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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-214783(P2016-214783A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20161125BHJP
【FI】
   A63F5/04 516C
   A63F5/04 512D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-106503(P2015-106503)
(22)【出願日】2015年5月26日
(71)【出願人】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110001988
【氏名又は名称】特許業務法人小林国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 卓也
【テーマコード(参考)】
2C082
【Fターム(参考)】
2C082AA02
2C082AB12
2C082AC14
2C082AC32
2C082AC52
2C082AC64
2C082AC65
2C082AC77
2C082AC82
2C082BA03
2C082BA07
2C082BA12
2C082BA22
2C082BA32
2C082BA35
2C082BA38
2C082BB02
2C082BB16
2C082BB17
2C082BB78
2C082BB83
2C082BB85
2C082BB93
2C082BB96
2C082CA02
2C082CA24
2C082CB04
2C082CB23
2C082CB33
2C082CB49
2C082CB50
2C082CC01
2C082CC12
2C082CD12
2C082CD19
2C082CD51
2C082DA52
2C082DA54
2C082DA64
(57)【要約】
【課題】遊技状態に対応した有利不利を発現させることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】スロットマシンでは、ATモードにおいて特別小役が当選すると、ATモードの種別を判定し、高純増モードである場合は、高確率テーブルを用いて報知抽選を行い、低純増モードである場合は、低確率テーブルを用いて報知抽選を行う。そして、報知抽選に当選した場合は、特別小役を入賞させるための特別打順を報知する。遊技者は、この報知に従って遊技を行うことで特別小役を入賞させてメダルの払い出しを受けることができる。高確率テーブルは低確率テーブルよりも報知抽選に当選する報知確率が高く設定されている。これにより、高純増モードでは、低純増モードよりも純増数が多くなる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
規定のベット数の遊技媒体をベットすることで遊技開始可能となり、遊技開始に伴って外周に複数種類の図柄が配列されたリールが回転を開始するとともに当選役抽選が実行されて複数種類の当選役のいずれかまたはハズレが決定され、リールが停止したときに当選役抽選で決定された当選役に対応する図柄組み合わせが表示されることによりこの当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する入賞処理が実行される遊技機において、
前記当選役として、入賞した場合に予め設定された払い出し数の遊技媒体の払い出しが行われる小役が設けられており、
前記当選役抽選で前記小役の一種である特別小役が決定されることを含む所定条件を満たした場合に、前記特別小役を入賞させるための遊技手順を報知するアシスト手段と、
遊技1回あたりに見込まれる払い出し数から、遊技1回あたりのベット数を差し引いた値である差分値を可変させる差分値可変手段と、を備え、
前記差分値可変手段は、前記アシスト手段を制御し、前記報知の有無と前記報知の態様との少なくともいずれかを遊技状態に対応して可変させて遊技1回あたりに見込まれる払い出し数を可変させることにより、遊技状態に対応して前記差分値を可変させることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置されるスロットマシンなどの遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店などに設置される遊技機としてスロットマシンが広く知られている。スロットマシンでは、規定のベット数の遊技媒体(メダル)を投入(ベット)することによって遊技開始可能となり、遊技開始に伴って外周に複数種類の図柄が配列されたリールが回転を開始するとともに、内部抽選テーブルを用いた当選役抽選が行われて複数種類の当選役のいずれかまたはハズレが決定される。
【0003】
回転中のリールは、ストップボタンを操作することで停止させることが可能であり、リールが停止した際に当選役抽選で決定された当選役に対応する図柄組合せが表示されるとこの当選役が入賞となる、そして、当選役が入賞すると、入賞した当選役に対応付けされた特典が付与される。特典としては、例えば、メダルの払い出しなどが挙げられる。
【0004】
遊技機では、様々な遊技状態で遊技が行われ、このような遊技状態の1つとして、アシストタイム(AT)モードが知られている。ATモードでは、当選役抽選に当選した当選役を報知したり、当選役抽選で当選した当選役を入賞させるためのストップボタンの押し順を報知するなど、当選役を入賞させるためのアシストが行われ、アシストの無い遊技状態と比較して遊技者にとって有利となる。
【0005】
また、下記特許文献1には、モード中に払い出された遊技媒体の総払い出し数が上限に達すると終了するボーナスモードにおいて、総払い出し数が上限に近づくほどアシストの正確性を低下させて払い出しを受け難くすることにより、ボーナスモードを長期化する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−164568
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1記載の遊技機は、ボーナスモードを長期化させるために、アシストの正確性を調整するものであり、ボーナスモードにおいて獲得できる遊技媒体の総数については変化しない。すなわち、アシストの正確性が変化しても、ボーナスモードの有利不利は変化しない。このため、遊技者のなかには、いたずらに遊技が長期化してしまうことを嫌う者もあった。
【0008】
