【解決手段】副制御基板収納ケース220は、副制御基板を収容した副制御基板収納部223と、副制御基板収納部223に比べて破断容易な第一の破断容易部711と第二の破断容易部761とを有している。第一の破断容易部711と第二の破断容易部761は、第一の仮想直線に沿って設けられた第一の溝および第二の溝と、第一の仮想直線の延びる方向とは異なる方向に延びる第二の仮想直線に沿って設けられた第三の溝および第四の溝とを有している。第一の溝は、第二の仮想直線に対して第二の溝の反対側に設けられている。第三の溝は、第一の仮想直線に対して第四の溝の反対側に設けられている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の一実施の形態に係る遊技台(例えば、スロットマシン100等の回胴遊技機や弾球遊技機)について詳細に説明する。まず、
図1を用いてスロットマシン100の基本構成を説明する。
図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【0010】
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部(図示省略)には、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0011】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0012】
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
【0013】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
【0014】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0015】
ベットボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0016】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
【0017】
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0018】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0019】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0020】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0021】
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0022】
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110〜112が配置されている。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
【0023】
そして、下面板264には、メダル払出装置280(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置280の上方、即ちリール110〜112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
【0024】
メダル払出装置280の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
【0025】
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、第1副制御部400を構成する第1副基板222と第2副制御部500を構成する第2副基板224とを収納する副制御基板収納ケース220と、上部スピーカ272と、を設けている。第1副基板222は、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成するものである。また、第2副基板224は、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成するものである。副制御基板収納ケース220には、第2副基板224により制御される演出装置160も収納されている。副制御基板収納ケース220の上側面には、不正行為防止用の第一の破断容易部711が固定されている。左側面にも不正行為防止用の第二の破断容易部761が固定されている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔180に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
【0026】
次に、
図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0027】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0028】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0029】
主制御部300は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)
【0030】
また、主制御部300には、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置280から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
【0031】
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0032】
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、およびストップボタン139は、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0033】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、およびベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置280が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0034】
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、およびリール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0035】
主制御部300は、リール装置110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置280に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ336(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
【0036】
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0037】
また、主制御部300は、電源管理部(図示しない)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0038】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0039】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
【0040】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0041】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0042】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
【0043】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【0044】
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
【0045】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0046】
また、第2副制御部500には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路530を設けており、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
【0047】
また、第2副制御部500には、センサ回路532を設けており、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538を接続している。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538状態を監視している。
【0048】
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
【0049】
図4(a)を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0050】
<図柄配列>
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
【0051】
<入賞役の種類>
次に、
図4(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。
【0052】
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
【0053】
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0054】
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
【0055】
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
【0056】
「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
【0057】
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
【0058】
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。遊技状態とは、抽選などにおいて選択する抽選データの種別を識別するための情報である。本実施形態では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、内部当選遊技は、通常遊技に含まれる区分けであってもよい。
【0059】
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。
【0060】
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
【0061】
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定、又は、停止表示結果がいずれの役の図柄組合せに該当しないハズレの停止表示結果が概ね導出される設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、遊技に用いられるメダルの消費が抑えられ、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
【0062】
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施形態では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を複数回数実行可能であればよく、例えば、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
【0063】
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば、8回)の入賞があった場合に終了する。RB遊技は、予め定めた回数(少なくとも2回)の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。上述したBB遊技は、RB遊技を複数回数実行可能であるので、一回のRB遊技を行った場合には、BB遊技で得られるメダルの総数よりも少ないメダル数を獲得して終了することとなる。
【0064】
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
【0065】
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。なお、BB遊技、RB遊技は両者とも遊技者にとって利益となる遊技状態であるため、総じて、ボーナス遊技、又は、特別遊技と称する場合がある。
【0066】
<主制御部メイン処理>
図5を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って
図5に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0068】
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。ステップS103ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS105へ進む。
【0069】
ステップS105では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS107では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。ステップS109では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS107で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。ステップS111では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
【0070】
ステップS113では全リール110〜112の回転を開始させる。ステップS115では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110〜112の何れかをステップS111で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS117へ進む。ステップS117では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。ステップS119では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップS121では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。以上により1ゲームが終了する。以降ステップS103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0071】
