プラスチックも、水タンク用として同様に適当な材料であろう。
【0017】
一実施態様においては、水タンクは枠構造にネジ結合ではなく、単に枠構造中に組み込まれるだけである。こうすることで、植物用の容器を簡単に取り付け、取り外しでき、かつ水タンクの液密性の形態が確保されるが、水タンクを枠構造にネジ止めした場合には、液密性形態は、ネジ結合部に追加のシール要素を予め備えることによってのみ保証される。
【0018】
植物用槽自体は、特殊鋼やプラスチックやその他の水に対して基本的に不活性な材料で構成することかできる。
【0019】
水タンクは好ましくは枠構造中に嵌めこまれ、枠構造の三つの側方区域と枠構造の下部区域に接している。一方で第四の面の上の枠構造と水タンクとの間に、自由スペースが構成される。この自由スペースには、植物用の容器のその他の要素によって占められることができる。
【0020】
一実施態様においては、水タンクは少なくとも部分的に枠構造から突き出て、この枠構造から突き出た区域において、それが植物用槽に覆われないようにする。水タンクは、この突き出た区域では、好ましくは、カバーされるように仕上げて、そこに水タンクの汚染物が上から入り込まないようにする。このようにカバーされた水タンクは例えばベンチとして使用し、植物用の容器全体を庭園家具として設置することもできる。このような方法で、植物用の容器を階段状に積み上げて、植物用の容器を様々な大きさにすることができ、なおかつ植物用槽に外から楽にアプローチができるようになる(すなわち例えば、使用者が水タンクで構成した段に乗った場合)。
【0021】
さらなる一実施態様においては、上記の実施態様を実現するために、枠構造が植物用槽に対して、外側に向かって突き出す水タンクの部分を共有し、この突き出た水タンクは枠構造の側方のカバーをかけられている。またこの実施態様では、このように突き出た水タンクを植物用槽と面一でないように繋げて、座席あるいは、踏み台を構成する。
【0022】
一実施態様においては、さらに上方のカバーを備えている。この上方のカバーは一方で、枠構造の側方外部区域の少なくとも一つの部分に沿って延びている。この枠構造の側方外部区域の部分に、既に側方カバーがあるときには、上方のカバーが、この部分で枠構造を覆っている側方のカバーに沿って延びている。他方で、上方のカバーは枠構造の上方の外部区域の少なくとも一つの区域に沿って延びている。ここでは上方のカバーは側方のカバーおよび/または枠構造の外部区域の側方の部分も、および/または枠構造の外部区域の上方部分もカバーする。このようにすると、上部カバーは、いわば植物用の容器の上方の縁のよう見えて、外観の見地で、植物用の容器の外見をよくし、かつ技術的な面では、液体または汚染物が枠構造の内側に侵入するのを防止する。
【0023】
一実施態様においては、上方のカバーは枠構造の上に置かれるが、これとネジ結合されていない。これによって、一方では、上方の枠構造の外観がまとまったものとなることを可能にし、他方では、上方のカバーの取り外しが簡単になる。この上方のカバーは、例えば上方の区域で、枠構造を覆い、特には、これを取り囲む枠として仕上げられ、この枠の基本形状は、枠構造の底面の周囲に対応している。この枠構造の底面が、例えば正方形のとき、上方のカバーは、周辺を囲む正方形の枠を形成し、それは枠構造の上方の区域に置かれる。正方形の枠の面で囲まれた区域から、植物用槽の内部区域にプローチできる。
【0024】
一実施態様において、植物用槽は枠構造の内部区域の全底面の上の方に拡がっている。すなわち、植物用槽は水タンクより大きな底面を持つようにできる。この場合、植物用槽は水タンクを完全に覆う。さらに植物用槽は空隙帯域も覆い、その空間は、一実施態様においては水タンクと枠構造の間に水タンクの少なくとも一つの側に構成される。
【0025】
この態様では、植物用の容器の枠構造が作る場所で、かつ、植物用槽用に最も適した設置場所を使うので、植物用槽中に植える植物のために、最大限の面積と、それに伴って植物用槽の内部に最大限の容積を提供する。
【0026】
さらなる一実施態様において、植物用槽の下方にポンプの取り付け区域が設けられる。これによってポンプを植物用の容器の枠構造の内部にコンパクトに配置することができる。
