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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-214488(P2016-214488A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/20 20060101AFI20161125BHJP
   D06F 58/02 20060101ALI20161125BHJP
   D06F 58/28 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
   D06F58/20
   D06F58/02 F
   D06F58/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-101667(P2015-101667)
(22)【出願日】2015年5月19日
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】脇坂 英司
(72)【発明者】
【氏名】北山 直樹
【テーマコード(参考)】
3B166
3B167
【Fターム(参考)】
3B166AA24
3B166AB23
3B166AB30
3B166AB32
3B166AE01
3B166AE02
3B166AE07
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3B166BA43
3B166BA55
3B166BA83
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3B166CC05
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3B166EA31
3B166EA32
3B166EA35
3B166EA37
3B166EA38
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3B166EB17
3B166EB18
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3B166EC33
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3B166EE01
3B166EE04
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3B167JA58
3B167JA69
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3B167KB08
3B167LA23
3B167LA32
3B167LC05
3B167LD03
3B167LD20
3B167LE04
3B167LE06
3B167LF04
3B167LF11
3B167LF22
3B167LG20
(57)【要約】
【課題】乾燥機において、除湿により発生した凝縮水の逆流及び飛散をより確実に防止しつつ、ファン装置の風量を高める。
【解決手段】衣類乾燥機Dにおいて、上流側通風路8aに連通し、蒸発器9aで発生した凝縮水Wを収容する受け皿部11と、凝縮水Wを汲み出すポンプ19が収容され且つ、循環通風路外の空間Aに連通するポンプ室16と、受け皿部11とポンプ室16とを連通させ且つ、受け皿部11に収容された凝縮水Wをポンプ室16に導くことによって、ポンプ室16内に凝縮水Wを貯留させる第1連通路12と、受け皿部11内とポンプ室16内との間の差圧を低減するように、上流側通風路8aを、ポンプ室16に連通させる第2連通路17と、を備え、第2連通路17は、ポンプ室16内に貯留された凝縮水Wによって第1連通路12が閉塞されたとき、上流側通風路8aとポンプ室16との間の連通を保持するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥対象物を収容する対象物収容部と、前記対象物収容部を経由するエンドレスの循環通風路と、を備え、前記循環通風路には、該循環通風路内で乾燥用空気を循環させるファン装置と、該乾燥用空気を冷却して除湿する冷却装置と、前記冷却装置を通過した空気を加熱する加熱装置とが設けられる乾燥機であって、
前記循環通風路は、前記対象物収容部を通過した前記乾燥用空気が前記ファン装置に向かうように流れる上流側通風路と、前記上流側通風路とは別に、該ファン装置を通過した該乾燥用空気が該対象物収容部に向かうように流れる下流側通風路と、を有し、
前記上流側通風路に連通し、前記冷却装置で発生した凝縮水を収容する受け皿部と、
前記凝縮水を汲み出すポンプが収容され且つ、循環通風路外の空間に連通するポンプ室と、
前記受け皿部と前記ポンプ室とを連通させ且つ、前記受け皿部に収容された凝縮水を前記ポンプ室に導くことによって、該ポンプ室内に凝縮水を貯留させる第1連通路と、
前記受け皿部内と前記ポンプ室内との間の差圧を低減するように、前記上流側通風路を、前記ポンプ室又は前記循環通風路外の空間に連通させる第2連通路と、を備え、
前記第2連通路は、前記ポンプ室内に貯留された凝縮水の水量が増加するにつれて該凝縮水によって前記第1連通路が閉塞されたとき、前記上流側通風路と前記ポンプ室又は前記循環通風路外の空間との間の連通を保持するように構成される、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項2】
請求項1に記載の乾燥機において、
前記第2連通路は、前記上流側通風路が前記ポンプ室に連通するように、前記ポンプ室内に開口する、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項3】
請求項2に記載の乾燥機において、
前記第2連通路は、前記第1連通路が前記ポンプ室内に開口する高さ位置よりも上方位置で前記ポンプ室内に開口する、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の乾燥機において、
前記第2連通路は、一端が前記ポンプ室内に開口する一方、他端が前記上流側通風路内に開口していて、前記上流側通風路を、前記ポンプ室に直接連通させる、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項5】
請求項4に記載の乾燥機において、
前記第2連通路は、前記受け皿部と前記上流側通風路とを連通させるドレン部よりも直下流側で、該上流側通風路内に開口する、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項6】
請求項2又は請求項3に記載の乾燥機において、
前記第2連通路は、一端が前記ポンプ室内に開口する一方、他端が前記受け皿部内に開口していて、前記上流側通風路を、前記受け皿部を介して前記ポンプ室に連通させる、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項7】
請求項6に記載の乾燥機において、
前記第2連通路は、前記第1連通路が前記受け皿部内に開口する高さ位置よりも上方位置で、該受け皿部内に開口する、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の乾燥機において、
前記第2連通路は、前記第1連通路に挿通される管状の管路部によって区画される、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項9】
請求項6又は請求項7に記載の乾燥機において、
前記第1連通路には、前記受け皿部に収容された凝縮水を前記ポンプ室に導く通水路と、該通水路とは別に、該受け皿部と該ポンプ室との間で通気させる通気路と、に区画する仕切り部材が取り付けられ、
前記通気路が前記第2連通路を構成する、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の乾燥機において、
前記第2連通路の両端は、双方とも、上方に向けて開口する、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項11】
請求項1に記載の乾燥機において、
前記第2連通路は、前記上流側通風路が前記循環通風路外の空間に連通するように、大気に開放される、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項12】
請求項11に記載の乾燥機において、
前記第2連通路は、一端が大気に開放される一方、他端が前記上流側通風路内に開口していて、前記上流側通風路を、前記循環通風路外の空間に直接連通させる、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項13】
請求項12に記載の乾燥機において、
前記第2連通路は、前記受け皿部と前記上流側通風路とを連通させるドレン部よりも直下流側で、該上流側通風路内に開口する、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項14】
請求項11に記載の乾燥機において、
前記第2連通路は、一端が大気に開放される一方、他端が前記受け皿部内に開口していて、前記上流側通風路を、前記受け皿部を介して前記循環通風路外の空間に連通させる、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか1つに記載の乾燥機において、
前記ポンプ室は、大気に開放された開口を有し、
前記ポンプ室の開口を閉塞するように構成された、着脱可能な蓋部が設けられる、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか1つに記載の乾燥機において、
前記ポンプ室から汲み出した凝縮水を受ける貯水タンクと、
前記ポンプと前記貯水タンクとを接続する接続水路と、を備える、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか1つに記載の乾燥機において、
前記冷却装置及び前記加熱装置が、それぞれ、ヒートポンプサイクルを構成する蒸発器及び凝縮器である、ことを特徴とする乾燥機。
【請求項18】
請求項1から請求項17のいずれか1つに記載の乾燥機において、