<主制御部300タイマ割込処理>
図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0072】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0073】
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
【0074】
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0075】
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
【0076】
ステップS207では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137〜139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
【0077】
ステップS209では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
【0078】
ステップS211では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110〜112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137〜139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110〜112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
【0079】
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【0080】
ステップS213では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
【0081】
ステップS215では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ336、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
【0082】
ステップS217では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS221に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS219に進む。
【0083】
ステップS219では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、
図5に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0084】
一方、ステップS221では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、
図5に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0085】
<第1副制御部400の処理>
図7を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、
図7(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
図7(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。
図7(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0086】
まず、
図7(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0087】
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
【0088】
ステップS307では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0089】
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【0090】
ステップS311では、ステップ309の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
【0091】
ステップS313では、ステップ309の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
【0092】
ステップS315では、ステップ309の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。
【0093】
次に、
図7(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0094】
次に、
図7(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0095】
ステップS501では、
図7(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0096】
ステップS503では、ステップS315で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0097】
<第2副制御部500の処理>
図8を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、
図8(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。
図8(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。
図8(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
図8(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
【0098】
まず、
図8(a)のステップS601では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0099】
ステップS603では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS605の処理に移行する。
ステップS605では、タイマ変数に0を代入する。
【0100】
ステップS607では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0101】
ステップS609では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS607で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【0102】
ステップS611では、ステップS609の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS609読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
【0103】
ステップS613では、ステップS609の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップS609読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップS603へ戻る。
【0104】
次に、
図8(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS701では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0105】
次に、
図8(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0106】
ステップS801では、
図8(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS603において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS603において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS803では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0107】
次に、
図8(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS613の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
【0108】
ステップS901では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
【0109】
ステップS903では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS905に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
【0110】
ステップS905では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS901でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0111】
ステップS907では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【0112】
ステップS909では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS911に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS911では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
【0113】
次に、
図9乃至
図22を用いて本実施の形態によるスロットマシン100に搭載される副制御基板収納部223、第一の破断容易部711、第二の破断容易部761、およびこれらを含んだ副制御基板収納ケース220について説明する。
図9乃至
図22を用いた説明において、鉛直方向(上下方向と称する場合もある)あるいは水平方向はスロットマシン100を設置場所に設置した状態での鉛直方向あるいは水平方向を指す。同様に、左右方向は水平方向のうち、3つのリール110〜112が並ぶ方向を指す。また、前後方向は水平方向のうち、上下方向と左右方向に直交する方向であって遊技者に向かう方向を前方向、その逆を後方向と呼ぶ。
【0114】
また、
図9乃至
図22において「上」と「下」の表記がある両矢印は鉛直方向を示しており、「上」は鉛直上方を示し「下」は鉛直下方を示している。また、「左」と「右」の表記がある両矢印は左右方向を示しており、「左」は左方向を示し、「右」は右方向を示している。また、「前」と「後」の表記がある両矢印は前後方向を示しており、「前」は前方向を示し、「後」は後方向を示している。これらの矢印は、副制御基板収納ケース220が取り付けられたスロットマシン100が遊技店の島設備等に設置された場合に、副制御基板収納ケース220の設置状態を示すものである。
【0115】
図9を用いて本実施の形態の副制御基板収納ケース220について説明する。
図9は、副制御基板収納ケース220を右後上から左前下に向かって見た外観斜視図である。
図9に示すように、副制御基板収納ケース220は全体的に見て薄い略直方体形状の副制御基板収納部223を有している。副制御基板収納部223は、スロットマシン100の前面扉102の後面に取り付けられるベース部材223aと、ベース部材223aの後側に取り付けられる蓋部材223bとを有している。ベース部材223aは、前面扉102の後面に対面する平板状の底面部と、底面部の周縁部が後側に折り曲げられた側壁部とを有しており、薄い盆状に形成されている。蓋部材223bは、ベース部材223aより深い凹部を有する箱形状になっている。ベース部材223aの開口側と蓋部材223bの開口側とを位置合わせして向い合せると、蓋部材223bの箱形状の開口部の周縁部の輪郭形状はベース部材223aの周縁部の輪郭形状にほぼ一致するようになっている。ベース部材223aの周縁部の輪郭と蓋部材223bの開口部の周縁部の輪郭とを一致させるようにして両者を組み合わせることにより副基板等を収納(収容)する内部空間が形成される。副制御基板収納ケース220を前面扉102の後面に取り付けると、略直方体形状の副制御基板収納部223は、2つの長側面が上下方向で対向して左右方向に延び、2つの短側面が左右方向で対向して上下方向に延びるように配置される。
【0116】
図9に示すように、ベース部材223aの上端部左右には、ベース部材223aを前面扉102の後面に取り付けるための2つの取り付け片231が設けられている。各取り付け片231には、ベース部材223aを前面扉102の後面にネジ留めするための貫通孔が設けられている。ベース部材223aの上端部ほぼ中央には、作業者が把持可能な取っ手283が設けられている。ベース部材223aの上端部の取っ手283の左側には、固定用留め受け部293aが設けられている。固定用留め受け部293aには、蓋部材223bの固定用留め部293bが留められている。ベース部材223aの上端部の取っ手283の右側には、固定用留め受け部292aが設けられている。固定用留め受け部292aには、蓋部材223bの固定用留め部292bが留められている。
【0117】
副制御基板収納部223の上側の長側面には当該長側面に沿って薄く細長い板形状の第一の破断容易部711が貼り付けられている。第一の破断容易部711は当該長側面の右端で下方に曲げられて副制御基板収納部223の右側の短側面に沿って延びており、副制御基板収納部223の右側の短側面の張出部229で右側に曲げられて張出部229の上面に貼り付けられ、さらに、張出部229の右端で下方に曲げられて張出部229の右側面の上端に貼り付けられている。張出部229の右側面には上下方向に沿って薄く細長い板形状の第二の破断容易部761が貼り付けられている。
【0118】
第一の破断容易部711の副制御基板収納部223に対面する表面とは反対の露出面側には、ベース部材223aと蓋部材223bの周縁部の接触部の延びる方向(左右方向)に対して、平坦部を囲んで斜め十字格子状に延びる複数の直線状の溝が形成されている。第二の破断容易部761の副制御基板収納部223に対面する表面とは反対の露出面側には、ベース部材223aと蓋部材223bの周縁部の接触部の延びる方向(上下方向)に対して平坦部を介して斜め十字方向に延びる複数の直線状の溝が形成されている。溝と平坦部とが交互に繰り返し配置されているので、第一の破断容易部711の板厚は薄い部分と厚い部分が交互に繰り返されている。このため、第一の破断容易部711に局所的に力が作用すると、当該局所近傍の板厚の相対的に薄い部分が厚い部分に比較して容易に破断する。同様に、第二の破断容易部761についても、溝と平坦部とが交互に繰り返し配置されているので、第二の破断容易部761の板厚は薄い部分と厚い部分が交互に繰り返されている。このため、第二の破断容易部761に局所的に力が作用すると、当該局所近傍の板厚の相対的に薄い部分が厚い部分に比較して容易に破断する。第一の破断容易部711と第二の破断容易部761は、副制御基板収納部223に比べて破断容易な構造を有している。