本発明は上記背景を鑑みてなされたものであり、遊技1回あたりに見込まれる払い出し数から遊技1回あたりのベット数を差し引いた値である差分値を、遊技状態に応じて変化させることにより、遊技状態に対応した有利不利を発現させることが可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、規定のベット数の遊技媒体をベットすることで遊技開始可能となり、遊技開始に伴って外周に複数種類の図柄が配列されたリールが回転を開始するとともに当選役抽選が実行されて複数種類の当選役のいずれかまたはハズレが決定され、リールが停止したときに当選役抽選で決定された当選役に対応する図柄組み合わせが表示されることによりこの当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する入賞処理が実行される遊技機において、前記当選役として、入賞した場合に予め設定された払い出し数の遊技媒体の払い出しが行われる小役が設けられており、前記当選役抽選で前記小役の一種である特別小役が決定されることを含む所定条件を満たした場合に、前記特別小役を入賞させるための遊技手順を報知するアシスト手段と、遊技1回あたりに見込まれる払い出し数から、遊技1回あたりのベット数を差し引いた値である差分値を可変させる差分値可変手段と、を備え、前記差分値可変手段は、前記アシスト手段を制御し、前記報知の有無と前記報知の態様との少なくともいずれかを遊技状態に対応して可変させて遊技1回あたりに見込まれる払い出し数を可変させることにより、遊技状態に対応して前記差分値を可変させることを特徴としている。
【0010】
前記報知は、当選役抽選で決定された当選役を入賞させるためのリールの停止順序を報知するものでもよいし、当選役抽選で決定された当選役を入賞させるためのリールの停止タイミングを報知するものでもよい。
【0011】
前記差分値可変手段は、遊技状態に応じて、前記報知の実行確率を決定するものでもよい。
【0012】
前記アシスト手段は、前記報知が実行された場合に、前記特別小役を入賞させることが可能な確率が高い第1報知と、前記確率が第1報知よりも低い第2報知とを実行し、前記差分値可変手段は、遊技状態に応じて、前記第1、第2報知の実行確率を決定するものでもよい。
【0013】
前記特別小役は複数種類設けられており、前記差分値可変手段は、遊技状態に応じて、前記報知を行う特別小役の種類を可変させるものでもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、当選役を入賞させるためのアシスト(報知)の有無や態様を遊技状態に応じて変化させて差分値を可変させることにより有利不利を発現させるといった新たな遊技性を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】スロットマシンの外観図である。
図2】遊技状態の変移図である。
図3】スロットマシンの電気的な構成を示すブロック図である。
図4】純増数を可変させる手順を示すフローチャートである。
図5】純増数を可変させる手順を示すフローチャートである。
図6】各当選エリアの当選確率と正解打順との関係を示す説明図である。
図7】当選エリア毎に高確率テーブルを設けた例を示す説明図である。
図8】遊技モードと報知を行う当選役との対応関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
図1に示すように、本発明の第1実施形態のスロットマシン(遊技機)10は、収納箱11と、前面扉12とを備えている。収納箱11には、後述する第1〜第3リール20a〜20cがユニット化されたリールユニットや、後述する払い出し口27を介してメダル受け皿28にメダルの払い出しを行うホッパ装置などが収納されている。前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12a及び下扉12bはそれぞれ収納箱11に軸着され、開閉自在に支持されている。
【0017】
上扉12aには、液晶ディスプレイ13、スピーカ14などの演出装置、及び、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出画像を表示する。また、スピーカ14は、各種演出音を出力する。スロットマシン10は、これら液晶ディスプレイ13、及び、スピーカ14を制御することによって遊技を演出する。なお、演出装置は液晶ディスプレイやスピーカに限定されない。ランプなどの電飾装置、アクチュエータやモータなどで駆動される可動式の役物などを演出装置として設け、これらを演出に用いてもよい。
【0018】
表示窓16の奥には、回転自在な第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cが設けられている。リール20a〜20cの外周面には複数種類の図柄が配列されており、リール20a〜20cが停止すると表示窓16を通して1リールあたり3個の図柄が表示される。スロットマシン10では、遊技開始に伴ってリール20a〜20cが回転を開始し、リール20a〜20cの回転が停止した際に予め設定された当選役に対応する図柄組合せが表示されることによって当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理が行われる。
【0019】
スロットマシン10では、当選役として、リプレイ、小役、ボーナスの3種類が設けられている。そして、リプレイが入賞すると、再遊技処理が実行される。再遊技処理は、リプレイが入賞した遊技にベットした数(ベット数)と同数のメダルを、次回の遊技に対して自動的、すなわち、後述するメダル投入口22へのメダルの投入や1ベットボタン23aやMAXベットボタン23bの操作無しにベットする処理である。また、小役が入賞すると、入賞した小役の種類に対応した枚数(払い出し数)のメダルを払い出す払い出し処理が行われる。さらに、ボーナスが入賞すると、ボーナス状態へと移行させる遊技状態移行処理が行われる。
【0020】
なお、ボーナスは、当選役抽選に当選した回の遊技で入賞させることができなかった場合でも次回以降の遊技に入賞の権利が持ち越される。一方、小役は、当選役抽選に当選した回の遊技で入賞させることができなければ入賞の権利が消滅し、いわゆる取りこぼしとなる。また、リプレイは、取りこぼしとはならないように設計(図柄の配列や後述する停止制御の内容が決定)されている。
【0021】
また、スロットマシン10では、小役として、特別小役が設けられている。特別小役は、他の小役と重複当選するようになっている(後述する内部抽選テーブルにおいて他の小役と共通の当選エリアに割り当てられている)。そして、特別小役と他の小役が重複当選した状態では、予め設定された特別打順でストップボタン26a〜26cが操作されると、特別小役が入賞するようにリール20a〜20cの停止制御が行われ、特別打順以外の打順でストップボタン26a〜26cが操作されると、他の小役が入賞するようにリール20a〜20cの停止制御が行われる。
【0022】
