特開2016-214391(P2016-214391A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-214391(P2016-214391A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】カテーテル組立体
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20161125BHJP
【FI】
   A61M25/06 500
   A61M25/06 512
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-100362(P2015-100362)
(22)【出願日】2015年5月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(72)【発明者】
【氏名】石田 昌弘
【テーマコード(参考)】
4C167
【Fターム(参考)】
4C167AA24
4C167BB02
4C167BB11
4C167BB19
4C167CC08
4C167HH09
(57)【要約】
【課題】補助部材を備えたカテーテル組立体において、カテーテルから内針を抜去した後の誤刺を防止する。
【解決手段】カテーテル組立体10は、カテーテル12と、カテーテルハブ14と、内針16と、針ハブを構成するハウジング18と、カテーテル12と内針16との間に挿通され、内針16に対してカテーテル12と一体的に前進可能な補助部材と、カテーテルハブ14と分離可能に結合された補助部材ハブ24と、補助部材ハブ24の基端部に設けられ、カテーテル12からの内針16の抜去に伴って内針16の先端を覆う針保護部材26とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルと、
前記カテーテルの基端部に固定されたカテーテルハブと、
前記カテーテルに挿通された内針と、
前記内針を支持する針ハブと、
前記カテーテルと前記内針との間に挿通され、前記内針に対して前記カテーテルと一体的に前進可能な補助部材と、
前記補助部材の基端部に固定されるとともに、前記カテーテルハブと分離可能に結合された補助部材ハブと、
前記補助部材ハブの基端部に設けられ、前記カテーテルからの前記内針の抜去に伴って前記内針の先端を覆う針保護部材と、を備える、
ことを特徴とするカテーテル組立体。
【請求項2】
請求項1記載のカテーテル組立体において、
前記カテーテルからの前記内針の抜去に伴って、前記補助部材ハブが前記カテーテルハブから離脱可能な状態になる、
ことを特徴とするカテーテル組立体。
【請求項3】
請求項2記載のカテーテル組立体において、
前記針保護部材は、前記補助部材ハブの先端側に配置された前記カテーテルハブと解除可能に係合しており、
前記針保護部材が前記カテーテルハブと係合している状態で、前記補助部材ハブは前記針保護部材と前記カテーテルハブとの間に保持されている、
ことを特徴とするカテーテル組立体。
【請求項4】
請求項3記載のカテーテル組立体において、
前記針保護部材は、前記内針の先端が前記針保護部材内に収納された後に、前記カテーテルハブを解放する、
ことを特徴とするカテーテル組立体。
【請求項5】
請求項3又は4記載のカテーテル組立体において、
前記補助部材ハブは、前記針保護部材と分離可能に結合されている、
ことを特徴とするカテーテル組立体。
【請求項6】
請求項5記載のカテーテル組立体において、
前記補助部材ハブは、前記内針の先端が前記針保護部材内に収納された後に、前記針保護部材から分離可能になる、
ことを特徴とするカテーテル組立体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のカテーテル組立体において、
前記内針の先端が前記カテーテルの先端から突出した初期状態で、前記カテーテルハブ、前記補助部材ハブ及び前記針保護部材が前記針ハブ内に収容されている、
ことを特徴とするカテーテル組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば患者に対して輸液等を行うに際して血管に穿刺し、留置するカテーテル組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者に対し輸液等を行う際には、例えば、カテーテル組立体が使用される。この種のカテーテル組立体は、中空のカテーテルと、カテーテルの基端に固着されたカテーテルハブと、カテーテル内に挿入され先端に鋭利な針先を有する中空の内針と、この内針の基端に固着された針ハブとを備える。また、カテーテルの内側に離脱可能に挿入されたチューブ状の拡張器を備えたカテーテル組立体も知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−508616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された拡張器を備えた従来のカテーテル組立体では、カテーテルから内針を抜去した後に針先を覆う部材が設けられていないため、誤刺の危険性がある。
【0005】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、補助部材を備えたカテーテル組立体において、カテーテルから内針を抜去した後の誤刺を防止することができるカテール組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明は、カテーテルと、前記カテーテルの基端部に固定されたカテーテルハブと、前記カテーテルに挿通された内針と、前記内針を支持する針ハブと、前記カテーテルと前記内針との間に挿通され、前記内針に対して前記カテーテルと一体的に前進可能な補助部材と、前記補助部材の基端部に固定されるとともに、前記カテーテルハブと分離可能に結合された補助部材ハブと、前記補助部材ハブの基端部に設けられ、前記カテーテルからの前記内針の抜去に伴って前記内針の先端を覆う針保護部材と、を備える、ことを特徴とする。