【0119】
張出部229の第一の破断容易部711の右端部には、第二の破断容易部761と接続する際の位置決め用の位置決め用突起物713が設けられている。位置決め用突起物713は右方向に突出する直方体状突出部を有している。張出部229に貼り付けられた第二の破断容易部761の上端部には、位置決め用突起物713の直方体状突出部を嵌め込む矩形状の穴が開口された開口部763が設けられている。第二の破断容易部761は、第一の破断容易部711の位置決め用突起物713を開口部763に嵌め込んで張出部229に貼り付けられている。張出部229の右側の側面部の上端部では、第二の破断容易部761が第一の破断容易部711に重ねて固定されている。このように第一の破断容易部711を取り付けた状態から第二の破断容易部761を重ねて取り付けることが可能な構造にすることにより、第一の破断容易部711および第二の破断容易部761を破断させずに取り外すことがより困難になる。
【0120】
図9に示すように、第一の破断容易部711が副制御基板収納部223の上端部に全体的に貼り付けられて固定されているので、ベース部材223aの上側の周縁部の先端部と蓋部材223bの上側の周縁部の先端部の接触部は第一の破断容易部711で塞がれている。また、第一の破断容易部711が張出部229の上側面に全体的に貼り付けられて固定されており、第二の破断容易部761が張出部229の右側面に全体的に貼り付けられて固定されているので、ベース部材223aの右側の周縁部の先端部と蓋部材223bの右側の周縁部の先端部との接触部は第一の破断容易部711と第二の破断容易部761で塞がれている。
【0121】
また、ベース部材223a、蓋部材223b、第一の破断容易部711、および第二の破断容易部761は、例えば透明樹脂材料でそれぞれ射出成型により形成されている。このように副制御基板収納ケース220は透明樹脂材料により形成されるので、その内部は外部から視認可能になっている。
【0122】
次に、
図10を用いて本実施の形態の副制御基板収納部223およびその内部に収納(収容)されている基板について説明する。
図10において、
図9を用いて説明したものと同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図10は、副制御基板収納部223と基板を左後上から右前下に向かって見た分解斜視図である。
【0123】
ベース部材223aは、平板状の底面部233と、底面部233の周縁部が後側に折り曲げられた側壁部とを有しており、薄い盆状に形成されている。ベース部材223aの側壁部の輪郭は、第1副基板222の外周の輪郭に倣った形状を有している。当該側壁部の内方は第1副基板222を嵌め込むことができる大きさを有している。底面部233の四隅には、第1副基板222をネジ留めするためのネジ穴235がそれぞれ設けられている。底面部233には、両端が半円形状に形成されたスリット状の放熱孔281が整列して多数設けられている。また、ベース部材223aの上端部には、両端が半円形状に形成されたスリット状の放熱孔297aが整列して多数設けられている。放熱孔281、297aにより、副制御基板収納部223の内部に生じた熱を効率よく外部に逃がすことができるようになっている。また、ベース部材223aの左端部のほぼ中央には、固定用凹部289aが設けられている。ベース部材223aの下端部の左右両側には、それぞれカシメ取り付け部285aが設けられている。
【0124】
第1副基板222は、略長方形の薄板状をしている。第1副基板222は、2つの長辺が上下方向で対向して左右方向に延び、2つの短辺が左右方向で対向して上下方向に延びる形状を有している。さらに上側の長辺の右端は、上から下に向かって延びた後、右方向に延びて右側の短辺の上端に達している。上側の長辺の左端は、上から下に向かって延びた後、左方向に延びて左側の短辺の上端に達している。
【0125】
第1副基板222は、種々の電子部品が実装された実装面の反対側の面をベース部材223aの底面部233に対面させて配置されている。第1副基板222には、底面部233に設けられた4つのネジ穴235に対応する位置にそれぞれ貫通孔253が設けられている。第2副基板224は、第1副基板222よりも小さい長方形の薄板状をしている。第2副基板224は、種々の電子部品が実装された実装面の反対側の面を第1副基板222の実装面に対面させて第1副基板222にネジ留めされている。第2副基板224の実装面には、第一の冷却ファン443が取り付けられている。
【0126】
蓋部材223bは、平面状の底面部225aと、底面部225aの周縁部が前側に折り曲げられた側壁部とを有しており、ベース部材223aより深い凹部を有する箱形状に形成されている。蓋部材223bの下端部の左右両側には、それぞれカシメ取り付け部285bが設けられている。蓋部材223bの左端部のほぼ中央には、固定用凸部289bが設けられている。
【0127】
空気流通口291は、第2副基板224に設けられた第一の冷却ファン443に対応する位置に設けられており、本実施例では底面部225aのほぼ中央に形成されている。これにより、第一の冷却ファン443を回転させて副制御基板収納部223の内部の空気を空気流出口291から排気させることができるので、副制御基板収納部223の内部に生じた熱を効率よく外部に逃がすことができるようになっている。
【0128】
蓋部材223bの上端部には、両端が半円形状に形成されたスリット状の放熱孔297bが整列して多数設けられている。これにより、副制御基板収納部223の内部に生じた熱を効率よく外部に逃がすことができるようになっている。
【0129】
次に、副制御基板収納部223の組み立て方法について簡単に説明する。予め第2副基板224が取り付けられた第1副基板222をベース部材223aの側壁部の輪郭の内方に嵌め込んで、第1副基板222の貫通孔253をベース部材223aの底面部233のネジ穴235に位置合せしてネジ留めし、第2副基板224が取り付けられた第1副基板222をベース部材223aに固定する。次いで、蓋部材223bを左右方向を回転軸として約90°回転させてベース部材223aの固定用留め受け部293aの爪部に蓋部材223bの固定用留め部293bの開口部を引っ掛ける。次いで、蓋部材223bを逆方向に回転させると、蓋部材223bはベース部材223aに係止される。次いで、固定用凹部289aに固定用凸部289bを嵌め込み、さらにカシメ取り付け部285aとカシメ取り付け部285bを隣接させてカシメ部品285を嵌め込んでカシメを行って、副制御基板収納部223が組み立てられる。次いで、副制御基板収納部223の下端部のほぼ中央に第二の冷却ファン445がネジ留めされ固定される。
【0130】
なお、「カシメ」とは、基板を簡単に取り外したり改造したりできないようにしつつ、取り外したり改造したりした不正が行われた際にはカシメ部品285が破断して不正の痕跡が残るようにする封止方法である。
【0131】
次に、
図11を用いて本実施の形態の副制御基板収納部223に固定される第一の破断容易部711と第二の破断容易部761について説明する。
図11において、
図9と
図10を用いて説明したものと同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図11は、第一の破断容易部711と第二の破断容易部761が副制御基板収納部223に固定される状態を右後上から左前下に向かって見た外観斜視図である。
【0132】
第一の破断容易部711は、副制御基板収納部223に対面する表面側に設けられた不図示の接着剤塗布領域に接着剤が塗布されて、副制御基板収納部223の上側の長側面と張出部229の上面に沿って貼り付けられる。
【0133】
第二の破断容易部761は、第一の破断容易部711が貼り付けられた後に、副制御基板収納部223に対面する表面側に設けられた不図示の接着剤塗布領域に接着剤が塗布されて、張出部229の右側面に上下方向に沿って貼り付けられる。張出部229の右側の側面部の上端部では、第二の破断容易部761が第一の破断容易部711に重ねて固定されているので、不正行為者による第一の破断容易部711の取り外しをより困難にすることができる。第二の破断容易部761は、副制御基板収納部223と対面する表面側に2つの突起部765を有している。2つの突起部765は、それぞれ副制御基板収納部223に設けられた2つの差し込み孔295に差し込まれて、第二の破断容易部761を副制御基板収納部223に固定する際の位置決め用の突起部として用いられる。なお、本実施例では、第一の破断容易部711および第二の破断容易部761は、カシメを行った副制御基板収納部223に取り付けているが、これに限定するものではなく、カシメを行なっていない副制御基板収納部223に第一の破断容易部711および第二の破断容易部761を取り付けてもよい。
【0134】
次に、
図12および
図13を用いて、本実施の形態の実施例1による第一の破断容易部711について詳細に説明する。
図12および
図13において、
図9乃至
図11を用いて説明したものと同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図12(a)は第一の破断容易部711を上から下に向かって見た正面図であり、第一の破断容易部711の副制御基板収納部223に対面する表面とは反対の露出面側を示している。
図12(b)は第一の破断容易部711を下から上に向かって見た背面図であり、第一の破断容易部711の副制御基板収納部223に対面する表面側を示している。
図12(c)は第一の破断容易部711を前から後に向かって見た側面図である。
図13(a)は、
図12(a)の実線で示す楕円a内の領域を拡大して示した部分拡大図である。
図13(b)は、
図12(a)のA−A線で第一の破断容易部711を切断して矢印方向に見た断面図である。
【0135】
図12(a)〜(c)に示すように、第一の破断容易部711は、薄く細長い板形状の板状部712を有している。板状部712は、
図12(c)に示すように、左から右に向かって延びた後下方に折り曲げられて、右に折り曲げられ、さらに下に折り曲げられた段差を備えた形状を有している。
【0136】
図12(a)および
図13(a)に示すように、板状部712の副制御基板収納部223に対面する表面(下面)とは反対の露出面(上面)側には、左右方向に対して斜め十字格子状に延びる複数の溝が形成されている。左右方向に対して例えば45°の角度で左後から右前に延びる仮想直線(一点鎖線で示す)を第一の仮想直線L1とし、第一の仮想直線L1の延びる方向とは異なる方向(本例では直交する方向)に延びる仮想直線(一点鎖線で示す)を第二の仮想直線L2とする。ここで斜め十字状の一組の溝に着目すると、板状部712の露出面側に第一の仮想直線L1に沿って直線状の第一の溝721および第二の溝723が形成され、第二の仮想直線L2に沿って直線状の第三の溝727および第四の溝729が形成されている。第一の溝721は第二の仮想直線L2に対して第二の溝723の反対側に配置されている。第三の溝727は第一の仮想直線L1に対して第四の溝729の反対側に配置されている。
【0137】
本実施例の各溝は、溝の延伸方向に沿って対向する2つの斜平面が溝底部で交わる形状をしており、溝の延伸方向に見て溝底部が凹状になっている。溝の延伸方向に直交する平面で切断した各溝の断面形状は、
図13(b)に示す板状部712の断面において符号gで指し示すようにV字形状になっている。板状部712の露出面側から観察すると、各溝の溝底部は、溝中央を溝の延伸方向に走る一本の直線として視認される。従って、第一の溝721、第二の溝723、第三の溝727、および第四の溝729のそれぞれも、対向する2つの斜平面が溝底部で交わる形状をしており、溝の延伸方向に見て溝底部が凹状になっている。溝の延伸方向に直交する平面で切断した第一の溝721、第二の溝723、第三の溝727、および第四の溝729のそれぞれの断面形状は、いずれもV字形状になっている。板状部712の露出面側から観察すると、
図13(a)に示すように、第一の溝721、第二の溝723、第三の溝727、および第四の溝729のそれぞれの溝底部は、溝中央を溝の延伸方向に走る一本の直線として視認される。本例では溝を構成する2つの斜平面は、溝底部をなす直線を含む平面に対して対称な形状になっているが、これに限定されるものではなく、非対称であってもよい。また、対向する2つの斜平面に続いて対向する2つの平行平面が溝に設けられていてもよい。また、U字形状や半円形状、角形状など、V字形状以外の溝断面を有する溝であってもよい。また、溝底部が凹状でなく平面状になっていてもよい。
【0138】
さらに、本実施例による第一の破断容易部711では、第一の溝721および第二の溝723の端部のうち互いに対向する端部側が接続されて一本の直線状の貫通溝(以下、「第一の貫通溝725」という。)となり、第三の溝727および第四の溝729の端部のうち互いに対向する端部側が接続されて一本の直線状の貫通溝(以下、「第二の貫通溝731」という。)となっている。第一の貫通溝725および第二の貫通溝731のそれぞれも、対向する2つの斜平面が溝底部で交わる形状をしており、溝の延伸方向に見て溝底部が凹状になっている。溝の延伸方向に直交する平面で切断した第一の貫通溝725および第二の貫通溝731のそれぞれの断面形状は、いずれもV字形状になっている。板状部712の露出面側から観察すると、
図13(a)に示すように、第一の貫通溝725および第二の貫通溝731のそれぞれの溝底部は、溝中央を溝の延伸方向に走る一本の直線として視認される。
【0139】
第一の貫通溝725と第二の貫通溝731とが交差して第一の交差部733が形成されている。第一の交差部733は第一の貫通溝725と第二の貫通溝731とを含んでいる。第一の交差部733の中心は、第一の貫通溝725と第二の貫通溝731の直線状の溝底部の交差点に位置している。板状部712の露出面には、第一の交差部733と同形状の交差部が、第一の交差部733の前後方向、左右方向、および前後方向と左右方向に対して斜め方向に等間隔に複数配列されているだけでなく、その他の露出面においても、当該交差部が等間隔に多数配列されている。隣接する交差部の溝同士も互いに対向する端部側が接続されて一本の直線状の溝となっている。
【0140】
第一の破断容易部711の板状部712は複数の溝が形成されている。板状部712に力が作用すると溝部に応力が集中するため、容易に破断を生じさせることができる。さらに、本実施例のように溝形状をV字形状とすることにより、力が作用された場合、溝底部に応力が集中するため、より高い効果を得ることができる。このため、ベース部材223aの上側の周縁部の先端部と蓋部材223bの上側の周縁部の先端部の接触部にドライバ(ねじ回し)などの先端が鋭利な部材を差し込んでベース部材223aと蓋部材223bとの間を分離して不正な行為をしようとすると、ベース部材223aと蓋部材223bの接触部を塞いで貼り付けられている第一の破断容易部711が容易に破断して破断部が視認されるため不正の痕跡をより残し易くすることができる。このように、第一の破断容易部711は、副制御基板収納部223に比べて破断容易な構造を有している。第一の破断容易部711を副制御基板収納部223とは別に設けているので、副制御基板収納部223の強度を低下させずに不正行為者による不正の痕跡をより残し易くすることができる。