さらに、スロットマシン10では、特別小役と他の小役が重複当選となる当選エリアが複数設けられ、当選エリア毎に特別打順が異なっている。これにより、後述する報知が無い状態(特別打順を知らない状態)では、特別小役を入賞させることが難しくなっている。なお、本実施形態では、特別小役が入賞した場合の方が他の小役が入賞した場合よりも払い出されるメダルの枚数を多く設定することにより、特別小役を入賞させる方が他の小役を入賞させるよりも遊技者にとって有利となるようにしている。
【0023】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルを1枚ずつベットするための1ベットボタン23a、クレジットされたメダルをベット可能な上限数まで一括でベットするためのMAXベットボタン23b、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン26a〜26c、メダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。
【0024】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルを投入してこのメダルをベット、または、1ベットボタン23aやMAXベットボタン23bを操作してクレジットされたメダルをベットすることで、スタートレバー24の操作が有効化され、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、内部抽選テーブルを用いた当選役抽選が行われて複数種類の当選役のいずれかまたはハズレが決定されるとともに、リール20a〜20cが回転を開始する。
【0025】
回転を開始したリール20a〜20cは、回転速度が一定速度に到達するまで加速され、回転速度が一定速度に到達すると一定速度のまま継続して回転する定常回転となる。リール20a〜20cが定常回転となると、ストップボタン26a〜26cの操作が有効化され、有効化されたストップボタン26a〜26cを操作することによって、操作されたストップボタンに対応するリールを停止させることができる。そして、全てのリール20a〜20cが停止された際に当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、メダルの払い出しなどが行われる。
【0026】
図2に示すように、スロットマシン10では、通常モードで遊技が開始され、通常モード中にボーナスが入賞するとボーナスモードへと移行し、ボーナスモードが終了するとATモードへと移行する。また、スロットマシン10では、通常モード中に前述した当選役抽選とは別にATモード移行抽選が行われ、このATモード移行抽選に当選すると、通常モードからボーナスモードを介さずに、直接、ATモードへと移行する。
【0027】
ATモードには、高純増モードと低純増モードとの2種類のモードが設けられ、高純増モードの方が低純増モードよりも純増数、すなわち、遊技1回あたりに見込まれる払い出し数から遊技1回あたりのベット数を差し引いた値である差分値が大きく設定されている。これら2種類のATモードのいずれへ移行させるかは、抽選や遊技状態に応じて決定される。また、ボーナスモードでは、格上げ抽選が行われ、低純増モードへの移行が決定されている場合に格上げ抽選に当選すると、ボーナスモードの終了後に移行するATモードが高純増モードへと格上げされる。なお、高純増モードへと移行することが決定されている場合に格上げ抽選に当選すると、ボーナスモード終了後に移行するATモードでの遊技数に所定数を加算する上乗せが行われる。
【0028】
ATモードでは、特別小役が当選したときに、特別打順が報知される場合が設けられており、これにより通常モードよりも有利に遊技を進めることができる。ATモードは、所定回数の遊技(例えば、50回の遊技)が実行されると終了し、通常モードへと戻る。ただし、ATモード中にボーナスが当選するなどして再度ボーナスモードへ移行させることが決定された場合は、ATモードの終了後にボーナスモードへと移行される。また、ATモードでは、前述した上乗せを行うか否かが、例えば、遊技毎に実行される抽選などにより決定され、上乗せを行うことが決定されると、上乗せが行われてATモードでの残り遊技数が増加する。
【0029】
なお、ATモード中にボーナスが当選した場合、ボーナスが入賞し次第、ATモードを終了させてボーナスモードへと移行させてもよい。また、ボーナスが入賞し次第、ATモードを中断してボーナスモードへと移行させ、ボーナスモードの終了後にATモードを再開してもよい。さらに、ATモード中は、例えば、ボーナスよりも入賞優先度(入賞するように停止制御が行われる優先度)が高い当選役をボーナスと重複当選させるなどして、ボーナスの入賞を制限し、ATモードの終了後にボーナスの入賞の制限を解除してボーナスの入賞を可能とし、ボーナスが入賞したことを契機にボーナスモードへと移行させてもよい。
【0030】
図3に示すように、スロットマシン10の内部には、スロットマシン10の各部を制御することによって、遊技の実行及び進行を制御する遊技制御部30が設けられている。さらに、遊技制御部30には、メダルのベット処理を行うベット処理部32、当選役抽選を行う当選役抽選部34、リール20a〜20cの回転を制御するリールコントローラ36、メダルの払い出しを行う払出制御部38が設けられている。
【0031】
ベット処理部32には、ベットされたメダルの枚数をカウントするためのベットカウンタ32aが設けられており、ベット処理では、このベットカウンタ32aの値の変更が行われる。ベット処理部32は、メダル投入口22にメダルが投入されると、図示しないメダルセンサによりこれを検出し、投入されたメダル1枚につきベットカウンタ32aの値を「1」上昇させる。スロットマシン10では、3枚ベットで遊技が行われ、ベット処理部32は、メダル投入口22にメダルが投入されると、「3」を上限としてベットカウンタ32aの値を上昇させる。なお、ベットカウンタの値が「3」である状態、または、遊技中にメダル投入口22にメダルが投入された場合、このメダルは払い出し口27から払い出されて遊技者に返却、または、スロットマシン10にクレジット(貯留)され、ベットカウンタ32aの値は変化しない。
【0032】
また、ベット処理部32は、スロットマシン10にクレジットされたメダルが存在する状態で、1ベットボタン23aまたはMAXベットボタン23bが操作されると、操作されたベットボタンの種類に対応する数だけベットカウンタ32aの値を上昇させ、上昇させた値に対応する値をクレジット数から減算する。すなわち、1ベットボタン23aの操作毎に、ベットカウンタ32aの値を「1」上昇させ、上昇分だけクレジット数を減算する。また、MAXベットボタン23bが操作された場合は、値が「3」となるまでベットカウンタ32aの値を上昇させ、上昇させた分だけクレジット数を減算する。なお、ベットカウンタ32aの値が「3」である状態、または、遊技中に1ベットボタン23aまたはMAXベットボタン23bが操作された場合、この操作は無効とされ、ベットカウンタ32aの値やクレジット数は変化しない。