前記乾燥対象物が衣類である、ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1つに記載の乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の乾燥に使用される乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、除湿及び加熱された空気を循環させる循環式の衣類乾燥機が知られている。このような乾燥機では、循環通風路内で乾燥用空気を循環させるファン装置と、乾燥用空気を冷却して除湿する冷却装置と、冷却装置を通過した空気を加熱する加熱装置とが、いずれも、循環通風路内に配設されるようになっている。
【0003】
前記のような乾燥機において、冷却装置の表面には、除湿により発生した凝縮水が水滴状に付着する。そこで、この凝縮水を回収する凝縮水容器(ドレインパン)を配設して、凝縮水容器に回収された凝縮水を外部に排水したり、別体の貯水タンクに貯水したり、する技術が知られている。
【0004】
特許文献1には、そうした技術の一例として、冷却装置で除湿された凝縮水をドレインパンに捕集すると共に、捕集された凝縮水を、ポンプによって洗濯乾燥機の外部に排出する技術が開示されている。このドレインパンは、ドレン孔(開口)を介してファン装置直上流側の通風路(以下、上流側通風路と記載)に連通する部分(以下、受け皿部と記載)と、ポンプが垂下された部分(以下、ポンプ室と記載)と、に区画されており、受け皿部とポンプ室とは、各々の底部間で連通している。よって、ドレン孔を通過して受け皿部に捕集された凝縮水は、この連通部(以下、連通路と記載)を経由して、ポンプ室内に貯留される。
【0005】
また、特許文献2には、そうした技術の別例として、冷却装置(除湿手段)に結露した凝縮水(除湿水)を、この冷却装置の下方に設けた回収水路を介して除湿タンクに回収すると共に、この回収した凝縮水を、ポンプ(送水ポンプ)によって筐体(衣類乾燥機本体)上部に配設された貯水タンクに送水する技術が開示されている。さらに、この特許文献2に記載の衣類乾燥機では、除湿タンクに設けた水位センサによって、タンク内の凝縮水が所定の水位に達したことが検知されれば、ポンプを駆動して、除湿タンク内の凝縮水を汲み出すようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−239817号公報
【特許文献2】特開2014−33849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1のようなポンプ室を用いた場合、メンテナンス性を向上させるために、ポンプ室を区画する壁部を、ポンプごと着脱可能な蓋部として構成することが考えられる。
【0008】
しかしながら、そのように構成されたポンプ室は、完全密閉構造にするのが困難であり、その一部が大気に通じてしまう。よって、そうしたポンプ室を備えた洗濯乾燥機が運転を開始すると、ポンプ室及び受け皿部内の気圧は、双方とも負圧になるものの、ポンプ室内の気圧は、ポンプ室が受け皿部を介して上流側通風路に連通していることと、ポンプ室内に大気が流入することと、によって、受け皿部内の気圧よりも高くなってしまい、そのことで、ポンプ室側に収容された凝縮水の水位が、受け皿部側に収容された凝縮水の水位よりも低くなってしまう虞がある。
【0009】
特に、ポンプ室に貯留された凝縮水の水量が増加するにつれて、受け皿部とポンプ室とを結ぶ連通路が水没して閉塞されてしまうと、ポンプ室内に大気が流入する一方で、ポンプ室と上流側通風路との間の空気の出入りが阻まれてしまうため、前記のような差圧と、それに伴う水位差とが、ますます増大してしまう。
【0010】
ここで、特許文献2に記載の衣類乾燥機のように、ポンプ室内に設けた水位センサの検知結果に基づいて、凝縮水を汲み出すように構成することが考えられる。しかしながら、前記のような水位差が増大することによって、水位センサによる水位の検知が正常に行われず、ポンプが正常に作動しない虞がある。そうすると、ポンプが作動する前に、受け皿部側が満水になったり、満水付近まで貯水されたり、してしまい、受け皿部から循環通風路内に凝縮水が逆流してしまう虞がある。そのように逆流した凝縮水は、例えば、ファン装置によって空気ごと巻き上げられて飛散してしまい、乾燥中の衣類に吹き付けられたり、乾燥動作に異常を引き起こしたり、する虞がある。
【0011】
こうした逆流を低減又は防止するための方策の1つとして、蓋部にパッキンなどのシール材を追加して設けることが考えられるが、その場合、比較的高い組み立て精度が求められるため、製造コストの増大を招く。さらには、製造時若しくは部品交換時に組み立てミスがあった場合、又は、メンテナンスのために取り外した蓋部の再取り付けの際に取り付けミスがあった場合に、所望の気密性が確保されなくなり、ポンプ室内への大気の流入を招き、ひいては凝縮水が逆流してしまうことになる。
【0012】
その上、仮に十分な気密性を有するシール材を設けたとしても、例えば、ポンプ室と別体の貯水タンクとがホース等により連通している場合、この貯水タンク又はホースを介してポンプ室が大気に通じてしまうため、やはり、ポンプ室内への大気の流入を招いてしまう。
【0013】
すなわち、蓋部にシール材を追加して設ける方策では、製造コストが増大する一方で、凝縮水の逆流を必ずしも十分に防止することはできない。
【0014】
他の方策としては、例えば、受け皿部とポンプ室とを結ぶ連通路の寸法を、高さ方向に広げることによって、凝縮水が増加しても連通路が水没しないようにすることが考えられる。この場合、凝縮水の水位が増大しても、ポンプ室と循環通風路との間の空気の出入りは保たれるため、差圧の増大を抑止することはできる。しかしながら、広く取られた連通路を介してポンプ室側から受け皿部側に大気が流れ込んでしまい、収容された凝縮水の水面が荒らされて、凝縮水の飛散を招いてしまう。
【0015】
近年、乾燥機の運転効率を向上させるために、ファン装置の風量を高めることが要求されているものの、風量の増大に伴って、ファン装置の直上流側の気圧がさらに低下するため、前記のような凝縮水の逆流の問題が一層生じやすくなってしまう。
【0016】
前記のような問題は、ポンプ室を、着脱可能な蓋部で閉じたり、貯水タンクに連通させたり、する構成に限定されず、室内の少なくとも一部が大気に連通してしまうようなポンプ室を備えた乾燥機全般に係るものである。
【0017】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、乾燥機において、除湿により発生した凝縮水の逆流及び飛散をより確実に防止しつつ、ファン装置の風量を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を達成するために、本発明では、受け皿部に収容された凝縮水をポンプ室まで導くための連通路とは別に、受け皿部内とポンプ室内との間の差圧を低減するための連通路を新設することにした。
【0019】
第1の発明は、乾燥対象物を収容する対象物収容部と、前記対象物収容部を経由するエンドレスの循環通風路と、を備え、前記循環通風路には、該循環通風路内で乾燥用空気を循環させるファン装置と、該乾燥用空気を冷却して除湿する冷却装置と、前記冷却装置を通過した空気を加熱する加熱装置とが設けられる乾燥機に係る。
【0020】
前記循環通風路は、前記対象物収容部を通過した前記乾燥用空気が前記ファン装置に向かうように流れる上流側通風路と、前記上流側通風路とは別に、該ファン装置を通過した該乾燥用空気が該対象物収容部に向かうように流れる下流側通風路と、を有する。
【0021】
そして、前記乾燥機は、前記上流側通風路に連通し、前記冷却装置で発生した凝縮水を収容する受け皿部と、前記凝縮水を汲み出すポンプが収容され且つ、循環通風路外の空間に連通するポンプ室と、前記受け皿部と前記ポンプ室とを連通させ且つ、前記受け皿部に収容された凝縮水を前記ポンプ室に導くことによって、該ポンプ室内に凝縮水を貯留させる第1連通路と、前記受け皿部内と前記ポンプ室内との間の差圧を低減するように、前記上流側通風路を、前記ポンプ室又は前記循環通風路外の空間に連通させる第2連通路と、を備えている。
【0022】
そして、前記第2連通路は、前記ポンプ室内に貯留された凝縮水の水量が増加するにつれて該凝縮水によって前記第1連通路が閉塞されたとき、前記上流側通風路と前記ポンプ室又は前記循環通風路外の空間との間の連通を保持するように構成される、ことを特徴とするものである。
【0023】
ここでいう「循環通風路外の空間に連通するポンプ室」は、ポンプ室を区画する壁部を、取り外し可能な蓋部にしたり、ポンプ室を、貯水タンク等に連通させたりしたことによって、室内の少なくとも一部が大気に連通してしまうようなポンプ室を含む。
【0024】
また、ここでいう「循環通風路外の空間」は、乾燥機の筐体内の空間、及び、筐体外の空間を含む。
【0025】
この第1の発明に係る第2連通路は、上流側通風路を、ポンプ室又は循環通風路外の空間に連通させるように構成されるものであり、上流側通風路をポンプ室に連通させた場合には、この第2連通路を介した空気の出入りによって、ポンプ室内の気圧は、上流側通風路内の負圧に接近するように調整される。それによって、ポンプ室内と、上流側通風路に連通する受け皿部内との間の差圧が低減される。
【0026】
一方、上流側通風路を循環通風路外の空間に連通させた場合には、第2連通路を介して、上流側通風路を大気に開放させることができる。そうした開放によって、上流側通風路内の気圧は、大気圧に接近するように調整される。それによって、循環通風路外の空間に連通するポンプ室内と、上流側通風路に連通する受け皿部内と、の間の差圧が低減される。
【0027】
そして、いずれの場合においても、第2連通路は、凝縮水によって第1連通路が水没して閉塞されたときに、前記のような連通を保持するように構成されている。そうした構成によって、ポンプ室内と受け皿部内との間の差圧の増大を防止して、ひいては、ポンプ室内と受け皿部内との間の水位差を抑止することができる。よって、ポンプを正常に作動させて、凝縮水の逆流及び飛散をより確実に防止することができる。
【0028】
よって、凝縮水の逆流及び飛散を招くことなく、高い風量を有するファン装置を備えることができるようになる。
【0029】
第2の発明は、第1の発明において、前記第2連通路は、前記上流側通風路が前記ポンプ室に連通するように、前記ポンプ室内に開口する、ことを特徴とするものである。
【0030】
この第2の発明では、上流側通風路とポンプ室とを連通させることによって、ポンプ室内の気圧を、上流側通風路内の負圧に近づけるようにしたから、上流側通風路内の気圧、ひいては、下流側通風路内の気圧の増大を抑止することができる。そのことで、循環通風路を形成するダクトからの乾燥用空気の漏えいと、それに伴う結露の発生とを防止することができる。
