【解決手段】スイッチユニットは、開口を有する透明なスイッチベース32と、LED40を有する透明基板34と、開口を介して透明基板34上に載置される複数の押しボタン部50と、トッププレート部とを備える。押しボタン部50は、天面部52a、台部52b、これらの間を繋ぐ屈曲変形部52cが一体に形成されたボタン本体52と、ボタン本体52の外周を覆う透明な枠状のボタンカバー51と、屈曲変形部52cに一体に形成された弾性変形してボタン本体52とボタンカバー51との隙間を密封する第1シール部と、ボタンカバー51の外周面に一体に形成された弾性変形してボタンカバー51とスイッチベース32との隙間を密封する第2シール部60とを備え、かつユニット化されている。
【背景技術】
【0002】
従来から、いわゆるスロットマシンと呼ばれる遊技機が存在している。スロットマシンでは、複数種類のシンボルが表示された複数のリールが回転し、停止したときに窓に表示されているシンボルの揃い方および揃っているシンボルにより役が決定して、役とベット数(賭け数)とに応じて賞が付与される。ベット数の入力やリールの回転開始の指示等は、スロットマシンの正面に設けられた操作盤により行われる。
【0003】
このようなスロットマシンが設置されるカジノ等の遊技施設には、様々な遊技機メーカのマシンが設置されており、遊技者は、嗜好のあったマシンを選択して遊技を行う。そのため、遊技施設では遊技者に人気のあるスロットマシンを設置して、競合する他の遊技施設に対する優位性の確保を図っている。また、遊技機メーカでは遊技施設からの要望に応えるべく、遊技者にアピールできるスロットマシンの開発に努力している。
【0004】
スロットマシンにおいて、操作盤はマシンの前面の外観上目立つ位置に設けられると共に、遊技者が直接操作するものでもある。そのため、遊技者へアピールするための重要な開発箇所となっている。
【0005】
本願出願人も、操作盤に配設されるスイッチユニットとして、アピール度の高いスイッチユニットを開発して、本件よりも先に出願している(特許文献1)。このスイッチユニットは、表示装置の上に、押し下げ自在の操作ボタンを複数有する操作ユニットが積層して配置されており、表示装置に表示された画像を、透明な操作ボタンを介して視認できる構成である。これにより、表示装置に様々な画像を表示する表示演出が可能となる。
【0006】
さらに、このスイッチユニットでは、操作ボタンの周囲に枠状の導光体を設けると共に、操作ボタンの下方に、LEDが搭載された印刷回路基板を配設して、操作ボタンの周囲を光らせる光演出も可能となっている。
【0007】
印刷回路基板には、操作ボタンと対応する位置に開口が設けられ、その周囲にLEDが配設されている。印刷刷回路基板上には、LEDを覆うようにラバーシートが配設されており、その下端部を表示装置の表示面に密着している。これにより、押し下げ自在に支持された操作ボタンの周囲から、たとえ液体が侵入したとしても、LED等の電子部品はラバーシートにて覆われているので、濡れることなく保守される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願出願人は、よりインパクトのある表示演出を行うべく、表示装置を大型化し、表示装置の表示領域に複数の操作ボタンを間を隔てると共に表示領域の周縁部を避けて配置し、操作ボタン間、および操作ボタンの配置領域の周囲からも画像を視認できる構成とした。
【0010】
しかしながら、その場合、1枚構成であった上記ラバーシートを、操作ボタン毎に切り分けることが必要となり、部品点数が増加し、工程も煩雑化する。また、切り分けられたラバーシートでは、組立時に位置ずれが起こり易い。位置ずれが起こると、その下端部が表示装置の表示面に密着しなくなり、操作ボタンの周囲から侵入した液体とLED等の電子部品が接触する恐れがある。