【0141】
図12には示していないが、副制御基板収納部223の第一の破断容易部711が貼り付けられる領域には、内部に空気を流通させる空気孔(例えば、
図10に示す放熱孔297a、297b)が複数開口されている。
図12(a)に示すように、第一の破断容易部711の板状部712には、例えば、開口部717が設けられている。開口部717は、副制御基板収納部223の放熱孔297a、297bの配置位置に対応する位置に設けられている。これにより、第一の破断容易部711を副制御基板収納部223に貼り付けても、放熱孔297a、297bの少なくとも一部は第一の破断容易部711の板状部712で塞がれないので、副制御基板収納部223の内部に生じた熱を効率よく外部に逃がすことができる。
【0142】
また、第一の破断容易部711の板状部712は複数の開口部717が形成されているので、開口部が形成されていない板と比較して断面積の小さい領域が多くなっている。板状部712に力が作用すると断面積の小さい領域で容易に破断を生じさせることができる。このため、ベース部材223aの上側の周縁部の先端部と蓋部材223bの上側の周縁部の先端部の接触部にドライバ(ねじ回し)などの先端が鋭利な部材を差し込んでベース部材223aと蓋部材223bとの間を分離して不正な行為をしようとすると、ベース部材223aと蓋部材223bの接触部を塞いで貼り付けられている第一の破断容易部711が容易に破断して破断部が視認されるため不正の痕跡をより残し易くすることができる。
【0143】
また、板状部712には、副制御基板収納部223の固定用留め受け部293aおよび固定用留め部293bに対応する位置に開口部715が設けられている。また、板状部712は、副制御基板収納部223に設けられている取っ手283を回避する形状を有している。また、板状部712には、張出部229の上面に形成されている凸状部に対応する位置に開口部718が設けられている。また、板状部712は、副制御基板収納部223に設けられている固定用留め受け部292aおよび固定用留め部292bを回避する形状の空間部716を有している。このため、第一の破断容易部711は副制御基板収納部223の上端部の全面に沿って貼り付けることができる。
【0144】
図12(b)および
図13(b)に示すように、板状部712は、副制御基板収納部223と対面する表面側に、接着剤を塗布するための複数の接着剤塗布用溝719を有している。接着剤塗布用溝719は概ね板状部712の表面の基板の周囲に沿って配置されている。接着剤が接着剤塗布用溝719に留まることにより、第一の破断容易部711をより強固に副制御基板収納部223に固定することができる。
【0145】
図12(b)および
図12(c)に示すように、板状部712は、副制御基板収納部223と対面する表面側に複数の突起部714を有している。各突起部714は、副制御基板収納部223の複数の放熱孔297a、297bのいずれかに差し込まれる位置に配置されている。各突起部714は、所定の放熱孔297a、297bに差し込まれて、第一の破断容易部711を副制御基板収納部223に固定する際の位置決めに用いられる。また、接着剤塗布用溝719は溝内に突起部714を含むように形成されている。このため、放熱孔297a、297bに差し込まれた突起部714が確実に放熱孔297a、297bに接着されるように十分な接着剤を供給できるようになっている。突起部714は、それぞれ対応する放熱孔297a、297bの開口周縁部の一部に接するように差し込まれる。これにより、突起部714を放熱孔297a、297bの開口周縁部で仮留めさせることができるので、副制御基板収納部223に第一の破断容易部711を貼り付ける際のガタつきをなくし、より強固に固定させることができる。また、第一の破断容易部711に放熱孔297a、297bのそれぞれに対応した突起部714を設けることにより、第一の破断容易部711を取り外す、または破壊しなければ副制御基板収納部223を開封することができないようにすることができる。
【0146】
次に、
図14を用いて本実施例の第一の破断容易部711と第二の破断容易部761が貼り付けられていない副制御基板収納部223について説明する。
図14において、
図9乃至
図13を用いて説明したものと同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図14(a)は、ベース部材223aの上側の周縁部の先端部と蓋部材223bの上側の周縁部の先端部の接触部にドライバDが差し込まれた状態の副制御基板収納部223を右後上から左前下に向かって見た外観斜視図である。
図14(b)は、
図14(a)の実線で示す楕円b内の領域を拡大して示した部分拡大図である。
【0147】
ベース部材223aの上側の周縁部の先端部と蓋部材223bの上側の周縁部の先端部の接触部にドライバDを差し込んでベース部材223aと蓋部材223bとの間を分離して内部に収納されている基板の部品を交換する等の不正な行為がなされる場合、第一の破断容易部711と第二の破断容易部761が貼り付けられていない副制御基板収納部223では、不正の痕跡を残すことができない場合がある。これに対して、本実施例による第一の破断容易部711と第二の破断容易部761が貼り付けられた副制御基板収納部223によれば、不正な行為がなされたとしても、ベース部材223aと蓋部材223bの接触部を塞いで貼り付けられている第一の破断容易部711と第二の破断容易部761が容易に破断して破断部が視認されるため不正の痕跡を残すことができる。
【0148】
次に、
図15を用いて、本実施例の第一の破断容易部711による効果について説明する。
図15において、
図9乃至
図14を用いて説明したものと同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図15(a)は、第一の破断容易部711を上から下に向かって見た正面図であり、第一の破断容易部711の副制御基板収納部223に対面する表面とは反対の露出面側を示している。また、
図15(a)は、実線で示す円内の領域の場所が異なる以外は
図12(a)と同様である。
図15(b)は、
図15(a)の実線で示す円c内の領域が破断した状態を拡大して示した部分拡大図である。
図15
(c)は、第一の破断容易部711の破断した領域を整えた状態を示す部分拡大図である。
【0149】
図15(a)の円c内の領域に示されている第一の破断容易部711の開口部717に例えば、ドライバを差し込んでベース部材223aと蓋部材223bとの間を分離して不正な行為がなされる場合には、溝の形成領域Gや開口部717の形成領域の近傍の断面積の小さい領域が容易に破断する。
図15(b)に示すように、本実施例では、開口部717を中心として左右方向に対して約45°の角度で左後から右前に延びる溝部で破断が生じている。
【0150】
破断部に生じる破断線が一直線状の溝底部に一致して形成されることは極めて稀である。
図15(b)に示すように一般に、破断線は溝底部に一致して形成されておらず、破断線の少なくとも一部は溝底部に視認される直線と重ならない。このため、不正行為者が破断部を整えて生じたズレを元に戻しても、
図15(c)に示すように、依然として破断線を視認することができ、不正の痕跡Tを残すことができる。
【0151】
次に、
図16を用いて、本実施の形態の実施例2による第一の破断容易部711について説明する。
図16において、実施例1に示すものと同一機能あるいは作用を奏する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図16(a)は、第一の破断容易部711を上から下に向かって見た正面図であり、第一の破断容易部711の副制御基板収納部223に対面する表面とは反対の露出面側を示している。
図16(a)は、実線で示す楕円内の領域の場所が異なる以外は
図12(a)と同様である。
図16(b)は、
図16(a)の実線で示す楕円d内の領域を拡大して示した部分拡大図である。
図16(c)は、
図16(a)のB−B線で第一の破断容易部711を切断して矢印方向に見た断面図である。
【0152】
図16(b)に示すように、板状部712の露出面には、第三の貫通溝741および第四の貫通溝743が形成されている。第三の貫通溝741は、左右方向に対して例えば45°の角度で左後から右前に延びている。第四の貫通溝743は、第三の貫通溝741の延びる方向と直交する方向に延びている。第三の貫通溝741と第四の貫通溝743とが交差して第二の交差部745が形成されている。第二の交差部745は、表面が平坦な平坦部Aを挟んで第一の交差部733の左側に配置されており、第一の交差部733と同一平面上に設けられている。また、本実施例では、溝の延伸方向に直交する平面で切断した第三の貫通溝741と第四の貫通溝743の断面形状は、溝の延伸方向に見て凹状の溝底部を有するV字形状になっている。
図16(c)に示すように、板状部712の露出面側には、V字形状の溝g´が形成されている。第一の交差部733の中心と第二の交差部745の中心を結ぶ仮想直線(一点鎖線で示す)を第三の仮想直線L3とすると、第一の貫通溝725は第三の仮想直線L3の延びる方向とは異なる方向に延びている。第二の貫通溝731、第三の貫通溝741、および第四の貫通溝743のいずれの溝も第三の仮想直線L3の延びる方向とは異なる方向に延びている。
【0153】
第一の交差部733は、断面積が小さくて破断され易い第一の貫通溝725と第二の貫通溝731とが交差して形成されているので、特に破断され易くなっている。また、第二の交差部745は、断面積が小さくて破断され易い第三の貫通溝741と第四の貫通溝743とが交差して形成されているので、特に破断され易くなっている。従って、第三の仮想直線L3の両側で互いに逆向きの力のモーメントが作用すると、第一の交差部733および第二の交差部745が配置されている第三の仮想直線L3に沿って左右方向に破断線が生じる場合がある。このように、板状部712は、第一の貫通溝725〜第四の貫通溝743の溝底部が延びる方向とは別の新たな破断が生じ易い領域を有している。
【0154】
さらに、板状部712の露出面に第五の貫通溝747および第六の貫通溝749が形成されている。第五の貫通溝747は、左右方向に対して例えば45°の角度で左後から右前に延びている。第六の貫通溝749は、第五の貫通溝747の延びる方向と直交する方向に延びている。第五の貫通溝747と第六の貫通溝749とが交差して第三の交差部751が形成されている。第三の交差部751は、表面が平坦な平坦部Bを挟んで第一の交差部733の右側に配置されて、交差部の中心が第三の仮想直線L3の延長線上に配置されており、第一の交差部733および第二の交差部745と同一平面上に設けられている。また、本実施例では、溝の延伸方向に直交する平面で切断した第五の貫通溝747と第六の貫通溝749の断面形状は、溝の延伸方向に見て凹状の溝底部を有するV字形状になっている。
図16(c)に示すように、板状部712の露出面側には、V字形状の溝g´´が形成されている。第五の貫通溝747は、第一の貫通溝725、第二の貫通溝731、第三の貫通溝741、および第四の貫通溝743のいずれの溝とも異なる。第六の貫通溝749は、第一の貫通溝725、第二の貫通溝731、第三の貫通溝741、および第四の貫通溝743のいずれの溝とも異なる。第五の貫通溝747および第六の貫通溝749は、第三の仮想直線L3の延びる方向とは異なる方向に延びている。第三の貫通溝741、第四の貫通溝743、第五の貫通溝747、および第六の貫通溝749は、いずれも直線状の溝である。
【0155】
第三の交差部751は、断面積が小さくて破断され易い第五の貫通溝747と第六の貫通溝749とが交差して形成されているので、特に破断され易くなっている。従って、第三の仮想直線L3の両側で互いに逆向きの力のモーメントが作用すると、第一の交差部733および第二の交差部745に加えて第三の交差部751が配置されている第三の仮想直線L3は、第三の仮想直線L3に沿って左右方向に破断線が生じ易くなっている。
【0156】
次に、
図17を用いて、本実施の形態の実施例3による第二の破断容易部761について説明する。
図17において、
図9乃至
図16を用いて説明したものと同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図17(a)は、第二の破断容易部761を右から左に向かって見た正面図であり、第二の破断容易部761の副制御基板収納部223に対面する表面とは反対の露出面側を示している。
図17(b)は、第二の破断容易部761を左から右に向かって見た背面図であり、第二の破断容易部761の副制御基板収納部223に対面する表面側を示している。
図17(c)は、第二の破断容易部761を後から前に向かって見た側面図である。
図17(d)は、
図17(a)の実線で示す楕円e内の領域を拡大して示した第二の破断容易部761の部分拡大図である。
【0157】
図17(a)〜(d)に示すように、第二の破断容易部761は、薄く細長い板形状の板状部762を有している。板状部762は、
図17(c)に示すように、上から下に向かって延びた後、左に折り曲げられた形状を有している。
【0158】
図17(a)および
図17(d)に示すように、板状部762の副制御基板収納部223に対面する表面とは反対の露出面側には、上下方向に対して斜め十字方向に延びる複数の直線状の溝が形成されている。上下方向に対して例えば45°の角度で後上から前下に延びる仮想直線(一点鎖線で示す)を第一の仮想直線L1とし、第一の仮想直線L1の延びる方向とは異なる方向(本例では直交する方向)に延びる仮想直線(一点鎖線で示す)を第二の仮想直線L2とする。本実施例では、板状部762の露出面側に第一の仮想直線L1に沿って直線状の第一の溝767および第二の溝769が形成され、第二の仮想直線L2に沿って直線状の第三の溝771および第四の溝773が形成されている。第一の溝767は第二の仮想直線L2に対して第二の溝769の反対側に配置されている。第三の溝771は第一の仮想直線L1に対して第四の溝773の反対側に配置されている。
【0159】
第一の溝767は、第二の溝769と対向する第一の対向端部767aを有している。板状部762の露出面に向かって(右から左に向かって)見ると、第一の対向端部767aは、第二の溝769に近づくほど溝幅が狭くなっており、先端部に第二の仮想直線L2に向かって突出する第一の突端部767bを有している。第二の溝769は、第一の溝767と対向する第二の対向端部769aを有している。第二の対向端部769aは、板状部762の露出面に向かって見ると、第一の溝767に近づくほど溝幅が狭くなっており、先端部に第二の仮想直線L2に向かって突出する第二の突端部769bを有している。第一の対向端部767aと第二の対向端部769aとの間には、溝が形成されておらず表面が平坦な第一の平坦部775が設けられている。第一の対向端部767aは、第一の平坦部775に繋がる第一の溝767の終端部側壁になっている。第二の対向端部769aは、第一の平坦部775に繋がる第二の溝769の終端部側壁になっている。第一の平坦部775の表面を含む平面内での第一の対向端部767aの輪郭は、第一の突端部767bを頂部とする二等辺を有し頂角が直角である形状を有している。同様に第二の対向端部769aの輪郭は、第二の突端部769bを頂部とする二等辺を有し頂角が直角である形状を有している。なお、第一の対向端部767aおよび第二の対向端部769aの輪郭はこれに限らず、頂角は鋭角であっても鈍角であってもよいし、さらに第一の対向端部767aおよび第二の対向端部769aの輪郭が例えば円弧を描く曲線の凸形状であってもよい。