【0031】
第3の発明は、第2の発明において、前記第2連通路は、前記第1連通路が前記ポンプ室内に開口する高さ位置よりも上方位置で前記ポンプ室内に開口する、ことを特徴とするものである。
【0032】
この第3の発明では、第2連通路がポンプ室内に開口する高さ位置を、第1連通路がポンプ室内に開口する高さ位置よりも高くしたから、ポンプ室内の水位が上昇したときに、ポンプ室内の凝縮水が第2連通路を通って逆流したり、第2連通路を水没させたり、するのを防止して、第2連通路を介した連通を保持する上で、有利になる。
【0033】
第4の発明は、第2の発明又は第3の発明において、前記第2連通路は、一端が前記ポンプ室内に開口する一方、他端が前記上流側通風路内に開口していて、前記上流側通風路を、前記ポンプ室に直接連通させる、ことを特徴とするものである。
【0034】
この第4の発明における第2連通路としては、循環通風路を区画するダクトの壁部と、ポンプ室の壁部とを貫通させた貫通孔等が含まれる。
【0035】
この第4の発明では、ポンプ室と上流側通風路とを直接連通させたから、例えばポンプ室内に大気が流入したときに、そうした大気の少なくとも一部は、第1連通路を経由せずに、第2連通路を通って、上流側通風路内に流れ込む。そして、上流側通風路内に流れ込んだ大気は、上流側通風路内の気圧、ひいては受け皿部内の気圧を増大させることになるから、ポンプ室内の気圧が大気の流入によって増大したときに、それに応じて、受け皿部内の気圧も増大させることができる。よって、ポンプ室内と受け皿部内との間の差圧の増大を防止することができる。また、そのように構成することによって、例えば第1連通路が閉塞されていないときに、ポンプ室内に流入した大気が受け皿部に収容された凝縮水の水面を荒らしてしまい、凝縮水を飛散させてしまうのを防止する上で有利になる。
【0036】
第5の発明は、第4の発明において、前記第2連通路は、前記受け皿部と前記上流側通風路とを連通させるドレン部よりも直下流側で、該上流側通風路内に開口する、ことを特徴とするものである。
【0037】
この第5の発明では、第2連通路が上流側通風路内に開口する開口部の位置を、ドレン部よりもファン装置の直上流側に近づけることができる。そのことで、第2連通路の開口部周辺の気圧を、ドレン部周辺の気圧よりも低くすることができる。よって、ポンプ室内の気圧を比較的低く保ち、その分だけ、ポンプ室内の凝縮水の水位を比較的高く保つ上で有利になる。
【0038】
第6の発明は、第2の発明又は第3の発明において、前記第2連通路は、一端が前記ポンプ室内に開口する一方、他端が前記受け皿部内に開口していて、前記上流側通風路を、前記受け皿部を介して前記ポンプ室に連通させる、ことを特徴とするものである。
【0039】
この第6の発明における第2連通路としては、第1連通路とは別に、ポンプ室と受け皿部との間で通気させるように連通させた貫通孔等が含まれる。
【0040】
第6の発明では、第2連通路は、ポンプ室と受け皿部との間で空気を出入りさせるように構成されているから、上流側通風路を流れる乾燥用空気の流れを阻害しないようにする上で、有利になる。
【0041】
第7の発明は、第6の発明において、前記第2連通路は、前記第1連通路が前記受け皿部内に開口する高さ位置よりも上方位置で、該受け皿部内に開口する、ことを特徴とするものである。
【0042】
この第7の発明では、第2連通路が受け皿部内に開口する高さ位置を、第1連通路が受け皿部内に開口する高さ位置よりも高くしたから、ポンプ室内の水位が上昇したときに、ポンプ室内の凝縮水が第2連通路を通って逆流したり、第2連通路を水没させたりするのを防止して、第2連通路を介した連通を保持する上で、有利になる。
【0043】
第8の発明は、第6の発明又は第7の発明において、前記第2連通路は、前記第1連通路に挿通される管状の管路部によって区画される、ことを特徴とするものである。
【0044】
この第8の発明では、第1連通路に挿通した管路部によって、第2連通路を区画するようにした。したがって、循環通風路を形成するダクトまわりの設計変更を最小限に留めることによって、部品の共通化を図り、製造コストを抑止する上で、有利になる。
【0045】
第9の発明は、第6の発明又は第7の発明において、前記第1連通路を、前記受け皿部に収容された凝縮水を前記ポンプ室に導く通水路と、該通水路とは別に、該受け皿部と該ポンプ室との間で通気させる通気路と、に区画する仕切り部材が設けられ、前記通気路が前記第2連通路を構成する、ことを特徴とするものである。
【0046】
この第9の発明では、第1連通路に取り付けた仕切り部材によって、第1連通路を2つの通路に分断し、分断された一方を第2連通路にするようにしている。したがって、循環通風路を形成するダクトまわりの設計変更を最小限に留めることによって、部品の共通化を図り、製造コストを抑止する上で、有利になる。
【0047】
第10の発明は、第8の発明又は第9の発明において、前記第2連通路の両端は、双方とも、上方に向けて開口する、ことを特徴とするものである。
【0048】
この第10の発明では、第2連通路の両端の開口を、双方とも、上方に向けるようにしたから、下方又は前後左右に向けた構成と比較すると、ポンプ室内の凝縮水が第2連通路を通って逆流したり、第2連通路を水没させたりするのを防止して、第2連通路を介した連通を保持する上で、有利になる。
【0049】
第11の発明は、第1の発明において、前記第2連通路は、前記上流側通風路が前記循環通風路外の空間に連通するように、大気に開放される、ことを特徴とするものである。
【0050】
この第11の発明における第2連通孔としては、循環通風路を区画するダクトの壁部や、受け皿部の壁部に設けた貫通孔等が含まれる。
【0051】
この第11の発明では、上流側通風路を大気に開放することによって、上流側通風路内の気圧と受け皿部内の気圧とを、それぞれ、大気圧に近づけるようにしたから、ポンプ室内の気圧を、大気圧付近に保つことができるようになる。そのことで、ポンプの負荷を低減する上で、有利になる。
【0052】
また、ポンプ室内の気圧を大気圧付近に保つことによって、循環通風路外の空間とポンプ室内との間の差圧も低減されるから、外部からポンプ室内に大気が流入するのを抑止する上でも、有利になる。よって、例えば第1連通路が閉塞されていないときに、ポンプ室内に流入した大気が受け皿部に収容された凝縮水の水面を荒らしてしまい、凝縮水を飛散させてしまうのを防止する上で有利になる。
【0053】
第12の発明は、第11の発明において、前記第2連通路は、一端が大気に開放される一方、他端が前記上流側通風路内に開口していて、前記上流側通風路を、前記循環通風路外の空間に直接連通させる、ことを特徴とするものである。
【0054】
この第12の発明では、上流側通風路と循環通風路外の空間とを直接連通させたから、外部から流入した大気は、受け皿部を経由せずに、第2連通路を通って上流側通風路内に直接流れ込むようになる。よって、第2連通路から流入した大気が受け皿部に収容された凝縮水の水面を荒らしてしまい、凝縮水を飛散させてしまうのを防止する上で、有利になる。
【0055】
また、第2連通路は、ポンプ室内にも受け皿部内にも開口していないから、ポンプ室及び受け皿部内の凝縮水の水位が増大したときに、その凝縮水が第2連通路を通って流れたり、第2連通路を水没させたり、するのを防止して、第2連通路を介した連通を保持する上で、有利になる。
【0056】
第13の発明は、第12の発明において、前記第2連通路は、前記受け皿部と前記上流側通風路とを連通させるドレン部よりも直下流側で、該上流側通風路内に開口する、ことを特徴とするものである。
【0057】
この第13の発明では、第2連通路が上流側通風路内に開口する開口部の位置を、ドレン部よりもファン装置の直上流側に近づけた分だけ、上流側通風路内の気圧を、比較的速やかに大気圧に接近させて、ポンプ室内と受け皿部内との間の差圧を比較的速やかに低減する上で、有利になる。
【0058】
第14の発明は、第11の発明において、前記第2連通路は、一端が大気に開放される一方、他端が前記受け皿部内に開口していて、前記上流側通風路を、前記受け皿部を介して前記循環通風路外の空間に連通させる、ことを特徴とするものである。
【0059】
この第14の発明では、循環通風路外の空間と上流側通風路とを、受け皿部を介して連通させたから、循環通風路外の空間の大気は、受け皿部内に直接流入することになる。そのことで、受け皿部内の気圧を、比較的速やかに大気圧に接近させて、ポンプ室内と受け皿部内との間の差圧を比較的速やかに低減する上で、有利になる。
【0060】
また、この第14の発明に係る第2連通路は、受け皿部と循環通風路外の空間との間で空気を出入りさせるように構成されているから、上流側通風路を流れる乾燥用空気の流れを阻害しないようにする上で、有利になる。
【0061】
第15の発明は、第1の発明から第14の発明のいずれか1つにおいて、前記ポンプ室は、大気に開放された開口を有し、前記ポンプ室の開口を閉塞するように構成された、着脱可能な蓋部が設けられる、ことを特徴とするものである。
【0062】
この第15の発明では、蓋部によってポンプ室の開口を閉塞することができる。ゆえに、ポンプ室内への大気の流入を抑止することができるから、ポンプ室内の気圧の増大を抑止して、ポンプ室内と受け皿部内との間の差圧を低く保つ上で、有利になる。
【0063】
第16の発明は、第1の発明から第15の発明のいずれか1つにおいて、前記ポンプ室から汲み出した凝縮水を受ける貯水タンクと、前記ポンプと前記貯水タンクとを接続する接続水路と、を備える、ことを特徴とするものである。
【0064】
この第16の発明では、貯水タンクと接続水路とを通じて、ポンプ室が大気に開放されることになるから、第2連通路の新設によって奏する作用効果が有効に発揮されることになる。
【0065】
第17の発明は、第1の発明から第16の発明のいずれか1つにおいて、前記冷却装置及び前記加熱装置が、それぞれ、ヒートポンプサイクルを構成する蒸発器及び凝縮器である、ことを特徴とするものである。
【0066】
ヒートポンプサイクルを構成する蒸発器及び凝縮器は、それぞれ、通風路内を流れる風量が大きい程その機能を発揮するものであるから、この第17の発明によって、高い風量を有するファン装置を設けることによる利点が効果的に得られる。
【0067】
第18の発明は、第1の発明から第17の発明のいずれか1つにおいて、前記乾燥対象物が衣類である、ことを特徴とするものである。
【0068】
この第18の発明では、乾燥機の作用効果を、衣類の乾燥において有効に得ることができる。