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、操作ボタン間および操作ボタンの配置領域の周囲にも画像を表示して、よりインパクトのある表示演出を可能としながらも、部品点数の増加や工程の煩雑化を伴うことなく、搭載される電子部品の水濡れを防ぐことができるスイッチユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題を解決するために、本発明のスイッチユニットは、画像を表示する表示部と、該表示部上に積層して配される操作部と、を備えたスイッチユニットであって、前記操作部は、押し下げ自在の天面部が透明に形成された複数の押しボタン部と、前記表示部の表示領域と対応する位置に、表示領域の周縁部を避けて複数の開口が間を隔てて形成された透明なベースと、前記ベースの下方に配設され、電子部品が搭載された透明基板と、前記押しボタン部に対応する位置に開口を有し、前記押しボタン部が載置された状態の前記ベースに、該ベースを覆うように配設されるトッププレートと、を備え、前記押しボタン部は、前記天面部、該天面部よりも一回り大きい枠状の台部、および前記天面部と前記台部との間を繋ぐ弾性変形自在な屈曲変形部が一体に形成されたボタン本体と、前記ボタン本体の外周を、前記天面部を除いて覆う透明な枠状のカバーと、前記屈曲変形部に一体に形成された、弾性変形して前記カバーと密着して前記ボタン本体と前記カバーとの隙間を密封する第1シール部と、前記カバーの外周面に一体に形成された、弾性変形して前記ベースおよび前記トッププレートと密着して前記カバーと前記ベースとの隙間を密封する第2シール部と、を備えると共にユニット化され、前記ベースに設けられた前記開口を介して前記透明基板上に載置されていることを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、押しボタン部の位置を決めるベースの開口は、表示領域の周縁部を避けて複数の開口が間を隔てて形成されているので、押しボタン部間および押しボタン部の配置領域の周囲にも表示部の画像を表示して、よりインパクトのある表示演出が可能となる。
【0014】
また、上記構成によれば、天面部が押し下げられると、屈曲変形部が屈曲し、天面部のみが下方に押し下がり、天面部への押し下げが解除されると、屈曲変形部の弾性力により、天面部が上方へ押し上げられ、定位置に復元する。このように、ボタン本体が弾性変形して押し下げ自在の構成を実現しているので、表示部による表示演出の妨げとなる、天面部を押し下げ自在に支持して、定位置に復帰させる機構を、別途設ける必要がない。
【0015】
そして、押しボタン部はユニット化されているので、ベースの開口を介して透明基板上に押しボタン部を載置するだけの簡単な作業で、操作部に取り付けることができる。
【0016】
また、押しボタン部において、ボタン本体の外周にカバーが嵌め合わされることで、ボタン本体の屈曲変形部に設けられた第1シール部が、カバーに押し潰されて弾性変形してカバーの裏面と密着して、ボタン本体とカバーとの隙間を密封する。第1シール部は、天面部が押し下げられても、カバーの裏側に密着し続けて、ボタン本体とカバーとの隙間を密封する。これにより、天面部を押し下げ自在としても、天面部を有するボタン本体とカバーとの間のからの液体の侵入を阻止して、透明基板に搭載された電子部品の水濡れを防ぐことができる。
【0017】
また、スイッチユニットが組み立てられた状態で、カバーの外周面に設けられた第2シール部が、弾性変形してベースの開口の内壁面に密着して、開口とカバーの外周との隙間を密封する。さらに、第2シール部が、トッププレートに押し潰されて弾性変形することで、ベースの開口とカバーの外周との隙間をより堅固に密封する。これにより、押しボタン部を着脱自在としても、押しボタン部とベースの開口との間からの液体の侵入を阻止して、透明基板に搭載された電子部品の水濡れを防ぐことができる。
【0018】
しかも、第1シール部および第2シール部は、ボタン本体あるいはカバーと一体に形成されているので、押しボタン部の組み立てにおいても、第1シール部および第2シール部の位置ずれは発生せず、また、部品点数も少なく、組み立てが容易である。
【0019】
本発明のスイッチユニットは、さらに、第1シール部は屈曲変形部と共に2色成形にて前記天面部および台部と一体に形成されていることが好ましい。
【0020】
2色成形することで、別部材を貼り合わせて一体化する構成よりも、ボタン本体自体の密封性を高めることができ、ひいては、スイッチユニットの防水性能を高めることができる。
【0021】
本発明のスイッチユニットは、さらに、前記第2シール部は2色成形にて前記カバーと一体に形成されていることが好ましい。