【0027】
さらなる一実施態様において、植物用槽の下方に電気装置の取り付け区域が設けられる。この電気装置において、例えば配電盤および/またはポンプの制御用および/または駆動用の装置が重要である。
例えば、タイマーを配置して、使用者が定める適当な間隔でポンプを作動させることができる。電気装置においては、さらに例えば多口のコンセント、スイッチ、トランスなどが重要である。
【0028】
ポンプの取り付け区域も電気装置の取り付け区域も、例えば空隙帯域に配備することができ、それは、一実施態様においては、枠構造と水タンクの間の、水タンクの少なくとも一つの面に構成される。そして、この空隙帯域は、最も場所をとらない方法でポンプおよび/または電気装置によって占有され、または場合によってはいっぱいになる。
【0029】
植物用の容器からの電線を、コンセントのような外部電源と繋げるだけで、植物用の容器を規定通りに操作できるように、植物用の容器の電気装置は植物用の容器の外側に配置された電源と接続してもよい。さらに、バッテリーまたは蓄電池を電気装置として置くことが可能である。この場合、バッテリーや蓄電池の容量で定まる期間の間、植物用の容器は全く外部エネルギー供給なしに作動する。バッテリーあるいは蓄電池の容量が消耗すると、バッテリーの交換あるいは蓄電池の再充電が必要となる。これは専門家が知っている方法で実行できる。また、電気エネルギーを発生するソーラーモジュールを配備することも考えられる。そうすることで、ソーラーモジュールにより太陽光の照射に応じて、蓄電池はいつも新たに充電され、外部電気エネルギーを供給することなく、植物用の容器の駆動間隔を極めて大きくすることができるので、植物用の容器は―特に屋外に設置する場合には―特別に長い時間、自給自足で駆動可能である。
【0030】
一実施態様において、ポンプの取り付け用の区域および/または電気装置の取り付け用の区域にケーシングを配置して、そのケーシングは植物用の容器から取り外すことができる。そうすることで、例えば整備をするため、電気装置またはポンプをケーシングから特に簡単に取り外すことができる。その後、電気装置、またはポンプを付けて、ケーシングは植物用の容器の中に戻すことができる。すなわち、その方法によって、電気装置および/またはポンプに関して植物用の容器をモジュール構造とすることができる。このようにして、電気装置および/またはポンプに関して、植物用の容器のモジュール構造が提供できる。そのために、植物用の容器から簡単に取り付け、取り外しができる電気モジュールおよび/またはポンプモジュールが形成される。
【0031】
さらなる一実施態様において、ポンプの取り付け区域および/または電気装置の取り付け区域にセパレート型の側方カバーが備えられる。このセパレート型の側方カバーにより、ポンプの取り付け区域および/または電気装置取り付け区域に簡単にアプローチできるようになる。例えば、そのセパレート型の側方カバーは枠構造とのネジ結合ではなく、枠構造にはめ込むか、あるいは、他の直ぐに緩めることができる保護装置により枠構造に取り付けられる。この実施態様においては、その他の側方カバーを枠構造から取り外すことなしに、ポンプあるいは電気装置に容易にアプローチできる。こうして植物用の容器の操作も、不時に行われる植物用の容器の整備あるいは修理作業も容易になる。
【0032】
さらなる一実施態様においては、水タンクにオーバーフローの出口を付け、水タンクからの水をポンプで吸い込むだけでなく、必要な場合、オーバーフローの出口を通して水タンクから流出させることができる。このようにすることで、植物用槽の下部区域の水の溢れ出しを有効に防ぎ、水の停滞を防止する。この時、あふれ出た水は、主として、植物用の容器を囲む空間に注ぎ込む。例えば、あふれ出た水は、単なるホース排出として周囲に導かれてもよい。
オーバーフローの出口は植物用の容器の通常の運用時には、一般に水が流れず、実際には、必要な時だけ流すだけなので、いつもオーバーフローの出口の下に水受けを置いておく必要はない。それでもなお、オーバーフローの出口を通って植物用の容器から漏れ出した水で、特に高価な床被覆材が、濡れるのを防止するのは、場合によって意味が有る。
【0033】