【発明の効果】
【0069】
本発明によれば、除湿により発生した凝縮水の逆流及び飛散をより確実に防止して、ひいては、ファン装置の風量を高めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1図1は、第1の実施形態に係る衣類乾燥機を一部省略して示す縦断面図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る受け皿部及びポンプ室の構造を一部省略して示す拡大縦断面図である。
図3図3は、第1の実施形態に係るヒートポンプサイクルの要部を示す模式図である。
図4図4(a)は、第1の実施形態に係るポンプ室の構造を一部省略して示す拡大斜視図であり、図4(b)は、該実施形態に係るポンプ室に蓋部を取り付けた状態を一部省略して示す拡大斜視図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る衣類乾燥機の変形例を一部省略して示す図1相当図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る衣類乾燥機の底部の構造を一部省略して示す拡大斜視図である。
図7図7は、第2の実施形態に係る受け皿部及びポンプ室の構造を一部省略して示す図2相当図である。
図8図8(a)は、第2の実施形態に係るポンプ室の構造を一部省略して示す図4(a)相当図であり、図8(b)は、該実施形態に係る仕切り部材の構成を概略的に示す斜視図である。
図9図9は、第2の実施形態の第1変形例に係る受け皿部及びポンプ室の構造を一部省略して示す図2相当図である。
図10図10(a)は、第2の実施形態の第1変形例に係るポンプ室の構造を一部省略して示す図4(a)相当図であり、図10(b)は、該変形例に係るチューブの構成を概略的に示す斜視図である。
図11図11は、第2の実施形態の第2変形例に係る受け皿部及びポンプ室の構造を一部省略して示す図2相当図である。
図12図12は、第3の実施形態に係る受け皿部及びポンプ室の構造を一部省略して示す図2相当図である。
図13図13(a)は、第3の実施形態に係るポンプ室の構造を一部省略して示す
図14図14は、第3の実施形態の変形例を示す図2相当図である。
図15図15は、第3の実施形態の変形例に係るポンプ室の構造を一部省略して示す図4(a)相当図である。
図16図16は、第4の実施形態に係る受け皿部及びポンプ室の構造を一部省略して示す図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下、乾燥機の実施形態を、図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示にすぎない。
【0072】
(第1の実施形態)
はじめに、第1の実施形態について説明する。この第1の実施形態は、請求項1から請求項5と、請求項15から請求項18とに記載の構成に係るものであり、図1から図6に示されている。
【0073】
<衣類乾燥機の全体構成>
図1に示すように、乾燥機としての衣類乾燥機Dは、上下方向に沿って延びる縦長で略直方体状の外形を有する筐体1を備えている。筐体1前面の上部には、正面前方から見て略円形状の衣類投入口2が開口しており、この開口2を、揺動可能な蓋部3により開閉するようになっている。筐体1内の上部には、衣類投入口2に連通し、乾燥対象物としての衣類Cを収容するための、対象物収容部としてのドラム4が回転可能に支持されている。そして、蓋部3が開いたときに、衣類投入口2を介してドラム4内に衣類Cを収容することができるようになっている。
【0074】
ドラム4は、前後水平方向に沿った回転軸心を有する有底円筒状のもので、その開口を衣類投入口2に向けた状態で、底部の中心部が復路側ダクト7の側壁部に対しシャフト30を介して回転可能に支持されており、このドラム4が回転軸心まわりに回転するようになっている。また、ドラム4には、衣類Cの乾燥に使用した乾燥用空気を排出するための循環用排気口31と、衣類Cの乾燥に使用する乾燥用空気が吸入される循環用吸気口32とが連通されている。
【0075】
シャフト30は、筐体1内に配設したドラム回転用モーター(図示せず)に連結されており、衣類乾燥機Dが作動するとき、このドラム回転用モーターの駆動によりドラム4を所定の速度で回転させるようになっている。なお、回転用モーターにより直接ベルト(図示せず)を介してドラム4を回転させてもよい。
【0076】
筐体1の内部には、一端が循環用排気口31に連通する往路側ダクト5と、一端が循環用吸気口32に連通する復路側ダクト7と、往路側ダクト5及び復路側ダクト7の他端同士を接続する加熱乾燥用ダクト6とが設けられている。これらのダクト5,6,7内の空間によって、乾燥用空気を循環させるための、ドラム4を経由するエンドレスの循環通風路8が構成されている。なお、ダクト5,6間にはリントフィルター29が設けられており、衣類Cから生じたリントを捕集し、必要に応じて筐体1外に取り出すことができるようになっている。
【0077】
より具体的には、往路側ダクト5は、筐体1内の前側を上下方向に沿って延びるように形成されていて、その上端部と循環用排気口31とが気密状に接続されている。加熱乾燥用ダクト6は、筐体1内の底部側(ドラム4の下側)を前後方向に沿って延びており、その前側の端部と往路側ダクト5の下端部とが気密状に接続されている。復路側ダクト7は、筐体1内の後側において上下方向に沿って延びるように形成されており、その下端部と加熱乾燥用ダクト6の後端部とが気密状に接続されている一方、その上端部と循環用吸気口32とが気密状に接続されている。さらに、ドラム4は、循環用排気口31及び循環用吸気口32に対して、気密状に且つ回転自在に接続されている。
【0078】
図2に示すように、加熱乾燥用ダクト6と復路側ダクト7との接続部、すなわち衣類乾燥機Dの下部を前後方向に沿って延びる循環通風路8が上方に向けて曲がる部分には、ファン装置10が設けられている。具体的には、図2に示すように、ファン装置10は、ケーシング10bと、このケーシング10b内に回転可能に支持され、側面部に複数個の羽根を有する円筒状の羽根車10aとを備えている。ケーシング10bには、羽根車10aの回転軸に対して平行な方向に向けて開口する吸気口10cと、該回転軸に対して垂直な方向に向けて開口する排気口10dとが設けられており、これら吸気口10c及び排気口10dは、それぞれ加熱乾燥用ダクト6の後端部及び復路側ダクト7の下端部に接続されている。なお、ファン装置10には、例えば、多翼ファン(シロッコファン)を備えた遠心式のファン装置を適用することができる。
【0079】
図1図2図3及び図6に示すように、循環通風路8には、空気を冷却して除湿する冷却装置としての熱交換器からなる蒸発器9aと、この冷却装置を通過した空気を加熱する加熱装置としての同様の凝縮器9bとが設けられており、これらは、加熱乾燥用ダクト6内において、支持プレートとしてのカバーベース6a上に配設され、支持されている。蒸発器9aは、循環通風路8の上流側(前側)に配設されており、その蒸発器9aの下流側(後側)に所定の間隔を空けて凝縮器9bが配設されている。
【0080】
よって、循環通風路8は、ドラム4を通過した乾燥用空気が蒸発器9aと凝縮器9bとを順次経由しつつ、ファン装置10に向かうように流れる上流側通風路8aと、この上流側通風路8aとは別に、ファン装置10を通過した乾燥用空気がドラム4に向かうように流れる下流側通風路8bと、を有している。この実施形態では、上流側通風路8aは、往路側ダクト5と加熱乾燥用ダクト6とによって形成される一方、下流側通風路8bは、復路側ダクト7によって形成されるように構成されている。ファン装置10の作動によって、上流側通風路8aが負圧になる一方、下流側通風路8bが正圧になる。そうした負圧又は正圧の大きさ、つまり、上流側通風路8a又は下流側通風路8b内の気圧と、大気圧との間の差圧の大きさは、それぞれ、ドラム4からファン装置10に接近するにつれて大きくなる。
【0081】
なお、衣類乾燥機Dは、図3に示すように、筐体1内に圧縮機9c及び減圧装置9dを備えており、蒸発器9a、圧縮機9c、凝縮器9b及び減圧装置9dがそれぞれ冷媒配管9eによって順次接続されることによって、ヒートポンプサイクル9が構成されている。この構成によって、蒸発器9a及び凝縮器9bは、加熱乾燥用ダクト6内を流れる空気との間で熱交換することになる。
【0082】
具体的には、図3に示すように、ヒートポンプサイクル9が作動した場合、圧縮機9cから吐出されて高温且つ高圧となったガス冷媒が、凝縮器9bで凝縮された後に減圧装置9dで膨張して低温且つ低圧の液冷媒となり、この液冷媒が、蒸発器9aで蒸発した後に圧縮機9cに戻るようになっており、蒸発器9aを通過する際に生じる気化熱で空気を冷却して除湿すると共に、凝縮器9bを通過する際に生じる凝縮熱で空気を加熱するようになっている。
【0083】
また、図1図2及び図6に示すように、加熱乾燥用ダクト6の下側には、蒸発器9aで発生した凝縮水Wを回収して貯留するための受け皿部11が備えられている。受け皿部11は、上側に向かって開口しており、この開口は、カバーベース6aによって閉塞されている。これにより、加熱乾燥用ダクト6と受け皿部11との間が区画されている。
【0084】
カバーベース6aには、蒸発器9aの直下側において、上下方向に貫通する連通路として形成された、ドレン部としてのドレン孔6bが穿設されており、蒸発器9aで上流側通風路8a内の乾燥用空気を除湿したときに生じる凝縮水Wは、このドレン孔6bを介して、受け皿部11に排出されるようになっている。ここで、カバーベース6aは、蒸発器9aの下側において、ドレン孔6bに近づくに従って、下方に向かうように傾斜しており(図2及び図6参照)、ドレン孔6bの周辺に落下した凝縮水Wを、ドレン孔6bまで導くようになっている。
【0085】
受け皿部11は、ドレン孔6bによって上流側通風路8aに連通されており、ドレン孔6bを介して凝縮水Wを回収するように構成されている。図2及び図6に示すように、受け皿部11の底面11aは、前側から後方に向かうにつれて、下方に向かうように傾斜しており、回収された凝縮水Wが後方に向かって流れるようになっている。さらに、受け皿部11は、図6に示すように、後方に向かうに従って、左右方向の幅が狭くなるように構成されており、後方に向かうにつれて、凝縮水Wの流れが収束するようになっている。
【0086】
そして、この実施形態に係る衣類乾燥機Dは、受け皿部11に回収された凝縮水Wを汲み出すためのポンプ19が収容された、ポンプ室16を備えている。このポンプ室16は、筐体1の後面下部に設けられており、第1連通路12を介して、受け皿部11に連通している。