【0007】
上記のように構成された本発明のカテーテル組立体によれば、補助部材ハブの基端部に針保護部材が設けられているため、カテーテルから内針を抜去した後の誤刺を有効に防止することができる。
【0008】
上記のカテーテル組立体において、前記カテーテルからの前記内針の抜去に伴って、前記補助部材ハブが前記カテーテルハブから離脱可能な状態になってもよい。
【0009】
この構成により、カテーテルから内針を抜去するために針ハブを後退移動させると、カテーテルハブと補助部材ハブとのロック(固定)が自動的に解除される。従って、ユーザは、カテーテルハブと補助部材ハブとのロックを解除するために個別の操作をすることなく、カテーテルハブから補助部材ハブを簡易に分離することができ、操作負担が小さい。
【0010】
上記のカテーテル組立体において、前記針保護部材は、前記補助部材ハブの先端側に配置された前記カテーテルハブと解除可能に係合しており、前記針保護部材が前記カテーテルハブと係合している状態で、前記補助部材ハブは前記針保護部材と前記カテーテルハブとの間に保持されていてもよい。
【0011】
この構成により、針保護部材とカテーテルハブの係合が解除されると、補助部材ハブがカテーテルハブから分離可能な状態になる。従って、補助部材をカテーテルから容易に抜去することができる。
【0012】
上記のカテーテル組立体において、前記針保護部材は、前記内針の先端が前記針保護部材内に収納された後に、前記カテーテルハブを解放してもよい。
【0013】
この構成により、針保護部材をカテーテルハブから切り離したときには必ず内針先端が針保護部材で覆われているため、誤刺を確実に防止することができる。
【0014】
上記のカテーテル組立体において、前記補助部材ハブは、前記針保護部材と分離可能に結合されていてもよい。
【0015】
この構成により、ユーザの好みに応じて、補助部材ハブを針保護部材から切り離して、補助部材とカテーテルの組立体を血管に挿入することもできる。
【0016】
上記のカテーテル組立体において、前記補助部材ハブは、前記内針の先端が前記針保護部材内に収納された後に、前記針保護部材から分離可能になってもよい。
【0017】
この構成により、補助部材ハブを針保護部材から切り離したときには必ず内針先端が針保護部材で覆われているため、誤刺を確実に防止することができる。
【0018】
上記のカテーテル組立体において、前記内針の先端が前記カテーテルの先端から突出した初期状態で、前記カテーテルハブ、前記補助部材ハブ及び前記針保護部材が前記針ハブ内に収容されていてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、補助部材を備えたカテーテル組立体において、カテーテルから内針を抜去した後の誤刺を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係るカテーテル組立体の斜視図である。
図2図1に示すカテーテル組立体の分解斜視図である。
図3】カテーテル部材に装着されたカテーテル操作部材を下方から見た斜視図である。
図4図3におけるIV−IV線に沿った断面図である。
図5図3におけるV−V線に沿った断面図である。
図6】カテーテルハブ及びハブ装着部の斜視断面図である。
図7】カテーテルハブ、補助部材ハブ及び針保護部材の接続状態を示す斜視図である。
図8】補助部材ハブ、針保護部材及びシャッタ(発動前)の構造を説明するための断面図である。
図9】補助部材ハブ、針保護部材及びシャッタ(発動後)の構造を説明するための断面図である。
図10】カテーテルハブ、補助部材ハブ及び針保護部材の接続状態を示す第1の斜視断面図である。
図11】カテーテルハブ、補助部材ハブ及び針保護部材の接続状態を示す第2の斜視断面図である。
図12図12Aはカテーテル組立体の使用方法を説明する第1の図であり、図12Bはカテーテル組立体の使用方法を説明する第2の図である。
図13図13Aはカテーテル組立体の使用方法を説明する第3の図であり、図13Bはカテーテル組立体の使用方法を説明する第4の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るカテーテル組立体について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1に初期状態を示すカテーテル組立体10は、患者(生体)に輸液や輸血等を行う場合に適用され、患者の体内に穿刺及び留置されて薬液等の導入部を構築する。カテーテル組立体10は、末梢静脈カテーテルよりも長さが長いカテーテル(例えば、中心静脈カテーテル、PICC、ミッドラインカテーテル等)として構成され得る。なお、カテーテル組立体10は、末梢静脈カテーテルとして構成されてもよい。また、カテーテル組立体10は、静脈用カテーテルに限らず、末梢動脈カテーテル等の動脈用カテーテルとして構成されてもよい。
【0023】
カテーテル組立体10は、図1及び図2に示すように、カテーテル12と、カテーテル12を固定保持するカテーテルハブ14と、カテーテル12内に抜去可能に挿入される中空の内針16と、内針16を固定保持するハウジング18と、カテーテルハブ14の上側に装着されるカテーテル操作部材20と、カテーテル12と内針16の間に抜去可能に挿入される補助部材22と、補助部材22を固定保持する補助部材ハブ24と、カテーテルハブ14及び補助部材ハブ24の基端に接続される針保護部材26とを備える。なお、内針16は、一部が軸方向に沿って切り欠かれていてもよい。また、内針16は、中実針であってもよい。
【0024】