【0022】
2色成形することで、別部材を貼り合わせて一体化する構成よりも、カバーと第2シール部との密封性を高めることができ、ひいては、スイッチユニットの防水性能を高めることができる。
【0023】
本発明は、本発明のスイッチユニットを備えた遊技機も発明の範疇としている。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、押しボタン部間および押しボタン部の配置領域の周囲にも画像を表示して、よりインパクトのある表示演出が可能であり、かつ、部品点数の増加や工程の煩雑化を伴うことなく、搭載される電子部品の水濡れを防ぐことが可能なスイッチユニットを提供できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々設計変更することができる。
【0027】
本発明のスイッチユニットは、各種遊技機や産業用機器、民生機器などの操作盤に使用できる。本実施の形態では、カジノ等の遊技ホールに設置される遊技機としてのスロットマシンに搭載された例を説明する。
【0028】
図1は、本実施の形態に係るスイッチユニット10を搭載したスロットマシン1の概観斜視図である。
図1に示すように、スロットマシン1は、遊技者(操作者)と対峙する前面の中央部にリール部2が設けられ、その下方に操作盤3が設けられている。
【0029】
リール部2には、複数種類のシンボルが表示された複数のリール(図示せず)が備えられている。複数のリールは、遊技者がスイッチユニット10における後述するSPINボタンを押下することで回転を開始し、機器の制御によって自動に停止する。リールが停止したときにリール部2の窓(図示せず)に表示されているシンボルの揃い方とその揃っているシンボルとによって役が決定する。遊技者には、決定した役とベット数(賭け数)とに応じて賞が付与される。なお、リール部2の構成としては、リールが実際に設けられている構成の他、リール部2がLCD(liquid crystal display)より構成されていて、リールに相当する画像が表示されている構成などであってもよい。
【0030】
操作盤3には、複数の押しボタン式のスイッチを備えたスイッチユニット10と、紙幣投入口4と、チケット払出口5とが設けられている。スイッチユニット10は、遊技者がスロットマシン1をプレイするときのベット数の指定や、リールの回転開始の指示を受け付けるものである。
【0031】
図2は、スイッチユニット10の外観を示す斜視図であり、
図3は、スイッチユニット10の分解斜視図である。
図2、
図3に示すように、スイッチユニット10は矩形状をなし、表示装置(表示部)100と、操作ユニット(操作部)30と、トッププレート部20とを備えている。
【0032】
表示装置100は、例えばLCD等からなり、ゲームに関する画像データを表示する。例えば、表示装置100は、その上方に配される操作ユニット30の各押しボタン部50の機能やゲームの演出やゲームに登場するキャラクター等の画像を表示することで、遊技者に自装置でプレイしてもらうようアピールすることが可能である。
【0033】
操作ユニット30は、一部を除いて各部材が透明材料で構成される。これにより、遊技者は、表示装置100に表示される画像を、操作ユニット30を通して視認することができる。操作ユニット30は、複数の押しボタン部50を有し、ベット数の入力(ベットボタン)や、ゲームの開始指示(スピンボタン)に用いられる。
【0034】
トッププレート部20は、操作ユニット30の上面に設けられる透明なカバーである。トッププレート部20における押しボタン部50と対応する位置には、押しボタン部50を突出さるための開口21aが形成されている。また、トッププレート部20は、周縁部を除いて透明材料で構成されている。
【0035】
表示装置100と操作ユニット30とは、ネジ等で固定されてユニット化(一体化)され、トッププレート20は、さらにその上に配設されている。
【0036】
図4は、上記トッププレート部20の分解斜視図である。
図4に示すように、トッププレート部20は、トッププレート本体21と、トップフレーム22と、防水ゴム23とを備えている。
【0037】