【0087】
具体的には、図2及び図6に示すように、受け皿部11の後側の壁部(以下、後壁部と記載)11bには、この後壁部11bの下部を貫通するように形成された第1連通路12が設けられており、この第1連通路12によって、受け皿部11の後端とポンプ室16の前端とが一体的に接続されることになる。第1連通路12は、略前後方向に延びる貫通孔として形成されており、受け皿部11とポンプ室16とを各々の底部間で連通させるように形成されている。受け皿部11から流れてきた凝縮水Wは、この第1連通路12によってポンプ室16まで導かれることになる。ここで、図2及び図6に示すように、第1連通路12が受け皿部11内に開口する高さ位置は、ドレン孔6bの下端部よりも低くなるように構成されている。
【0088】
ポンプ室16は、上方に向かって開口しており、図4(a)及び図6に示すように、この開口15を通じて筐体1外の空間に連通するような、横長の略直方体状の空間を区画している。そして、ポンプ室16には、その開口15を略気密状に閉塞するように構成された、着脱可能な蓋部18が取り付けられている。蓋部18は、ポンプ室16の開口15周縁に嵌合可能に形成されており、この蓋部18を開口15に嵌め込むことによって取り付けることができる。さらに、この蓋部18裏面の周縁には、例えばゴム及び軟質樹脂などの可撓性を有する軟質材からなるシール材(図示せず)が取り付けられており、蓋部18を開口15に嵌め込んだときに、開口15を略気密状に閉塞できるようになっている。
【0089】
さらに、図4(b)に示すように、蓋部18の紙面右側には、ポンプ室16に収容された凝縮水Wを汲み出すためのポンプ19が取り付けられており、紙面左側には、ポンプ室16内の水位を検知する水位検知部としての水位センサ21が取り付けられている。さらに、蓋部18の紙面手前側における左右略中央部には、ホース接続口23が形成されている。このホース接続口23には、図1及び図2に示すように、水漏防止ホース24が液密状に挿し込まれている(図4(b)及び図6では省略)。ポンプ19、水位センサ21及び水漏防止ホース24は、それぞれ、蓋部18から個別に取り外すことができるようになっている。
【0090】
ポンプ19は、汲み上げ式の水中ポンプであり、吸水口及び排水口(いずれも不図示)が設けられたポンプケーシング19aを有している。ポンプ19は、吸水口がポンプ室16の底部付近に位置するように且つ、排水口が蓋部18の上側に位置するように蓋部18に固定されている。このポンプ19の作動によって、ポンプ室16内に貯留された凝縮水Wを汲み出すようになっている。
【0091】
また、ポンプ19の排水口には、接続水路としての汲上ホース20(例えば、合成樹脂製)の一端が接続されている。図1に示すように、この汲上ホース20の他端は、別体の貯水タンク25に接続されており、ポンプ室16から汲み上げた凝縮水Wを貯水タンク25に送り込むようになっている。この貯水タンク25は、筐体1内においてドラム4よりも上側に配設されていて、必要に応じて筐体1内から取り出すことができるようになっている。
【0092】
また、貯水タンク25は、受け皿状に形成された貯水タンク用受け皿部26内に設置されており、貯水タンク25から溢れ出た凝縮水Wを、この貯水タンク用受け皿部26に収容するようになっている。貯水タンク用受け皿部26の底部には、図1及び図2に示すように、水漏防止ホース24が接続されており、貯水タンク25から溢れ出た凝縮水Wを、水漏防止ホース24を介してポンプ室16に戻すようになっている。この実施形態に係る衣類乾燥機Dでは、貯水タンク用受け皿部26及び水漏防止ホース24を通じて、ポンプ室16と循環通風路外の空間Aとが連通している。なお、図1では、説明の便宜上、汲上ホース20及び水漏防止ホース24を復路側ダクト7の後側に図示しているが、汲上ホース20及び水漏防止ホース24を復路側ダクト7の左側や右側に設けてもよい。
【0093】
水位センサ21は、蓋部18からポンプ室16内に垂下するように固定された管状のステム21bと、ステム21bに対して所定の範囲内で上下動可能に支持されるフロート21aとを備えており、水位センサ21は、フロート21aの高さ位置に基づいて、水位を検知する。この実施形態に係る衣類乾燥機Dは、不図示の制御部を備えており、この制御部は、水位センサ21によって検知された水位が所定の閾値Lを上回ったときに、ポンプ19を作動させるように構成されている。
【0094】
図2図4(a)及び図6に示すように、カバーベース6aの後端が接続される加熱乾燥用ダクト6の後壁部6hの下端部には、左右方向に横長で、略前後方向に延びる貫通孔として形成された第2連通路17が設けられている。この第2連通路17は、後端がポンプ室16内に開口する一方、前端が上流側通風路8a内に開口していて、受け皿部11内とポンプ室16内との間の差圧を低減するように、上流側通風路8aを、ポンプ室16に連通させている。
【0095】
第2連通路17は、図2及び図6に示すように、第1連通路12がポンプ室16内に開口する高さ位置よりも上方位置で、ポンプ室16内に開口しており、さらに、第2連通路17がポンプ室16及び受け皿部11内に開口する高さ位置は、双方とも、ポンプ19が作動を開始する水位の閾値Lよりも上方位置になるように構成されている。
【0096】
また、第2連通路17は、図2及び図6に示すように、ドレン孔6bよりも直下流側で、上流側通風路8a内に開口している。
【0097】
<衣類乾燥機の運転動作>
次に、本実施形態に係る衣類乾燥機Dの運転動作について説明する。
【0098】
まず、衣類乾燥機Dが運転を開始すると、ドラム回転用モーター、ファン装置10及びヒートポンプサイクル9が作動する。ファン装置10の作動によって、循環通風路8における上流側通風路8aが負圧となる一方で、下流側通風路8bが正圧となるような圧力差が生じる。例えば、ファン装置10の直上流側の気圧は、大気圧よりも300Pa以上低くなる場合がある。ドラム4内の空気は、この差圧に従って、循環通風路8内を乾燥用空気として循環する。
【0099】
具体的には、図1の矢印A1及びA2に示すように、ドラム4内の乾燥用空気は、循環用排気口31を通じて往路側ダクト5内に流入し、筐体1内の前側を下方に向けて流れた後に加熱乾燥用ダクト6内に流入する。
【0100】
そして、図1の矢印A2に示すように、加熱乾燥用ダクト6内に流入した空気は、この加熱乾燥用ダクト6に沿って筐体1内の下側を後方に向かって流れる。加熱乾燥用ダクト6内には、その下流側に向かってヒートポンプサイクル9を構成する蒸発器9aと凝縮器9bとが順次配設されているため、乾燥用空気は、加熱乾燥用ダクト6の通過に伴い、まず、蒸発器9aで冷却除湿された後、凝縮器9bで加熱されて、衣類Cの乾燥に適した状態に調整される。
【0101】
加熱乾燥用ダクト6及び復路側ダクト7には、それぞれファン装置10の吸気口10c及び排気口10dが面しているため、図1の矢印A2及びA3に示すように、加熱乾燥用ダクト6を通過した乾燥用空気は、ファン装置10内を経由して、それから送出された後に、復路側ダクト7に流入する。さらに、図1の矢印A3に示すように、復路側ダクト7に流入した乾燥用空気は、この復路側ダクト7に沿って筐体1内の後側を上方に向けて流れた後に、循環用吸気口32を通じてドラム4内に流入する。
【0102】
前記のような循環工程を繰り返すことによって、乾燥用空気は、衣類乾燥機Dが運転している間、所定の湿度及び温度に保持されることになり、そのことで、ドラム4内の衣類Cが乾燥させられる。なお、衣類乾燥機Dが運転している間、ドラム回転用モーター(図示せず)の駆動によってドラム4が所定の速度で回転されるため、ドラム4内の衣類Cが撹拌され、乾燥用空気がドラム4内の衣類Cに対して偏りなく吹き当てられるようになっている。
【0103】
ここで、前記のような循環工程が繰り返されると、蒸発器9aの表面には、除湿によって発生した水滴状の凝縮水Wが付着する。この付着した凝縮水Wは、滴下した後に、カバーベース6aの傾斜に従ってドレン孔6bに導かれ、該ドレン孔6bから受け皿部11に流れ落ちる。この受け皿部11に流れ落ちた凝縮水Wは、受け皿部11の底面11aに沿って後方に流下して、第1連通路12を介してポンプ室16に供給されて貯留される。
【0104】
前記のような循環工程がさらに繰り返されると、ポンプ室16、第1連通路12及び受け皿部11に収容された凝縮水の水位が上昇する。そして、ポンプ室16内の水位が所定の閾値L以上の水位に達したことを水位センサ21が検知すると、制御部がポンプ19を作動させる。この作動したポンプ19により、ポンプ室16及び受け皿部11に収容された凝縮水Wが汲み上げられ、汲上ホース20を通じて貯水タンク25に送り込まれる。
【0105】
上流側通風路8aは、ドレン孔6bを介して受け皿部11に連通しているため、受け皿部11内の気圧は、上流側通風路8a内の負圧に近づくように、調整されることになる。一方、受け皿部11は、第1連通路12を介してポンプ室16に連通している。ここで、特許文献1に記載の構成のように、ドレン孔6bと第1連通路12とだけを用いて、上流側通風路8aと受け皿部11とポンプ室16とを連通させた場合には、ポンプ室16が受け皿部11を介して上流側通風路8aに連通していることと、循環通風路外の空間A(以下、単に外部Aとも記載)からポンプ室16内に流入する大気とによって、ポンプ室16内の気圧は、受け皿部11内の気圧よりも大きくなる(大気圧に接近する)。しかし、この第1の実施形態に係るポンプ室16は、第2連通路17を備えているため、ポンプ室16内の気圧は、第1連通路12を介した空気の出入りに加えて、さらに、第2連通路17を介した空気の出入りによって、上流側通風路8a内の負圧に近づくように、調整されることになる。そのことで、ポンプ室16内と受け皿部11内との間の差圧が低減される。
【0106】
ここで、ポンプ室16及び受け皿部11に収容された凝縮水Wの水量が増加するにつれて、第1連通路12は、図1及び図2に示すように、凝縮水Wによって閉塞されるものの、第2連通路17は、第1連通路12が閉塞(水没)されたときにも、ポンプ室16と上流側通風路8aとの間の連通を保持するように構成されている。そのため、第1連通路12が水没したときに、第1連通路12を介した空気の出入りが阻まれる一方で、第2連通路17を介した空気の出入りが保たれることになるため、ポンプ室16内と受け皿部11内との間の差圧は、第1連通路12が水没しているときにも、低減されることになる。よって、ポンプ室16内と受け皿部11内との間の差圧の増大を防止して、ポンプ室16内の水位が相対的に高くなり且つ、受け皿部11内の水位が相対的に低くなるように、ポンプ室16内と受け皿部11内との間で生じる凝縮水Wの水位差を抑止することができる。そのことで、ポンプ19を正常に作動させることが可能になり、ひいては凝縮水Wの逆流及び飛散をより確実に防止することができるようになる。