カテーテル組立体10は、使用前の初期状態で、カテーテル12、補助部材22及び内針16を順に重ねた多重管構造(多重管部)を形成している。カテーテル操作部材20はこの多重管部を直接保持する構成となっている。さらに、カテーテル組立体10は、初期状態で、多重管部の一部、カテーテルハブ14、補助部材ハブ24、針保護部材26及びカテーテル操作部材20をハウジング18内に収容している。
【0025】
カテーテル12は、可撓性を有し、内部に内腔13が貫通形成されている。内腔13は、内針16及び補助部材22を収容可能且つ薬液や血液等を流動可能な直径に形成される。穿刺抵抗を減らすためにカテーテル12の先端は縮径しており、カテーテル組立体10の初期状態では、当該縮径部分でカテーテル12の内面と内針16の外面とが密着している。カテーテル12の長さは、特に限定されず用途や諸条件等に応じて適宜設計可能であり、例えば、14〜500mm程度に設定され、あるいは30〜400mm程度に設定され、あるいは76〜200mm程度に設定される。
【0026】
カテーテル12の構成材料は、特に限定されるものではないが、軟質樹脂材料が好適であり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂又はこれらの混合物、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルナイロン樹脂、オレフィン系樹脂とエチレン・酢酸ビニル共重合体との混合物等が挙げられる。
【0027】
カテーテル12の基端部は、適宜の固着方法(かしめ、融着、接着等)によってカテーテルハブ14内の先端部に固着される。カテーテル12とカテーテルハブ14により、カテーテル部材17が構成されている。
【0028】
カテーテルハブ14は、カテーテル12が血管内に挿入された状態で患者の皮膚上に露出され、テープ等により貼り付けられてカテーテル12とともに留置される。カテーテルハブ14は、先端方向に先細りの筒状に形成される。
【0029】
カテーテルハブ14の構成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂を適用するとよい。
【0030】
カテーテルハブ14の内部には、カテーテル12の内腔13に連通して輸液剤を流通可能な中空部15が設けられている。この中空部15には、内針16の穿刺時に血液の逆流を防ぐとともに、輸液チューブのコネクタの挿入に伴い輸液を可能とする、図示しない止血弁やプラグ等が収容されてもよい。
【0031】
図2に示すように、カテーテルハブ14の外周面の先端寄りには、径方向外側に突出し、カテーテルハブ14の周方向に周回する環状突起28が形成されている。カテーテルハブ14の基端側には径方向外方にフランジ状に突出し且つ周方向に延在するネジ部30が設けられており、内針16の離脱後に、図示しない輸液チューブのコネクタが接続される。
【0032】
一方、カテーテル組立体10の内針16は、生体の皮膚を穿刺可能な剛性を有する中空管に構成され、カテーテル12の内腔13及びカテーテルハブ14の中空部15に貫通配置される。内針16は、カテーテル12よりも長い全長に形成され、その先端には鋭利な針先16aが設けられる。
【0033】
多重管部は、図1に示す初期状態で、カテーテル12及び補助部材22から針先16aを露出している。内針16の内部には、内針16の軸方向に貫通するルーメンが設けられ、このルーメンは、内針16の先端開口に連通する。なお、内針16の外周面には、軸方向に沿ってフラッシュバック確認用の溝部が設けられてもよい。
【0034】
内針16の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金、チタン又はチタン合金のような金属材料、硬質樹脂、セラミックス等が挙げられる。内針16は、適宜の固着方法(融着、接着、インサート成形等)により、ハウジング18に強固に固着される。
【0035】
ハウジング18は、図2に示すように、下壁32と、下壁32の側辺から上方向に突出する一対の側壁34a、34bと、下壁32の上面から上方に突出して内針16の基端部を固定支持する針保持部36を有する。なお、ハウジング18の上部は開口している。
【0036】
下壁32及び一対の側壁34a、34bで囲う内側には、多重管部の一部、カテーテルハブ14、補助部材ハブ24及び針保護部材26を収容する収容空間40が形成される。ハウジング18を構成する樹脂材料は、特に限定されるものではないが、例えば、カテーテルハブ14で挙げた材料を適宜選択し得る。
【0037】
一対の側壁34a、34bは、下壁32とともに長手方向に平行に延び、基端側及び中間側の上下幅が一定であり、中間側に対し先端側の上下幅が幅広となるように形成されている。各側壁34a、34bの先端側上部には、側壁34a、34bの内面を直線状に切り込んだ溝状のレール部42が設けられている。レール部42は、カテーテル操作部材20の左右の側縁を収容して、カテーテル操作部材20の進退をガイドする。一方の側壁34aには支持部材44を取り付けるための配置用凹部43が設けられる。
【0038】
ハウジング18は、針保持部36において内針16を保持しているため、カテーテル12に対してハウジング18を基端方向に移動させると、ハウジング18の移動に伴って内針16もカテーテル12に対して基端方向に移動させられる。すなわち、ハウジング18は、内針16の基端に固定された針ハブとしての機能も有する。なお、下壁32及び側壁34a、34bはそれぞれ平らな面で図示されているが、曲面を有する構成としてもよい。
【0039】
このカテーテル組立体10は、内針16に対するカテーテル12の相対回転を可能とするため、カテーテルハブ14及び針保護部材26の上部がハウジング18から露出している。カテーテル組立体10は、ハウジング18に上壁を形成したり、蓋体を取り付けたりしてカテーテルハブ14や針保護部材26等を覆う構成でもよい。
【0040】