【0160】
第三の溝771は、第四の溝773と対向する第三の対向端部771aを有している。第三の対向端部771aは、板状部762の露出面に向かって見ると、第四の溝773に近づくほど溝幅が狭くなっており、先端部に第一の仮想直線L1に向かって突出する第三の突端部771bを有している。第四の溝773は、第三の溝771と対向する第四の対向端部773aを有している。第四の対向端部773aは、板状部762の露出面に向かって見ると、第三の溝771に近づくほど溝幅が狭くなっており、先端部に第一の仮想直線L1に向かって突出する第四の突端部773bを有している。第三の対向端部771aと第四の対向端部773aとの間には、溝が形成されておらず表面が平坦な第二の平坦部776が設けられている。第二の平坦部776は第一の平坦部775と一部が重複している。第三の対向端部771aは、第二の平坦部776に繋がる第三の溝767の終端部側壁になっている。第四の対向端部773aは、第二の平坦部776に繋がる第四の溝773の終端部側壁になっている。第二の平坦部776の表面を含む平面内での第三の対向端部771aの輪郭は、第三の突端部771bを頂部とする二等辺を有し頂角が直角である形状を有している。同様に第四の対向端部773aの輪郭は、第四の突端部773bを頂部とする二等辺を有し頂角が直角である形状を有している。なお、第三の対向端部771aおよび第四の対向端部771aの輪郭はこれに限らず、頂角は鋭角であっても鈍角であってもよいし、さらに第三の対向端部771aおよび第四の対向端部773aの輪郭が例えば円弧を描く曲線の凸形状であってもよい。また、本実施例では、第一の対向端部767a、第二の対向端部769a、第三の対向端部771a、および第四の対向端部773aの輪郭は同形状になっているが、これに限らず各対向端部の輪郭形状が異なっていてもよい。
【0161】
本実施例の各溝は、溝の延伸方向に沿って対向する2つの斜平面が溝底部で交わる形状をしており、溝の延伸方向に見て溝底部が凹状になっている。溝の延伸方向に直交する平面で切断した各溝の断面形状はV字形状になっている。板状部762の露出面側から観察すると、各溝の溝底部は、溝中央を溝の延伸方向に走る一本の直線として視認される。
【0162】
従って、第一の溝767は、溝の延伸方向(第一の仮想直線L1の延びる方向)に沿って対向する2つの斜平面が第一の溝底部767cで交わる形状をしており、溝の延伸方向に見て第一の溝底部767cは凹状になっている。溝の延伸方向に直交する平面で切断した第一の溝767の断面形状はV字形状になっている。板状部762の露出面側から観察すると、第一の溝底部767cは、溝中央を溝の延伸方向に走る一本の直線として視認される。また、第一の突端部767bは、第一の溝767の終端部側壁をなす第一の対向端部767aが第一の溝底部767cと交わる位置に設けられている。
【0163】
第二の溝769は、溝の延伸方向(第一の仮想直線L1の延びる方向)に沿って対向する2つの斜平面が第二の溝底部769cで交わる形状をしており、溝の延伸方向に見て第二の溝底部769cは凹状になっている。溝の延伸方向に直交する平面で切断した第二の溝769の断面形状はV字形状になっている。板状部762の露出面側から観察すると、第二の溝底部769cは、溝中央を溝の延伸方向に走る一本の直線として視認される。また、第二の突端部769bは、第二の溝769の終端部側壁をなす第二の対向端部769aが第二の溝底部769cと交わる位置に設けられている。
【0164】
第三の溝771は、溝の延伸方向(第二の仮想直線L2の延びる方向)に沿って対向する2つの斜平面が第三の溝底部771cで交わる形状をしており、溝の延伸方向に見て第三の溝底部771cは凹状になっている。溝の延伸方向に直交する平面で切断した第三の溝771の断面形状はV字形状になっている。板状部762の露出面側から観察すると、第三の溝底部771cは、溝中央を溝の延伸方向に走る一本の直線として視認される。また、第三の突端部771bは、第三の溝771の終端部側壁をなす第三の対向端部771aが第三の溝底部771cと交わる位置に設けられている。
【0165】
第四の溝773は、溝の延伸方向(第二の仮想直線L2の延びる方向)に沿って対向する2つの斜平面が第四の溝底部773cで交わる形状をしており、溝の延伸方向に見て第四の溝底部773cは凹状になっている。溝の延伸方向に直交する平面で切断した第四の溝773の断面形状はV字形状になっている。板状部762の露出面側から観察すると、第四の溝底部773cは、溝中央を溝の延伸方向に走る一本の直線として視認される。また、第四の突端部773bは、第四の溝773の終端部側壁をなす第四の対向端部773aが第四の溝底部773cと交わる位置に設けられている。
【0166】
本例では溝を構成する2つの斜平面は、溝底部をなす直線を含む平面に対して対称な形状になっているが、これに限定されるものではなく、非対称であってもよい。また、対向する2つの斜平面に続いて対向する2つの平行平面が溝側面に設けられていてもよい。また、U字形状や半円形状、角形状など、V字形状以外の溝断面を有する溝であってもよい。また、溝底部が凹状でなく平面状になっていてもよい。
【0167】
図17(a)に示す破線の四角形領域には第一の溝767、第二の溝769、第三の溝771、第四の溝773、第一の平坦部775、および第二の平坦部776が含まれており、当該四角形領域を第一のユニット900とすると、板状部762の露出面には第一のユニット900と同形状のユニットが、第一のユニット900の上方向に1個半配置され、間隔を置いてさらに上方向に2個半配置され、さらに第一のユニット900の下方向に3個配置されている。
【0168】
第二の破断容易部761の板状部762は複数の溝が形成されているので、溝が形成されていない板と比較して断面積の小さい領域が多くなっている。板状部762に力が作用すると断面積の小さい領域で容易に破断を生じさせることができる。また、本実施例では、溝がV字形状になっているので、板状部762に負荷をかけると、断面積が最小となる溝底部に力が集中するため、底部領域(例えば、第一の溝底部767cや、第二の溝底部769c、第三の溝底部771c、第四の溝底部773c等)で容易に破断を生じさせることができる。このため、ベース部材223aの右側の周縁部の先端部と蓋部材223bの右側の周縁部の先端部の接触部にドライバ(ねじ回し)などの先端が鋭利な部材を差し込んでベース部材223aと蓋部材223bとの間を分離して不正な行為をしようとすると、ベース部材223aと蓋部材223bの接触部を塞いで貼り付けられている第二の破断容易部761が容易に破断して破断部が視認されるため不正の痕跡を残すことができる。このように、第二の破断容易部761は、副制御基板収納部223に比べて破断容易な構造を有している。第二の破断容易部761を副制御基板収納部223とは別に設けているので、副制御基板収納部223の強度を低下させずに不正行為者による不正の痕跡をより残し易くすることができる。
【0169】
図17(b)に示すように、板状部762は、副制御基板収納部223と対面する表面側に、接着剤を塗布するための複数の接着剤塗布用溝766を有している。接着剤が接着剤塗布用溝766に留まることにより、第二の破断容易部761をより強固に副制御基板収納部223に固定することができる。
【0170】
図17(b)および
図17(c)に示すように、板状部762は、副制御基板収納部223と対面する表面側に2つの突起部765を有している。2つの突起部765は、それぞれ副制御基板収納部223に設けられた2つの差し込み孔295に差し込まれて、第二の破断容易部761を副制御基板収納部223に固定する際の位置決め用の突起部として用いられる。
【0171】
次に、
図18を用いて、本実施の形態の実施例3による第二の破断容易部761の断面形状について説明する。
図18において、
図9乃至
図17を用いて説明したものと同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図18(a)は、第二の破断容易部761の露出面側の一部を示している。
図18(b)は、
図18(a)のC−C線で第二の破断容易部761を切断して矢印方向に見た断面図である。
【0172】
図18(a)に示すように、第一の仮想直線L1は第一の溝767の第一の溝底部767cと第二の溝769の第二の溝底部769cで視認される直線に一致している。C−C線は、第一の仮想直線L1に対して溝幅の1/4程度の距離だけ上方向(または前方向)に平行移動した位置にある。
図18(b)は、第一の仮想直線L1に平行なC−C線を含み第一の平坦部775の表面に直交する平面で第一の溝767、第二の溝769、および第一の平坦部775を切断した断面を示している。当該断面には、第一の平坦部775の平坦面の断面と、第一の溝767の延伸方向に沿う斜平面の溝表面767xの断面、第二の溝769の延伸方向に沿う斜平面の溝表面769xの断面、第一の溝767の終端部側壁として第一の平坦部775に繋がる第一の対向端部767a、および第二の溝769の終端部側壁として第一の平坦部775に繋がる第二の対向端部769aが示されている。
【0173】
図18(b)に示すように、第一の仮想直線L1に平行で第一の平坦部775の表面に直交する平面で切断した断面において、第一の対向端部767aは第一の溝767の溝表面767xと第一の平坦部775の表面に対して直交している。また、当該断面において、第二の対向端部769aは第二の溝769の溝表面769xと第一の平坦部775の表面に対して直交している。
【0174】
C−C線の位置を第一の仮想直線L1に一致させて切断した場合の切断面では、第一の対向端部767aの第一の突端部767bが第一の溝767の第一の溝底部767cと第一の平坦部775の表面に対して直交する。また、当該断面において、第二の対向端部769aの第二の突端部769bが第二の溝769の第二の溝底部769cと第一の平坦部775の表面に対して直交する。
【0175】
C−C線の位置を第一の仮想直線L1から遠ざけると、切断面における第一の平坦部775の表面の幅が長くなり、第一の溝767の溝表面767xの高さが第一の平坦部775の表面の高さに近づくように変化するが、第一の対向端部767aが第一の溝767の溝表面767xと第一の平坦部775の表面に対して直交している状態は維持される。同様に、第二の溝769の溝表面769xの高さが第一の平坦部775の表面の高さに近づくように変化するが、第二の対向端部769aが第二の溝769の溝表面769xと第一の平坦部775の表面に対して直交している状態は維持される。
【0176】
また、第一の仮想直線L1に平行で第一の平坦部775の表面に直交する平面で切断した断面において、第一の溝767の溝表面767xと第二の溝769の溝表面769xの高さはほぼ同一であり、第一の対向端部767aと第二の対向端部769aの高さもほぼ同一である。従って、当該断面において、溝表面767xと第一の対向端部767aの交点と、第一の対向端部767aと第一の平坦部775の交点、第一の平坦部775と第二の対向端部769aの交点、および第二の対向端部769aと溝表面769xとの交点で作られる四角形は長方形となる。
【0177】
このため、第一の対向端部767aである終端部側壁の壁面と第一の溝767の溝表面767xとの交線は直線状に視認され、第一の対向端部767aである終端部側壁の壁面と第一の平坦部775の表面との交線も直線状に視認される。しかしながら、
図18(b)に示すように、第一の対向端部767aの終端部側壁の壁面と平行な方向から第二の破断容易部761の露出面を観察した場合は、第一の対向端部767aの壁面と第一の溝767の溝表面767xとの交線と、第一の対向端部767aの壁面と第一の平坦部775の表面との交線とが一致して重なるため、視認される直線は一本となる。
【0178】
同様に、第二の対向端部769aである終端部側壁の壁面と第二の溝769の溝表面769xとの交線は直線状に視認され、第二の対向端部769aである終端部側壁の壁面と第一の平坦部775の表面との交線も直線状に視認される。しかしながら、
図18(b)に示すように、第二の対向端部769aの終端部側壁の壁面と平行な方向から第二の破断容易部761の露出面を観察した場合は、第二の対向端部769aの壁面と第二の溝769の溝表面769xとの交線と、第二の対向端部769aの壁面と第一の平坦部775の表面との交線とが一致して重なるため、視認される直線は一本となる。
【0179】
図示は省略したが、第二の仮想直線L2に平行で第二の平坦部776の表面に直交する平面で切断した断面において、第三の対向端部771aは第三の溝771の溝表面と第二の平坦部776の表面に対して直交している。また、当該断面において、第四の対向端部773aは第四の溝773の溝表面と第二の平坦部776の表面に対して直交している。
【0180】
このため、第三の対向端部771aである終端部側壁の壁面と第三の溝771の溝表面との交線は直線状に視認され、第三の対向端部771aである終端部側壁の壁面と第二の平坦部776の表面との交線も直線状に視認される。しかしながら、第三の対向端部771aの終端部側壁の壁面と平行な方向から第二の破断容易部761の露出面を観察した場合は、第三の対向端部771aの壁面と第三の溝771の溝表面との交線と、第三の対向端部771aの壁面と第二の平坦部776の表面との交線とが一致して重なるため、視認される直線は一本となる。
【0181】
同様に、第四の対向端部773aである終端部側壁の壁面と第四の溝773の溝表面との交線は直線状に視認され、第四の対向端部773aである終端部側壁の壁面と第二の平坦部776の表面との交線も直線状に視認される。しかしながら、第四の対向端部773aの終端部側壁の壁面と平行な方向から第二の破断容易部761の露出面を観察した場合は、第四の対向端部773aの壁面と第四の溝773の溝表面との交線と、第四の対向端部773aの壁面と第二の平坦部776の表面との交線とが一致して重なるため、視認される直線は一本となる。
【0182】
このように、本実施例による第二の破断容易部761に設けられた溝構造(溝形状)によれば、第二の破断容易部761が破断して生じる破断線の視認を阻害する線状の模様の数を減らすことができるので、破断線を明確に視認することができる。
【0183】
次に、
図19を用いて、本実施例の第二の破断容易部761による効果について説明する。
図19において、
図9乃至
図18を用いて説明したものと同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図19(a)は、
図17(a)の実線で示す楕円e内の領域が破断した状態を拡大して示した部分拡大図である。
図19(b)は、第二の破断容易部761の破断した領域を整えた状態を示す部分拡大図である。
【0184】
ベース部材223aの右側の周縁部の先端部と蓋部材223bの右側の周縁部の先端部の接触部に例えばドライバを差し込んでベース部材223aと蓋部材223bとの間を分離しようとする場合には、ベース部材223aと蓋部材223bの接触部を塞いで貼り付けられている第二の破断容易部761が容易に破断する。