【0107】
以上のことから、第1の実施形態に係る衣類乾燥機Dは、高い風量を有するファン装置10を備えた場合においても、凝縮水Wの逆流や飛散をより確実に防止することができるようになる。すなわち、衣類乾燥機Dに備えるファン装置10の風量を高める上で、有利になる。
【0108】
その上、ポンプ室16と上流側通風路8aとを直接連通させたから、例えばポンプ室16内に大気が流入したときに、そうした大気の少なくとも一部は、上流側通風路8aに吸い込まれるように、第2連通路17を介して上流側通風路8a内に流れ込む。上流側通風路8a内に流れ込んだ大気は、上流側通風路8a内の気圧、ひいては受け皿部11内の気圧を順次増大させることになるから、ポンプ室16内の気圧が大気の流入によって増大したときに、それに応じて、受け皿部11内の気圧も増大させることができる。よって、ポンプ室16内と受け皿部11内との間の差圧の増大を防止することができる。
【0109】
また、ポンプ室16内に大気が流入したときに、第2連通路17を介して上流側通風路8a内に流入させたり、差圧の増大を防止したり、することによって、例えば第1連通路12が水没していないときに、ポンプ室16内に流入した大気が受け皿部11内に収容された凝縮水Wの水面を荒らしてしまい、凝縮水Wを飛散させてしまうのを防止する上で有利になる。
【0110】
なお、不測の事態等により貯水タンク25から溢れ出た凝縮水Wは、貯水タンク25の下側に設置された貯水タンク用受け皿部26上に流れ落ちた後、水漏防止ホース24を通じてポンプ室16に戻るようになっている。
【0111】
また、上流側通風路8aとポンプ室16とを連通させることによって、ポンプ室16内の気圧を、上流側通風路8a内の負圧に近づけるようにしたから、上流側通風路8a内の気圧、ひいては、下流側通風路8b内の気圧の増大を抑止することができる。そのことで、各ダクト5,6,7からの乾燥用空気の漏えいと、それに伴う結露の発生とを防止することができる。
【0112】
また、第2連通路17がポンプ室16内に開口する高さ位置を、第1連通路12がポンプ室16内に開口する高さ位置よりも高くしたから、ポンプ室16内の凝縮水Wが第2連通路17を通って逆流したり、第2連通路17を水没させたり、するのを防止して、第2連通路17による連通を保持する上で、有利になる。
【0113】
また、第2連通路17が上流側通風路8a内に開口する位置を、ドレン孔6bよりもファン装置10の直上流側に近づけるように構成した。具体的には、図1及び図2に示すように、ドレン孔6bがカバーベース6aに設けられているのに対して、第2連通路17は、それよりもファン装置10に近い後壁部6hに形成されている。よって、第2連通路17周辺の気圧は、ドレン孔6bよりもファン装置10に近づいた分だけ、ドレン孔6b周辺の気圧よりも低くなる。これによって、ポンプ室16内部の気圧を低く保ち、ひいてはポンプ室16内の水位を高く保つ上で有利になる。
【0114】
また、第2連通路17がポンプ室16及び受け皿部11内に開口する高さ位置は、双方とも、ポンプ19が作動を開始する水位の閾値Lよりも、上方位置になるように構成されているから、ポンプ室16内の凝縮水Wが第2連通路17を通って逆流したり、第2連通路17を水没させたり、するのを防止して、第2連通路17による連通を保持する上で、有利になる。
【0115】
また、蓋部18によって、ポンプ室16の開口15を略気密状に閉塞するようにしたから、ポンプ室16内への大気の流入を抑止することができる。ゆえに、ポンプ室16内の気圧の増大を抑止して、ひいてはポンプ室16内の水位を高く保つ上で、有利になる。
【0116】
また、冷却装置及び加熱装置として、それぞれヒートポンプサイクル9を構成する蒸発器9a及び凝縮器9bが使用されている。この場合、循環通風路8内を流れる空気の風量の増加に従って、蒸発器9a及び凝縮器9bと乾燥用空気との間の熱交換の効率が向上するから、高い風量を有するファン装置10を設けることによる利点が効果的に得られるようになる。
【0117】
また、受け皿部11と加熱乾燥用ダクト6とは、蒸発器9a及び凝縮器9bを支持しているカバーベース6aにより分離されているため、蒸発器9aの手前側から受け皿部11に流入して受け皿部11を介してファン装置10に流入するような乾燥用空気の流れを防止することができる。
【0118】
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態では、第2連通路17は、第1連通路12がポンプ室16内に開口する高さ位置よりも上方位置で、ポンプ室16内に開口するように構成されていたが、この構成には限定されない。例えばポンプ室16内に立設した壁部によって、ポンプ室16内に流入した凝縮水Wが押し退けられるような空間を区画すると共に、そうした空間を上流側通風路8aに連通させることによって、第2連通路17を構成する、としてもよい。そのように構成することによって、第2連通路17を、第1連通路12がポンプ室16内に開口する高さ位置よりも下方位置で、ポンプ室16内に開口させることができる。
【0119】
また、このように構成することによって、ポンプ19が作動を開始する水位の閾値Lについても、適宜変更することができる。
【0120】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態に係る衣類乾燥機Dについて説明する。この第2の実施形態は、請求項1から請求項3と、請求項6から請求項7と、請求項9から請求項10と、請求項15から請求項18とに記載の構成に係るものであり、図7及び図8に示されている。
【0121】
以下の記載では、第1の実施形態の構成との差異と、その差異によって奏する作用効果とを説明する。
【0122】
図7に示すように、この実施形態に係る第1連通路12は、第1の実施形態に係る第1連通路12よりも、高さ方向の寸法が下方に深く取られており、受け皿部11の後壁部11bには、図8(b)に示すような仕切り部材33が取り付けられている。
【0123】
仕切り部材33は、図8(b)に示すように、上面が開放された略矩形箱状に形成されており、その左右両壁部には、それぞれ、上面から下方に向かって切り欠くことによって形成された、略断面U字状の切欠き33a,33aが設けられている。
【0124】
仕切り部材33は、2つの切欠き33a,33aを、それぞれ後壁部11bに下方から差し込むことによって固定される。そうすると、第1の実施形態に係る第1連通路に相当する連通路は、図7及び図8(a)に示すように、受け皿部11の底面11aとポンプ室16の底面と仕切り部材33の外壁部とによって区画される通水路12と、仕切り部材33の内壁部と後壁部11bとによって区画される通気路17とに区画されることになる。
【0125】
通水路12は、第2の実施形態に係る第1連通路を構成している。すなわち、通水路12は、受け皿部11とポンプ室16とを各々の底部間で連通させて、受け皿部11に収容された凝縮水Wを、ポンプ室16内に導くように構成されている。
【0126】
そして、通気路17は、図7に示すように、左方又は右方から見て、上方に開口した上向きコの字状の通路を形成しており、受け皿部11とポンプ室16との間で通気させるように構成されている。この通気路17は、第2の実施形態に係る第2連通路17を構成しており、ポンプ室16内と受け皿部11内との間の差圧を低減するように、上流側通風路8aを、受け皿部11を介してポンプ室16に連通させている。
【0127】
よって、以下では、通水路12及び通気路17を、それぞれ、「第2の実施形態における第1連通路12及び第2連通路17」、或いは、単に、「第1連通路12及び第2連通路17」と記載する。
【0128】
具体的には、第2の実施形態における第2連通路17は、後端が前記ポンプ室16内に開口する一方、前端が受け皿部11内に開口している。それによって、上流側通風路8aを、受け皿部11を介してポンプ室16に連通させている。
【0129】
そして、第2連通路17の両端は、双方とも、上方に向けて開口しており、それぞれ、第1連通路12がポンプ室16内及び受け皿部11内に開口する高さ位置よりも、上方位置で開口している。
【0130】
また、第2連通路17の両端は、双方とも、ポンプ19が作動を開始する水位の閾値Lよりも上方位置で開口している。
【0131】
よって、第2の実施形態に係る衣類乾燥機Dが運転を開始すると、第1連通路12又は第2連通路17を介した、ポンプ室16と受け皿部11との間で行われる空気の出入りによって、ポンプ室16内の気圧は、受け皿部11内の負圧に近づくように、調整されることになる。一方で、受け皿部11内の気圧も、第1の実施形態と同様に、ドレン孔6bを介した連通によって、上流側通風路8a内の負圧に近づくように、調整されることになる。第1の実施形態と同様に、ポンプ室16及び受け皿部11に収容された凝縮水Wの水量が増加するにつれて、第1連通路12は、凝縮水Wによって閉塞される一方、第2連通路17は、第1連通路12が閉塞されたときに、ポンプ室16と受け皿部11との間の連通を保持するように構成されている。そのため、図7に示すように、第1連通路12が水没したときに、第1連通路12を介した空気の出入りが阻まれる一方で、第2連通路17を介した空気の出入りが保たれることになるため、ポンプ室16内と受け皿部11との間の差圧は、第2連通路17を介した空気の出入りによって、低減されることになる。よって、ポンプ室16内と受け皿部11内との間の差圧の増大を防止して、ポンプ室16内と受け皿部11内との間で生じる凝縮水Wの水位差を抑止することができる。そのことで、ポンプ19を正常に作動させることが可能になり、ひいては凝縮水Wの逆流及び飛散を防止することができるようになる。
【0132】
以上のことから、第2の実施形態に係る衣類乾燥機Dは、第1の実施形態に係る衣類乾燥機Dと同様に、高い風量を有するファン装置10を備えた場合においても、凝縮水Wの逆流や飛散をより確実に防止することができるようになる。すなわち、衣類乾燥機Dに備えるファン装置10の風量を高める上で、有利になる。
【0133】
その上、ポンプ室16と上流側通風路8aとを、受け皿部11を介して連通させたから、第1の実施形態と同様に、上流側通風路8a内の気圧、ひいては、下流側通風路8b内の気圧の増大を抑止して、各ダクト5,6,7からの乾燥用空気の漏えいと、それに伴う結露の発生とを防止することができる。