【0033】
遊技制御部30は、ベットカウンタ32aの値が「3」となると、スタートレバー24の操作を有効化し、有効化されたスタートレバー24の操作に基づいてスロットマシン10の各部を制御して遊技を開始させるとともに、遊技が開始されたタイミングや、遊技が終了したタイミングなど、予め定められた所定の契機となるとベットカウンタ32aの値を「0」に戻す。また、遊技制御部30は、遊技の終了に伴って停止表示された図柄組合せがリプレイに対応するものであった場合、すなわち、遊技においてリプレイが入賞した場合には、前述した再遊技処理も行う。
【0034】
当選役抽選部34は、遊技の開始に伴って内部抽選テーブルを用いた当選役抽選を行う。内部抽選テーブルは、複数の当選エリアのそれぞれに対して乱数が対応付けされたものであり、各当選エリアには当選役のいずれかまたはハズレが対応付けされている。また、当選エリアの中には、同種または異なる種類の複数の当選役が対応付けされたものもある。そして、当選役抽選では、図示しない乱数発生器により発生された乱数を内部抽選テーブルに照合していずれの当選エリアに該当するかが判定され、該当する当選エリアに対応付けされた当選役が当選となる。
【0035】
リールコントローラ36は、遊技制御部30の制御のもと、スタートレバー24の操作に応答してリール20a〜20cの回転を開始させるとともに、ストップボタン26a〜26cの操作に応答して操作されたストップボタンに対応するリールを停止させる停止制御を行う。
【0036】
停止制御においてリールコントローラ36は、当選役抽選で当選した当選エリアに対応付けされた当選役が入賞するようにリール20a〜20cの回転を停止させる。なお、複数の当選役が対応付けされた当選エリアが当選役抽選で決定された状態(複数の当選役が重複当選している状態)では、優先順位の高い当選役が優先的に入賞するようにリール20a〜20cの停止制御を行う。スロットマシン10では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順番で優先順位が設定されており、複数種類の当選役が重複当選している状態では、この優先順位に従ってリール20a〜20cの停止制御が行われる。
【0037】
また、スロットマシン10では、前述した特別小役とその他の小役のように、複数の当選役が重複当選している際に、ストップボタンの操作順序(押し順)に応じて、重複当選している当選役のいずれを優先的に入賞させる停止制御を行うかが変化する場合も設けられている。そして、特別小役がその他の小役と重複当選した状態では、特別打順でストップボタン26a〜26cが操作されると、特別小役が入賞するようにリール20a〜20cの停止制御が行われ、特別打順以外の打順でストップボタン26a〜26cが操作されると、その他の小役が入賞するようにリール20a〜20cの停止制御が行われる。
【0038】
なお、当選役が入賞するように停止制御を行うとは、ストップボタンが操作されたときに、当選役が入賞となる図柄組合せを構成する図柄(当選図柄)が、入賞有効ライン(当選図柄が並ぶと当選役が入賞となるライン)から所定の引き込み範囲内に存在する場合に、当選図柄を有効ライン上に引き込んで停止させることを示している。このため、当選役が入賞するように停止制御が行われても、ストップボタンの操作タイミング次第で、当選役が入賞するか否かが決まる場合もある(当選役が入賞するように停止制御を行っても、必ずしも当選役が入賞するとは限らない)。
【0039】
払出制御部38は、当選役が入賞すると、入賞した当選役に対応する払出数のメダルを遊技者に付与する。各当選役と、各当選役の入賞時に払い出すメダルの払出数との関係は、図示しない払出テーブルに規定されており、払出制御部38は、当選役が入賞となった場合、払出テーブルを参照して入賞した当選役に対応する払出数を検出する。そして、クレジット数が最大数(本実施形態では「50」枚)となるまでは、払出数をクレジット数に加算し、クレジット数が最大数を超える分についてはホッパ装置を駆動してメダル受け皿28に払い出す。
【0040】
また、遊技制御部30には、遊技を演出するための演出制御部40が設けられている。演出制御部40は、遊技状態に応じて演出装置(液晶ディスプレイ13やスピーカ14など)を駆動制御することによって遊技を演出する。演出装置の駆動制御としては、例えば、液晶ディスプレイ13への各種画像の表示制御や、スピーカ14から出力する音声の出力制御、電飾装置の発光制御、可動式役物の駆動制御などが挙げられる。演出制御部40は、遊技開始に伴って演出抽選を実行し、複数種類の演出の中から実行する演出の種類を決定する。そして、決定された演出の種類に対応する態様で演出装置の駆動制御を行う。
【0041】
さらに、演出制御部40には、演出装置を駆動制御することによって、前述した特別打順の報知を行う報知制御部(アシスト手段、差分値可変手段)42が設けられている。報知制御部42は、ATモードにおいて特別小役が当選すると、報知抽選テーブル44を用いた報知抽選を行い、この報知抽選に当選した場合に、当選した特別小役を入賞させるための特別打順の報知を行う。報知は、例えば、液晶ディスプレイ13にメッセージを表示したり、スピーカ14からガイド音声を出力したり、ストップボタン26a〜26cの本体やその周辺に設けられたガイドランプ(図示せず)を発光制御することによって行われる。
【0042】
報知抽選テーブル44としては、高確率テーブル46と低確率テーブル48との2種類のテーブルが設けられ、高確率テーブル46の方が低確率テーブル48よりも報知抽選に当選する確率が高く設定されている。これにより、高確率テーブル46を用いて報知抽選行う場合のほうが、低確率テーブル48を用いて報知抽選を行う場合よりも特別小役を入賞させることができる確率が高くなり、1回の遊技あたりの純増数が多くなる。報知制御部42は、これを利用し、高純増モードでは、高確率テーブル46を用いて報知抽選を行い、低純増モードでは、低確率テーブル48を用いて報知抽選を行うことにより、高純増モードの方が低純増モードよりも純増数が多くなるようにしている。
【0043】
以下、上記構成による本発明の作用について、図4をもとに説明を行う。図4に示すように、スロットマシン10では、ATモードにおいて特別小役が当選すると、ATモードの種別を判定し、高純増モードである場合は、高確率テーブル46を用いて報知抽選を行い、低純増モードである場合は、低確率テーブル48を用いて報知抽選を行う。そして、報知抽選に当選した場合は、特別小役を入賞させるための特別打順を報知する。遊技者は、この報知に従って遊技を行うことで特別小役を入賞させてメダルの払い出しを受けることができる。高確率テーブル46は、低確率テーブル48よりも報知確率(報知抽選に当選する確率)が高く設定されているため、高純増モードでは、低純増モードよりも純増数が高く(多く)なる。