図19(a)に示すように、本実施例では、例えば、第三の溝771から第四の溝773に向かって(上下方向に対して約45°の角度で後下から前上に向かって)第二の平坦部776を通って破断が生じる。第二の平坦部776には溝が形成されていないので、断面積は小さくなく、本来であれば板状部762に力が作用しても容易に破断は生じるものではない。しかしながら本実施例では、例えば第三の溝771近傍に力が作用して第三の溝771に破断部を生じさせ、さらに力が第三の溝771に隣接する第二の平坦部776に及んで破断部を生じさせ、さらにまた力が第四の溝773にも及んで破断部を生じさせている。
【0185】
破断部に生じる破断線が溝底部に一致して一直線状に形成されることは極めて稀である。
図19(a)に示すように一般に、破断線は第三の溝771と第四の溝773の溝底部に沿って一直線状に形成されておらず、破断線の少なくとも一部は溝底部と重なっていない。このため、不正行為者が破断部を整えて生じたズレを元に戻しても、
図19(b)に示すように、依然として破断線を視認することができ、不正の痕跡Uを残すことができる。さらに、第二の平坦部776は溝が形成されていない平坦面であるため、第二の平坦部776で破断が生じた場合は、生じた破断線が溝底部と重なることがなく容易に不正の痕跡を視認できる。このため、不正行為者が破断部を整えて生じたズレを元に戻しても、依然として第二の平坦部776で確実に破断線を視認することができ、不正の痕跡Uを確実に残すことができる。本実施例によれば第二の平坦部776に破断線を生じさせることができるので、実施例1の
図15(b)に示すような第二の平坦部を有さない第一の破断容易部711よりも容易に不正の痕跡を発見することができる。
【0186】
本実施例では、溝形状がV字形状になっているので、溝底部に沿って破断が生じ易く、溝底部の直線と破断線とが重なる場合があるが、溝形状によって、付加された力が集中する領域が異なるので、破断部が生じ易い領域は溝形状によって異なる。
【0187】
次に、
図20を用いて、本実施の形態の実施例3の変形例に係る第二の破断容易部の溝の形状について説明する。
図20において、
図9乃至
図19を用いて説明したものと同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図20(a)は、実施例3の変形例1に係る第二の破断容易部961の溝の形状を示す図である。
図20(b)は、実施例3の変形例2に係る第二の破断容易部1761の溝の形状を示す図である。
図20(c)は、実施例3の変形例3に係る第二の破断容易部861の露出面側の一部を示す図である。
図20(d)は、
図20(c)のD−D線で第二の破断容易部861を切断して矢印方向に見た断面図である。
【0188】
図20(a)に示すように、板状部962の露出面には、第一の溝967、第二の溝969、第三の溝971、および第四の溝973が形成されている。第一の溝967および第二の溝969は、上下方向に対して例えば45°の角度で後上から前下に延びている。第三の溝971および第四の溝973は、上下方向に対して例えば45°の角度で前上から後下に延びている。
【0189】
第一の溝967は、第二の溝969と対向する第一の対向端部967aを有している。第二の溝969は、第一の溝967と対向する第二の対向端部969aを有している。第一の対向端部967aと第二の対向端部969aとの間には、溝が形成されておらず表面が平坦な第一の平坦部975が設けられている。
【0190】
また、第三の溝971は、第四の溝973と対向する第三の対向端部971aを有している。第四の溝973は、第三の溝971と対向する第四の対向端部973aを有している。第三の対向端部971aと第四の対向端部973aとの間には、溝が形成されておらず表面が平坦な第二の平坦部976が設けられている。
【0191】
また、溝の延伸方向に直交する平面で切断した第一の溝967〜第四の溝973の断面形状は、溝の延伸方向に見て平坦な底部を有する箱型形状になっている。溝が形成されている領域の断面積は、溝の形成されていない領域よりも小さいので、第二の破断容易部961に負荷をかけた場合に、第一の溝967〜第四の溝973が形成されている領域に破断線が生じ易い。従って、不正行為者による不正の痕跡を視認するには、第一の溝967〜第四の溝973に注目すれば効率的である。また、第一の溝967〜第四の溝973は、溝の断面積の大きさがどの領域においても同じなので、第二の破断容易部961に負荷をかけた場合に、特定の溝の領域に力が集中することはない。従って、第一の溝967〜第四の溝973において破断部が生じる領域を限定することは容易でなく、第一の溝967〜第四の溝973の領域全体、第一の平坦部975および第二の平坦部976の領域全体を視認する必要がある。
【0192】
図20(b)に示すように、板状部1762の露出面には、第一の溝1767、第二の溝1769、第三の溝1771、および第四の溝1773が形成されている。第一の溝1767および第二の溝1769は、上下方向に対して例えば45°の角度で後上から前下に延びている。第三の溝1771および第四の溝1773は、上下方向に対して例えば45°の角度で前上から後下に延びている。
【0193】
第一の溝1767は、第二の溝1769と対向する第一の対向端部1767aを有している。第二の溝1769は、第一の溝1767と対向する第二の対向端部1769aを有している。第一の対向端部1767aと第二の対向端部1769aとの間には、溝が形成されておらず表面が平坦な第一の平坦部1775が設けられている。
【0194】
また、第三の溝1771は、第四の溝1773と対向する第三の対向端部1771aを有している。第四の溝1773は、第三の溝1771と対向する第四の対向端部1773aを有している。第三の対向端部1771aと第四の対向端部1773aとの間には、溝が形成されておらず表面が平坦な第二の平坦部1776が設けられている。
【0195】
第一の対向端部1767aは、第二の溝1769に向かって突出する第一の突端部1767bを有している。第二の対向端部1769aは、第一の溝1767に向かって突出する第二の突端部1769bを有している。第三の対向端部1771aは、第四の溝1773に向かって突出する第三の突端部1771bを有している。第四の対向端部1773aは、第三の溝1771に向かって突出する第四の突端部1773bを有している。第一の平坦部1775の表面を含む平面内での第一の対向端部1767aの輪郭は、第一の突端部1767bを頂部とする二等辺を有し頂角が直角である形状を有している。同様に第二の対向端部1769aの輪郭は、第二の突端部1769bを頂部とする二等辺を有し頂角が直角である形状を有している。なお、第一の対向端部1767aおよび第二の対向端部1769aの輪郭はこれに限らず、頂角は鋭角であっても鈍角であってもよいし、さらに第一の対向端部1767aおよび第二の対向端部1769aの輪郭が例えば円弧を描く曲線の凸形状であってもよい。第二の平坦部1776の表面を含む平面内での第三の対向端部1771aの輪郭は、第三の突端部1771bを頂部とする二等辺を有し頂角が直角である形状を有している。同様に第四の対向端部1773aの輪郭は、第四の突端部1773bを頂部とする二等辺を有し頂角が直角である形状を有している。なお、第三の対向端部1771aおよび第四の対向端部1771aの輪郭はこれに限らず、頂角は鋭角であっても鈍角であってもよいし、さらに第三の対向端部1771aおよび第四の対向端部1773aの輪郭が例えば円弧を描く曲線の凸形状であってもよい。また、本実施例では、第一の対向端部1767a、第二の対向端部1769a、第三の対向端部1771a、および第四の対向端部1773aの輪郭は同形状になっているが、これに限らず各対向端部の輪郭形状が異なっていてもよい。
【0196】
図20(b)に示す溝の延伸方向に直交する平面で切断した第一の溝1767〜第四の溝1773の断面形状は、溝の延伸方向に見て平坦な底部を有する箱型形状になっている。第一の溝1767〜第四の溝1773は、溝の断面積の大きさがどの領域においても同じなので、第二の破断容易部1761に負荷をかけた場合に、特定の溝の領域に力が集中することはない。従って、破断部が生じる溝領域の部分を限定することは容易でなく、不正行為者による不正の痕跡を視認するには、第一の溝1767〜第四の溝1773の領域全体、第一の平坦部1775および第二の平坦部1776の領域全体を視認する必要ある。しかしながら、第一の突端部1767b〜第四の突端部1773bが設けられているので、第一の平坦部1775および第二の平坦部1776の領域は、
図20(a)に示す第一の平坦部975や第二の平坦部976よりも小さくなっている。従って、不正の痕跡を見つけるにあたって視認する必要のある領域の面積をさらに小さくすることができる。
【0197】
次に、
図20(c)および
図20(d)を用いて、実施例3の変形例3による第二の破断容易部861の断面形状について説明する。
図20(c)に示すように、第一の仮想直線L1は第一の溝867の第一の溝底部867cと第二の溝869の第二の溝底部869cで視認される直線に一致している。D−D線は、第一の仮想直線L1に対して溝幅の1/4程度の距離だけ上方向(または前方向)に平行移動した位置にある。
図20(d)は、第一の仮想直線L1に平行なC−C線を含み第一の平坦部875の表面に直交する平面で第一の溝867、第二の溝869、および第一の平坦部875を切断した断面を示している。当該断面には、第一の平坦部875の平坦面の断面と、第一の溝867の延伸方向に沿う斜平面の溝表面867xの断面、第二の溝869の延伸方向に沿う斜平面の溝表面869xの断面、第一の溝867の終端部側壁として第一の平坦部875に繋がる第一の対向端部867a、および第二の溝869の終端部側壁として第一の平坦部875に繋がる第二の対向端部869aが示されている。
【0198】
図20(d)に示すように、第一の仮想直線L1に平行で第一の平坦部875の表面に直交する平面で切断した断面において、第一の対向端部867aは第一の溝867の溝表面867xと第一の平坦部875の表面に対して直交しておらず、第一の溝867の溝表面867xから第一の平坦部875の表面に向かう上り傾斜直線になっている。また、当該断面において、第二の対向端部869aは第二の溝869の溝表面869xと第一の平坦部875の表面に対して直交しておらず、第二の溝869の溝表面869xから第一の平坦部875の表面に向かう上り傾斜直線になっている。
【0199】
D−D線の位置を第一の仮想直線L1に一致させて切断した場合の切断面では、第一の対向端部867aの第一の突端部867bは第一の溝867の第一の溝底部867cと第一の平坦部775の表面に対して直交しておらず、第一の溝867の第一の溝底部867cから第一の平坦部875の表面に向かう上り傾斜直線になっている。また、当該断面において、第二の対向端部869aの第二の突端部869bは第二の溝869の第二の溝底部869cと第一の平坦部875の表面に対して直交しておらず、第二の溝869の第二の溝底部869cから第一の平坦部875の表面に向かう上り傾斜直線になっている。
【0200】
D−D線の位置を第一の仮想直線L1から遠ざけると、切断面における第一の平坦部875の表面の幅が長くなり、第一の溝867の溝表面867xの高さが第一の平坦部875の表面の高さに近づくように変化するが、第一の溝867の溝表面967xから第一の平坦部875の表面に向かう第一の対向端部867aの上り傾斜直線の傾斜角は同一に維持される。同様に、第二の溝869の溝表面869xの高さが第一の平坦部875の表面の高さに近づくように変化するが、第二の溝869の溝表面969xから第一の平坦部875の表面に向かう第二の対向端部869aの上り傾斜直線の傾斜角は同一に維持される。
【0201】
また、第一の仮想直線L1に平行で第一の平坦部775の表面に直交する平面で切断した断面において、第一の溝867の溝表面867xと第二の溝869の溝表面869xの高さはほぼ同一であり、第一の対向端部867aと第二の対向端部869aの高さもほぼ同一である。従って、当該断面において、溝表面867xと第一の対向端部867aの交点と、第一の対向端部867aと第一の平坦部875の交点、第一の平坦部875と第二の対向端部869aの交点、および第二の対向端部869aと溝表面869xとの交点で作られる四角形は等脚台形となる。
【0202】
このため、第一の対向端部867aである終端部側壁の壁面と第一の溝867の溝表面867xとの交線867dは直線状に視認され、第一の対向端部867aである終端部側壁の壁面と第一の平坦部875の表面との交線も直線状に視認される。
図18(b)に示すものと同様な方向から第二の破断容易部861の露出面を観察した場合は、第一の対向端部867aの壁面と第一の溝867の溝表面867xとの交線867dと、第一の対向端部867aの壁面と第一の平坦部875の表面との交線とが一致しないため、視認される直線は二本となる。
【0203】
同様に、第二の対向端部869aである終端部側壁の壁面と第二の溝869の溝表面869xとの交線869dは直線状に視認され、第二の対向端部869aである終端部側壁の壁面と第一の平坦部875の表面との交線も直線状に視認される。
図18(b)に示すものと同様な方向から第二の破断容易部861の露出面を観察した場合は、第二の対向端部869aの壁面と第二の溝869の溝表面869xとの交線869dと、第二の対向端部869aの壁面と第一の平坦部875の表面との交線とが一致しないため、視認される直線は二本となる。
【0204】
図示は省略したが、第二の仮想直線L2に平行で第二の平坦部876の表面に直交する平面で切断した断面において、第三の対向端部871aは第三の溝871の溝表面と第二の平坦部876の表面に対して直交しておらず、第三の溝871の溝表面871xから第二の平坦部876の表面に向かう上り傾斜直線になっている。また、当該断面において、第四の対向端部873aは第四の溝873の溝表面と第二の平坦部876の表面に対して直交しておらず、第四の溝873の溝表面873xから第二の平坦部876の表面に向かう上り傾斜直線になっている。
【0205】
このため、第三の対向端部871aである終端部側壁の壁面と第三の溝871の溝表面との交線は直線状に視認され、第三の対向端部871aである終端部側壁の壁面と第二の平坦部876の表面との交線も直線状に視認される。
図18(b)に示すものと同様な方向から第二の破断容易部861の露出面を観察した場合は、第三の対向端部871aの壁面と第三の溝871の溝表面との交線と、第三の対向端部871aの壁面と第二の平坦部876の表面との交線とが一致しないため、視認される直線は二本となる。
【0206】
同様に、第四の対向端部873aである終端部側壁の壁面と第四の溝873の溝表面との交線は直線状に視認され、第四の対向端部873aである終端部側壁の壁面と第二の平坦部876の表面との交線も直線状に視認される。
図18(b)に示すものと同様な方向から第二の破断容易部861の露出面を観察した場合は、第四の対向端部873aの壁面と第四の溝873の溝表面との交線と、第四の対向端部873aの壁面と第二の平坦部876の表面との交線とが一致しないため、視認される直線は二本となる。
【0207】
このように、本変形例による第二の破断容易部861に設けられた溝構造(溝形状)では、実施例3の第二の破断容易部761に比して、第二の破断容易部861が破断して生じる破断線の視認を阻害する線状の模様の数が一本増えてしまうが、破断線を視認により確認することは可能である。
【0208】
次に、
図21を用いて、本実施の形態の実施例4による第二の破断容易部761について説明する。