カテーテル操作部材20は、カテーテル12を直接保持するとともにカテーテルハブ14に装着されることで、内針16及びハウジング18に対しカテーテル12及びカテーテルハブ14を相対的に進退させる。詳細には、カテーテル操作部材20は、先端及び基端方向に延びる操作板部46と、操作板部46の基端に一体成形されカテーテルハブ14に着脱自在に装着されるハブ装着部48とを有する。
【0041】
操作板部46は、ユーザの指が接触され、カテーテル12の進退操作がなされる部分である。操作板部46の長手方向に沿って延びる左右の側縁は、一対の側壁34a、34bの上面と一対のレール部42に配置される。
【0042】
操作板部46は、充分に薄肉に形成されることにより、側面視で操作板部46の面方向と直交する方向に容易に湾曲可能な可撓性を有する。操作板部46(カテーテル操作部材20)を構成する材料は、特に限定されるものではないが、例えば、カテーテルハブ14で挙げた材料を適宜選択し得る。
【0043】
操作板部46の上面には、リブ50及びタブ52、54が設けられ、操作板部46の先端には、先端反り部56が設けられている。
【0044】
リブ50は、操作板部46の長手方向に沿って複数設けられ、タブ52の形成箇所以外は等間隔に配置されている。複数のリブ50は、上方に若干突出するとともに、操作板部46の幅方向に沿って直線状に延びることで、操作板部46の幅方向の強度を高める。これにより操作板部46は、外部から押圧力がかかってもハウジング18内での折れ曲り等が抑止され、側壁34a、34b及びレール部42に沿って、先端及び基端方向にスムーズに進退する。タブ52は、ユーザの指が直接当てられることを想定した部位であり、リブ50よりも高く突出形成される。なお、リブ50は、等間隔に配置されていなくてもよい。
【0045】
図3に示すように、操作板部46の下面には、カテーテル12を含む上記多重管部を離脱可能に保持する保持部58が、操作板部46の長手方向に間隔を置いて複数(図示例では5つ)設けられている。なお、図3では、説明に必要な構成要素のみを示している。各保持部58は、左右一対の突片59を有する。各突片59は操作板部46の下面から下方向に突出している。なお、保持部58は1つのみ設けられてもよい。あるいは、保持部58は設けられなくてもよい。
【0046】
ハブ装着部48は、操作板部46から下方向に突出する一対の側板60と、操作板部46から上方向に多少突出した半円筒状の上板62(図2参照)により箱状に形成される。一対の側板60は、下方向から見た場合に、基端側及び中間側が平行に延び、中間側に連なる先端側が先端方向に向かって内側に傾斜している。
【0047】
ハブ装着部48の内側には、カテーテルハブ14を回転自在に収容する一方で、ハブ装着部48に対するカテーテルハブ14の軸方向の移動を規制する装着室64が設けられる。装着室64は、ハブ装着部48の下部及び基端において外部に開放されている。
【0048】
装着室64は、台形孔及び円形孔を連ねた係止溝66と、一対の側板60及び上板62をU字状に延在する溝部68と、ハブ装着部48の内方に突出する一対の突起69とが形成されている。係止溝66は、台形孔と円形孔の境界部分にカテーテル12を引っ掛けることによりカテーテル12を適度の保持力で係止する。溝部68は、カテーテルハブ14の環状突起28を、回転自在且つ先端及び基端方向への移動を規制して収容する。また一対の突起69は、カテーテルハブ14の外周面を軽い係合力で引っ掛ける。
【0049】
これにより、ハブ装着部48は、ハウジング18の収容空間40に存在する場合に、カテーテル12及びカテーテルハブ14の係止状態を維持する。その一方で、ユーザにより、カテーテル操作部材20がハウジング18から抜け上方向に引き上げられることで、装着室64からカテーテルハブ14が外れて、カテーテル12及びカテーテルハブ14を容易に離脱させる。
【0050】
なお、ハブ装着部48の形状は、カテーテルハブ14に着脱可能であり、先端方向への操作によってカテーテルハブ14を前進させることが可能であり、カテーテルハブ14の回転を許容するものであれば、図示例の形状に限定されない。
【0051】
カテーテル12及びカテーテルハブ14は、ハウジング18、内針16及びカテーテル操作部材20に対して回転可能である。カテーテル操作部材20に対するカテーテル12の相対回転を阻害しないように、保持部58を構成する突片59とカテーテル12との間、及び係止溝66(円形孔)とカテーテル12との間には、それぞれ適度に小さい隙間G1(図4参照)及び隙間G2(図5参照)が設けられている。但し、カテーテル12の外面は部分的に突片59の内縁に接触していてもよい。なお、図4は、図3におけるIV−IV線に沿った断面図であり、図5は、図3におけるV−V線に沿った断面図である。
【0052】
また、カテーテル操作部材20に対するカテーテルハブ14の相対回転を阻害しないように、ハブ装着部48とカテーテルハブ14との間には、適度に小さい隙間G3(図6参照)が設けられている。但し、カテーテルハブ14の外面は部分的にハブ装着部48の内面に接触していてもよい。
【0053】
なお、カテーテル組立体10において、カテーテル操作部材20は設けられていなくてもよい。
【0054】
図1及び図2に示すように、カテーテル組立体10は、カテーテル操作部材20に保持されたカテーテル12の下側を支えるため、ハウジング18の先端側に支持部材44を設けている。支持部材44は、配置用凹部43に回転自在に取り付けられている。
【0055】
支持部材44は、カテーテル操作部材20がハウジング18内に収容されている状態で、ハウジング18内でカテーテル12の真下を含む領域に位置する。これにより、ユーザによる操作に伴ってカテーテル操作部材20に下方向に向う押圧力が加わると、支持部材44がカテーテル12を下方から支持し、カテーテル12及び内針16の撓みが抑制される。一方、カテーテル操作部材20がハウジング18から抜け出す際には、ハブ装着部48に押されることで側壁34aの外側に向かって回転させられる。これにより、支持部材44は、カテーテルハブ14及び針保護部材26をハウジング18からスムーズに離脱させることができる。なお、支持部材44は設けられなくてもよい。