植物用の容器を置く土台を配置した枠構造の下側には、例えば、植物用の容器がしっかりと立つように、足を備えることもできる。この足は例えば固定(調整できない)にも、高さ調整可能にも仕上げられる。さらに、一実施形態では、植物用の容器を移動するための装置を枠構造の下側に備えている。例えば前記の足の代わりにローラーあるいは滑走面
(Gleiter)を備え、植物用の容器を―水が一杯の状態でも―土台の上で容易に動かすことができる。
特に水タンク中に貯められた水や、植物用槽中の植栽基層または植栽基層中に植えた植物で決まる植物用の容器の大きさと重量に応じて、下部に付けるローラーあるいは滑走面の寸法が決まる。土台の上を植物用の容器を確実に動かせ、また、動かさない時には確実に植物用の容器が土台の上に立つように、ローラーあるいは滑走面は、しっかりと安定したものでなければならない。
【0034】
一実施態様においては、枠構造に、あるいは植物用槽の内部区域の上の部分に少なく
とも一つの植物を繋ぎ止めることができる保持要素を備えている。保持要素は例えば環[例えば固定留め環(Zurroese)のような]で構成できる。このような環によって、植物を特にうまく括り付け、あるいは束ねることができる。
さらに、枠構造あるいは植物用槽の内部区域に、例えば引き込み可能に仕上げられた踏み台(Rankhilfe)を備えることができる。このような場合、踏み台は、必要な場合、展開位置(Rankposition)にする。逆に踏み台が必要でない場合、それは引き込み位置(Verstauposition)にする。踏み台を、例えば、押上げるか、跳ね上げることで、踏み台を引き込み位置から展開位置に変えることができる。
【0035】
一実施態様において、水タンクはその内部区域に支持構造を備えている。この支持構造は、例えば特殊鋼の形材で構成でき、お互いにネジ止め、あるいは溶接される。このような特殊鋼の形材は、アルミの形材に比べて、長期間水中に貯蔵されてもほとんど腐食現象を示さないという利点がある。さらに、支持構造は、水タンクの上に置かれた植物用槽の重量を支える働きをする。
適切な支持構造によって、それを備えない場合に比べて、低い壁強度の水タンクに変更することが可能になる。このような支持構造を使用してもなお、水タンク(支持構造を含む)の安定性を確保し、さらには高めながら、大幅に材料を減少させることが可能になる。
【0036】
ある一実施態様では、支持構造に関して、側方区域を備えた枠構造と、その側方区域をお互いに連結する直交支柱(Querstreben)が重要である。支持構造の側方区域は、好ましくは、水タンクの側壁に平行に伸び、この側壁に接する。さらに、支持構造は好ましくは、それが、水タンクの側壁と面一で縁がついている。このように、水タンクに支持構造を使用すると、構造全体が、張り出し部分がなく、しかも、安定性を高めて、植物用槽の重量を支える。
【0037】
一実施態様においては、植物用槽を覆うための蓋を備える。このような蓋があると、例えば、植物を栽培にあたり、所定の生育環境を持ち込む際に便利である。そのうえ、このような蓋は植物用槽中の植物の越冬に役立つ。蓋を、例えば蝶番で、枠構造に、または植物用槽に、あるいは植物用の容器のその他の要素にヒンジ止めすることにより、(例えば、跳ね上げて)蓋を容易に開くことができる。さらには、蓋は、不必要な場合には、長期間、植物用槽から取り外しておくこともできる。このような場合には、例えば取り外し可能なヒンジを配置して、蓋を跳ね上げるか、そうでなければ蓋を完全に取り払うようにすることができる。
【0038】
一実施態様においては、カバーに、空調装置(Klimavorrichtung)が配置される。この空調装置は単に開閉する通気調整蓋(Klappe)(パッシブな装置)、または換気装置(アクティブな装置)で仕上げることができる。また長時間開いている蓋(Klappe)を備えて、カバーが取り付いていても植物用槽の強制換気ができるようにする。ここでは、蓋の開度の大きさを、温度状態に従って自動的に変えることができる。これは、例えば、温度に従って開度が変えられる窓開閉装置により実現できる。蓋の代わりに、換気用スロット(Lueftungsschlitze)あるいは空調装置を使用して、カバーにおける空調装置を実現できる。
【0039】