【0134】
さらに、第2の実施形態に係る第2連通路17は、ポンプ室16と受け皿部11との間で空気を出入りさせるように構成されているから、上流側通風路8a内を流れる乾燥用空気の流れA2を阻害しないようにする上で、有利になる。
【0135】
また、後壁部11bに取り付けた仕切り部材33によって、第2の実施形態に係る第1連通路12と、第2の実施形態に係る第2連通路17とを構成するようにしているから、循環通風路8を形成するダクト5,6,7まわりの設計変更を最小限に留めることによって部品の共通化を図り、製造コストを抑止する上で、有利になる。
【0136】
また、第2連通路17の両端の高さ位置を、双方とも、第1連通路12よりも高く構成したから、ポンプ室16内の凝縮水Wが第2連通路17を通って逆流したり、第2連通路17を水没させたり、するのを防止して、第2連通路17による連通を保持する上で、有利になる。
【0137】
また、第2連通路17両端の開口を、双方とも、上方に向けるように構成したから、これらの開口を、下方又は前後左右に向けた構成と比較すると、凝縮水Wが第2連通路17を通って逆流したり、第2連通路17を水没させたり、するのを防止して、第2連通路17による連通を保持する上で、さらに有利になる。
【0138】
また、第2連通路17の両端は、双方とも、ポンプ19が作動を開始する水位の閾値Lよりも上方位置で開口しているから、凝縮水Wが第2連通路17を通って逆流したり、第2連通路17を水没させたり、するのを防止して、第2連通路17による連通を保持する上で、さらに有利になる。
【0139】
(第2の実施形態の第1変形例)
以下、第2の実施形態の第1変形例について説明する。この変形例は、請求項1から請求項3と、請求項6から請求項8と、請求項10と、請求項15から請求項18とに記載の構成に係るものであり、図9及び図10に示されている。
【0140】
図9図10(a)及び図10(b)に示すように、この変形例に係る第1連通路12には、管状の管路部としてのチューブ34が挿通され且つ固定されており、この変形例における第2連通路17は、このチューブ34によって区画されている。
【0141】
この変形例における第2連通路17は、図9に示すように、紙面手前側から見て略断面U字状に形成されており、第2の実施形態における第2連通路17と同様に、一端が前記ポンプ室16内に開口する一方、他端が受け皿部11内に開口しており、その両端は、双方とも、上方に向けて開口している。この第2連通路17の両端は、それぞれ、第1連通路12がポンプ室16及び受け皿部11内に開口する高さ位置よりも、上方位置に開口している。
【0142】
この変形例に係る衣類乾燥機Dは、前記第2の実施形態と同様に、高い風量を有するファン装置10を備えた場合においても、凝縮水Wの逆流及び飛散をより確実に防止することができるようになる。すなわち、衣類乾燥機Dに備えるファン装置10の風量を高める上で、有利になる。
【0143】
また、この変形例では、第1連通路12に挿通したチューブ34によって、第2連通路17を区画するようにしたから、循環通風路8を形成するダクト5,6,7まわりの設計変更を最小限に留めることによって、部品の共通化を図り、製造コストを抑止する上で、有利になる。
【0144】
(第2の実施形態の第2変形例)
第2の実施形態、及び、該実施形態の第1変形例では、仕切り部材33を取り付けたり、チューブ34を挿通したり、することによって、一端が前記ポンプ室16内に開口する一方、他端が受け皿部11内に開口するような第2連通路17を構成していたが、これらの構成には限定されない。例えば図11に示すように、後壁部11bに貫通孔を設けることによって、そうした第2連通路17を構成してもよい。
【0145】
(第2の実施形態のさらなる変形例)
第2の実施形態では、仕切り部材33の一例として、受け皿部11の後壁部11bに挿し込んで取り付けるように構成された、略矩形箱状の部材について説明したが、仕切り部材33の形態は、これに限定されない。例えば、第1連通路12付近に立設した壁部によって、第1連通路12を流れる凝縮水Wが押し退けられるような空間を区画すると共に、そうした空間を、受け皿部11とポンプ室16とに連通させることによって、第2連通路17を区画する、としてもよい。
【0146】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態に係る衣類乾燥機Dについて説明する。この第3の実施形態は、請求項1と、請求項11から請求項13と、請求項15から請求項18とに記載の構成に係るものであり、図12から図13に示されている。
【0147】
図12図13(a)及び図13(b)に示すように、この実施形態における第2連通路17は、第1〜第3の実施形態に係る第2連通路17とは異なり、受け皿部11内とポンプ室16との間の差圧を低減するように、上流側通風路8aを、循環通風路外の空間Aに連通させている。
【0148】
具体的に、カバーベース6aの後端が接続される加熱乾燥用ダクト6の後壁部6hには、貫通孔が設けられており、この貫通孔によって区画される第2連通路17は、後端が大気に開放される一方、前端が上流側通風路8a内に開口している。具体的に、第2連通路17の後端は、図13(a)及び図13(b)に示すように、ポンプ室16付近における、筐体1の後面に開口しており、これによって、上流側通風路8aを、筐体1外における、循環通風路外の空間Aに連通させている。
【0149】
また、第2連通路17は、ドレン孔6bよりも直下流側で、上流側通風路8a内に開口している。
【0150】
よって、第3の実施形態に係る衣類乾燥機Dが運転を開始すると、上流側通風路8a内を負圧にする一方で、下流側通風路8b内を正圧にするような圧力差が発生するものの、第2連通路17を経由するような、循環通風路外の空間Aから上流側通風路8aに流入する大気によって、上流側通風路8a内の気圧は、大気圧に近づくように、調整されることになる。一方で、受け皿部11内の気圧も、ドレン孔6bを介した上流側通風路8aとの間の連通によって、大気圧に近づくように、調整されることになる。ここで、ポンプ室16内の気圧は、ポンプ室16が受け皿部11を介して上流側通風路8aに連通していることと、外部Aからポンプ室16内に流入する大気とによって、受け皿部11内の気圧よりも大きくなる(大気圧に接近する)。しかし、この場合、受け皿部11内の気圧は、第2連通路17を設けたことによって、大気圧に接近するように調整されているから、ポンプ室16内と受け皿部11内との間の差圧が低減される。
【0151】
ここで、ポンプ室16及び受け皿部11に収容された凝縮水Wの水量が増加するにつれて、第1連通路12は、図12に示すように、凝縮水Wによって閉塞されるものの、第2連通路17は、第1の実施形態と同様に、第1連通路12が閉塞されたときにも、循環通風路外の空間Aと上流側通風路8aとの間の連通を保持するように構成されている。そのため、第1連通路12が水没したときに、第1連通路12を介した空気の出入りが阻まれる一方で、第2連通路17からの大気の流入が保たれることになるから、ポンプ室16内と受け皿部11内との間の差圧は、第1連通路12が水没しているときにも、低減されることになる。よって、第1連通路12が水没したときに、ポンプ室16内と受け皿部11内との間の差圧の増大を防止して、ポンプ室16内と受け皿部11内との間に生じる凝縮水Wの水位差を抑止することができる。そのことで、ポンプ19を正常に作動させることが可能になり、ひいては凝縮水Wの逆流及び飛散をより確実に防止することができるようになる。
【0152】
以上のことから、第3の実施形態に係る衣類乾燥機Dは、第1の実施形態に係る衣類乾燥機Dと同様に、高い風量を有するファン装置10を備えた場合においても、凝縮水Wの逆流や飛散をより確実に防止することができるようになる。すなわち、衣類乾燥機Dに備えるファン装置10の風量を高める上で、有利になる。
【0153】
その上、上流側通風路8aを大気に開放することによって、上流側通風路8a内の気圧と受け皿部11内の気圧とを、それぞれ、大気圧に近づけるようにしたから、ポンプ室16内の気圧を、大気圧付近に保つことができるようになる。そのことで、ポンプ19の負荷を低減する上で、有利になる。
【0154】
例えば、ポンプ室16内の気圧を比較的高く保つことによって、貯水タンク25内とポンプ室16内との間の差圧も低減することができる。ここで、ファン装置10の作動によって、ポンプ室16内の気圧の方が、貯水タンク25内の気圧よりも低くなるものの、第2連通路17を備えたことによって、そうしたポンプ室16内と貯水タンク25内との間の差圧を低減することができるようになる。そのことで、ポンプ19の負荷を低減し、ひいては凝縮水Wの汲み出しを良好に行う上で、有利になる。
【0155】
また、ポンプ室16内の気圧を負圧に近づける構成と比較すると、ポンプ室16内の気圧を相対的に大気圧付近に保つことによって、循環通風路外の空間Aとポンプ室16内との間の差圧も相対的に低減されるから、外部Aからポンプ室16内に大気が流入するのを抑止する上でも、有利になる。よって、例えば第1連通路12が水没していないときに、ポンプ室16内に流入した大気が受け皿部11に収容された凝縮水Wの水面を荒らしてしまい、凝縮水Wを飛散させてしまうのを防止する上でも有利になる。
【0156】
さらに、上流側通風路8aと循環通風路外の空間Aとを直接連通させたから、外部Aから流入した大気は、受け皿部11を経由せずに、第2連通路17を通って、上流側通風路8a内に直接流れ込むようになる。よって、第2連通路17を通って流入した大気が受け皿部11に収容された凝縮水Wの水面を荒らしてしまい、凝縮水Wを飛散させてしまうのを防止する上で有利になる。
【0157】
また、上流側通風路8aと循環通風路外の空間Aとを直接連通させたから、ポンプ室16内に貯留された凝縮水Wの水位が増加したときに、その凝縮水Wが第2連通路17を通って逆流したり、第2連通路17を水没させたり、するのを防止することができる。
【0158】
また、第2連通路17は、ドレン孔6bよりも直下流側で、上流側通風路8a内に開口しているから、第2連通路17は、ドレン孔6bよりもファン装置10の直上流側に接近するように設けられることになる。そのことで、第2連通路17付近の上流側通風路8a内と循環通風路外の空間A内との間の差圧が大きく取られることになって、上流側通風路8a内の気圧を、比較的速やかに大気圧に接近させて、ポンプ室16内と受け皿部11内との間の差圧を比較的速やかに低減する上で、有利になる。