【0056】
図2において、補助部材22は、内針16の先端によるカテーテル12の内面の傷つき防止と、カテーテル12を血管内に挿入する際のカテーテル12の剛性強化のために、カテーテル12の内側に離脱可能に挿通された可撓性を有する長尺状の部材である。具体的には、カテーテル組立体10の初期状態において、補助部材22は、カテーテル12と内針16との間にカテーテル12の延在方向に沿って配置されている。本実施形態において、補助部材22はチューブ状に形成されており、補助部材22の内腔に内針16が挿通されている。
【0057】
本実施形態の場合、カテーテル組立体10の初期状態において、補助部材22の最先端部は、カテーテル12の最先端部よりも基端側に位置している。補助部材22の最先端部は、カテーテル12の最先端部と同じ位置、あるいは、カテーテル12の最先端部よりも先端側に位置していてもよい。この場合、補助部材22先端を縮径させ、穿刺時の抵抗を減少させる。縮径部分で補助部材22内面と内針16外面とが密着している。この密着が長時間続くと、補助部材22内面と内針16外面とが貼り付いてしまい、補助部材22を血管内に挿入するために補助部材22を内針16に対して前進させる操作を行いにくいが、補助部材22を内針16に対し回転することで、貼り付きが解除される。
【0058】
補助部材22の形状は、チューブ状に限られず、円形の周方向の一部を切り欠いたC字状の断面を有する形状でもよく、あるいは、周方向に180°未満の弧状の断面を有する形状でもよい。また、補助部材22は、補助部材22の内外を貫通する隙間を有する構成、例えば、コイル状、メッシュ状等に構成されてもよい。また、補助部材22は、ブレードチューブで構成されてもよい。
【0059】
補助部材22の構成材料としては、樹脂材料(例えば、カテーテル12の構成材料として例示した樹脂材料から選択される1以上の材料)や金属材料(例えば、ステンレス鋼、超弾性合金等)が挙げられる。
【0060】
補助部材ハブ24は、例えばカテーテルハブ14と同様の硬質樹脂により構成され、補助部材22の基端部に固定されている。補助部材ハブ24は、中空円筒状の基部70と、基部70の先端から先端方向に延出した嵌合凸部72と、基部70から径方向に互いに反対方向に突出した張り出し部74とを有する。
【0061】
図8に示すように、基部70には基端方向に開口した凹部71が形成されている。凹部71を形成する内周面は、先端方向に向かうに従って縮径するテーパ状に形成されている。初期状態において、凹部71には針保護部材26に設けられた突起27が離脱可能にテーパ嵌合している。なお、補助部材ハブ24と針保護部材26との結合形態は、テーパ嵌合に限られず、例えば、ストレート嵌合、凹凸嵌合や、ネジ嵌合(螺合)等であってもよい。
【0062】
嵌合凸部72の外周面は、先端方向に向かうに従って縮径するテーパ状に形成されている。初期状態において、嵌合凸部72はカテーテルハブ14の基端内周部に分離可能にテーパ嵌合している。なお、補助部材ハブ24とカテーテルハブ14との結合形態は、テーパ嵌合に限られず、例えば、ストレート嵌合、凹凸嵌合や、ネジ嵌合(螺合)等であってもよい。
【0063】
図7図9に示すように、張り出し部74の先端には係合突起75(第2係合部)が設けられている。初期状態において、係合突起75は、カテーテルハブ14の基端部(ネジ部30)に設けられた切欠状の係合凹部78(第1係合部)に挿入されており、これにより、カテーテルハブ14と補助部材ハブ24との相対回転が阻止されている。また、図8及び図9に示すように、補助部材ハブ24には基端方向に開口した係合穴80が設けられている。初期状態において、針保護部材26に設けられた突起81は、補助部材ハブ24の係合穴80に挿入されており、これにより、補助部材ハブ24と針保護部材26との相対回転が阻止されている。
【0064】
カテーテルハブ14、補助部材ハブ24及び針保護部材26は、上記のように相互連結されているため、カテーテルハブ14と補助部材ハブ24とが連結され且つ補助部材ハブ24と針保護部材26とが連結された状態では、カテーテルハブ14と針保護部材26との相対回転が阻止されている。従って、ユーザが針保護部材26を回転操作すると、針保護部材26の回転が、補助部材ハブ24及びカテーテルハブ14を介してカテーテル12へと伝わり、内針16に対してカテーテル12を回転させることができる。すなわち、針保護部材26は、カテーテル12を回転させるためにユーザによって操作される回転操作部29を兼ねている。張り出し部74は、1つのみ設けられてもよい。
【0065】
カテーテル組立体10において、カテーテル12の径が比較的大きく剛性強化のための内側からの補助(支持)の必要性が低い場合には、補助部材22は設けられなくてもよい。この場合、補助部材ハブ24をそのまま設けておく構成としておけば、針保護部材26の構成は図示例のものと同じでよく、補助部材22が有る場合と無い場合とで針保護部材26を成形する金型を2つ容易する必要がない。すなわち、どちらの場合も同一形状の金型で針保護部材26を成形することができる。
【0066】
また、カテーテル組立体10において、補助部材ハブ24は設けられなくてもよい。この場合、補助部材22の基端部は直接、針保護部材26に固定されるとともに、針保護部材26の先端形状をカテーテルハブ14の基端内周部に離脱可能に嵌合する形状に形成される。また、カテーテル組立体10において、補助部材22及び補助部材ハブ24は設けられなくてもよい。この場合も、針保護部材26の先端形状をカテーテルハブ14の基端内周部に離脱可能に嵌合する形状に形成される。
【0067】