トッププレート本体21は、透明プラスチック等の透明材料よりなり、上述した複数の開口21aが形成されている。トップフレーム22は、トッププレート本体21の周縁部を支持する枠状の支持体である。トップフレーム22は、その周縁部がスロットマシン1の筐体に支持される。防水ゴム23は、トップフレーム22の周縁部の裏側に、例えば両面テープ等で取り付けられている。
【0038】
図5は、操作ユニット30の分解斜視図であり、
図6は、透明基板34の斜視図である。
図5に示すように、操作ユニット30は、複数の押しボタン部50と、スイッチベース(ベース)32と、4個のLED制御基板33と、透明基板34と、絶縁シート35と、スペーサ36と、ベースフレーム37とを備えている。
【0039】
複数の押しボタン部50は、大きさは異なるものの、何れも同じ構造を有しており、詳細については、
図7を参照して後述する。スイッチベース32は、透明プラスチック等の透明材料よりなり、表示装置100の表示領域と対応する位置に、複数の開口32aが形成されている。押しボタン部50は、この開口32aを介して、その下方の透明基板34上に載置される。上記開口32aは、表示領域の周縁部を避け、かつ、互いの間を隔てて形成されている。これにより、押しボタン部50間および押しボタン部50の配置領域の周囲にも、表示装置100の画像が表示される。
【0040】
透明基板34は、OHPシートのような薄い透明樹脂シートよりなる。
図6に示すように、透明基板34における押しボタン部50と対応する位置には、電子部品である複数のLED40と、複数のフォトセンサ41とが搭載されている。LED40は、押しボタン部50の周縁部、詳細には後述する天面部52aの周囲を光らせるものであり、フルカラーLEDである。フォトセンサ41は、押しボタン部50の押し下げ、詳細には天面部52aの押し下げを検出するものである。
図6の例では、1つの押しボタン部50に対して、1個のフォトセンサ41と、各辺に2個ずつ計8個のLED40が搭載されている。
【0041】
図5に戻り、4個のLED制御基板33は、透明基板34と導通して、複数のLED40を駆動するものである。また、フォトセンサ41から入力される信号に基づいて、押しボタン部50の押し下げを検出するものである。
【0042】
これら透明基板34および4個のLED制御基板33は、絶縁シート35を介してベースフレーム37上に配設され、さらにその上に、スイッチベース32が配設されている。スイッチベース32〜ベースフレーム37までの部品は、ネジ等で固定されてユニット化(一体化)されている。
【0043】
なお、スペーサ36は、表示装置100と絶縁シート35との間の隙間を埋める厚み調整部材である。スペーサ36および絶縁シート35も、当然のことながら透明材料よりなる。
【0044】
図7は、押しボタン部50の分解斜視図である。
図7に示すように、押しボタン部50は、ボタンカバー(カバー)51と、ボタン本体52と、遮光片55と、拡散部材53と、導光部材(導光体)54とを備えている。
【0045】
ボタンカバー51は、透明プラスチック等の透明材料よりなり、上面に開口51aを有する枠状部材である。ボタンカバー51は、ボタン本体52の外周を後述する天面部52aを除いて覆う。ここでは、ボタンカバー51は、ボタン本体52の外周下部を、その下端部に配設される導光部材54を含めて覆うように、ボタン本体52の上方から取り付けられる。
【0046】
ボタンカバー51の外周下部には、遮光シール部(第2シール部)60が形成されている。遮光シール部60は、ボタンカバー51の外周を一周するように環状に設けられた、壁状の突起であり、例えば弾性を有する黒色の樹脂材料からなる。
【0047】
詳細については後述するが、遮光シール部60は、押しボタン部50が、スイッチベース32の開口32a内に載置された状態で、周囲にある部材(スイッチベース32およびトッププレート本体21)と密着して、押しボタン部50の外周側を密封して防水構造をとるものである。さらに、遮光シール部60は、防水構造をとった状態で、ボタンカバー51の外周側へと漏れる光を遮光するものである。このような遮光シール部60は、例えば、2色成形にてボタンカバー51と一体に形成されている。
【0048】