図21において、実施例3に示すものと同一機能あるいは作用を奏する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図21(a)は、第二の破断容易部761を右から左に向かって見た正面図であり、第二の破断容易部761の副制御基板収納部223に対面する表面とは反対の露出面側を示している。
図21(a)は、実線で示す楕円内の領域の大きさが異なる以外は
図17(a)と同様である。
図21(b)は、
図21(a)の実線で示す楕円f内の領域を拡大して示した部分拡大図である。
図21(c)は、
図21(b)のE−E線で第二の破断容易部761を切断して矢印方向に見た断面図である。
【0209】
図21(b)に示すように、第一の溝767、第二の溝769、第三の溝771、第四の溝773、第一の平坦部775、および第二の平坦部776を含む第一のユニット900の上側に第二のユニット910が配置され、下側に第三のユニット920が配置されている。第一のユニット900の第一の溝767の第一の対向端部767aの第一の突端部767bと第三の溝771の第三の対向端部771aの第三の突端部771bとを結ぶ直線を第四の仮想直線L4とすると、第二のユニット910内と第三のユニット920内の第一の突端部767bと第三の突端部771bに対応する位置は第四の仮想直線L4上にある。
【0210】
E−E線の位置は第四の仮想直線L4に一致している。
図21(c)に示すように、E−E線で切断した断面において、板状部762の露出面側には、第一のユニット900の位置に溝h、溝h´が配置され、第二のユニット910の位置に溝i、溝i´が配置され、第三のユニット920の位置に溝j、溝j´が配置されている。
【0211】
他の断面の断面積に比して第四の仮想直線L4に沿う方向の断面積が小さくなるので、第四の仮想直線L4に沿う方向は破断され易くなっている。従って、第四の仮想直線L4の両側で互いに逆向きの力のモーメントが作用すると、第四の仮想直線L4に沿って上下方向に破断を生じさせることができる。このように板状部762は、第一の溝676〜第四の溝773の延伸方向以外にも別の破断容易な方向を有しているので、不正行為等により板状部762に力が作用した場合に容易に破断して破断の痕跡を残せるという優れた効果を奏することができる。また、第四の仮想直線L4に沿う方向の破断容易領域における破断容易性は、第一の溝676〜第四の溝773の溝底部が延びる領域における破断容易性と同等である。本例では第一のユニット900〜第三のユニット920の三箇所に跨る破断容易領域について説明したが、第一のユニット900と第二のユニット910、または第一のユニット900と第三のユニット920の二箇所だけでも破断容易な領域を構成できる。
【0212】
次に、
図22を用いて、本発明の一実施の形態の実施例5によるスロットマシン100の第三の破断容易部について説明する。
図22(a)〜(c)は、実施例1による第一の破断容易部711を示し、
図22(d)〜(f)は、実施例3による第二の破断容易部773を示し、
図22(g)は、本実施例による第三の破断容易部800を示している。
図22(c)、(f)は溝がない領域の板状部の断面を示しており、いずれの板状部も同一の板厚を有している。
図22(a)は、実施例1による
図13(a)に示す第一の破断容易部711の第一の交差部733と同等の交差部を示している。
図22(b)は、
図22(a)のF−F線で切断した断面を示している。
図22(d)は、実施例3による
図17(d)に示す第二の破断容易部761の第一のユニット900と同等のユニットを示している。
図22(e)は、
図22(d)のG−G線で切断した断面を示している。
図22(g)は、本実施例によるユニットを示している。
【0213】
図22(a)に示す第一の破断容易部711において、交差部の中心と一方の貫通溝の溝中心を通る仮想直線L5に一致するF−F線で切断した断面は
図22(b)に示すように、板状部の板厚が一様に薄くなっているため、F−F線で切断した断面を
図22(b)の矢印で示す方向に変形させやすくなる。さらに、F−F線に直交する直線上であり、F−F線を跨いだ位置に設けられた溝部に応力が集中するため、容易に破断させることができる。また、F−F線に直交した方向で切断した断面もF−F線で切断した断面と同様に板状部の板厚が一様に薄くなっているため、F−F線に沿って設けられた溝部についても同様の効果を得ることができる。そのため、第一の破断容易部711は破断させやすいものであると言える。
【0214】
図22(d)に示す第二の破断容易部761において、ユニットの中心と一対の対向する2つの溝の溝中心を通る仮想直線L5に一致するG−G線で切断した断面は
図22(e)に示すように、平坦部の板厚は減少していないが、溝部の板厚が薄くなっているため、G−G線で切断した断面を
図22(e)の矢印で示す方向に変形させやすくなる。さらにG−G線に直交する直線上であり、G−G線を跨いだ位置に設けられた溝部に応力が集中するため、容易に破断させることができる。また、G−G線に直交した方向で切断した断面もG−G線で切断した断面と同様に溝部の板厚が薄くなっているため、G−G線に沿って設けられた溝部についても同様の効果を得ることができる。そのため、第二の破断容易部761は破断させやすいものであると言える。
【0215】
図22(g)は、
図22(a)および
図22(d)のそれぞれに共通した溝部分を示したものである。少なくとも
図22(g)に示す溝部を有していれば、
図22(a)および
図22(d)で示した効果と同様の効果を得ることができる。
【0216】
次に、以上説明した一実施の形態によるスロットマシン100の特徴的構成について再度
図1乃至
図22を参照しつつ説明する。
(1)
遊技に関する制御を行う制御回路(例えば、基本回路402、駆動回路422、基本回路502、駆動回路530)を搭載した制御基板(例えば、第1副基板222、第2副基板224)と、
前記制御基板を収容する基板ケース(例えば、副制御基板収納ケース220)と、を備えた遊技台であって、
前記基板ケースは、前記制御基板を収容した基板収容部(例えば、副制御基板収納部223)と、該基板収容部に比べて破断容易な破断容易部(例えば、第一の破断容易部711、第二の破断容易部761)とを有しているものであり、
前記破断容易部は、第一の仮想直線(例えば、第一の仮想直線L1)に沿って設けられた第一の溝(例えば、第一の溝721)および第二の溝(例えば、第二の溝723)と、該第一の仮想直線の延びる方向とは異なる方向(例えば、直交する方向)に延びる第二の仮想直線(例えば、第二の仮想直線L2)に沿って設けられた第三の溝(例えば、第三の溝727)および第四の溝(例えば、第四の溝729)とを有しているものであり、
前記第一の溝は、前記第二の仮想直線に対して前記第二の溝の反対側に設けられたものであり、
前記第三の溝は、前記第一の仮想直線に対して前記第四の溝の反対側に設けられたものであることを特徴とする遊技台。
【0217】
上記遊技台によれば、不正行為等により破断容易部に力が作用した場合に、破断した部分に残る破断線を容易に視認することができ、破断の痕跡を視認しやすくすることができる。
【0218】
(2)
上記(1)に記載の遊技台であって、
前記第一の溝および前記第二の溝の端部のうち対向する端部側が接続されて一本の貫通溝(以下、「第一の貫通溝」(例えば、第一の貫通溝725)という。)が形成され、
前記第三の溝および前記第四の溝の端部のうち対向する端部側が接続されて一本の貫通溝(以下、「第二の貫通溝」(例えば、第二の貫通溝731)という。)が形成され、
前記破断容易部は、前記第一の貫通溝と前記第二の貫通溝とが交差して形成された第一の交差部(例えば、第一の交差部733)を有しているものであることを特徴とする遊技台。
【0219】
上記遊技台によれば、交差部を構成する2つの貫通溝のうちの一方の貫通溝によって、他方の貫通溝での破断を発生しやすくすることができる。
【0220】
(3)
上記(2)に記載の遊技台であって、
前記破断容易部は、さらに第二の交差部(例えば、第二の交差部745)を有しているものであり、
前記第二の交差部は、前記第一の貫通溝と前記第二の貫通溝とは異なる第三の貫通溝(例えば、第三の貫通溝741)と第四の貫通溝(例えば、第四の貫通溝743)とが交差して形成されたものであり、
前記第一の貫通溝乃至前記第四の貫通溝は、前記第一の交差部から前記第二の交差部に延びる第三の仮想直線(例えば、第三の仮想直線L3)の延びる方向とは異なる方向に延びるものであることを特徴とする遊技台。
【0221】
上記遊技台によれば、2つの貫通溝が重なっている部分である交差部は他の部分よりも脆弱であるため、2つの交差部によって構成される直線上での破断が発生しやすくなり、破断の痕跡をより残しやすくすることができる。
【0222】
(4)
上記(3)に記載の遊技台であって、
前記破断容易部は、前記第一の交差部と前記第二の交差部とは異なる位置に設けられた第三の交差部(例えば、第三の交差部751)を有しているものであり、
前記第三の交差部は、二本の貫通溝(例えば、第五の貫通溝747、第六の貫通溝749)が交差して形成されたものであり、
前記第三の交差部は、前記第三の仮想直線の上に配置されたものであり、
前記二本の貫通溝は、前記第一の貫通溝乃至前記第四の貫通溝とは異なるものであり、
前記二本の貫通溝は、前記第三の仮想直線の延びる方向とは異なる方向に延びるものであることを特徴とする遊技台。
【0223】
上記遊技台によれば、交差部によって構成される直線上での破断をより発生しやすくすることができる。
【0224】
(5)
上記(1)に記載の遊技台であって、
前記第一の溝(例えば、第一の溝767)は、前記第二の溝(例えば、第二の溝769)と対向する第一の対向端部(例えば、第一の対向端部767a)を有しているものであり、
前記第二の溝は、前記第一の溝と対向する第二の対向端部(例えば、第二の対向端部769a)を有しているものであり、
前記破断容易部は、前記第一の対向端部と前記第二の対向端部との間に、溝が形成されておらず表面が平坦な第一の平坦部(例えば、第一の平坦部775)を有しているものであり、
前記第三の溝(例えば、第三の溝771)は、前記第四の溝(例えば、第四の溝773)と対向する第三の対向端部(例えば、第三の対向端部771a)を有しているものであり、
前記第四の溝は、前記第三の溝と対向する第四の対向端部(例えば、第四の対向端部773a)を有しているものであり、
前記破断容易部は、前記第三の対向端部と前記第四の対向端部との間に、溝が形成されておらず表面が平坦な第二の平坦部(例えば、第二の平坦部776)を有しているものであることを特徴とする遊技台。
【0225】
(6)
上記(5)に記載の遊技台であって、
前記第一の対向端部は、前記第二の仮想直線に向かって突出する第一の突端部(例えば、第一の突端部767b)を有しているものであり、
前記第二の対向端部は、前記第二の仮想直線に向かって突出する第二の突端部(例えば、第二の突端部769b)を有しているものであり、
前記第三の対向端部は、前記第一の仮想直線に向かって突出する第三の突端部(例えば、第三の突端部771b)を有しているものであり、
前記第四の対向端部は、前記第一の仮想直線に向かって突出する第四の突端部(例えば、第四の突端部773b)を有しているものであることを特徴とする遊技台。
【0226】
上記遊技台によれば、破断部の場所を限定することができるため、破断の痕跡を視認しやすくすることができる。
【0227】
(7)
上記(6)に記載の遊技台であって、
前記第一の溝は、前記第一の仮想直線の延びる方向に見て対向する二つの斜平面が交わる第一の底部(例えば、第一の溝底部767c)を有しているものであり、
前記第一の突端部は、前記第一の対向端部が前記第一の底部と交わる位置に設けられたものであり、
前記第二の溝は、前記第一の仮想直線の延びる方向に見て対向する二つの斜平面が交わる第二の底部(例えば、第二の溝底部769c)を有しているものであり、
前記第二の突端部は、前記第二の対向端部が前記第二の底部と交わる位置に設けられたものであり、
前記第三の溝は、前記第二の仮想直線の延びる方向に見て対向する二つの斜平面が交わる第三の底部(例えば、第三の溝底部771c)を有しているものであり、
前記第三の突端部は、前記第三の対向端部が前記第三の底部と交わる位置に設けられたものであり、
前記第四の溝は、前記第二の仮想直線の延びる方向に見て対向する二つの斜平面が交わる第四の底部(例えば、第四の溝底部773c)を有しているものであり、
前記第四の突端部は、前記第四の対向端部が前記第四の底部と交わる位置に設けられたものであることを特徴とする遊技台。
【0228】
(8)
上記(5)乃至(7)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の対向端部は、前記第一の仮想直線に平行で前記第一の平坦部の前記表面に直交する平面で前記第一の溝および該第一の平坦部を切断した断面において、該第一の溝の溝表面(例えば、第一の溝底部767c)に対して直交する部分(例えば、第一の突端部767b)を有しているものであり、
前記第二の対向端部は、前記第一の仮想直線に平行で前記第一の平坦部の前記表面に直交する平面で前記第二の溝および該第一の平坦部を切断した断面において、該第二の溝の溝表面(例えば、第二の溝底部769c)に対して直交する部分(例えば、第二の突端部769b)を有しているものであり、
前記第三の対向端部は、前記第二の仮想直線に平行で前記第二の平坦部の前記表面に直交する平面で前記第三の溝および該第二の平坦部を切断した断面において、該第三の溝の溝表面(例えば、第三の溝底部771c)に対して直交する部分(例えば、第三の突端部771b)を有しているものであり、
前記第四の対向端部は、前記第二の仮想直線に平行で前記第二の平坦部の前記表面に直交する平面で前記第四の溝および該第二の平坦部を切断した断面において、該第四の溝の溝表面(例えば、第四の溝底部773c)に対して直交する部分(例えば、第四の突端部773b)を有しているものであることを特徴とする遊技台。
【0229】
上記遊技台によれば、溝を露出面側から見た際に見える線を少なくすることで、破断線を視認しやすくすることができるので、破断の痕跡を視認しやすくすることができる。
【0230】
(9)
上記(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記破断容易部は、板状部(例えば、板状部712、板状部762)を有しているものであり、
前記板状部は、前記基板収容部に固定(例えば、接着剤による接着)されたものであることを特徴とする遊技台。
【0231】
上記遊技台によれば、基板収容部の強度を低下させることなく、不正の痕跡を残すことができる。
【0232】
(10)
上記(9)に記載の遊技台であって、
前記基板収容部は、内部に空気を流通させる空気孔(例えば、放熱孔297a、297b)を有しているものであることを特徴とする遊技台。
(11)
上記(10)に記載の遊技台であって、
前記破断容易部は、前記空気孔に対応する位置に開口された開口部(例えば、開口部717)を有しているものであることを特徴とする遊技台。
(12)
上記(10)または(11)に記載の遊技台であって、
前記板状部は、前記基板収容部と対面する表面側に、該基板収容部に固定する際に前記空気孔に差し込んで位置決めをする位置決め突起部(例えば、突起部714)を有しているものであることを特徴とする遊技台。
(13)