図8に示すように、針保護部材26の内部にはシャッタ82が配置されている。図示例のシャッタ82は、金属製の板部材を曲げて形成した板バネの形態を有する。シャッタ82は、固定部84と、固定部84に対して可動な可動部86とを有する。シャッタ82にはさらに係合片88(返し)が設けられている。組立工程において、係合片88を内側に弾性変形させた状態で、針保護部材26に設けられた配置穴90にシャッタ82を所定の向きで挿入すると、配置穴90に設けられた固定溝92に係合片88が嵌ることで、シャッタ82が配置穴90に固定される。なお、図示例では、係合片88は、シャッタ82の固定部84から可動部86側に屈曲しているが、固定部84から可動部86とは反対側に屈曲していてもよい。
【0068】
図8に示すように、初期状態において、シャッタ82は内針16の外面によって押圧されて圧縮されている。一方、内針16が針保護部材26に対して後退し、図9のように内針16の針先16aがシャッタ82よりも基端側に移動すると、内針16によるシャッタ82に対する押圧が解除されるため、シャッタ82は弾性復元力によって拡張する(開く)。これにより、針保護部材26内の針挿通路が遮断される。
【0069】
針保護部材26から内針16が基端方向に抜け出ないように、針保護部材26の基端部内には抜け止め部材94が配置されている。この抜け止め部材94は、内針16が挿通された管部96と、管部96から径方向外側に突出した鍔部98とを有する。詳細は図示しないが、内針16は先端部のみ外径が管部96の内径よりも大きくされており、外径が大きい当該先端部が針保護部材26の基端側まで移動してきたときに、抜け止め部材94(管部96)に引っ掛かる。これによって、針挿通路がシャッタ82により遮断された針保護部材26の基端側から内針16が抜け出ることが防止される。
【0070】
図8に示すように、針保護部材26は、シャッタ82を収容する本体部100と、本体部100の先端から先端方向に突出した突起27と、を有する。また、図7に示すように、針保護部材26は、本体部100に揺動可能に支持された複数(図示例では2つ)のアーム102と、本体部100の基端側に設けられた円筒状の操作子104(指当部)とを有する。
【0071】
本体部100には上述した配置穴90が設けられている。操作子104は、ユーザが上述した回転操作をする際に指で触れて操作しやすくするために設けられた部分である。図8に示すように、上述した突起81は、本体部100の先端面から先端方向に突出している。
【0072】
図10に示すように、複数のアーム102は内針16に沿って互いに略平行に延在している。各アーム102は、接続部106を介して本体部100と接続されている。接続部106は、アーム102の先端と基端との間に設けられており、各アーム102が揺動しやすいように肉薄とされている。
【0073】
一方、各アーム102は、撓みにくいように比較的肉厚とされている。各アーム102の先端部内側には係合溝108が設けられており、初期状態ではカテーテルハブ14に設けられたフランジ状のネジ部30が係合溝108に入り込んで(嵌って)いる。係合溝108は、先端方向に向かうに従って針保護部材26の中心線に近づくように傾斜する傾斜面109を有する。
【0074】
係合溝108が設けられた部分が撓まないように、各アーム102の先端部の幅方向の一方側には、係合溝108に隣接して比較的肉厚の補強部110(図7参照)が設けられている。各アーム102の先端部の幅方向の他方側にも補強部110が設けられてもよい。各アーム102の基端部には内側に向かって突出した内方突起112が設けられている。
【0075】
針保護部材26は、例えば硬質樹脂により構成される。硬質樹脂は、カテーテルハブ14の構成材料として例示した材料から選択することができる。針保護部材26は、樹脂材料により1部品で作製できる形状となっている。
【0076】
図10に示すように、初期状態において、内方突起112の内端は内針16の外面に近接又は接触している。このため、アーム102の基端部は内針16によって内側への変位が阻止されおり、この結果、接続部106を支点としたアーム102の先端側の拡開が阻止されている。従って、アーム102の係合溝108とカテーテルハブ14のネジ部30との係合が維持されることで、針保護部材26からカテーテルハブ14が外れることがない。
【0077】
一方、図11のように、内針16が針保護部材26に対して後退し、内針16の針先16aがアーム102の内方突起112よりも基端側に移動すると、内針16による内方突起112の内側への変位の阻止が解除されるため、アーム102の先端側が拡開可能な状態になる。従って、この状態で針保護部材26に対してカテーテルハブ14を先端方向に引っ張ると、アーム102の先端側が開きながら、カテーテルハブ14が外れる。
【0078】
次に、上記のように構成されたカテーテル組立体10の作用及び効果について説明する。
【0079】
図1に示す初期状態のカテーテル組立体10では、カテーテルハブ14、補助部材ハブ24及び針保護部材26が接続されるとともに、カテーテル操作部材20のハブ装着部48にカテーテルハブ14が装着されて、ハウジング18の収容空間40に一体的に収容されている。また初期状態では、カテーテル12、補助部材22及び内針16が同心状に重なる多重管部が、カテーテル操作部材20の保持部58(図3参照)により保持されている。
【0080】
上述したように、穿刺抵抗を減らすためにカテーテル12の先端は縮径しており、縮径部分でカテーテル12の内面と内針16の外面とが密着している。長時間の密着により、カテーテル12の内面と内針16の外面とが貼り付いている場合がある。この貼り付きがあると、カテーテル12を血管内に挿入するためにカテーテル12を内針16に対して前進させる操作を行いにくい。そこで、穿刺前に、内針16に対してカテーテル12を回転させることにより、上記の貼り付きを解除する。