ボタン本体52は、底面が開放された蓋状の部材であり、天面部52aが押し下げ自在である。ボタン本体52の下部は、天面部52aよりも一回り大きく形成された枠状の台部52bをなし、天面部52aと台部52bとの間が、弾性変形自在な屈曲変形部52cで連結されている。台部52bの導光部材54が設けられる側の面(下面)には、遮光片55を取り付けるための取付部52dが形成されている。
【0049】
ボタンカバー51が取り付けられた状態では、天面部52aがボタンカバー51の開口51aを通して上方に突出している。天面部52aが押し下げられると、屈曲変形部52cが屈曲し、天面部52aのみが下方に押し下がる。また、天面部52aへの押し下げが解除されると、屈曲変形部52cの弾性力により、天面部52aが上方へ押し上げられ、定位置に復元する。
【0050】
天面部52aと台部52bとは透明プラスチック等からなり、屈曲変形部52cは例えば光透過性のあるエラストマー樹脂よりなる。屈曲変形部52cは、例えば、2色成形にて天面部52aと台部52bと一体に形成されている。さらに、屈曲変形部52cには、ボタンカバー51の裏面と当接する部分に、内側シール部(第1シール部)61が同一樹脂材料で一体に形成されている。内側シール部61は、屈曲変形部52cの外周を一周するように環状に設けられた、壁状の突起である。内側シール部61は、詳細については後述するが、天面部52aが押し下げられても、突起の先端がボタンカバー51の裏側に密着し続けて、ボタン本体52とボタンカバー51との隙間を密封して、防水構造をとるものである。
【0051】
遮光片55は、前述した透明基板34上のフォトセンサ41の検出対象物である。取付部52dに取り付けられ、ボタン本体52の天面部52aと一体に移動して上下動する。
【0052】
導光部材54は、導光材料より構成された枠状の導光体であり、ボタン本体52の台部52bの下方に取り付けられる。導光部材54における透明基板34と接触する側の面(下面)には、透明基板34上のLED40を収容する凹部54aが形成されている。図示してはいないが、導光部材54の底面には、部分的に存在するLED40の光を、導光部材54全体に伝播させて面光源化するための加工が施されている。
【0053】
また、導光部材54の上面には、遮光片55との緩衝を避けるための凹部54bと、凹部51bとは反対側の辺に、ボタン本体52に当接する突起54cが形成されている。突起54cが形成されることで、ボタン本体52は、ボタンカバー51に対して遮光片55が設けられている側だけが下がるように規制される。なお、通常、遮光片55は、押しボタン部50における遊技者に近い側に設けられる。
【0054】
さらに、導光部材54の内周面には、導光部材54から天面部52aの内周側に漏れる光を遮光する内側遮光部62が形成されている。内側遮光部62は、導光部材54の内周面に一周するように設けられており、例えば弾性を有する黒色の樹脂材料からなる。内側遮光部62は、例えば2色成形にて導光部材54と一体に形成されている。
【0055】
拡散部材53は、ボタン本体52の台部52bと導光部材54との間に配設されるシート状の部材である。拡散部材53は、導光部材54から放出される光を散乱させて輝度ムラを抑制するために配設される。拡散部材53は、導光部材54と同じく枠状に形成され、遮光片55を通過させるための切り込みが形成されている。
【0056】
ボタンカバー(カバー)51、ボタン本体52、遮光片55、拡散部材53、および導光部材(導光体)54を備える押しボタン部50は、ユニット化(一体化)されている。
【0057】
図8は、スイッチユニットにおける押しボタン部50の動きを説明する要部断面図である。
図8の矢印に示されるように、押しボタン部50の天面部52aは、遊技者により押下されたときに、突起54cを有する側は押し下がらず、遮光片55を有する側が、屈曲変形部52cの屈曲によって押し下がる。このとき、天面部52aは、遮光片55に当接し、遮光片55も押し下げる。これにより、遮光片55がフォトセンサ41に検知され、押しボタン部50がオンされたことが検出される。
【0058】
図9は、スイッチユニット10における光演出を説明する要部断面斜視図である。