【0159】
(第3の実施形態の変形例)
以下、第3の実施形態の変形例に係る衣類乾燥機Dについて説明する。この第3の実施形態の変形例は、前記第3の実施形態と同様に、請求項1と、請求項11から請求項13と、請求項15から請求項18とに記載の構成に係るものであり、図14及び図15に示されている。
【0160】
前記第3の実施形態では、第2連通路17は、図12図13(a)及び図13(b)に示すように、筐体1外に開口するように構成されていたが、これに代えて、図14に示すように、筐体1内に開口するように構成してもよい。これによって、図15に示すように、第2連通路17は、筐体1の後面には開口しないように構成されることになる。
【0161】
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態に係る衣類乾燥機Dについて説明する。この第4の実施形態は、請求項1と、請求項11と、請求項14と、請求項15から請求項18とに記載の構成に係るものであり、図16に示されている。
【0162】
図16に示すように、この実施形態における第2連通路17は、受け皿部11内とポンプ室16との間の差圧を低減するように、上流側通風路8aを、受け皿部11を介して、筐体1内における循環通風路外の空間Aに連通させている。
【0163】
具体的に、受け皿部11の後壁部11bには、貫通孔が設けられており、この貫通孔によって区画される第2連通路17は、後端が大気に開放される一方、前端が受け皿部11内に開口している。具体的に、第2連通路17の後端は、図16に示すように、ポンプ室16付近における、筐体1の後面に開口しており、これによって、上流側通風路8aを、筐体1外における、循環通風路外の空間Aに連通させている。
【0164】
第2連通路17が受け皿部11内に開口する高さ位置は、第1連通路12が受け皿部11内に開口する高さ位置よりも上方位置になるように且つ、ポンプ19が作動を開始する水位の閾値Lよりも上方位置になるように構成されている。
【0165】
よって、第4の実施形態に係る衣類乾燥機Dが運転を開始すると、上流側通風路8a内を負圧にする一方で、下流側通風路8b内を正圧にするような圧力差が発生するものの、第2連通路17を介した、循環通風路外の空間Aから受け皿部11内に流入する大気によって、受け皿部11内の気圧は、大気圧に近づくように、調整されることになる。ここで、ポンプ室16内の気圧は、第3の実施形態と同様に、ポンプ室16が受け皿部11を介して上流側通風路8aに連通していることと、外部Aからポンプ室16内に流入する大気とによって、受け皿部11内の気圧よりも大きくなる(大気圧に接近する)。しかし、この場合、受け皿部11内の気圧は、第2連通路17を設けたことによって、大気圧に接近するように調整されているから、ポンプ室16内と受け皿部11内との間の差圧が低減される。
【0166】
ここで、ポンプ室16及び受け皿部11に収容された凝縮水Wの水量が増加するにつれて、第1連通路12は、図16に示すように、凝縮水Wによって閉塞されるものの、第2連通路17は、第1〜第3の実施形態と同様に、第1連通路12が閉塞されたときにも、循環通風路外の空間Aと受け皿部11との間の連通を保持するように構成されている。そのため、第1連通路12が水没したときに、第1連通路12を介した空気の出入りが阻まれる一方で、第2連通路17からの大気の流入が保たれることになるため、ポンプ室16内と受け皿部11内との間の差圧は、第1連通路12が水没しているときにも、低減されることになる。よって、第1連通路12が水没したときに、ポンプ室16内と受け皿部11内との間の差圧の増大を防止して、ポンプ室16内と受け皿部11内との間に生じる凝縮水Wの水位差を抑止することができる。そのことで、ポンプ19を正常に作動させることが可能になり、ひいては凝縮水Wの逆流及び飛散をより確実に防止することができるようになる。
【0167】
以上のことから、第4の実施形態に係る衣類乾燥機Dは、第1の実施形態に係る衣類乾燥機Dと同様に、高い風量を有するファン装置10を備えた場合においても、凝縮水Wの逆流や飛散をより確実に防止することができるようになる。すなわち、衣類乾燥機Dに備えるファン装置10の風量を高める上で、有利になる。
【0168】
その上、受け皿部11を大気に開放することによって、受け皿部11内の気圧を大気圧に近づけるようにしたから、ポンプ室16内の気圧を、大気圧付近に保つことができるようになる。そのことで、第3の実施形態と同様に、ポンプ19の負荷を低減する上で、有利になる。
【0169】
また、第3の実施形態と同様に、循環通風路外の空間Aとポンプ室16内との間の差圧も低減されるから、外部Aからポンプ室16内に大気が流入するのを抑止する上でも、有利になる。よって、例えば第1連通路12が水没していないときに、ポンプ室16内に流入した大気が受け皿部11に収容された凝縮水Wの水面を荒らしてしまい、凝縮水Wを飛散させてしまうのを防止する上でも有利になる。
【0170】
また、この第4の実施形態に係る第2連通路17は、受け皿部11と循環通風路外の空間Aとの間で空気を出入りさせるように構成されているから、上流側通風路8aを流れる乾燥用空気の流れA2を阻害しないようにする上で、有利になる。
【0171】
また、第2連通路17が受け皿部11内に開口する高さ位置は、第1連通路12が受け皿部11内に開口する高さ位置よりも上方位置になるように且つ、ポンプ19が作動を開始する水位の閾値Lよりも上方位置になるように構成されているから、受け皿部11内に収容された凝縮水Wが第2連通路17を流れたり、第2連通路17を水没させたり、するのを防止して、第2連通路17による連通を保持する上で、有利になる。
【0172】
(第4の実施形態の変形例)
以下、第4の実施形態の変形例に係る衣類乾燥機Dについて説明する。この変形例は、前記第4の実施形態と同様に、請求項1と、請求項11と、請求項14と、請求項15から請求項18とに記載の構成に係る。
【0173】
第4の実施形態では、第2連通路17は、図16に示すように、筐体1外に開口するように構成されていたが、これに代えて、筐体1内に開口するように構成してもよい。
【0174】
(他の実施形態)
以下、前記実施形態全てに共通の変形例について説明する。これらの変形例は、請求項1から請求項18に記載の構成に係る。
【0175】
各実施形態において、第1連通路12、第2連通路17及びドレン孔6bについて、各々の流路断面積や流路長を適宜変更してもよい。それによって、ポンプ室16内、受け皿部11内、及び上流側通風路8a内との間の差圧の大きさを、それぞれ調整することができる。こうした調整によって、例えば、受け皿部11内の気圧よりも、ポンプ室16内の気圧を低くするように構成することができる。その場合、受け皿部11内の水位よりもポンプ室16内の水位の方が高くなるものの、水位センサ21による検知結果を受けてポンプ19が適宜作動するため、凝縮水Wの逆流及び飛散を招くことはない。
【0176】
また、第1〜第4の実施形態に係る第2連通路17を、互いに組み合わせて構成してもよい。
【0177】
また、第1〜第4の実施形態に係る第2連通路17の形状や構成についても、前記の形態には限定されない。例えば、第4の実施形態において、受け皿部11と循環通風路外の空間Aとを、貫通孔ではなく、後壁部11bに挿通したチューブによって連通させてもよい。
【0178】
また、ポンプ室16、受け皿部11及び上流側通風路8a内に異物が混入するのを防止すべく、第2連通路17の開口に網状の部材を取り付けてもよい。
【0179】
また、第2連通路17を開閉可能な制御弁を設けてもよい。その場合、そうした制御弁を、例えば、ポンプ室16又は受け皿部11内の水位や気圧に基づいて開閉させてもよいし、乾燥工程を開始してから所定時間が経過するまで閉塞させるように構成してもよい。
【0180】
また、図6に示すように、筐体1の後面に、ポンプ室を閉じる蓋部18とは別の後面側蓋部36を取り付けるようにしてもよい。この後面側蓋部36は、蓋部18と同様に、着脱可能に構成されており、ポンプ室16内の気密性を高めたり、ポンプ室16内に異物が入り込むのを防止したり、することができる。また、前記第3の実施形態、及び、前記第4の実施形態のように、第2連通路17の後端が筐体1の後面に開口している場合には、後面側蓋部36を設けることによって、第2連通路17を介して、上流側通風路8a又は受け皿部11内に異物が入り込むのを防止することができる。
【0181】
また、ドレン孔6bの数、配置、形態等についても、適宜変更することができる。例えば、蒸発器9a又は凝縮器9bの直下部に別のドレン孔を設けてもよい。
【0182】
また、前記実施形態では、着脱可能な蓋部18によってポンプ室16の開口15を閉塞するようにしたが、その構成には限定されない。例えば、蓋部18とポンプ室16とを一体的に接合してもよい。
【0183】
なお、汲上ホース20の他端を貯水タンク25以外に接続してもよく、例えば、汲上ホース20を直接家庭の排水配管等に接続し、該排水配管等に排水を流すようにしてもよい。また、水位センサ21は、上位フロート式のセンサに限定されず、他方式の水位検知手段を使用してもよい。例えば、電極式センサ等を使用することができる。
【0184】
第1〜第4の実施形態では、冷却装置及び加熱装置として、それぞれヒートポンプサイクル9を構成する蒸発器9a及び凝縮器9bを使用したが、この構成に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、蒸発器9aの代わりに空冷式熱交換器27を使用して、凝縮器9bに代えて電熱ヒーター28を使用してもよい。この場合における電熱ヒーター28は、下流側通風路8bに配設される。そうすることによって、電熱ヒーター28が空冷式熱交換器27の作動に及ぼす影響を低減することができる。
【0185】
第1〜第4の実施形態では、衣類Cのための衣類乾燥機Dについて説明したが、衣類以外のものを乾燥の対象とすることもできる。
【符号の説明】
【0186】
A 循環通風路外の空間
C 衣類(乾燥対象物)
D 衣類乾燥機(乾燥機)
W 凝縮水
4 ドラム(対象物収容部)
6b ドレン孔(連通部)
8 循環通風路
8a 上流側通風路
8b 下流側通風路
9 ヒートポンプサイクル
9a 蒸発器(冷却装置)
9b 凝縮器(加熱装置)
10 ファン装置
11 受け皿部
12 第1連通路
15 開口
16 ポンプ室
17 第2連通路
18 蓋部
19 ポンプ
33 仕切り部材
34 チューブ
図1
図2
図3
図5
図6
図7
図9
図11
図12
図14
図16
図4
図8
図10
図13
図15