一実施態様においては、植物用の容器には暖房装置が配置される。この暖房装置は例えば、巻線電熱あるいは導線電熱で仕上げ、電気で作動する。暖房装置と植物のルートバール(Wurzelballen)との間の距離をできるだけ小さくするため、このような暖房装置は、植物用槽を満たす植栽基層中に配置するのが適当である。こうして、ルートボールを特に簡単な方法で希望する温度に保ち、霜害の防止や、植物の良好な生育を可能にする。暖房装置は、植物用の容器の電気装置に接続されて、電力が供給される。
【0040】
さらなる一実施態様においては、植物用の容器に照明装置が備えられる。このような照明装置は、植物用の容器の任意の場所(例えば、枠構造または植物用槽に)に取り付けることができる。電力供給のために、照明装置を、植物用の容器の電気装置に接続する。照明装置を使うことで、植物の生育に特に適した照明条件に設定にすることができる。
【0041】
さらなる一実施態様において、肥料配合装置が備えられる。このような肥料配合装置は、電気または機械システムとして仕上げられ、肥料タンクに蓄えられた肥料の所定の量を水タンクに引き渡し、その後、この肥料は植物用の容器にある植物に、水とともに供給される。この肥料配合装置は例えば、水位の表示装置に接続して、指定の水位になった時、常に所定の量の肥料を水タンク中の水に送り込む。
また、肥料配合装置にタイマーに繋いで、水タンク中の水に所定の量の肥料を、決められた時間間隔で加えることも考えられる。このような方法で、同じく、植物用の容器中の植物の特に適した生育条件を設定する。電力を供給するため、肥料配合装置を植物用の容器の電気装置に接続することができる。
【0042】
一実施態様では、植物用槽の上部まで延びて、植物用槽を満たしている植栽基層と排出口が直接接触しないようにするための、シャフト形の要素を、排出口の周りに配置している。ここでは、シャフト形の要素を、水を通すように仕上げる。
例えば、シャフト形の要素にスリットまたは篩のような装置を備え、植栽基層はほとんど通さずに、そこを水が通るようにする。シャフト形の要素は排出口の周りに点検口(Revisionsschacht)を形成し、そこを通して、排出口に常時容易に上部からアプローチできる。シャフト形の要素は、使用者が、排出口にアクセスするために、シャフト形の要素内に腕を突っ込めるような寸法にする。これで、万一、排出口に汚染物あった場合、あるいはそこに詰まったものを、非常に容易に取り出しあるいは除去できる。それにより、排出口が常に機能するようにする。シャフト形の要素例えば、長方形、特には正方形に、あるいは円形の底面を持つようにできる。
【0043】
さらなる一実施態様において、水位計が、少なくとも部分的にシャフト形の要素の内部に延びるようにする。ここでは、水位計は、好ましくは、水タンクに連結し、水タンクの満水状態を正しく表示するようにする。先に簡単に説明したように、この水位計は、例えば、肥料配合装置と繋いで、測定した水位に従って、肥料を水タンク中の水に自動的に配合できるようにする。
【0044】
一実施態様において、植物用槽の内部区域および/または水タンクの内部区域に、少なくともグリップを一つ備え、それによって,植物用槽および水タンクを枠構造から容易に取り出せるようにしている。好ましくは、植物用槽または水タンクの互いに向き合った二つの面に、それぞれグリップを一つずつ備えて、植物用槽および/または水タンクの取り外し時の取扱いをさらに容易にする。
【0045】
前に記載した全ての植物用の容器の実施態様を、任意に組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】植物用の容器の実施例における支持枠(フレーム)を示す図面である。
図2図1の支持枠に水タンクを組み込んだ支持枠を示す図面である。
図3図2の水タンクと前記水タンクに組み込まれた支持構造とを含む支持枠を示す図面である。
図4図3の水タンクとその支持構造、および支持枠中に置かれた植物用槽を含む支持枠を示す図面である。
図5図4の水タンクと、支持構造と、植物用槽とを有する支持枠にカバーを付けた植物用の容器を示す図面である。
図6A図5に示した植物用の容器の取水管の詳細図である。
図6B図5に示した植物用の容器の排出口の詳細図である。