【0044】
例えば、「1回の遊技に必要なメダルのベット数が3枚」であり、かつ、「ATモードでは特別当選役が100%の確率で当選」し、かつ、「特別当選役は、特別打順の報知がなされた場合にのみ入賞可能となっており、入賞すると12枚のメダルが払い出される」と仮定する。そしてこのような場合において、「高確率テーブル46の報知確率を1/2」、「低確率テーブル48の報知確率を1/3」とすると、高純増モードでは、1/2の確率で12枚の払い出しが行われるため、1遊技あたりの払い出し数の期待値(1遊技あたりに見込まれる払い出し数)は6枚となり、この値(6枚)から1遊技のベット数(3枚)を引いた「3枚」が高純増モードの純増数(期待値)となる(前述した場合における高純増モードの純増数(期待値)は、3枚となる)。同様に、低純増モードでは、1/3の確率で12枚の払い出しが行われるため、1遊技あたりの払い出し数の期待値は4枚となり、この値(4枚)から1遊技のベット数(3枚)を引いた「1枚」が低純増モードの純増数(期待値)となる(前述した場合における低純増モードの純増数(期待値)は、1枚となる)。
【0045】
また、例えば、「1回の遊技に必要なメダルのベット数が3枚」であり、かつ、「ATモードでは特別当選役が50%の確率で当選」し、かつ、「特別当選役は、特別打順の報知がなされた場合にのみ入賞可能となっており、入賞すると12枚のメダルが払い出される」と仮定する。そしてこのような場合において、「高確率テーブル46の報知確率を1/2」、「低確率テーブル48の報知確率を1/3」とすると、高純増モードでは、1/4の確率で12枚の払い出しが行われるため、1遊技あたりの払い出し数の期待値は3枚となり、この値(3枚)から1遊技のベット数(3枚)を引いた「0枚」が高純増モードの純増数(期待値)となる。同様に、低純増モードでは、1/6の確率で12枚の払い出しが行われるため、1遊技あたりの払い出し数の期待値は2枚となり、この値から1遊技のベット数(3枚)を引いた「−1枚」が低純増モードの純増数(期待値)となる。
【0046】
以上のように、本発明の第1実施形態のスロットマシン10によれば、遊技状態に応じて特別打順の報知確率を切り替えて遊技1回あたりに見込まれる払い出し数を可変させることにより、各遊戯状態における純増数を可変させる(すなわち、有利不利を発現させる)といった新たな遊技性を提供できる。
【0047】
なお、第1実施形態では、純増数を2段階に切り替える例で説明をしたが、純増数を3段階以上に切り替えてもよい。また、高純増モードや低純増モードの純増数は自由に設定できる、すなわち、特別当選役の当選確率や報知確率などは自由に設定できる。
【0048】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明を行うが、以降の説明では、上述した実施形態と同様の部材については同様の符号を付して説明を省略する。
【0049】
第2実施形態では、特別打順の報知として、第1報知と第2報知との2種類の報知を設けている。第1報知は、この第1報知に従って遊技を行えば、高確率(例えば、100%の確率)で特別小役を入賞させることが可能な報知である。一方、第2報知は、この第2報知に従って遊技を行っても低確率(例えば、50%の確率)でしか特別小役を入賞させることができない報知である。
【0050】
具体的には、特別打順を報知する場合、第1報知では、例えば、特別打順を完全に報知する(例えば、1番目に停止させるリール、2番目に停止させるリール、3番目に停止させるリールの全てを報知するなど)。一方、第2報知では、例えば、特別打順の一部のみを報知する(例えば、1番目に停止させるリールのみを報知したり、1番目に停止させてはいけないリールのみを報知するなど)。
【0051】
図5に示すように、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、ATモードにおいて特別小役が当選すると、ATモードの種別を判定し、高純増モードである場合は、高確率テーブル46を用いて報知抽選を行い、低純増モードである場合は、低確率テーブル48を用いて報知抽選を行う。一方、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、報知抽選に当選した場合は、第1報知を行い、報知抽選に落選した場合は、第2報知を行う。
【0052】
このように、第2実施形態では、報知抽選の結果によらず報知が行われるものの、第1報知が行われた場合の方が、第2報知が行われた場合よりも、特別小役を入賞させることができる確率が高くなる。そして、高純増モードの方が低純増モードよりも第1報知が行われる確率が高い。このため、高純増モードでは、低純増モードよりも純増数が高く(多く)なる。これにより、第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
また、第2実施形態のように複数種類の報知態様で報知を行う構成を、特別打順に偏りがあるスロットマシンと組み合わせることにより、遊技者の知識介入による影響を排除できるといった効果も得られる。特別打順に偏りがあるとは、例えば、左側のストップボタンを1番目に操作する特別打順が存在しない、すなわち、特別小役が当選した場合、左側のストップボタンを1番目に操作しても特別小役が入賞しない構成などが挙げられる。
【0054】
このように特別打順に偏りをもたせる理由は、遊技者は通常(特別打順の報知などの指示がない場合)、左側のストップボタンを1番目に操作するからである。つまり、特別打順に、左側のストップボタンを1番目に操作する操作順序が含まれていると、この操作順序が特別打順となった場合、特別打順の報知が無いにも関わらず、遊技者が通常通りに遊技を行っただけで特別小役が入賞してしまう場合があり、報知の意義が薄れてしまう。
【0055】
また、特別打順の報知が無いにも関わらず、遊技者が通常通りに遊技を行っただけで特別小役が入賞してしまう場合があると、このような場合に払い出されるメダルの数なども考慮して、全ての遊技状態トータルでのベース(遊技に投入したメダルと遊技の結果により払い出されるメダルとの比率)を調節、すなわち、各当選役の当選確率や各遊技状態の滞在確率、報知確率などを設定する必要があり、設計時の負担が大きい。このため、特別打順から左側のストップボタンを1番目に操作する操作順序を除外するなどして、特別打順に偏りをもたせる場合がある。
【0056】
しかし、例えば、特別打順から左側のストップボタンを1番目に操作する操作順序を除外した場合、これを知らない遊技者は、特別打順が報知されない状態では通常通りに遊技を行うため特別小役を入賞させることができない。一方、特別打順から左側のストップボタンを1番目に操作する操作順序が除外されていることを知る遊技者は、特別打順が報知されない状態であっても1番目に操作するストップボタンを左側のストップボタン以外とすることで特別小役を入賞させることができる場合もあり、通常通りに遊技を行うよりも有利になってしまう。そして、このように特別打順に偏りがあることを知るか否かによって有利不利が生じてしまうと、このような事情を知らずに遊技を行って不利益を被った遊技者が不満を感じてしまう。