図9に示されるように、押しボタン部50は、天面部52aの外周に、ボタンカバー51、屈曲変形部52c、台部52b、導光部材54、拡散部材53が設けられている。そして、透明基板34の、天面部52aの外周に対応する位置に、LED40が配置される。これにより、押しボタン部50の天面部52aの外周を様々な色で発光させることができ、演出効果を高めることができる。
【0059】
そして、ボタン本体52の内側、より具体的には、導光部材54の内周面には、内側遮光部62が設けられており、導光部材54から天面部52aの内側に漏れる光が遮光される。これにより、光演出の光が、天面部52aの内側に表示される表示装置の画像に干渉することを防止(抑制)することができる。
【0060】
さらに、押しボタン部50の外側、より具体的には、ボタンカバー51の外周面には、遮光シール部60が設けられており、導光部材54からボタンカバー51を介して押しボタン部50の外側へと漏れる光が遮光される。遮光シール部60は、ボタンカバー51とスイッチベース32との隙間を埋めると共に、先端部がトッププレート本体21に押し潰されることで内向きに弾性変形している。潰れた状態の遮光シール部60により、光演出の光が、押しボタン部50の外側に表示される表示装置の画像に干渉することを防止(抑制)することができる。
【0061】
図10は、スイッチユニット10における押しボタン部50の取り付け方を説明する斜視図である。
図10に示すように、ユニット化された押しボタン部50は、トッププレート部20を外すことで、表示装置100と一体化された状態の操作ユニット30に対し、着脱自在となる。押しボタン部50を外した状態で、スイッチベース32の開口32aには、透明基板34に搭載されたLED40やフォトセンサ41が露出している。押しボタン部50は、開口32aを介して透明基板34の上に載置されるように取り付けられる。
【0062】
図11は、スイッチユニット10における防水構造を説明する要部断面図である。
図11に示すように、スイッチユニット10として組み立てられた状態で、ボタンカバー51の外周面に設けられた遮光シール部60は、開口32aの内壁面に密着して、開口32aとボタンカバー51の外周との隙間を密封する。さらに、遮光シール部60の立ち上がった先端部が、トッププレート本体21に押し潰されて弾性変形することで、開口32aとボタンカバー51の外周との隙間をより堅固に密封する(押しボタン部50の外周側の防水構造)。
【0063】
これにより、押しボタン部50を着脱自在としても、押しボタン部50とスイッチベース32の開口32aとの間からの液体の侵入を阻止して、透明基板34に搭載されたLED40等の電子部品の水濡れを防ぐことができる。また、遮光シール部60は、2色成形にて形成されているので、別部材を貼り合わせて一体化する構成よりも、ボタンカバー51と遮光シール部60との密封性を高めることができる。
【0064】
また、ボタン本体52の外周にボタンカバー51が嵌め合わされた状態で、屈曲変形部52cに設けられた内側シール部61は、ボタンカバー51に押し潰されて弾性変形する。弾性変形した状態で、内側シール部61は、ボタンカバー51の裏面と密着して、ボタン本体52とボタンカバー51との隙間を密封する。内側シール部61は、天面部52aが押し下げられても、ボタンカバー51の裏側に密着し続けて、ボタン本体52とボタンカバー51との隙間を密封する。
【0065】
これにより、天面部52aを押し下げ自在としても、天面部52aを有するボタン本体52とボタンカバー51との間のからの液体の侵入を阻止して、透明基板34に搭載されたLED40等の電子部品の水濡れを防ぐことができる。また、内側シール部61は、2色成形にて形成されているので、別部材を貼り合わせて一体化する構成よりも、ボタン本体52自体の密封性を高めることができる。
【0066】
図12は、スイッチユニット10とスロットマシンとの間の防水構造を説明する要部断面図である。
図12に示すように、スロットマシン1に、表示装置100および操作ユニット30がユニット化されたものが取り付けられた状態で、その上にトッププレート部20を配設すると、防水ゴム23がスロットマシン1の筐体101と密着して、トッププレート部20とスロットマシン1の筐体101との間からの液体の侵入が阻止される。
【0067】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。