図7図5に示した植物用の容器のオーバーフロー出口の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
前記の植物用の容器の細部を、実施形態例と対応する図によって詳しく説明する。
【0048】
図1は、互いに溶接されたアルミ成形材で構成した支持枠(Gestell)1で、これが枠構造(Rahmenkonstruktion)の役割をする。支持枠1は四隅に支柱(隅支柱)2を有している。さらに、支持枠1の底面は、四つの下方外側支柱3を有している。それに加えて、支持枠1の上方の面は、上方外側支柱4を有している。互いに隣り合う隅支柱2間には、それぞれ一方から他方に延びる二つの直交支柱(Querstreben)5が配置され、それが支持枠1の側方区域の補強の役割を果たす。ここでは、直交支柱5はほぼ全部、支持枠1の個々の側方区域の面全体の上に延びている。支持枠1の正面に向いた側だけには、水平に走る直交支柱5が第一の隅支柱2から第二の隅支柱2にまで延びるのではなく、垂直に配置された一方から他方に延びる直交支柱5にまでしか延びていない。こうすることで、ドア状の区域6が作り出され、それにより、支持枠1の内部区域へのアプローチが容易になる。
【0049】
支持枠1の下側で、下方外側支柱3の間に、補強用に、二つの下側直交支柱7が同じように配置され、それぞれ、下方外側支柱3から、それに向き合う下方外側支柱3まで延びている。
【0050】
支持枠1の上部側には、上から支持枠1の内部区域に自由にアプローチできるようにするため、このような補強用の支持枠がない。
【0051】
支持枠1が載せられる土台に所属する、支持枠1下面には、4つの足8があり、その上に支持枠1全体が立っている。必要に応じて、この4つの足8を4つのローラーに交換して、支持枠1を可動にできる。
【0052】
図2は、図1の支持枠1の内部に水タンク(Wasserreservoir)9が組み込まれている支持枠1を示している。
この図および後に示す全ての図にも、同じ要素に対して同じ参照記号を付与している。これらの要素に対する既に出た説明についても当てはまる。4つの上方外側支柱4で周囲が取り囲まれた開口部を通して上から水タンク9の組み込みを行う。水タンク9はお互いに溶接された特殊鋼の板で構成される。それは支持枠1にネジ止めされるのではなく、単にその中に嵌めこむだけである。
【0053】
図3は、図2の水タンク9を組み込んだ支持枠1であって、前記水タンク9にはさらに支持構造(Stuetzkonstruktion)10が組み込まれた支持枠1を示している。この支持構造10は、支持枠1のように枠状構造で組み立てられ、支持構造10の外側の面は水タンク9の内側の面に隣り合って、水タンク9の上方の面にこれと同一平面で縁が形成されている。縦と横に走る支持支柱は支持構造のひとつの面から、向かい合う支持構造面まで延びており、水タンク9の中で、支持構造がさらに安定になるようにしている。
【0054】
図2および3からわかるように水タンク9は支持枠1の全底面にまで広がっておらず、支持枠1の正面側の区域に、支持枠1の底面の一部を開けて、空隙帯域を形成している。
【0055】
図4は、水タンク9と支持十字構造(Stuetzkreuz)10を組み込んだ、図3の支持枠1であって、水タンク9と支持十字構造10の上に、さらに植物用槽(Pflanzwanne)11が置かれた支持枠1を示す。
その支持十字構造10は、植物用槽11で完全に覆い隠されているため、図4では見えない。植物用槽11は支持枠1の全底面の上方に広がっており、4つの上方の外側のすべての支柱4に密着している。さらに、それは4つの上方外側支柱4に同一平面で縁が形成されている。
【0056】
植物用槽11は水タンク9を完全に覆う。水タンク9は―図2図3に関して説明した通り―支持枠1の底面の全部を占めていないので、他の要素を置くことができる区域が形成される。そこで、この区域にはポンプ12が配置され、その吸い込み側13はホース14を通して水タンク9の排出口15と流体工学的に接続される。ポンプ12はさらに吐出側16を有し、それはホース配管17を通して植物用槽11の内部区域(Innenbereich)18中の入口と接続される。この植物用槽11の内部区域18は、植物用槽11の底面に構成された排出口を通して、水タンク9の内部区域と流体工学的に接続される。