【0081】
具体的には、本実施形態では針保護部材26が回転操作部29を構成しているため、ユーザは、ハウジング18から露出している針保護部材26に指で触れて、ハウジング18の長手方向の軸線を中心に針保護部材26を回転させる。そうすると、針保護部材26の回転が、補助部材ハブ24及びカテーテルハブ14を介してカテーテル12に伝わり、カテーテル12が内針16に対して回転する。これにより、カテーテル12の内面と内針16の外面の貼り付きを解除することができる。
【0082】
なお、初期状態でカテーテルハブ14がハウジング18から露出しており、露出部分のカテーテルハブ14に触れることができる場合には、カテーテルハブ14に直接触れて回転操作することにより、上述した貼り付きの解除を行ってもよい。また、カテーテル組立体10において、針保護部材26が設けられてない場合には、ユーザは、ハウジング18から露出したカテーテルハブ14に直接触れて回転操作することにより、上述した貼り付きの解除を行ってもよい。
【0083】
次に、カテーテル組立体10を患者の皮膚に穿刺する穿刺操作を行う。穿刺操作において、ユーザ(医師、看護師等)は、ハウジング18を把持しつつ、カテーテル組立体10の先端部(内針16が挿通されたカテーテル12の先端部)を患者に押し当てるようにして、穿刺目標の血管に向かって皮膚に穿刺する。これにより、内針16及びカテーテル12の先端部が皮膚に穿刺される。この穿刺時には、上述したように、保持部58がカテーテル12を保持していることで、穿刺に伴う抵抗力を受けても、ハウジング18内での多重管部の撓みが抑制される。これにより、ユーザは違和感なく穿刺を行うことができる。
【0084】
次に、ユーザは、図12Aのように、ハウジング18の位置を固定しつつ、カテーテル操作部材20を先端方向に操作してカテーテル部材17(カテーテル12及びカテーテルハブ14)を前進させる。この場合、ユーザは、例えば、カテーテル操作部材20のリブ50やタブ52に指を当てて、ハウジング18と相対的にカテーテル操作部材20を先端方向にスライドさせる。これによりカテーテル12を血管内の目標位置まで挿入する。
【0085】
図12Aではカテーテル操作部材20は直線状のままであるが、実際には、カテーテル操作部材20が患者の皮膚に接触しないように、カテーテル操作部材20の操作板部46を上方に湾曲させながら、カテーテル操作部材20を前進させる。操作板部46の湾曲は、操作板部46の先端側から生じることになり、操作板部46の長手方向に並ぶ複数の保持部58は先端側から基端側に向かって順に、カテーテル12を含む多重管部から外れていく。また、進出動作の間は、支持部材44により多重管部の下方が支持されるため、多重管部の下方向への撓みも抑制される。
【0086】
次に、ユーザは、カテーテル操作部材20及びカテーテル部材17の位置を保持しつつ、ハウジング18を基端方向に引っ張る。これにより、図12Bのように、カテーテル部材17及びカテーテル操作部材20がハウジング18から完全に出るとともに、ハウジング18に固定された内針16がカテーテル12から抜去される。
【0087】
この際、針保護部材26及びシャッタ82によるセーフティ機能が発現する。すなわち、図9のように、針先16aが針保護部材26内でシャッタ82よりも基端側に移動することに伴って、シャッタ82が針保護部材26内の針挿通路を遮断する。これにより、針保護部材26の先端からの内針16の再突出が阻止される。また、抜け止め部材94により、針保護部材26の基端側から内針16が抜け出ることが阻止されるため、針保護部材26による針先16aの保護が好適に維持される。
【0088】
また、針先16aが針保護部材26内でアーム102の内方突起112よりも基端側に移動することに伴って、アーム102の先端側が拡開可能な状態になる。このため、図12Bの状態からさらにハウジング18を基端方向に引っ張ると、カテーテルハブ14と針保護部材26との連結が解除される。これにより、図13Aのように、針保護部材26がカテーテルハブ14から分離する。またこのとき、補助部材ハブ24と針保護部材26とは嵌合によって連結されているため、針保護部材26によって補助部材ハブ24が基端方向に引っ張られ、補助部材22もカテーテル12から抜去されるに至る。
【0089】
次に、ユーザは、図13Bのように、カテーテル操作部材20をカテーテルハブ14から取り外す。これにより、カテーテル部材17は患者に留置される。なお、ユーザの好みによっては、カテーテル操作部材20をカテーテルハブ14に取り付けたままにしてもよい。
【0090】
次に、内針16及び補助部材22が抜き取られた状態のカテーテル部材17の基端側(カテーテルハブ14の基端部)に、図示しない輸液チューブのコネクタを接続し、輸液チューブから患者への輸液剤(薬液)の投与を実施する。
【0091】
なお、上記の説明では、針保護部材26をカテーテルハブ14から分離する際に、補助部材ハブ24を針保護部材26につなげたままとし、補助部材22をカテーテル12から抜去した。但し、ユーザの好みによっては、針保護部材26をカテーテルハブ14から分離する際に、針保護部材26と補助部材ハブ24との切り離しも行い、補助部材22とカテーテル12の組立体を血管内に挿入してもよい。
【0092】
以上説明したように、カテーテル組立体10によれば、ハウジング18に収容されたカテーテルハブ14が、初期状態で内針16及びハウジング18に対して回転可能である。このため、カテーテル組立体10の使用前に、カテーテル12を支持するカテーテルハブ14を回転させることにより、カテーテル12内面と内針16外面の貼り付きを解除することができる。
【0093】