上記(10)乃至(12)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記板状部は、前記基板収容部と対面する表面側に、接着剤を塗布する接着剤塗布領域(例えば、接着剤塗布用溝719)を有しているものであることを特徴とする遊技台。
(14)
上記(9)乃至(13)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記破断容易部は、透明樹脂材料で形成されたものであることを特徴とする遊技台。
【0233】
本発明は、上記実施例に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220に本発明を適用したが、これに限らず、主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210に本発明を適用してもよい。
【0234】
また、上記実施の形態では、第一の破断容易部711と第二の破断容易部761は、副制御基板収納部223に別体として固定されるようにしているが、これに限定されるものではなく、副制御基板収納部223に一体として形成されるようにしてもよい。
【0235】
また、例えば、上述においてランプと称したものは、発光手段の一例であり、ランプは、LED、冷陰極管等の光を発するものであれば置換可能である。
【0236】
なお、上記詳細な説明で説明した事項は組み合わせることが可能である。
【0237】
上記実施の形態では、遊技台の例としてスロットマシンを用いたが本発明はこれに限られない。本発明は、
図23に示すようなパチンコ機1000にも適用可能である。
図23は、パチンコ機1000を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【0238】
<全体構成>
まず、
図23を用いて、パチンコ機1000の全体構成について説明する。
パチンコ機1000は、外部的構造として、外枠1002と、本体1004と、前面枠扉1006と、球貯留皿付扉1008と、発射装置1010と、遊技盤2000と、をその前面に備える。
【0239】
外枠1002は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状からなる木製の枠部材である。
【0240】
本体1004は、外枠1002の内部に備えられ、ヒンジ部1012を介して外枠1002に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体1004は、枠状に形成され、内側に空間部1014を有している。また、本体1004が開放された場合、本体1004の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
【0241】
前面枠扉1006は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機1000の前面側となる本体1004の前面に対しヒンジ部1012を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部1016とした扉部材である。なお、この前面枠扉1006には、開口部1016にガラス製又は樹脂製の透明板部材1018が設けられ、前面側には、スピーカ1020や枠ランプ1022が取り付けられている。前面枠扉1006の後面と遊技盤2000の前面とで遊技領域1024を区画形成する。また、前面枠扉1006が開放された場合、前面枠扉1006の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
【0242】
球貯留皿付扉1008は、パチンコ機1000の前面において本体1004の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉1008は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置1010へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿1026と、上皿1026に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿1028と、遊技者の操作によって上皿1026に貯留された遊技球を下皿1028へと排出させる球抜ボタン1030と、遊技者の操作によって下皿1028に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー1032と、遊技者の操作によって発射装置1010へと案内された遊技球を遊技盤2000の遊技領域1024へと打ち出す球発射ハンドル1034と、遊技者の操作によって各種演出装置2006の演出態様に変化を与えるチャンスボタン1036と、チャンスボタン1036を発光させるチャンスボタンランプ1038と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン1040と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン1042と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部1044と、を備える。また、下皿1028が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
【0243】
発射装置1010は、本体1004の下方に取り付けられ、球発射ハンドル1034が遊技者に操作されることによって回動する発射杆1046と、遊技球を発射杆1046の先端で打突する発射槌1048と、を備える。
遊技盤2000は、前面に遊技領域1024を有し、本体1004の空間部1014に臨むように、所定の固定部材を用いて本体1004に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域1024は、遊技盤2000を本体1004に装着した後、開口部1016から観察することができる。
【0244】
図24は、
図23のパチンコ機1000を背面側から見た外観図である。
パチンコ機1000の背面上部には、上方に開口した開口部1016を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク1050と、この球タンク1050の下方に位置し、球タンク1050の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置1052に導くためのタンクレール1054とを配設している。
【0245】
払出装置1052は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール1054を通過して払出装置1052内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置1052の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
【0246】
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部(不図示)へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機1000の表側に配設した上皿1026に到達するように構成しており、パチンコ機1000は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
【0247】
払出装置1052の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部(不図示)を構成する主基板1056を収納する主基板ケース1058、主制御部が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部(不図示)を構成する第1副基板1060を収納する第1副基板ケース1062、第1副制御部が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部(不図示)を構成する第2副基板1064を収納する第2副基板ケース1066、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ1068を備える払出基板1070を収納する払出基板ケース1072、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部(不図示)を構成する発射基板1074を収納する発射基板ケース1076、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部(不図示)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ1078と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部に出力するRWMクリアスイッチ1080とを備える電源基板1082を収納する電源基板ケース1084、および払出制御部とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインタフェース部1086を配設している。
【0248】
本発明は、遊技台としてスロットマシンおよびパチンコ機を例にあげたが、これに限るものではなく、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール等に適用してもよい。
【0249】
上記実施の形態の遊技台は、例えば以下のように表現される。
(付記1)
遊技に関する制御を行う制御回路を搭載した制御基板と、
前記制御基板を収容する基板ケースと、を備えた遊技台であって、
前記基板ケースは、前記制御基板を収容した基板収容部と、該基板収容部に比べて破断容易な破断容易部とを有しているものであり、
前記破断容易部は、第一の仮想直線に沿って設けられた第一の溝および第二の溝と、該第一の仮想直線の延びる方向とは異なる方向に延びる第二の仮想直線に沿って設けられた第三の溝および第四の溝とを有しているものであり、
前記第一の溝は、前記第二の仮想直線に対して前記第二の溝の反対側に設けられたものであり、
前記第三の溝は、前記第一の仮想直線に対して前記第四の溝の反対側に設けられたものであることを特徴とする遊技台。
(付記2)
付記1に記載の遊技台であって、
前記第一の溝および前記第二の溝の端部のうち対向する端部側が接続されて一本の貫通溝(以下、「第一の貫通溝」という。)が形成され、
前記第三の溝および前記第四の溝の端部のうち対向する端部側が接続されて一本の貫通溝(以下、「第二の貫通溝」という。)が形成され、
前記破断容易部は、前記第一の貫通溝と前記第二の貫通溝とが交差して形成された第一の交差部を有しているものであることを特徴とする遊技台。
(付記3)
付記2に記載の遊技台であって、
前記破断容易部は、さらに第二の交差部を有しているものであり、
前記第二の交差部は、前記第一の貫通溝と前記第二の貫通溝とは異なる第三の貫通溝と第四の貫通溝とが交差して形成されたものであり、
前記第一の貫通溝乃至前記第四の貫通溝は、前記第一の交差部から前記第二の交差部に延びる第三の仮想直線の延びる方向とは異なる方向に延びるものであることを特徴とする遊技台。
(付記4)
付記3に記載の遊技台であって、
前記破断容易部は、前記第一の交差部と前記第二の交差部とは異なる位置に設けられた第三の交差部を有しているものであり、
前記第三の交差部は、二本の貫通溝が交差して形成されたものであり、
前記第三の交差部は、前記第三の仮想直線の上に配置されたものであり、
前記二本の貫通溝は、前記第一の貫通溝乃至前記第四の貫通溝とは異なるものであり、
前記二本の貫通溝は、前記第三の仮想直線の延びる方向とは異なる方向に延びるものであることを特徴とする遊技台。
(付記5)
付記1に記載の遊技台であって、
前記第一の溝は、前記第二の溝と対向する第一の対向端部を有しているものであり、
前記第二の溝は、前記第一の溝と対向する第二の対向端部を有しているものであり、
前記破断容易部は、前記第一の対向端部と前記第二の対向端部との間に、溝が形成されておらず表面が平坦な第一の平坦部を有しているものであり、
前記第三の溝は、前記第四の溝と対向する第三の対向端部を有しているものであり、
前記第四の溝は、前記第三の溝と対向する第四の対向端部を有しているものであり、
前記破断容易部は、前記第三の対向端部と前記第四の対向端部との間に、溝が形成されておらず表面が平坦な第二の平坦部を有しているものであることを特徴とする遊技台。
(付記6)
付記5に記載の遊技台であって、
前記第一の対向端部は、前記第二の仮想直線に向かって突出する第一の突端部を有しているものであり、
前記第二の対向端部は、前記第二の仮想直線に向かって突出する第二の突端部を有しているものであり、
前記第三の対向端部は、前記第一の仮想直線に向かって突出する第三の突端部を有しているものであり、
前記第四の対向端部は、前記第一の仮想直線に向かって突出する第四の突端部を有しているものであることを特徴とする遊技台。
(付記7)
付記6に記載の遊技台であって、
前記第一の溝は、前記第一の仮想直線の延びる方向に見て対向する二つの斜平面が交わる第一の底部を有しているものであり、
前記第一の突端部は、前記第一の対向端部が前記第一の底部と交わる位置に設けられたものであり、
前記第二の溝は、前記第一の仮想直線の延びる方向に見て対向する二つの斜平面が交わる第二の底部を有しているものであり、
前記第二の突端部は、前記第二の対向端部が前記第二の底部と交わる位置に設けられたものであり、
前記第三の溝は、前記第二の仮想直線の延びる方向に見て対向する二つの斜平面が交わる第三の底部を有しているものであり、
前記第三の突端部は、前記第三の対向端部が前記第三の底部と交わる位置に設けられたものであり、
前記第四の溝は、前記第二の仮想直線の延びる方向に見て対向する二つの斜平面が交わる第四の底部を有しているものであり、
前記第四の突端部は、前記第四の対向端部が前記第四の底部と交わる位置に設けられたものであることを特徴とする遊技台。
(付記8)
付記5乃至7のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の対向端部は、前記第一の仮想直線に平行で前記第一の平坦部の前記表面に直交する平面で前記第一の溝および該第一の平坦部を切断した断面において、該第一の溝の溝表面に対して直交する部分を有しているものであり、
前記第二の対向端部は、前記第一の仮想直線に平行で前記第一の平坦部の前記表面に直交する平面で前記第二の溝および該第一の平坦部を切断した断面において、該第二の溝の溝表面に対して直交する部分を有しているものであり、
前記第三の対向端部は、前記第二の仮想直線に平行で前記第二の平坦部の前記表面に直交する平面で前記第三の溝および該第二の平坦部を切断した断面において、該第三の溝の溝表面に対して直交する部分を有しているものであり、
前記第四の対向端部は、前記第二の仮想直線に平行で前記第二の平坦部の前記表面に直交する平面で前記第四の溝および該第二の平坦部を切断した断面において、該第四の溝の溝表面に対して直交する部分を有しているものであることを特徴とする遊技台。
(付記9)
付記1乃至8のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記破断容易部は、板状部を有しているものであり、
前記板状部は、前記基板収容部に固定されたものであることを特徴とする遊技台。