【0057】
ポンプ12の横にはさらに、電気装置を取り付けるためのケーシング(Gehaeuse)(取り付け区域)19が配備され、電線が開口部20を通って配線されることができる。
【0058】
図5では、図4で示された支持枠1が第一の側壁(カバー)(Seitenband;Verkleidung)21と第二の側壁(カバー)(Seitenband; Verkleidung)22とで覆われて、植物用の容器(Pflanzgefaess)23を構成するように示されている。第二の側壁22がほぼ植物用の容器23の下側から、植物用の容器23の上部まで延びているのに対して、第一の側壁21は,植物用の容器23の,植物用槽11が占める高さまでしか延びていない。下方の区域には、その下にあるポンプと電気装置にアプローチできるように、容易に取り外しができる側壁カバー24がさらに配置される(図4と比較のこと)。
【0059】
植物用の容器23の上部区域において、さらに上方のカバー(Verkleidung)・エッジ(Abdeckungsrand)25があり、それは取り巻くように形成され、植物用の容器23の上部全体の周囲をカバーする。そこでは上方のカバー・エッジ25が、その下にある上方外側支柱4の上に置かれて、それでこの支柱4と側壁21,22とをカバーする。すべての電気コンポーネントやポンプを、さらに付け加えた側壁24を取り外して、簡単にアプローチできるため、ポンプおよび全ての電気コンポーネントを植物用の容器23から問題なく取り外せる。
【0060】
植物用の容器23を規定通りに駆動させる場合、ポンプ12は水タンク9から水を吸い込み、ホース17を通して植物用槽11に送り込む。植物用槽11の排出口を通して、規定の時間内に、水タンク9に戻す。同時に、排出口を通して、植物用槽11から水タンク9に水を還流させる時、ポンプ12は植物用槽11も満水にする。
【0061】
ポンプ12は市販のタイマーで簡単に操作でき、水の循環がポンプ12の決められた作動時間にのみ起きるようにする。その後で、水は、植物用槽11中の植栽基層(Substrat)を湿らすための十分な時間を持ち、余分な水を植物用槽11の排出口を通じて水タンク9に還流させる。
【0062】
図6Aは植物用槽11の内部区域18中の注入口26の詳細を示す。注入口26は植物用槽11の上の区域に配置され、注入口26を通して、植物用槽11に入り込む水で、植物用槽中に蓄えられた基層全体を、植物用の容器が規定通り動いている間、湿らせることができる。
【0063】
図6Bは排出口(Ablauf)27の詳細を示しており、それを通して、植物用槽11の内部区域18から水を流すことができる。排出口27は植物用槽11の底面の角のひとつに構成され、市販の水槽排出口で仕上げられる。排出口27の穴の大きさで、単位時間に植物用槽11の内部区域18から流出する水の量が決まる。
【0064】
図7は植物用の容器23の外観を示し、第3の側壁(カバー)(Seitenwand; Verkleidung)28の面にオーバーフローの出口(Ueberlauf)29が形成されている。前記出口29は、水タンク9上方の区域と流体接続している。ポンプが働かない、あるいは正常に作動しない場合、余分の水を水タンク9から、植物用の容器の外側の区域に送ることで、オーバーフローの出口29により植物用の容器の内部の破損が防止される。
【符号の説明】
【0065】
1 支持枠(枠構造)
2 隅の支柱
3 下方外側支柱
4 上方外側支柱
5 直交支柱
6 ドア状の区域
7 下側直交支柱
8 足
9 水タンク
10 支持構造
11 植物用槽
12 ポンプ
13 吸い込み側
14 ホース
15 排水口
16 吐出側
17 ホース配管
18 内部区域
19 ケーシング
20 開口部
21 第1の側壁(側方のカバー)
22 第2の側壁(側方のカバー)
23 植物用の容器
24 側壁カバー
25 上方のカバー(エッジ)
26 注入口
27 排出口
28 第3の側壁(側方のカバー)
29 オーバーフローの出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7