【0057】
このような問題を防止するために、第2実施形態の構成が有効である。すなわち、第2実施形態では、第1報知が行われない場合であっても第2報知が行われる。このため、例えば、特別打順から左側のストップボタンを1番目に操作する操作順序が除外されている場合であっても、第2報知として、左側のストップボタンを1番目に操作する操作順序が特別打順ではない旨を報知する構成とすれば、前述した問題を防止できる。
【0058】
なお、第2実施形態では、2種類の報知態様を切り替える例で説明をしたが、3種類以上の報知態様を切り替えるようにしてもよい。
【0059】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について説明を行う。前述した第2実施形態では、複数種類の報知態様での報知(第1報知と第2報知)により、特別打順の偏りから生じる問題を防止する構成について説明をしたが、第3実施形態は、第2実施形態とは異なる手法で、特別打順の偏りから生じる問題を防止する構成である。
【0060】
図6に示すように、第3実施形態では、内部抽選テーブルの当選エリアとして、当選エリアA〜Cを設けている。これら当選エリアA〜Cは、いずれも、特別小役と他の小役とが重複して割り当てられた当選エリアである。そして、当選エリアAは、当選確率(当選役抽選で決定される確率)が「1/18」であり、特別打順(特別小役が入賞するように停止制御が行われる操作順序であり、以下、正解打順と称する)が、左側のストップボタンを1番目に操作する操作順序(以下、左1st)となっており、それ以外の操作順序は不正解打順(他の小役が入賞するように停止制御が行われる操作順序)となっている、
【0061】
同様に、当選エリアBは、当選確率が「1/9」であり、中央のストップボタンを1番目に操作する操作順序(以下、中1st)が正解打順となっている。また、当選エリアCは、当選確率が「1/9」であり、右側のストップボタンを1番目に操作する操作順序(以下、右1st)が正解打順となっている。
【0062】
このように、図6の例では、当選エリアAの当選確率が、当選エリアBや当選エリアCの当選確率の半分(1/2)である。よって、左1stが正解打順となる確率は、中1stや右1stが正解打順となる確率の半分、換言すると、中1stや右1stが正解打順となる確率は、左1stが正解打順となる確率の2倍であり、正解打順に偏りが生じている。
【0063】
このため、図6の例において、当選エリアA〜Cのいずれが当選している場合も報知抽選に当選する確率が等しくなるように共通の報知抽選テーブル(高確率テーブルまたは低確率テーブル)を用いて報知抽選を行うと、正解打順が報知されない遊技(正解打順が遊技者に分からない遊技)では、中1stまたは右1stのいずれかで遊技を行うことで、左1stで遊技を行う場合よりも、正解打順となる確率、すなわち、特別小役が入賞する確率を2倍として有利に遊技を行えてしまう。
【0064】
例えば、当選エリアA〜Cのいずれが当選している場合も報知抽選に当選する確率が60%となる共通の報知抽選テーブル(高確率テーブルまたは低確率テーブル)を用いて報知抽選を行った場合、当選エリアAが当選したが報知抽選に落選して正解打順が報知されない確率は、「1/18」×「2/5(40%)」=「1/45」である。同様に、当選エリアBが当選したが正解打順が報知されない確率は、「1/9」×「2/5(40%)」=「2/45」である。また、当選エリアCが当選したが正解打順が報知されない確率も「2/45」である。
【0065】
このように、正解打順が報知されない遊技においては、左1stが正解打順である確率が「1/45」であるのに対し、中1stまたは右1stが正解打順である確率は「2/45」であり2倍となる。このため、これを知る遊技者は、正解打順が報知されない遊技では、中1stまたは右1stのいずれかで遊技を行うことで、左1stで遊技を行う場合よりも、正解打順となる確率、すなわち、特別小役が入賞する確率を2倍として有利に遊技を行える。一方、このような事情を知らない遊技者は、正解打順が報知されない遊技においても通常通りに左1stで遊技を行ってしまい、不利となってしまう。
【0066】
このような有利不利が生じないように、第3実施形態では、当選エリアA〜Cの違いを考慮し、当選役抽選で決定された当選エリアに応じて報知抽選の内容が異なるようにしている。以下、高純増モードにおいて、前述した有利不利が生じないように報知抽選の内容を異ならせる例について図7をもとに説明を行う。
【0067】
図7に示すように、第3実施形態では、高純増モードで用いられる高確率テーブル46として、Aテーブル46A、Bテーブル46B、Cテーブル46Cの3つの報知抽選テーブルが設けられている。Aテーブル46Aは、高純増モードにおいて当選エリアAが当選した場合に用いられる報知抽選テーブルであり、報知抽選に当選する確率が0%となっている。また、Bテーブル46Bは、高純増モードにおいて当選エリアBが当選した場合に用いられる報知抽選テーブルであり、報知抽選に当選する確率が50%となっている、さらに、Cテーブル46Cは、高純増モードにおいて当選エリアCが当選した場合に用いられる報知抽選テーブルであり、報知抽選に当選する確率が50%となっている。
【0068】
本例では、当選役抽選で当選エリアAが当選する確率は「1/18」(図6参照)であり、この場合の報知確率は0%(図7参照)である。すなわち、本例では、当選エリアAが当選して報知が行われる確率は「1/18」×「0%」=「0%」、当選エリアAが当選したが報知が行われない確率は「1/18」×「100%」=「1/18」である。
【0069】
同様に、本例では、当選役抽選で当選エリアBが当選する確率は「1/9」(図6参照)であり、この場合の報知確率は50%(図7参照)である。すなわち、本例では、当選エリアBが当選して報知が行われる確率は「1/9」×「50%」=「1/18」、当選エリアBが当選したが報知が行われない確率は「1/9」×「50%」=「1/18」である。
【0070】
また、本例では、当選役抽選で当選エリアCが当選する確率は「1/9」(図6参照)であり、この場合の報知確率は50%(図7参照)である。すなわち、本例では、当選エリアCが当選して報知が行われる確率は「1/9」×「50%」=「1/18」、当選エリアCが当選したが報知が行われない確率は「1/9」×「50%」=「1/18」である。
【0071】