カテーテル組立体10の使用において、カテーテル12を血管に挿入している最中にカテーテル12先端が血管壁に引っ掛かり、挿入が困難になる場合がある。このような場合、針ハブの先端にカテーテルハブが接続されている構成の従来のカテーテル組立体では、カテーテルを回転させながら血管に挿入する手技が行われることがある。しかし、特許文献1のカテーテル組立体では、カテーテルを回転させることができないため、カテーテル先端が血管壁に引っ掛かった場合に、カテーテルを回転させながら血管に挿入する手技を行うことができない。
【0094】
これに対し、カテーテル組立体10では、カテーテルハブ14は、初期状態(図1)に対応する第1位置から、カテーテル12を血管内に所定長さ挿入するためにハウジング18に対して所定距離前進した第2位置(図12A)までの全範囲において、内針16及びハウジング18に対して回転可能である。この構成により、カテーテル12を血管内に挿入中にカテーテル12先端が血管壁に引っ掛かった場合に、カテーテル12を回転させながら血管に挿入する手技を行うことができる。
【0095】
カテーテル組立体10は、カテーテルハブ14に対して相対回転不可能に連結された回転操作部29を備え、回転操作部29は、カテーテルハブ14がハウジング18に収容された状態でハウジング18から露出している。この構成により、ハウジング18から露出した回転操作部29に手で触れて回転させることができるため、貼り付きの解除を容易に遂行できる。
【0096】
カテーテル組立体10では、回転操作部29は、カテーテルハブ14から離脱可能であるため、患者の皮膚に留置される部分を小さくできる。
【0097】
カテーテル組立体10では、カテーテルハブ14と回転操作部29とは、補助部材ハブ24を介して相対回転不可能に連結されている。この構成により、回転操作部29の回転が補助部材ハブ24及びカテーテルハブ14を介してカテーテル12に伝わり、カテーテル12を回転させることができる。
【0098】
カテーテル組立体10では、カテーテルハブ14は、カテーテル操作部材20及びカテーテル12に対して回転可能であるため、カテーテル操作部材20を備える場合においても、カテーテル操作部材20によってカテーテルハブ14の回転が阻害されない。よって、カテーテル12と内針16との貼り付きを確実に解除することができる。
【0099】
カテーテル組立体10では、回転操作部29は、カテーテル12からの内針16の抜去に伴い内針16の少なくとも先端を覆う針保護部材26を構成している。この構成により、回転操作部29が針保護部材26を兼ねているため、回転操作部29と針保護部材26を個別に設ける必要がなく、回転操作部29を設けることに伴う部品点数の増加あるいは構成の複雑化を抑制することができる。
【0100】
また、このカテーテル組立体10では、補助部材ハブ24の基端部に針保護部材26が設けられているため、カテーテル12から内針16を抜去した後の誤刺を有効に防止することができる。
【0101】
さらに、カテーテル組立体10では、カテーテル12からの内針16の抜去に伴って、補助部材ハブ24がカテーテルハブ14から離脱可能な状態になる。この構成により、カテーテル12から内針16を抜去するためにハウジング18(針ハブ)を後退移動させると、カテーテルハブ14と補助部材ハブ24とのロック(固定)が自動的に解除される。従って、ユーザは、カテーテルハブ14と補助部材ハブ24とのロックを解除するために個別の操作をすることなく、カテーテルハブ14から補助部材ハブ24を簡易に分離することができ、操作負担が小さい。
【0102】
特に、カテーテル組立体10では、針保護部材26は、補助部材ハブ24の先端側に配置されたカテーテルハブ14と解除可能に係合しており、針保護部材26がカテーテルハブ14と係合している状態で、補助部材ハブ24は針保護部材26とカテーテルハブ14との間に保持されている。この構成により、針保護部材26とカテーテルハブ14の係合が解除されると、補助部材ハブ24がカテーテルハブ14から分離可能な状態になる。従って、補助部材22をカテーテル12から容易に抜去することができる。
【0103】
しかも、カテーテル組立体10では、針保護部材26は、内針16の先端が針保護部材26内に収納された後に、カテーテルハブ14を解放するように構成されている。この構成により、針保護部材26をカテーテルハブ14から切り離したときには必ず内針16の先端(針先16a)が針保護部材26で覆われているため、誤刺を確実に防止することができる。
【0104】
さらに、カテーテル組立体10では、補助部材ハブ24は、針保護部材26と分離可能に結合されているため、ユーザの好みに応じて、補助部材ハブ24を針保護部材26から切り離して、補助部材22とカテーテル12の組立体を血管に挿入することもできる。
【0105】
また、カテーテル組立体10では、補助部材ハブ24は、内針16の先端が針保護部材26内に収納された後に、針保護部材26から分離可能になるように構成されている。この構成により、補助部材ハブ24を針保護部材26から切り離したときには必ず内針16先端が針保護部材26で覆われているため、誤刺を確実に防止することができる。
【0106】
なお、血管にカテーテル12を挿入しやすくするために、カテーテル組立体10は、内針16の内腔に軸方向に摺動可能に挿通されるとともに内針16の先端から突出可能なガイドワイヤを備えてもよい。このようなガイドワイヤが設けられる場合、カテーテル組立体10の先端部を患者の皮膚に穿刺した後、内針16の先端からガイドワイヤを突出させ血管内に所定長さだけ挿入する。そして、ガイドワイヤに沿わせて血管内にカテーテル12を進める。
【0107】
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。
【符号の説明】
【0108】
10…カテーテル組立体 12…カテーテル
14…カテーテルハブ 16…内針
18…ハウジング 20…カテーテル操作部材
22…補助部材 24…補助部材ハブ
26…針保護部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13