このように、本例では、報知が行われない場合に当選エリアAが当選している確率(左1stが正解打順である確率)と、報知が行われない場合に当選エリアBが当選している確率(中1stが正解打順である確率)と、報知が行われない場合に当選エリアCが当選している確率(右1stが正解打順である確率)とのいずれもが「1/18」であり、等しい値となっている。このため、前述した有利不利はない。
【0072】
なお、本例では、高純増モードを例に説明をしたが、低純増モードにおいて用いられる低確率テーブル48についても、当選役抽選で当選した当選エリアに対応する複数の報知抽選テーブル(低確率テーブル)が設けられており、高純増モードと同様に、報知が行われない場合にいずれの操作順序でストップボタンを操作しても(いずれの順番でリールを停止させても)前述した有利不利が生じないように、各報知抽選テーブル(低確率テーブル)の内容が決定されている。
【0073】
以上のように、第3実施形態によれば、当選エリア毎に報知抽選テーブルを設け、当選役抽選で決定された(当選した)当選エリアに対応する報知抽選テーブルを用いて報知抽選を行うようにしたので、報知が行われない場合のリールの停止順序により有利不利が生じてしまうといった問題を防止できる。
【0074】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について説明を行う。上述した第1〜第3実施形態では、用いる報知抽選テーブルを切り替えて、報知の発生確率を変化させることによって、高純増モードと低純増モードとを発現させる(各モードの純増数を可変させる)例で説明をしたが、第4実施形態は、第1〜第3実施形態とは異なる手法で複数のモードの純増数を可変させる構成である。
【0075】
図8に示すように、第4実施形態では、純増数の異なる遊技モード(遊技状態)として、前述した高純増モード及び低純増モードに加え、純増数が高純増モード以上の最高純増モードと、純増数が高純増モード以上、低純増モード未満の中純増モードを設けている。また、第4実施形態では、特別小役A、特別小役B、特別小役Cの3種類の特別小役を設けている。特別小役A、B、Cは、いずれも正解打順で遊技を行った場合に入賞する(入賞するように停止制御が行われる)当選役であり、特別小役A、Bが入賞すると8枚のメダルの払い出しを受けることができ、特別小役Cが入賞すると3枚のメダルの払い出しを受けることができる。
【0076】
そして、第4実施形態では、遊技モードに応じて正解打順の報知を行う特別小役の種類を異ならせている。具体的には、最高純増モードにおいては、特別小役A〜Cのいずれが当選した場合にも正解打順の報知を行う。一方、高純増モードにおいては、特別小役A、Bのいずれかが当選した場合にのみ正解打順を報知する(特別小役Cが当選しても報知しない)。また、中純増モードにおいては、特別小役A、Cのいずれかが当選した場合にのみ正解打順を報知する(特別小役Bが当選しても報知しない)。さらに、低純増モードにおいては、特別小役Aが入賞した場合にのみ正解打順を報知する(特別小役B、Cが当選しても報知しない)。このように、遊技モードに応じて正解打順を報知する特別当選役の種類を異ならせることによって、遊技モード毎に特別小役を入賞させることが可能な確率が異なるので、これに対応して各遊技モードの純増数も異なる。
【0077】
この第4実施形態の構成によれば、遊技状態(遊技モード)に応じて純増数が変化することにより有利不利を発現させることができるといった上記第1〜第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0078】
また、この第4実施形態の構成は、特別小役のようにストップボタンの停止順序によって停止制御の内容が異なる当選役(以下、押し順役や正解役と称する場合がある)が、予め複数設けられているスロットマシンに対して手軽に(新たな当選役などの設定を行うこと無く)適用できるので便利である。特に近年、複数の押し順役とその報知の有無との組み合わせにより、遊技性を多様化させる試みがなされているため、様々なスロットマシンに対して手軽に第4実施形態の構成を適用できる。
【0079】
このように、複数の押し順役とその報知の有無との組み合わせにより、遊技性を多様化させるスロットマシンとしては、例えば、RBB−ATと呼ばれるシステム(機能)を搭載したスロットマシンが挙げられる。
【0080】
RBB−ATは、正解役(入賞させるように停止制御を行うか否かがストップボタンの押し順で変化する当選役)が複数存在し、非RBB中ではこれらが個別に当選して打順役を形成する(すなわち、非RBB中は、押し順が正解でないと正解役が入賞しない(正解役が入賞する停止制御がなされない))。一方、RBB中は、正解役が1つの当選エリアで重複当選して打順不問役を形成する(すなわち、RBB中は、押し順によらずいずれかの正解役が入賞する(いずれかの正解役が入賞する停止制御がなされる))。
【0081】
具体的には、RBB−ATにおいて非RBB中は、例えば、正解役1が当選する当選エリア1が「1/10」、正解役2が当選する当選エリア2が「1/10」、正解役3が当選する当選エリア3が「1/10」、正解役4が当選する当選エリア4が「1/10」、正解役5が当選する当選エリア5が「1/10」の確率で当選するように構成される。また、RBB中は、例えば、正解役1〜5が重複当選する当選エリアXが「1/10」で当選するように構成される。
【0082】
この例の場合、正解役1〜5の当選確率は、非RBB中もRBB中も「1/10」で等しくなる(換言すると、正解役1〜5の条件装置の作動率は、非RBB中もRBB中も「1/10」で等しい)。一方で、内部抽選(当選役抽選)結果に対して、最も獲得できるメダルが多くなる遊技方法(すなわち、正解役が当選した場合に正解の押し順で遊技を行い、正解役を確実に入賞させる遊技方法)で遊技を行った場合、正解役1〜5のいずれかが当選(本例の遊技方法では当選すなわち入賞である)となる確率は、5種類の正解役がそれぞれ個別に当選する非RBB中が「1/10」×5=「1/2」となるのに対し、5種類の正解役が重複当選するRBB中は「1/10」のままである。すなわち、本例の場合、RBB中に正解役1〜5のいずれかが当選(すなわち入賞)する確率が、非RBB中に正解役1〜5のいずれかが当選(すなわち入賞)する確率の「1/5」に圧縮される。
【0083】
RBB−ATでは、これを利用し、正解役1〜5のそれぞれが入賞した場合に払い出されるメダルの枚数を異ならせ、払い出しの多い正解役がRBB中に入賞し難くすることにより、条件装置の作動確率についてはRBB中と非RBB中とで等しくしながら、RBB中のメダルの払い出し数が、非RBB中よりも少なくなるようにしている。
【0084】
このように、RBB−ATでは、RBB中のベースを非RBB中よりも低下させることができる。つまり、RBB−ATでは、ボーナス(RBBの一種)であるにも関わらず、ベースを非ボーナス中よりも低くすることが可能である。このため、全ての遊技状態トータルでのベースを一定値以下に収めるといった法令の定めを遵守しながら、ボーナス以外の遊技状態のベースを向上させたいなどの事情が存在する場合に、ボーナスとしてRBB−ATを用いることで、他の遊技状態のベースを向上させることが可能である。
【0085】
また、法令による定めとしては、当選役抽選で小役に係る当選エリアが当選する確率を、非RBB中よりもRBB中の方を高くするといったものもある。このため、RBB−ATでは、非RBB中に打順役を構成する正解役以外の小役が、正解役と重複当選する当選エリアとは別の当選エリアで当選する場合を設けている。こうすることによって、当選役抽選で小役に係る当選エリアが当選する確率が、非RBB中よりもRBB中の方が高くなるようにしている。
【0086】
なお、この法令の定め遵守するためには、RBB中の小役の当選確率を非RBB中よりも上昇させればよいので、前述の例のように、一部の小役(前述の例では、非RBB中に打順役を構成する正解役以外の小役)の当選確率を上昇させる構成に限定されず、全ての小役について当選確率を上昇させてもよい。また、一部の小役について当選確率を上昇させる場合についても、前述の例に限定されず、正解役1〜5の全ての当選確率を上昇させてもよいし、正解役の一部の当選確率を上昇させてもよいし、正解役以外の小役の一部または全部の当選確率を上昇させてもよい。
【0087】
さらに、法令による定めとしては、ランダムな押し順で停止操作を行った場合のベースが、非RBB中よりもRBB中の方を高くするといったものもある。ここで、前述のように、RBB−ATでは、非RBB中は複数の正解役が個別に当選して打順役を形成し、RBB中は複数の正解役が1つの当選エリアで重複当選して打順不問役を形成するといった構成を有している。これにより、特定の1種類の正解役が入賞する確率が、RBB中の方が非RBB中よりも低下する(本例では「1/5」となる)といった作用がある(以下、作用1)。
【0088】
一方、正解役は、非RBB中は押し順が正解しないと入賞せず(入賞する停止制御が行われず)、RBB中は押し順不問で入賞する。これにより、非RBB中は、例えば、3つのストップボタンの6通りの押し順のうち、1つの押し順で操作したときにのみ正確役が入賞する(入賞する停止制御が行われる)構成とした場合、正解役が入賞する確率が、非RBB中の方がRBB中よりも低下する(本例では「1/6」)となるといった作用もある(以下、作用2)。RBB−ATでは、これら、作用1と作用2とを互いに打ち消し合わせることで、ランダムな押し順で停止操作を行った場合のベースが、RBB中の方が非RBB中よりも高くなるようにしている。
【0089】
このように、RBB−ATでは、ランダムな押し順で遊技を行った場合、正解役が入賞する(入賞する停止制御が行われる)確率がRBB中の方が非RBB中よりも高くなるが、実際は、非RBB中に正解打順の報知を行うことによって、正解役が入賞する確率が向上する。このため、実質的には、非RBB中の方がRBB中よりもベースを高くすることができる。
【0090】
以上のように、RBB−ATでは、全ての遊技状態トータルでのベースを一定値以下に収めるといった法令や、その他の法令を遵守しながら、ボーナス(RBB)中のベースを、非ボーナス(非RBB)中よりも低下させることができる。このため、ボーナスとしてRBB−ATを用い、ボーナス中のベースを低下させ、他の遊技状態のベースを向上させるなどして遊技性を多様化できる。
【0091】
また、RBB−ATには、前述した正解役1~5のように、ストップボタンの停止順序によって停止制御の内容が異なる当選役が予め複数設けられているので、手軽に第4実施形態の実施が可能である。すなわち、第4実施形態では、遊技モード(遊技状態)に応じて正解打順の報知を行う特別小役の種類を異ならせるため、複数の特別小役を設ける必要がある。これに対し、RBB−ATには、特別小役となり得る複数の正解役(正解役1〜5)が予め存在する。このため、例えば、正解役1を前述した特別小役A(図8参照)とし、正解役2を特別小役B(図8参照)とし、正解役3を特別小役Cとするなど、RBB−ATで用いる複数の正解役を、第4実施形態を実施する際に必要となる複数の特別小役として用いることにより、新たな特別小役を設けることなく、手軽に第4実施形態の実施が可能である。
【0092】
以上、実施形態1〜4の4つの実施形態について説明をしたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、細部の構成については適宜変更できる。例えば、上記実施形態1〜3では、報知確率を可変させることにより、純増数を可変させる例で説明し、上記実施形態4では、報知する当選役(特別小役)の種類を可変させることにより純増数を可変させる例で説明をしたが、報知確率を可変させる構成と、報知する当選役の種類を可変させる構成とを組み合わせてもよい。
【0093】
この場合、報知確率を可変させることにより純増数を可変させる遊技モードと、報知する当選役の種類を可変させることにより純増数を可変させる遊技モードとの2種類の遊技モードを設けるといったことが考えられる。もちろん、報知確率と報知する当選役の種類の両方を可変させることにより純増数を可変させる遊技モードを設けてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、報知が、当選役(特別小役)を入賞させるためのストップボタンの操作順序の報知である例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。報知が、当選役を入賞させるためのストップボタンの操作タイミングの報知であってもよい。なお、ストップボタンの操作タイミングの報知は、操作すべきタイミングでランプを点灯させるなど操作すべきタイミングを直接的に報知することに限定されず、狙うべき図柄(入賞させるための停止制御が行われる当選役の当選図柄)や狙うべき当選役を報知することも含まれる。
【0095】
また、上記実施形態では、純増数(差分値)がプラスとなる例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。報知の態様を可変させることにより、純増数をマイナスの範囲、または、マイナスを含む範囲で可変させてもよい。
【符号の説明】
【0096】
10 スロットマシン(遊技機)
13 液晶ディスプレイ
14 スピーカ
20a、20b、20c リール
24 スタートレバー
26a、26b、26c ストップボタン
30 遊技制御部
40 演出制御部
42 報知制御部(アシスト手段、差分値可変手段)42
44 報知抽選テーブル
46 高確率テーブル(報知抽選テーブル)
46A Aテーブル(高確率テーブル)
46B Bテーブル(高確率テーブル)
46C Cテーブル(高確率テーブル)
48 低確率テーブル(報知抽選テーブル)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8